IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図1
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図2
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図3
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図4
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図5
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図6
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図7
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図8
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図9
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図10
  • 特開-部品供給装置および部品供給方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176541
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品供給方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/18 20060101AFI20241212BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20241212BHJP
   B26D 7/22 20060101ALI20241212BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B26D7/18 F
H05K13/02 C
B26D7/22 B
B26D5/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095125
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】片野 良一郎
【テーマコード(参考)】
3C021
5E353
【Fターム(参考)】
3C021FD04
3C021HA07
5E353BC02
5E353CC21
5E353GG01
5E353GG21
5E353HH11
5E353HH40
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353LL03
5E353QQ08
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】供給される部品の品質の向上を図ることができる部品供給装置を提供する。
【解決手段】部品供給装置である部品供給部33は、部品5の組み込まれたテープ部材200からその部品5を打ち抜く打ち抜き処理を、金型336を用いて行う打ち抜き部33bと、打ち抜き処理に関する測定値を測定する測定部333と、その測定値に基づき、クリーニング条件を変更する制御部331と、打ち抜き処理によって打ち抜かれた部品5を、そのクリーニング条件にしたがってクリーニングするクリーニング部334とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の組み込まれたテープ部材から前記電子部品を打ち抜く打ち抜き処理を、金型を用いて行う打ち抜き部と、
前記打ち抜き処理に関する測定値を測定する測定部と、
前記測定値に基づき、クリーニング条件を変更する制御部と、
前記打ち抜き処理によって打ち抜かれた前記電子部品を、前記クリーニング条件にしたがってクリーニングするクリーニング部と、
を備える部品供給装置。
【請求項2】
前記測定値は、前記金型によって前記テープ部材から前記電子部品が打ち抜かれるときに前記金型にかかる応力である、
請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記測定部は、圧電素子を含む、
請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記測定値は、前記金型によって前記テープ部材から前記電子部品が打ち抜かれるときに飛散するパーティクルの数である、
請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記測定部は、前記金型および前記電子部品の少なくとも一方の周囲に飛散する前記パーティクルの数を測定するパーティクルセンサを含む、
請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記クリーニング部は、前記電子部品に当接して摺動することにより前記電子部品をクリーニングするブラシを含み、
前記クリーニング条件は、前記ブラシが前記電子部品に当接する圧力、前記ブラシが前記電子部品に対して摺動する相対速度、およびクリーニングにかかる時間、のうちの少なくとも一つを含む、
請求項1~5の何れか1項に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記クリーニング部は、前記電子部品に超音波を印加することにより前記電子部品をクリーニングする超音波発生部を含み、
前記クリーニング条件は、前記超音波の出力、およびクリーニングにかかる時間のうちの少なくとも一つを含む、
請求項1~5の何れか1項に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記測定値に基づき、前記金型の劣化の有無を判定し、前記金型の劣化が有ると判定される場合に、前記金型のメンテナンスを通知する、
請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記制御部は、
異常の発生回数に基づき、前記金型の劣化の有無を判定し、
前記異常は、前記測定値が所定の範囲内に収まらない事象である、
請求項8に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記部品供給装置は、
前記金型である第1金型と、前記第1金型と異なる第2金型とを備え、
前記制御部は、
前記第1金型に劣化が有ると判定される場合に、前記打ち抜き部に、前記第2金型を用いた前記打ち抜き処理を行わせる、
請求項8または9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記部品供給装置は、
前記打ち抜き部である第1打ち抜き部と異なる第2打ち抜き部を備え、
前記第1打ち抜き部は、前記金型を第1金型として用いて前記打ち抜き処理を行い、
前記制御部は、
前記第1金型に劣化が有ると判定される場合に、前記第1金型と異なる第2金型を用いた前記打ち抜き処理を前記第2打ち抜き部に行わせる、
請求項8または9に記載の部品供給装置。
【請求項12】
電子部品の組み込まれたテープ部材から前記電子部品を打ち抜く打ち抜き処理を、金型を用いて行い、
前記打ち抜き処理に関する測定値を測定し、
前記測定値に基づき、クリーニング条件を変更し、
前記打ち抜き処理によって打ち抜かれた前記電子部品を、前記クリーニング条件にしたがってクリーニングする、
部品供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を供給する部品供給装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルなどの基板に電子部品(以下、単に「部品」とも呼ばれる)を圧着する部品圧着装置が提供されている。この部品圧着装置は、液晶パネルの端部に、異方性導電部材であるACF(Anisotropic Conductive Film)を介して部品を圧着する。つまり、その液晶パネルの端部には、接着部材としてACFが貼着されている。部品圧着装置は、液晶パネルのそのACFが貼着された部分に部品を搭載して、液晶パネルに圧着する。
【0003】
