IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社SCREENホールディングスの特許一覧

特開2024-17655基板処理方法と基板処理装置と基板処理液
<>
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図1
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図2
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図3
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図4
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図5
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図6
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図7
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図8
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図9
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図10
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図11
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図12
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図13
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図14
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図15
  • 特開-基板処理方法と基板処理装置と基板処理液 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017655
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】基板処理方法と基板処理装置と基板処理液
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H01L21/306 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120451
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】塙 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】春本 晶子
(72)【発明者】
【氏名】上田 大
【テーマコード(参考)】
5F043
【Fターム(参考)】
5F043AA32
5F043BB22
5F043DD13
5F043DD30
5F043EE01
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE23
5F043EE28
5F043EE29
5F043EE36
5F043GG10
(57)【要約】
【課題】第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる基板処理方法と基板処理装置と基板処理液を提供する。
【解決手段】本発明は、基板処理方法と基板処理装置と基板処理液に関する。基板処理方法は、第1層Gを含む基板Wを処理する。第2混合液P2は、エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む。基板処理方法は、第1調整工程とエッチング工程を含む。第1調整工程では、酸素およびオゾンの少なくともいずれかが、第2混合液P2に添加される。エッチング工程では、第1調整工程において調整された第2混合液P2を基板Wに供給する。エッチング工程では、第1層Gをエッチングする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層を含む基板を処理する基板処理方法であって、
ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加えて、第1混合液を準備する第1準備工程と、
前記第1混合液を前記基板に供給し、前記第1層をエッチングするエッチング工程と、
を含む基板処理方法。
【請求項2】
第1層を含む基板を処理する基板処理方法であって、
ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えて、第1溶液を準備する第2準備工程と、
前記第1溶液とエッチング液とを前記基板に供給し、前記第1層をエッチングするエッチング工程と、
を含む基板処理方法。
【請求項3】
第1層を含む基板を処理する基板処理方法であって、
エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む第2混合液に、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを添加する第1調整工程と、
前記第1調整工程において調整された前記第2混合液を前記基板に供給し、前記第1層をエッチングするエッチング工程と、
を含む基板処理方法。
【請求項4】
第1層を含む基板を処理する基板処理方法であって、
ヨウ化物イオン(I)を含む第2溶液に、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを添加する第2調整工程と、
前記第2調整工程において調整された前記第2溶液と、エッチング液とを、前記基板に供給して、前記第1層をエッチングするエッチング工程と、
を含む基板処理方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記第1層は、シリコン酸化物を含み、
前記エッチング液は、フッ化水素を含む
基板処理方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記基板は、さらに、
前記第1層の組成と異なる組成を有する第2層と、
前記第1層の組成と異なる組成を有する第3層と、
を備え、
前記第1層は、前記第2層と前記第3層の間に配置され、
前記第2層は、前記第1層に接触しており、
前記第3層は、前記第1層に接触しており、
前記エッチング工程では、前記第2層および前記第3層のエッチングを抑えつつ、第1層がエッチングされる
基板処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理方法において、
前記第1層は、シリコン酸化物を含み、
前記第2層は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含み、
前記第3層は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含み、
前記エッチング液は、フッ化水素を含む
基板処理方法。
【請求項8】
第1層を含む基板を処理する基板処理装置であって、
ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加えて、第1混合液を生成する第1生成ユニットと、
前記第1混合液を前記基板に供給して、前記第1層をエッチングする第1供給部と、
を備える基板処理装置。
【請求項9】
第1層を含む基板を処理する基板処理装置であって、
ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えて、第1溶液を生成する第2生成ユニットと、
前記第1溶液とエッチング液とを前記基板に供給して、前記第1層をエッチングする第2供給部と、
を備える基板処理装置。
【請求項10】
第1層を含む基板を処理する基板処理装置であって、
エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む第2混合液に、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを添加する第1調整ユニットと、
前記第1調整ユニットによって調整された前記第2混合液を前記基板に供給して、前記第1層をエッチングする第3供給部と、
を備える基板処理装置。
【請求項11】
第1層を含む基板を処理する基板処理装置であって、
ヨウ化物イオン(I)を含む第2溶液に、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを添加する第2調整ユニットと、
前記第2調整ユニットによって調整された前記第2溶液と、エッチング液とを、前記基板に供給して、前記第1層をエッチングする第4供給部と、
を備える基板処理装置。
【請求項12】
第1層を含む基板を処理する基板処理液であって、
前記第1層は、シリコン酸化物を含み、
前記基板処理液は、エッチング液を含み、
前記エッチング液は、フッ化水素を含み、
前記基板処理液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを、前記エッチング液に加えることによって得られる基板処理液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に処理を行う基板処理方法と基板処理装置と基板処理液に関する。基板は、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板を処理する基板処理方法を開示する。基板は、第1層を含む。特許文献1の基板処理方法では、基板に基板処理液が供給される。基板処理液は、エッチング液を含む。基板処理液は、さらに、ヨウ化物を含む。ヨウ化物は、例えば、テトラエチルアンモニウムヨージド(TEAI)である。第1層は、基板処理液に晒される。第1層は、基板処理液でエッチングされる。第1層がエッチングされることによって、第1層の少なくとも一部が除去される。
【0003】
第1層は、例えば、中間膜である。基板は、さらに、第2層と第3層を含む。中間膜は、第2層と第3層の間に配置される。第1層が中間膜である場合、第1層は選択的にエッチングされる。具体的には、第2層および第3層のエッチングを抑えつつ、第1層がエッチングされる。第1層が選択的にエッチングされることによって、凹部が形成される。凹部は、空間である。凹部は、第2層と第3層の間に位置する。第2層と凹部と第3層は、凹凸形状を有するパターンを構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-48369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、第1層は微小になっている。例えば、中間膜は薄くなっている。例えば、凹部は狭くなっている。例えば、パターンは、微細になっている。
【0006】
第1層が微小になるほど、第1層を適切にエッチングすることが、より困難になる場合がある。例えば、第1層が微小になるほど、第1層のエッチングレートが低下する場合がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる基板処理方法と基板処理装置と基板処理液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究した。上述の通り、基板処理液は、ヨウ化物を含む。ヨウ化物は、基板処理液中に、ヨウ化物イオン(I)を遊離させる。ヨウ化物イオン(I)は、1つのヨウ素原子からなる1価の単原子アニオンである。
【0009】
本発明者らは、基板処理液中のヨウ化物イオン(I)に注目した。基板処理液中のヨウ化物イオン(I)が第1層のエッチングを補助すると、本発明者らは推察した。
【0010】
基板処理液中において、ヨウ化物イオン(I)はヨウ素分子(I)に変化する場合がある。基板処理液中において、ヨウ化物イオン(I)は三ヨウ化物イオン(I )に変化する場合がある。三ヨウ化物イオン(I )は、3つのヨウ素原子からなる1価の多原子アニオンである。ヨウ化物イオン(I)がヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化するとき、基板処理液中のヨウ化物イオン(I)の量は、減少する。
【0011】
ヨウ素分子(I)は第1層のエッチングを補助しないと、本発明者らは推察した。三ヨウ化物イオン(I )は第1層のエッチングを補助しないと、本発明者らは推察した。このため、ヨウ化物イオン(I)からヨウ素分子(I)への変化を防止することが好ましいと、本発明者らは推察した。ヨウ化物イオン(I)から三ヨウ化物イオン(I )への変化することを防止することが好ましいと、本発明者らは推察した。
【0012】
しかしながら、種々の実験によって、本発明者らの推察は覆された。ヨウ素分子(I)は第1層のエッチングを補助することを、本発明者は知見した。三ヨウ化物イオン(I )は、第1層のエッチングを補助することを、本発明者は知見した。
【0013】
本発明は、これらの知見に基づいて、さらに鋭意検討することによって得られたものであり、次のような構成をとる。すなわち、本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理方法であって、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加えて、第1混合液を準備する第1準備工程と、前記第1混合液を前記基板に供給し、前記第1層をエッチングするエッチング工程と、を含む基板処理方法である。
【0014】
基板処理方法は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。
【0015】
基板処理方法は、第1準備工程を含む。第1準備工程では、第1混合液が準備される。第1混合液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加えることによって、得られる。ヨウ素分子(I)をエッチング液に加えることによって第1混合液を準備するとき、第1混合液中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物をエッチング液に加えることによって第1混合液を準備するとき、第1混合液中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1混合液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1混合液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。
【0016】
ここで、「三ヨウ化物」は、三ヨウ化物イオン(I )を含む塩である。三ヨウ化物は、「三ヨウ化物塩」とも呼ばれる。三ヨウ化物は、三ヨウ化物イオン(I )を遊離する。
【0017】
基板処理方法は、エッチング工程を含む。エッチング工程では、第1混合液は基板に供給される。エッチング工程では、第1層は第1混合液に晒される。エッチング液は、第1層をエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。上述の通り、第1混合液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層が微小であっても、第1層はエッチング工程において適切にエッチングされる。
【0018】
以上の通り、本発明の基板処理方法によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0019】
本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理方法であって、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えて、第1溶液を準備する第2準備工程と、前記第1溶液とエッチング液とを前記基板に供給し、前記第1層をエッチングするエッチング工程と、を含む基板処理方法である。
【0020】
基板処理方法は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。
【0021】
基板処理方法は、第2準備工程を含む。第2準備工程では、第1溶液が準備される。第1溶液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えることによって、得られる。ヨウ素分子(I)を溶媒に加えることによって第1溶液を準備するとき、第1溶液中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物を溶媒に加えることによって第1溶液を準備するとき、第1溶液中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1溶液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1溶液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。
【0022】
基板処理方法は、エッチング工程を含む。エッチング工程では、第1溶液は基板に供給される。エッチング工程では、エッチング液は基板に供給される。エッチング工程では、第1層は、第1溶液およびエッチング液に晒される。エッチング液は、第1層をエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。上述の通り、第1溶液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層が微小であっても、第1層はエッチング工程において適切にエッチングされる。
【0023】
以上の通り、本発明の基板処理方法によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0024】
上述した基板処理方法において、前記三ヨウ化物は、三ヨウ化窒素、三ヨウ化リンおよび三ヨウ化アンモニウムの少なくともいずれかを含むことが好ましい。三ヨウ化窒素は、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化窒素を含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1混合液または三ヨウ化物イオン(I )に富む第1溶液を準備することは容易である。同様に、三ヨウ化リンは、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化リンを含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1混合液または三ヨウ化物イオン(I )に富む第1溶液を準備することは容易である。三ヨウ化アンモニウムは、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化アンモニウムを含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1混合液または三ヨウ化物イオン(I )に富む第1溶液を準備することは容易である。
【0025】
本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理方法であって、エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む第2混合液に、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを添加する第1調整工程と、前記第1調整工程において調整された前記第2混合液を前記基板に供給し、前記第1層をエッチングするエッチング工程と、を含む基板処理方法である。
【0026】
基板処理方法は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。
【0027】
第2混合液は、エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む。基板処理方法は、第1調整工程を含む。第1調整工程では、酸素およびオゾンの少なくともいずれかが、第2混合液に添加される。第1調整工程では、第2混合液中のヨウ化物イオン(I)は、酸化される。具体的には、第1調整工程では、第2混合液中のヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化する。このため、第2混合液中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。すなわち、第2混合液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第2混合液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高くなる。
【0028】
基板処理方法は、エッチング工程を含む。エッチング工程では、第1調整工程において調整された第2混合液が、基板に供給される。エッチング工程では、第1層は、第1調整工程において調整された第2混合液に晒される。エッチング液は、第1層をエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。上述の通り、第1調整工程において調整された第2混合液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層が微小であっても、第1層はエッチング工程において適切にエッチングされる。
