(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017658
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ベルトクランプ
(51)【国際特許分類】
F16B 2/08 20060101AFI20240201BHJP
F16L 3/137 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F16B2/08 S
F16L3/137
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120458
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】308011351
【氏名又は名称】大和化成工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】平川 勝也
(72)【発明者】
【氏名】若林 五男
(72)【発明者】
【氏名】竹中 淳
【テーマコード(参考)】
3H023
3J022
【Fターム(参考)】
3H023AD08
3H023AD19
3H023AD54
3J022DA11
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC14
3J022EC22
3J022FA05
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA03
3J022GA16
3J022GB43
3J022GB45
3J022GB56
(57)【要約】
【課題】被結束物に巻き付ける際にベルトの先端部を掴み易いベルトクランプを提供すること。
【解決手段】ベルトクランプ1は、長尺帯状で、且つ被結束物10に巻き付け可能なベルト2を有する。ベルト2の基端21には、ベルト2が先端30から挿通されるベルト挿通孔が形成されたバックル4を有する。ベルト2は、バックル4から直線状に延出する第1直線部20を有する。さらにベルト2は、第1直線部20の先端22から直線状にかつ被結束物10に巻き付ける方向に延出する第2直線部25を有する。さらにベルト2は、第2直線部25の先端26から直線状にかつ被結束物10に巻き付ける方向に延出する第3直線部27を有する。第1直線部20と第2直線部25の成す2つの角度のうち延出する側の反対側の角度である第1角度は、第2直線部25と第3直線部27の成す2つの角度のうち延出する側の反対側の角度である第2角度以下である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトクランプであって、
長尺帯状で、且つ被結束物に巻き付け可能なベルトと、
前記ベルトの基端に設けられ、且つ前記ベルトが先端から挿通されるベルト挿通孔が形成されたバックルを有し、
前記ベルトは、前記バックルから直線状に延出する第1直線部と、前記第1直線部の先端から直線状にかつ前記被結束物に巻き付ける方向に延出する第2直線部と、前記第2直線部の先端から直線状にかつ前記被結束物に巻き付ける方向に延出する第3直線部を有し、
前記第1直線部と前記第2直線部の成す2つの角度のうち前記延出する側の反対側の前記角度である第1角度は、前記第2直線部と前記第3直線部の成す2つの角度のうち前記延出する側の反対側の前記角度である第2角度以下であるベルトクランプ。
【請求項2】
請求項1に記載のベルトクランプであって、
前記ベルトは、前記第3直線部の先端から直線状にかつ前記被結束物を巻き付ける方向に延出する第4直線部を有し、
前記第2角度は、前記第3直線部と前記第4直線部の成す2つの角度のうち前記延出する側の反対側の前記角度である第3角度以下であるベルトクランプ。
【請求項3】
請求項1~2のいずれかに記載のベルトクランプであって、
前記ベルトのベルト長×28%±10%=前記ベルトのベルト長-前記第1直線部のベルト長であるベルトクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトクランプは、例えば、自動車等の内部に配線されるワイヤーハーネス等を結束するために用いる。ベルトクランプは、ワイヤーハーネス等の被結束物の外周面に巻き付け可能なベルトを有する。ベルトの基端には、バックルが設けられている。被結束物の外周面に巻き付けたベルトの先端をバックルに形成されているベルト挿通孔に挿入する。ベルト先端をさらに引っ張って、ベルトによって被結束物を結束する。ベルトは、バックルに設けられたロック片によってバックルから抜けることが防止される。
【0003】
特許文献1の結束具のベルトは、第1直線部と第2直線部を連続して有する。第1直線部は、バックルから直線状に延出する。第2直線部は、第1直線部の先端から直線状にかつ被結束物を巻き付ける方向に延出する。ベルトを例えば被結束物の下方に挿入する。第1直線部が被結束物の下部に沿って延出し、第2直線部が被結束物の背面に沿って延出する。したがってベルトを被結束物の外周面に巻き付けやすい。しかも第1直線部に比べて第2直線部を作業者側に向けやすいため、作業者は第2直線部の先端を掴み易い。