また、部品が組み込まれたTCP(Tape Carrier Package)などのテープ部材からその部品を打ち抜き、打ち抜かれた部品を基板に圧着する部品圧着装置が部品実装装置として提案されている(特許文献1参照)。このような部品実装装置は、部品を供給する部品供給装置と、その供給された部品を基板に圧着する圧着装置とを備えていると言える。その部品供給装置は、部品をテープ部材から打ち抜き、打ち抜かれた部品を圧着装置に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-53182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の部品供給装置では、供給される部品の品質が低下する可能性があるという課題がある。
【0006】
そこで、本開示では、供給される部品の品質の向上を図ることができる部品供給装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る部品供給装置は、電子部品の組み込まれたテープ部材から前記電子部品を打ち抜く打ち抜き処理を、金型を用いて行う打ち抜き部と、前記打ち抜き処理に関する測定値を測定する測定部と、前記測定値に基づき、クリーニング条件を変更する制御部と、前記打ち抜き処理によって打ち抜かれた前記電子部品を、前記クリーニング条件にしたがってクリーニングするクリーニング部と、を備える。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の部品供給装置は、供給される部品の品質の向上を図ることができる。
【0010】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施の形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態における部品実装ラインの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態における部品実装ラインの平面図である。
図3図3は、実施の形態における部品供給部によって扱われるテープ部材と、そのテープ部材から打ち抜かれる部品とのそれぞれの一例を示す図である。
図4図4は、実施の形態における部品供給部の概略的な構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態における部品供給部の具体的な機構の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態における打ち抜き部による打ち抜き処理と、測定部による測定とのそれぞれの一例を説明するための図である。
図7図7は、実施の形態における打ち抜き部による打ち抜き処理と、測定部による測定とのそれぞれの他の例を説明するための図である。
図8図8は、実施の形態における部品供給部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施の形態における部品供給部の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施の形態における、金型の劣化の有無の判定処理を詳細に示すフローチャートである。
図11図11は、実施の形態の変形例における部品供給部の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した上記特許文献1の部品供給装置に関し、以下の課題が生じることを見出した。
【0013】
上記特許文献1の部品供給装置は、部品をテープ部材から打ち抜くために打ち抜き金型(以下、金型とも呼ばれる)を用いている。この金型によって打ち抜かれた部品の側縁部には、バリ、ひげなどの異物が付着している場合がある。なお、ひげは、テープ部材または部品の材料によって構成されている細長い形状の異物である。このような異物が付着している部品が液晶パネルなどの基板に圧着されると、その異物によって、電気的なショートが生じたり、圧痕不良の実装基板が生産される可能性がある。なお、圧痕不良とは、部品がACFを介して基板に圧着されても、部品の電極が基板の電極に電気的に接続されていない状態である。そのため、異物は、実装基板の品質不良に大きく影響する。
【0014】
そこで、上記特許文献1の部品供給装置は、ブラシを用いたブラッシングによってその異物を部品から除去する。また、そのブラッシングによって飛散した異物がその部品の表面に付着する場合には、部品供給装置は、その異物を認識して、その部品の基板への実装を行われないと判断する。つまり、部品の供給が停止される。
【0015】
しかし、上記特許文献1の部品供給装置では、打ち抜かれた各部品に対して同一条件のブラッシングが行われる。つまり、金型による打ち抜きの回数が増加するとともに、その金型のエッジが鈍り、その金型による打ち抜きがスムーズに行われなくなってきても、金型のエッジが鋭かったときと同様、各部品に対して同じ条件でブラッシングが行われる。その結果、異物を部品から適切に除去することができない可能性がある。したがって、供給される部品の品質が低下してしまう。また、除去されていない異物が認識されることによって、その異物が付着している部品の供給が停止される場合には、部品供給の効率が低下する。つまり、部品供給の効率を高く維持するためには、供給される部品の品質が低下してしまう。
【0016】
このような課題を解決するために、本開示の第1態様に係る部品供給装置は、電子部品の組み込まれたテープ部材から前記電子部品を打ち抜く打ち抜き処理を、金型を用いて行う打ち抜き部と、前記打ち抜き処理に関する測定値を測定する測定部と、前記測定値に基づき、クリーニング条件を変更する制御部と、前記打ち抜き処理によって打ち抜かれた前記電子部品を、前記クリーニング条件にしたがってクリーニングするクリーニング部と、を備える。
【0017】
これにより、金型を用いた打ち抜き処理に関する測定値に基づいて、その打ち抜き処理によって打ち抜かれた電子部品のクリーニング条件が変更されるため、金型の状態に応じたクリーニングをその電子部品に対して行うことができる。つまり、金型のエッジが鈍ることによって、打ち抜かれる電子部品にバリ、ひげなどの異物が多く付着しても、それらの異物を電子部品から適切に除去することができる。その結果、提供される部品の品質を向上することができる。
【0018】
また、第2態様に係る部品供給装置では、前記測定値は、前記金型によって前記テープ部材から前記電子部品が打ち抜かれるときに前記金型にかかる応力であってもよい。なお、第2態様は、第1態様に従属する。
【0019】
これにより、電子部品が打ち抜かれるときに金型にかかる応力に応じて、クリーニング条件が変更される。例えば、金型のエッジが鈍ると、その応力は増加する。したがって、金型の状態に応じたより適切なクリーニングを電子部品に対して行うことができる。
【0020】
また、第3態様に係る部品供給装置では、前記測定部は、圧電素子を含んでもよい。なお、第3態様は、第2態様に従属する。
【0021】
これにより、電子部品が打ち抜かれるときの応力を測定値として適切に測定することができる。
【0022】
また、第4態様に係る部品供給装置では、前記測定値は、前記金型によって前記テープ部材から前記電子部品が打ち抜かれるときに飛散するパーティクルの数であってもよい。なお、第4態様は、第1態様に従属する。
【0023】
これにより、電子部品が打ち抜かれるときに飛散するパーティクルの数に応じて、クリーニング条件が変更される。例えば、金型のエッジが鈍ると、そのパーティクルの数が増加する傾向がある。したがって、金型の状態に応じたより適切なクリーニングを電子部品に対して行うことができる。
【0024】
また、第5態様に係る部品供給装置では、前記測定部は、前記金型および前記電子部品の少なくとも一方の周囲に飛散する前記パーティクルの数を測定するパーティクルセンサを含んでもよい。なお、第5態様は、第4態様に従属する。
【0025】
これにより、電子部品が打ち抜かれるときに飛散するパーティクルの数を測定値として適切に測定することができる。
【0026】
また、第6態様に係る部品供給装置では、前記クリーニング部は、前記電子部品に当接して摺動することにより前記電子部品をクリーニングするブラシを含み、