【0029】
以上の通り、本発明の基板処理方法によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0030】
本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理方法であって、ヨウ化物イオン(I)を含む第2溶液に、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを添加する第2調整工程と、前記第2調整工程において調整された前記第2溶液と、エッチング液とを、前記基板に供給して、前記第1層をエッチングするエッチング工程と、を含む基板処理方法である。
【0031】
基板処理方法は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。
【0032】
第2溶液は、ヨウ化物イオン(I)を含む。基板処理方法は、第2調整工程を含む。第2調整工程では、酸素およびオゾンの少なくともいずれかが、第2溶液に添加される。第2調整工程では、第2溶液中のヨウ化物イオン(I)は、酸化される。具体的には、第2調整工程では、第2溶液中のヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化する。このため、第2溶液中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。すなわち、第2溶液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第2溶液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高くなる。
【0033】
基板処理方法は、エッチング工程を含む。エッチング工程では、第2調整工程において調整された第2溶液が、基板に供給される。エッチング工程では、エッチング液が、基板に供給される。エッチング工程では、第1層は、第2調整工程において調整された第2溶液に晒される。エッチング工程では、第1層は、エッチング液に晒される。エッチング液は、第1層をエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。上述の通り、第2調整工程において調整された第2溶液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層が微小であっても、第1層はエッチング工程において適切にエッチングされる。
【0034】
以上の通り、本発明の基板処理方法によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0035】
上述した基板処理方法において、前記酸素は、酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを第2混合液に添加することによって、第2混合液中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2混合液中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第1調整工程において増加させることは、容易である。同様に、酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを第2溶液に添加することによって、第2溶液中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2溶液中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第2調整工程において増加させることは、容易である。
【0036】
ここで、高濃度酸素水は、通常よりも高い濃度で酸素を含む水である。高濃度酸素水中の酸素の量は、通常の空気中に置かれた水中の酸素の量よりも大きい。
【0037】
上述した基板処理方法において、前記オゾンは、オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを第2混合液に添加することによって、第2混合液中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2混合液中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第1調整工程において増加させることは、容易である。同様に、オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを第2溶液に添加することによって、第2溶液中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、オゾンがオゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを含むとき、第2溶液中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第2調整工程において増加させることは、容易である。
【0038】
ここで、オゾン水は、溶解したオゾンを含む水である。
【0039】
上述した基板処理方法において、前記第1層は、シリコン酸化物を含み、前記エッチング液は、フッ化水素を含むことが好ましい。第1層は、シリコン酸化物を含む。エッチング液は、フッ化水素を含む。シリコン酸化物をフッ化水素でエッチングすることは、容易である。このため、エッチング工程において、第1層をエッチングすることは、容易である。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、シリコン酸化物のエッチングを補助する。このため、第1層が微小であっても、エッチング工程では第1層は適切にエッチングされる。
【0040】
上述した基板処理方法において、前記基板は、さらに、前記第1層の組成と異なる組成を有する第2層と、を含み、前記第2層は、前記第1層に接触しており、前記エッチング工程では、前記第2層のエッチングを抑えつつ、前記第1層がエッチングされることが好ましい。基板は第2層を含む。第2層は、第1層の組成と異なる組成を有する。このため、エッチング工程では第2層のエッチングは好適に抑制される。第2層は、第1層に接触している。第1層が第2層に接触するときであっても、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを好適に補助する。このため、第2層に接触する第1層が微小であっても、エッチング工程では第1層は適切にエッチングされる。
【0041】
上述した基板処理方法において、前記第1層は、シリコン酸化物を含み、前記第2層は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含み、前記エッチング液は、フッ化水素を含むことが好ましい。第1層は、シリコン酸化物を含む。第2層は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。エッチング液は、フッ化水素を含む。シリコン酸化物をフッ化水素でエッチングすることは、容易である。単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを、フッ化水素でエッチングすることは、難しい。このため、エッチング工程において、第2層のエッチングを抑えつつ、第1層をエッチングすることは、容易である。第1層が第2層に接触するときであっても、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のシリコン酸化物のエッチングを補助する。よって、第2層に接触する第1層が微小であっても、エッチング工程では第1層は適切にエッチングされる。
【0042】
上述した基板処理方法において、前記基板は、さらに、前記第1層の組成と異なる組成を有する第2層と、前記第1層の組成と異なる組成を有する第3層と、を備え、前記第1層は、前記第2層と前記第3層の間に配置され、前記第2層は、前記第1層に接触しており、前記第3層は、前記第1層に接触しており、前記エッチング工程では、前記第2層および前記第3層のエッチングを抑えつつ、第1層がエッチングされることが好ましい。基板は第2層と第3層を含む。第2層は、第1層の組成と異なる組成を有する。このため、エッチング工程では第2層のエッチングは好適に抑制される。第3層は、第1層の組成と異なる組成を有する。このため、エッチング工程では第3層のエッチングは好適に抑制される。第2層は、第1層に接触している。第3層は、第1層に接触している。第1層が第2層および第3層に接触するときであっても、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。このため、第2層および第3層に接触する第1層が微小であっても、エッチング工程では第1層は適切にエッチングされる。
【0043】
上述した基板処理方法において、前記第1層は、シリコン酸化物を含み、前記第2層は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含み、前記第3層は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含み、前記エッチング液は、フッ化水素を含むことが好ましい。第1層は、シリコン酸化物を含む。第2層は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。第3層は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。エッチング液は、フッ化水素を含む。シリコン酸化物をフッ化水素でエッチングすることは、容易である。単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを、フッ化水素でエッチングすることは、難しい。このため、エッチング工程において、第2層および第3層のエッチングを抑えつつ、第1層をエッチングすることは、容易である。第1層が第2層および第3層に接触するときであっても、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のシリコン酸化物のエッチングを補助する。このため、第2層および第3層に接触する第1層が微小であっても、エッチング工程では第1層は適切にエッチングされる。
【0044】
本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理装置であって、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加えて、第1混合液を生成する第1生成ユニットと、前記第1混合液を前記基板に供給して、前記第1層をエッチングする第1供給部と、を備える基板処理装置である。
【0045】
基板処理装置は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。
【0046】
基板処理装置は、第1生成ユニットを備える。第1生成ユニットは、第1混合液を生成する。第1混合液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加えることによって、得られる。ヨウ素分子(I)をエッチング液に加えることによって第1混合液が生成されるとき、第1混合液中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物をエッチング液に加えることによって第1混合液が生成されるとき、第1混合液中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1混合液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1混合液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。
【0047】
基板処理装置は、第1供給部を備える。第1供給部は、第1混合液を基板に供給する。第1層は、第1混合液に晒される。エッチング液は、第1層をエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。上述の通り、第1混合液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層が微小であっても、第1層は適切にエッチングされる。
【0048】
以上の通り、本発明の基板処理装置によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0049】
本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理装置であって、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えて、第1溶液を生成する第2生成ユニットと、前記第1溶液とエッチング液とを前記基板に供給して、前記第1層をエッチングする第2供給部と、を備える基板処理装置である。
【0050】
基板処理装置は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。
【0051】
基板処理装置は、第2生成ユニットを備える。第2生成ユニットは、第1溶液を生成する。第1溶液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えることによって、得られる。ヨウ素分子(I)を溶媒に加えることによって第1溶液が生成されるとき、第1溶液中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物を溶媒に加えることによって第1溶液が生成されるとき、第1溶液中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1溶液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1溶液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。
【0052】
基板処理装置は、第2供給部を備える。第2供給部は、第1溶液を基板に供給する。第2供給部は、エッチング液を基板に供給する。第1層は、第1溶液とエッチング液に晒される。エッチング液は、第1層をエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。上述の通り、第1溶液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層が微小であっても、第1層は適切にエッチングされる。
【0053】
以上の通り、本発明の基板処理装置によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0054】
本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理装置であって、エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む第2混合液に、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを添加する第1調整ユニットと、前記第1調整ユニットによって調整された前記第2混合液を前記基板に供給して、前記第1層をエッチングする第3供給部と、を備える基板処理装置である。
【0055】
基板処理装置は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。
【0056】
第2混合液は、エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む。基板処理装置は、第1調整ユニットを備える。第1調整ユニットは、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを、第2混合液に添加する。第2混合液中のヨウ化物イオン(I)は、酸化される。具体的には、第2混合液中のヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化する。このため、第2混合液中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。すなわち、第2混合液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第2混合液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高くなる。
【0057】
基板処理装置は、第3供給部を備える。第3供給部は、第1調整ユニットによって調整された第2混合液を、基板に供給する。第1層は、第1調整ユニットによって調整された第2混合液に晒される。エッチング液は、第1層をエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。上述の通り、第1調整ユニットによって調整された第2混合液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層が微小であっても、第1層は適切にエッチングされる。
【0058】
以上の通り、本発明の基板処理装置によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0059】
本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理装置であって、ヨウ化物イオン(I)を含む第2溶液に、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを添加する第2調整ユニットと、前記第2調整ユニットによって調整された前記第2溶液と、エッチング液とを、前記基板に供給して、前記第1層をエッチングする第4供給部と、を備える基板処理装置である。
【0060】
基板処理装置は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。
【0061】
第2溶液は、ヨウ化物イオン(I)を含む。基板処理装置は、第2調整ユニットを備える。第2調整ユニットは、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを、第2溶液に添加する。第2溶液中のヨウ化物イオン(I)は、酸化される。具体的には、第2溶液中のヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化する。このため、第2溶液中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。すなわち、第2溶液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第2溶液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高くなる。
【0062】
基板処理装置は、第4供給部を備える。第4供給部は、第2調整ユニットによって調整された第2溶液を、基板に供給する。第4供給部は、エッチング液を基板に供給する。第1層は、第2調整ユニットにおいて調整された第2溶液に晒される。第1層は、エッチング液に晒される。エッチング液は、第1層をエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層のエッチングを補助する。上述の通り、第2調整ユニットによって調整された第2溶液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層が微小であっても、第1層は適切にエッチングされる。
【0063】
以上の通り、本発明の基板処理装置によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0064】
本発明は、第1層を含む基板を処理する基板処理液であって、前記第1層は、シリコン酸化物を含み、前記基板処理液は、エッチング液を含み、前記エッチング液は、フッ化水素を含み、前記基板処理液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを、前記エッチング液に加えることによって得られる基板処理液である。
【0065】
基板処理液は、基板を処理するものである。基板は第1層を含む。第1層は、シリコン酸化物を含む。基板処理液は、エッチング液を含む。エッチング液は、フッ化水素を含む。シリコン酸化物をフッ化水素でエッチングすることは、容易である。このため、基板処理液は、第1層を容易にエッチングする。
【0066】
ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを、エッチング液に加えることによって、基板処理液は得られる。ヨウ素分子(I)をエッチング液に加えることによって基板処理液が得られるとき、基板処理液中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物をエッチング液に加えることによって基板処理液が得られるとき、基板処理液中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、基板処理液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、基板処理液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。すなわち、基板処理液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。ここで、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、シリコン酸化物のエッチングを補助する。このため、第1層が微小であっても、基板処理液は、第1層を適切にエッチングする。