【0004】
特許文献2の結束具のベルトは、バックルから被結束物を巻き付ける方向に曲線状に延出する。そのためベルトを例えば被結束物の下方に挿入すると、ベルトが被結束物の外周面に沿い被結束物の背面に延出する。したがってベルトを被結束物の外周面に巻き付けやすい。しかもベルトの先端が上を向く。したがって作業者はベルトの先端を掴み易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-116552号公報
【特許文献2】実開昭61-119952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしベルトを被結束物に沿って挿入した先に壁状の相手物が存在する場合がある。この場合、特許文献1の結束具のベルトは、最先端である第2直線部の先端が相手物に接触する。さらにベルトを挿入すると、第1直線部と第2直線部の間の屈曲部が略直角になって、第2直線部が相手物に沿って面接触する。そのため第2直線部を掴むことが容易でない。一方、特許文献2の結束具のベルトは、ベルトの先端が相手物に接触した後、曲線部の先端が作業者へ向くように変形する。そのためベルトの先端を掴み易い。しかしベルトが相手物に接触する箇所は、順次移動し、ベルトの折り返す角度を所望の角度にすることが容易でない。そのためベルトの先端を所望の位置にすることが容易でないためにベルトの先端を掴み難いことがある。そこで被結束物に巻き付ける際にベルトの先端部を掴み易いベルトクランプが従来必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの特徴において、ベルトクランプは、長尺帯状で、且つ被結束物に巻き付け可能なベルトを有する。ベルトの基端には、ベルトが先端から挿通されるベルト挿通孔が形成されたバックルを有する。ベルトは、バックルから直線状に延出する第1直線部を有する。さらにベルトは、第1直線部の先端から直線状にかつ被結束物に巻き付ける方向に延出する第2直線部を有する。さらにベルトは、第2直線部の先端から直線状にかつ被結束物に巻き付ける方向に延出する第3直線部を有する。第1直線部と第2直線部の成す2つの角度のうち延出する側の反対側の角度である第1角度は、第2直線部と第3直線部の成す2つの角度のうち延出する側の反対側の角度である第2角度以下である。
【0008】
そのため、被結束物にベルトを巻き付ける作業を行うとき、例えば被結束物の下方にベルトを先端から壁状の相手物に向けて挿入する。すると、ベルトの第3直線部の先端が相手物に接触する。第3直線部が第2直線部に対して第2角度を有するため、第3直線部の先端が相手物に対して角度を有して当たる。ベルトをさらに挿入すると、第3直線部と第2直線部の間の屈曲部に力が集中し、第3直線部が第2直線部に対して曲がる。そして第3直線部が相手物に面接触する。第2直線部が第1直線部に対して第1角度を有するため、第2直線部の先端も、相手物に対して角度を有して当たる。そのためベルトをさらに挿入すると、第2直線部と第1直線部の間の屈曲部に力が集中し、第2直線部が第1直線部に対して曲がる。そしてベルトの第2直線部が相手物に面接触する。ベルトをさらに挿入すると、ベルトの第1直線部の先端部位が相手物に面接触する。第1直線部と第3直線部の間は、第1角度と第2角度の合算角度を有している。そのため、第1直線部の先端部位が相手物に面接触した際、第3直線部は、相手物から離れて作業者側へ延出する。しかも第1直線部の先端部位が相手物に面接触しているため、第3直線部の相手物に対する角度が所望の角度、すなわち第1直線部の先端部位に対する角度になる。そのため、ベルトの先端部である第3直線部の先端を容易に把持することができる。
【0009】
本開示の他の特徴において、ベルトは、第3直線部の先端から直線状にかつ被結束物に巻き付ける方向に延出する第4直線部を有する。第2角度は、第3直線部と第4直線部の成す2つの角度のうち延出する側の反対側の角度である第3角度以下である。
【0010】
そのため、ベルトの先端部である第4直線部は、相手物に対して第1角度と第2角度と第3角度の合算角度を介して延出する。したがって、ベルトの先端部である第4直線部の先端が作業者側を確実に向く。結果として、ベルトの先端部を作業者がより掴み易い。
【0011】
本開示の他の特徴において、ベルトのベルト長×28%±10%=ベルトのベルト長-第1直線部のベルト長である。
【0012】
そのため、切断されるベルトの余剰部分を最小限にとどめつつ、被結束物にベルトを巻き付ける作業を行うとき、ベルトの先端部が相手物に接触して作業者側を向く効果も得られる長さとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態のベルトクランプの全体斜視図である。