前記クリーニング条件は、前記ブラシが前記電子部品に当接する圧力、前記ブラシが前記電子部品に対して摺動する相対速度、およびクリーニングにかかる時間、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。なお、第6態様は、第1態様~第5態様の何れか1つに従属してもよい。
【0027】
これにより、電子部品に対するブラッシングをクリーニングとして行うことができ、その電子部品から異物を適切に除去することができる。さらに、多様なクリーニング条件を変更することができ、クリーニング条件の変更の自由度を高めることができる。
【0028】
また、第7態様に係る部品供給装置では、前記クリーニング部は、前記電子部品に超音波を印加することにより前記電子部品をクリーニングする超音波発生部を含み、前記クリーニング条件は、前記超音波の出力、およびクリーニングにかかる時間のうちの少なくとも一つを含んでもよい。なお、第7態様は、第1態様~第5態様の何れか1つに従属してもよい。
【0029】
これにより、電子部品に非接触でクリーニングを行うことができ、電子部品を傷つけることなくその電子部品から異物を適切に除去することができる。また、クリーニングを行うための機械的な動きが少ないため、装置の構造を簡略化することができる可能性がある。
【0030】
また、第8態様に係る部品供給装置では、前記制御部は、前記測定値に基づき、前記金型の劣化の有無を判定し、前記金型の劣化が有ると判定される場合に、前記金型のメンテナンスを通知してもよい。なお、第8態様は、第1態様~第7態様の何れか1つに従属してもよい。
【0031】
これにより、金型が劣化すると、金型が劣化していると判定され、その金型のメンテナンスが通知される。したがって、その金型の再研磨などのメンテナンスを適切なタイミングで実行するとことができる。例えば、劣化の有無の判定が行われない場合には、金型が劣化する前に、早めに、金型のメンテナンス、あるいは、新しい金型への取り替えなどが行われる。つまり、早めのメンテナンスあるいは取り替えが定期的に実行される。しかし、第8態様では、上述のように、劣化していると判定される場合に、メンテナンスが通知されるため、上述のような早めのメンテナンスなどを行う必要がない。その結果、部品供給装置の保守の効率化を図ることができる。
【0032】
また、第9態様に係る部品供給装置では、前記制御部は、異常の発生回数に基づき、前記金型の劣化の有無を判定し、前記異常は、前記測定値が所定の範囲内に収まらない事象であってもよい。なお、第9態様は、第8態様に従属する。例えば、異常の発生回数が閾値を超える場合に、金型が劣化していると判定される。
【0033】
これにより、金型の劣化の有無を適切に判定することができる。
【0034】
また、第10態様に係る部品供給装置では、前記部品供給装置は、前記金型である第1金型と、前記第1金型と異なる第2金型とを備え、前記制御部は、前記第1金型に劣化が有ると判定される場合に、前記打ち抜き部に、前記第2金型を用いた前記打ち抜き処理を行わせてもよい。なお、第10態様は、第8態様または第9態様に従属してもよい。
【0035】
これにより、第1金型が劣化している場合には、打ち抜き処理に用いられる金型が、第1金型から第2金型に切り替えられる。したがって、第1金型が劣化しても、高品質な部品の供給を継続して実行することができる。
【0036】
また、第11態様に係る部品供給装置では、前記部品供給装置は、前記打ち抜き部である第1打ち抜き部と異なる第2打ち抜き部を備え、前記第1打ち抜き部は、前記金型を第1金型として用いて前記打ち抜き処理を行い、前記制御部は、前記第1金型に劣化が有ると判定される場合に、前記第1金型と異なる第2金型を用いた前記打ち抜き処理を前記第2打ち抜き部に行わせてもよい。なお、第11態様は、第8態様または第9態様に従属してもよい。
【0037】
これにより、第1金型が劣化している場合には、打ち抜き処理を行う打ち抜き部が、第1金型を用いる第1打ち抜き部から、第2金型を用いる第2打ち抜き部に切り替えられる。したがって、第1金型が劣化しても、高品質な部品の供給を継続して実行することができる。
【0038】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0039】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0040】
(実施の形態)
[部品実装ラインの概略構成]
図1は、本実施の形態における部品実装ラインの概略構成を示す図である。
【0041】
本実施の形態における部品実装ライン1は、液晶パネル、有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの基板3に部品5を実装することによってディスプレイパネルなどの製品(すなわち実装基板)を生産するシステムである。なお、部品5は、例えば駆動回路などの電子部品である。
【0042】
このような部品実装ライン1は、図1に示すように、基板搬入部10と、貼着部20と、仮圧着部30と、本圧着部40と、基板搬出部50とを有する。基板搬入部10、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、および基板搬出部50は、この順で連結されている。
【0043】
基板搬入部10は、作業者または上流側の他の装置から搬入される矩形の基板3を受け取る。そして、その基板3は下流側の貼着部20に搬出される。
【0044】
貼着部20は、基板搬入部10から搬出された基板3を受け取り、その基板3の周縁にある複数の電極部4のそれぞれにACFなどの接着部材を貼着する。そして、その接着部材が貼着された基板3は仮圧着部30に搬出される。なお、複数の電極部4のそれぞれは、例えば、複数の電極により構成されている。
【0045】
仮圧着部30は、貼着部20から搬出された基板3を受け取り、その基板3の接着部材が貼着されている部位に部品5を搭載して仮圧着する。そして、その部品5が仮圧着された基板3は本圧着部40に搬出される。
【0046】
本圧着部40は、仮圧着部30から搬出された基板3を受け取り、その基板3に仮圧着された部品5に対して本圧着(熱圧着ともいう)を行う。そして、その本圧着が行われた基板3は基板搬出部50に搬出される。
【0047】
基板搬出部50は、本圧着部40から搬出された基板3を受け取る。基板搬出部50に受け取られた基板3は下流側に搬出される。
【0048】
このように、部品実装ライン1は、搬入された基板3の周縁に設けられた複数の電極部4のそれぞれに部品5を実装する部品実装作業を実行し、部品5が実装された基板3を実装基板として基板搬出部50から搬出する。
【0049】
[部品実装ラインの詳細構成]
図2は、本実施の形態における部品実装ライン1の平面図である。具体的には、図2は、部品実装ライン1を上方から見た構成を示す。なお、本実施の形態において、基板3の搬送方向、すなわち左右方向をX軸方向と称し、鉛直方向、すなわち上下方向をZ軸方向と称し、X軸方向およびZ軸方向に垂直な方向、すなわち奥行き方向をY軸方向と称す。また、X軸方向の負側および正側は、基板3の搬送方向の上流側および下流側にそれぞれ相当し、Z軸方向の負側および正側は、鉛直方向の下側および上側にそれぞれ相当し、Y軸方向の負側および正側は、奥行き方向の手前側および奥側、または、前側および後側にそれぞれ相当する。
【0050】
基板搬入部10は、搬入される基板3を載置するための基台1aを備える。基板搬入部10の基台1aには、基板3が載置されるステージ11が設けられている。ステージ11は、基台1aに対してZ軸方向に昇降する。また、ステージ11の上面には、複数の吸着孔11aが設けられている。このようなステージ11は、作業者または上流側の他の装置から搬入されてステージ11上に載置された基板3を、図示しないポンプ等の吸引器によって吸着孔11aから真空吸着して保持する。
【0051】
貼着部20は、基板3の電極部4に接着部材であるACFを貼着する貼着作業を行う機能を備える。貼着部20は、基板移動機構21と、貼着機構22とを備える。
【0052】
基板移動機構21は、基板3を移動させる機構である。基板移動機構21は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、ステージ23とを備える。基板移動機構21には、基台1b上に下方から順に、X軸テーブルと、Y軸テーブルと、Z軸テーブルと、ステージ23とが重ねて設けられている。
