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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176555
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】薬局業務支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241212BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095143
(22)【出願日】2023-06-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】501166706
【氏名又は名称】株式会社シグマソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100155882
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100154678
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 博子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 慎也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】薬局グループにとって、グループ全体の人的配置を効率化でき、費用対効果が高い薬局業務支援システムを提供する。
【解決手段】薬局業務支援システム1は、依頼元端末2aが、依頼元店舗を識別する依頼元店舗識別情報及び依頼先店舗を識別する依頼先店舗識別情報を含む依頼内容をサーバ3に送信する依頼内容送信手段と、サーバ3又は依頼元端末2aが、依頼元店舗から依頼があったことを示す通知情報を依頼先端末2b或いは依頼先店舗に設置される機器に送信する通知情報送信手段と、サーバ3が、遠隔から依頼元端末2aに接続するための遠隔接続情報を依頼先端末2bに送信する遠隔接続情報送信手段と、依頼先端末2bが、サーバ3から受信する遠隔接続情報に基づいて、依頼元端末2aに遠隔接続を行う遠隔接続手段と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬局業務の依頼元店舗に設置される依頼元端末と、前記薬局業務の依頼先店舗に設置される依頼先端末と、サーバとがネットワークを介して接続される薬局業務支援システムであって、
前記依頼元端末が、前記依頼元店舗を識別する依頼元店舗識別情報及び前記依頼先店舗を識別する依頼先店舗識別情報を含む依頼内容を前記サーバに送信する依頼内容送信手段と、
前記サーバ又は前記依頼元端末が、前記依頼元店舗から依頼があったことを示す通知情報を前記依頼先端末或いは前記依頼先店舗に設置される機器に送信する通知情報送信手段と、
前記サーバが、遠隔から前記依頼元端末に接続するための遠隔接続情報を前記依頼先端末に送信する遠隔接続情報送信手段と、
前記依頼先端末が、前記サーバから受信する前記遠隔接続情報に基づいて、前記依頼元端末に遠隔接続を行う遠隔接続手段と、
を備えることを特徴とする薬局業務支援システム。
【請求項2】
前記サーバが、アカウントが薬局業務支援システムにログインするためのログイン情報を含むアカウント情報を記憶するアカウント情報記憶手段と、
前記サーバが、店舗ごとの前記遠隔接続情報を含む店舗遠隔接続情報を記憶する店舗遠隔接続情報記憶手段と、
前記依頼先端末が、前記ログイン情報を受け付け、前記ログイン情報と、前記依頼元店舗識別情報を含む遠隔接続要求とを前記サーバに送信する遠隔接続要求送信手段と、
前記サーバが、前記依頼先端末から前記遠隔接続要求を受信すると、前記アカウント情報に基づいて、前記依頼先端末から受信する前記ログイン情報を認証するログイン情報認証手段と、
を更に備え、
前記遠隔接続情報送信手段は、前記ログイン情報認証手段によって前記ログイン情報の認証が成功した場合、前記依頼元店舗識別情報に関する前記遠隔接続情報を前記依頼先端末に送信し、
前記遠隔接続手段は、前記サーバから受信する前記遠隔接続情報を表示することなく、前記遠隔接続を開始する
ことを特徴とする請求項1に記載の薬局業務支援システム。
【請求項3】
前記サーバが、前記アカウントが遠隔接続を行う権限を有する店舗を示すアカウント権限情報を記憶するアカウント権限情報記憶手段と、
前記サーバが、前記依頼先端末から前記遠隔接続要求を受信すると、前記アカウント権限情報に基づいて、前記依頼先端末から受信する前記ログイン情報に係る前記アカウントが、前記依頼元店舗識別情報に関する店舗について遠隔接続を行う権限を有するか否かを確認するアカウント権限確認手段と、
を更に備え、
前記遠隔接続情報送信手段は、前記ログイン情報認証手段によって前記ログイン情報の認証が成功し、前記アカウント権限確認手段によって前記アカウントの権限が確認できた場合、前記遠隔接続情報を前記依頼先端末に送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の薬局業務支援システム。
【請求項4】
前記薬局業務は、処方箋の入力業務であり、
前記依頼元端末には、前記処方箋を取り込むスキャナ機器が接続され、
前記依頼内容送信手段は、前記処方箋が画像化された処方箋画像を前記スキャナ機器から取得すると、前記依頼元店舗識別情報及び前記依頼先店舗識別情報と一緒に前記処方箋画像を自動的に前記サーバに送信し、
前記通知情報送信手段は、前記依頼元端末から前記依頼元店舗識別情報及び前記依頼先店舗識別情報と一緒に前記処方箋画像を受信すると、前記通知情報を前記依頼先端末或いは前記依頼先店舗に設置される機器に送信する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の薬局業務支援システム。
【請求項5】
前記サーバが、前記依頼内容を含む依頼情報を記憶する依頼情報記憶手段と、
前記サーバが、前記依頼元端末又は前記依頼先端末からの要求に応じて、前記依頼情報を表示する依頼情報表示手段と、
を更に備え、