【
図3】
図1のバックルを反対側から見た拡大図である。
【
図7】
図4のベルトクランプによる被結束物の結束作業の手順を説明する右側面図である。
【
図10】第2実施形態のベルトクランプの右側面図である。
【
図11】
図10のベルトクランプによる被結束物の結束作業の手順を説明する右側面図である。
【
図14】第3実施形態のベルトクランプの右側面図である。
【
図15】第4実施形態のベルトクランプの右側面図である。
【
図16】
図9において、ベルトの断面の変形例を示している。
【
図17】ベルトの第2直線部の変形例を示している。
【
図19】
図17の第2直線部の切欠の別の変形例を示している。
【
図20】
図17の第2直線部の切欠のさらに別の変形例を示している。
【
図21】
図3において、バックルの変形例を示している。
【
図26】第1実施形態のバックルの変形例を示している。
【
図27】第2実施形態のバックルの変形例を示している。
【
図28】第3実施形態のバックルの変形例を示している。
【
図29】第4実施形態のバックルの変形例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を
図1~9に基づいて説明する。以下の説明にあたって、上、下、前、後、左、右の向きは、各図に記す上、下、前、後、左、右の向きとする。このことは、後述する第2実施形態以降も同様である。
図1~2に示すように第1実施形態のベルトクランプ1は、剛性を有する合成樹脂材による一体成形品である。ベルトクランプ1は、ベルト2と、バックル4とに大別されている。以下に、これらベルト2と、バックル4とを個別に説明していく。
【0015】
まず、ベルト2について説明する。
図1、4に示すようにベルト2は、一定の幅で真っ直ぐに延びる長尺帯状で、且つワイヤーハーネス等の被結束物10の外周面に巻き付け可能に構成される。ベルト2は、第1直線部20と、第2直線部25と、第3直線部27と、第4直線部29を有する。すなわち、ベルト2は、3段に折り曲げられた形状である。第1直線部20は、基端21がバックル4から直線状に延出する。この延出方向は、後述するバックル4の幅方向(左右方向)に直交する前後方向である。第2直線部25は、第1直線部20の先端22から直線状にかつ被結束物10に巻き付ける方向に延出する。
【0016】
図1、4に示すように第3直線部27は、第2直線部25の先端26から直線状にかつ被結束物10に巻き付ける方向に延出する。第4直線部29は、第3直線部27の先端28から直線状にかつ被結束物10に巻き付ける方向に延出する。そのため、第1直線部20と第2直線部25の間は、第1屈曲部37を有する。第2直線部25と第3直線部27の間は、第2屈曲部38を有する。第3直線部27と第4直線部29の間は、第3屈曲部39を有する。
【0017】
図4に示すように第1直線部20と第2直線部25の成す2つの角度のうち、被結束物10に巻き付ける方向に延出する側の角度をAとする。また、この2つの角度のうち、被結束物10に巻き付ける方向に延出する側の反対側の角度をB(第1角度B)とする。これと同様に、第2直線部25と第3直線部27の成す2つの角度のうち、被結束物10に巻き付ける方向に延出する側の角度をCとする。また、この2つの角度のうち、被結束物10に巻き付ける方向に延出する側の反対側の角度をD(第2角度D)とする。
【0018】
これと同様に、第3直線部27と第4直線部29の成す2つの角度のうち、被結束物10に巻き付ける方向に延出する側の角度をEとする。また、この2つの角度のうち、被結束物10に巻き付ける方向に延出する側の反対側の角度をF(第3角度F)とする。この第1実施形態では、第1角度B=10°であり、第2角度D=20°であり、第3角度F=30°である。これらにおいて、第1角度B≦第2角度D≦第3角度Fの関係が成立している。また、これら第1角度Bと第2角度Dと第3角度Fの合算角度=90°以下である。なお、この合算角度が略90°であれば、ベルト2の第1直線部20の先端22の部位が相手物70に面接触するとき(
図8において、想像線で示す状態のとき)、第4直線部29の先端30が略手前(作業者側)に向くため作業者が先端30を掴みやすい。
【0019】
図1、3に示すように第1直線部20の内面23は、第1直線部20の長手方向に沿って一定のピッチでラック歯24を有する。
図5に示すように第2直線部25の第1縁である右縁33の下側(裏面側)は、R部33aを備える。また、その上側(表面側)は、右縁33が第1縁の反対側であり第2縁である左縁35から離れる方向に先細りするようにテーパ部33bを備える。
【0020】