【0053】
Y軸テーブルは、Y軸方向に延びて設けられ、X軸テーブル上をX軸方向に自在に移動する。Z軸テーブルは、Y軸テーブル上をY軸方向に自在に移動し、上部に設けられたステージ23をZ軸方向に昇降するとともにZ軸回りに回転させる。
【0054】
また、ステージ23の上面には、複数の吸着孔23aが設けられており、ステージ23は、その上面に載置された基板3を真空吸着して保持する。このように、基板移動機構21は、基板3を吸着保持して水平面内(具体的には、X軸方向およびY軸方向)で移動させ、上下方向(すなわちZ軸方向)に昇降させるとともにZ軸回りに回転させる。
【0055】
貼着機構22は、基台1bの上方に、X軸方向に並んだ例えば2つの貼着ヘッドを備えている。各貼着ヘッドは、それぞれACFを供給する供給部と、ACFを基板3に貼着するための貼着ツールとを備えている。2つの貼着ヘッドのそれぞれは、基板3上の複数の電極部4に対応する位置にACFを貼着する。また、2つの貼着ヘッドのそれぞれに対応する下方の位置には、貼着支持台が備えられている。
【0056】
仮圧着部30は、基板3のACFが貼着された領域(すなわち圧着対象部位)に部品5を搭載して仮圧着する仮圧着作業を実行する。仮圧着部30は、基板移動機構31と、部品搭載機構32と、部品供給部33と、部品移送部35とを備える。
【0057】
基板移動機構31は、貼着部20の基板移動機構21と同様の構造を有する。具体的には、基板移動機構31は、基板3を保持するステージ37を有する。ステージ37の上面には、複数の吸着孔37aが設けられている。基板移動機構31は、そのステージ37上に載置された基板3をその複数の吸着孔37aによって真空吸着して保持する。また、基板移動機構31は、基板3を吸着保持するステージ37を水平面内で移動させ、上下方向に昇降させるとともにZ軸回りに回転させる機能を備える。基板移動機構31は、そのステージ37の移動および回転によって、吸着保持されている基板3のACFが貼着された領域を、部品搭載機構32のバックアップステージであるバックアップ部36の上方に位置させる。
【0058】
部品供給部33は、部品搭載機構32の奥側(すなわちY軸方向正側)に基台1bの後部から張り出して設けられている。例えば、部品供給部33は、TCPなどのテープ部材が巻き付けられた供給リール33aと、打ち抜き部33bと、可動ステージ33cと、レール33dと、クリーニング部334とを備える。このような部品供給部33は、それらの構成要素の動きによってテープ部材から部品5を順次供給する。また、この部品供給部33は、本実施の形態における部品供給装置の一例である。部品供給装置33の詳細については、後述する。
【0059】
部品移送部35は、部品供給部33から供給される部品5を、部品搭載機構32に含まれる圧着ツール34側に移動させる。
【0060】
部品搭載機構32は、基台1b上に設けられ、圧着ツール34とバックアップ部36とを備える。
【0061】
バックアップ部36は、長尺状に形成された部材であって、基板3を下方から支持する。つまり、バックアップ部36は、ステージ37に保持されている基板3における予め定められた部位である圧着対象部位を下方から支持する。なお、この圧着対象部位は、基板3においてACFが貼着されている部位である。
【0062】
圧着ツール34は、部品5を保持し、バックアップ部36によって支持されている基板3の上面に部品5を圧着する。つまり、圧着ツール34は、基板3の圧着対象部位に部品5を圧着する。具体的には、圧着ツール34は、Z軸方向に昇降し、部品移送部35によって移動された部品5を上方から吸着(つまり、ピックアップ)する。そして、圧着ツール34は、吸着した部品5をACF上に搭載して基板3ごとバックアップ部36に押し付けることで、基板3に部品5を仮圧着する。なお、仮圧着部30は、基板移動機構31によって保持されている基板3の方向を90度回転させる機構を備えてもよい。
【0063】
本圧着部40は、仮圧着部30によって基板3に仮圧着された部品5を基板3に本圧着(つまり、熱圧着)する本圧着作業(熱圧着作業ともいう)を実行する。こうすることで、基板3に形成された電極部4と部品5とはACFを介して電気的に接続される。このような本圧着部40は、基板移動機構41と、圧着機構42とを備える。
【0064】
基板移動機構41は、貼着部20の基板移動機構21と同様の構造を有する。具体的には、基板移動機構41は、ステージ49を有する。ステージ49の上面には、複数の吸着孔49aが設けられている。基板移動機構41は、そのステージ49上に載置された基板3をその複数の吸着孔49aによって真空吸着して保持する。また、基板移動機構41は、基板3を吸着保持するステージ49を水平面内で移動させ、上下方向に昇降させるとともにZ軸回りに回転させる機能を備える。基板移動機構41は、そのステージ49の移動および回転によって、吸着保持されている基板3の部品5が仮圧着された領域を、圧着機構42の圧着支持部の上方に位置させる。
【0065】
圧着機構42は、加熱されたヘッドで基板3の部品5を圧着支持部側に押圧する。これにより、部品5は本圧着され、基板3に形成された電極部4と部品5とはACFを介して電気的に接続される。
【0066】
基板搬出部50は、本圧着部40から搬送された基板3をステージ51上に真空吸着して保持する機能を備える。基板搬出部50において保持された基板3は、下流側の他の装置に搬出されるか、作業者によってステージ51から取り出される。ステージ51は、基台1cに対してZ軸方向に昇降する。また、ステージ51の上面には、複数の吸着孔51aが設けられており、ステージ51は、本圧着部40から移送された基板3をその上面で真空吸着して保持する。
【0067】
搬送部60は、基板3を搬送する装置である。具体的には、搬送部60は、基板搬入部10に搬入された基板3を、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、および、基板搬出部50へこの順に受け渡す(移送する)機能を備える。搬送部60は、貼着部20、仮圧着部30、および本圧着部40の前方領域(すなわちY軸方向負側)に配置されている。
【0068】
搬送部60は、基台1a、基台1b、および、基台1cにわたってX軸方向に延びた移動ベース61上に、上流側から順に配置されている、基板搬送機構62A、基板搬送機構62B、基板搬送機構62C、および、基板搬送機構62Dを備えている。基板搬送機構62A~62Dは、それぞれ基部63および1以上のアームユニット64を備える。本実施の形態では、基板搬送機構62A~62Dがそれぞれ2基のアームユニット64を備える場合を例示している。基部63は、移動ベース61上に設けられ、X軸方向に自在に移動する。基部63上には、2基のアームユニット64がX軸方向に並んで設けられている。アームユニット64は、基板3を上方から真空吸着する。
【0069】
基板搬送機構62A~62Dのそれぞれは、ステージ11、23、37、49、51が保持する基板3を上方から真空吸着する基板受け渡し位置に移動して、昇降するステージ11、23、37、49、51から基板3の受け取りまたは受け渡しを行う。例えば、基板搬送機構62Aは、基板搬入部10のステージ11に載置された基板3を受け取り、貼着部20のステージ23に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Bは、貼着部20のステージ23から基板3を受け取り、仮圧着部30のステージ37に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Cは、仮圧着部30のステージ37から基板3を受け取り、本圧着部40のステージ49に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Dは、本圧着部40のステージ49から基板3を受け取り、基板搬出部50のステージ51に受け渡す。
【0070】
[部品供給部(部品供給装置)の詳細]
図3は、本実施の形態における部品供給部33によって扱われるテープ部材と、そのテープ部材から打ち抜かれる部品5とのそれぞれの一例を示す図である。
【0071】
