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特開2024-176583クライミングクレーンのマスト支持構造
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  • 特開-クライミングクレーンのマスト支持構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176583
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】クライミングクレーンのマスト支持構造
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/32 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B66C23/32 E
B66C23/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095264
(22)【出願日】2023-06-09
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高松 馨
(72)【発明者】
【氏名】田畑 宏明
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA03
3F205AB01
3F205AB07
3F205AC01
3F205BA01
3F205CA01
3F205CA09
3F205DA01
(57)【要約】
【課題】組立・解体が容易で特種構造のマストを必要とせず、ステーの上端をマスト側に連結する作業や点検を安全に且つ簡便に行い得るクライミングクレーンのマスト支持構造を提供する。
【解決手段】ベース面Bに設置される基礎架台2と、その上にマストブロック6を順次積み上げて立設されるマスト3と、これに沿って昇降自在な昇降ユニットと、その上端に旋回自在に配設され且つジブが起伏自在に設けられる旋回体とを備えたクライミングクレーンのマスト支持構造に関し、マスト3の中途部に対し外嵌することが可能な環状枠15と、該環状枠15に向け前記基礎架台2の複数箇所から斜めに掛け渡されてマスト3を環状枠15を介して支持するステー16とを備え、環状枠15は、その周方向複数箇所で着脱自在に分割され且つ各ステー16のうちの少なくとも一部の上端に固設された分割枠体17により構成されたものとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース面に設置される基礎架台と、該基礎架台の上にマストブロックを順次積み上げて立設されるマストと、該マストに沿って昇降自在な昇降ユニットと、該昇降ユニットの上端に旋回自在に配設され且つジブが起伏自在に設けられる旋回体とを備えたクライミングクレーンのマスト支持構造であって、
前記マストの中途部に対し外嵌することが可能な環状枠と、該環状枠に向け前記基礎架台の複数箇所から斜めに掛け渡されて前記マストを前記環状枠を介して支持するステーとを備え、
前記環状枠は、その周方向複数箇所で着脱自在に分割され且つ前記各ステーのうちの少なくとも一部の上端に固設された分割枠体により構成されているクライミングクレーンのマスト支持構造。
【請求項2】
前記各分割枠体の連結時に作業台として完成する作業台パーツが前記各分割枠体に装備されている請求項1に記載のクライミングクレーンのマスト支持構造。
【請求項3】
前記環状枠と前記マストとの間にクリアランスが設定され、該クリアランスにクサビを打ち込むことで前記環状枠が前記マストに固定される請求項1又は2記載のクライミングクレーンのマスト支持構造。
【請求項4】
前記各分割枠体の相互のピン孔を重ね合わせて連結ピンを差し込むことで前記各分割枠体が連結される請求項1~3の何れに記載のクライミングクレーンのマスト支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライミングクレーンのマスト支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、高層建築物を建造するにあたっては、図18に示されるようなクライミングクレーン1が用いられており、この種のクライミングクレーン1は、基礎架台2と、マスト3と、昇降ユニット4と、旋回体5とを備えている。
【0003】
ここで、前記基礎架台2は、ベース面Bに載置固定される平面形状が十字型の架台であり、前記マスト3は、前記基礎架台2の上にマストブロック6を順次積み上げて立設されるようになっている。
【0004】
また、前記昇降ユニット4は、ガイドマスト7と昇降フレーム8とを備え、前記マスト3に沿って昇降自在となっており、前記旋回体5は、前記昇降ユニット4の上端に旋回自在に配設され且つジブ9が起伏自在に設けられている。
【0005】
斯かるクライミングクレーン1において、前記マストブロック6が多数積み上げられてマスト3の高さが高くなる場合、図19に示す如く、前記基礎架台2とマスト3との間にステー10を取り付けてマスト3を補強し、該マスト3の撓みを抑える措置が取られることがある。
