特開 2024-176563 ボルトマーキング用吐出具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024176563

(43)【公開日】2024-12-19

(54)【発明の名称】ボルトマーキング用吐出具

(51)【国際特許分類】

   B05B 1/28 20060101AFI20241212BHJP

   B65D 83/30 20060101ALI20241212BHJP

   B05B 9/04 20060101ALI20241212BHJP

   B05B 14/30 20180101ALI20241212BHJP

【ＦＩ】

B05B1/28

B65D83/30

B05B9/04

B05B14/30

【審査請求】有

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023095154

(22)【出願日】2023-06-09

(11)【特許番号】

(45)【特許公報発行日】2024-03-21

(71)【出願人】

【識別番号】319009222

【氏名又は名称】オングリットホールディングス株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100177220

【弁理士】

【氏名又は名称】小木 智彦

(72)【発明者】

【氏名】森川 歩

(72)【発明者】

【氏名】池田 晶

【テーマコード（参考）】

3E014

4D073

4F033

【Ｆターム（参考）】

3E014PA01

3E014PB01

3E014PD01

3E014PE14

3E014PE17

3E014PE24

3E014PF10

4D073DB04

4D073DB08

4D073DB18

4D073DB19

4D073DB26

4D073DB43

4F033AA01

4F033BA03

4F033EA01

4F033LA01

4F033RA02

4F033RB08

4F033RC24

(57)【要約】

【課題】構造が簡単で、簡便にボルトマーキング作業を適切に行える実用性が高いボルトマーキング用吐出具を提供する。
【解決手段】エアゾール１００に装着され、前記エアゾール内の塗料を吐出してボルトにマーキングを施すためのボルトマーキング用吐出具であり、前記エアゾールのアクチュエータの噴口側に接続され、前記アクチュエータの操作に応じて前記エアゾール内から噴射される塗料を通流する上下方向に細長いスリット状の内部流路２１を形成するガイド部２と、前記ガイド部２の先端に設けられ外部への塗料の噴射口となるスリット状噴射口３と、を備える。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

エアゾールに装着され、前記エアゾール内の塗料を吐出してボルトにマーキングを施すためのボルトマーキング用吐出具であり、
前記エアゾールのアクチュエータの噴口側に接続され、前記アクチュエータの操作に応じて前記エアゾール内から噴射される塗料を通流する上下方向に細長いスリット状の内部流路を形成するガイド部と、
前記ガイド部の先端に設けられ外部への塗料の噴射口となるスリット状噴射口と、を備えたことを特徴とするボルトマーキング用吐出具。

【請求項2】

前記ガイド部は、前記エアゾールの前記アクチュエータに接続され、前記内部流路が前記アクチュエータとの接続側から前記スリット状噴射口に向けて次第に上下幅が拡大するように形成されたノズル筒体からなることを特徴とする請求項１記載のボルトマーキング用吐出具。

【請求項3】

前記ノズル筒体の前記スリット状噴射口の近傍には、前記ノズル筒体の前記内部流路に残る塗料を排出する排出部が設けられたことを特徴とする請求項２記載のボルトマーキング用吐出具。

【請求項4】

前記排出部に接続され、前記ノズル筒体から前記排出部を介して排出される塗料を受け止める貯液部が設けられたことを特徴とする請求項３記載のボルトマーキング用吐出具。

【請求項5】

前記ノズル筒体の内部であって前記スリット状噴射口の近傍に、内部流路に連通して塗料を受け止める塗料受部が一体的に設けられたことを特徴とする請求項２又は３記載のボルトマーキング用吐出具。

【請求項6】

前記ガイド部は、前記エアゾールの容器上端部に着脱可能に装着されるカバーユニットに一体的に設けられたことを特徴とする請求項１記載のボルトマーキング用吐出具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、エアゾールに装着され、ボルトのマーキングに使用されるボルトマーキング用吐出具に関する。