前記依頼内容送信手段は、前記処方箋の情報を取得するための二次元バーコードが前記処方箋に印刷されている場合、前記二次元バーコードの読取処理を実行し、前記二次元バーコードの読取結果を前記依頼内容として前記サーバに送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の薬局業務支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の薬局グループの店舗間における薬局業務の一時的なサポート作業を支援する薬局業務支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬局グループとは、複数店舗の調剤薬局を経営する企業体であり、薬局チェーンとも呼ばれる。薬局グループの多くは、処方箋の入力業務、調剤業務、患者に対する服薬指導業務等を支援するコンピュータシステムを導入し、業務の効率化を図っている。例えば、特許文献1には、服薬指導業務を支援する服薬指導支援システムが開示されている。
【0003】
ところで、近年の薬局グループにおける課題の一つは、人員の配置管理である。日々の業務の中では、急な欠員や混雑等によって一時的に過度な人員不足になる店舗が発生する一方、同日同時間帯で人員に余裕がある店舗もある。そこで、薬局グループでは、店舗間で一時的に業務をサポートできる仕組みが望まれている。例えば、特許文献2には、小規模病院やクリニックへのサービス提供として、リモートセンターの医事スタッフが、病院等の内部スタッフの一部業務を一括して代行する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7019227号公報
【特許文献2】特開2022-170215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の仕組みでは、リモートセンターが一括して業務を代行するため、薬局グループに導入する場合、余裕がある他店舗の人員を活用できず、薬局グループ全体の人的配置としては非効率になってしまう。また、リモートセンターの医事スタッフが内部人員又は外部人員のいずれであっても、新たな人的コストが増大するので、余裕がある他店舗の人員を活用できず、費用対効果が高いとは言えない。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、薬局グループにとって、グループ全体の人的配置を効率化でき、費用対効果が高い薬局業務支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するための本発明は、薬局業務の依頼元店舗に設置される依頼元端末と、前記薬局業務の依頼先店舗に設置される依頼先端末と、サーバとがネットワークを介して接続される薬局業務支援システムであって、前記依頼元端末が、前記依頼元店舗を識別する依頼元店舗識別情報及び前記依頼先店舗を識別する依頼先店舗識別情報を含む依頼内容を前記サーバに送信する依頼内容送信手段と、前記サーバ又は前記依頼元端末が、前記依頼元店舗から依頼があったことを示す通知情報を前記依頼先端末或いは前記依頼先店舗に設置される機器に送信する通知情報送信手段と、前記サーバが、遠隔から前記依頼元端末に接続するための遠隔接続情報を前記依頼先端末に送信する遠隔接続情報送信手段と、前記依頼先端末が、前記サーバから受信する前記遠隔接続情報に基づいて、前記依頼元端末に遠隔接続を行う遠隔接続手段と、を備えることを特徴とする薬局業務支援システムである。本発明によって、余裕がある店舗の人員が、一時的に人員不足になっている店舗におけるコンピュータシステム上の薬局業務をサポートできるので、薬局グループ全体の人的配置を効率化でき、システム導入の費用対効果が高い。
【0008】
本発明は、前記サーバが、アカウントが薬局業務支援システムにログインするためのログイン情報を含むアカウント情報を記憶するアカウント情報記憶手段と、前記サーバが、店舗ごとの前記遠隔接続情報を含む店舗遠隔接続情報を記憶する店舗遠隔接続情報記憶手段と、前記依頼先端末が、前記ログイン情報を受け付け、前記ログイン情報と、前記依頼元店舗識別情報を含む遠隔接続要求とを前記サーバに送信する遠隔接続要求送信手段と、前記サーバが、前記依頼先端末から前記遠隔接続要求を受信すると、前記アカウント情報に基づいて、前記依頼先端末から受信する前記ログイン情報を認証するログイン情報認証手段と、を更に備え、前記遠隔接続情報送信手段は、前記ログイン情報認証手段によって前記ログイン情報の認証が成功した場合、前記依頼元店舗識別情報に関する前記遠隔接続情報を前記依頼先端末に送信し、前記遠隔接続手段は、前記サーバから受信する前記遠隔接続情報を表示することなく、前記遠隔接続を開始するようにしても良い。これによって、ユーザに対して遠隔接続情報を秘匿にしたまま他店舗の遠隔接続を可能とする。従って、OSが提供する遠隔接続機能を利用してもセキュリティレベルを下げることなく、本発明の薬局業務支援システムを導入できるので、特有の遠隔接続機能の構築が不要であり、システム導入の費用対効果が高い。
【0009】
また、本発明は、前記サーバが、前記アカウントが遠隔接続を行う権限を有する店舗を示すアカウント権限情報を記憶するアカウント権限情報記憶手段と、前記サーバが、前記依頼先端末から前記遠隔接続要求を受信すると、前記アカウント権限情報に基づいて、前記依頼先端末から受信する前記ログイン情報に係る前記アカウントが、前記依頼元店舗識別情報に関する店舗について遠隔接続を行う権限を有するか否かを確認するアカウント権限確認手段と、を更に備え、前記遠隔接続情報送信手段は、前記ログイン情報認証手段によって前記ログイン情報の認証が成功し、前記アカウント権限確認手段によって前記アカウントの権限が確認できた場合、前記遠隔接続情報を前記依頼先端末に送信するようにしても良い。これによって、人員の役職に応じて遠隔接続可能な店舗を制限できるので、薬局グループ全体の人的配置を効率化でき、システム導入の費用対効果が高い。
【0010】
また、本発明における前記薬局業務は、処方箋の入力業務であり、前記依頼元端末には、前記処方箋を取り込むスキャナ機器が接続され、前記依頼内容送信手段は、前記処方箋が画像化された処方箋画像を前記スキャナ機器から取得すると、前記依頼元店舗識別情報及び前記依頼先店舗識別情報と一緒に前記処方箋画像を自動的に前記サーバに送信し、前記通知情報送信手段は、前記依頼元端末から前記依頼元店舗識別情報及び前記依頼先店舗識別情報と一緒に前記処方箋画像を受信すると、前記通知情報を前記依頼先端末或いは前記依頼先店舗に設置される機器に送信するようにしても良い。これによって、依頼元店舗のユーザは、処方箋をスキャナ機器にスキャンさせるだけで処方箋の入力業務を依頼できるので、ユーザの負担が少なく、システム導入の費用対効果が高い。
【0011】