テープ部材200は、図3の(a)に示すように、複数の部品5が一列に沿って組み込まれたテープ状の部材である。なお、複数の部品5は、互いに隣り合う部品5の間隔が所定の距離となるように配列されている。なお、複数の部品5のそれぞれは、例えば、柔軟性を有する樹脂製フィルムに電子部品が搭載された回路フィルム部品である。また、テープ部材200の幅方向における両端のそれぞれには、そのテープ部材200の長手方向に沿って一列に配列された複数のスプロケットホール203が形成されている。このようなテープ部材200は、供給リール33aに巻き付けられている。
【0072】
部品供給部33の打ち抜き部33bは、供給リール33aからテープ部材200を繰り出しながら、そのテープ部材200に組み込まれている部品5をそのテープ部材200から打ち抜く。なお、テープ部材200の繰り出しには、上述の複数のスプロケットホール203が用いられる。また、図3の(a)に示す破線で囲まれた矩形の範囲が部品5として打ち抜かれる。
【0073】
打ち抜かれた部品5は、図3の(b)に示すように、例えば略矩形のフィルム状であって、複数の電極5aを有する。打ち抜き部33bによる部品5の打ち抜きには、金型が用いられる。ここで、金型が部品5の打ち抜きに繰り返し使用され続けると、その金型のエッジが鈍り、その金型による打ち抜きがスムーズに行われなくなる。その結果、部品5の周縁が打ち抜きの方向に垂れることがあり、さらに、その周縁に、バリ、ひげなどの異物が付着する可能性がある。例えば、電極5aに異物が付着する。そこで、本実施の形態における部品供給部33は、部品5から異物を取り除くためのクリーニングを行う。
【0074】
図4は、本実施の形態における部品供給部33の概略的な構成例を示すブロック図である。
【0075】
部品供給部33は、制御部331、打ち抜き部33b、測定部333、クリーニング部334、および移送部335を備える。
【0076】
打ち抜き部33bは、金型336と、モータ337と、スプロケット338とを備える。金型336は、テープ部材200から部品5を打ち抜くための金属製の部材である。モータ337は、機械的な動力をスプロケット338に提供することによって、そのスプロケット338を回転させて、供給リール33aからテープ部材200を繰り出す。なお、図4の例では、モータ337は、打ち抜き部33bに備えられているが、打ち抜き部33bの外部に備えられていてもよい。また、部品供給部33に備えられるモータ337の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。このような本実施の形態における打ち抜き部33bは、部品5の組み込まれたテープ部材200からその部品5を打ち抜く打ち抜き処理を、金型336を用いて行う。
【0077】
測定部333は、その打ち抜き処理に関する測定値を測定する。なお、測定値の詳細については、後述する。制御部331は、その測定値に基づき、クリーニング条件を変更する。クリーニング部334は、その打ち抜き処理によって打ち抜かれた部品5を、上述のクリーニング条件にしたがってクリーニングする。移送部335は、打ち抜き部33bによって打ち抜かれた部品5を移送する機構であって、図2に示す可動ステージ33cとレール33dとを備える。
【0078】
図5は、本実施の形態における部品供給部33の具体的な機構の一例を示す図である。
【0079】
部品供給部33は、上述の供給リール33aを備え、さらに、カバーテープ回収部33a1と、巻取部33a2とを備える。カバーテープ回収部33a1は、テープ部材200から剥がされたカバーテープ204を回収する。つまり、テープ部材200にカバーテープ204が貼り付けられている場合、供給リール33aからテープ部材200が繰り出されるにつれて、そのテープ部材200からカバーテープ204が剥がされて、カバーテープ回収部33a1に巻き付けられる。巻取部33a2は、部品5が打ち抜かれたあとのテープ部材200を回収する。
【0080】
打ち抜き部33bは、テープ部材200から部品5を打ち抜き、その打ち抜かれた部品5を、可動ステージ33cに載置する。
【0081】
可動ステージ33cは、レール33dに沿って移動する。例えば、可動ステージ33cは、部品5が載置された状態で移動することによって、その部品5をピックアップ位置まで移送する。なお、レール33dは、X軸方向に沿って配置されているが、図5では、可動ステージ33cの動きを分かり易く示すために、Y軸方向に沿うように示されている。
【0082】
部品移送部35は、ピックアップ位置にある可動ステージ33cに載置されている部品5をピックアップし、その部品5を仮圧着部30の主要部30aまで移送する。なお、主要部30aは、圧着ツール34、バックアップ部36、およびステージ37を有する部分である。このような部品移送部35は、移送レール35aと、移載ヘッド35bと、移載ステージ35cとを備える。移送レール35aは、部品供給部33と仮圧着部30の主要部30aとの結ぶように配置されている。移載ヘッド35bは、可動ステージ33cに載置されている部品5をピックアップし、仮圧着部30の主要部30aに向かって移送レール35aに沿って移動する。そして、移載ヘッド35bは、移載位置に待機している移載ステージ35cに、その部品5を載置する。移載ステージ35cは、部品5が載置された状態で移動することによって、その部品5を、仮圧着部30の圧着ツール34に受け渡す。圧着ツール34は、その部品5を吸着して、ステージ37に載置されている基板3ごとバックアップ部36に押し付けることで、基板3に部品5を仮圧着する。
【0083】
ここで、本実施の形態におけるクリーニング部334は、部品移送部35の移載ヘッド35bによってピックアップされている部品5に対してクリーニングを行う。例えば、クリーニング部334は、移載ヘッド35bが部品5をピックアップしながら移動しているときに、その部品5をクリーニングする。部品5のクリーニングが行われるときには、移載ヘッド35bは停止していてもよく、移動していてもよい。
【0084】
具体的には、クリーニング部334は、ブラシ334aと、超音波発生部334bとを備える。
【0085】
ブラシ334aは、部品5に当接して摺動することによりその部品5をクリーニングする。具体的には、ブラシ334aは、移載ヘッド35bにピックアップされている部品5の下面に当接して摺動することによって、その部品5をクリーニングする。また、ブラシ334aは、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動するための移動機構を備える。この移動機構によって、クリーニング条件が調整される。例えば、ブラシ334aは、Z軸方向正側に移動することによって部品5に強く当接し、逆に、Z軸方向負側に移動することによって部品5に弱く当接する。つまり、ブラシ334aが部品5に当接する圧力が、クリーニング条件として調整される。また、ブラシ334aは、X軸方向またはY軸方向の往復運動を速く行うことによって、部品5に対して強いブラッシングを行い、逆に、往復運動を遅く行うことによって、部品5に対して弱いブラッシングを行う。また、ブラシ334aは、回転機構を有する回転ブラシであって、その回転機構によって、X軸方向またはY軸方向に沿う回転軸を中心に回転してもよい。この場合、ブラシ334aは、回転速度を上げることによって、部品5に対して強いブラッシングを行い、逆に、回転速度を下げることによって、部品5に対して弱いブラッシングを行う。つまり、ブラシ334aが部品5に対して摺動する相対速度が、クリーニング条件として調整される。また、クリーニングにかかる時間が、クリーニング条件として調整されてもよい。クリーニングにかかる時間は、ブラシ334aが部品5に当接して摺動している時間である。このような時間は、上述の移動機構によるブラシ334aの昇降のタイミング、あるいは、移載ヘッド35bがブラシ334a上で停止している時間など、によって調整される。
【0086】
超音波発生部334bは、部品5に超音波を印加することによりその部品5をクリーニングする。具体的には、超音波発生部334bは、移載ヘッド35bにピックアップされている部品5に下方から超音波を出射または出力することによって、その部品5をクリーニングする。例えば、超音波発生部334bは、超音波の振幅または周波数を大きくすることによって、部品5に対するクリーニング強度を上げ、逆に、超音波の振幅または周波数を小さくすることによって、部品5に対するクリーニング強度を下げる。つまり、超音波の出力が、クリーニング条件として調整される。また、クリーニングにかかる時間が、クリーニング条件として調整されてもよい。クリーニングにかかる時間は、超音波が部品5に向けて出力されている時間、あるいは、移載ヘッド35bが超音波発生部334b上で停止している時間など、によって調整される。