【背景技術】

【0002】

建築物、土木施設、自動車や航空機、各種装置等、様々な場面で締結部品としてボルト・ナットが広く利用されている。

【0003】

ボルトによる締結では、ボルトの締め付け忘れや締め付け量等を確認するための締め付けマーキングや、ボルトの緩みがないかを確認するための合いマーク等のマーキングが施される。図７に示すように、合いマーク等のボルトマーキングＢＭは、ボルト２０１・ナット２０２・ワッシャ２０３・締結される母材２０４等にわたって略直線状に施され、マーキングの角度のずれ等で締め付け状態や緩み等を目視確認している。

【0004】

従来、ボルトマーキング作業は、マーカーペンで手作業で行われているが、煩雑で効率が悪く、特にボルト数が多数の場合には労力・時間がかかる等の問題が生じている。それに対し、簡便にボルトマーキングを施すことができるエアゾール式ボルトマーキング用具も提案されている（例えば、特許文献１参照）。

【0005】

例えば、特許文献１では、ボルト、ナット及びワッシャ並びにワッシャ下側の部材表面からなる輪郭に沿ってこれらの全部又は一部を被覆するボルト被覆部と、該ボルト被覆部に対して縦に開口し、噴霧したマーキング液が流通するスリットとを備えたエアゾール式ボルトマーキング用具であって、前記スリットは、少なくとも前記開口の縁部に対向する起毛状体を備えたエアゾール式ボルトマーキング用具が開示されている。そして、ボルト、ナット等にボルト被覆部を被せるようにしてマーキング用具をセットし、マーキング液を充填したエアゾール容器のステムをステム受け口に挿入及び押圧してエアゾール容器を噴射状態にし、前記スリットの形状に沿った鮮明なマーキングを施すことができるものであった。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【特許文献1】特開２０１４－２３１１３１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

しかしながら、特許文献１のマーキング用具では、ボルトやナットの形状に合わせたボルト被覆部を設ける必要があるので、ボルト等のサイズごとに製造する必要があり汎用性にも劣り、製造コストも高くなる恐れがあった。さらに、マーキングを施す作業の際は、ボルト・ナット等とボルト被覆部との位置合わせ作業等が煩雑で使い勝手におとる問題があった。

【0008】

本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、簡便にボルトマーキング作業を適切に行える実用性が高いボルトマーキング用吐出具を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上記課題を解決するために本発明のボルトマーキング用吐出具１は、エアゾールに装着され、前記エアゾール内の塗料を吐出してボルトにマーキングを施すためのボルトマーキング用吐出具であり、前記エアゾールのアクチュエータの噴口側に接続され、前記アクチュエータの操作に応じて前記エアゾール内から噴射される塗料を通流する上下方向に細長いスリット状の内部流路を形成するガイド部と、前記ガイド部の先端に設けられ外部への塗料の噴射口となるスリット状噴射口と、を備える。

【0010】

また、前記ガイド部は、前記エアゾールのステムに直接又は間接的に接続され、前記内部流路が前記ステム側から前記スリット状噴射口に向けて次第に上下幅が拡大するように形成されたノズル筒体からなることとしてもよい。

【0011】

また、前記ノズル筒体のスリット状噴射口の近傍には、前記ノズル筒体の内部流路に残る塗料を排出する排出部が設けられたこととしてもよい。

【0012】

また、前記排出部に接続され、前記ノズル筒体から前記排出部を介して排出される塗料を受け止める貯液部が設けられたこととしてもよい。

【0013】

また、前記ガイド部は、前記エアゾールの容器上端部に着脱可能に装着されるカバーユニットに一体的に設けられたこととしてもよい。

【発明の効果】

【0014】

本発明のボルトマーキング用吐出具によれば、エアゾールに装着され、前記エアゾール内の塗料を吐出してボルトにマーキングを施すためのボルトマーキング用吐出具であり、
前記エアゾールのアクチュエータの噴口側に接続され、前記アクチュエータの操作に応じて前記エアゾール内から噴射される塗料を通流する上下方向に細長いスリット状の内部流路を形成するガイド部と、前記ガイド部の先端に設けられ外部への塗料の噴射口となるスリット状噴射口と、を備えることから、構造が簡単で低コストで製造できるとともに、該スリット状噴射口をボルト等に近付けて、エアゾールのアクチュエータを操作するだけで、簡便かつ適切に、短時間で効率よくボルトマーキングを施すことができる。これにより実用性が高いボルトマーキング用具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本発明の第１の実施形態に係るボルトマーキング用吐出具の斜視図である。