【0067】
以上の通り、本発明の基板処理液によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【発明の効果】
【0068】
本発明の基板処理方法と基板処理装置と基板処理液によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】基板処理装置の内部を示す平面図である。
図2】基板処理装置の制御ブロック図である。
図3図3(a)は、基板の側面図である。図3(b)は、基板の平面図である。
図4図4(a)、4(b)はそれぞれ、第1層の一例を示す図である。
図5図5(a)、5(b)はそれぞれ、第2層の他の例を示す図である。
図6】第1実施形態の処理ユニットおよび第1調整ユニットの構成を示す図である。
図7】第1実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
図8】実施例1と比較例1、2を示す表である。
図9図9(a)、9(b)はそれぞれ、第1層を模式的に示す図である。
図10】第2実施形態の処理ユニットおよび第2調整ユニットの構成を示す図である。
図11】第2実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
図12】第3実施形態の処理ユニットおよび第1生成ユニットの構成を示す図である。
図13】第3実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
図14】第4実施形態の処理ユニットおよび第2生成ユニットの構成を示す図である。
図15】第4実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
図16】変形実施形態の処理ユニットおよび第1調整ユニットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、図面を参照して本発明の基板処理方法と基板処理装置と基板処理液を説明する。
【0071】
1.第1実施形態
1-1.基板処理装置の概要
図1は、基板処理装置1の内部を示す平面図である。基板処理装置1は、基板Wに処理を行う。基板処理装置1における処理は、ウェットエッチング処理を含む。
【0072】
基板処理装置1は、インデクサ部3と処理ブロック7を備える。処理ブロック7はインデクサ部3に接続される。インデクサ部3は、処理ブロック7に基板Wを供給する。処理ブロック7は、基板Wに処理を行う。インデクサ部3は、処理ブロック7から基板Wを回収する。
【0073】
本明細書では、便宜上、インデクサ部3と処理ブロック7が並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、処理ブロック7からインデクサ部3に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する方向を、「幅方向Y」と呼ぶ。幅方向Yは水平である。「幅方向Y」の一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方とは反対の方向を「左方」と呼ぶ。前後方向Xおよび幅方向Yを区別しない場合には、単に「水平方向」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0074】
インデクサ部3は、複数(例えば、4つ)のキャリア載置部4を備える。各キャリア載置部4はそれぞれ、1つのキャリアCを載置する。キャリアCは、複数枚の基板Wを収容する。キャリアCは、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Interface)、OC(Open Cassette)である。
【0075】
インデクサ部3は、搬送機構5を備える。搬送機構5は、キャリア載置部4の後方に配置される。搬送機構5は、基板Wを搬送する。搬送機構5は、キャリア載置部4に載置されるキャリアCにアクセスするように構成される。搬送機構5は、キャリア載置部4に載置されるキャリアCから基板Wを出し、かつ、キャリア載置部4に載置されるキャリアCに基板Wを入れるように、構成される。
【0076】
搬送機構5はハンド5aとハンド駆動部5bを備える。ハンド5aは、基板Wを支持する。ハンド駆動部5bは、ハンド5aに連結される。ハンド駆動部5bは、ハンド5aを移動させる。ハンド駆動部5bは、例えば、前後方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zにハンド5aを移動させる。ハンド駆動部5bは、例えば、水平面内においてハンド5aを回転させる。
【0077】
処理ブロック7は、搬送機構8を備える。搬送機構8は、基板Wを搬送する。搬送機構8は、搬送機構5から基板Wを受け、かつ、搬送機構5に基板Wを渡すように構成される。
【0078】
搬送機構8は、ハンド8aとハンド駆動部8bを備える。ハンド8aは、基板Wを支持する。ハンド駆動部8bは、ハンド8aに連結される。ハンド駆動部8bは、ハンド8aを移動させる。ハンド駆動部8bは、例えば、前後方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zにハンド8aを移動させる。ハンド駆動部8bは、例えば、水平面内においてハンド8aを回転させる。
【0079】
処理ブロック7は、複数の処理ユニット11を備える。処理ユニット11は、搬送機構8の側方に配置される。各処理ユニット11は、基板Wに処理を行う。
【0080】
各処理ユニット11は、基板保持部13を備える。基板保持部13は、基板Wを保持する。
【0081】
搬送機構8は、各処理ユニット11にアクセスするように構成される。搬送機構8は、基板保持部13に基板Wを渡し、かつ、基板保持部13から基板Wを取るように、構成される。
【0082】
図2は、基板処理装置1の制御ブロック図である。基板処理装置1は、制御部10を備える。制御部10は、搬送機構5、8および処理ユニット11に、通信可能に接続される。制御部10は、搬送機構5、8と処理ユニット11を制御する。
【0083】
制御部10は、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)、固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。制御部10は、記憶媒体に予め格納される各種の情報を有する。制御部10が有する情報は、例えば、搬送条件情報と処理条件情報を含む。搬送条件情報は、搬送機構5、8のオペレーションに関する条件を規定する。処理条件情報は、処理ユニット11のオペレーションに関する条件を規定する。処理条件情報は、処理レシピとも呼ばれる。
【0084】
基板処理装置1の動作例を簡単に説明する。
【0085】
搬送機構5は、キャリアCから搬送機構8に基板Wを搬送する。
【0086】
搬送機構8は、処理ユニット11に基板Wを分配する。具体的には、搬送機構8は、搬送機構5から、各処理ユニット11の基板保持部13に基板Wを搬送する。
【0087】
各処理ユニット11は、基板保持部13によって保持された基板Wを処理する。各処理ユニット11は、例えば、基板Wにウェットエッチング処理を行う。
【0088】
処理ユニット11が基板Wを処理した後、搬送機構8は、処理ユニット11から基板Wを回収する。具体的には、搬送機構8は、各処理ユニット11の基板保持部13から、搬送機構5に基板Wを搬送する。
【0089】
搬送機構5は、搬送機構8からキャリアCに基板Wを搬送する。
【0090】
1-2.基板Wの構造
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。
【0091】
図3(a)は、基板Wの側面図である。図3(b)は、基板Wの平面図である。基板Wは、薄い平板形状を有する。基板Wは、平面視において、略円形状を有する。
【0092】
具体的には、基板Wは、第1面W1を有する。第1面W1は、平面視において、略円形状である。第1面W1は、実質的に平面である。第1面W1は、実質的に平坦である。
【0093】
図4(a)、4(b)、5(a)、5(b)はそれぞれ、基板Wの一部の詳細図である。基板Wは、第1層Gを含む。第1層Gは、第1面W1上に位置する。
【0094】
第1層Gは、例えば、シリコン酸化物(Silicon oxide)を含む。第1層Gは、例えば、シリコン酸化物で構成される。シリコン酸化物は、例えば、二酸化シリコン(SiO)を含む。シリコン酸化物は、例えば、亜酸化シリコン(SiOx、0<x<2)を含む。亜酸化シリコンは、二酸化シリコンに対する亜酸化物である。亜酸化シリコンは、低級シリコン酸化物とも呼ばれる。亜酸化シリコンは、例えば、一酸化シリコン(SiO)を含む。
【0095】
第1層Gは、膜形状を有してもよい。第1層Gは、板形状を有してもよい。第1層Gは、例えば、シリコン酸化膜である。第1層Gは、例えば、熱酸化膜である。
【0096】
第1層Gは、例えば、中間膜Gaである。第1層Gは、例えば、ブランケット膜Gbである。
【0097】
図4(a)、4(b)を参照する。中間膜Gaを説明する。基板Wは、さらに、第2層Jaと第3層Kを含む。第2層Jaと第3層Kはそれぞれ、第1面W1上に位置する。第2層Jaと中間膜Gaと第3層Kは、互いに積層される。第2層Jaと中間膜Gaと第3層Kは、この順で、積層される。第2層Jaは、中間膜Gaに接触している。第3層Kは、中間膜Gaに接触している。中間膜Gaは、第2層Jaと第3層Kの間に配置される。
【0098】
中間膜Gaは、面Maを有する。面Maは、露出する。面Maは、第2層Jaと第3層Kの間に配置される。面Maは、第2層Jaに接触している。面Maは、第3層Kに接触している。
【0099】
面Maは、例えば、第2層Jaに接触している第1辺を有する。面Maは、例えば、第3層Kに接触している第2辺を有する。第2辺は、例えば、第1辺に向かい合う。
【0100】
中間膜Gaは、長さUa、Vaを有する。長さUa、Vaは、面Maの寸法である。長さUaは、中間膜Gaの厚みに相当する。長さUaは、第2層Jaと第3層Kの間の離隔距離に相当する。長さUaは、凹部Aの幅に相当する。
【0101】
中間膜Gaは、エッチングされる。具体的には、面Maは、エッチングされる。図4(a)は、エッチングされる前の中間膜Gaを示す。図4(b)は、エッチングされた後の中間膜Gaを示す。中間膜Gaがエッチングされることによって、中間膜Gaの少なくとも一部は除去される。
【0102】
中間膜Gaは、選択的にエッチングされる。第2層Jaのエッチングは、抑制される。第3層Kのエッチングは、抑制される。その結果、凹部Aが形成される。凹部Aは、空間である。凹部Aは、第2層Jaと第3層Kの間に位置する。第2層Jaと凹部Aと第3層Kは、パターンを構成する。パターンは、例えば、凹凸形状を有する。第1面W1は、パターン形成面とも呼ばれる。
【0103】
中間膜Gaは、深さ方向Daにエッチングされる。深さ方向Daは、例えば、面Maに垂直である。凹部Aは、深さ方向Daに延びる。深さ方向Daと第1面W1の関係は、適宜に選択される。たとえば、深さ方向Daは、第1面W1と平行であってもよい。あるいは、深さ方向Daは、第1面W1に垂直であってもよい。
【0104】
図4(b)は、距離Laを示す。距離Laは、深さ方向Daにおける中間膜Gaのエッチング量に相当する。距離Laは、例えば、深さ方向Daにおける凹部Aの長さである。
【0105】
中間膜Gaは、例えば、微小である。中間膜Gaは、例えば、薄い。
【0106】
具体的には、長さUaは、小さい。長さUaは、例えば、50nm以下である。長さUaは、例えば、20nm以下である。長さUaは、例えば、10nm以下である。長さVaは、適宜に選択される。例えば、長さVaは、長さUaよりも大きくてもよい。あるいは、長さVaは、長さUaよりも大きくてもよい。
【0107】
第2層Jaは、中間膜Gaの組成と異なる組成を有する。例えば、第2層Jaは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。
【0108】
第2層Jaは、例えば、膜形状を有してもよい。第2層Jaは、例えば、板形状を有してもよい。例えば、第2層Jaは、単結晶シリコン基板である。
【0109】
第3層Kは、中間膜Gaの組成と異なる組成を有する。例えば、第3層Kは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。
【0110】
第3層Kは、例えば、膜形状を有してもよい。第3層Kは、例えば、板形状を有してもよい。例えば、第3層Kは、多結晶シリコン膜である。
【0111】
ここで、多結晶シリコンは、ポリシリコンとも呼ばれる。
【0112】
図5(a)、5(b)を参照する。ブランケット膜Gbを説明する。ブランケット膜Gbは、面Mbを有する。面Mbは、露出する。面Mbは、ブランケット膜Gb以外の固体と接触してしない。面Mbは、ブランケット膜Gb以外の固体の間に配置されていない。面Mbは、ブランケット膜Gb以外の固体によって、挟まれていない。これらの点で、ブランケット膜Gbは、中間膜Gaと異なる。
【0113】
基板Wは、さらに、第2層Jbを含んでもよい。第2層Jbは、第1面W1上に位置する。ブランケット膜Gbと第2層Jbは、互いに積層される。ブランケット膜Gbは、第2層Jbと接触する。但し、面Mbは、第2層Jbと接触していない。第2層Jbは、ブランケット膜Gbの第2面と接触している。ブランケット膜Gbの第2面は、例えば、面Mbの反対側に位置する。
【0114】
ブランケット膜Gbは、長さUb、Vbを有する。長さUb、Vbは、面Mbの寸法である。
【0115】
ブランケット膜Gbは、エッチングされる。具体的には、面Mbは、エッチングされる。図5(a)は、エッチングされる前のブランケット膜Gbを示す。図5(b)は、エッチングされた後のブランケット膜Gbを示す。ブランケット膜Gbがエッチングされることによって、ブランケット膜Gbの少なくとも一部は除去される。
【0116】
ブランケット膜Gbは、選択的にエッチングされる。第2層Jbのエッチングは、抑制される。
【0117】
ブランケット膜Gbは、深さ方向Dbにエッチングされる。深さ方向Dbは、例えば、面Mbに垂直である。深さ方向Dbと第1面W1の関係は、適宜に選択される。たとえば、深さ方向Dbは、第1面W1と平行であってもよい。あるいは、深さ方向Dbは、第1面W1に垂直であってもよい。
【0118】
図5(b)は、距離Lbを示す。距離Lbは、深さ方向Dbにおけるブランケット膜Gbのエッチング量に相当する。
【0119】
ブランケット膜Gbは、例えば、大きい。ブランケット膜Gbは、例えば、広い。
【0120】
具体的には、長さUb、Vbはそれぞれ、大きい。長さUb、Vbはそれぞれ、例えば、500nmよりも大きい。
【0121】
第2層Jbは、ブランケット膜Gbの組成と異なる組成を有する。例えば、第2層Jは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。
【0122】
第2層Jbは、例えば、膜形状を有してもよい。第2層Jbは、例えば、板形状を有してもよい。例えば、第2層Jbは、単結晶シリコン基板である。
【0123】
以下では、面Maと面Mbを区別しない場合には、面Maと面Mbを適宜に「面M」と呼ぶ。第2層Jaと第2層Jbを区別しない場合には、第2層Jaと第2層Jbを適宜に「第2層J」と呼ぶ。
【0124】
1-3.処理ユニット11の構成
図6は、処理ユニット11の構成を示す図である。各処理ユニット11は、同一の構造を有する。処理ユニット11は、枚葉式に分類される。すなわち、各処理ユニット11は、一度に1枚の基板Wのみを処理する。
【0125】
処理ユニット11は、筐体12を備える。筐体12は、略箱形状を有する。上述した基板保持部13は、筐体12の内部に設置される。基板Wは、筐体12の内部において、処理される。
【0126】
基板保持部13は、1枚の基板Wを保持する。基板保持部13は、基板Wを略水平姿勢で保持する。基板Wが基板保持部13に保持されるとき、第1面W1は水平である。
【0127】
基板Wが基板保持部13に保持されるとき、第1面W1は上方を向く。基板Wが基板保持部13に保持されるとき、第1面W1は基板Wの上面に相当する。基板保持部13は、基板Wの下面および基板Wの周縁部の少なくともいずれかと接触する。基板Wの下面は、基板Wのバックサイドとも呼ばれる。基板保持部13は、基板保持部13が保持する基板Wの下方に位置する。基板保持部13は、第1面W1と接触しない。
【0128】
処理ユニット11は、回転駆動部14を備える。回転駆動部14の少なくとも一部は、筐体12の内部に設置される。回転駆動部14は、基板保持部13に連結される。回転駆動部14は、基板保持部13を回転させる。基板保持部13によって保持される基板Wは、基板保持部13と一体に回転する。基板保持部13によって保持される基板Wは、例えば、回転軸線B回りに回転する。回転軸線Bは、例えば、基板Wの中心を通る。回転軸線Bは、例えば、鉛直方向Zに延びる。
【0129】
処理ユニット11は、供給部15aを備える。供給部15aは、基板Wに混合液P2を供給する。供給部15aは、基板保持部13に保持される基板Wに、混合液P2を供給する。供給部15aは、基板保持部13に保持される基板Wの第1面W1に、混合液P2を供給する。
【0130】
第1実施形態の供給部15aは、本発明における第3供給部の例である。第1実施形態の混合液P2は、本発明における第2混合液の例である。
【0131】
以下では、混合液P2を、適宜に「第2混合液P2」と呼ぶ。
【0132】
処理ユニット11は、供給部15bを備える。供給部15bは、基板Wにリンス液を供給する。供給部15bは、基板保持部13に保持される基板Wに、リンス液を供給する。リンス液は、例えば、脱イオン水(DIW)である。
【0133】
処理ユニット11は、供給部15cを備える。供給部15cは、基板Wに乾燥ガスを供給する。供給部15cは、基板保持部13に保持される基板Wに、乾燥ガスを供給する。乾燥ガスは、筐体12内の温度よりも低い露点を有することが好ましい。乾燥ガスは、エア、および、不活性ガスの少なくともいずれかを含む。エアは、例えば、圧縮エアである。不活性ガスは、例えば、窒素ガスである。
【0134】
供給部15a、15b、15cの構成を例示する。供給部15aは、ノズル16aを備える。ノズル16aは、筐体12の内部に設置される。ノズル16aは、基板保持部13に保持される基板Wの上方に配置される。ノズル16aは、第2混合液P2を吐出する。同様に、供給部15b、15cはそれぞれ、ノズル16b、16cを備える。ノズル16b、16cはそれぞれ、筐体12の内部に設置される。ノズル16bは、リンス液を吐出する。ノズル16cは、乾燥ガスを吐出する。
【0135】
供給部15aは、配管17aと弁18aを備える。配管17aは、ノズル16aに接続される。配管17aの少なくとも一部は、筐体12の外部に設けられてもよい。弁18aは、配管17aに設けられる。弁18aは、筐体12の外部に設けられてもよい。弁18aが開くとき、ノズル16aは第2混合液P2を吐出する。弁18aが閉じるとき、ノズル16aは第2混合液P2を吐出しない。同様に、供給部15b、15cはそれぞれ、配管17b、17cと弁18b、18cを備える。配管17b、17cはそれぞれ、ノズル16b、16cに接続される。弁18b、18cはそれぞれ、配管17b、17cに設けられる。弁18bは、ノズル16bによるリンス液の吐出を制御する。弁18cは、ノズル16cによる乾燥ガスの吐出を制御する。
【0136】
基板処理装置1は、第1調整ユニット21を備える。第1調整ユニット21は、供給部15aに接続される。第1調整ユニット21は、供給部15aに第2混合液P2を送る。
【0137】
供給部15bは、供給源19bに接続される。供給源19bは、供給部15bにリンス液を送る。供給部15cは、供給源19cに接続される。供給源19cは、供給部15cに乾燥ガスを送る。
【0138】
第1調整ユニット21は、筐体12の外部に設けられる。同様に、供給源19b、19cはそれぞれ、筐体12の外部に設けられる。
【0139】
第1調整ユニット21は、複数の処理ユニット11に、第2混合液P2を供給してもよい。あるいは、第1調整ユニット21は、1つの処理ユニット11のみに、第2混合液P2を供給してもよい。供給源19b、19cについても、同様である。
【0140】
供給源19bは、基板処理装置1の要素であってもよい。例えば、供給源19bは、基板処理装置1の内部に設置されてもよい。あるいは、供給源19bは、基板処理装置1の要素でなくてもよい。例えば、供給源19bは、基板処理装置1の外部に設置されてもよい。同様に、供給源19cは、基板処理装置1の要素であってもよい。あるいは、供給源19cは、基板処理装置1の要素でなくてもよい。
【0141】
処理ユニット11は、さらに、不図示のカップを備えてもよい。カップは、筐体12の内部に設置される。カップは、基板保持部13の側方に配置される。カップは、基板保持部13を囲む。カップは、基板保持部13に保持される基板Wから飛散した液体を受け止める。
