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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176571
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】多重管式反応容器
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/24 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B01J19/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095237
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】浦部 治貴
(72)【発明者】
【氏名】土居 真
【テーマコード(参考)】
4G075
【Fターム(参考)】
4G075AA03
4G075BA01
4G075BD14
4G075CA03
4G075CA54
4G075DA02
4G075EA07
4G075EB27
4G075EC09
4G075FA12
4G075FA14
4G075FB02
(57)【要約】
【課題】冷却効率に優れ、充填される触媒の交換が容易な多重管式反応容器を得る。
【解決手段】本発明に係る多重管式反応容器1は、内部に冷却流体が通流すると共に外周面に多孔質触媒層9が固着された触媒固着内側冷却管3と、触媒固着内側冷却管3が抜き差し可能に挿入されて、内部に反応ガスが通流する反応ガス通流管5と、反応ガス通流管5の外周に設けられると共に冷却流体が通流して反応ガス通流管5の外周面を冷却する外側冷却容器7と、を備えたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷却流体が通流すると共に外周面に多孔質触媒層が固着された触媒固着内側冷却管と、該触媒固着内側冷却管が抜き差し可能に挿入されて、内部に反応ガスが通流する反応ガス通流管と、該反応ガス通流管の外周に設けられると共に冷却流体が通流して前記反応ガス通流管の外周面を冷却する外側冷却容器と、を備えたことを特徴とする多重管式反応容器。
【請求項2】
前記触媒固着内側冷却管は、金属製の管体の外周面に中間層を介して前記多孔質触媒層が固着されたものであり、前記中間層は前記多孔質触媒層と前記管体との熱膨張率の差を緩和する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の多重管式反応容器。
【請求項3】
前記反応ガス通流管の内面に近接配置されて前記多孔質触媒層が前記反応ガス通流管の内面に当接するのを防止すると共に、前記反応ガスの流れに対して抵抗となるバッフル板を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の多重管式反応容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
反応ガスが通流すると共に触媒が充填される触媒充填容器を備えた反応容器に関し、特に反応容器が多重管になっている多重管式反応容器に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒反応は多くの場合発熱反応であり、反応器スケールが大きくなると触媒充填層内の異常発熱による反応の暴走や触媒・設備の損傷が懸念されるため、冷却機構が重要である。
例えば、特許文献1では、触媒充填層内に冷媒が流れる伝熱管を設置して充填層から冷却する、という手法が開示されている。
【0003】
また、触媒反応は、原料に含まれる不純物による被毒や生成物の触媒表面への付着などにより徐々に触媒の活性が低下してくる。このため、反応器に充填した触媒は定期的に交換されるのが一般的である。
【0004】
触媒の交換方法として、例えば特許文献2では、二重管先端部を切断開口して真空ポンプホースを入れて充填材を吸い出し、再充填後溶接して閉じる、という手法が開示されている。
また、特許文献3では、触媒が充填された管に流体を送って充填物を押し流す、という手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-229147号公報
【特許文献2】特開平10-328555号公報
【特許文献3】特開昭60-71036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冷却機構に関し、特許文献1の方法では、充填層内の伝熱管に近い領域の冷却効率は良いが、充填容器壁面近傍など伝熱管から離れた領域は冷却効率が悪いという問題がある。
【0007】
また、触媒の交換に関し、特許文献2の方法では、触媒を吸い出す真空ポンプ動力がかかる。また、触媒を吸い上げているため、重力の影響で触媒が落下することもあり、全てを回収するのは難しいという問題がある。