【0087】
本実施の形態では、制御部331が、測定部333によって測定された測定値に基づいて、上述のクリーニング条件を変更する。
【0088】
図6は、打ち抜き部33bによる打ち抜き処理と、測定部333による測定とのそれぞれの一例を説明するための図である。
【0089】
例えば、図6に示すように、打ち抜き部33bは、モータ337と、スプロケット338と、金型336とを備える。また、金型336は、パンチ336aと、ダイ336bとを含む。モータ337は、図6の(a)に示すように、制御部331による制御に応じて、スプロケット338を回転させる。スプロケット338は、テープ部材200に形成されているスプロケットホール203に係合しながら回転する。これにより、スプロケット338は、テープ部材200の部品5が組み込まれている部位が、パンチ336aの下方に配置されるように、そのテープ部材200を繰り出す。
【0090】
そして、図6の(b)に示すように、パンチ336aは、下降する。このとき、パンチ336aのエッジは、テープ部材200の部品5が組み込まれている部位の周縁(図3に示す破線枠)を、ダイ336bのエッジとの間に挟み込んで押圧する。さらに、図6の(c)に示すように、パンチ336aが下降すると、上述の部位の周縁が切断させる。つまり、テープ部材200から部品5が打ち抜かれる。打ち抜かれた部品5は、可動ステージ33c上に載置される。
【0091】
ここで、図6の例では、本実施の形態における測定部333は、圧電素子333aを含み、その圧電素子333aはダイ336bに配置されている。なお、圧電素子333aは、ピエゾ素子とも呼ばれる。したがって、圧電素子333aは、金型336によってテープ部材200から部品5が打ち抜かれるときに金型336にかかる応力を測定値として測定する。
【0092】
例えば、金型336の使用回数が増すと、金型336のエッジ、すなわちパンチ336aのエッジおよびダイ336bのエッジが鈍ってくる。その結果、圧電素子333aによって測定される応力である測定値は大きくなる。制御部331は、圧電素子333aからその測定値を取得し、その測定値に応じてクリーニング部334のクリーニング条件を変更する。
【0093】
ブラシ334aのクリーニング条件は、ブラシ334aが部品5に当接する圧力、ブラシ334aが部品5に対して摺動する相対速度、およびクリーニングにかかる時間、のうちの少なくとも一つを含む。なお、相対速度は、ブラシ334aの部品5に対する相対速度である。例えば、制御部331は、測定値が大きいほど、ブラシ334aの圧力が大きくなるように、相対速度が速くなるように、あるいは、クリーニングにかかる時間が長くなるように、ブラシ334aを制御する。
【0094】
超音波発生部334bのクリーニング条件は、超音波の出力、およびクリーニングにかかる時間のうちの少なくとも一つを含む。例えば、制御部331は、測定値が大きいほど、超音波の出力が大きくなるように、あるいは、クリーニングにかかる時間が長くなるように、超音波発生部334bを制御する。
【0095】
このように本実施の形態では、金型336を用いた打ち抜き処理に関する測定値に基づいて、その打ち抜き処理によって打ち抜かれた部品5のクリーニング条件が変更されるため、金型336の状態に応じたクリーニングをその部品5に対して行うことができる。つまり、金型336のエッジが鈍ることによって、打ち抜かれる部品5にバリ、ひげなどの異物が多く付着しても、それらの異物を部品5から適切に除去することができる。その結果、提供される部品5の品質を向上することができる。
【0096】
また、図6の例では、部品5が打ち抜かれるときに金型336にかかる応力に応じて、クリーニング条件が変更される。例えば、金型336のエッジが鈍ると、その応力は増加する。したがって、金型336の状態に応じたより適切なクリーニングを部品5に対して行うことができる。また、図6の例では、圧電素子333aが用いられるため、部品5が打ち抜かれるときの応力を測定値として適切に測定することができる。
【0097】
また、図5および図6の例では、ブラシ334aがクリーニングに用いられるため、部品5に対するブラッシングをクリーニングとして行うことができ、その部品5から異物を適切に除去することができる。さらに、ブラシ334aについて上述のクリーニング条件が変更されるため、多様なクリーニング条件を変更することができ、クリーニング条件の変更の自由度を高めることができる。
【0098】
また、図5および図6の例では、超音波発生部334bがクリーニングに用いられるため、部品5に非接触でクリーニングを行うことができ、部品5を傷つけることなくその部品5から異物を適切に除去することができる。また、超音波発生部334bには、クリーニングを行うための機械的な動きが少ないため、部品供給部33の構造を簡略化することができる可能性がある。
【0099】
図7は、打ち抜き部33bによる打ち抜き処理と、測定部333による測定とのそれぞれの他の例を説明するための図である。
【0100】
例えば、図6に示す例と同様、打ち抜き部33bは、図7の(a)、(b)および(c)に示すように、モータ337によるスプロケット338の回転によって、テープ部材200を繰り出し、パンチ336aの下降によって、テープ部材200から部品5を打ち抜く。また、図7の(c)に示すように、金型336によってテープ部材200から部品5が打ち抜かれるときには、複数のパーティクルが飛散する場合がある。
【0101】
例えば、金型336の使用回数が増すと、金型336のエッジ、すなわちパンチ336aのエッジおよびダイ336bのエッジが鈍ってくる。エッジが鈍ると、パンチ336aおよびダイ336bがテープ部材200を挟み込むときに、パンチ336aおよびダイ336bに大きな応力がかかり、テープ部材200から部品5が打ち抜かれると、その大きな応力が急激に減少する。その結果、金型336および部品5の周囲には多くのパーティクルが飛散する。パーティクルは、例えば、テープ部材200の切れ端、金型336もしくはテープ部材200に付着していた粉塵などである。
【0102】
そこで、図7の例では、本実施の形態における測定部333は、パーティクルセンサ333bを含む。このパーティクルセンサ333bは、金型336および部品5の少なくとも一方の周囲に飛散するパーティクルの数を測定する。つまり、測定部333によって測定される測定値は、金型336によってテープ部材200から部品5が打ち抜かれるときに飛散するパーティクルの数である。
【0103】
例えば、上述のように、金型336のエッジ、すなわちパンチ336aのエッジおよびダイ336bのエッジが鈍ると、パーティクルセンサ333bによって測定されるパーティクル数である測定値は大きくなる。制御部331は、パーティクルセンサ333bからその測定値を取得し、その測定値に応じてクリーニング部334のクリーニング条件を変更する。
【0104】
例えば、制御部331は、測定値が大きいほど、ブラシ334aの圧力が大きくなるように、相対速度が速くなるように、あるいは、クリーニングにかかる時間が長くなるように、ブラシ334aを制御する。また、制御部331は、測定値が大きいほど、超音波の出力が大きくなるように、あるいは、クリーニングにかかる時間が長くなるように、超音波発生部334bを制御する。
【0105】
このように、図7の例では、部品5が打ち抜かれるときに飛散するパーティクルの数に応じて、クリーニング条件が変更される。例えば、金型336のエッジが鈍ると、そのパーティクルの数が増加する傾向がある。したがって、金型336の状態に応じたより適切なクリーニングを部品5に対して行うことができる。また、図7の例では、パーティクルセンサ333bが用いられるため、部品5が打ち抜かれるときに飛散するパーティクルの数を測定値として適切に測定することができる。
【0106】
