(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176606
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】運用計画支援方法、運用計画支援システム、端末装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20241212BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20241212BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20241212BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q10/06
F24F11/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095298
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 孝雄
【テーマコード(参考)】
3L260
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260AA04
3L260AA05
3L260AA09
3L260AA13
3L260AB03
3L260BA42
3L260BA75
3L260CA50
3L260CB68
3L260CB86
3L260CB90
3L260EA01
3L260EA08
3L260EA27
3L260FA09
3L260FA20
3L260GA16
3L260GA17
5L010AA09
5L049AA09
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援できる運用計画支援方法を提供する。
【解決手段】運用計画支援方法は、空気調和設備の運用計画の策定を支援する運用計画支援方法であって、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップが受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す第1通知ステップと、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和設備の運用計画の策定を支援する運用計画支援方法であって、
建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップが受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す第1通知ステップと、を含む、
運用計画支援方法。
【請求項2】
前記取得ステップは、
前記受付ステップが受け付けた前記運用計画と、予め定められている所定の前記運用計画との差異に基づいて、前記予測消費電力量を算出する、
請求項1に記載の運用計画支援方法。
【請求項3】
前記受付ステップが受け付けた前記運用計画を出力する第1出力ステップを含み、
前記取得ステップは、
月ごとに、月間の前記予測消費電力量である月間予測消費電力量を取得し、
年間の前記予測消費電力量である年間予測消費電力量を取得し、
月ごとに、前記年間予測消費電力量に対する前記月間予測消費電力量の割合を取得し、
前記所定の基準電力量に前記割合を乗じて、月ごとに、月間の基準電力量である月間基準電力量を取得し、
前記第1出力ステップは、
前記運用計画と共に、前記取得ステップが取得した月ごとの前記月間基準電力量を出力する、
請求項1又は2に記載の運用計画支援方法。
【請求項4】
前記取得ステップは、
月ごとの外気温度に基づいて前記月間予測消費電力量を算出する、
請求項3に記載の運用計画支援方法。
【請求項5】
前記取得ステップが取得した前記予測消費電力量が前記所定の基準電力量を上回る場合、前記建物へ導入予定の前記空気調和設備の変更を促す第2通知ステップを、含む、
請求項1に記載の運用計画支援方法。
【請求項6】
前記取得ステップが取得した前記月間基準電力量と、前記空気調和設備の実運転による月間の消費電力量である月間実消費電力量と、を出力する第2出力ステップを含む、
請求項3に記載の運用計画支援方法。
【請求項7】
前記空気調和設備の導入後において、前記取得ステップが取得した前記月間基準電力量と前記月間実消費電力量との誤差に基づいて、前記取得ステップが取得した前記予測消費電力量を補正する補正ステップを、含む、
請求項6に記載の運用計画支援方法。
【請求項8】
前記補正ステップにおいて補正された前記予測消費電力量が、前記所定の基準電力量を上回る場合、補正された前記予測消費電力量が前記所定の基準電力量を上回る旨を通知する第3通知ステップを、含む、
請求項7に記載の運用計画支援方法。
【請求項9】
前記補正ステップにおいて補正された前記予測消費電力量が、前記所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の見直しを促す第4通知ステップを、含む、
請求項7又は8に記載の運用計画支援方法。
【請求項10】
空気調和設備の運用計画の策定を支援する運用計画支援システムであって、
建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、を備える、
運用計画支援システム。
【請求項11】
空気調和設備の運用計画の策定を支援する端末装置であって、
建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、を備える、
端末装置。
【請求項12】
空気調和設備の運用計画の策定を支援する端末装置のプロセッサを、
建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、して機能させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運用計画支援方法、運用計画支援システム、端末装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、建物等に導入される空調機の選定において、消費エネルギーや初期コスト等に基づいて空調機のライフサイクルコストを算出し、算出したライフサイクルコストが最も低い空調機を選定する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援できる運用計画支援方法、運用計画支援システム、端末装置、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における運用計画支援方法は、空気調和設備の運用計画の策定を支援する運用計画支援方法であって、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップが受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す第1通知ステップと、を含む。