また、本発明は、前記サーバが、前記依頼内容を含む依頼情報を記憶する依頼情報記憶手段と、前記サーバが、前記依頼元端末又は前記依頼先端末からの要求に応じて、前記依頼情報を表示する依頼情報表示手段と、を更に備え、前記依頼内容送信手段は、前記処方箋の情報を取得するための二次元バーコードが前記処方箋に印刷されている場合、前記二次元バーコードの読取処理を実行し、前記二次元バーコードの読取結果を前記依頼内容として前記サーバに送信するようにしても良い。これによって、依頼先店舗のユーザは、依頼を処理するための負荷を推測できるので、依頼を受けて良いかや、誰が作業すべきか等の判断が容易になり、システム導入の費用対効果が高い。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、薬局グループにとって、グループ全体の人的配置を効率化でき、費用対効果が高い薬局業務支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】薬局業務支援システム1の概要を示す図
図2】薬局業務支援システム1に用いられるデータの一例
図3】薬局業務支援システム1の処理の流れを示すフローチャート
図4】スキャンモニタ画面70及び依頼先店舗設定画面80の一例
図5】依頼管理画面90の一例
図6】依頼先店舗選択画面100及び入力中店舗選択画面110の一例
図7】依頼通知画面120及び指示一覧画面130の一例
図8】遠隔接続画面140の一例
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態における薬局業務支援システムは、複数店舗の調剤薬局を経営する薬局グループ等に対して適したシステムであり、同一の薬局グループの店舗間における薬局業務の一時的なサポート作業を支援する。以下では、薬局業務を依頼する店舗を依頼元店舗、薬局業務を依頼される店舗を依頼先店舗と記載する。依頼元店舗又は依頼先店舗は、患者が来局する店舗に限らず、本店の各部署等も含む。
【0015】
対象となる薬局業務は、特に限定されるものではないが、本発明の実施形態では、処方箋の入力業務を例にして説明する。処方箋の入力業務を支援するコンピュータシステムは、本発明の実施形態における薬局業務支援システムでも良いし、別システムでも良い。また、別システムの場合の構成は、クラウドサービスを用いるクラウド構成でも良いし、サーバが各店舗内に設置されるオンプレミス構成でも良い。更に、オンプレミス構成の場合、クライアント端末とサーバによって構成されるクライアントサーバ型でも良いし、一台のコンピュータで構成されるスタンドアローン型でも良い。
【0016】
本発明の実施形態では、OS(「Operating System」の略)が提供する遠隔接続機能を利用する。一例として、Microsoft(登録商標)社のWindows(登録商標)が提供する「リモートデスクトップ」等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0017】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、薬局業務支援システム1の概要を示す図である。図1に示すように、薬局業務支援システム1は、薬局業務の依頼元店舗に設置される依頼元端末2a(端末2)と、薬局業務の依頼先店舗に設置される依頼先端末2b(端末2)と、サーバ3とがネットワーク6を介して接続される。
【0018】
端末2及びサーバ3は、制御部としてのCPU(「Central Processing Unit」の略)、主記憶部としてのメモリ、補助記憶部としてのHDD(「Hard Disk Drive」の略)やフラッシュメモリ、表示部としての液晶ディスプレイ、入力部としてのキーボードやマウス、タッチパネルディスプレイ、有線通信部としてのLAN(Local Area Network)ケーブル又は無線通信部としての無線モジュール、音を出力するスピーカ等を備える。
【0019】
補助記憶部としてのHDDやフラッシュメモリには、OS(「Operating System」の略)、アプリケーションプログラム、処理に必要なデータ等が記憶されている。端末2及びサーバ3の制御部は、補助記憶部からOSやアプリケーションプログラムを読み出して主記憶部に格納し、主記憶部にアクセスしながら、その他の機器を制御し、後述する処理を実行する。
【0020】
端末2は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC(「Personal Computer」の略)、デスクトップPC等である。サーバ3は、例えば、データセンタ等に設置されるサーバ用コンピュータやクラウドサービスによって利用される仮想サーバ等であり、1台の筐体で実現されても良いし、複数台の筐体で実現されても良い。ネットワーク6は、例えば、VPN(Virtual Private Network:仮想専用通信網)等であり、薬局業務支援システム1全体においてセキュアな通信環境が構築される。
【0021】
端末2の補助記憶部には、端末2を薬局業務支援システム1の一部として機能させるためのプログラムがインストールされる。また、サーバ3の補助記憶部には、サーバ3を薬局業務支援システム1の一部として機能させるためのプログラムがインストールされるとともに、薬局業務支援システム1に利用されるデータを記憶するデータベースが構築される。
【0022】
依頼元端末2aには、依頼元店舗に設置され、印刷物である処方箋等をスキャンするスキャナ4が接続されても良い。スキャナ4は、処方箋をスキャンすると、処方箋が画像化された処方箋画像を生成し、依頼元端末2aに送信する。処方箋画像のファイル形式は、JPEGファイル等の静止画像ファイル形式でも良いし、PDFファイル等の文書ファイル形式でも良い。また、依頼先端末2bには、依頼先店舗に設置され、処方箋画像等をファクシミリ通信にて受信するファクシミリ機能や、処方箋画像等を印刷するプリンタ機能を有する複合機5が接続されても良い。尚、依頼元店舗に設置されるスキャナ4は、複合機等のスキャナ機能を有するスキャナ機器であれば良い。また、依頼先店舗に設置される複合機5は、プリンタ機能を有するファクシミリ機器であれば良い。
【0023】
図2は、薬局業務支援システム1に用いられる主要なデータの一例であり、サーバ3に構築されるデータベースのテーブルレイアウトを示している。図2(a)に示す店舗テーブル10は、店舗情報を記憶するテーブルである。店舗テーブル10に含まれるデータ項目は、店舗を一意に識別する内部的なコードである店舗コード11、店舗の名称である店舗名12等である。店舗テーブル10の主キーは、店舗コード11である。
【0024】
図2(b)に示すアカウントテーブル20は、薬局業務支援システム1にログインするためのログイン情報を含むアカウント情報を記憶するテーブルである。アカウントテーブル20に含まれるデータ項目は、ユーザのアカウントを一意に識別する内部的なコードであるアカウントID21、ログイン情報の一つであるユーザID22、ユーザの名前を示すユーザ名23、ログイン情報の一つであるパスワード24、薬局業務のサポート権限があるか否かを示す業務権限25、操作や表示の際にデフォルトとして扱う店舗の店舗コードであるデフォルト店舗26等である。アカウントテーブル20の主キーは、アカウントID21である。パスワード24は、ハッシュ化して記憶することが望ましい。