【0142】
図2を参照する。制御部10は、回転駆動部14を制御する。制御部10は、供給部15a-15cを制御する。制御部10は、弁18a-18cを制御する。
【0143】
制御部10は、第1調整ユニット21に、通信可能に接続される。制御部10は、第1調整ユニット21を制御する。
【0144】
1-4.第1調整ユニット21の構成
図6を、参照する。第1調整ユニット21は、槽31を備える。槽31は、第2混合液P2を貯留する。
【0145】
槽31は、大気に開放された容器である。槽31は、空気に開放される。
【0146】
例えば、槽31は、開口31aを有する。開口31aは、槽31の上部に配置される。槽31の内部は、開口31aを通じて、槽31の外部に開放される。
【0147】
第1調整ユニット21は、供給部33aを備える。供給部33aは、槽31にエッチング液を供給する。
【0148】
エッチング液は、フッ化水素を含む。言い換えれば、エッチング液は、フッ化水素化合物を含む。エッチング液は、例えば、フッ酸、希フッ酸(DHF)およびバッファードフッ酸(BHF)の少なくともいずれかを含む。
【0149】
第1調整ユニット21は、供給部33bを備える。供給部33bは、槽31にヨウ化物を供給する。
【0150】
ヨウ化物は、酸化数が-1のヨウ素の化合物である。ヨウ化物は、ヨウ化物イオン(I)を遊離する。ヨウ化物イオン(I)は、1つのヨウ素原子からなる1価の単原子アニオンである。ヨウ化物は、例えば、以下の列挙する化合物a1)-a6)の少なくとも1つを含む。
a1) テトラメチルアンモニウムヨージド(TMAI)
a2) テトラエチルアンモニウムヨージド(TEAI)
a3) テトラプロピルアンモニウムヨージド(TPAI)
a4) テトラブチルアンモニウムヨージド
a5) ヨウ化アンモニウム
a6) ヨウ化水素
【0151】
供給部33bは、例えば、ヨウ化物を含む溶液を供給してもよい。溶液は、ヨウ化物を溶媒に加えることによって、得られる。溶媒は、ヨウ化物を溶解する。溶媒は、例えば、脱イオン水(DIW)である。
【0152】
第1調整ユニット21は、供給部33cを備える。供給部33cは、槽31に脱イオン水(DIW)を供給する。
【0153】
第2混合液P2は、エッチング液にヨウ化物を加えることによって、得られる。第2混合液P2は、さらに、純水を含んでもよい。
【0154】
供給部33a、33b、33cの構成を例示する。供給部33aは、配管34aと弁35aを備える。配管34aは、槽31に接続される。弁35aは、配管34aに設けられる。弁35aが開くとき、供給部33aは槽31にエッチング液を供給する。弁35aが閉じるとき、供給部33aは槽31にエッチング液を供給しない。同様に、供給部33b、33cはそれぞれ、配管34b、34cと弁35b、35cを備える。配管34b、34cはそれぞれ、槽31に接続される。弁35b、35cはそれぞれ、配管34b、34cに設けられる。弁35bは、槽31へのヨウ化物の供給を制御する。弁35cは、槽31への脱イオン水の供給を制御する。
【0155】
供給部33a、33b、33cはそれぞれ、供給源36a、36b、36cに接続される。供給源36aは、供給部33aにエッチング液を送る。供給源36bは、供給部33bにヨウ化物を送る。供給源36bは、ヨウ化物を含む溶液を供給部33bに送ってもよい。供給源36cは、供給部33cに脱イオン水を送る。
【0156】
第1調整ユニット21は、循環配管41とポンプ42とフィルタ43を備える。循環配管41は、槽31に接続される。具体的には、循環配管41は、第1端41aと第2端41bを有する。第1端41aと第2端41bの両方は、槽31に接続される。ポンプ42は、循環配管41に設けられる。フィルタ43は、循環配管41に設けられる。フィルタ43は、第2混合液P2を濾過する。フィルタ43は、第2混合液P2から異物を除去する。
【0157】
第1調整ユニット21は、第1センサ51を備える。第1センサ51は、循環配管41に設けられる。第1センサ51は、第2混合液P2中のエッチング液の濃度を検出する。例えば、第1センサ51は、第2混合液P2の水素イオン濃度を検出する。例えば、第1センサ51は、第2混合液P2の水素イオン指数(pH)を検出する。第1センサ51は、例えば、pH計である。
【0158】
第1調整ユニット21は、配管44と継ぎ手45を備える。配管44は、循環配管41に接続される。配管44は、循環配管41から分岐する。継ぎ手45は、配管44に接続される。継ぎ手45は、さらに、配管17aに接続される。槽31は、循環配管41および配管44を介して、供給部15aに接続される。
【0159】
弁18aが閉じるとき、第1調整ユニット21は第2混合液P2を供給部15aに送らない。弁18aが閉じ、かつ、ポンプ42が運転するとき、第2混合液P2は、槽31と循環配管41の間で循環する。具体的には、第2混合液P2は、第1端41aを通じて、槽31から循環配管41に流れる。その後、第2混合液P2は、循環配管41を通じて、第1端41aから第2端41bに流れる。その後、第2混合液P2は、第2端41bを通じて、循環配管41から槽31に流れる。
【0160】
弁18aが開き、かつ、ポンプ42が運転するとき、第1調整ユニット21は第2混合液P2を供給部15aに送る。弁18aが開き、かつ、ポンプ42が運転するとき、第2混合液P2は、槽31から供給部15aに流れる。
【0161】
図2を参照する。制御部10は、第1センサ51の検出結果を取得する。制御部10は、供給部33a、33b、33cを制御する。制御部10は、弁35a、35b、35cを制御する。制御部10は、ポンプ42を制御する。
【0162】
制御部10は、処理液条件情報を有する。処理液条件情報は、第1調整ユニット21のオペレーションに関する条件を規定する。処理液条件情報は、制御部10の記憶媒体に予め記憶されている。
【0163】
1-5.第1調整ユニット21および処理ユニット11の動作例
図6、7を参照する。図7は、第1実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。基板処理方法は、第1調整工程と処理工程を備える。第1調整工程と処理工程では、制御部10は、処理液条件情報および処理条件情報に基づいて、処理ユニット11と第1調整ユニット21を制御する。処理ユニット11と第1調整ユニット21の各要素は、制御部10の制御にしたがって、動作する。
【0164】
ステップS1:第1調整工程
第1調整工程では、第1調整ユニット21は第2混合液P2を生成する。
【0165】
具合的には、供給部33aは、エッチング液を槽31に供給する。供給部33bは、ヨウ化物を槽31に供給する。これにより、槽31において、第2混合液P2が生成される。第2混合液P2は、エッチング液とヨウ化物を含む。ヨウ化物は、第2混合液P2中にヨウ化物イオン(I)を遊離させる。このため、第2混合液P2は、エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む。槽31は、第2混合液P2を貯留する。
【0166】
さらに、第1調整工程では、第1調整ユニット21は第2混合液P2を調整する。例えば、第1調整工程では、第1調整ユニット21は第2混合液P2に酸素を添加する。
【0167】
具体的には、第1調整工程では、第2混合液P2は、所定時間以上にわたって、槽31に貯留される。第2混合液P2は、所定時間以上にわたって、槽31に放置される。第2混合液P2は、所定時間以上にわたって、空気に晒される。槽31は、空気に開放されているからである。
【0168】
第1調整工程では、槽31内の第2混合液P2は、空気中の酸素を取り込む。空気中の酸素は、槽31内の第2混合液P2に溶け込む。空気中の酸素は、第2混合液P2中の溶存酸素に変化する。すなわち、酸素は、第2混合液P2に添加される。
【0169】
第2混合液P2中の酸素の量は、上昇する。第2混合液P2中の酸素の量は、例えば、5ppm以上になる。第2混合液P2中の酸素の量は、例えば、8ppm以上になる。第2混合液P2中の酸素の量は、例えば、飽和溶存酸素量に到達する。第2混合液P2は、酸素に富む。
【0170】
第2混合液P2中の酸素は、第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)を酸化させる。例えば、下記の化学反応式に示すように、ヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)に変化する。
2I → I+2e
例えば、下記の化学反応式に示すように、ヨウ化物イオン(I)は、三ヨウ化物イオン(I )に変化する。
三ヨウ化物イオン(I )は、3つのヨウ素原子からなる1価の多原子アニオンである。
+ I → I
【0171】
このため、第2混合液P2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液P2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。すなわち、第2混合液P2中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第2混合液P2中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高くなる。その結果、第2混合液P2は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに富む。
【0172】
第2混合液P2を空気に晒す時間を、空気暴露時間と呼ぶ。空気暴露時間は、例えば、第2混合液P2が槽31に貯留されている時間である。例えば、第2混合液P2が槽31に生成された時、空気暴露時間は始まる。例えば、ヨウ化物が槽31に供給された時、空気暴露時間は始まる。例えば、第2混合液P2が槽31から供給部15aに送られる時、空気暴露時間は終了する。
【0173】
空気暴露時間は、所定時間以上である。空気暴露時間が所定時間以上になるまで、第1調整工程は継続される。空気暴露時間が所定時間以上になった後、第1調整工程は適宜に終了される。
【0174】
これにより、所定時間以上にわたって空気に晒された第2混合液P2が、得られる。すなわち、第1調整工程において調整された第2混合液P2が、得られる。
【0175】
上述した所定時間は、例えば、実験またはシミュレーションに基づいて決定される。所定時間は、例えば、処理液条件情報に設定される。
【0176】
第1調整工程では、弁18aは閉じられる。第1調整工程では、ポンプ42は適宜に運転する。第2混合液P2は、循環配管41を流れる。フィルタ43は、第2混合液P2を濾過する。第1センサ51は、第2混合液P2中のエッチング液の濃度を検出する。制御部10は、第1センサ51の検出結果を取得する。
【0177】
例えば、第2混合液P2の一部が蒸発することによって、第2混合液P2中のエッチング液の濃度は変動することがある。制御部10は、第1センサ51の検出結果に基づいて、第2混合液P2中のエッチング液の濃度を監視する。制御部10は、第1センサ51の検出結果に基づいて、供給部33a、33cを制御する。これにより、制御部10は、第2混合液P2中のエッチング液の濃度を調整する。
【0178】
例えば、第2混合液P2中のエッチング液の濃度が第1範囲よりも低いとき、供給部33aは槽31にエッチング液を追加供給する。これにより、第2混合液P2中にエッチング液の濃度は上昇する。そして、第2混合液P2中のエッチング液の濃度が第1範囲になったとき、供給部33aは槽31に対するエッチング液の追加供給を停止する。
【0179】
例えば、第2混合液P2中のエッチング液の濃度が第1範囲よりも高いとき、供給部33cは槽31に脱イオン水を供給する。これにより、第2混合液P2中のエッチング液の濃度は低下する。そして、第2混合液P2中のエッチング液の濃度が第1範囲になったとき、供給部33cは槽31に対する脱イオン水の追加供給を停止する。
【0180】
その結果、第2混合液P2中のエッチング液の濃度は、第1範囲に調整される。
【0181】
第1範囲は、例えば、処理液条件情報に設定される。
【0182】
ステップS2:処理工程
処理工程は、エッチング工程と洗浄工程と乾燥工程を含む。エッチング工程と洗浄工程と乾燥工程は、この順で実行される。
【0183】
エッチング工程と洗浄工程と乾燥工程では、基板保持部13は、基板Wを保持する。エッチング工程と洗浄工程と乾燥工程では、回転駆動部14は、基板保持部13に保持される基板Wを回転させる。
【0184】
ステップS2a:エッチング工程
第1調整工程の終了後に、エッチング工程は実行される。エッチング工程では、第1調整ユニット21は、第1調整工程において調整された第2混合液P2を、供給部15aに送る。エッチング工程では、供給部15aは、第1調整工程において調整された第2混合液P2を、基板保持部13に保持される基板Wに供給する。
【0185】
第1面W1は、第1調整工程において調整された第2混合液P2に晒される。第1層Gは、第1調整工程において調整された第2混合液P2に晒される。面Mは、第1調整工程において調整された第2混合液P2に晒される。第1層Gは、エッチングされる。
【0186】
第1層Gが中間膜Gaを含む場合、中間膜Gaは選択的にエッチングされる。すなわち、第2層Jaおよび第3層Kのエッチングを抑制しつつ、中間膜Gaはエッチングされる。
【0187】
ステップS2b:洗浄工程
洗浄工程では、供給部15bは、基板保持部13に保持される基板Wにリンス液を供給する。基板Wはリンス液で洗浄される。第2混合液P2は、基板Wから除去される。
【0188】
ステップS2c:乾燥工程
乾燥工程では、供給部15cは、基板保持部13に保持される基板Wに乾燥ガスを供給する。基板Wは乾燥ガスで乾燥される。リンス液は、基板Wから除去される。
【0189】
1-6.第1調整工程の技術的意義
実施例1と比較例1、2によって、第1調整工程の技術的意義を説明する。図8は、実施例1と比較例1、2を示す表である。
【0190】
比較例1の条件を説明する。比較例1では、エッチング液を生成した。エッチング液は、フッ化水素と脱イオン水からなる。フッ化水素と脱イオン水の体積比は、以下の通りである。
フッ化水素:脱イオン水=1:5(体積比)
なお、エッチング液は、ヨウ素分子(I)を含まない。エッチング液は、三ヨウ化物イオン(I )を含まない。比較例1では、エッチング液を生成した直後に、エッチング液をテスト片T1、T2、T3に供給した。すなわち、比較例1では、エッチング液の空気暴露時間は、0時間である。
【0191】
比較例2の条件を説明する。比較例2では、エッチング液とヨウ化物からなる混合液を生成した。エッチング液は、フッ化水素と脱イオン水からなる。フッ化水素と脱イオン水の体積比は、以下の通りである。
フッ化水素:脱イオン水=1:5(体積比)
ヨウ化物は、テトラエチルアンモニウムヨージド(TEAI)である。以下では、テトラエチルアンモニウムヨージドを適宜に「TEAI」と呼ぶ。混合液に対するTEAIの濃度は、10mMである。ここで、Mは、mol/Lを意味する。すなわち、比較例2では、混合液1L当たりのTEAIの量は、0.010molである。比較例2では、混合液を生成した直後に、混合液をテスト片T1、T2、T3に供給した。すなわち、比較例2では、混合液の空気暴露時間は、0時間である。
【0192】
なお、混合液が生成された直後では、混合液は無色透明であった。このため、混合液が生成された直後では、混合液中のヨウ素分子(I)の含有量は低い。混合液が生成された直後では、混合液中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量は低い。
【0193】
実施例1の条件を説明する。実施例1では、エッチング液とヨウ化物からなる混合液を生成した。混合液の生成に関する条件は、実施例1と比較例2で同じである。実施例1では、混合液を生成した後、混合液を24時間にわたって空気に晒した。その後、混合液をテスト片T1、T2、T3に供給した。すなわち、実施例1では、混合液の空気暴露時間は、24時間である。
【0194】
なお、混合液を24時間にわたって空気に晒した後では、混合液は黄色を有した。このため、混合液を24時間にわたって空気に晒した後では、混合液中のヨウ素分子(I)の含有量、および、混合液中の三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、高い。
【0195】
テスト片T1、T2、T3について、説明する。テスト片T1、T2、T3はそれぞれ、基板Wを模擬したものである。テスト片T1、T2、T3に関する条件は、実施例1と比較例1、2の間で、共通である。テスト片T1、T2、T3はそれぞれ、第1層Gを含む。テスト片T2の第1層Gは、テスト片T3の第1層Gよりも、微小である。テスト片T1の第1層Gは、テスト片T2の第1層Gよりも、微小である。
【0196】
便宜上、図4(a)、4(b)を参照する。テスト片T1は、第1層Gとして、中間膜Gaを含む。テスト片T1の中間膜Gaを、適宜に、「中間膜Ga1」と呼ぶ。さらに、テスト片T1は、第2層Jaと第3層Kを含む。第2層Jaは、中間膜Ga1に接触している。第3層Kは、中間膜Ga1に接触している。中間膜Ga1は、第2層Jaと第3層Kの間に配置される。中間膜Ga1の面Maは、第2層Jaに接触している。中間膜Ga1の面Maは、第3層Kに接触している。中間膜Gaは、シリコン酸化物で構成される。第2層Jaは、単結晶シリコンで構成される。第3層Kは、多結晶シリコンで構成される。中間膜Ga1の長さUaは、5nmである。
【0197】
テスト片T2は、テスト片T1と類似の構造を有する。すなわち、テスト片T2は、中間膜Gaと第2層Jaと第3層Kを含む。テスト片T2の中間膜Gaを、適宜に、「中間膜Ga2」と呼ぶ。中間膜Ga2は、シリコン酸化物で構成される。第2層Jaは、単結晶シリコンで構成される。第3層Kは、多結晶シリコンで構成される。中間膜Ga2の長さUaは、10nmである。
【0198】
便宜上、図5(a)、5(b)を参照する。テスト片T3は、第1層Gとして、ブランケット膜Gbを含む。さらに、テスト片T3は、第2層Jbを含む。第2層Jbは、ブランケット膜Gbに接触している。ただし、ブランケット膜Gbの面Mbは、第2層Jbと接触してしない。ブランケット膜Gbの面Mbは、ブランケット膜Gb以外の固体と接触してしない。ブランケット膜Gbは、シリコン酸化物で構成される。第2層Jbは、単結晶シリコンで構成される。ブランケット膜Gbの長さUbは、20mmである。ブランケット膜Gbの長さVbは、20mmである。
【0199】
実施例1と比較例1、2においてテスト片T1、T2、T3がエッチングされた後、エッチングレートEa1、Ea2、Ebを測定した。エッチングレートEa1は、テスト片T1の中間膜Ga1のエッチングレートである。エッチングレートEa2は、テスト片T2の中間膜Ga2のエッチングレートである。エッチングレートEbは、テスト片T3のブランケット膜Gbのエッチングレートである。ここで、エッチングレートEa1、Ea2はそれぞれ、1分間当たりの距離Laである。距離Laは、図4(b)に示される。エッチングレートEbは、1分間当たりの距離Lbである。距離Lbは、図5(b)に示される。
【0200】
さらに、ブランケット比F1、F2を算出した。ブランケット比F1は、エッチングレートEbに対するエッチングレートEa1の割合である。ブランケット比F2は、エッチングレートEbに対するエッチングレートEa2の割合である。ブランケット比F1、F2はそれぞれ、以下の式で定義される。
F1=Ea1/Eb
F2=Ea2/Eb
【0201】
図8を参照する。比較例2のエッチングレートEa1は、比較例1のエッチングレートEa1よりも大きい。実施例1のエッチングレートEa1は、比較例2のエッチングレートEa1よりも大きい。比較例2のエッチングレートEa2は、比較例1のエッチングレートEa2よりも大きい。実施例1のエッチングレートEa2は、比較例2のエッチングレートEa2よりも大きい。
【0202】
これらの結果から、次のことが言える。エッチングレートEa1、Ea2は、第1層Gが微小であるときの第1層Gのエッチングレートに相当する。第1層Gが微小であるとき、比較例2の混合液は、比較例1のエッチング液よりも、効率良く、第1層Gをエッチングした。第1層Gが微小であるとき、実施例1の混合液は、比較例2の混合液よりも、効率良く、第1層Gをエッチングした。
【0203】
図8を参照する。実施例1のブランケット比F1、比較例1のブランケット比F1および比較例2のブランケット比F1の中で、実施例1のブランケット比F1は最も1に近い。言い換えれば、実施例1のブランケット比F1と1との間の差は、比較例1のブランケット比F1と1との間の差、および、比較例2のブランケット比F1と1との間の差よりも、小さい。実施例1のブランケット比F2、比較例1のブランケット比F2および比較例2のブランケット比F2の中で、実施例1のブランケット比F2は最も1に近い。
【0204】
これらの結果から、次のことが言える。第1層Gが中間膜Gaおよびブランケット膜Gbのいずれであっても、実施例1における第1層Gのエッチングレートはばらつきにくい。言い換えれば、実施例1の混合液は、第1層Gが微小であるときの第1層Gのエッチングレートと、第1層Gが大きいときの第1層Gのエッチングレートの間のばらつきを抑える。すなわち、第1層Gのサイズに関係無く、実施例1の混合液は第1層Gを適切にエッチングする。
【0205】
1-7.第1層Gのエッチングを補助するメカニズム
ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかが第1層Gのエッチングを補助すると、本発明者らは推察した。第1層Gのエッチングを補助するメカニズムについて、本発明者らは、以下のように推察する。
