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  • 特開-発電機の負荷制御方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176565
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】発電機の負荷制御方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 9/10 20060101AFI20241212BHJP
   H02P 9/04 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H02P9/10 Z
H02P9/04 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095158
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】魚本 雄太
【テーマコード(参考)】
5H590
【Fターム(参考)】
5H590AA23
5H590AB03
5H590CA07
5H590CA23
5H590CE05
5H590EA07
5H590EB12
5H590EB13
5H590FA06
5H590GA02
5H590GA05
5H590JA08
(57)【要約】
【課題】制御モード切換時に生じる発電電流の過渡的な上昇による内燃機関のアイドル回転速度の変動を抑制する。
【解決手段】内燃機関のアイドル運転中は、発電機の制御モードが界磁電流制限制御であり、界磁電流指令値C1を小さくすることで、許容されるトルクに対応した発電機トルクとなる。時間t1においてバッテリSOCの低下などで電圧要求があると、界磁電流指令値C1をt1時点の値に保持したまま電圧指令値C2が電圧制限制御用の目標値へと徐々に変化する。電圧指令値C2が目標値に到達(時間t2)したら、界磁電流指令値C1の変更を開始する。時間t1~t2の間は、発電電流が界磁電流指令値C1によって制限されるので、発電機トルクの過渡的な上昇が生じない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の動力によって駆動される発電機の制御モードとして、界磁電流を界磁電流指令値に沿って制限する界磁電流制限制御と、電圧を電圧指令値に沿って制限する電圧制限制御と、を有し、両者を要求に応じて切り換える発電機の負荷制御方法において、
界磁電流制限制御から電圧制限制御に切り換えるときに、界磁電流指令値を切換直前の値に保持したまま電圧指令値を電圧制限制御における目標値へと徐々に変化させ、目標値に達したら界磁電流指令値の変更を開始する、
発電機の負荷制御方法。
【請求項2】
内燃機関の動力によって駆動される発電機の制御モードとして、界磁電流を界磁電流指令値に沿って制限する界磁電流制限制御と、電圧を電圧指令値に沿って制限する電圧制限制御と、を有し、両者を要求に応じて切り換える発電機の負荷制御方法において、
電圧制限制御から界磁電流制限制御に切り換えるときに、電圧指令値を切換直前の値に保持したまま界磁電流指令値を界磁電流制限制御における目標値へと徐々に変化させ、目標値に達したら電圧指令値の変更を開始する、
発電機の負荷制御方法。
【請求項3】
上記内燃機関は、車両を駆動する内燃機関であり、
この内燃機関のアイドル運転中は、上記界磁電流制限制御を優先して行い、電圧要求がある場合に電圧制限制御に切り換える、
請求項1に記載の発電機の負荷制御方法。
【請求項4】
上記界磁電流指令値は、界磁電流制限制御においては、発電機駆動のために許容される許容トルクに応じた制限値に制御され、電圧制限制御においては、相対的に大きな所定の最大値となる、
請求項1または2に記載の発電機の負荷制御方法。
【請求項5】
上記電圧指令値は、電圧制限制御においては、要求に応じた目標値に制御され、界磁電流制限制御においては、相対的に高い所定の最大値となる、
請求項1または2に記載の発電機の負荷制御方法。
【請求項6】
内燃機関の動力によって駆動される発電機と、
この発電機の制御モードとして、界磁電流を界磁電流指令値に沿って制限する界磁電流制限制御と、電圧を電圧指令値に沿って制限する電圧制限制御と、を有し、両者を要求に応じて切り換えるコントローラと、
を備えた発電機の負荷制御装置であって、
上記コントローラは、
界磁電流制限制御から電圧制限制御に切り換えるときに、界磁電流指令値を切換直前の値に保持したまま電圧指令値を電圧制限制御における目標値へと徐々に変化させ、目標値に達したら界磁電流指令値の変更を開始する、
発電機の負荷制御装置。
【請求項7】
内燃機関の動力によって駆動される発電機と、
この発電機の制御モードとして、界磁電流を界磁電流指令値に沿って制限する界磁電流制限制御と、電圧を電圧指令値に沿って制限する電圧制限制御と、を有し、両者を要求に応じて切り換えるコントローラと、