【0006】
また、本開示における運用計画支援システムは、空気調和設備の運用計画の策定を支援する運用計画支援システムであって、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、を備える。
【0007】
また、本開示における端末装置は、空気調和設備の運用計画の策定を支援する端末装置であって、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、を備える。
【0008】
また、本開示におけるプログラムは、空気調和設備の運用計画の策定を支援する端末装置のプロセッサを、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、して機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示における運用計画支援方法、運用計画支援システム、端末装置、及びプログラムは、空気調和設備の運用計画の再入力を促すことで、空気調和設備の消費電力量が所定の基準電力量以下となる空気調和設備の運用計画がどのような計画であるかを空気調和設備の導入前に把握できるようになる。よって、建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1における運用計画支援システムの概要を示す説明図
【
図2】実施の形態1における第1端末装置、及び第2端末装置の構成を示す図
【
図3】実施の形態1における入力画面の一例を示す図
【
図4】実施の形態1における第1運用計画画面の一例を示す図
【
図5】実施の形態1における運用結果画面の一例を示す図
【
図6】実施の形態1における第2端末装置の動作を示すフローチャート
【
図7】実施の形態1における第1端末装置の動作を示すフローチャート
【
図8】実施の形態1における第2端末装置の動作を示すフローチャート
【
図9】実施の形態1における第2運用計画画面の一例を示す図
【
図10】実施の形態3における第2端末装置の構成を示す図
【
図11】実施の形態3における第3運用計画画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、建物に導入する空気調和設備を選定するという技術があった。ところで、建物の消費電力が所定の基準以下である場合、建物の管理者などが、行政機関や団体などの所定の対象から所定の許可を得ることができる制度が存在する。なお、当該所定の許可としては、例えば補助金の給付の許可である。
例えば、ZEB(Net Zero Energy Building)という建物が知られている。ZEBは、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支を零にすることを目指した建物である。ZEBの実現を目指すべく、行政機関は、建物の建築後の1年間の消費電力量が申請値を超えない場合に、補助金を建物の管理者などに給付する制度を施策している。この申請値は、一般的に、国立研究開発法人建築研究所が提供するWEBPROによって計算される。
【0012】
一般に、建物の消費電力においては空気調和設備の消費電力が多くを占めることから、上記制度の利用を支援するためには、建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援することが要望される。この要望に応えるためには、空気調和設備の消費電力量が所定の基準電力量以下となる空気調和設備の運用計画がどのような計画であるかを、空気調和設備の導入前に把握できることが望ましい。しかしながら、従来、この把握を行える仕組みがないと言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援できる運用計画支援方法、運用計画支援システム、端末装置、及びプログラムを提供する。
【0013】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明を省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0014】
(実施の形態1)
[1-1.構成]
[1-1-1.運用計画支援システムの概要]
図1を参照して、運用計画支援システム1000の概要を説明する。
図1は、運用計画支援システム1000の概要を示す説明図である。
【0015】
運用計画支援システム1000は、建物BLにおける空気調和設備1の運用計画の策定を支援するシステムである。運用計画支援システム1000は、第1端末装置2、第2端末装置3、第1サーバ装置4、及び第2サーバ装置5を備え、建物BLにおける空気調和設備1の運用計画の策定を支援する運用計画支援サービスを提供する。
第1端末装置2は、「端末装置」の一例に対応する。
【0016】
第1端末装置2、及び第2端末装置3は、PC(Personal Computer)である。
図1では、第1端末装置2、及び第2端末装置3としてラップトップ型のPCを例示しているが、第1端末装置2、及び第2端末装置3は、デスクトップ型のPCでもタブレット型のPCでもスマートフォンでもよい。
【0017】
第1サーバ装置4、及び第2サーバ装置5は、ネットワークNWに接続する機器をクライアントとして情報処理する装置である。ネットワークNWは、インターネット、電話網、その他の通信網を含む。なお、
図1では、第1サーバ装置4、及び第2サーバ装置5を、1つのブロックによって表現しているが、これは必ずしも第1サーバ装置4、及び第2サーバ装置5が単一の装置により構成されることを意味していない。
【0018】
建物BLとしては、住宅や、事務所、倉庫、店舗、工場、校舎、宿泊所などが例に挙げられる。本実施の形態では、建物BLとして、商業ビルなどの非住宅の建築物を例示する。
【0019】
建物BLに導入される空気調和設備1としては、室内機及び室外機を有する空気調和装置や、換気装置などが例に挙げられる。なお、換気装置は、屋外から屋内へ給気される空気と、屋内から屋外へ排気される空気との間で熱交換を行う全熱交換機を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、換気装置の換気態様は、第1種換気、第2種換気、及び第3種換気のいずれでもよい。
【0020】
本実施の形態において、建物BLにおける空気調和設備1の運用計画は、1年間、建物BLにおいて空気調和設備1をどのように運用するかを示す計画である。より詳細には、空気調和設備1の運用計画は、1年間のどの期間に、また、1日のどの時間帯に、どのような運転を行うかを示す計画である。
例えば、空気調和設備1の運用計画は、11月15日~3月31日の期間、07:00~20:00の時間帯に設定温度18℃の暖房運転を行い、7月15日~9月30日の期間、06:00~19:00の時間帯に設定温度26℃の冷房運転を行う、といった計画である。
【0021】