【0025】
図2(c)に示すアカウント権限テーブル30は、各アカウントが各店舗に遠隔接続を行う権限を有するか否かを示すアカウント権限情報を記憶する。アカウント権限テーブル30に含まれるデータ項目は、前述のアカウントID21と同じアカウントID31、前述の店舗コード11と同じ店舗コード32等である。アカウント権限テーブル30の主キーは、アカウントID31と店舗コード32の複合キーである。例えば、アカウント「A」が3つの店舗「X」、「Y」、「Z」に遠隔接続を行う権限を有する場合、アカウント権限テーブル30には、(1)アカウントID31が「A」、店舗コード32が「X」、(2)アカウントID31が「A」、店舗コード32が「Y」、(3)アカウントID31が「A」、店舗コード32が「Z」の3個のデータが記憶される。
【0026】
図2(d)に示す店舗遠隔接続テーブル40は、遠隔から各店舗に接続するための遠隔接続情報を含む店舗遠隔接続情報を記憶する。店舗遠隔接続テーブル40に含まれるデータ項目は、前述の店舗コード11と同じ店舗コード41、遠隔接続情報の一つであるIPアドレス42(=固定IPアドレス)、遠隔接続情報の一つである遠隔接続用ユーザ名43、遠隔接続情報の一つである遠隔接続用パスワード44等である。店舗遠隔接続テーブル40の主キーは、店舗コード41である。遠隔接続用パスワード44は、暗号化して記憶することが望ましい。薬局業務支援システム1の管理者は、遠隔接続を許容する店舗の端末2に対してIPアドレス42を割り当てて、OSが提供する遠隔接続機能の資格情報として、遠隔接続用ユーザ名43及び遠隔接続用パスワード44を設定しておく。
【0027】
遠隔接続情報は、他店舗の端末2に接続するための情報であり、ユーザは、遠隔接続情報を知っていれば、自らのスマートフォンやノートパソコン等からも他店舗の端末2に接続できてしまう。従って、遠隔接続情報は、ユーザに対して秘匿にしておくことが望ましい。そこで、薬局業務支援システム1では、ユーザに対して遠隔接続情報を秘匿にしたまま他店舗の遠隔接続を可能とする仕組みを提供する。
【0028】
図2(e)に示す依頼テーブル50は、薬局業務の依頼内容を含む依頼情報を記憶する。依頼テーブル50に含まれるデータ項目は、依頼情報を一意に識別する依頼ID51、薬局業務の依頼元店舗を示す店舗コードである依頼元店舗52、薬局業務の依頼先店舗を示す店舗コードである依頼先店舗53、薬局業務の入力中の店舗を示す店舗コードである入力中店舗54、処方箋画像のファイル名を示す処方箋画像55(必要に応じてファイルパスも含む。)、処方箋をスキャンした日時を示すスキャン日時56、処方箋画像の枚数を示すスキャン枚数57、処方箋画像に含まれる二次元バーコードの読み取り結果を示すコード読取結果58、処方箋に関する患者の氏名を示す患者氏名59、入力作業が終了したか否かを示す終了フラグ60等である。本実施の形態では、依頼と処方箋が1対1に対応するので、依頼ID51は、処方箋を一意に識別する情報(=処方箋ID)を用いる。尚、患者氏名59の代わりに、患者を一意に識別する患者番号でも良い。
【0029】
図3は、薬局業務支援システム1の処理の流れを示すフローチャートである。図3に示す各ステップでは、依頼元端末2a、サーバ3及び依頼先端末2bの制御部が、互いに通信を行いながら処理を実行する。
【0030】
図3に示すように、依頼元端末2aは、スキャナ4から処方箋画像を取得し(ステップS1)、依頼内容とともに処方箋画像をサーバ3に送信する(ステップS2)。依頼元端末2aは、依頼内容の一つとして、少なくとも依頼元店舗を識別する依頼元店舗識別情報(=依頼元店舗の店舗コード等)をサーバ3に送信する。依頼元店舗識別情報は、依頼元端末2aの記憶部に予め記憶されているか、又は薬局業務支援システム1のログイン時(=ステップS1より前)にサーバ3から受信済である。また、依頼元端末2aは、依頼内容の一つとして、依頼先店舗を識別する依頼先店舗識別情報(=依頼先店舗の店舗コード等)を一緒にサーバ3に送信しても良いし、後述する処理において、依頼先店舗識別情報とは別にサーバ3に送信しても良い。更に、依頼内容にはスキャン日時やスキャン枚数を含めても良い。
【0031】
依頼内容及び処方箋画像の送信方法には「自動送信」と「手動送信」がある。自動送信では、依頼元端末2aは、スキャナ4が処方箋をスキャンし、処方箋画像を生成すると、依頼内容及び処方箋画像をサーバ3に自動的に送信する。複数の処方箋が連続してスキャンされた場合、依頼元端末2aは、スキャナ4から取得する全ての処方箋画像を依頼内容とともにサーバ3に自動的に送信する。手動送信では、スキャナ4が処方箋をスキャンし、処方箋画像を生成すると、ユーザが依頼元端末2aの表示部にて内容を確認し、入力部を介して手動で実行する。具体的には、依頼元端末2aは、後述するスキャンモニタ画面においてユーザから処方箋の選択を受け付け、選択された処方箋に関する依頼内容及び処方箋画像をサーバ3に送信する。送信方法は、不図示の設定画面において予め設定され、依頼元端末2a又はサーバ3の記憶部に記憶される。
【0032】
図4は、スキャンモニタ画面70及び依頼先店舗設定画面80の一例である。図4(a)に示すスキャンモニタ画面70は、スキャナ4等から取得された処方箋画像を確認し、手動で送信するための画面である。スキャンモニタ画面70は、依頼先店舗の店舗名称を表示する依頼先店舗表示部71、処方箋の調剤日を表示する調剤日表示部72、処方箋のデータを一覧で表示する処方箋一覧表示部73、写真読込ボタン74、画像確認ボタン75、送信ボタン76、閉じるボタン77等によって構成される。処方箋一覧表示部73の表示項目は、番号73a、患者・診療情報73b、読込時刻73c、送信日時73d、枚数73e等である。患者・診療情報73bは、患者氏名、生年月日、医療機関名、診療科名等である。
【0033】
依頼元端末2aは、処方箋画像を取得すると、調剤日ごとに通し番号を付与し、患者・診療情報、読込日時、枚数等のデータ及び処方箋画像を自らの記憶部に記憶する。また、依頼元端末2aは、処方箋画像を送信すると、送信日時を自らの記憶部に記憶する。そして、依頼元端末2aは、スキャンモニタ画面70の表示の指示を受け付けると、記憶部に記憶されている依頼先店舗の情報を依頼先店舗表示部71に表示し、記憶部に記憶されているスキャンデータを処方箋一覧表示部73に表示する。
【0034】