また、特許文献2では、触媒の回収に先立って容器を切断して開放し、充填後には切断部分を溶接して閉じるという作業が必要であり、労力やコストがかかるという問題もある。
【0008】
また、特許文献3の方法では、流体を送るための動力がかかるという問題がある。また、充填物を押し流す場合、容器形状によっては充填材が構造的にトラップされ、全量を回収できないという問題もある。
【0009】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、冷却効率に優れ、充填される触媒の交換が容易な多重管式反応容器を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係る多重管式反応容器は、内部に冷却流体が通流すると共に外周面に多孔質触媒層が固着された触媒固着内側冷却管と、該触媒固着内側冷却管が抜き差し可能に挿入されて、内部に反応ガスが通流する反応ガス通流管と、該反応ガス通流管の外周に設けられると共に冷却流体が通流して前記反応ガス通流管の外周面を冷却する外側冷却容器と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記触媒固着内側冷却管は、金属製の管体の外周面に中間層を介して前記多孔質触媒層が固着されたものであり、前記中間層は前記多孔質触媒層と前記管体との熱膨張率の差を緩和する機能を有することを特徴とするものである。
【0012】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記反応ガス通流管の内面に近接配置されて前記多孔質触媒層が前記反応ガス通流管の内面に当接するのを防止すると共に、前記反応ガスの流れに対して抵抗となるバッフル板を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、内部に冷却流体が通流すると共に外周面に多孔質触媒層が固着された触媒固着内側冷却管と、該触媒固着内側冷却管が抜き差し可能に挿入されて、内部に反応ガスが通流する反応ガス通流管と、該反応ガス通流管の外周に設けられると共に冷却流体が通流して前記反応ガス通流管の外面を冷却する外側冷却容器と、を備えたことにより、多孔質触媒層を内側と外側の両側から冷却することができるので冷却効率に優れる。
また、触媒固着内側冷却管を抜き出すことで多孔質触媒層を同時に取り出すことができるので、触媒交換作業の作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る多重管式反応容器の説明図である。
図2図1に示した多重管式反応容器の断面図である。
図3図1に示した多重管式反応容器において触媒の交換方法の説明図である。
図4図1に示した多重管式反応容器にバッフル板を設ける態様の説明図である。
図5図4のバッフル板を設けた場合の作用の説明図である。
図6】バッフル板の他の態様の説明図である(その1)。
図7】バッフル板の他の態様の説明図である(その2)。
図8】バッフル板の他の態様の説明図である(その3)。
図9】本発明の実施の形態に係る多重管式反応容器の他の態様の説明図である(その1)。
図10図9に示した多重管式反応容器の作用の説明図である。
図11】本発明の実施の形態に係る多重管式反応容器の他の態様の説明図である(その2)。
図12】本発明の実施の形態に係る多重管式反応容器の他の態様の説明図である(その3)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の形態に係る多重管式反応容器1は、図1図2に示すように、触媒固着内側冷却管3と、反応ガス通流管5と、外側冷却容器7と、を備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
【0016】
<触媒固着内側冷却管>
触媒固着内側冷却管3は、内部に冷却流体が通流すると共に外周面に多孔質触媒層9が固着されたものであり、内部を通流する冷却流体によって多孔質触媒層9が内側から冷却される。
触媒固着内側冷却管3は、反応ガス通流管5に抜き差し可能に挿入され、挿入状態で反応ガス通流管5の内面と触媒固着内側冷却管3の外面との空間、すなわち多孔質触媒層9が配置された空間が、反応ガスが通流する空間となる。この空間に配置された多孔質触媒層9を反応ガスが通過する際に触媒反応が行われる。
【0017】
触媒固着内側冷却管3の上部には、触媒固着内側冷却管3を反応ガス通流管5に挿入した状態で、反応ガス通流管5の上端開口5a(図3参照)を閉止する蓋部材11が取り付けられている。
また、触媒固着内側冷却管3の下端は、触媒固着内側冷却管3を反応ガス通流管5に挿入した状態で、反応ガス通流管5の下端開口5b(図3参照)を閉止するようになっている。
【0018】