すなわち、第2直線部25の右縁33は、先細り形状である。右縁33は、バックル4のスリット56の入口57に左右方向(ベルト2の幅方向)に挿入される縁である。この先細り形状により、バックル4のスリット56からベルト挿通孔53に第2直線部25を横挿するとき、この横挿しをスムーズに実施できる。これらR部33aとテーパ部33bを備えることは、第2直線部25だけでなく、第1直線部20、第3直線部27および第4直線部29においても同様である。
【0021】
図1に示すように第4直線部29の内面31の中央部は、第4直線部29の長手方向に沿って一定のピッチで略三角形状の突起32を有する。これにより、結束作業において、作業者が第4直線部29を指で摘まんで引っ張った際、指と第4直線部29の間の摩擦力が向上する。そのため、第4直線部29の引っ張りの滑り止めとなる(グリップ力が向上する)。
【0022】
また、この突起32は、後述するバックル4の係合爪61に係合可能となっている。そのため、バックル4のスリット56からベルト挿通孔53に第4直線部29を横挿ししたとき、この横挿しした第4直線部29の突起32がバックル4の係合爪61に係合(仮留め)する。したがって、被結束物10の外周面にベルト2を巻き付ける作業を行い易い(ベルト2の抜け防止となる)。このことは、バックル4の入口54からベルト挿通孔53に第4直線部29を挿し込むときも同様である。
【0023】
図4に示すようにベルト2のベルト長をL(バックル4からベルト2の第4直線部29の先端30までの距離)とする。第1直線部20のベルト長をL1とする。第2直線部25のベルト長をL2とする。第3直線部27のベルト長をL3とする。第4直線部29のベルト長をL4とする。これらにおいて、第2直線部25のベルト長L2=第3直線部27のベルト長L3=第4直線部29のベルト長L4の関係が成立している。また、ベルト2のベルト長L×28%±10%=第2直線部25のベルト長L2+第3直線部27のベルト長L3+第4直線部29のベルト長L4=ベルト2のベルト長L-第1直線部20のベルト長L1の関係が成立している。なお、この関係は、後述する第2実施形態~第4実施形態においても同様である。ベルト2は、このように構成されている。
【0024】
次に、バックル4について説明する。
図3、5に示すようにバックル4は、その内部がベルト2を通すためのベルト挿通孔53を有する略箱形状である。
図6に示すようにベルト挿通孔53の上下端の入口54と出口55は、連通(貫通)するように開放されている。ベルト挿通孔53は、入口54からベルト2の第4直線部29の先端30をベルト2の長手方向に挿通可能に構成されている。
【0025】
図3、6に示すようにバックル4は、内壁40と、外壁42と、第1側壁44と、第2側壁49を有する。内壁40は、略90°に上向きに湾曲した薄肉部40aを介してベルト2の第1直線部20の基端21と連結する。このように薄肉部40aが存在すると、被結束物10の外周面にベルト2を巻き付けて引き締めるとき、薄肉部40aも撓むため、引き締めたベルト2の曲がり量が抑制される。そのため、引き締めたベルト2に作用する応力がベルト2の基端21だけでなく薄肉部40aにも分散する。すなわち、ベルト2の引き締め(曲げ)に対する応力分散を図ることができる。
【0026】
図6に示すように内壁40の内面41は、下方に向かって突出し且つ弾性変形可能な撓み片60を有する。撓み片60の表面は、ベルト2の第1直線部20のラック歯24に噛み合い可能な係合爪61を有する。
図5に示すように係合爪61の左縁は、R部61aを備える。そのため、バックル4のスリット56からベルト挿通孔53に第2直線部25を横挿ししたとき、この横挿しした第2直線部25の右縁33とバックル4の係合爪61の干渉を抑制する。したがって、第2直線部25をスムーズに横挿しできる。
【0027】
図5に示すように外壁42は、ベルト挿通孔53を介して内壁40と対向する。外壁42の上端部は、後から前にベルト挿通孔53に向けて下り傾斜し、且つベルト2の幅長と同程度の幅長を有するR部43を備える。これにより、結束作業において、ベルト2の第4直線部29の先端30をベルト挿通孔53の入口54に挿入するときの挿入の案内性が向上する。そのため、ベルト2の第4直線部29の先端30をベルト挿通孔53の入口54にスムーズに挿入できる。
【0028】
図5に示すように第1側壁44は、内壁40の右端部と外壁42の右端部を連結する。
図1に示すように第1側壁44は、上端部が前後方向に沿って右方に張り出す第1張出部47を有する。
図1に示すように第1側壁44は、前後方向の中央部が上下方向に沿って右方に張り出す第2張出部48を有する。すなわち、
図5に示すように第1側壁44の厚みT1は、外壁42の厚みT2と第2側壁49の厚みT3に比べて厚みが厚い。
【0029】
図3に示すように第2側壁49は、第1側壁44の反対側でかつベルト挿通孔53の内部と外部を上下に亘って連通するスリット56を有する。スリット56は、ベルト挿通孔53に直交してベルト挿通孔53と連通してベルト2がベルト挿通孔53に幅方向に挿入可能とする。