【図2】図１のボルトマーキング用吐出具の要部の縦断面図である。

【図3】図１のボルトマーキング用吐出具をエアゾールに装着した状態の側面図である。

【図4】図１のボルトマーキング用吐出具の作用説明図である。

【図5】本発明の第２の実施形態に係るボルトマーキング用吐出具の斜視図である。

【図6】（ａ）本発明の第３の実施形態に係るボルトマーキング用吐出具の斜視図で、（ｂ）同ボルトマーキング用吐出具の平面図である。

【図7】ボルトにマーキングした状態を示す説明図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

以下、添付図面を参照しつつ本発明のボルトマーキング用吐出具の実施の形態について説明する。本発明のボルトマーキング用吐出具は、エアゾール（スプレー）に装着され、該エアゾール内の塗料を線状に吐出するための吐出具であり、ボルトの締め付け状態や緩みを確認するために、図７のようにボルト等に線状のマーキングを施すために使用されるボルトマーキング用具である。

【0017】

図１ないし図３は、本発明に係るボルトマーキング用吐出具１の第１実施形態を示している。図１、図２、図３に示すように、本実施形態では、ボルトマーキング用吐出具（以下、単に「吐出具」ともいう）１は、エアゾール１００から噴射される塗料を通流する内部流路２１を形成したガイド部２と、該ガイド部２の先端側に設けられたスリット状噴射口３と、を備えている。

【0018】

本実施形態のボルトマーキング用吐出具１が装着されるエアゾール１００は、詳細な説明は省略するが、塗料を噴射しうる従来周知のものが利用できる。

【0019】

エアゾール１００は、容器１０１内に塗料や噴射用ガスが封入されており、容器１０１の上端側を閉鎖するマウンティングカップ１０２の中央にバルブ本体１０３が設けられている。バルブ本体１０３には、塗料噴射操作用のアクチュエータ１０４が連結されており、例えば、アクチュエータ１０４を押し下げ操作することによって、バルブ本体１０３のステムが下がると、容器１０１内のガスの圧力により、塗料がバルブ本体１０３のステム、アクチュエータ１０４を通ってその噴口１０５から噴出される。

【0020】

本実施形態では、ガイド部２及びスリット状噴射口３は、例えば、アクチュエータ１０４の噴口に接続されるノズル筒体４で構成されている。

【0021】

図１、図２、図３に示すように、ノズル筒体４は、スリット状噴射口３とは反対側となる基端側にエアゾール１００のアクチュエータ１０４との連結部４１が設けられている。連結部４１は、アクチュエータ側が開口されており、該アクチュエータ１０４の噴口に内部流路２１の基部側を臨ませるように接続させる。

【0022】

ノズル筒体４は、左右に平行に対向配置された２つの左右壁部４ａと、２つの左右壁部４ａ間の上下を閉鎖する上壁部４ｂと下壁部４ｃとが一体的に設けられてガイド部２を形成しており、それらの壁部４ａ，４ｂ，４ｃで囲まれた内部に塗料の内部流路２１が形成されている。

【0023】

本実施形態では、ノズル筒体４は、硬質プラスチック等からなり、左右壁部４ａが側面視で変形台形状に形成されており、上壁部４ｂと下壁部４ｃと一部が略横向きのハ字状に設けられている。２つの左右壁部４ａは、比較的狭い間隙で対向配置されて構成されており、上下方向に長いスリット状の内部流路２１を形成する。

【0024】

ノズル筒体４の連結部４１は、例えば、略角筒状に設けられており、ガイド部２を形成する壁部４ａ、４ｂ、４ｃに一体的に形成されている。なお、連結部４１の形状は任意でよい。また、ノズル筒体４とアクチュエータと一体的に設けることとしてもよい。