【0206】
図9(a)、9(b)は、第1層Gを模式的に示す図である。図9(a)の第1層Gは、例えば、テスト片T2の中間膜Ga2である。図9(b)の第1層Gは、例えば、テスト片T1の中間膜Ga1である。図9(b)の第1層Gは、図9(a)の第1層Gよりも、微小である。図9(b)の第1層Gは、図9(a)の第1層Gよりも、薄い。図9(b)に示される長さUaは、図9(a)に示される長さUaよりも、小さい。
【0207】
第1層Gは、第1部分H1と第2部分H2と第3部分H3を有する場合がある。第1部分H1は、二酸化シリコン(SiO)で構成される。第2部分H2は、亜酸化シリコン(SiO、0<X<2)で構成される。第3部分H3は、亜酸化シリコン(SiO、0<X<2)で構成される。
【0208】
第2部分H2は、例えば、第2層Jの近くに位置する。第3部分H3は、例えば、第3層Kの近くに位置する。第1部分H1は、例えば、第2部分H2と第3部分H3の間に位置する。
【0209】
第1部分H1は、例えば、面Maに及ぶ。第2部分H2は、例えば、面Maに及ぶ。第3部分H3は、例えば、面Maに及ぶ。
【0210】
第1部分H1は、幅Ua1を有する。第2部分H2は、幅Ua2を有する。第3部分H3は、幅Ua3を有する。幅Ua1と幅Ua2と幅Ua3の合計は、例えば、上述の長さUaと等しい。幅Ua2は、例えば、数nmである。幅Ua3は、例えば、数nmである。
【0211】
第1層Gが微小になるにしたがって、第1部分H1は小さくなる。例えば、図9(b)に示される幅Ua1は、図9(a)に示される幅Ua1よりも、小さい。
【0212】
第1層Gが微小になるにしたがって、第1層Gにおける第2部分H2の割合は大きくなる。第1層Gが微小になるにしたがって、第1層Gにおける第3部分H3の割合は大きくなる。このため、第1層Gが微小になるにしたがって、第1層Gにおける亜酸化シリコンの割合は大きくなる。
【0213】
第1層Gが微小になるにしたがって、面Maにおける第2部分H2の割合は大きくなる。第1層Gが微小になるにしたがって、面Maにおける第3部分H3の割合は大きくなる。このため、第1層Gが微小になるにしたがって、面Maにおける亜酸化シリコンの割合は大きくなる。
【0214】
二酸化シリコンをエッチングすることは、容易である。亜酸化シリコンは、二酸化シリコンよりも、化学的に安定している。このため、亜酸化シリコンをエッチングすることは、二酸化シリコンをエッチングすることよりも、困難である。
【0215】
よって、第1層Gにおける亜酸化シリコンの割合が大きくなるにしたがって、第1層Gをエッチング液のみでエッチングすることは、より困難になる。面Maにおける亜酸化シリコンの割合が大きくなるにしたがって、第1層Gをエッチング液のみでエッチングすることは、より困難になる。すなわち、第1層Gが微小になるにしたがって、第1層Gをエッチング液のみでエッチングすることは、より困難になる。
【0216】
ヨウ素分子(I)は、亜酸化シリコンを酸化させる。三ヨウ化物イオン(I )は、亜酸化シリコンを酸化させる。
【0217】
例えば、下記の化学反応式に示すように、ヨウ素分子(I)は、一酸化シリコンを酸化させる。
SiO + I → SiI
例えば、下記の化学反応式に示すように、三ヨウ化物イオン(I )は、一酸化シリコンを酸化させる。
SiO + I → SiIO+I
一酸化シリコンは、化合物(SiIO)に変化する。化合物(SiIO)を、適宜に、「ヨウ化一酸化シリコン」と呼ぶ。
【0218】
ヨウ化一酸化シリコンは、亜酸化シリコンよりも、化学的に不安定である。このため、ヨウ化一酸化シリコンをエッチング液でエッチングすることは、亜酸化シリコンをエッチング液でエッチングすることよりも、容易である。
【0219】
例えば、下記の化学反応式に示すように、ヨウ化一酸化シリコンは、エッチング液でエッチングされる。
SiIO + 6HF → HSiF+HO+2HI
【0220】
このため、亜酸化シリコンを酸化させることは、第1層Gのエッチングを補助することと等しい。よって、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかが第1層Gのエッチングを補助するとき、第1層Gはエッチング液で適切にエッチングされる。すなわち、第1層Gは、エッチング液、および、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかで、適切にエッチングされる。第1層が微小であっても、第1層Gは、エッチング液、および、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかで、適切にエッチングされる。
【0221】
上述した説明では、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、中間膜Gaのエッチングを補助した。但し、これに限られない。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、ブランケット膜Gbのエッチングを補助することもある。例えば、ブランケット膜Gbは亜酸化シリコンを含むことがある。例えば、ブランケット膜Gbの面Mbは亜酸化シリコンを含むことがある。これらの場合、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、ブランケット膜Gbのエッチングを補助する。具体的には、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、ブランケット膜Gbの亜酸化シリコンを酸化させる。
【0222】
1-8.第1実施形態の効果
第1実施形態の基板処理方法は、基板Wを処理するものである。基板Wは、第1層Gを含む。
【0223】
第2混合液P2は、エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む。第1実施形態の基板処理方法は、第1調整工程を含む。第1調整工程では、酸素が、第2混合液P2に添加される。第1調整工程では、第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)は、酸化される。具体的には、第1調整工程では、第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化する。このため、第2混合液P2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液P2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。すなわち、第2混合液P2中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第2混合液P2中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高くなる。
【0224】
第1実施形態の基板処理方法は、エッチング工程を含む。エッチング工程では、第1調整工程において調整された第2混合液P2が、基板Wに供給される。エッチング工程では、第1層Gは、第1調整工程において調整された第2混合液P2に晒される。エッチング液は、第1層Gをエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。上述の通り、第1調整工程において調整された第2混合液P2は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層Gが微小であっても、第1層Gはエッチング工程において適切にエッチングされる。
【0225】
以上の通り、第1実施形態の基板処理方法によれば、第1層Gが微小であっても、第1層Gを適切にエッチングできる。
【0226】
さらに、第1実施形態の基板処理方法によれば、第1層Gのサイズに関係無く、第1層Gは適切にエッチングされる。
【0227】
第1調整工程において第2混合液P2に添加される酸素は、酸素ガスを含む。酸素ガスを第2混合液P2に添加することによって、第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2混合液P2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液P2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第1調整工程において増加させることは、容易である。
【0228】
第1調整工程では、第2混合液P2は、所定時間以上にわたって、空気に晒される。このため、第1調整工程では、酸素は第2混合液P2に好適に添加される。
【0229】
第1層Gは、シリコン酸化物を含む。第2混合液P2中のエッチング液は、フッ化水素を含む。シリコン酸化物をフッ化水素でエッチングすることは、容易である。このため、エッチング工程において、第1層Gをエッチングすることは、容易である。
【0230】
ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、シリコン酸化物のエッチングを補助する。このため、第1層Gが微小であっても、エッチング工程では第1層Gは適切にエッチングされる。
【0231】
基板Wは、第2層Jを含む。第2層Jは、第1層Gの組成と異なる組成を有する。このため、エッチング工程では第2層Jのエッチングは好適に抑制される。エッチング工程では、第2層Jのエッチングを抑えつつ、第1層Gがエッチングされる。
【0232】
第2層Jは、第1層Gに接触している。第1層Gが第2層Jに接触するときであっても、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。このため、第2層Jに接触する第1層Gが微小であっても、エッチング工程では第1層Gは適切にエッチングされる。
【0233】
第2層Jは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを、フッ化水素でエッチングすることは、難しい。このため、エッチング工程において、第2層Jのエッチングを抑えつつ、第1層Gをエッチングすることは、容易である。
【0234】
第1層Gが第2層Jに接触するときであっても、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのシリコン酸化物のエッチングを補助する。よって、第2層Jに接触する第1層Gが微小であっても、エッチング工程では第1層Gは適切にエッチングされる。
【0235】
基板Wは第3層Kを含む。第3層Kは、第1層Gの組成と異なる組成を有する。このため、エッチング工程では第3層Kのエッチングは好適に抑制される。エッチング工程では、第3層Kのエッチングを抑えつつ、第1層Gがエッチングされる。
【0236】
第3層Kは、第1層Gに接触している。第1層Gが第2層Jおよび第3層Kに接触するときであっても、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。このため、第2層Jおよび第3層Kに接触する第1層Gが微小であっても、エッチング工程では第1層Gは適切にエッチングされる。
【0237】
第3層Kは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。エッチング液は、フッ化水素を含む。単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを、フッ化水素でエッチングすることは、難しい。このため、エッチング工程において、第3層Kのエッチングを抑えつつ、第1層Gをエッチングすることは、容易である。
【0238】
第1層Gが第3層Kに接触するときであっても、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのシリコン酸化物のエッチングを補助する。このため、第3層Kに接触する第1層Gが微小であっても、エッチング工程では第1層Gは適切にエッチングされる。
【0239】
第1実施形態の基板処理装置1は、基板Wを処理するものである。基板Wは第1層Gを含む。
【0240】
第2混合液P2は、エッチング液とヨウ化物イオン(I)を含む。第1実施形態の基板処理装置1は、第1調整ユニット21を備える。第1調整ユニット21は、酸素を、第2混合液P2に添加する。第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)は、酸化される。具体的には、第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化する。このため、第2混合液P2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液P2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。すなわち、第2混合液P2中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第2混合液P2中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高くなる。
【0241】
第1実施形態の基板処理装置1は、供給部15aを備える。供給部15aは、第1調整ユニット21によって調整された第2混合液P2を、基板Wに供給する。第1層Gは、第1調整ユニット21によって調整された第2混合液P2に晒される。エッチング液は、第1層Gをエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。上述の通り、第1調整ユニット21によって調整された第2混合液P2は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層Gが微小であっても、第1層Gは適切にエッチングされる。
【0242】
以上の通り、第1実施形態の基板処理装置1によれば、第1層Gが微小であっても、第1層Gを適切にエッチングできる。
【0243】
第1調整ユニット21は、槽31を備える。槽31は、第2混合液P2を貯留する。槽31は、空気に開放される。第1調整ユニット21は、第2混合液P2を所定時間以上にわたって槽31に貯留することによって、第2混合液P2に酸素を添加する。このため、第1調整ユニット21の構成は簡素である。
【0244】
上述の通り、槽31は、第2混合液P2を貯留する。すなわち、エッチング液とヨウ化物イオン(I)は、同じ槽(すなわち、槽31)に貯留される。エッチング液と、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、同じ槽(すなわち、槽31)に貯留される。このため、第1調整ユニット21の構成は簡素である。
【0245】
2.第2実施形態
図面を参照して、第2実施形態の基板処理装置1を説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0246】
第2実施形態は、基板処理装置1の概要、基板Wの構造、および処理ユニット11の構成に関しては、第1実施形態と略同じである。第2実施形態の基板処理装置1は、第1実施形態の第1調整ユニット21に代えて、第2調整ユニット22と供給源23を備える。
【0247】
2-1.第2調整ユニット22と供給源23の構成
図10は、第2実施形態の処理ユニット11および第2調整ユニット22の構成を示す図である。第2調整ユニット22は、溶液Q2を調整する。例えば、調整ユニット22は、溶液Q2に酸素を添加する。第2調整ユニット22は、調整された溶液Q2を供給部15aに送る。供給源23は、エッチング液Rを供給部15aに送る。供給部15aは、第2調整ユニット22によって調整された溶液Q2を、基板Wに供給する。供給部15aは、エッチング液Rを、基板Wに供給する。
【0248】
第2実施形態の供給部15aは、本発明における第4供給部の例である。第2実施形態の溶液Q2は、本発明における第2溶液の例である。
【0249】
以下では、溶液Q2を、適宜に「第2溶液Q2」と呼ぶ。
【0250】
第2調整ユニット22の構成を例示する。
【0251】
第2調整ユニット22は、槽31と供給部33bと供給部33dを備える。槽31は、第2溶液Q2を貯留する。供給部33bは、槽31にヨウ化物を供給する。供給部33dは、槽31に溶媒を供給する。溶媒は、ヨウ化物を溶解する。溶媒は、例えば、脱イオン水である。第2溶液Q2は、ヨウ化物を溶媒に加えることよって、得られる。
【0252】
第2調整ユニット22は、供給部33eを備える。供給部33eは、槽31に酸素を供給する。供給部33eは、例えば、槽31内の第2溶液Q2中に酸素ガスを供給する。
【0253】
供給部33d、33eの構成を例示する。供給部33d、33eはそれぞれ、配管34d、34eと、弁35d、35eを備える。配管34d、34eはそれぞれ、槽31に接続される。弁35d、35eはそれぞれ、配管34d、34eに設けられる。弁35dは、槽31への溶媒の供給を制御する。弁35eは、槽31への酸素の供給を制御する。
【0254】
配管34eは、吐出口34e1を有する。吐出口34e1は、槽31内の第2溶液Q2中に配置される。吐出口34e1は、槽31内の第2溶液Q2中に浸漬される。
【0255】
供給部33d、33eはそれぞれ、供給源36d、36eに接続される。供給源36dは、供給部33dに溶媒を送る。供給源36eは、供給部33eに酸素を送る。
【0256】
第2調整ユニット22は、供給部15aに接続される。具体的には、槽31は、循環配管41および配管44を介して、供給部15aに接続される。
【0257】
第2調整ユニット22は、弁46を備える。弁46は、配管44に設けられる。弁46は、第2調整ユニット22から供給部15aに供給される第2溶液Q2の量を制御する。
【0258】
第2調整ユニット22は、第2センサ52と第3センサ53と第4センサ54を備える。第2センサ52と第3センサ53と第4センサ54は、例えば、循環配管41に設けられる。
【0259】
第2センサ52は、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の濃度を検出する。第2センサ52は、例えば、吸光光度法によって、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の濃度を検出する。第2センサ52は、例えば、紫外吸光光度検出器、または、紫外/可視吸光光度検出器である。
【0260】
第3センサ53は、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度を検出する。第3センサ53は、例えば、比色分析法によって、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度を検出する。第3センサ53は、例えば、測色計である。第3センサ53は、例えば、色差計である。
【0261】
第4センサ54は、第2溶液Q2中の酸素の濃度を検出する。第4センサ54は、例えば、電気化学分析法(隔膜電極法)によって、第2溶液Q2中の酸素の濃度を検出する。第4センサ54は、例えば、溶存酸素計である。
【0262】
供給源23の構成を例示する。
【0263】
供給源23は、槽32と供給部33aを備える。供給部33aは、槽32にエッチング液Rを供給する。槽32は、エッチング液Rを貯留する。
【0264】
エッチング液Rは、フッ化水素を含む。エッチング液Rは、例えば、フッ酸、希フッ酸(DHF)およびバッファードフッ酸(BHF)の少なくともいずれかを含む。
【0265】
供給源23は、循環配管61とポンプ62とフィルタ63を備える。循環配管61は、槽32に接続される。具体的には、循環配管61は、第1端61aと第2端61bを有する。第1端61aと第2端61bの両方は、槽32に接続される。ポンプ62は、循環配管41に設けられる。フィルタ63は、循環配管61に設けられる。フィルタ63は、エッチング液Rを濾過する。フィルタ63は、エッチング液Rから異物を除去する。
【0266】
供給源23は、配管64を備える。配管64は、循環配管61に接続される。配管64は、循環配管61から分岐する。配管64は、さらに、継ぎ手45に接続される。槽32は、循環配管61および配管64を介して、供給部15aに接続される。すなわち、供給源23は、供給部15aに接続される。
【0267】
供給源23は、弁66を備える。弁66は、配管64に設けられる。弁66は、供給源23から供給部15aに供給されるエッチング液Rの量を制御する。
【0268】
図示を省略するが、制御部10は、第2調整ユニット22と供給源23を制御する。制御部10は、第2センサ52、第3センサ53および第4センサ54の検出結果を取得する。制御部10は、供給部33a、33b、33d、33eを制御する。制御部10は、弁35a、35b、35d、35eを制御する。制御部10は、弁46、66を制御する。制御部10は、ポンプ42、62を制御する。
【0269】
2-2.第2調整ユニット22、供給源23および処理ユニット11の動作例
図10、11を参照する。図11は、第2実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第2実施形態の基板処理方法は、第1実施形態の第1調整工程に代えて、第2調整工程を有する。第2実施形態では、第2調整工程の後に、処理工程が実行される。処理工程の動作は、第1実施形態と第2実施形態の間で、実質的に同じである。処理工程における洗浄工程と乾燥工程の説明を省略する。
【0270】
ステップS11:第2調整工程