建物BLの管理者P1は、建物BL全体の消費電力量が所定の基準以下である場合、所定の対象から所定の許可を得ることができる。なお、管理者P1は、例えば、建物BLのオーナーや、オーナーから管理業務を依頼された者である。
【0022】
本実施の形態において、管理者P1は、建物BL全体の年間消費電力量(1年間に消費する電力量)が所定の基準以下である場合、行政機関から補助金の給付の許可を得ることができる。補助金の給付の許可を得るため、管理者P1は、補助金の給付の申請を行政機関に対して行う。この申請は、建物BL全体の年間消費電力量が、補助金の給付を許可する基準値(以下、「申請値」という)以下である場合に、補助金の給付の許可を求めるといった内容である。そして、建物BL全体の年間消費電力量が申請値以下である場合、管理者P1は、行政機関から補助金の給付の許可を得ることができる。
【0023】
一般に、建物BL全体の消費電力は、空気調和設備1の消費電力が多くを占める。そのため、管理者P1は、補助金の給付の許可を行政機関から得れるようにするため、建物BLへの空気調和設備1の導入前に、策定者P2に空気調和設備1の運用計画の策定を依頼する。策定者P2は、管理者P1からの依頼に基づいて、建物BLへ導入予定の空気調和設備1の運用計画を策定し、策定した空気調和設備1の運用計画を管理者P1に報告する。
なお、策定者P2は、空気調和設備1の運用計画を策定する者であり、例えば、運用計画の策定を専門に行う者でもよいし、建物BLを建築或いは設計した者でもよい。
【0024】
策定者P2は、空気調和設備1の運用計画の策定に際し、第2端末装置3を使用する。策定者P2は、第2端末装置3を使用して、建物BL全体の年間消費電力量の推定値、及び、建物BLへ導入予定の電気設備6の種類ごとの年間消費電力量の推定値を取得する。建物BL全体の年間消費電力量の推定値には、空気調和設備1のみならず昇降機や照明などの各種の電気設備6の年間消費電力量の推定値が含まれる。第2端末装置3は、策定者P2の操作に従って、建物BLの設計データD1を第1サーバ装置4に送信することで、第1サーバ装置4からこれら推定値を取得する。
【0025】
なお、第2端末装置3が送信する設計データD1には、建物情報と設備情報とが含まれる。
建物情報は、建物BLの主な用途や、建物BLが有する各部屋の用途、建物BLが有する各部屋の床面積、建物BLの建材の種類、建物BLの建具の種類などが記録されている。
設備情報は、建物BLへ導入予定の電気設備6の種類及び数などが記録されている。
【0026】
第1サーバ装置4は、第2端末装置3から設計データD1を受信すると、WEBPRO41の機能、及び受信した設計データD1に基づいて、建物BL全体の年間消費電力量の推定値、及び、電気設備6の種類ごとの年間消費電力量の推定値を算出する。WEBPRO41は、国立研究開発法人建築研究所が提供するプログラムであって、建物BLのエネルギー消費性能を計算するプログラムである。第1サーバ装置4は、WEBPRO41によって設計データD1に基づく計算を行うと、計算結果を示す計算結果データD2を第2端末装置3に送信する。
【0027】
計算結果データD2には、建物BL全体の年間消費電力量の推定値、及び、建物BLに導入予定の電気設備6の種類ごとの年間消費電力量の推定値が記録されている。
例えば、計算結果データD2には、次のように各種の推定値が記録されている。
建物BL全体の年間消費電力量の推定値:α[GJ(ギガ ジュール)/年]
空気調和設備1の年間消費電力量の推定値 :β[GJ(ギガ ジュール)/年]
照明の年間消費電力量の推定値 :γ[GJ(ギガ ジュール)/年]
昇降機の年間消費電力量の推定値 :δ[GJ(ギガ ジュール)/年]
その他の年間消費電力量の推定値 :ε[GJ(ギガ ジュール)/年]
なお、この計算結果データD2に記録されている推定値の種類は、あくまで一例であり、この例示に限定されない。
空気調和設備1の年間消費電力量の推定値は、「所定の基準電力量」の一例に対応する。
【0028】
第2端末装置3は、計算結果データD2を第1サーバ装置4から受信すると、受信した計算結果データD2が示す計算結果を表示する。これにより、第2端末装置3は、策定者P2に、建物BL全体の年間消費電力量の推定値、及び、電気設備6の種類ごとの年間消費電力量の推定値を提供する。策定者P2は、第2端末装置3が表示する建物BL全体の年間消費電力量の推定値を管理者P1に報告する。そして、管理者P1は、報告を受けた建物BL全体の年間消費電力量の推定値を申請値として、補助金の給付の申請を行政機関に対して行う。
【0029】
策定者P2は、第2端末装置3により提供された空気調和設備1の年間消費電力量の推定値に基づいて、建物BLへの空気調和設備1の導入前に空気調和設備1の運用計画を策定する。策定者P2は、第2端末装置3を使用して、WEBPRO41が計算した空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回らないように、空気調和設備1の運用計画を策定する。策定者P2は、空気調和設備1の運用計画を策定すると、策定した空気調和設備1の運用計画を管理者P1に報告する。管理者P1が報告された空気調和設備1の運用計画で運用することを決定すると、第2端末装置3は、運用計画データD3を第2サーバ装置5にアップロードする。アップロードされる運用計画データD3には、策定された空気調和設備1の運用計画の他、WEBPRO41が計算した空気調和設備1の年間消費電力量の推定値、年間予測消費電力量、月ごとの月間予測消費電力量、月ごとの月間基準電力量などの種々の電力量が記録されている。
【0030】
年間予測消費電力量は、年間の予測消費電力量である。予測消費電力量とは、策定された空気調和設備1の運用計画に沿って空気調和設備1が運転した場合の消費電力量である。
月間予測消費電力量は、月間の予測消費電力量である。
月間基準電力量とは、空気調和設備1の年間消費電力量が、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回らないようにするためのひと月あたりの基準を示す電力量である。
【0031】
第2サーバ装置5は、第2端末装置3から送信された運用計画データD3を記憶する。また、第2サーバ装置5は、空気調和設備1の導入後、建物BLに導入された空気調和設備1の月間実消費電力量を示す月間実消費電力量データD4を、月ごとに取得する。なお、月間実消費電力量は、空気調和設備1の実運転によって消費した月間の電力量である。例えば、第2サーバ装置5は、空気調和設備1の月間実消費電力量をカウントする装置と通信することで、毎月、当月の月間実消費電力量データD4を取得する。
【0032】
第2サーバ装置5は、第1端末装置2、及び第2端末装置3から要求があった場合、運用計画データD3と月間実消費電力量データD4とを、第1端末装置2、及び第2端末装置3に送信する。
【0033】