なお、本実施の形態における測定部333は、圧電素子333aおよびパーティクルセンサ333bの双方を含んでいてもよい。この場合、制御部331は、圧電素子333aの測定値とパーティクルセンサ333bの測定値とを用いてクリーニング条件を変更する。これにより、圧電素子333aおよびパーティクルセンサ333bの何れか一方が故障していても、制御部331は、クリーニング条件を適切に変更することができる。
【0107】
図8は、本実施の形態における部品供給部33の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0108】
部品供給部33の制御部331は、テープ部材200から部品5を打ち抜く打ち抜き処理を打ち抜き部33bに実行させる(ステップS1)。そして、制御部331は、測定部333によって測定される、その打ち抜き処理に関する測定値を取得する(ステップS2)。次に、制御部331は、測定部333によって測定された測定値に基づいて、クリーニング部334のクリーニング条件を変更する(ステップS3)。その後、制御部331は、ステップS3で変更されたクリーニング条件にしたがった部品5のクリーニングをクリーニング部334に実行させる(ステップS4)。
【0109】
ここで、部品供給部33は、打ち抜き部33bの金型336が劣化しているか否かを判定し、その判定結果に応じて処理を変更してもよい。
【0110】
図9は、本実施の形態における部品供給部33の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
【0111】
例えば、部品供給部33の制御部331は、図8に示す例と同様、ステップS1およびS2の処理を実行する。そして、制御部331は、ステップS2の処理によって測定された測定値に基づいて、金型336の劣化の有無を判定する(ステップS10)。ここで、制御部331は、金型336が劣化していないと判定すると(ステップS10のNo)、図8に示す例と同様、ステップS3およびS4の処理を実行する。一方、ステップS10において、金型336が劣化していると判定すると(ステップS10のYes)、制御部331は、金型336のメンテナンスを作業者に通知する(ステップS6)。つまり、制御部331は、金型336の再研磨などのメンテナンスを部品実装ライン1の作業者に促すためのメンテナンス情報を出力する。例えば、制御部331は、部品実装ライン1に備えられているディスプレイにそのメンテナンス情報を出力することによって、金型336のメンテナンスを促すメッセージまたは画像をそのディスプレイに表示してもよい。あるいは、制御部331は、例えば通信ネットワークを介して部品実装ライン1に接続されているサーバなどにそのメッセージ情報を出力してもよい。そのメンテナンス情報の出力によって、作業者は、その金型336を適切なタイミングでメンテナンスすることができる。
【0112】
また、ステップS4またはステップS6の処理が行われた後、制御部331は、部品5の供給を継続するか否かを判定する(ステップS7)。ここで、制御部331は、部品5の供給を継続すると判定すると(ステップS7のYes)、ステップS1からの処理を繰り返し実行し、部品5の供給を継続しないと判定すると(ステップS7のNo)、部品5の供給を終了する。
【0113】
図10は、金型336の劣化の有無の判定処理を詳細に示すフローチャートである。つまり、図10は、図9のステップS10の詳細を例示的に示すフローチャートである。
【0114】
制御部331は、測定部333によって測定された測定値が第1閾値を超えているか否かを判定する(ステップS11)。ここで、制御部331は、測定値が第1閾値以下であると判定すると(ステップS11のNo)、すなわち、金型336が劣化していないと判定すると、ステップS3の処理を実行する。
【0115】
一方、制御部331は、測定値が第1閾値を超えると判定すると(ステップS11のYes)、異常発生回数に対してインクリメントを行う(ステップS12)。つまり、異常発生回数が1つ増加する。異常発生回数は、異常が発生した回数であって、その異常は、測定値が第1閾値を超えるという事象である。例えば、その異常発生回数は、所定のタイミングで0回にリセットされる。所定のタイミングは、既存の金型336が新しい金型336に取り替えられたタイミング、または、金型336に対して再研磨などのメンテナンスが行われたタイミングである。
【0116】
次に、制御部331は、その異常発生回数が第2閾値を超えているか否かを判定する(ステップS13)。ここで、制御部331は、異常発生回数が第2閾値以下であると判定すると(ステップS13のNo)、すなわち、金型336が劣化していないと判定すると、ステップS3の処理を実行する。一方、制御部331は、異常発生回数が第2閾値を超えると判定すると(ステップS13のYes)、すなわち、金型336が劣化していると判定すると、ステップS6の処理を実行する。
【0117】
このように、本実施の形態における制御部331は、測定値に基づき、金型336の劣化の有無を判定し、金型336の劣化が有ると判定される場合に、金型336のメンテナンスを通知する。
【0118】
これにより、金型336が劣化すると、金型336が劣化していると判定され、その金型336のメンテナンスが通知される。したがって、その金型336の再研磨などのメンテナンスを適切なタイミングで実行するとことができる。例えば、劣化の有無の判定が行われない場合には、金型336が劣化する前に、早めに、金型336のメンテナンス、あるいは、新しい金型への取り替えなどが行われる。つまり、早めのメンテナンスあるいは取り替えが定期的に実行される。しかし、本実施の形態では、上述のように、劣化していると判定される場合に、メンテナンスが通知されるため、上述のような早めのメンテナンスなどを行う必要がない。その結果、部品供給部33の保守の効率化を図ることができる。
【0119】
また、本実施の形態における制御部331は、異常の発生回数に基づき、金型336の劣化の有無を判定する。その異常は、測定値が所定の範囲内に収まらない事象である。これにより金型336の劣化の有無を適切に判定することができる。なお、所定の範囲は、上述の例では、第1閾値以下の範囲である。圧電素子333aから出力される測定値がマイナスの値である場合、すなわち、打ち抜き処理のときに発生する応力が大きいほど、圧電素子333aから出力される測定値が小さい場合には、その所定の範囲は、閾値以上の範囲であってもよい。
【0120】
以上のように、本実施の形態における部品供給部33、すなわち部品供給装置は、金型336を用いた打ち抜き処理に関する測定値に基づいて、その打ち抜き処理によって打ち抜かれた部品5のクリーニング条件が変更されるため、金型336の状態に応じたクリーニングをその部品5に対して行うことができる。つまり、金型336のエッジが鈍ることによって、打ち抜かれる部品5にバリ、ひげなどの異物が多く付着しても、それらの異物を部品5から適切に除去することができる。その結果、提供される部品5の品質を向上することができる。
【0121】
(変形例)
上記実施の形態では、金型336に劣化があると判定されると、メンテナンスが通知される。しかし、その劣化している金型336に対してメンテナンスが行われずに、その金型336を用いた打ち抜き処理が継続して行われると、実装基板の品質が低下する可能性がある。そこで、本変形例では、劣化していると判定された金型336は、打ち抜き処理に用いられず、劣化していない他の金型336が、その劣化している金型336に代わって打ち抜き処理に用いられる。
【0122】
図11は、本変形例における部品供給部33の構成の一例を示す図である。
【0123】
本変形例における部品供給部33は、打ち抜き処理に用いられる打ち抜き部33bだけでなく、他の予備的な打ち抜き部33bも備えている。
【0124】
つまり、部品供給部33は、2つの供給リール33aのうち、X軸方向の負側(すなわち左側)にある供給リール33aから繰り出されるテープ部材200に対して打ち抜き処理を行う2つの打ち抜き部33bを備える。2つの打ち抜き部33bのうちの一方は、第1打ち抜き部L1であり、他方は第2打ち抜き部L2である。第1打ち抜き部L1は、打ち抜き処理可能に配置され、第2打ち抜き部L2は、予備的に配置されている。第1打ち抜き部L1の金型336が劣化していると判定されると、第1打ち抜き部L1に代わって、第2打ち抜き部L2が打ち抜き処理可能に配置される。これにより、第1打ち抜き部L1の劣化している金型336は、打ち抜き処理に用いられず、第2打ち抜き部L2の劣化していない金型336が、その劣化している金型336に代わって打ち抜き処理に用いられる。