第2調整工程では、第2調整ユニット22は第2溶液Q2を生成する。
【0271】
具合的には、供給部33bは、ヨウ化物を槽31に供給する。供給部33cは、溶媒を槽31に供給する。これにより、槽31において、第2溶液Q2が生成される。第2溶液Q2は、ヨウ化物と溶媒を含む。ヨウ化物は、第2溶液Q2中にヨウ化物イオン(I)を遊離させる。このため、第2溶液Q2は、ヨウ化物イオン(I)を含む。槽31は、第2溶液Q2を貯留する。
【0272】
第2調整工程では、第2調整ユニット22は第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度を調整する。第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度は、第2調整ユニット22が第2溶液Q2を調整する前の第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の濃度である。例えば、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度は、酸素が第2溶液Q2に添加される前の第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の濃度である。
【0273】
具体的には、供給部33eは、槽31に酸素を供給しない。弁18aは、閉じられる。ポンプ42は、運転する。第2溶液Q2は、循環配管41を流れる。フィルタ43は、第2溶液Q2を濾過する。第2センサ52は、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の濃度を検出する。制御部10は、第2センサ52の検出結果を取得する。制御部10は、第2センサ52の検出結果に基づいて、供給部33b、33dを制御する。これにより、制御部10は、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度を調整する。
【0274】
例えば、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度が第2範囲よりも低いとき、供給部33bは槽31にヨウ化物を追加供給する。これにより、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度は上昇する。そして、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度が第2範囲になったとき、供給部33bは槽31に対するヨウ化物の追加供給を停止する。
【0275】
例えば、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度が第2範囲よりも高いとき、供給部33cは槽31に溶媒を供給する。これにより、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度は低下する。そして、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度が第2範囲になったとき、供給部33cは槽31に対する溶媒の追加供給を停止する。
【0276】
その結果、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)の初期濃度は、第2範囲に調整される。
【0277】
第2範囲は、例えば、処理液条件情報に設定される。
【0278】
その後、第2調整ユニット22は第2溶液Q2を調整する。例えば、第2調整工程では、第2調整ユニット22は第2溶液Q2に酸素を添加する。
【0279】
具体的には、供給部33eは、槽31に酸素を供給する。供給部33eは、槽31内の第2溶液Q2中に酸素ガスを供給する。供給部33eは、槽31内の第2溶液Q2中に酸素ガスを吹き出す。酸素ガスは、第2溶液Q2中において気泡を形成する。図10は、第2溶液Q2中の気泡を模式的に示す。第2溶液Q2は、酸素ガスでバブリングされる。供給部33eは、槽31内の第2溶液Q2を、酸素でバブリングする。
【0280】
酸素ガスの一部は、第2溶液Q2に溶け込む。酸素ガスの一部は、第2溶液Q2中の溶存酸素に変化する。すなわち、酸素は、第2溶液Q2に添加される。第2溶液Q2中の酸素の量は、上昇する。第2溶液Q2は、酸素に富む。
【0281】
第2溶液Q2中の酸素は、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)を酸化させる。例えば、ヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化する。
【0282】
第3センサ53は、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度を検出する。第4センサ54は、第2溶液Q2中の酸素の濃度を検出する。制御部10は、第3センサ53および第4センサ54の検出結果を取得する。制御部10は、第3センサ53の検出結果に基づいて、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度を監視する。制御部10は、第4センサ54の検出結果に基づいて、第2溶液Q2中の酸素の濃度を監視する。制御部10は、第3センサ53の検出結果および第4センサ54の検出結果の少なくともいずれかに基づいて、供給部33eを制御する。
【0283】
例えば、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度が第1基準値以下であるとき、供給部33eは第2溶液Q2への酸素の供給を継続する。例えば、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度が第1基準値を超えたとき、供給部33eは第2溶液Q2への酸素の供給を停止する。例えば、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度が第1基準値を超えたとき、第2調整工程は終了する。第1基準値は、例えば、処理液条件情報に設定される。
【0284】
例えば、第2溶液Q2中の酸素の濃度が第2基準値以下であるとき、供給部33eは第2溶液Q2への酸素の供給を継続する。例えば、第2溶液Q2中の酸素の濃度が第2基準値を超えたとき、供給部33eは第2溶液Q2への酸素の供給を停止する。第2溶液Q2中の酸素の濃度が第2基準値を超えたとき、第2調整工程は終了する。第2基準値は、例えば、処理液条件情報に設定される。
【0285】
これにより、第2調整工程において調整された第2溶液Q2が、得られる。
【0286】
ステップS2a:エッチング工程
第2調整工程の終了後に、エッチング工程は実行される。エッチング工程では、第2調整ユニット22は、第2調整工程において調整された第2溶液Q2を、供給部15aに送る。エッチング工程では、供給源23は、エッチング液Rを、供給部15aに送る。供給部15aに供給される第2溶液Q2の量、および、供給部15aに供給されるエッチング液Rの量は、弁46、66によって、調整される。第2調整工程において調整された第2溶液Q2とエッチング液Rは、継ぎ手45において、混合されてもよい。
【0287】
エッチング工程では、供給部15aは、第2調整工程において調整された第2溶液Q2を、基板保持部13に保持される基板Wに供給する。エッチング工程では、供給部15aは、エッチング液Rを、基板保持部13に保持される基板Wに供給する。
【0288】
第1層Gは、第2調整工程において調整された第2溶液Q2に晒される。第1層Gは、エッチング液Rに晒される。第1層Gは、エッチングされる。
【0289】
2-3.第2実施形態の効果
第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0290】
第2溶液Q2は、ヨウ化物イオン(I)を含む。第2実施形態の基板処理方法は、第2調整工程を含む。第2調整工程では、酸素が、第2溶液Q2に添加される。第2調整工程では、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)は、酸化される。具体的には、第2調整工程では、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかに変化する。このため、第2溶液Q2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液Q2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。すなわち、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第2溶液Q2中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高くなる。
【0291】
第2実施形態の基板処理方法は、エッチング工程を含む。エッチング工程では、第2調整工程において調整された第2溶液Q2が、基板Wに供給される。エッチング工程では、エッチング液Rは、基板Wに供給される。エッチング液Rは、第1層Gをエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。上述の通り、第2調整工程において調整された第2溶液Q2は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層Gが微小であっても、第1層Gはエッチング工程において適切にエッチングされる。
【0292】
以上の通り、第2実施形態の基板処理方法によれば、第1層が微小であっても、第1層を適切にエッチングできる。
【0293】
第2調整工程において第2溶液Q2に添加される酸素は、酸素ガスを含む。酸素ガスを第2溶液Q2に添加することによって、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2溶液Q2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液Q2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第2調整工程において増加させることは、容易である。
【0294】
第2調整工程では、酸素ガスは、第2溶液Q2中に供給される。第2調整工程では、酸素ガスは、第2溶液Q2中に吹き出される。第2調整工程では、第2溶液Q2は、酸素ガスでバブリングされる。このため、第2調整工程では、酸素は第2溶液Q2に効率良く添加される。よって、第2調整工程に要する時間は短い。
【0295】
第2調整工程では、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度の検出結果、および、第2溶液Q2中の酸素の濃度の検出結果の少なくともいずれかに基づいて、第2溶液Q2への酸素の供給は制御される。例えば、第2調整工程では、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度の検出結果、および、第2溶液Q2中の酸素の濃度の検出結果の少なくともいずれかに基づいて、第2溶液Q2への酸素の供給は、継続され、または、停止される。このため、第2溶液Q2を調整するための酸素の量は低減される。
【0296】
第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度の検出結果、および、第2溶液Q2中の酸素の濃度の検出結果の少なくともいずれかに基づいて、第2調整工程は終了する。このため、第2調整工程は、適切なタイミングで終了する。
【0297】
第2実施形態の基板処理装置1は、第2調整ユニット22を備える。第2調整ユニット22は、酸素を、第2溶液Q2に添加する。このため、第2溶液Q2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液Q2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。
【0298】
供給部15aは、第2調整ユニット22によって調整された第2溶液Q2を、基板Wに供給する。供給部15aは、エッチング液Rを基板Wに供給する。エッチング液Rは、第1層Gをエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。上述の通り、第2調整ユニット22によって調整された第2溶液Q2は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層Gが微小であっても、第1層Gは適切にエッチングされる。
【0299】
以上の通り、第2実施形態の基板処理装置1によれば、第1層Gが微小であっても、第1層Gを適切にエッチングできる。
【0300】
第2調整ユニット22は、槽31と供給部33eを備える。槽31は、第2溶液Q2を貯留する。供給部33eは、槽31に酸素を供給する。このため、第2調整ユニットは、第2溶液Q2に酸素を効率良く添加する。
【0301】
槽31は、第2溶液Q2を貯留する。槽32は、エッチング液Rを貯留する。すなわち、第2溶液Q2を貯留する槽(すなわち、槽31)は、エッチング液Rを貯留する槽(すなわち、槽32)と異なる。このため、槽31内の第2溶液Q2の組成はエッチング液Rの影響を受けない。よって、酸素は、槽31内の第2溶液Q2に好適に添加される。槽31内の第2溶液Q2を調整することは容易である。他方、槽32内のエッチング液Rの組成は、第2溶液Q2の影響を受けない。よって、槽32内のエッチング液Rの組成を管理することは容易である。槽32内のエッチング液Rの濃度を管理することは容易である。
【0302】
3.第3実施形態
図面を参照して、第3実施形態の基板処理装置1を説明する。なお、第1-第2実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0303】
第3実施形態は、基板処理装置1の概要、基板Wの構造、および処理ユニット11の構成に関しては、第1実施形態と略同じである。第3実施形態の基板処理装置1は、第1実施形態の第1調整ユニット21に代えて、第1生成ユニット24を備える。
【0304】
3-1.第1生成ユニット24の構成
図12は、第3実施形態の処理ユニット11および第1生成ユニット24の構成を示す図である。第1生成ユニット24は、混合液P1を生成する。混合液P1は、エッチング液を含む。混合液P1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかをエッチング液に加えることによって、得られる。第1生成ユニット24は、混合液P1を供給部15aに送る。供給部15aは、混合液P1を基板Wに供給する。
【0305】
第3実施形態の供給部15aは、本発明における第1供給部の例である。第3実施形態の混合液P1は、本発明における第1混合液の例である。第3実施形態の混合液P1は、本発明における基板処理液の例である。
【0306】
以下では、混合液P1を、適宜に「第1混合液P1」と呼ぶ。
【0307】
第1生成ユニット24の構成を例示する。
【0308】
第1生成ユニット24は、槽33を備える。槽33は第1混合液P1を貯留する。槽33は、大気から遮断された容器であってもよい。槽33は、例えば、槽33の上部を閉塞する蓋部材を含む。あるいは、槽33は、大気に開放された容器であってもよい。
【0309】
第1生成ユニット24は、供給部33aを備える。供給部33aは、エッチング液を槽33に供給する。上述の通り、エッチング液は、フッ化水素を含む。
【0310】
第1生成ユニット24は、供給部33fを備える。供給部33fは、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを槽33に供給する。
【0311】
三ヨウ化物は、三ヨウ化物イオン(I )を含む塩である。三ヨウ化物は、「三ヨウ化物塩」とも呼ばれる。三ヨウ化物は、三ヨウ化物イオン(I )を遊離する。三ヨウ化物は、例えば、三ヨウ化窒素、三ヨウ化リンおよび三ヨウ化アンモニウムの少なくともいずれかを含む。
【0312】
供給部33fは、例えば、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを含む溶液を供給してもよい。溶液は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えることによって、得られる。溶媒は、ヨウ素分子(I)を溶解する。溶媒は、三ヨウ化物を溶解する。溶媒は、例えば、脱イオン水(DIW)である。
【0313】
第1生成ユニット24は、ポンプ42とフィルタ43と継ぎ手45に加えて、配管47を有する。配管47は、槽33に接続される。配管47は、継ぎ手45に接続される。ポンプ42とフィルタ43はそれぞれ、配管47に設けられる。槽31は、配管47を介して、供給部15aに接続される。すなわち、第1生成ユニット24は、供給部15aに接続される。
【0314】
弁18aが閉じるとき、第1調整ユニット21は第1混合液P1を供給部15aに送らない。弁18aが開き、かつ、ポンプ42が運転するとき、第1生成ユニット24は第1混合液P1を供給部15aに送る。弁18aが開き、かつ、ポンプ42が運転するとき、第1混合液P1は、槽31から供給部15aに流れる。
【0315】
図示を省略するが、制御部10は、第1生成ユニット24を制御する。制御部10は、供給部33a、33fを制御する。制御部10は、弁35a、35fを制御する。制御部10は、ポンプ42を制御する。
【0316】
3-2.第1生成ユニット24および処理ユニット11の動作例
図12、13を参照する。図13は、第3実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第3実施形態の基板処理方法は、第1実施形態の第1調整工程に代えて、第1準備工程を有する。第3実施形態では、第1準備工程の後に、処理工程が実行される。処理工程の動作は、第1実施形態と第3実施形態の間で、実質的に同じである。処理工程における洗浄工程と乾燥工程の説明を省略する。
【0317】
ステップS21:第1準備工程
第1準備工程では、第1生成ユニット24は第1混合液P1を準備する。第1準備工程では、第1生成ユニット24は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加える。
【0318】
具体的には、供給部33aは、槽33にエッチング液を供給する。供給部33fは、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを槽33に供給する。これにより、槽33において、第1混合液P1が生成される。供給部33fがヨウ素分子(I)を供給する場合、第1混合液P1は、ヨウ素分子(I)を含む。供給部33fが三ヨウ化物を供給する場合、三ヨウ化物は第1混合液P1中に三ヨウ化物イオン(I )を遊離させる。このため、供給部33fが三ヨウ化物を供給する場合、第1混合液P1は三ヨウ化物イオン(I )を含む。したがって、第1混合液P1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを含む。槽31は、第2混合液P2を貯留する。
【0319】
ステップS2a:エッチング工程
第1準備工程の後に、エッチング工程は実行される。エッチング工程では、第1生成ユニット24は、第1混合液P1を、供給部15aに送る。エッチング工程では、供給部15aは、第1混合液P1を、基板保持部13に保持される基板Wに供給する。第1層Gは、第1混合液P1に晒される。第1層Gは、エッチングされる。
【0320】
3-3.第3実施形態の効果
第3実施形態においても、第1-第2実施形態と同様な効果を奏する。
【0321】
第3実施形態の基板処理方法は、第1準備工程を含む。第1準備工程では、第1混合液P1が準備される。第1混合液P1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加えることによって、得られる。ヨウ素分子(I)をエッチング液に加えることによって第1混合液P1を準備するとき、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物をエッチング液に加えることによって第1混合液P1を準備するとき、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。
【0322】
第3実施形態の基板処理方法は、エッチング工程を含む。エッチング工程では、第1混合液P1は基板Wに供給される。エッチング液は、第1層Gをエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。上述の通り、第1混合液P1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層Gが微小であっても、第1層Gはエッチング工程において適切にエッチングされる。
【0323】
以上の通り、第3実施形態の基板処理方法によれば、第1層Gが微小であっても、第1層Gを適切にエッチングできる。
【0324】
三ヨウ化物は、例えば、三ヨウ化窒素、三ヨウ化リンおよび三ヨウ化アンモニウムの少なくともいずれかを含む。三ヨウ化窒素は、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化窒素を含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1混合液P1を準備することは容易である。同様に、三ヨウ化リンは、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化リンを含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1混合液P1を準備することは容易である。三ヨウ化アンモニウムは、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化アンモニウムを含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1混合液P1を準備することは容易である。