を備えた発電機の負荷制御装置であって、
上記コントローラは、
電圧制限制御から界磁電流制限制御に切り換えるときに、電圧指令値を切換直前の値に保持したまま界磁電流指令値を界磁電流制限制御における目標値へと徐々に変化させ、目標値に達したら電圧指令値の変更を開始する、
発電機の負荷制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の動力によって駆動される発電機の負荷制御方法および装置に関し、特に、界磁電流制限制御と電圧制限制御の2つの制御モードの間での切換時の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両用内燃機関に補機として設けられる発電機(いわゆるオルタネータ)の制御モードとして、発電機の出力電圧を指示電圧に制御する電圧制御モードと、発電機の出力電流を指示電流に制御する電流制御モードと、を有し、内燃機関の回転速度が低いときには電流制御モードとし、車両減速時には電圧制御モードとする、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-74815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、電流制御モードから電圧制御モードへと切り換えたときに、指示電流の値が電流制御モードでの値から電圧制御モードでの値へと変化し、同時に、指示電圧の値が電流制御モードでの値から電圧制御モードでの値へと変化して、制御モードの切換がなされる。この切換の過渡時においては、指示電流値の変化に伴う発電機出力電流の変化量と指示電圧値の変化に伴う発電機出力電流の変化量とは必ずしも等しくない。そのため、発電機出力電流の一時的な上昇つまり発電機トルク(発電機の駆動に必要なトルク)の一時的な上昇が生じ得る。例えば、内燃機関のアイドル運転中のように内燃機関の目標回転速度が一定であるとすると、発電機トルクの一時的な上昇によって回転速度の変動(一時的な落ち込み)が生じる。電圧制御モードから電流制御モードへ切り換える場合も同様である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、内燃機関の動力によって駆動される発電機の制御モードとして、界磁電流を界磁電流指令値に沿って制限する界磁電流制限制御と、電圧を電圧指令値に沿って制限する電圧制限制御と、を有し、両者を要求に応じて切り換える発電機の負荷制御方法において、
界磁電流制限制御から電圧制限制御に切り換えるときに、界磁電流指令値を切換直前の値に保持したまま電圧指令値を電圧制限制御における目標値へと徐々に変化させ、目標値に達したら界磁電流指令値の変更を開始する。
【0006】
この発明の他の態様では、
電圧制限制御から界磁電流制限制御に切り換えるときに、電圧指令値を切換直前の値に保持したまま界磁電流指令値を界磁電流制限制御における目標値へと徐々に変化させ、目標値に達したら電圧指令値の変更を開始する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、界磁電流制限制御から電圧制限制御に切り換えるとき、あるいは、逆に電圧制限制御から界磁電流制限制御に切り換えるときに、界磁電流指令値および電圧指令値の双方が同時並行に変化することによる出力電流の変動ひいては内燃機関回転速度の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の一実施例の構成を示す構成説明図。
図2】制御モード切換時の処理の流れを示すフローチャート。
図3】界磁電流制限制御から電圧制限制御に切り換えるときの動作を示すタイムチャート。
図4】電圧制限制御から界磁電流制限制御に切り換えるときの動作を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、車両の走行駆動源となる内燃機関1の動力によって発電機2が駆動される一実施例の発電装置の構成を示している。内燃機関1は、例えば火花点火式内燃機関いわゆるガソリン機関であり、圧縮着火を行うディーゼル機関であってもよい。発電機2は、三相交流発電機いわゆるオルタネータであり、内燃機関1のクランクシャフトによって例えばベルト伝動機構3を介して駆動される。発電機2が発電した電力は、バッテリ4および図示しない各種電装品等の電気負荷に供給される。バッテリ4は、例えば公称電圧が12Vの一般的な鉛蓄電池からなる。なお、発電機2の出力電流は、電気負荷に流れる電流とバッテリ4の充放電電流との和である。
【0010】
発電機2は、界磁電流を制御することによって出力電圧を一定に調整するレギュレータ5を一体に備えている。レギュレータ5にはコントローラ6から界磁電流指令値C1と電圧指令値C2とが与えられ、レギュレータ5は、これらの指令値C1,C2に基づいて界磁電流を制御する。詳しくは、界磁電流指令値C1に対応した出力電流(駆動トルク)と電圧指令値C2に対応した出力電流(駆動トルク)との中で相対的に出力電流(駆動トルク)が小さくなる方の指令値に沿って界磁電流が制御される。