図5に示すように第2側壁49は、ベルト挿通孔53に沿いかつスリット56に向けて突出する爪50を有する。爪50は、スリット56に向けて徐々にベルト挿通孔53内のベルト2に向けて延出する内面51を有する。
【0030】
図5に示すように爪50は、ベルト挿通孔53内に位置するベルト2の左縁35に沿ってスリット56に向けて突出する。爪50の突出高さHは、ベルト2の左縁35の全長H1の約80%を有する。
図4に示すように第2側壁49は、スリット56の入口57の各傾斜面59を備える一対の受入部52を有する。一対の受入部52は、それぞれベルト挿通孔53から離れるほど細くなる。すなわち、一対の受入部52は、ベルト挿通孔53に向かって幅狭となる。バックル4は、このように構成されている。
【0031】
続いて、ベルトクランプ1による被結束物10の結束作業を説明する。まず、ベルト2を被結束物10の下方に挿入し、ベルト2を被結束物10の外周に沿って巻き付ける。次に、被結束物10の外周を巻き付けたベルト2の第4直線部29の先端30をバックル4のベルト挿通孔53の入口54に挿入する。次に、入口54に挿入したベルト2の先端30を出口55から引き出し仮締めする。この仮締めに伴って、ベルト2のラック歯24とバックル4の撓み片60の係合爪61が摺動する。
【0032】
すると、挿入したベルト2からの押圧によって、バックル4の撓み片60が内面41に近づく方向に撓んでいく。この撓みの反力によって、ラック歯24と係合爪61が仮係合し、ベルト2とバックル4が仮ロックされる。次に、ベルト挿通孔53の出口55に専用工具の挿込口を挿し込んだ状態で、この専用工具を操作する。すると、被結束物10の外周面を巻き付けたベルト2が所定の引き締め状態になるまで引き締められる。
【0033】
そのため、ベルト2のラック歯24とバックル4の撓み片60の係合爪61が係合し、ベルト2とバックル4がロックされる。このロック後に、バックル4のベルト挿通孔53の出口55から引き出されたベルト2の余剰部分を切断する。このようにして、ベルト2に被結束物10を結束できる。もちろん、専用工具を操作することなく、作業者の手作業でベルト2の引き締めおよびベルト2の余剰部分をニッパーやはさみ等で切断しても構わない。
【0034】
なお、上述した結束作業において、被結束物10の下方に挿入したベルト2の先に壁状の相手物70が存在する場合がある。その場合を説明する。
【0035】
図4に示すように例えば被結束物10の下方にベルト2を第4直線部29の先端30から壁状の相手物70に向けて挿入する。すると、ベルト2の第4直線部29の先端30が相手物70に接触する。第4直線部29が第3直線部27に対して第3角度Fを有するため、第4直線部29の先端30が相手物70に対して角度を有して当たる。
【0036】
図7に示すようにベルト2をさらに挿入すると、第4直線部29と第3直線部27の間の第3屈曲部39に力が集中し、第4直線部29が第3直線部27に対して曲がる。そして第4直線部29が相手物に面接触する。第3直線部27が第2直線部25に対して第2角度Dを有するため、第3直線部27の先端28が相手物70に対して角度を有して当たる。
図7の想像線で示すようにベルト2をさらに挿入すると、第3直線部27と第2直線部25の間の第2屈曲部38に力が集中し、第3直線部27が第2直線部25に対して曲がる。そして第3直線部27が相手物70に面接触する。第2直線部25が第1直線部20に対して第1角度Bを有するため、第2直線部25の先端26も、相手物70に対して角度を有して当たる。
【0037】
図8に示すようにベルト2をさらに挿入すると、第2直線部25と第1直線部20の間の第1屈曲部37に力が集中し、第2直線部25が第1直線部20に対して曲がる。そしてベルト2の第2直線部25が相手物70に面接触する。
図8の想像線で示すようにベルト2をさらに挿入すると、ベルト2の第1直線部20の先端22の部位が相手物70に面接触する。
【0038】
第1直線部20と第4直線部29の間は、第1角度Bと第2角度Dと第3角度Fの合算角度を有している。そのため、第1直線部20の先端22の部位が相手物70に面接触した際、第4直線部29は、相手物70から離れて作業者側へ延出する。しかも第1直線部20の先端22の部位が相手物70に面接触しているため、第4直線部29の相手物70に対する角度が所望の角度、すなわち第1直線部20の先端22の部位に対する角度になる。そのため、ベルト2の先端部である第4直線部29の先端30を容易に把持することができる。
【0039】
また、上述した結束作業において、ベルト2の先端30をベルト挿通孔53に挿入し難い場所で作業を行う場合がある。すなわち、バックル4の左右の両側に、作業者の指が干渉する部材が存在する場合がある。その場合を説明する。
【0040】
まず、
図1に示すように被結束物10の下方にベルト2を挿入する。次に、被結束物10の外周に沿ってベルト2を巻き付ける。次に、