【0125】
つまり、本変形例では、部品供給部33は、第1打ち抜き部L1と、その第1打ち抜き部L1と異なる第2打ち抜き部L2を備える。第1打ち抜き部L1は、金型336を第1金型として用いて打ち抜き処理を行う。制御部331は、第1金型に劣化が有ると判定される場合に、その第1金型と異なる第2金型を用いた打ち抜き処理を第2打ち抜き部L2に行わせる。これにより、第1金型が劣化している場合には、打ち抜き処理を行う打ち抜き部が、第1金型を用いる第1打ち抜き部L1から、第2金型を用いる第2打ち抜き部L2に切り替えられる。したがって、第1金型が劣化しても、高品質な部品5の供給を継続して実行することができる。また、第2打ち抜き部L2による打ち抜き処理が行われている間に、第1金型のメンテナンスを行うことができる。
【0126】
なお、2つの供給リール33aのうち、X軸方向の正側(すなわち右側)にある供給リール33aに対する打ち抜き処理についても、左側の供給リール33aに対する打ち抜き処理と同様に行われる。つまり、部品供給部33は、2つの供給リール33aのうち、右側の供給リール33aから繰り出されるテープ部材200に対して打ち抜き処理を行う2つの打ち抜き部33bを備える。2つの打ち抜き部33bのうちの一方は、第1打ち抜き部R1であり、他方は第2打ち抜き部R2である。第1打ち抜き部R1は、打ち抜き処理可能に配置され、第2打ち抜き部R2は、予備的に配置されている。第1打ち抜き部R1の金型336が劣化していると判定されると、第1打ち抜き部R1に代わって、第2打ち抜き部R2が打ち抜き処理可能に配置される。これにより、第1打ち抜き部R1の劣化している金型336は、打ち抜き処理に用いられず、第2打ち抜き部R2の劣化していない金型336が、その劣化している金型336に代わって打ち抜き処理に用いられる。
【0127】
ここで、上述の例では、第1打ち抜き部L1およびR1は、第2打ち抜き部L2およびR2にそれぞれ交換される。このとき、第1打ち抜き部L1および第2打ち抜き部L2が移動してもよく、左側の供給リール33aから繰り出されるテープ部材200の通過経路が変更されてもよい。同様に、第1打ち抜き部R1および第2打ち抜き部R2が移動してもよく、右側の供給リール33aから繰り出されるテープ部材200の通過経路が変更されてもよい。
【0128】
なお、図11に示す例では、予備的な第2打ち抜き部L2およびR2が、部品供給部33に備えられている。しかし、これらの第2打ち抜き部L2およびR2が備えられず、打ち抜き処理を行う打ち抜き部33bが、左側の第1打ち抜き部L1と右側の第1打ち抜き部R1とで切り替えられてもよい。例えば、左側の第1打ち抜き部L1の金型336が劣化していると判定されると、左側の第1打ち抜き部L1に代わって、右側の第1打ち抜き部R1が、左側の供給リール33aに対する打ち抜き処理を行う。この場合、右側の第1打ち抜き部R1が左側に移動することによって、あるいは、左側の供給リール33aが右側に移動することによって、その第1打ち抜き部R1が、左側の供給リール33aに対する打ち抜き処理を行う。または、左側の供給リール33aから繰り出されるテープ部材200の通過経路が変更されてもよい。
【0129】
また、図11に示す例では、打ち抜き部33bの全体が切り替えられるが、打ち抜き部33bのうちの金型336のみが切り替えられてもよい。つまり、部品供給部33は、金型336である第1金型と、その第1金型と異なる第2金型とを備える。制御部331は、第1金型に劣化が有ると判定される場合に、打ち抜き部33bに、第2金型を用いた打ち抜き処理を行わせる。その結果、打ち抜き処理に用いられる金型336が、第1金型から第2金型に切り替えられる。つまり、第1金型が劣化している場合には、打ち抜き処理に用いられる金型が、第1金型から第2金型に切り替えられる。したがって、第1金型が劣化しても、高品質な部品5の供給を継続して実行することができる。なお、第1金型および第2金型は、1つの打ち抜き部33bに備えられていてもよい。あるいは、第2金型は、打ち抜き部33bの外部に配置されていてもよい。この場合、左側および右側のそれぞれの打ち抜き部33bは、第1金型を備え、第2金型を共用してもよい。
【0130】
以上、一つまたは複数の態様に係る部品供給装置および部品供給方法について、上記実施の形態およびその変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態および変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態およびその変形例に施したものや、上記実施の形態およびその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0131】
例えば、上記実施の形態およびその変形例では、基板3は液晶パネルであって、その液晶パネルに部品5が仮圧着および本圧着されるが、基板3は液晶パネル以外の基板であってもよい。
【0132】
また、上記実施の形態におけるクリーニング部334のブラシ334aの毛は、樹脂成形品であっても、繊維であっても、針金であってもよい。
【0133】
また、上記実施の形態およびその変形例では、制御部331などの構成要素の全部または一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、その構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。制御部331は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)または半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。例えば、プログラム実行部は、図8図10に示す各ステップを部品供給部33に実行させる。
【0134】
また、制御部331は、1つまたは複数の電子回路で構成されてもよい。1つまたは複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。1つまたは複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)またはLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。ICまたはLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、ICまたはLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、または、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本開示は、例えば液晶ディスプレイを生産する部品実装ライン等が有する部品供給装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 部品実装ライン
3 基板
4 電極部
5 部品
5a 電極
10 基板搬入部
11、23、37、49、51 ステージ
20 貼着部
21、31、41 基板移動機構
30 仮圧着部
30a 主要部
32 部品搭載機構
33 部品供給部(部品供給装置)
33a 供給リール
33a1 カバーテープ回収部
33a2 巻取部
33b 打ち抜き部
33c 可動ステージ
33d レール
34 圧着ツール
35 部品移送部
35a 移送レール
35b 移載ヘッド
35c 移載ステージ
36 バックアップ部
40 本圧着部
50 基板搬出部
60 搬送部
200 テープ部材
203 スプロケットホール
204 カバーテープ
331 制御部
333 測定部
333a 圧電素子
333b パーティクルセンサ
334 クリーニング部
334a ブラシ
334b 超音波発生部
335 移送部
336 金型
336a パンチ
336b ダイ
337 モータ
338 スプロケット
L1、R1 第1打ち抜き部
L2、R2 第2打ち抜き部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11