【0011】
従って、コントローラ6からレギュレータ5に与えられる界磁電流指令値C1が比較的小さく、かつ電圧指令値C2が十分に高い値(例えば制限を加えない最大値)であれば、制御モードが界磁電流制限制御となり、界磁電流が界磁電流指令値C1に沿って制限される。他方、コントローラ6からレギュレータ5に与えられる界磁電流指令値C1が十分に大きく(例えば制限を加えない最大値)、かつ電圧指令値C2が比較的に低い値であれば、制御モードが電圧制限制御となり、電圧を電圧指令値に制限するように界磁電流が制御される。つまり、コントローラ6は、要求に応じて制御モードを界磁電流制限制御とするか電圧制限制御とするかを決定し、レギュレータ5に与える2つの指令値C1,C2を変更することによって、実質的な制御モードの切換を行う。
【0012】
コントローラ6は、図示しないエンジンコントローラと車内ネットワーク(いわゆるCAN)を介して接続されており、エンジンコントローラからの要求やバッテリ電圧に基づく要求等に応じて制御モードの切換を行う。なお、コントローラ6がエンジンコントローラの一部の機能として構成されていてもよい。
【0013】
一実施例においては、車両の走行中は、基本的に電圧制限制御によって発電が行われる。つまり、目標とする一定の電圧に発電機2の出力電圧が調整される。
【0014】
一方、内燃機関1のアイドル運転中には、比較的に低いアイドル回転速度を安定に維持できるようにするために、界磁電流制限制御が優先して行われる。そして、界磁電流制限制御を行っている間に、例えばバッテリ4のSOCが低下したなどにより電圧要求がある場合は、界磁電流制限制御から電圧制限制御に切り換えられる。
【0015】
図3のタイムチャートは、内燃機関1がアイドル運転中で、初期には界磁電流制限制御がなされており、その後、時間t1において、界磁電流制限制御から電圧制限制御へと制御モードが切り換えられたときの動作を示している。上から順に、(a)電流制限禁止要求フラグ、(b)電圧指令値C2、(c)界磁電流指令値C1、(d)発電電流(出力電流)、(e)内燃機関1の回転速度、を示す。
【0016】
電流制限禁止要求フラグは、オンであるときに界磁電流制限制御を禁止し、オフであるときに界磁電流制限制御を許可することを示しており、エンジンコントローラ等からの制御モード切換要求を示している。従って、時間t1までは電流制限禁止要求フラグはオフであり、時間t1においてオンとなる。
【0017】
時間t1に至るまでの界磁電流制限制御においては、電圧指令値C2は、制限を加えない最大値(例えば14V)となる。なお、これはあくまでも「指令値」であり、実際の出力電圧はより低いレベル(例えば13V未満)にある。実際の出力電圧は、基本的に、界磁電流制限制御では相対的に低く、電圧制限制御では相対的に高くなる。
【0018】
界磁電流指令値C1は、時間t1に至るまでの界磁電流制限制御においては、発電機2の駆動のために許容される許容トルクに応じた比較的小さな制限値に制御される。許容トルクは、アイドル運転中に内燃機関1が発生するトルクから空調装置用コンプレッサ等の補機のトルクおよび変速機側で吸収されるトルクを減算した残りのトルクに相当し、換言すれば、アイドル回転速度低下を生じないものとして許容されるトルクの値である。実際の界磁電流は、界磁電流制限制御の下では、基本的に界磁電流指令値C1に沿ったものとして得られる。このように界磁電流が比較的小さな界磁電流指令値C1でもって制限される結果、(d)に示す発電電流は比較的に低いレベルとなる。なお、許容トルクは比較的に狭い範囲で変動を繰り返すので、界磁電流指令値C1も微小な変動を伴っているが、図では、説明のために、単純な直線で描いている。
【0019】
時間t1において界磁電流制限制御が禁止されると、電圧制限制御に移行するために、電圧制限制御における所定の目標値へ向かって電圧指令値C2が徐々に低下する。電圧制限制御における目標値は、バッテリ4の充電もしくはSOCの維持が可能なレベル例えば13V前後である。ここでは、発電機2のトルクが急変しないように、コントローラ6が所定の変化率でもって電圧指令値C2を低下させていく。時間t2において電圧指令値C2は目標値に達する。
【0020】
一方、界磁電流指令値C1については、電圧指令値C2が電圧制限制御における目標値に到達するまで制御モード切換直前の値つまり時間t1時点の値をそのまま保持する。時間t2において電圧指令値C2が目標値に達したら、界磁電流制限制御における制限値から制限を加えない最大値への変更を開始する。つまり、発電機2のトルクが急変しないように、所定の変化率でもって界磁電流指令値C1が徐々に増加し、時間t3において制限を加えない最大値となる。なお、界磁電流指令値C1は、あくまでもコントローラ6がレギュレータ5に与える指令値であり、時間t3以降の実際の界磁電流は、電圧指令値C2を実現するようにレギュレータ5によって調整される。
【0021】