第1端末装置2は、管理者P1の操作に従って、運用計画データD3と月間実消費電力量データD4とを第2サーバ装置5から要求する。第1端末装置2は、第2サーバ装置5から受信した運用計画データD3と月間実消費電力量データD4とに基づいて、策定された空気調和設備1の運用計画や、月間基準電力量、月間実消費電力量などを表示する。これにより、管理者P1は、第1端末装置2を使用して、策定された空気調和設備1の運用計画に沿って空気調和設備1を運用できているかなどを判断できる。
【0034】
[1-1-2.第1端末装置、及び第2端末装置の構成]
まず、第2端末装置3の構成について説明する。
図2は、第1端末装置2、及び第2端末装置3の構成を示す図である。
第2端末装置3は、第2制御装置30、第2通信部31、第2表示部32、及び第2入力部33を備える。
【0035】
第2制御装置30は、第2端末装置3の各部を制御する装置である。第2制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processor Unit)などの第2プロセッサ300、第2メモリ310、及び、インターフェース回路を備える。なお、このインターフェース回路には、第2端末装置3が具備する他の装置やセンサ類が接続される。
第2プロセッサ300は、「プロセッサ」の一例に対応する。
【0036】
第2メモリ310は、プログラムやデータを記憶するメモリである。第2メモリ310は、第2制御プログラム311、第3制御プログラム312、第2プロセッサ300に処理されるデータを記憶する。第2メモリ310は、不揮発性の記憶領域を有する。また、第2メモリ310は、揮発性の記憶領域を備え、第2プロセッサ300のワークエリアを構成してもよい。第2メモリ310は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)によって構成される。
第3制御プログラム312は、「プログラム」の一例に対応する。
【0037】
第2通信部31は、所定の通信規格に従った通信回路などの通信ハードウェアを備え、ネットワークNWに接続する各機器と通信する。
【0038】
第2表示部32は、液晶や、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic LED)などの素子で構成されるディスプレイを備える。第2表示部32は、第2制御装置30の制御に従ってディスプレイに各種情報を表示する。
【0039】
第2入力部33は、操作スイッチや、タッチ入力式のパネル、マウス、キーボードなどのデバイスと接続するインターフェース回路を備え、策定者P2の入力操作を検出し、検出結果を第2プロセッサ300に出力する。
【0040】
第2プロセッサ300は、第2メモリ310に記憶された第2制御プログラム311を読み出して実行することによって、第2通信制御部301、及び第2表示制御部302として機能する。
【0041】
第2通信制御部301は、第2通信部31を介して、第1サーバ装置4と通信する。
【0042】
第2表示制御部302は、第2通信制御部301が計算結果データD2を受信した場合、受信された計算結果データD2が示す計算結果を第2表示部32により表示する。
【0043】
第2プロセッサ300は、第2メモリ310が記憶する第3制御プログラム312を読み出して実行することによって、第3通信制御部303、第3表示制御部304、第2受付部305、取得部306、及び補正部307として機能する。
第2受付部305は、「受付部」の一例に対応する。第3表示制御部304は、「通知部」の一例に対応する。
【0044】
第3通信制御部303は、第2通信部31を介して、第2サーバ装置5と通信する。
【0045】
第3表示制御部304は、入力画面G1、及び第1運用計画画面G2を第2表示部32により表示する。第1運用計画画面G2については、後述する。
【0046】
図3は、入力画面G1の一例を示す図である。
入力画面G1は、空気調和設備1の運用計画を入力する画面である。本実施の形態における入力画面G1は、第1入力欄L1、第2入力欄L2、第3入力欄L3、第4入力欄L4、第5入力欄L5、第6入力欄L6、第7入力欄L7、第8入力欄L8、第9入力欄L9、第10入力欄L10、及び第11入力欄L11を有する。また、入力画面G1は、確定ボタンB1を有する。なお、空気調和設備1の運用計画を入力する欄は、第5入力欄L5~第11入力欄L11である。
【0047】
第1入力欄L1は、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を入力する欄である。
【0048】
第2入力欄L2は、建物BLに導入予定の空気調和装置の台数を入力する欄である。
【0049】
第3入力欄L3は、冷房定格消費電力を入力する欄である。冷房定格消費電力は、冷房運転時における空気調和装置の定格消費電力である。
【0050】
第4入力欄L4は、暖房定格消費電力を入力する欄である。暖房定格消費電力は、暖房運転時における空気調和装置の定格消費電力である。
【0051】
第5入力欄L5は、年間冷房使用期間を入力する欄である。年間冷房使用期間は、1年間において冷房運転を行う期間である。
【0052】
第6入力欄L6は、冷房使用時間を入力する欄である。冷房使用時間は、1日において冷房運転を行う時間帯である。
【0053】
第7入力欄L7は、冷房運転時の設定温度を入力する欄である。
【0054】
第8入力欄L8は、年間暖房使用期間を入力する欄である。年間暖房使用期間は、1年間において暖房運転を行う期間である。
【0055】
第9入力欄L9は、暖房使用時間を入力する欄である。暖房使用時間は、1日において暖房運転を行う時間帯である。
【0056】
第10入力欄L10は、暖房運転時の設定温度を入力する欄である。
【0057】
第11入力欄L11は、換気装置の運転期間を入力する欄である。
【0058】
確定ボタンB1は、第1入力欄L1~第11入力欄L11に入力された内容を確定するソフトウェアボタンである。
【0059】
なお、
図3に示す入力画面G1は、あくまで一例である。入力画面G1は、さらに多くの入力欄があってもよいし、各入力欄の配置態様も
図3に示す態様に限定されないし、入力の態様も欄に限定されず例えばプルダウン式などの他の態様でもよい。例えば、換気装置が全熱交換器を有しているか否かの有無や、全熱交換器を有する場合には全熱交換器の設計風量、全熱交換器を有する場合には全熱交換効率、換気装置の送風における定格消費電力などの入力欄があってもよい。また、例えば、空気調和設備1の熱源について、冷熱及び温熱に係わる定格能力や定格消費エネルギーなどの入力欄があってもよい。
【0060】
図2に説明に戻り、第2受付部305は、第2入力部33を介して、策定者P2から各種入力を受け付ける。本実施の形態の第2受付部305は、第3表示制御部304が表示する入力画面G1に対する各種入力を受け付ける。
【0061】
取得部306は、月ごとに、月間予測消費電力量を取得する。