【0025】

ガイド部２は、一端側がエアゾール１００のアクチュエータ１０４の噴口に接続される内部流路２１を形成し、該バルブ本体１０３から噴射される塗料を他端側のスリット状噴射口３までガイドする。すなわち、ガイド部２は、エアゾール１００のアクチュエータ１０４から吐出される塗料が左右方向に広がらないように規制しながら塗料をガイドしてスリット状噴射口３から塗料を縦長線状の態様で吐出させるためのスリット状のガイド手段である。

【0026】

本実施形態では、ガイド部２は、上述のように略台形状のノズル筒体４で構成されているので、該ガイド部２の内部流路２１は、左右幅は一定であるが、上下幅はアクチュエータ１０４側が小さく、スリット状噴射口３に向けて次第に大きくなるように形成され、先端部側では一定の上下幅となりスリット状噴射口３に連通接続されている。

【0027】

スリット状噴射口３は、ガイド部２の先端側に内部流路２１に連通して設けられ、上下方向に細長く形成されている。本実施形態では、スリット状噴射口３は、例えば、内部流路２１の端部側の左右幅及び上下幅と同じ幅で設定されている。なお、スリット状噴射口３は、例えば、内部流路２１の左右幅、上下よりも小さいサイズのスリットで設けることとしてもよい。本実施形態では、スリット状噴射口３のサイズは、例えば、左右幅が２ｍｍ、上下幅が４０ｍｍに設定されている。

【0028】

このようにガイド部の内部流路２１とスリット状噴射口３を設けることにより、エアゾールから噴射される該塗料は上下方向に細長いスリット状の内部流路２１にガイドされて横広がりを規制されつつガイドされ、スリット状噴射口３から縦長線状の形態で上下方向に広がって噴射させることができる。

【0029】

さらに、ノズル筒体４には、図１、図２に示すように、内部流路２１に残る塗料を流路外に排出する排出部５と、該排出部５に接続された貯液部６と、が設けられている。

【0030】

排出部５は、例えば、ノズル筒体４のスリット状噴射口３の近傍位置に設けられ、該ノズル筒体４の下壁部４ｃの一部に上下に貫通して設けられる排出口５１を介して内部連通状態で設けられている。排出部５は、例えば、角筒状に形成されており、上端をノズル筒体４に内部連通状態で連結し、下端を貯液部６に連結されている。

【0031】

貯液部６は、排出部５を介してガイド部２の内部流路２１から排出される残塗料を受け止めて貯める液溜め部である。本実施形態では、貯液部６は、例えば、直方体状で中空内部空間が形成された容器６１と、排出部５に連結された蓋部６２とを有する。貯液部６に塗料が溜まったら、蓋部６２を外して廃棄し、再度取り付けて使用できる。

【0032】

このようにノズル筒体４に排出部５及び貯液部６を設けたことにより、良好に塗料の液垂れを防止しながら連続してボルトマーキング作業を行うことができる。

【0033】

図１に示すように、ノズル筒体４のスリット状噴射口３の上端側には、スリット状噴射口３の下端縁よりも前方に突出した突設縁部７が設けられている。この突設縁部７により、スリット状噴射口３から噴射される塗料の上方への広がりをある程度規制でき、マーキング位置を調整しやすく、不要な部分にマーキングされるのを防止できる。

【0034】

なお、ガイド部２やその内部流路２１、スリット状噴射口３，ノズル筒体４のサイズ・形状等は塗料を線状に噴射しうるようなスリット状の構成であれば任意でもよい。また、例えば、排出部５や貯液部６を設けない構成としてもよい。