触媒固着内側冷却管3の多孔質触媒層9は管外周面に製膜して固着(一体化)したものである。触媒が、例えばアルミナ、シリカ、ゼオライト等のセラミック系や炭素系材等であれば、CVDやスパッタリングで直接成膜するか、または前駆体ゲルやスラリーをディップコートやウォッシュコートで成膜する。成膜後に加熱して密着させて固着させる。
また、ゼオライト材であれば、水熱合成により直接合成、製膜することもできる。
【0019】
なお、触媒固着内側冷却管3は金属製であることから、金属と多孔質触媒層9(酸化物担体)の熱膨張率差を緩和と接着性確保のために、図2の拡大図で示すように、サーメットやバインダー材からなる中間層13を設けるのが好ましい。
【0020】
本例では、触媒固着内側冷却管3には、上部から下部に向かって冷却流体が流れる。
冷却流体としては、たとえば空気、不活性ガス、水、海水、エチレングリコール等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0021】
<反応ガス通流管>
反応ガス通流管5は、触媒固着内側冷却管3が抜き差し可能に挿入されて、内部に反応ガスが通流するものである。
反応ガス通流管5の下部には反応ガスが入るガス導入口15が設けられ、反応ガス通流管5の上部には反応ガス(液を含む場合あり)が排出されるガス排出口17が設けられている。したがって、反応ガス通流管5の反応ガスの流れは、触媒固着内側冷却管3の冷却流体と反対に下部から上部となり、冷却流体と対向流となっている。なお、この例の様に反応ガスと冷却流体を対向流にする場合も有れば、過熱部(ガス導入部)を優先的に冷却する効果を狙って反応ガスと冷却流体を並行流にする場合もある。
【0022】
<外側冷却容器>
外側冷却容器7は、反応ガス通流管5の外周に設けられると共に冷却流体が通流して反応ガス通流管5の外周面を冷却するものである。
本実施の形態の外側冷却容器7は、図1に示すように、反応ガス通流管5よりも大径の円筒体からなり、上部側面に冷却流体入口19が設けられ、下部側面に冷却流体出口21が設けられている。したがって、外側冷却容器7の冷却流体の流れは、触媒固着内側冷却管3と同様に上部から下部となり、反応ガスと対向流となっている。
【0023】
上記のように構成された多重管式反応容器1においては、触媒固着内側冷却管3が反応ガス通流管5に挿入された状態で、触媒固着内側冷却管3及び外側冷却容器7に冷却流体が流れる。
そして、反応ガス通流管5に反応ガスが流れると、反応ガスが多孔質触媒層9を通過する際の触媒反応により反応熱が発生する。この反応熱は、触媒固着内側冷却管3を流れる冷却流体による内側と、外側冷却容器7を流れる冷却流体による外側から冷却される。
【0024】
このように、本実施の形態では、触媒反応熱は内側と外側の両側から冷却されるので、冷却効率がよい。また、内側と外側の両側から冷却可能としたことにより、触媒の温度ムラを緩和したり、ホットスポット(充填層のごく一部が異常発熱する現象)の出現を抑制したりすることができる。
【0025】
また、本実施の形態では、触媒固着内側冷却管3が反応ガス通流管5のほぼ中央に配置されているので、偏りなく内側からの冷却が可能である。同様に、反応ガス通流管5が外側冷却容器7のほぼ中央に配置されているので、偏りなく外側からの冷却が可能である。
もっとも、本発明は多孔質触媒層9を内側と外側から冷却することに特徴があるので、触媒固着内側冷却管3を反応ガス通流管5の中央に配置するものに限定されず、また反応ガス通流管5が外側冷却容器7の中央に配置されるものにも限定されない。
【0026】
また、本実施の形態によれば、多孔質触媒層9の交換時期になれば、触媒固着内側冷却管3を反応ガス通流管5から引き抜き、新たな触媒固着内側冷却管3を挿入することで、触媒の交換が可能となるので、触媒交換作業が極めて容易である。
【0027】
以上のように、本実施の形態によれば、多孔質触媒層9を内側と外側の両側から冷却することができるので、冷却効率に優れる。
また、触媒固着内側冷却管3を交換することで触媒の交換ができるので、触媒交換作業効率に優れる。
また、交換に際して触媒を重力によって排出するものではないので、触媒固着内側冷却管3を横置きすることもでき、多重管式反応容器1の設置状態の姿勢が制限されない。
【0028】
なお、図4に示すように、反応ガス通流管5の内面(図4の一点鎖線)に近接配置されて多孔質触媒層9(図4の二点鎖線)が反応ガス通流管5の内面に当接するのを防止すると共に、反応ガスの流れに対して抵抗となるバッフル板23を触媒固着内側冷却管3の外周側に設けるのが好ましい。なお、図4では、多孔質触媒層9の図示を省略している。図4に示すバッフル板23は、円環状で反応ガスが通過するガス通過穴23aが多数設けられている。ガス通過穴23aを設けることで、図5に示すように、反応ガスはバッフル板23によって多孔質触媒層9側に誘導され、多孔質触媒層9との接触がよりよく行われる。また、バッフル板23には多孔質触媒層9の保持効果も期待できる。