取得部306は、月ごとに、下記式(1)によって演算することにより、1台あたりの月間予測消費電力量を取得する。そして、取得部306は、下記式(1)によって算出した1台あたりの月間予測消費電力量の各々に、建物BLに導入予定の空気調和設備1の台数を乗算することで、月ごとの月間予測消費電力量を取得する。
【0062】
1台あたりの月間予測消費電力量=冷房定格消費電力×月間冷房使用期間×冷房使用時間+暖房定格消費電力×月間暖房使用期間×暖房使用時間・・・(1)
【0063】
式(1)において、月間冷房使用期間は、ひと月において冷房運転を行う日数である。
式(1)において、月間暖房使用期間は、ひと月において暖房運転を行う日数である。
【0064】
取得部306は、1台あたりの月間予測消費電力量の算出にあたって、入力画面G1で入力された冷房定格消費電力を式(1)の冷房定格消費電力に代入する。
また、取得部306は、1台あたりの月間予測消費電力量の算出にあたって、入力画面G1で入力された年間冷房使用期間のうち、計算対象の月の日数を、式(1)の冷房使用期間に代入する。例えば、入力画面G1に入力された年間冷房使用期間が5月7日~10月17日である場合において10月の月間消費電力量を算出する場合、取得部306は、式(1)の冷房使用期間に日数を示す17の数字を代入する。
また、取得部306は、1台あたりの月間予測消費電力量の算出にあたって、入力画面G1で入力された冷房使用時間を式(1)の冷房使用時間に代入する。
【0065】
また、取得部306は、1台あたりの月間予測消費電力量の算出にあたって、入力画面G1で入力された暖房定格消費電力を式(1)の暖房定格消費電力に代入する。
また、取得部306は、1台あたりの月間予測消費電力量の算出にあたって、入力画面G1で入力された年間暖房使用期間のうち、計算対象の月の日数を、式(1)の暖房使用期間に代入する。例えば、入力画面G1に入力された年間暖房使用期間が11月17日~4月3日である場合において11月の月間消費電力量を算出する場合、取得部306は、式(1)の暖房使用期間に17日との日数を代入する。
また、取得部306は、1台あたりの月間予測消費電力量の算出にあたって、入力画面G1で入力された暖房使用時間を式(1)の暖房使用時間に代入する。
【0066】
取得部306は、式(1)によって、月ごとに、1台あたりの月間消費電力量を算出すると、算出した月間消費電力量の各々に、入力画面G1に入力された空気調和設備1の台数を乗算して、月ごとの月間予測消費電力量を算出する。
【0067】
取得部306は、月ごとの月間予測消費電力量を算出すると、算出した月間予測消費電力量の各々を補正する。
取得部306は、予め定められた所定の運用計画と入力画面G1に入力された運用計画との差異に基づいて、月間予測消費電力量の各々を補正する。本実施の形態において、予め定められた所定の運用計画は、WEBPRO41が推定値を計算する際に使用する空気調和設備1の運用計画である。予め定められた所定の運用計画を示すデータは、第2メモリ310に予め記憶されている。また、予め定められた所定の運用計画と入力画面G1に入力された運用計画との差異に基づいてどのように補正するかが定められたデータも、第2メモリ310に予め記憶されている。そして、取得部306は、これら2つのデータに基づいて、月間予測消費電力量を補正する。
【0068】
例えば、予め定めれた所定の運用計画において冷房運転時の設定温度が27℃に規定され、第7入力欄L7において入力された冷房運転時の設定温度が26℃であるとする。また、この例では、入力画面G1において5月7日~10月17日の年間冷房使用期間が入力されたとする。この場合、取得部306は、5月、6月、7月、8月、9月、及び10月の月間予測消費電力量の各々が、式(1)によって算出した月間予測消費電力量の+10%となるように補正し、1月、2月、3月、4月、11月、及び12月の月間予測消費電力量の各々が、式(1)によって算出した月間予測消費電力量の+0%となるように補正する。
なお、この例の補正は、あくまで一例である。よって、補正の内容は、この例に限定されない。例えば、補正の内容には、空調温度や運転時間等の設定の違いによる実測やエネルギーシミュレーションの結果に基づいて、節電効果や増エネ効果を定量的に反映してもよい。
【0069】
取得部306は、補正した月間予測消費電力量の各々を合算して、年間予測消費電力量を取得する。
【0070】
取得部306は、年間予測消費電力量を算出すると、月ごとに、年間予測消費電力量に対する補正後の月間予測消費電力量の割合(以下、「電力量割合」と表現する)を算出する。
例えば、年間予測消費電力量を「A」と算出し、1月から12月の補正後の月間予測消費電力量の各々をB1~B12と算出したとする。なお、Bの後に続く数字は暦月の番号を示している。この例の場合、取得部306は、1月の電力量割合を「B1÷A」によって算出し、2月の電力量割合を「B2÷A」によって算出し、3月の電力量割合を「B3÷A」によって算出し、4月の電力量割合を「B4÷A」によって算出し、5月の電力量割合を「B5÷A」によって算出し、6月の電力量割合を「B6÷A」によって算出し、7月の電力量割合を「B7÷A」によって算出し、8月の電力量割合を「B8÷A」によって算出し、9月の電力量割合を「B9÷A」によって算出し、10月の電力量割合を「B10÷A」によって算出し、11月の電力量割合を「B11÷A」によって算出し、12月の電力量割合を「B12÷A」によって算出する。
【0071】
取得部306は、月ごとに、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値に対して電力量割合を乗算することで、月ごとに月間基準電力量を取得する。例えば、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値が「C」であり、1月の電力量割合が「B1÷A」である場合、取得部306は、1月の月間基準電力量を「C×B1÷A」と算出する。
【0072】
ここで、第3表示制御部304について説明する。第3表示制御部304は、取得部306が取得した各種の電力量に基づいて、第1運用計画画面G2を表示する。
【0073】
図4は、第1運用計画画面G2の一例を示す図である。
第1運用計画画面G2は、建物BLへの空気調和設備1の導入前において、空気調和設備1の運用計画を策定するための画面である。第1運用計画画面G2は、第1領域A1、第2領域A2、及び第3領域A3を有する。
【0074】
第1領域A1は、入力画面G1において入力された空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を表示する領域である。
図4では、第1領域A1が「668 GJ/年」の推定値を表示している場合を例示している。
【0075】
第2領域A2は、入力画面G1において入力された空気調和設備1の運用計画を表示する領域である。
図4の例では、7/15~9/15の間、6:00~19:00の時間帯に設定温度26℃で冷房運転することの運用計画を第2領域A2が表示している。また、