記憶部に記憶されている依頼先店舗の情報が無い場合、依頼元端末2aは、依頼先店舗表示部71に「依頼先店舗」と表示する。また、例えば、依頼先店舗の情報として「4号店」が記憶部に記憶されている場合、依頼元端末2aは、図4(a)に示すように、依頼先店舗表示部71に「依頼先店舗(4号店)」と表示する。
【0035】
写真読込ボタン74は、スキャナ4が設置されていない店舗において、カメラで撮影した処方箋の写真を読み込む場合に使用する。ユーザが写真読込ボタン74を押下すると、依頼元端末2aは、所定のフォルダウィンドウを表示し、処方箋の写真のファイル選択を受け付け、選択されたファイルを処方箋画像として表示する。依頼元端末2aは、必要に応じて、患者・診療情報の入力を受け付け、通し番号を付与し、患者・診療情報、読込日時、枚数等のデータ及び処方箋画像を記憶部に記憶する。
【0036】
画像確認ボタン75は、処方箋画像を確認する場合に使用する。ユーザが処方箋一覧表示部73の所望のデータを選択し、画像確認ボタン75を押下すると、依頼元端末2aは、選択されたデータの処方箋画像を表示する。尚、ユーザが処方箋一覧表示部73の所望のデータをダブルクリックすると、依頼元端末2aが、そのデータの処方箋画像を表示するようにしても良い。
【0037】
送信ボタン76は、送信方法が「手動送信」に設定されていて、処方箋画像を手動でサーバ3に送信する場合に使用する。ユーザが処方箋一覧表示部73の所望のデータを選択し、送信ボタン76を押下すると、依頼元端末2aは、選択されたデータの依頼内容及び処方箋画像をサーバ3に送信する。尚、ユーザが処方箋一覧表示部73の所望のデータを右クリックし、右クリックメニューで「処方箋送信」を選択すると、依頼元端末2aは、そのデータの依頼内容及び処方箋画像をサーバ3に送信するようにしても良い。
【0038】
図4(b)に示す依頼先店舗設定画面80は、依頼先店舗を予め設定するための画面である。依頼先店舗設定画面80は、設定されている店舗を表示する設定店舗表示部81、店舗名称を一覧で表示する店舗名称一覧表示部82、取消ボタン83、クリアボタン84、登録ボタン85等によって構成される。
【0039】
依頼元端末2aは、依頼先店舗設定画面80の表示の指示を受け付けると、サーバ3から店舗テーブル10の情報を取得し、店舗名称一覧表示部82に表示する。ユーザが、取消ボタン83を押下すると、依頼元端末2aは、依頼先店舗設定画面80を閉じて、スキャンモニタ画面70に戻る。また、ユーザが、クリアボタン84を押下すると、依頼元端末2aは、設定店舗表示部81の表示をクリアするとともに、記憶部に記憶されている依頼先店舗の情報を削除する。また、ユーザが、店舗名称一覧表示部82のいずれかの店舗を選択し、登録ボタン85を押下すると、依頼元端末2aは、設定店舗表示部81に選択された店舗を表示するとともに、依頼先店舗として記憶部に記憶する。
【0040】
ここで、処方箋画像に含まれる二次元バーコードの読取処理について説明する。処方箋の一部には、処方箋の情報を取得するための二次元バーコードが印刷されているものがある。二次元バーコードは、例えばQRコード(登録商標)である。処方箋の情報としては、処方内容、患者の氏名や生年月日等の患者情報、病院の名称などの診療情報等が挙げられる。依頼先端末2bは、処方箋にこの二次元バーコードが印刷されている場合、二次元バーコードの読取処理を実行し、二次元バーコードの読取結果をサーバ3に送信する。
【0041】
依頼元端末2a又はサーバ3の記憶部は、患者ごとに一意に採番される患者番号と、患者の氏名や生年月日等の患者情報とを紐付ける患者テーブル(不図示)が記憶されている。依頼元端末2aは、スキャナ4から取得される処方箋画像に二次元バーコードが含まれている場合、この二次元バーコードを解析する。二次元バーコードの解析に成功すると、依頼元端末2aは、患者テーブルを検索して二次元バーコードによって取得される患者情報が存在するか否かを確認する。
【0042】
コードの読取結果は、二次元バーコードの解析に成功し、かつ患者テーブルに患者情報が存在した場合(=データを登録済の患者の場合)が「〇」、二次元バーコードの解析に成功したが、患者テーブルに患者情報が存在しなかった場合(=新規の患者の場合)が「△」、二次元バーコードの解析に失敗した場合や、スキャナ4から処方箋画像に二次元バーコードが含まれていない場合が「×」とする。依頼元端末2aは、依頼内容の一部として、コードの読取結果をサーバ3に送信する。また、二次元バーコードの解析に成功した場合、すなわち、コードの読取結果が「〇」又は「△」の場合、二次元バーコードによって患者の氏名等(患者情報)が取得できることから、依頼元端末2aは、依頼内容の一部として、患者の氏名等(患者情報)をサーバ3に送信する。
【0043】
図3の説明に戻る。サーバ3は、依頼元端末2aから依頼内容及び処方箋画像を受信すると、新たな依頼情報として依頼テーブル50に登録する(ステップS3)。サーバ3は、処方箋画像を所定のフォルダ及び所定のファイル名にて記憶部に記憶した後、依頼ID51を自動で採番し、処方箋画像のファイル名(必要に応じてファイルパスも含む。)を処方箋画像55に記憶し、依頼内容を依頼元店舗52、依頼先店舗53(事前に設定されていない場合はNULL)、スキャン日時56、スキャン枚数57、コード読取結果58、患者氏名59に記憶する。依頼テーブル50に登録されている依頼情報は、依頼管理画面において確認できる。
【0044】
図5は、依頼管理画面90の一例である。図5に示す依頼管理画面90は、依頼情報の一覧を確認し、依頼を管理するための画面である。依頼管理画面90は、依頼情報の一覧を表示する依頼情報一覧表示部91、一括依頼削除ボタン95、一括依頼登録ボタン96、一括入力登録ボタン97、検索ボタン98等によって構成される。依頼情報一覧表示部91の表示項目は、データ選択91a、処方箋ID91b、依頼元店舗91c、依頼先店舗91d、入力中店舗91e、処方箋画像91f、スキャン日時91g、枚数91h、コード読取結果91i、患者氏名91j、終了チェック91k等である。データ選択91aにはチェックボックス92が配置され、依頼先店舗91d、入力中店舗91e及び処方箋画像91fには編集ボタン93が配置され、終了チェック91kにはチェックボタン94が配置される。
【0045】
端末2は、ユーザから依頼管理画面90の表示の指示を受け付けると、依頼情報の取得要求をサーバ3に送信する。サーバ3は、依頼テーブル50からデータを取得し、端末2に送信する。端末2は、サーバ3から受信するデータを依頼情報一覧表示部91に表示する。ここでは、一括依頼削除ボタン95及び検索ボタン98の機能について説明し、それ以外のボタンの機能については後述する。
【0046】