【0006】
この際、前記ステー10の上端は、前記マストブロック6の側面に突設されたステーブラケット11に連結ピン又はボルト12を介して連結され、前記ステー10の下端は、前記基礎架台2の上面に突設された基礎ブラケット13に連結ピン14により連結されるようになっている。
【0007】
尚、本発明と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、下記の如き特許文献1などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-187789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ステー10の上部がピン構造やボルト取り合い構造となっていると、ピン穴合わせやボルト穴合わせに時間を要して組立・解体が困難になり、また、その連結相手となるマスト3側に追加のピン穴、ピンブラケットやボルト穴を備えた特種構造のマスト3を用いなければならない上、ステー10の上端のマスト3の側面に対する連結作業や点検作業を高所で行わなければならないことで作業足場を組んだり高所作業車等を用いたりする必要があるといった課題があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、組立・解体が容易で特種構造のマストを必要とせず、ステーの上端をマスト側に連結する作業や点検を安全に且つ簡便に行い得るクライミングクレーンのマスト支持構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ベース面に設置される基礎架台と、該基礎架台の上にマストブロックを順次積み上げて立設されるマストと、該マストに沿って昇降自在な昇降ユニットと、該昇降ユニットの上端に旋回自在に配設され且つジブが起伏自在に設けられる旋回体とを備えたクライミングクレーンのマスト支持構造であって、
前記マストの中途部に対し外嵌することが可能な環状枠と、該環状枠に向け前記基礎架台の複数箇所から斜めに掛け渡されて前記マストを前記環状枠を介して支持するステーとを備え、
前記環状枠は、その周方向複数箇所で着脱自在に分割され且つ前記各ステーのうちの少なくとも一部の上端に固設された分割枠体により構成されているクライミングクレーンのマスト支持構造に係るものである。
【0012】
また、前記クライミングクレーンのマスト支持構造においては、前記各分割枠体の連結時に作業台として完成する作業台パーツが前記各分割枠体に装備されていることが好ましく、前記環状枠と前記マストとの間にはクリアランスが設定され、該クリアランスにクサビを打ち込むことで前記環状枠が前記マストに固定されることが好ましい。
【0013】
更に、前記クライミングクレーンのマスト支持構造においては、前記各分割枠体の相互のピン孔を重ね合わせて連結ピンを差し込むことで前記各分割枠体が連結されるようになっていると良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明のクライミングクレーンのマスト支持構造によれば、マストの中途部で各分割枠体相互を連結して環状枠とすることにより、前記マストの中途部に対し各ステーを直接連結せずに組み付けることができるので、組立・解体が容易で特種構造のマストを必要としないマスト支持構造を実現することができ、更には、前記各分割枠体の連結時に作業台として完成する作業台パーツを前記各分割枠体に装備しておくことで作業台の常設を実現し、ステーの上端をマスト側に連結する作業や点検を安全に且つ簡便に行うこともできる等種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施例を示す正面図である。
図2図1の環状枠の詳細を示す拡大図である。
図3図2のIII-III方向の矢視図である。
図4図1のマスト支持構造の組立工程に関する説明図である。
図5図4の要部の詳細を示す拡大図である。
図6図5の分割枠体相互を連結する様子を示す拡大図である。
図7図6の環状枠をクサビにより固定した状態を示す拡大図である。
図8図7のクサビの詳細を示す拡大図である。
図9】本発明の第二実施例を示す正面図である。
図10図9の環状枠の詳細を示す拡大図である。
図11図10のX-X方向の矢視図である。
図12図9のマスト支持構造の組立工程に関する説明図である。
図13図12の要部の詳細を示す拡大図である。
図14図13の分割枠体相互を連結する様子を示す拡大図である。
図15図9のマスト支持構造の組立工程に関する更なる説明図である。
図16図15の要部の詳細を示す拡大図である。
図17図16の環状枠をクサビにより固定した状態を示す拡大図である。
図18】従来におけるクライミングクレーンの概要を説明する斜視図である。
図19図18のポストを補強した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1図8は本発明のクライミングクレーンのマスト支持構造に関する第一実施例を示すものであるが、クライミングクレーン1については、先に図18で従来例について説明したものと変わるところがないため、図1図8に図示のないクライミングクレーン1の構成要素については図18を参照するものとする。