発電電流は、時間t1~t2の間、実際の界磁電流が時間t1時点の比較的に小さな界磁電流指令値C1によって制限され続けるため、電圧指令値C2の変化に影響されない。そして、時間t2~t3の間、界磁電流指令値C1が徐々に増加するに伴って徐々に増加していき、最終的に電圧制限制御の下での発電電流の値へと滑らかに変化していく。
【0022】
従って、(e)欄に示すように内燃機関1の回転速度つまりアイドル回転速度が変動することがない。
【0023】
仮に、時間t1において電圧指令値C2の変更(低下)と界磁電流指令値C1の変更(増加)とを同時に開始したとすると、電圧指令値C2による発電電流の制限が間に合わないことで、発電電流が一旦過度に増大した後に最終的な電圧制限制御の下でのレベルへと低下する現象が生じる。この場合、発電機2のトルクが許容トルクを一時的に越えることがあり、アイドル回転速度が変動してしまう。
【0024】
上記実施例では、このような制御モード切換時の発電機2のトルク変動ひいては内燃機関1の回転速度の変動を確実に抑制できる。
【0025】
次に、図4のタイムチャートは、内燃機関1のアイドル運転中に、一時的な電圧制限制御から時間t11において界磁電流制限制御へと移行するときの動作を示している。例えば、バッテリ4のSOCの低下などにより図3に示したように電圧制限制御に切り換えられた後、バッテリ4のSOCが所定レベルまで回復したような場合に、界磁電流制限制御への切換が生じる。この場合も図3の制御モードの切換と同様の切換制御がなされる。
【0026】
時間t11に至るまでの電圧制限制御においては、電圧指令値C2は所定の目標値(例えば13V)にあり、界磁電流指令値C1は制限を加えない最大値にある。
【0027】
時間t11において電圧制限制御から界磁電流制限制御への切換が指示されると、界磁電流指令値C1が所定の変化率でもって制限値への変更を開始する。つまり、発電機2のトルクが急変しないように、所定の変化率でもって界磁電流指令値C1が徐々に低下し、時間t12において、許容トルクに応じた比較的小さな制限値に達する。
【0028】
電圧指令値C2は、界磁電流指令値C1が目標とする制限値に達するまで制御モード切換直前の値つまり時間t11時点の値をそのまま保持する。時間t12において界磁電流指令値C1が目標とする制限値に達したら、電圧指令値C2の電圧制限制御における目標値から制限を加えない最大値への変更を開始する。
【0029】
発電電流は、時間t11~t12の間、実際の界磁電流が時間t11時点の電圧指令値C2に応じて調整されて、界磁電流指令値C1が実際の界磁電流より小さくなったときは、それに伴って徐々に低下していき、最終的に界磁電流制限制御の下での発電電流の値へ滑らかに変化していく。そして、時間t12~t13の間、実際の界磁電流が時間t12時点の比較的に小さな界磁電流指令値C1によって制限され続けるため、電圧指令値C2の変化に影響されない。
【0030】
従って、(e)欄に示すように内燃機関1の回転速度つまりアイドル回転速度が変動することがない。
【0031】
図2は、上記のような動作を実現するためにコントローラ6において実行される制御モード切換時の処理の流れを示すフローチャートである。ステップ1では、現在界磁電流制限制御中で、電圧要求があるかどうかを判定する。YESであればステップ2へ進み、界磁電流指令値C1を前回値に保持したまま電圧制限制御に切り換える。つまり電圧指令値C2の変更を開始する。次のステップ3では、電圧指令値C2が目標値に到達したかを判定し、目標値に到達するまでステップ2に戻って電圧指令値C2の変更を継続する。電圧指令値C2が目標値に到達したら、ステップ4へ進み、界磁電流指令値C1の変更を開始する。
【0032】
一方、ステップ1の判定がNOであればステップ5へ進み、現在電圧制限制御中で、界磁電流制限要求があるかどうかを判定する。NOであればルーチンを終了する。SOC復帰などでYESであれば、ステップ6へ進み、電圧指令値C2を前回値に保持したまま界磁電流制限制御に切り換える。つまり界磁電流指令値C1の変更を開始する。次のステップ7では、界磁電流指令値C1が目標値に到達したかを判定し、目標値に到達するまでステップ6に戻って界磁電流指令値C1の変更を継続する。界磁電流指令値C1が目標値に到達したら、ステップ8へ進み、電圧指令値C2の変更を開始する。
【0033】
以上、この発明の一実施例を詳細に説明したが、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施例では、内燃機関1のアイドル運転中の制御モード切換について説明したが、この発明は、アイドル運転中以外の制御モード切換においても同様に適用が可能であり、上記実施例と同様に発電機トルクの一時的な上昇による内燃機関の回転変動の抑制が図れる。また、本発明は、公称電圧12Vのバッテリを含む発電回路に限定されず、上述した電圧値等は一例に過ぎない。
【符号の説明】
【0034】
1…内燃機関
2…発電機
4…バッテリ
5…レギュレータ
6…コントローラ
図1
図2
図3
図4