ユーザが、所望のデータについてデータ選択91aのチェックボックス92をチェックし、一括依頼削除ボタン95を押下すると、端末2は、そのデータの削除要求をサーバ3に送信する。サーバ3は、端末2から受信する削除要求のデータを依頼テーブル50から削除する。
【0047】
ユーザが、検索ボタン98を押下すると、端末2は、不図示の検索画面を表示し、検索条件(店舗名称等)の選択を受け付け、検索条件をサーバ3に送信する。サーバ3は、端末2から受信する検索条件に基づいて依頼テーブル50を検索し、検索結果のデータを端末2に送信する。端末2は、サーバ3から受信する検索結果のデータを依頼情報一覧表示部91に表示する。尚、端末2は、ユーザから依頼管理画面90の表示の指示を受け付けた際、不図示の検索画面を表示し、検索条件の選択を受け付けるようにしても良い。
【0048】
図5に示すように、端末2は、依頼管理画面90の依頼情報一覧表示部91にコード読取結果91iを表示する。前述の通り、コードの読取結果が「〇」の処方箋については、患者情報のデータが登録済の患者なので、処方箋の入力業務の負荷が低いと推測できる。また、コードの読取結果が「△」の処方箋については、患者情報のデータが登録されていない新規の患者なので、処方箋の入力業務の負荷が、コードの読取結果が「〇」の処方箋よりも高いと推測できる。また、コードの読取結果が「×」の処方箋については、処方内容、患者情報、診療情報等の全てがデータ化されていないので、処方箋の入力業務の負荷が、コードの読取結果が「〇」や「△」の処方箋よりも高いと推測できる。このように、依頼先店舗のユーザは、依頼を処理するための負荷を推測できるので、依頼を受けて良いかや、誰が作業すべきか等の判断が容易になる。
【0049】
図3の説明に戻る。依頼元端末2aは、ユーザから依頼先店舗の入力を受け付け(ステップS4)、依頼先店舗を識別する依頼先店舗識別情報をサーバ3に送信する(ステップS5)。サーバ3は、依頼元端末2aから受信する依頼先店舗識別情報に基づいて依頼情報を更新する(ステップS6)。尚、ステップS1の前に依頼先店舗識別情報を予め設定していた場合、ステップS2において、依頼元端末2aが依頼先店舗識別情報をサーバ3に送信し、ステップS3において、サーバ3が依頼先店舗識別情報を依頼テーブル50の依頼先店舗53に記憶するので、ステップS4乃至S6の処理は不要である。
【0050】
ユーザが、図5の依頼管理画面90において所望のデータにおける依頼先店舗91dの編集ボタン93を押下するか、又は、所望のデータについてデータ選択91aのチェックボックス92をチェックし、一括依頼登録ボタン96を押下すると、依頼元端末2aは、依頼先店舗選択画面を表示する。
【0051】
図6は、依頼先店舗選択画面100及び入力中店舗選択画面110の一例である。図6(a)に示す依頼先店舗選択画面100は、依頼先店舗を選択するための画面であり、店舗名称の一覧を表示する店舗名称一覧表示部101、取消ボタン103、選択ボタン104等によって構成される。店舗名称一覧表示部101の各行の左端にはチェックボックス102が配置される。
【0052】
ユーザが、依頼先店舗選択画面100において所望の店舗名称の行におけるチェックボックス102をチェックし、選択ボタン104を押下すると、依頼元端末2aは、依頼管理画面90において選択されたデータの処方箋ID、及び依頼先店舗選択画面100において選択された依頼先店舗の店舗コード(=依頼先店舗識別情報)をサーバ3に送信する。サーバ3は、依頼元端末2aから受信する処方箋IDで依頼テーブル50の依頼ID51を検索し、依頼元端末2aから受信する店舗コードを依頼先店舗53に記憶する。
【0053】
図3の説明に戻る。サーバ3は、ステップS6において更新された依頼テーブル50の依頼先店舗53に関する店舗の端末2(=依頼先端末2b)に対して、依頼元店舗から依頼があったことを示す通知情報を送信する(ステップS7)。依頼先端末2bは、サーバ3から受信する通知情報を出力し(ステップS8)、依頼先店舗のユーザに対して薬局業務のサポートの依頼があったことを通知する。尚、ステップS1の前に依頼先店舗識別情報を予め設定していた場合、サーバ3は、ステップS3において依頼先店舗識別情報を依頼テーブル50の依頼先店舗53に記憶した後、すぐにステップS7の処理を実行する。
【0054】
図7は、依頼通知画面120及び指示一覧画面130の一例である。図7(a)に示す依頼通知画面120は、薬局業務のサポートの依頼があったことを通知するための画面であり、メッセージ表示部121、確認ボタン122等によって構成される。
【0055】
依頼先端末2bは、サーバ3から通知情報を受信すると、スピーカによって通知音を出力するとともに、メッセージ表示部121に通知情報のメッセージを表示する。図7(a)に示す例では、メッセージ表示部121に「他店舗の処方箋入力依頼が届いています。」というメッセージが表示されている。ユーザが確認ボタン122を押下すると、依頼先端末2bは、通知音の出力を停止するとともに、図7(b)に示す指示一覧画面130を表示する。
【0056】
また、依頼先端末2bは、OSの設定によって、タスクトレイに通知を出力しても良い。この場合、ユーザが、タスクトレイの所定のアイコンをダブルクリックすると、依頼先端末2bは、図7(b)に示す指示一覧画面130を表示する。
【0057】
尚、通知情報の送信方法は、これらに限定されるものではない。例えば、サーバ3が、処方箋画像を通知情報として、依頼先店舗において依頼先端末2bに接続される複合機5にファクシミリ送信しても良い。この場合、複合機5は、サーバ3から受信する処方箋画像を印刷することによって、依頼先店舗のユーザに通知する。また、例えば、サーバ3が電子メールやチャットツールのメッセージ等を通知情報として依頼先端末2bに送信しても良い。この場合、依頼先端末2bが電子メールやメッセージ等を表示部に表示することによって、依頼先店舗のユーザに通知する。また、例えば、サーバ3の代わりに、依頼元端末2aが処方箋画像を通知情報として複合機5にファクシミリ送信したり、電子メールやチャットツールのメッセージ等を通知情報として依頼先端末2bに送信したりしても良い。
【0058】
図7(b)に示す指示一覧画面130は、指示情報の一覧を確認するための画面である。指示一覧画面130は、指示情報の一覧を表示する指示情報一覧表示部131、一覧更新ボタン132、ログボタン133等によって構成される。一覧更新ボタン132は、指示情報の内容を更新するためのボタンであり、ログボタン133は、各指示情報のログを確認するためのボタンである。
【0059】
図3の説明に戻る。依頼先端末2bは、ユーザから入力中店舗の入力を受け付け(ステップS9)、入力中店舗に関する情報をサーバ3に送信する(ステップS10)。サーバ3は、依頼先端末2bから受信する情報に基づいて依頼情報を更新する(ステップS11)。