図5に示すように巻き付けたベルト2の第2直線部25の右縁33からバックル4のスリット56の入口57に向けてベルト2を幅方向に挿入する(横挿しする)。すると、スリット56の開口幅が広がるようにバックル4の外壁42を撓ませながらベルト2がスリット56を通過する。
【0041】
このとき、第2直線部25の右縁33が先細り形状を有するため、スリット56の入口57に向けて幅方向にベルト2を挿入し易い。また、一対の受入部52を有するため、スリット56の入口57に向けてベルト2を誘い込み易い。やがて、ベルト2がスリット56を通過してベルト挿通孔53に到達する。すると、
図9に示すようにバックル4のベルト挿通孔53の入口54からベルト2の第4直線部29の先端30を挿入して引き締めた状態と同一状態となる。
【0042】
そのため、上述した説明と同様に、ベルト2の先端30を出口55から引き出し仮締めする。以降、上述した説明と同様の手順で、ベルト2に被結束物10を結束できる。そのため、ベルト2の先端30をベルト挿通孔53に挿入し難い場所で作業を行う場合でも、ベルト2をベルト挿通孔53に簡便に挿入できる。
【0043】
なお、
図9に示す状態では、ベルト2の左縁35の全長H1の約80%が、ベルト2の厚み方向(前後方向)において、バックル4の爪50の突出高さHに重なり合う。
【0044】
第1実施形態に係るベルトクランプ1は、上述したように構成されている。この構成によれば、ベルト2は、バックル4から直線状に延出する第1直線部20を有する。さらにベルト2は、第1直線部20の先端22から直線状にかつ被結束物10に巻き付ける方向に延出する第2直線部25を有する。さらにベルト2は、第2直線部25の先端26から直線状にかつ被結束物10に巻き付ける方向に延出する第3直線部27を有する。第1直線部20と第2直線部25の間の第1角度Bは、第2直線部25と第3直線部27の間の第2角度D以下である。そのため、ベルト2の第1直線部20の先端22の部位が相手物70に面接触した際、ベルト2の先端部である第3直線部27は、相手物70から離れて作業者側へ延出する。したがって、ベルト2の先端部である第3直線部27の先端28を容易に把持することができる。
【0045】
また、この構成によれば、ベルト2は、第3直線部27の先端28から直線状にかつ被結束物10に巻き付ける方向に延出する第4直線部29を有する。第2角度Dは、第3直線部27と第4直線部29の間の第3角度以下である。そのため、ベルト2の先端部である第4直線部29は、相手物70に対して第1角度Bと第2角度Dと第3角度Fの合算角度を介して延出する。したがって、ベルト2の先端部である第4直線部29の先端30が作業者側を確実に向く。結果として、ベルト2の先端部を作業者がより掴み易い。
【0046】
また、この構成によれば、第2直線部25のベルト長L2=第3直線部27のベルト長L3=第4直線部29のベルト長L4の関係が成立している。そのため、第2直線部25と第3直線部27と第4直線部29をバランスよく配置できる。
【0047】
また、この構成によれば、ベルト2のベルト長L×28%±10%=ベルト2のベルト長L-第1直線部20のベルト長L1である。そのため、切断されるベルト2の余剰部分を最小限にとどめつつ、被結束物10にベルト2を巻き付ける作業を行うとき、ベルト2の先端部が相手物70に接触して作業者側を向く効果も得られる長さとなる。
【0048】
また、この構成によれば、ベルト2は、スリット56を有する。スリット56は、ベルト挿通孔53に直交してベルト挿通孔53と連通してベルト2がベルト挿通孔53に幅方向に挿入可能とする。スリット56の入口57の両面は、スリット56の入口57からベルト挿通孔53に向けてスリット56の開口幅を徐々に狭くする傾斜面59を有する。そのため、傾斜面59がスリット56にベルト2を誘い込む。また、スリット56の開口幅が徐々に狭くなるため、スリット56の内部がベルト挿通孔53にベルト2を誘い込む。したがって、ベルト挿通孔53にベルト2を幅方向に挿入し易い。
【0049】
また、この構成によれば、第1直線部20の第1縁である右縁33は、第1縁の反対側であり第2縁である左縁35から離れる方向に先細り状である。そのため、スリット56にベルト2の右縁33を挿入し易い。
【0050】
また、この構成によれば、第1側壁44の厚みT1は、外壁42の厚みT2と第2側壁49の厚みT3に比べて厚みが厚い。そのため、第1側壁44が強固なものとなる。したがって、ベルト2がバックル4のスリット56を通過する際に外壁42が撓む場合でも、必要な剛性を確保できる。
【0051】
また、この構成によれば、第2側壁49は、ベルト挿通孔53に沿いかつスリット56に向けて突出する爪50を有する。爪50は、スリット56に向けて徐々にベルト挿通孔53内のベルト2に向けて延出する内面51を有する。そのため、ベルト挿通孔53内に位置するベルト2に対して爪50が反し作用を果たす。したがって、ベルト挿通孔53内からのベルト2の抜けを抑制できる。
【0052】