【0018】
即ち、図1に示す通り、この第一実施例においては、先に図18で説明した従来例と同様に、ベース面Bに設置される平面形状が十字型の基礎架台2と、該基礎架台2の上にマストブロック6を順次積み上げて立設されるマスト3と、該マスト3に沿って昇降自在な昇降ユニット4(図18参照)と、該昇降ユニット4の上端に旋回自在に配設され且つジブ9が起伏自在に設けられる旋回体5(図18参照)とを備えたクライミングクレーン1を適用対象としており、前記マスト3を補強して撓みを抑える措置として、該マスト3の中途部に対し外嵌することが可能な環状枠15と、該環状枠15に向け前記基礎架台2の四方に張り出す外側端上面から斜めに掛け渡されて前記マスト3を前記環状枠15を介して支持するステー16とを備えたものとなっている。
【0019】
図2及び図3に拡大して示す通り、前記環状枠15は、その周方向複数箇所で着脱自在に四分割され、その分割された各分割枠体17の夫々が前記各ステー16の上端に固設されており、該各ステー16の下端は、前記基礎架台2の各外側端上面に突設された基礎ブラケット18に連結ピン19により連結されている。
【0020】
ここで、前記各分割枠体17は、相互のピン孔を上下に重ね合わせて連結ピン20を上方から差し込むことで連結されるようになっており、前記環状枠15と前記マスト3との間に設定されたクリアランスにクサビ21を打ち込むことで前記環状枠15が前記マスト3に固定されるようにしてある。尚、図示例ではクサビ21の例で説明してあるが、クサビ21に代えてジャッキ式ボルトを用いることも可能である。
【0021】
また、前記各分割枠体17には、該各分割枠体17の連結時に作業台22として完成する作業台パーツ23が装備されており、作業台22として完成した後は、昇降ユニット4がクライミングを行う際に利用するマスト3のカンヌキ孔24から出入りできるようにしてあり、前記作業台22までは、前記マスト3内部の階段を利用して上ることができる。
【0022】
斯かる第一実施例におけるマスト支持構造の具体的な組立工程につき以下に説明すると、先ず図4に示す如く、地上クレーン25でステー16を吊り上げ、該ステー16の下端を前記基礎架台2の外側端上面の基礎ブラケット18に対し連結ピン19を介し連結した後、前記地上クレーン25のロープ26を巻き下げて前記ステー16を下端を中心に傾動させ、図5に示す如く、前記ステー16の上端をマスト3側に寄せて前記各分割枠体17を相互に連結するべく位置合わせを行う。
【0023】
この際、マスト3を構成しているマストブロック6には、その周方向四箇所に前記昇降ユニット4のためのアングル状のガイド27が設置されているので、このガイド27を利用することで前記各分割枠体17の位置合わせを簡便に行うことが可能である。尚、マスト3の形状は、ここに図示している例の如き円形断面のマスト3とする以外に、矩形断面のマストとし、その四隅の角部を前記各分割枠体17の位置合わせに用いるようにしても良い。
【0024】
そして、この位置合わせにより前記各分割枠体17の相互のピン孔が上下に重なり合う状態となったら、図6に示す如く、連結ピン20を上方から吊り下ろして差し込むことで前記各分割枠体17の相互を連結して環状枠15を完成し、然る後、図7及び図8に示す如く、前記環状枠15と前記マスト3との間に設定されたクリアランスにクサビ21を打ち込み、前記環状枠15を前記マスト3に対しガタつきが生じないように固定する。
【0025】
この際、前記連結ピンの吊り下ろし作業やクサビ21の打ち込み作業については、前記各分割枠体17に装備された作業台パーツ23、或いは、前記各分割枠体17の連結により完成した作業台22上に作業員28が乗り込んで作業の補助を行うことが可能である。
【0026】
而して、このようにして組み立てられたマスト支持構造を採用すれば、マスト3の中途部で各分割枠体17相互を連結して環状枠15とすることにより、前記マスト3の中途部に対し各ステー16を直接連結せずに組み付けることができるので、組立・解体が容易で特種構造のマスト3を必要としないマスト支持構造を実現することができ、更には、前記各分割枠体17の連結時に作業台22として完成する作業台パーツ23を前記各分割枠体17に装備しておくことで作業台22の常設を実現し、ステー16の上端をマスト3側に連結する作業や点検を安全に且つ簡便に行うこともできる。
【0027】
以上に説明した第一実施例においては、4本のステー16により環状枠15を介してマスト3を支える構造としているが、必ずしも4本のステー16で支える形式に限定されるものではなく、例えば、図9図17に示す第二実施例の如く、8本のステー16により環状枠15を介してマスト3を支える構造とすることも可能である。
【0028】
図9に示す通り、この第二実施例においては、第一実施例の環状枠15とは異なる周方向の複数箇所で四分割され、その分割された分割枠体17の夫々が一対のステー16,16’により支えられるようになっているが、この一対のステー16,16’のうちの一方のステー16の上端に分割枠体17が固設されていて、他方のステー16’は前記各分割枠体17の連結後に追加で連結されてマスト支持構造を補強するようにしてある。