【0060】
ユーザが、依頼管理画面90において所望のデータにおける入力中店舗91eの編集ボタン93を押下するか、又は、所望のデータについてデータ選択91aのチェックボックス92をチェックし、一括入力登録ボタン97を押下すると、依頼先端末2bは、図6(b)に示す入力中店舗選択画面110を表示する。入力中店舗選択画面110は、入力中店舗を選択するための画面であり、店舗名称の一覧を表示する店舗名称一覧表示部111、取消ボタン113、選択ボタン114等によって構成される。店舗名称一覧表示部111の各行の左端にはチェックボックス112が配置される。
【0061】
ユーザが、入力中店舗選択画面110において所望の店舗名称の行におけるチェックボックス112をチェックし、選択ボタン114を押下すると、依頼先端末2bは、依頼管理画面90において選択されたデータの処方箋ID、及び入力中店舗選択画面110において選択された入力中店舗の店舗コードをサーバ3に送信する。サーバ3は、依頼先端末2bから受信する処方箋IDで依頼テーブル50の依頼ID51を検索し、依頼先端末2bから受信する店舗コードを入力中店舗54に記憶する。
【0062】
図3の説明に戻る。依頼先端末2bは、薬局業務支援システム1にログインするためのログイン情報と、接続先店舗(=依頼元端末2aの店舗)の入力を受け付け(ステップS12)、ログイン情報をサーバ3に送信する(ステップS13)。薬局業務支援システム1にログインするためのログイン情報は、依頼元端末2aに遠隔で接続するための遠隔接続情報とは異なる。
【0063】
図8は、遠隔接続画面140の一例である。図8に示す遠隔接続画面140は、接続先店舗とログイン情報を入力するための画面である。遠隔接続画面140は、接続先店舗の選択肢を一覧で表示する接続先店舗一覧表示部141、ログイン情報の一つであるユーザIDを入力するためのユーザID入力ボックス142、ログイン情報の一つであるパスワードを入力するためのパスワード入力ボックス143、遠隔接続ボタン144、終了ボタン145等によって構成される。尚、ユーザIDに代えて、ユーザ名をログイン情報としても良いが、以下ではユーザIDをログイン情報として説明する。
【0064】
依頼先端末2bは、ユーザから遠隔接続画面140の表示の指示を受け付けると、サーバ3から店舗テーブル10の情報を取得し、接続先店舗一覧表示部141に表示する。ユーザが、接続先店舗一覧表示部141にて所望の接続先店舗を選択し、ユーザID入力ボックス142及びパスワード入力ボックス143にユーザID及びパスワードを入力し、遠隔接続ボタン144を押下すると、依頼先端末2bは、接続先店舗を識別する情報(=接続先店舗の店舗コード)及びログイン情報(=ユーザID及びパスワード)をサーバ3に送信する。
【0065】
図3の説明に戻る。サーバ3は、依頼先端末2bから受信するログイン情報を認証する(ステップS14)。具体的には、サーバ3は、依頼先端末2bから受信するユーザIDを検索条件としてアカウントテーブル20のユーザID22を検索し、依頼先端末2bから受信するパスワードがアカウントテーブル20のパスワード24と一致するか否かを確認し、一致すれば認証成功と判定する。
【0066】
次に、サーバ3は、ログイン情報の認証に成功すると、ユーザのアカウントが接続先店舗への遠隔接続を行う権限があるか否かを確認する(ステップS15)。具体的には、サーバ3は、ステップS14において認証されたユーザID22に関するアカウントテーブル20のアカウントID21を取得し、アカウントテーブル20のアカウントID21及び依頼先端末2bから受信する接続先店舗の店舗コードを検索条件としてアカウント権限テーブル30のアカウントID及び店舗コード32を検索し、データが存在すれば権限ありと判定する。
【0067】
次に、サーバ3は、遠隔接続を行う権限があることを確認すると、接続先店舗の端末2(=依頼元端末2a)に遠隔接続を行うための遠隔接続情報を依頼先端末2bに送信する(ステップS16)。具体的には、サーバ3は、依頼先端末2bから受信する接続先店舗の店舗コードを検索条件として店舗遠隔接続テーブル40の店舗コード41を検索し、IPアドレス42、遠隔接続用ユーザ名43及び遠隔接続用パスワード44を取得し、これらを遠隔接続情報として依頼先端末2bに送信する。
【0068】
尚、サーバ3は、ステップS14におけるログイン情報の認証が失敗するか、又は遠隔接続の権限が無いことを確認すると、遠隔接続ができない旨のメッセージを依頼先端末2bに送信する。
【0069】
依頼先端末2bは、サーバ3から受信する遠隔接続情報に基づいて、OSが提供する遠隔接続異能を利用して依頼元端末2aに遠隔接続を行い、依頼元端末2aとともに遠隔接続による処方箋入力処理を実行する(ステップS17)。ここで、依頼先端末2bは、サーバ3から受信する遠隔接続情報を表示部に表示することなく、バックグラウンド処理によって遠隔接続を開始する。これによって、ユーザに対して遠隔接続情報を秘匿にしたまま他店舗の遠隔接続を可能とする。
【0070】
依頼先端末2bは、ユーザから作業終了の入力を受け付け(ステップS18)、作業終了の情報をサーバ3に送信する(ステップS19)。サーバ3は、依頼先端末2bから受信する情報に基づいて依頼情報を更新する(ステップS20)。
【0071】
ユーザが、図5の依頼管理画面90において所望のデータにおける終了チェック91kをチェックすると、依頼先端末2bは、そのデータの処方箋IDと終了フラグの更新要求をサーバ3に送信する。サーバ3は、依頼先端末2bから受信する処方箋IDを検索条件として依頼テーブル50の依頼ID51を検索し、終了フラグ60を「終了」に更新する。
【0072】
以上の通り、本実施形態における薬局業務支援システム1は、依頼元端末2aが、依頼先店舗を識別する依頼先店舗識別情報及び依頼元店舗を識別する依頼元店舗識別情報を含む依頼内容をサーバ3に送信する依頼内容送信手段と、サーバ3又は依頼元端末2aが、依頼元店舗から依頼があったことを示す通知情報を依頼先端末2b或いは依頼元店舗に設置される機器(=複合機5等のファクシミリ機能を有する機器)に送信する通知情報送信手段と、サーバ3が、遠隔から依頼元端末2aに接続するための遠隔接続情報を依頼先端末2bに送信する遠隔接続情報送信手段と、依頼先端末2bが、サーバ3から受信する遠隔接続情報に基づいて、依頼元端末2aに遠隔接続を行う遠隔接続手段と、を備える。これによって、余裕がある店舗の人員が、一時的に人員不足になっている店舗におけるコンピュータシステム上の薬局業務をサポートできるので、薬局グループ全体の人的配置を効率化でき、システム導入の費用対効果が高い。