また、この構成によれば、爪50は、ベルト挿通孔53内に位置するベルト2の左縁35に沿ってスリット56に向けて突出する。爪50の突出高さHは、ベルト2の左縁35の全長H1の約80%を有する。そのため、爪50がベルト挿通孔53内に位置するベルト2の左縁35に対し十分に干渉する。したがって、ベルト挿通孔53内からのベルト2の抜けを抑制できる。
【0053】
また、この構成によれば、第2側壁49は、スリット56の入口57の各傾斜面59を備える一対の受入部52を有する。一対の受入部52は、それぞれベルト挿通孔53から離れるほど細くなる。そのため、スリット56にベルト2を誘い込む傾斜面59を広く確保できる。すなわち、スリット56の入口57の手前からスリット56にベルト2を誘い込む(挿入し易い)。また、一対の受入部52によってスリット56の入口57部分の剛性を高めることができる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、
図10~13を参照して、第2実施形態を説明する。この第2実施形態のベルトクランプ101は、既に説明した第1実施形態のベルトクランプ1と比較すると、ベルト2は、2段に折り曲げられた形状である点が相違する。なお、第1実施形態のベルトクランプ1と同一の部材および同一の機能を果たす部材には、同一の符号を付すことで重複する説明は省略する。このことは、第3実施形態以降においても同様である。
【0055】
図10に示すように、ベルトクランプ101のベルト2は、第1直線部20と、第2直線部25と、第3直線部27を有する。このベルトクランプ101では、第1角度B=30°であり、第2角度D=30°である。また、このベルトクランプ101では、第2直線部25のベルト長L2>第3直線部27のベルト長L3の関係が成立している。このベルトクランプ101においても、ベルトクランプ1と同様の作用効果を得ることができる。例えば、被結束物10の結束作業において、被結束物10の下方に挿入したベルト2の先に壁状の相手物70が存在する場合、ベルト2の先端部である第3直線部27の先端28が作業者側を確実に向くため、ベルト2の先端部を作業者が掴み易い(
図11~13参照)。なお、このベルトクランプ101において、第2直線部25のベルト長L2=第3直線部27のベルト長L3の関係が成立していても構わない。また、このベルトクランプ101において、第2直線部25のベルト長L2<第3直線部27のベルト長L3の関係が成立していても構わない。その場合でも、ベルトクランプ1と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
(第3実施形態)
次に、
図14を参照して、第3実施形態を説明する。この第3実施形態のベルトクランプ201は、既に説明した第2実施形態のベルトクランプ101と比較すると、第1角度Bが相違する。
【0057】
図14に示すように、ベルトクランプ201のベルト2は、第1直線部20と、第2直線部25と、第3直線部27を有する。このベルトクランプ201では、第1角度B=25°であり、第2角度D=30°である。このベルトクランプ201においても、ベルトクランプ101と同様の作用効果を得ることができる。例えば、被結束物10の結束作業において、被結束物10の下方に挿入したベルト2の先に壁状の相手物70が存在する場合、ベルト2の先端部である第3直線部27の先端28が作業者側を確実に向くため、ベルト2の先端部を作業者が掴み易い。
【0058】
(第4実施形態)
次に、
図15を参照して、第4実施形態を説明する。この第4実施形態のベルトクランプ301は、既に説明した第1実施形態のベルトクランプ1と比較すると、第2角度Dと第3角度Fが相違する。
【0059】
図15に示すように、ベルトクランプ301のベルト2は、第1直線部20と、第2直線部25と、第3直線部27と、第4直線部29を有する。このベルトクランプ301では、第1角度B=10°であり、第2角度D=10°であり、第3角度F=10°である。このベルトクランプ301においても、ベルトクランプ1と同様の作用効果を得ることができる。例えば、被結束物10の結束作業において、被結束物10の下方に挿入したベルト2の先に壁状の相手物70が存在する場合、ベルト2の先端部である第4直線部29の先端30が作業者側を確実に向くため、ベルト2の先端部を作業者が掴み易い。
【0060】
以上説明したベルトクランプ1には、様々な変更を加えることができる。例えばベルトクランプ1のベルト2は、第1直線部20、第2直線部25、第3直線部27、第4直線部29の4本の直線部を有する。これに代えて、ベルトクランプ1のベルト2は、第1直線部20、第2直線部25、第3直線部27、第4直線部29、第5直線部の5本の直線部を有しても良い。その場合でも、第1角度B≦第2角度D≦第3角度Fの関係と同様に、第1角度B≦第2角度D≦第3角度F≦第4の角度(第4直線部29と第5直線部の間の成す角度)の関係が成立する。もちろん、直線部は、6本以上でも構わない。