図4の例では、11/15~3/31の間、7:00~20:00の時間帯に設定温度18℃で暖房運転することの運用計画を第2領域A2が表示している。また、
図4の例では、換気装置が、1/1~12/31の間で運転することの運用計画を第2領域A2が表示している。
【0076】
第3領域A3は、棒グラフGF1を表示する領域である。棒グラフGF1は、1年間の月ごとの月間基準電力量を示している。棒グラフGF1が示す月ごとの月間基準電力量は、取得部306が取得した月間基準電力量である。なお、棒グラフGF1が示す月間基準電力量は、第1領域A1が表示する推定値によって正規化されていてもよい。
【0077】
図2の説明に戻り、補正部307は、年間予測消費電力量を補正する。補正部307の補正については、後述する。
【0078】
次に、第1端末装置2の構成について説明する。
図2は、第1端末装置2、及び第2端末装置3の構成を示す図である。
第1端末装置2は、第1制御装置20、第1通信部21、第1表示部22、及び第1入力部23を備える。
【0079】
第1制御装置20は、第1端末装置2の各部を制御する装置である。第1制御装置20は、CPUやMPUなどの第1プロセッサ200、第1メモリ210、及び、インターフェース回路を備える。なお、このインターフェース回路には、第1端末装置2が具備する他の装置やセンサ類が接続される。
【0080】
第1メモリ210は、プログラムやデータを記憶するメモリである。第1メモリ210は、第1制御プログラム211、第1プロセッサ200に処理されるデータを記憶する。第1メモリ210は、不揮発性の記憶領域を有する。また、第1メモリ210は、揮発性の記憶領域を備え、第1プロセッサ200のワークエリアを構成してもよい。第1メモリ210は、例えばROMやRAMによって構成される。
【0081】
第1通信部21は、所定の通信規格に従った通信回路などの通信ハードウェアを備え、ネットワークNWに接続する各機器と通信する。ネットワークNWは、インターネット、電話網、その他の通信網を含む。
【0082】
第1表示部22は、液晶や、LED、OLEDなどの素子で構成されるディスプレイを備える。第1表示部22は、第1制御装置20の制御に従ってディスプレイに各種情報を表示する。
【0083】
第1入力部23は、操作スイッチや、タッチ入力式のパネル、マウス、キーボードなどのデバイスと接続するインターフェース回路を備え、管理者P1の入力操作を検出し、検出結果を第1プロセッサ200に出力する。
【0084】
第1プロセッサ200は、第1メモリ210に記憶された第1制御プログラム211を読み出して実行することによって、第1通信制御部201、第1表示制御部202、及び第1受付部203として機能する。
【0085】
第1通信制御部201は、第1通信部21を介して、第2サーバ装置5と通信する。
【0086】
第1表示制御部202は、運用結果画面G3を第1表示部22により表示する。
【0087】
図5は、運用結果画面G3の一例を示す図である。
運用結果画面G3は、第4領域A4、第5領域A5、及び第6領域A6を有する。
【0088】
第4領域A4は、第1領域A1と同様の領域である。また、第5領域A5は、第2領域A2と同様の領域である。
【0089】
第6領域A6は、棒グラフGF2を表示する領域である。棒グラフGF2は、1年間の月ごとの月間基準電力量を示している。棒グラフGF2が示す月間基準電力量は、空気調和設備1の運用計画の策定の際に取得部306が取得した月間基準電力量である。また、棒グラフGF2は、1年間の月ごとの月間実消費電力量を示している。
図5において、月間基準電力量は、「計画」との文字に対応するブロックの模様で示されていて、月間実消費電力量は、「実績」との文字に対応するブロックの模様で示されている。なお、棒グラフGF2が示す各電力量は、第4領域A4が示す推定値によって正規化されていてもよい。
【0090】
図2の説明に戻り、第1受付部203は、第1入力部23を介して、管理者P1から各種入力を受け付ける。
【0091】
[1-2.動作]
まず、空気調和設備1の運用計画の策定に係わる第2端末装置3の動作について説明する。
図6は、第2端末装置3の動作を示すフローチャートFAである。
図6に示すフローチャートFAの開始時点では、第2表示制御部302が、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を表示し、策定者P2が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を把握している。
【0092】
第3表示制御部304は、入力画面G1を表示する(ステップSA1)。
【0093】
次いで、第2受付部305は、入力画面G1の各入力欄に対する入力を受け付ける(ステップSA2)。
ステップSA2は、「受付ステップ」の一例に対応する。
【0094】
次いで、第3表示制御部304は、第1運用計画画面G2を表示するか否かを判定する(ステップSA3)。ステップSA3において、第2受付部305が確定ボタンB1に対する操作を受け付けた場合、第3表示制御部304は、ステップSA3において肯定判定する。
【0095】
第3表示制御部304が第1運用計画画面G2を表示すると判定した場合(ステップSA3:YES)、取得部306は、ステップSA2で受け付けられた各種入力に基づいて、月ごとの月間予測消費電力量、年間予測消費電力量、月ごとの電力量割合、及び、月ごとの月間基準電力量を取得する(ステップSA4)。
ステップSA4は、「取得ステップ」の一例に対応する。
【0096】
第3表示制御部304は、ステップSA4で取得された年間予測消費電力量が、ステップSA2で入力された空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回るか否かを判定する(ステップSA5)。例えば、年間予測消費電力量を「A」とし、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を「B」としたとき、A>Bである場合、ステップSA5においては肯定判定され、A≦Bである場合、ステップSA5においては否定判定される。
【0097】
第3表示制御部304は、年間予測消費電力量が推定値を上回ると判定した場合(ステップSA5:YES)、運用計画の再入力を促す再入力催促情報を表示する(ステップSA6)。再入力催促情報は、例えば、「入力した運用計画では、補助金が給付されない可能性があります。運用計画を再入力ください。」との文字列である。
ステップSA6は、「第1通知ステップ」の一例に対応する。
【0098】
第3表示制御部304は、入力画面G1の表示を開始してから所定回数、再入力催促情報を表示したか否かを判定する(ステップSA7)。
【0099】
所定回数、再入力催促情報を表示していないと第3表示制御部304が判定した場合(ステップSA7:NO)、第2プロセッサ300は、処理をステップSA2に戻し、再度、各入力欄に対する入力を受け付ける。
【0100】