【0035】

図４に示すように、ボルトに締め付けマーキングや合いマーク等のマーキングを施す際には、エアゾール１００に吐出具１を装着しておき、スリット状噴射口３をマーキング対象のボルトに近付けて、ボルト２０１、ナット２０２、ワッシャ２０３、連結される母材２０４にまたがるように目視で位置合わせする。そして、アクチュエータ１０４を押し下げ操作すると、エアゾール１００内の塗料がバルブ本体１０３のステム、アクチュエータ１０４を通り、さらにガイド部2の内部流路２１を介してスリット状噴射口３から噴射される。上述のように内部流路２１は、左右幅が一定で上下方向に細長いスリット状に形成されているので、塗料の横方向への広がりを規制しつつ、上下方向へは所定の幅で広がってスリット状噴射口３から直線状に広がった形態で噴射されることとなる。その結果、図７に示すように、ボルト２０１、ナット２０２、ワッシャ２０３、母材２０４にわたって直線状のボルトマーキングＢＭを良好に施すことができる。

【0036】

次に図５を参照しつつ、ボルトマーキング用吐出口の第２実施形態について説明する。上記実施形態と同一部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。

【0037】

本実施形態に係るボルトマーキング用吐出具１－２は、上記実施形態同様に、スリット状の内部流路２１を形成するガイド部２と、スリット状噴射口３と、を備える。さらに、ガイド部２とスリット状噴射口３はノズル筒体４で構成されている。

【0038】

本実施形態では、前記実施形態とは、ノズル筒体４の構成が若干異なっている。図５に示すように、ノズル筒体４の内部に塗料を受け止める塗料受部８が一体的に設けられている。

【0039】

塗料受部８は、ノズル筒体４の内部であってスリット状噴射口の近傍に設けられている。塗料受部８は、スリット状噴射口３の下端よりも下方に凹設された空間部分で実現されており、内部流路２１に連通して設けられている。

【0040】

本実施形態では、塗料受部８は、例えば、対向配置する左右壁部４ａの下端側をスリット状噴射口３の位置から下方に三角形状に突設させつつ、下壁部４ｃで閉鎖されて設けられて、内部流路２１と同じ幅の空間で設けられている。

【0041】

塗料受部８を形成している三角形の下端部分には、該塗料受部８に溜まる塗料を排出する排出部５が設けられている。例えば、排出部５に開閉蓋を設けて置き、塗料受部８内に塗料が溜まった際には排出部５を開口して外部に排出することができる。

【0042】

本実施形態でも、前記実施形態同様に、簡便かつ短時間で、連続的にボルトマーキング作業を行える等の作用効果を奏しうる。

【0043】

次に図６を参照しつつ、ボルトマーキング用吐出口の第３の実施形態について説明する。上記実施形態と同一部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。

【0044】

本実施形態でも、ボルトマーキング用吐出具１－３は、上記実施形態同様に、スリット状の内部流路２１を形成するガイド部２と、スリット状噴射口３と、を備える。本実施形態では、前記実施形態とは異なり、ガイド部２は、エアゾール１００の容器上端部にキャップ状に着脱可能に装着されるカバーユニット９に一体的に設けられている。

【0045】

カバーユニット９は、エアゾール１００の容器１０１の上端部に篏合状に着脱装着するように設けられる周壁部９１と、上端を閉鎖する天壁部９２とエアゾールのバルブ本体１０３やアクチュエータ１０４を受け入れるように周壁部９１から平面視Ｕ字状に凹設された収容凹部９３と、収容凹部９３の内側を閉鎖する内壁部９４と、が一体的に形成されている。

【0046】

ガイド部２は、例えば、比較的狭い間隙で平行に対向配置された２つの対向壁部４ｄで構成されて、上下方向に細長いスリット状の内部流路２１を形成している。ガイド部２は、エアゾール１００の容器１０１上端部にカバーユニット９を装着した際に、収容凹部９３に配置されるアクチュエータ１０４の位置に対応するように、対向壁部４ｄの一端側を内壁部９４を貫通しつつ収容凹部９３側に突設させて配置されている。さらに、ガイド部２の対向壁部４ｄは、カバーユニット９を直線状に貫通しつつ、スリット状噴射口３に連通する他端側を外部に臨ませるように設けられている。

【0047】

スリット状噴射口３は、カバーユニット９の周壁部９１の一部を若干外側に膨出させて設けられている。なお、カバーユニット

【0048】

例えば、従来のエアゾール１００の上端にカバーユニット９を装着し、アクチュエータ１０４にガイド部２を位置あわせし、収容凹部９３に作業者の指を入れて該アクチュエータを操作することにより、ガイド部２の内部流路２１を通ってスリット状噴射口３か線状に塗料が噴出され、簡便かつ短時間で図７に示すようなボルトマーキング作業を行える。