【0029】
バッフル板23の外径は反応ガス通流管5の内径にほぼ一致しており、多孔質触媒層9の外径はバッフル板23の外径よりも少し小さくなっている。この理由は以下の通りである。
このようなバッフル板23を設けることで、多孔質触媒層9と反応ガス通流管5の内面と間にわずかな隙間を保持でき、触媒反応によって多孔質触媒層9が反応ガス通流管5の内面に固着するのを防止できる。
【0030】
また、触媒の交換時期になると触媒固着内側冷却管3を反応ガス通流管5から引き抜き、新しい触媒固着内側冷却管3を挿入することになるが、引き抜きや挿入の際に多孔質触媒層9が反応ガス通流管5の内面に当たると損傷を受けるが、バッフル板23の外周端面が多孔質触媒層9よりも突出していることで、多孔質触媒層9が反応ガス通流管5の内面に当たるのを防止できる。
なお、バッフル板23は、触媒固着内側冷却管3の軸方向で複数箇所設けるのが好ましい。
【0031】
バッフル板23の他の態様として、図6に示すように、周方向で半割した半円環状のものを軸方向で位置をずらして設けるようにしてもよい。
【0032】
また、バッフル板23の外周端面は反応ガス通流管5の内周面に当接させると挿入や引抜が円滑にできなくなるので、若干の隙間を設けることが好ましい。しかし、隙間があると反応ガスがこの隙間を通過してしまうので、図7に示すように、反応ガス通流管5の内面に、全周に亘ってわずかに突出する突起25を設け、バッフル板23の外周端を突起25に載置するようにしてもよい。これによって、突起25とバッフル板23によって隙間がふさがれるので反応ガスは多孔質触媒層9側に案内され、より触媒反応を確実に行うことができる。
【0033】
なお、バッフル板23を複数設ける場合には、触媒固着内側冷却管3を反応ガス通流管5に抜き差しする際にバッフル板23と突起25が干渉しないようにする必要がある。このため、例えば図8に示すように、反応ガス通流管5の内面を下方に向かって縮径するテーパー面とし、下部側のバッフル板23ほど小径とし、下方のバッフル板23が上方の突起25に干渉しないようにすればよい。
【0034】
また、上記の実施の形態では、触媒固着内側冷却管3を反応ガス通流管5に挿入した状態で反応ガス通流管5の上端面を閉じる蓋部材11が必要であった。この点、図9図10に示すように、触媒固着内側冷却管3を下方に向かって縮径するテーパー面とし、テーパー面の上部が反応ガス通流管5の内径より少し大きくすることで(図10参照)、触媒固着内側冷却管3を反応ガス通流管5に挿入するだけで反応ガス通流管5の上端開口5aを閉止することができる。
【0035】
また、触媒固着内側冷却管3のテーパー面に固着した多孔質触媒層9は、図9図10に示すように、層の厚みは上部が薄く下部ほど厚くなる。このため、図10に示すように、反応ガスを層厚の薄い上部から導入すれば、上部では反応ガスと接触する触媒量が少ないため触媒反応に伴う触媒層の発熱を抑制することができ、下方では触媒層の層厚が厚くなるが反応ガス量のうち未反応のものが少なくなるので、発熱が抑制され、その結果、上流ー下流の温度勾配を均すことができる。
【0036】
なお、蓋部材11を設けずに触媒固着内側冷却管3の上部を蓋体の代わりにするには、例えば図11に示すように、触媒固着内側冷却管3の上端部のみテーパー面として、多孔質触媒層9はテーパー面よりも下方の直管部分に固着するようにしてもよい。
この態様であれば、多孔質触媒層9の厚みが一定なので、多孔質触媒層9の製層時の制御が容易である。
【0037】
また、図12に示すように、触媒固着内側冷却管3の上端部のみ拡径した断面T字状にし、T字の横辺に相当する部位の下面を反応ガス通流管5の上端面に当接させるようにしてもよい。この態様であれば、触媒固着内側冷却管3の製作が容易である。
【0038】
さらに、上記の例では、一つの外側冷却容器7に対して、一つの反応ガス通流管5と触媒固着内側冷却管3の組が一つ設けられるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、一つの外側冷却容器7に対して反応ガス通流管5と触媒固着内側冷却管3の組が複数設けるようにしてもよい。
この場合において、例えば、図1に示したものと同量の多孔質触媒層9を使用する場合、この態様では各触媒固着内側冷却管3に固着する多孔質触媒層9の厚みが薄くなり、内側及び外側からの冷却効率が向上する。
【符号の説明】
【0039】
1 多重管式反応容器
3 触媒固着内側冷却管
5 反応ガス通流管
5a 上端開口
5b 下端開口
7 外側冷却容器
9 多孔質触媒層
11 蓋部材
13 中間層
15 ガス導入口
17 ガス排出口
19 冷却流体入口
21 冷却流体出口
23 バッフル板
23a ガス通過穴
25 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12