一方、所定回数、再入力催促情報を表示したと判定した場合(ステップSA7:YES)、第3表示制御部304は、建物BLへ導入予定の空気調和設備1の変更を促す変更催促情報を表示する(ステップSA8)。
変更催促情報は、例えば、「建物へ導入予定の空気調和設備の変更を見直してください」との文字列である。
ステップSA8は、「第2通知ステップ」の一例に対応する。
【0101】
ステップSA5の説明に戻り、第3表示制御部304は、年間予測消費電力量が推定値を上回らないと判定した場合(ステップSA5:NO)、第1運用計画画面G2を表示する(ステップSA9)。
ステップSA9は、「第1出力ステップ」の一例に対応する。
【0102】
ステップSA9において、第3表示制御部304は、ステップSA2において入力された空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を第1領域A1に表示する。
また、ステップSA9において、第3表示制御部304は、ステップSA2において入力された空気調和設備1の運用計画を第2領域A2に表示する。
また、ステップSA9において、第3表示制御部304は、ステップSA4で取得された月ごとの月間基準電力量を棒グラフGF1に変換し、変換した棒グラフGF1を第3領域A3に表示する。
【0103】
次に、空気調和設備1の導入後における第1端末装置2の動作について説明する。
図7は、第1端末装置2の動作を示すフローチャートFBである。
【0104】
第1表示制御部202は、運用結果画面G3を表示するか否かを判定する(ステップSB1)。ステップSB1において、第1受付部203が運用結果画面G3の表示を開始する入力を受け付けた場合、第1表示制御部202は、ステップSB1において肯定判定する。
【0105】
第1表示制御部202が運用結果画面G3を表示すると判定した場合(ステップSB1:YES)、第1通信制御部201は、運用計画データD3及び月間実消費電力量データD4を要求する要求情報を第2サーバ装置5に送信する(ステップSB2)。
【0106】
次いで、第1通信制御部201は、要求情報の応答として、運用計画データD3及び月間実消費電力量データD4を第2サーバ装置5から受信する(ステップSB3)。なお、ステップSB3において、第1通信制御部201は、第2サーバ装置5が記憶している分の月間実消費電力量データD4を受信する。例えば、第2サーバ装置5が4月~6月の3つの月間実消費電力量データD4を記憶している場合、ステップSB3において、第1通信制御部201は、4月、5月、及び6月の月間実消費電力量データD4を受信する。
【0107】
次いで、第1表示制御部202は、ステップSB3で受信された運用計画データD3及び月間消費電力量データD4に基づいて、運用結果画面G3を表示する(ステップSB4)。
ステップSB4は、「第2出力ステップ」の一例に対応する。
【0108】
ステップSB4において、第1表示制御部202は、ステップSB3で受信された運用計画データD3に記録されている空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を第4領域A4に表示する。
また、ステップSB4において、第1表示制御部202は、ステップSB3で受信された運用計画データD3に記録されている空気調和設備1の運用計画を第5領域A5に表示する。
また、ステップSB4において、第1表示制御部202は、ステップSB3で受信された運用計画データD3に記録されている月ごとの月間基準電力量、及び、ステップSB3で受信された月間実消費電力量データD4が示す月間実消費電力量の各々を棒グラフGF2に変換する。そして、第1表示制御部202は、変換した棒グラフGF2を第6領域A6に表示する。
【0109】
次に、年間予測消費電力量の補正に係わる第2端末装置3の動作について説明する。
図8は、第2端末装置3の動作を示すフローチャートFCである。
【0110】
第3表示制御部304は、第2運用計画画面G4を表示するか否かを判定する(ステップSC1)。第2運用計画画面G4とは、建物BLへの空気調和設備1の導入後において、年間予測消費電力量を補正するための画面である。ステップSC1において、第2受付部305が第2運用計画画面G4の表示を開始する入力を受け付けた場合、第3表示制御部304は、ステップSC1において肯定判定する。
【0111】
第3表示制御部304が、第2運用計画画面G4を表示すると判定した場合(ステップSC1:YES)、第3通信制御部303は、運用計画データD3及び月間実消費電力量データD4を要求する要求情報を第2サーバ装置5に送信する(ステップSC2)。
【0112】
次いで、第3通信制御部303は、要求情報の応答として、運用計画データD3及び月間実消費電力量データD4を第2サーバ装置5から受信する(ステップSC3)。なお、ステップSB3と同様、ステップSC3において、第3通信制御部303は、第2サーバ装置5が記憶している分の月間実消費電力量データD4を受信する。
【0113】
次いで、第3表示制御部304は、ステップSC3で受信された運用計画データD3及び月間実消費電力量データD4に基づいて、第2運用計画画面G4を表示する(ステップSC4)。
【0114】
図9は、第2運用計画画面G4の一例を示す図である。
第2運用計画画面G4は、第7領域A7、第8領域A8、及び第9領域A9を有する。また、第2運用計画画面G4は、補正ボタンB2を有する。
【0115】
第7領域A7は、第4領域A4と同様の領域である。また、第8領域A8は、第5領域A5と同様の領域である。第9領域A9は、第6領域A6と同様の領域である。なお、第3表示制御部304は、第1表示制御部202が運用結果画面G3を表示する場合と同様にして、第7領域A7~第9領域A9の各々に情報を表示する。
【0116】
補正ボタンB2は、年間予測消費電力量を補正するためのソフトウェアボタンである。
【0117】
図8に示すフローチャートFCの説明に戻り、補正部307は、年間予測消費電力量を補正するか否かを判定する(ステップSC5)。ステップSC5において、補正ボタンB2が操作された場合、補正部307は、肯定判定する。
【0118】
補正部307が年間予測消費電力量を補正しないと判定した場合(ステップSC5:NO)、第3表示制御部304は、第2運用計画画面G4の表示を終了するか否かを判定する(ステップSC6)。ステップSC6において、第2受付部305が第2運用計画画面G4の表示を終了する入力を受け付けた場合、第3表示制御部304は、ステップSC6において肯定判定する。
【0119】
第3表示制御部304が、第2運用計画画面G4の表示を終了すると判定した場合(ステップSC6:YES)、第2プロセッサ300は、本処理を終了する。一方、第3表示制御部304は、第2運用計画画面G4の表示を終了しないと判定した場合(ステップSC6:NO)、再度、ステップSC5の判定を行う。
【0120】
ステップSC5の説明に戻り、補正部307は、年間予測消費電力量を補正すると判定した場合(ステップSC5:YES)、ステップSC3で受信した運用計画データD3が示す年間予測消費電力量を補正する(ステップSC7)。