【0049】

以上説明した本発明のボルトマーキング用吐出具は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。

【産業上の利用分野】

【0050】

本発明のボルトマーキング用吐出具は、エアゾールに装着されてボルトにマーキングするのに良好に適用できる。

【符号の説明】

【0051】

１ ボルトマーキング用吐出具
２ ガイド部
２１ 内部流路
３ スリット状噴射口
４ ノズル筒体
５ 排出部
６ 貯液部
７ 突設縁部
８ 塗料受部
９ カバーユニット

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【手続補正書】

【提出日】2023-12-27

【手続補正1】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【請求項1】

エアゾールに装着され、前記エアゾール内の塗料を吐出してボルトにマーキングを施すためのボルトマーキング用吐出具であり、
前記エアゾールの上端側のバルブ本体に連結されるアクチュエータの横向きの噴口側に接続され、前記アクチュエータの操作に応じて前記エアゾール内から前記アクチュエータの噴口を介して横向きに噴射される塗料を噴射方向に沿って通流させるガイド部であって、該横向きの噴射方向に交差する上下方向に細長いスリット状の内部流路を形成するガイド部と、
前記ガイド部の前記噴口に対向した噴射方向の先端に前記内部流路に連通して設けられ外部への塗料の噴射口となるスリット状噴射口と、を備え、
前記スリット状噴射口が設けられている前記ガイド部の先端が側面視で直線状に形成されるとともに、前記スリット状噴射口が面一な長方形状に設けられたことを特徴とするボルトマーキング用吐出具。

【請求項2】

前記ガイド部は、前記エアゾールの前記アクチュエータに接続され、前記内部流路が前記アクチュエータとの接続側から前記スリット状噴射口に向けて次第に上下幅が拡大するように形成されたノズル筒体からなることを特徴とする請求項１記載のボルトマーキング用吐出具。

【請求項3】

前記ノズル筒体の前記スリット状噴射口の近傍には、前記ノズル筒体の前記内部流路に残る塗料を排出する排出部が設けられたことを特徴とする請求項２記載のボルトマーキング用吐出具。

【請求項4】

前記排出部に接続され、前記ノズル筒体から前記排出部を介して排出される塗料を受け止める貯液部が設けられたことを特徴とする請求項３記載のボルトマーキング用吐出具。

【請求項5】

前記ノズル筒体の内部であって前記スリット状噴射口の近傍に、内部流路に連通して塗料を受け止める塗料受部が一体的に設けられたことを特徴とする請求項２又は３記載のボルトマーキング用吐出具。

【請求項6】

前記ガイド部は、前記エアゾールの容器上端部に嵌合状に着脱可能に装着されるカバーユニットに一体的に設けられたことを特徴とする請求項１記載のボルトマーキング用吐出具。

【手続補正2】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0009】

上記課題を解決するために本発明のボルトマーキング用吐出具は、エアゾールに装着され、前記エアゾール内の塗料を吐出してボルトにマーキングを施すためのボルトマーキング用吐出具であり、前記エアゾールの上端側のバルブ本体に連結されるアクチュエータの横向きの噴口側に接続され、前記アクチュエータの操作に応じて前記エアゾール内から前記アクチュエータの噴口を介して横向きに噴射される塗料を噴射方向に沿って通流させるガイド部であって、該横向きの噴射方向に交差する上下方向に細長いスリット状の内部流路を形成するガイド部と、前記ガイド部の前記噴口に対向した噴射方向の先端に前記内部流路に連通して設けられ外部への塗料の噴射口となるスリット状噴射口と、を備え、前記スリット状噴射口が設けられている前記ガイド部の先端が側面視で直線状に形成されるとともに、前記スリット状噴射口が面一な長方形状に設けられる。

【手続補正3】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図3】

【手続補正4】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図５

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図5】