【0061】
例えば、第2直線部25のベルト長L2=第3直線部27のベルト長L3=第4直線部29のベルト長L4の関係が成立している。これに代えて、第2直線部25と第3直線部27と第4直線部29の各ベルト長L2、L3、L4の長さが10%以内の差を有してもよい。
【0062】
例えば、被結束物10としてワイヤーハーネスを説明した。これに代えて、被結束物10がケーブル状の束部材でも構わない。また、例えば、パネル部材の取付孔に取り付け可能なアンカー等の取り付け部材をバックル4に有してもよい。その場合、ベルトクランプ1を使用して被結束物10をパネル部材に留めることができる。
【0063】
例えば、ベルト2の左縁35の左側壁36が前後方向に沿う例を説明した。これに代えて、
図16に示すようにベルト2の左縁35の左側壁36が爪50の内面51に平行な傾斜面でも良い。その場合、ベルト挿通孔53内に位置するベルト2に対して爪50がより反し作用を果たす。したがって、ベルト挿通孔53内からのベルト2の抜けをより抑制できる。
【0064】
また、
図17に示すように、ベルト2において、第2直線部25の右縁は、厚み方向に貫通するように切り欠かれた切欠25aが形成されていても良い。これにより、被結束物10の結束作業を作業者が行う際、この結束作業を作業者が目視できない場合(目くら作業)であっても、作業者の指が切欠25aに触れることで作業者がベルト2を認識し易い。また、バックル4のスリット56の入口57に向けてベルト2を幅方向に挿入する際、このベルト2の切欠25aの部位から挿入すると、この挿入によって生じる挿入抵抗を抑えることができる。そのため、ベルト2をバックル4のベルト挿通孔53にスムーズに挿入できる。
【0065】
例えば、切欠25aは、ベルト2を厚み方向に貫通するように切り欠く例を説明した。これに代えて、
図18に示すように、切欠25aは、ベルト2の厚み方向の一部を浅く切り欠いても良い。また、
図19に示すように、切欠25aは、右側面視において、円弧形状でも良い。また、
図20に示すように、切欠25aは、ベルト2の厚み方向の一部を深く切り欠いても良い。
【0066】
また、
図21に示すように、バックル4のスリット56の隅部がテーパ状に形成(テーパ面(D)として面取り)されていても構わない。このテーパ面(D)は、バックル4の上面(A)とスリット56の内面(B)と受入部52の外面(C)の3面の隅部を面取りしたものである。これにより、バックル4のスリット56の入口57に向けてベルト2を幅方向に挿入する際、この挿入するベルト2が隅部に干渉することを抑制できる。そのため、ベルト2をバックル4のベルト挿通孔53にスムーズに挿入できる。
【0067】
なお、
図22は、
図21のバックル4において、上記の(A)~(D)の4面を模式的に示した図である。また、バックル4において、テーパ面(D)を
図23~24に示すように、形成しても構わない。すなわち、上記の(A)~(C)の3面のうち、少なくとも2面に跨ぐようにテーパ面(D)が形成されていれば構わない。また、テーパ面(D)は、全面に形成されることなく、隅部のみに形成されていれば良い。また、バックル4において、
図25に示すように、テーパ面(D)に代えて切欠(E)を形成しても構わない。これらの場合においても、
図21~22で示す作用効果を得ることができる。
【0068】
また、第1実施形態では、第1角度B=10°であり、第2角度D=20°であり、第3角度F=30°を説明したである。これに代えて、第1角度B≦第2角度D≦第3角度Fの関係が成立していれば、これら角度の数値は何°でも構わない。好ましくは、これら角度の合計は90°に近い数値である。これらのことは、第2実施形態以降においても同様である。
【0069】
また、第1実施形態では、
図5に示すように巻き付けたベルト2の第2直線部25の右縁33からバックル4のスリット56の入口57に向けてベルト2を幅方向に挿入する(横挿しする)形態を説明した。これに代えて、ベルト2の第3直線部27または第4直線部29の右縁33からバックル4のスリット56の入口57に向けてベルト2を幅方向に挿入しても構わない。もちろん、ベルト2の第1直線部20の右縁33からバックル4のスリット56の入口57に向けてベルト2を幅方向に挿入しても構わない。
【0070】
また、第1実施形態では、バックル4の第2側壁49にスリット56を備える形態を説明した。これに代えて、
図26に示すように、バックル4の第2側壁49にスリット56を備えない形態でも構わない。これと同様に、第2実施形態~第4実施形態においても、
図27~29に示すように、バックル4の第2側壁49にスリット56を備えない形態でも構わない。
【符号の説明】
【0071】
1 ベルトクランプ
2 ベルト
4 バックル
10 被結束物
20 第1直線部
21 基端
22 先端
25 第2直線部
26 先端
27 第3直線部
30 先端
53 ベルト挿通孔