【0029】
即ち、図10及び図11に拡大して示す通り、前記環状枠15は、第一実施例における分割箇所(図3参照)とは周方向に45°ずれた位置で四分割されていて、前記基礎架台2の四方に張り出す外側端から1本ずつ斜めに掛け渡されるステー16の上端に前記分割枠体17の夫々が固設され、隣接する別の外側端から1本ずつ斜めに掛け渡されるステー16’の上端により補強されるようになっている。
【0030】
ここで、前記各ステー16,16’の下端は、基礎架台2の四方に張り出す外側端上面に2組ずつ突設された基礎ブラケット18,18’に連結ピン19,19’を介し連結されており、追加で連結される補強用のステー16’の上端は、前記各分割枠体17に突設された枠体ブラケット29に連結ピン30を介して連結されるようになっている。
【0031】
また、前記各分割枠体17は、先に説明した第一実施例の場合と同じく、相互のピン孔を上下に重ね合わせて連結ピン20を上方から差し込むことで連結されるようになっており、前記環状枠15と前記マスト3との間に設定されたクリアランスにクサビ21(図8参照)を打ち込むことで前記環状枠15が前記マスト3に固定されるようにしてある。
【0032】
更に、この第二実施例においても、前記各分割枠体17に作業台パーツ23が装備されていて、前記各分割枠体17の連結時に前記各作業台パーツ23が作業台22として完成するようになっており、作業台22として完成した後は、昇降ユニット4がクライミングを行う際に利用するマスト3のカンヌキ孔24から出入りできるようにしてある。
【0033】
斯かる第二実施例におけるマスト支持構造の具体的な組立工程につき以下に説明すると、先ず図12に示す如く、分割枠体17を上端に固設したステー16を地上クレーン25で吊り上げ、その吊り上げたステー16の下端を前記基礎架台2の外側端上面の一方の基礎ブラケット18に対し連結ピン19を介し連結した後、前記地上クレーン25のロープ26を巻き下げて前記ステー16を下端を中心に傾動させ、図13に示す如く、前記ステー16の上端をマスト3側に寄せて前記各分割枠体17を相互に連結するべく位置合わせを行う。
【0034】
この際、マスト3を構成しているマストブロック6には、その周方向四箇所に前記昇降ユニット4のためのアングル状のガイド27が設置されているので、このガイド27を利用することで前記各分割枠体17の位置合わせを簡便に行うことが可能である。
【0035】
そして、この位置合わせにより前記各分割枠体17の相互のピン孔が上下に重なり合う状態となったら、図14に示す如く、連結ピン20を上方から吊り下ろして差し込むことで前記各分割枠体17の相互を連結して環状枠15を完成する。
【0036】
次いで、図15に示す如く、追加で連結される補強用のステー16’を地上クレーン25で吊り上げ、その吊り上げたステー16の下端を前記基礎架台2の外側端上面の残りの基礎ブラケット18’に連結ピン19’を介し連結した後、前記地上クレーン25のロープ26を巻き下げて前記ステー16’を下端を中心に傾動させ、図16に示す如く、前記ステー16’の上端を分割枠体17側に寄せて枠体ブラケット29に連結ピン30を介して連結する。
【0037】
そして、全ての補強用のステー16’を環状枠15に対し連結し終えたら、図17に示す如く、前記環状枠15と前記マスト3との間に設定されたクリアランスにクサビ21(図8参照)を打ち込み、前記環状枠15を前記マスト3に対しガタつきが生じないように固定する。
【0038】
尚、前記連結ピン20の吊り下ろし作業や前記連結ピン30の挿入作業、前記クサビ21の打ち込み作業に関し、前記各分割枠体17に装備された作業台パーツ23、或いは、前記各分割枠体17の連結により完成した作業台22上に作業員が乗り込んで作業の補助を行い得ることは第一実施例の場合と同様である。
【0039】
而して、このようにして組み立てられたマスト支持構造を採用しても、組立・解体が容易で特種構造のマスト3を必要としないマスト支持構造を実現することができ、更には、前記各分割枠体17の連結時に作業台22として完成する作業台パーツ23を前記各分割枠体17に装備しておくことで作業台22の常設を実現し、ステー16の上端をマスト3側に連結する作業や点検を安全に且つ簡便に行うこともできる。
【0040】
尚、本発明のクライミングクレーンのマスト支持構造は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
1 クライミングクレーン
2 基礎架台
3 マスト
4 昇降ユニット
5 旋回体
6 マストブロック
9 ジブ
15 環状枠
16 ステー
16’ ステー
17 分割枠体
21 クサビ
22 作業台
23 作業台パーツ
B ベース面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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