【0325】
第3実施形態の基板処理装置1は、第1生成ユニット24を備える。第1生成ユニット24は、第1混合液P1を生成する。第1混合液P1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかをエッチング液に加えることによって、得られる。ヨウ素分子(I)をエッチング液に加えることによって第1混合液P1が生成されるとき、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物をエッチング液に加えることによって第1混合液P1が生成されるとき、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。
【0326】
供給部15aは、第1混合液P1を基板Wに供給する。エッチング液は、第1層Gをエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。上述の通り、第1混合液P1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層Gが微小であっても、第1層Pは適切にエッチングされる。
【0327】
以上の通り、第3実施形態の基板処理装置1によれば、第1層Gが微小であっても、第1層Gを適切にエッチングできる。
【0328】
第1生成ユニット24は、槽33と供給部33aと供給部33fを備える。供給部33aは、エッチング液Rを槽33に供給する。供給部33fは、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを槽33に供給する。このため、第1生成ユニット24は、槽33において第1混合液P1を好適に生成する。
【0329】
槽33は、第1混合液P1を貯留する。すなわち、エッチング液と、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、同じ槽(すなわち、槽33)に貯留される。このため、第1生成ユニット24の構成は簡素である。
【0330】
第3実施形態の第1混合液P1は、基板Wを処理するものである。基板Wは第1層Gを含む。第1層Gは、シリコン酸化物を含む。第3実施形態の第1混合液P1は、エッチング液を含む。エッチング液は、フッ化水素を含む。シリコン酸化物をフッ化水素でエッチングすることは、容易である。このため、第1混合液P1は、第1層Gを容易にエッチングする。
【0331】
ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを、エッチング液に加えることによって、第1混合液P1は得られる。ヨウ素分子(I)をエッチング液に加えることによって第1混合液P1が得られるとき、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物をエッチング液に加えることによって第1混合液P1が得られるとき、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。すなわち、第1混合液P1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。ここで、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、シリコン酸化物のエッチングを補助する。このため、第1層Gが微小であっても、第1混合液P1は、第1層Gを適切にエッチングする。
【0332】
以上の通り、第3実施形態の第1混合液P1によれば、第1層Gが微小であっても、第1層Gを適切にエッチングできる。
【0333】
4.第4実施形態
図面を参照して、第4実施形態の基板処理装置1を説明する。なお、第1-3実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0334】
第4実施形態は、基板処理装置1の概要、基板Wの構造、および処理ユニット11の構成に関しては、第1実施形態と略同じである。第4実施形態の基板処理装置1は、第1実施形態の第1調整ユニット21に代えて、供給源23と第2生成ユニット25を備える。第4実施形態の供給源23は、第2実施形態の供給源23と略同じである。
【0335】
4-1.第2生成ユニット25の構成
図14は、第4実施形態の処理ユニット11および第2生成ユニット25の構成を示す図である。第2生成ユニット25は、溶液Q1を生成する。溶液Q1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えることによって、得られる。第2生成ユニット25は、溶液Q1を供給部15aに送る。供給源23は、エッチング液Rを供給部15aに送る。供給部15aは、溶液Q1を基板Wに供給する。供給部15aは、エッチング液Rを基板Wに供給する。
【0336】
第4実施形態の供給部15aは、本発明における第2供給部の例である。第4実施形態の溶液Q1は、本発明における第1溶液の例である。
【0337】
以下では、溶液Q1を、適宜に「第1溶液Q1」と呼ぶ。
【0338】
第2生成ユニット25の構成を例示する。
【0339】
第2生成ユニット25は、槽33と供給部33dと供給部33fを備える。槽33は、第1溶液Q1を貯留する。供給部33fは、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを槽33に供給する。三ヨウ化物は、例えば、三ヨウ化窒素、三ヨウ化リンおよび三ヨウ化アンモニウムの少なくともいずれかを含む。供給部33dは、溶媒を槽33に供給する。溶媒は、ヨウ素分子(I)を溶解する。溶媒は、三ヨウ化物を溶解する。溶媒は、例えば、脱イオン水(DIW)である。
【0340】
第2生成ユニット25は、供給部15aに接続される。供給源23は、供給部15aに接続される。
【0341】
ここで、ノズル16aは、第2生成ユニット25に接続される。ノズル16aは、供給源23に接続されない。ノズル16aは、第1溶液Q1を吐出する。ノズル16aは、エッチング液Rを吐出しない。
【0342】
供給部15aは、さらに、ノズル16dを備える。ノズル16dは、筐体12の内部に設置される。ノズル16dは、供給源23に接続される。ノズル16dは、第2生成ユニット25に接続されない。ノズル16dは、エッチング液Rを吐出する。ノズル16dは、第1溶液Q1を吐出しない。
【0343】
供給部15aは、さらに、配管17dと弁18dを備える。配管17dは、ノズル16dに接続される。弁18dは、配管17dに設けられる。弁18dは、ノズル16dによるエッチング液Rの吐出を制御する。
【0344】
供給源23は、継ぎ手65を備える。継ぎ手65は、配管64と配管17dをジョイントする。これにより、槽32は、配管17d、64と循環配管61を介して、ノズル16dに接続される。
【0345】
弁18aが閉じるとき、第2生成ユニット25は第1溶液Q1を供給部15aに送らない。弁18aが開き、かつ、ポンプ42が運転するとき、第2生成ユニット25は第1溶液Q1をノズル16aに送る。
【0346】
弁18dが閉じるとき、供給源23はエッチング液Rを供給部15aに送らない。弁18dが開き、かつ、ポンプ62が運転するとき、供給源23はエッチング液Rをノズル16aに送る。
【0347】
図示を省略するが、制御部10は、弁18aに加えて、弁18dを制御する。制御部10は、供給源23と第2生成ユニット25を制御する。制御部10は、供給部33a、33d、33fを制御する。制御部10は、弁35a、35d、35fを制御する。制御部10は、ポンプ42、62を制御する。
【0348】
4-2.第2生成ユニット25、供給源23および処理ユニット11の動作例
図14、15を参照する。図14は、第4実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第4実施形態の基板処理方法は、第1実施形態の第1調整工程に代えて、第2準備工程を有する。第4実施形態では、第2準備工程の後に、処理工程が実行される。処理工程の動作は、第1実施形態と第4実施形態の間で、実質的に同じである。処理工程における洗浄工程と乾燥工程の説明を省略する。
【0349】
ステップS31:第2準備工程
第2準備工程では、第2生成ユニット25は、第1溶液Q1を準備する。第2準備工程では、第2生成ユニット25は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加える。
【0350】
具体的には、供給部33dは、溶媒を槽33に供給する。供給部33fは、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを槽33に供給する。これにより、槽33において、第1溶液Q1が生成される。第1溶液Q1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを含む。槽31は、第1溶液Q1を貯留する。
【0351】
ステップS2a:エッチング工程
第2準備工程の後に、エッチング工程は実行される。エッチング工程では、第2生成ユニット25は、第1溶液Q1を、供給部15aに送る。エッチング工程では、供給源23は、エッチング液Rを、供給部15aに送る。エッチング工程では、供給部15aは、第1溶液Q1を、基板保持部13に保持される基板Wに供給する。エッチング工程では、供給部15aは、エッチング液Rを、基板保持部13に保持される基板Wに供給する。供給部15aは、第1溶液Q1とエッチング液Rを個別に吐出する。具体的には、ノズル16aは、第1溶液Q1を基板Wに吐出する。ノズル16dは、エッチング液Rを基板Wに吐出する。第1溶液Q1とエッチング液Rは、基板W上において、混合される。
【0352】
第1層Gは、第1溶液Q1に晒される。第1層Gは、エッチング液Rに晒される。第1層Gは、エッチングされる。
【0353】
4-3.第4実施形態の効果
第4実施形態においても、第1-第3実施形態と同様な効果を奏する。
【0354】
第4実施形態の基板処理方法は、第2準備工程を含む。第2準備工程では、第1溶液Q1が準備される。第1溶液Q1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えることによって、得られる。ヨウ素分子(I)を溶媒に加えることによって第1溶液Q1を準備するとき、第1溶液Q1中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物を溶媒に加えることによって第1溶液Q1を準備するとき、第1溶液Q1中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1溶液Q1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1溶液Q1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。
【0355】
第4実施形態の基板処理方法は、エッチング工程を含む。エッチング工程では、第1溶液Q1は基板Wに供給される。エッチング工程では、エッチング液Rは基板Wに供給される。エッチング液Rは、第1層Gをエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。上述の通り、第1溶液Q1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層Gが微小であっても、第1層Gはエッチング工程において適切にエッチングされる。
【0356】
以上の通り、第4実施形態の基板処理方法によれば、第1層Gが微小であっても、第1層Gを適切にエッチングできる。
【0357】
三ヨウ化物は、例えば、三ヨウ化窒素、三ヨウ化リンおよび三ヨウ化アンモニウムの少なくともいずれかを含む。三ヨウ化窒素は、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化窒素を含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1溶液Q1を準備することは容易である。同様に、三ヨウ化リンは、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化リンを含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1溶液Q1を準備することは容易である。三ヨウ化アンモニウムは、三ヨウ化物イオン(I )を容易に遊離する。このため、三ヨウ化物が三ヨウ化アンモニウムを含むとき、三ヨウ化物イオン(I )に富む第1溶液Q1を準備することは容易である。
【0358】
第4実施形態の基板処理装置1は、第2生成ユニット25を備える。第2生成ユニット25は、第1溶液Q1を生成する。第1溶液Q1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物の少なくともいずれかを溶媒に加えることによって、得られる。ヨウ素分子(I)を溶媒に加えることによって第1溶液Q1が生成されるとき、第1溶液Q1中のヨウ素分子(I)の量は多い。三ヨウ化物を溶媒に加えることによって第1溶液Q1が生成されるとき、第1溶液Q1中の三ヨウ化物イオン(I )の量は多い。このため、第1溶液Q1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1溶液Q1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、高い。
【0359】
供給部15aは、第1溶液Q1を基板Wに供給する。供給部15aは、エッチング液Rを基板Wに供給する。エッチング液Rは、第1層Gをエッチングする。ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかは、第1層Gのエッチングを補助する。上述の通り、第1溶液Q1は、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを、豊富に含む。このため、第1層Gが微小であっても、第1層Gは適切にエッチングされる。
【0360】
以上の通り、第4実施形態の基板処理装置1によれば、第1層Gが微小であっても、第1層Gを適切にエッチングできる。
【0361】
第2生成ユニット25は、槽33と供給部33d、33fを備える。供給部33dは、溶媒を槽33に供給する。供給部33fは、ヨウ素分子(I)および三ヨウ化物イオン(I )の少なくともいずれかを槽33に供給する。このため、第2生成ユニット25は、槽33において第1溶液Q1を好適に生成する。
【0362】
槽33は、第1溶液Q1を貯留する。槽32は、エッチング液Rを貯留する。すなわち、第1溶液Q1を貯留する槽(すなわち、槽33)は、エッチング液Rを貯留する槽(すなわち、槽32)と異なる。このため、槽33内の第1溶液Q1の組成はエッチング液Rの影響を受けない。よって、槽33内の第1溶液Q1の組成を管理することは容易である。第1溶液Q1の濃度を管理することは容易である。他方、槽32内のエッチング液Rの組成は、第1溶液Q1の影響を受けない。よって、槽32内のエッチング液Rの組成を管理することは容易である。槽32内のエッチング液Rの濃度を管理することは容易である。
【0363】
本発明は、実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0364】
(1)第1実施形態の第1調整工程では、酸素が第2混合液P2に添加された。但し、これに限られない。第1調整工程では、酸素およびオゾンの少なくともいずれかが第2混合液P2に添加されてもよい。オゾンが第2混合液P2に添加されたとき、第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)は酸化する。このため、第2混合液P2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液P2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。
【0365】
第1調整工程において第2混合液P2に添加される酸素は、酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを第2混合液P2に添加することによって、第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2混合液P2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液P2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第1調整工程において増加させることは、容易である。
【0366】
ここで、高濃度酸素水は、通常よりも高い濃度で酸素を含む水である。高濃度酸素水中の酸素の量は、通常の空気中に置かれた水中の酸素の量よりも大きい。
【0367】
第1調整工程において第2混合液P2に添加されるオゾンは、オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを第2混合液P2に添加することによって、第2混合液P2中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2混合液P2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2混合液P2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第1調整工程において増加させることは、容易である。
【0368】
例えば、第1実施形態の第1調整工程では、第2混合液P2は、空気に晒された。但し、これに限られない。
【0369】
例えば、第1調整工程では、第2混合液P2は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気に晒されてもよい。例えば、第1調整工程では、第2混合液P2は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気に、所定時間以上にわたって、晒されてもよい。本変形実施形態の第1調整工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第2混合液P2に好適に添加される。
【0370】
例えば、第1調整工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第2混合液P2の上方に供給されてもよい。例えば、第1調整工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、槽31の上方に供給されてもよい。本変形実施形態の第1調整工程によれば、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気が、第2混合液P2の上方に形成される。
【0371】
例えば、第1調整工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第2混合液P2中に供給されてもよい。例えば、第1調整工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第2混合液P2中に吹き出されてもよい。例えば、第1調整工程では、第2混合液P2は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかによって、バブリングされてもよい。本変形実施形態の第1調整工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第2混合液P2に好適に添加される。
【0372】
例えば、第1調整工程では、高濃度酸素水およびオゾン水の少なくともいずれかを第2混合液P2に加えてもよい。例えば、第1調整工程では、高濃度酸素水およびオゾン水の少なくともいずれかを槽31に供給してもよい。本変形実施形態の第1調整工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第2混合液P2に好適に添加される。
【0373】
(2)第2実施形態の第2調整工程では、酸素が第2溶液Q2に添加された。但し、これに限られない。第2調整工程では、酸素およびオゾンの少なくともいずれかが第2溶液Q2に添加されてもよい。オゾンが第2溶液Q2に添加されたとき、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)は酸化する。このため、第2溶液Q2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液Q2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかは、増加する。
【0374】