【0073】
また、薬局業務支援システム1は、サーバ3が、ユーザが薬局業務支援システム1にログインするためのログイン情報を含むアカウント情報を記憶するアカウント情報記憶手段(アカウントテーブル20)と、サーバ3が、店舗ごとの遠隔接続情報を含む店舗遠隔接続情報を記憶する店舗遠隔接続情報記憶手段(店舗遠隔接続テーブル40)と、依頼先端末2bが、アカウントが薬局業務支援システム1にログインするためのログイン情報を受け付け、ログイン情報と、依頼元店舗識別情報を含む遠隔接続要求とをサーバ3に送信する遠隔接続要求送信手段と、サーバ3が、依頼先端末2bから遠隔接続要求を受信すると、アカウント情報に基づいて、依頼先端末2bから受信するログイン情報を認証するログイン情報認証手段と、を更に備え、遠隔接続情報送信手段は、ログイン情報認証手段によってログイン情報の認証が成功した場合、依頼元店舗識別情報に関する遠隔接続情報を依頼先端末2bに送信し、遠隔接続手段は、サーバ3から受信する遠隔接続情報を表示することなく、遠隔接続を開始しても良い。これによって、ユーザに対して遠隔接続情報を秘匿にしたまま他店舗の遠隔接続を可能とする。従って、OSが提供する遠隔接続機能を利用してもセキュリティレベルを下げることなく、薬局業務支援システム1を導入できるので、特有の遠隔接続機能の構築が不要であり、システム導入の費用対効果が高い。
【0074】
また、薬局業務支援システム1は、サーバ3が、アカウントが遠隔接続を行う権限を有する店舗を示すアカウント権限情報を記憶するアカウント権限情報記憶手段(アカウント権限テーブル30)と、サーバ3が、依頼先端末2bから遠隔接続要求を受信すると、アカウント権限情報に基づいて、依頼先端末2bから受信するログイン情報に係るアカウントが、依頼元店舗識別情報に関する店舗について遠隔接続を行う権限を有するか否かを確認するアカウント権限確認手段と、を更に備え、遠隔接続情報送信手段は、ログイン情報認証手段によってログイン情報の認証が成功し、アカウント権限確認手段によってアカウントの権限が確認できた場合、遠隔接続情報を依頼先端末2bに送信しても良い。これによって、人員の役職に応じて遠隔接続可能な店舗を制限できるので、薬局グループ全体の人的配置を効率化でき、システム導入の費用対効果が高い。
【0075】
また、本実施形態における薬局業務は、処方箋の入力業務であり、依頼元端末2aには、処方箋を取り込むスキャナ機器(=スキャナ機能を有する機器)が接続され、依頼内容送信手段は、処方箋が画像化された処方箋画像をスキャナ機器から取得すると、依頼元店舗識別情報及び依頼先店舗識別情報と一緒に処方箋画像を自動的にサーバ3に送信し、通知情報送信手段は、依頼元端末2aから依頼元店舗識別情報及び依頼先店舗識別情報と一緒に処方箋画像を受信すると、通知情報を依頼先端末2b或いは依頼先店舗に設置される機器に送信しても良い。これによって、依頼元店舗のユーザは、予め依頼先店舗識別情報を設定し、処方箋画像の送信方法を「自動送信」に設定しておくことで、処方箋をスキャナ機器にスキャンさせるだけで処方箋の入力業務を依頼できるので、ユーザの負担が少なく、システム導入の費用対効果が高い。
【0076】
また、薬局業務支援システム1は、サーバ3が、依頼内容を含む依頼情報を記憶する依頼情報記憶手段(依頼テーブル50)と、サーバ3が、依頼元端末2a又は依頼先端末2bからの要求に応じて、依頼情報を表示する依頼情報表示手段と、を更に備え、依頼内容送信手段は、処方箋の情報を取得するための二次元バーコードが処方箋に印刷されている場合、二次元バーコードの読取処理を実行し、二次元バーコードの読取結果を依頼内容としてサーバ3に送信するようにしても良い。これによって、依頼先店舗のユーザは、依頼を処理するための負荷を推測できるので、依頼を受けて良いかや、誰が作業すべきか等の判断が容易になり、システム導入の費用対効果が高い。
【0077】
尚、図3に示すフローチャートでは、依頼先店舗のユーザによる入力に基づいて、依頼テーブル50の入力中店舗54の登録(ステップS9乃至S11)や、終了フラグ60の更新(ステップS18乃至S20)を実行するものとしたが、これらの処理は、依頼先店舗のユーザによる入力を行わずに、サーバ3が適切なタイミングで自動的に実行しても良い。
【0078】
例えば、処方箋の入力業務を支援するコンピュータシステムが本発明の実施形態における薬局業務支援システム1である場合、依頼先端末2bが、依頼元端末2aに遠隔接続を行い、サーバ3に対して依頼ID51に対応する処方箋IDの処方箋入力の開始要求を送信すると、サーバ3は、依頼テーブル50の入力中店舗54を依頼先端末2bに関する店舗コードで更新する。また、依頼先端末2bが、依頼元端末2aに遠隔接続中であって、サーバ3に対して依頼ID51に対応する処方箋IDの処方箋入力の終了要求を送信すると、サーバ3は、依頼テーブル50の終了フラグ60を「終了」に更新する。
【0079】
また、例えば、処方箋の入力業務を支援するコンピュータシステムが本発明の実施形態における薬局業務支援システム1と別システムである場合、サーバ3は、遠隔接続情報を依頼先端末2bに送信するタイミングで、依頼テーブル50の入力中店舗54を依頼先端末2bに関する店舗コードで更新する。また、依頼先端末2bは、依頼元端末2aの遠隔接続を終了すると、作業終了の情報をサーバ3に送信し、サーバ3は、依頼テーブル50の終了フラグ60を「終了」に更新する。
【0080】
このように、サーバ3が適切なタイミングで依頼テーブル50の入力中店舗54の登録や、終了フラグ60の更新を自動的に行うことによって、依頼先店舗のユーザの作業手順が減少するので、ユーザの負担が少なく、システム導入の費用対効果が高い。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る薬局業務支援システムの好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0082】
1………薬局業務支援システム
2………端末
2a………依頼元端末
2b………依頼先端末
3………サーバ
4………スキャナ
5………複合機
6………ネットワーク
10………店舗テーブル
20………アカウントテーブル
30………アカウント権限テーブル
40………店舗遠隔接続テーブル
50………依頼テーブル
70………スキャンモニタ画面
80………依頼先店舗設定画面
90………依頼管理画面
100………依頼先店舗選択画面
110………入力中店舗選択画面
120………依頼通知画面
130………指示一覧画面
140………遠隔接続画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8