第2調整工程において第2溶液Q2に添加される酸素は、酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを第2溶液Q2に添加することによって、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2溶液Q2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液Q2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第2調整工程において増加させることは、容易である。
【0375】
第2調整工程において第2溶液Q2に添加されるオゾンは、オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを第2溶液Q2に添加することによって、第2溶液Q2中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第2溶液Q2中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第2溶液Q2中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを第2調整工程において増加させることは、容易である。
【0376】
例えば、第2実施形態の第2調整工程では、酸素が第2溶液Q2中に供給された。但し、これに限られない。
【0377】
例えば、第2調整工程では、第2溶液Q2は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気に晒されてもよい。例えば、第2調整工程では、第2溶液Q2は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気に、所定時間以上にわたって、晒されてもよい。本変形実施形態の第2調整工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第2溶液Q2に好適に添加される。
【0378】
例えば、第2調整工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第2溶液Q2の上方に供給されてもよい。例えば、第2調整工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、槽31の上方に供給されてもよい。本変形実施形態の第2調整工程によれば、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気が、第2溶液Q2の上方に形成される。
【0379】
例えば、第2調整工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第2溶液Q2中に供給されてもよい。例えば、第2調整工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第2溶液Q2中に吹き出されてもよい。例えば、第2調整工程では、第2溶液Q2は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかによって、バブリングされてもよい。本変形実施形態の第2調整工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第2溶液Q2に好適に添加される。
【0380】
例えば、第2調整工程では、高濃度酸素水およびオゾン水の少なくともいずれかを第2溶液Q2に加えてもよい。例えば、第2調整工程では、高濃度酸素水およびオゾン水の少なくともいずれかを槽31に供給してもよい。本変形実施形態の第2調整工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第2溶液Q2に好適に添加される。
【0381】
(3)第3実施形態の第1準備工程において、さらに、酸素およびオゾンの少なくともいずれかが第1混合液P1に添加されてもよい。本変形実施形態によれば、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、一層高い。第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、低下し難い。
【0382】
第1準備工程において第1混合液P1に添加される酸素は、酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを第1混合液P1に添加することによって、第1混合液P1中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第1混合液P1中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第1混合液P1中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを増加させることは、容易である。
【0383】
第1準備工程において第1混合液P1に添加されるオゾンは、オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを第1混合液P1に添加することによって、第1混合液P1中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第1混合液P1中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第1混合液P1中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを増加させることは、容易である。
【0384】
例えば、第1準備工程では、第1混合液P1は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気に晒されてもよい。本変形実施形態の第1準備工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第1混合液P1に好適に添加される。
【0385】
例えば、第1準備工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第1混合液P1の上方に供給されてもよい。例えば、第1準備工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、槽33の上方に供給されてもよい。本変形実施形態の第1準備工程によれば、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気が、第1混合液P1の上方に形成される。
【0386】
例えば、第1準備工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第1混合液P1中に供給されてもよい。例えば、第1準備工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第1混合液P1中に吹き出されてもよい。例えば、第1準備工程では、第1混合液P1は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかによって、バブリングされてもよい。本変形実施形態の第1準備工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第1混合液P1に好適に添加される。
【0387】
例えば、第1準備工程では、高濃度酸素水およびオゾン水の少なくともいずれかを第1混合液P1に加えてもよい。例えば、第1準備工程では、高濃度酸素水およびオゾン水の少なくともいずれかを槽33に供給してもよい。本変形実施形態の第1準備工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第1混合液P1に好適に添加される。
【0388】
(4)第4実施形態の第2準備工程において、さらに、酸素およびオゾンの少なくともいずれかが第1溶液Q1に添加されてもよい。本変形実施形態によれば、第1溶液Q1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1溶液Q1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、一層高い。本変形実施形態によれば、第1溶液Q1中のヨウ素分子(I)の含有量、および、第1溶液Q1中の三ヨウ化物イオン(I )の含有量の少なくともいずれかは、低下し難い。
【0389】
第2準備工程において第1溶液Q1に添加される酸素は、酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。酸素ガスおよび高濃度酸素水の少なくともいずれかを第1溶液Q1に添加することによって、第1溶液Q1中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第1溶液Q1中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第1溶液Q1中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを増加させることは、容易である。
【0390】
第2準備工程において第1溶液Q1に添加されるオゾンは、オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを含むことが好ましい。オゾンガスおよびオゾン水の少なくともいずれかを第1溶液Q1に添加することによって、第1溶液Q1中のヨウ化物イオン(I)は容易に酸化する。このため、第1溶液Q1中におけるヨウ素分子(I)の量、および、第1溶液Q1中における三ヨウ化物イオン(I )の量の少なくともいずれかを増加させることは、容易である。
【0391】
例えば、第2準備工程では、第1溶液Q1は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気に晒されてもよい。本変形実施形態の第2準備工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第1溶液Q1に好適に添加される。
【0392】
例えば、第2準備工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第1溶液Q1の上方に供給されてもよい。例えば、第2準備工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、槽33の上方に供給されてもよい。本変形実施形態の第2準備工程によれば、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかの雰囲気が、第1溶液Q1の上方に形成される。
【0393】
例えば、第2準備工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第1溶液Q1中に供給されてもよい。例えば、第2準備工程では、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかが、第1溶液Q1中に吹き出されてもよい。例えば、第2準備工程では、第1溶液Q1は、空気、酸素ガスおよびオゾンガスの少なくともいずれかによって、バブリングされてもよい。本変形実施形態の第2準備工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第1溶液Q1に好適に添加される。
【0394】
例えば、第2準備工程では、高濃度酸素水およびオゾン水の少なくともいずれかを第1溶液Q1に加えてもよい。例えば、第2準備工程では、高濃度酸素水およびオゾン水の少なくともいずれかを槽33に供給してもよい。本変形実施形態の第2準備工程においても、酸素およびオゾンの少なくともいずれかは第1溶液Q1に好適に添加される。
【0395】
(5)第2実施形態のエッチング工程では、第2溶液Q2とエッチング液Rは、同じノズル(すなわち、ノズル16a)から吐出された。但し、これに限られない。例えば、第2溶液Q2を吐出するノズルは、エッチング液Rを吐出するノズルと異なっていてもよい。
【0396】
第4実施形態のエッチング工程では、第1溶液Q1を吐出するノズル(すなわち、ノズル16a)は、エッチング液Rを吐出するノズル(すなわち、ノズル16d)と異なった。但し、これに限られない。例えば、第1溶液Q1とエッチング液Rは、同じノズルから吐出されてもよい。
【0397】
(6)第3実施形態の第1生成ユニット24は、第1混合液P1を循環させるための構成を備えなかった。但し、これに限られない。例えば、第1生成ユニット24は、第1、第2実施形態の循環配管41を備えてもよい。
【0398】
(7)第4実施形態の第2生成ユニット25は、第1溶液Q1を循環させるための構成を備えなかった。但し、これに限られない。例えば、第2生成ユニット25は、第1、第2実施形態の循環配管41を備えてもよい。
【0399】
(10)第1-第4実施形態では、第1-第4センサ51-54が例示された。但し、これに限られない。例えば、基板処理装置1は、第1混合液P1、第2混合液P2、第1溶液Q1および第2溶液Q2の少なくともいずれかにおける三ヨウ化物イオン(I )の濃度を検出するセンサを備えてもよい。例えば、基板処理装置1は、第1混合液P1、第2混合液P2、第1溶液Q1および第2溶液Q2の少なくともいずれかにおけるオゾンの濃度を検出するセンサを備えてもよい。
【0400】
例えば、第1実施形態の第1調整工程において、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の濃度に関する第1検出結果、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の濃度に関する第2検出結果、第1混合液P1中の酸素の濃度に関する第3検出結果、および、第1混合液P1中のオゾンの濃度に関する第4検出結果の少なくともいずれかが、取得されてもよい。例えば、第1検出結果、第2検出結果、第3検出結果、および、第4検出結果の少なくともいずれかに基づいて、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを第2混合液P2に添加することを停止してもよい。例えば、第1検出結果、第2検出結果、第3検出結果、および、第4検出結果の少なくともいずれかに基づいて、第1調整工程は終了してもよい。本変形実施形態によれば、第1調整工程は、適切なタイミングで終了する。
【0401】
例えば、第2実施形態の第2調整工程において、第2溶液Q2中のヨウ素分子(I)の濃度に関する第1検出結果、第2溶液Q2中の三ヨウ化物イオン(I )の濃度に関する第2検出結果、第2溶液Q2中の酸素の濃度に関する第3検出結果、および、第2溶液Q2中のオゾンの濃度に関する第4検出結果の少なくともいずれかが、取得されてもよい。例えば、第1検出結果、第2検出結果、第3検出結果、および、第4検出結果の少なくともいずれかに基づいて、酸素およびオゾンの少なくともいずれかを第2溶液Q2に添加することを停止してもよい。例えば、第1検出結果、第2検出結果、第3検出結果、および、第4検出結果の少なくともいずれかに基づいて、第2調整工程は終了してもよい。本変形実施形態によれば、第2調整工程は、適切なタイミングで終了する。
【0402】
例えば、第3実施形態の第1準備工程において、第1混合液P1中のヨウ素分子(I)の濃度に関する第1検出結果、および、第1混合液P1中の三ヨウ化物イオン(I )の濃度に関する第2検出結果の少なくともいずれが、取得されてもよい。例えば、第3実施形態の第1準備工程において、第1検出結果および第2検出結果の少なくともいずれかに基づいて、エッチング液に加えるヨウ素分子(I)の量およびエッチング液に加える三ヨウ化物の量の少なくともいずれかが調整されてもよい。
【0403】
例えば、第4実施形態の第2準備工程において、第1溶液Q1中のヨウ素分子(I)の濃度に関する第1検出結果、および、第1溶液Q1中の三ヨウ化物イオン(I )の濃度に関する第2検出結果の少なくともいずれが取得されてもよい。例えば、第4実施形態の第2準備工程において、第1検出結果および第2検出結果の少なくともいずれかに基づいて、溶媒に加えるヨウ素分子(I)の量および溶媒に加える三ヨウ化物の量の少なくともいずれかが調整されてもよい。
【0404】
例えば、基板処理装置1は、槽31内の第2混合液P2の量を検出するセンサを備えてもよい。例えば、基板処理装置1は、槽31内の第2溶液Q2の量を検出するセンサを備えてもよい。例えば、基板処理装置1は、槽32内のエッチング液Rの量を検出するセンサを備えてもよい。例えば、基板処理装置1は、槽33内の第1混合液P1の量を検出するセンサが設けられてもよい。例えば、基板処理装置1は、槽33内の第1溶液Q1の量を検出するセンサが設けられてもよい。
【0405】
例えば、第1実施形態の第1調整工程において、槽31内の第2混合液P2の量に関する検出結果が、取得されてもよい。例えば、第1実施形態の第1調整工程において、槽31内の第2混合液P2の量に関する検出結果に基づいて、第2混合液P2が槽31において生成されてもよい。例えば、第1実施形態の第1調整工程において、槽31内の第2混合液P2の量に関する検出結果に基づいて、槽31内の第2混合液P2の量が調整されてもよい。
【0406】
上述の変形実施形態と同様に、第2-第4実施形態は、変形されてもよい。
【0407】
(11)第1-第4実施形態では、第1-第4センサ51-54は、循環配管41、61に設けられた。但し、これに限られない。例えば、第1-第4センサ51-54の少なくともいずれかは、槽31-33の少なくともいずれかに設けられてもよい。
【0408】
(12)第1-第4実施形態では、処理ユニット11は、枚葉式に分類された。但し、これに限られない。例えば、第1-第4実施形態の少なくともいずれかにおける処理ユニット11は、バッチ式に分類されてもよい。すなわち、処理ユニット11は、一度に複数の基板Wを処理してもよい。例えば、バッチ式に分類される処理ユニット11が、第1-第4実施形態の少なくともいずれかにおけるエッチング工程を実行してもよい。
【0409】
図16は、変形実施形態の処理ユニット11と第1調整ユニット21の構成を示す図である。図16に示す変形実施形態は、第1調整ユニット21とバッチ式に分類される処理ユニット11の組み合わせに相当する。なお、第1実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0410】
処理ユニット11は、槽71を備える。槽71は、例えば、第1調整ユニット21に接続される。第1調整ユニット21が第2混合液P2を調整した後、第1調整ユニット21は槽71に第2混合液P2を送る。槽71は、第1調整ユニット21によって調整された第2混合液P2を貯留する。
【0411】
処理ユニット11は、基板保持部73を備える。基板保持部73は、複数の基板Wを同時に保持する。基板保持部73は、各基板Wを略鉛直姿勢で保持する。基板Wが基板保持部73に保持されるとき、各基板Wの第1面W1は略鉛直である。
【0412】
処理ユニット11は、昇降駆動部74を備える。昇降駆動部74は、基板保持部73に連結される。昇降駆動部74は、基板保持部73を鉛直方向Zに移動させる。基板保持部73によって保持される基板Wは、基板保持部73と一体に昇降する。
【0413】
昇降駆動部74は、基板保持部73によって保持される基板Wを、上位置と下位置に移動させる。図16は、基板Wが上位置にあるときの基板Wと基板保持部73を実線で示す。図16は、基板Wが下位置にあるときの基板Wと基板保持部73を破線で示す。基板Wが上位置にあるとき、基板Wは、槽71内の第2混合液P2よりも上方に位置する。基板Wが下位置にあるとき、基板Wは、槽71内の第2混合液P2に浸漬される。
【0414】
エッチング工程では、槽71は、第1調整ユニット21によって調整された第2混合液P2を貯留する。エッチング工程では、基板Wは上位置から下位置に移動する。これにより、槽71内の第2混合液P2が基板Wに供給される。
【0415】
槽71は、本発明における第1供給部の例である。
【0416】
図16に示される変形実施形態において、第2混合液P2を基板Wに供給するための槽(すなわち、槽71)は、第2混合液P2を調整するための槽(すなわち、槽31)と異なった。但し、これに限られない。例えば、第2混合液P2を基板Wに供給するための槽は、第2混合液P2を調整するための槽と同じであってもよい。例えば、槽71において、第2混合液P2を調整してもよい。あるいは、槽31において、基板Wに第2混合液P2を供給してもよい。具体的には、基板Wは、槽31内の第2混合液P2に浸漬されてもよい。
【0417】
(13)第1-第4実施形態および上記(1)から(12)で説明した各変形実施形態については、さらに各構成を他の変形実施形態の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
【符号の説明】
【0418】
1 … 基板処理装置
10 … 制御部
11 … 処理ユニット
13 … 基板保持部
15a … 供給部(第1供給部、第2供給部、第3供給部、第4供給部)
21 … 第1調整ユニット
22 … 第2調整ユニット
23 … 供給源
24 … 第1生成ユニット
25 … 第2生成ユニット
71 … 槽(第1供給部)
73 … 基板保持部
P1 … 混合液(第1混合液、基板処理液)
P2 … 混合液(第2混合液)
Q1 … 溶液(第1溶液)
Q2 … 溶液(第2溶液)
R … エッチング液
G … 第1層
Ga … 中間膜
Gb … ブランケット膜
J、Ja、Jb … 第2層
K … 第3層
W … 基板
W1 … 第1面
X … 前後方向
Y … 幅方向
Z … 鉛直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16