ステップSC7は、「補正ステップ」の一例に対応する。
【0121】
ステップSC7について説明する。
ステップSC7において、補正部307は、ステップSC3で受信した2種のデータに基づいて、最新の月間実消費電力量と、この月間実消費電力量と暦月が同じ月間基準電力量と、の誤差に基づいて、年間予測消費電力量を補正する。
【0122】
例えば、ステップSC3で受信された月間実消費電力量データD4が示す月間実消費電力量のうち、最新の月間実消費電力量が5月の月間実消費電力量であるとする。また、この例の場合、この5月の月間実消費電力量が「α」であり、ステップSC3で受信された運用計画データD3に記録されている5月の月間基準電力量が「β」であるとする。この例の場合、補正部307は、5月の月間実消費電力量と月間基準電力量との誤差を、「(α-β)÷100」で求める。そして、補正部307は、運用計画データD3に記録されている6月以降の月間予測消費電力量を「γ」とした場合、6月以降の月間予測消費電力量を「γ/((α-β)/100)」に補正する。そして、補正部307は、運用計画データD3が示す年間予測消費電力量を、運用計画データD3が示す4月及び5月の月間予測消費電力量と、補正した6月以降の月間予測消費電力量とを合算した電力量に補正する。
【0123】
次いで、第3表示制御部304は、補正後の年間予測消費電力量が、ステップSC3で受信された運用計画データD3に記録されている空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回るか否かを判定する(ステップSC8)。
【0124】
第3表示制御部304は、補正後の年間予測消費電力量が推定値を上回ると判定した場合(ステップSC8:YES)、補正後の年間予測消費電力量が、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回る旨を表示する(ステップSC9)。
ステップSC9は、「第3通知ステップ」の一例に対応する。
【0125】
次いで、第3表示制御部304は、空気調和設備1の運用計画を見直すことを促す見直し催促情報を表示する(ステップSC10)。例えば、見直し催促情報は、「補正後の運用計画では、補助金の給付を受けられない可能性があります。運用計画の見直しを推奨します」との文字列である。
ステップSC10は、「第4通知ステップ」の一例に対応する。
【0126】
なお、ステップSC9、及びステップSC10は、逆の順番で行われても良いし、同時に行われてもよい。
【0127】
一方、第3表示制御部304が、補正後の年間予測消費電力量が推定値を上回らないと判定した場合(ステップSC8:NO)、第2プロセッサ300は、ステップSC3で受信した運用計画データD3を更新する(ステップSC11)。
【0128】
ステップSC11について詳述する。
ステップSC11において、取得部306は、ステップSC7において補正した年間予測消費電力量、ステップSC7の年間予測消費電力量の算出において合算した月ごとの月間予測消費電力量、及び、ステップSC3で受信された運用計画データD3が示す空気調和設備1の年間消費電力量の推定値に基づいて、上述のように、月ごとの月間基準電力量を取得する。
そして、取得部306は、ステップSC3で受信された運用計画データD3に記録されている月間予測消費電力量を、ステップSC7の年間予測消費電力量の算出において合算した月間予測消費電力量に更新する。また、取得部306は、ステップSC3で受信された運用計画データD3に記録されている月間基準電力量を、補正した年間予測消費電力量に基づく月間基準電力量に更新する。
【0129】
次いで、第3通信制御部303は、更新された運用計画データD3を第2サーバ装置5にアップロードする(ステップSC12)。
【0130】
[1-3.効果等]
以上、説明したように、運用計画支援方法は、空気調和設備1の運用計画の策定を支援する方法である。運用計画支援方法は、建物BLへ導入予定の空気調和設備1に関する運用計画の入力を受け付ける受付ステップと、受付ステップが受け付けた運用計画で空気調和設備1が運転した場合の消費電力量である年間予測消費電力量を取得する取得ステップと、取得ステップにより取得した年間予測消費電力量が、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回る場合、運用計画の再入力を促す第1通知ステップと、を含む。
【0131】
これによれば、空気調和設備1の運用計画の再入力を促すことで、空気調和設備1の年間消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値以下となる空気調和設備1の運用計画がどのような計画であるかを空気調和設備1の導入前に把握できるようになる。よって、建物BLへの空気調和設備1の導入前において空気調和設備1の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0132】
運用計画支援方法において、取得ステップは、受付ステップが受け付けた運用計画と、予め定められている所定の運用計画との差異に基づいて、年間予測消費電力量を算出する。
【0133】
これによれば、予め定められている所定の運用計画との差異に基づいて年間予測消費電力量を算出することで、簡便な方法によって正確な年間予測消費電力量を算出できるようになる。そのため、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値以下となる空気調和設備1の運用計画がどのような計画であるかを、簡便な方法によって正確に把握できるようになる。
【0134】
運用計画支援方法は、受付ステップが受け付けた運用計画を表示する第1出力ステップを含む。取得ステップは、月ごとに、月間の予測消費電力量である月間予測消費電力量を取得し、年間の予測消費電力量である年間予測消費電力量を取得し、月ごとに、年間予測消費電力量に対する月間予測消費電力量の電力量割合を取得し、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値と電力量割合とに基づいて、月ごとに、月間の基準電力量である月間基準電力量を取得する。第1出力ステップは、運用計画と共に、月ごとの月間基準電力量を表示する。
【0135】
これによれば、月ごとに基準となる電力量を表示するため、毎月どのくらいの消費電力で空気調和設備1を運用すればよいかを簡単に把握できる。よって、建物BLへの空気調和設備1の導入前において空気調和設備1の運用計画の策定をより適切に支援できる。
【0136】
運用計画支援方法は、取得ステップが取得した年間予測消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回る場合、建物BLへ導入予定の空気調和設備1の変更を促す第2通知ステップを、含む。
【0137】
これによれば、建物BLへ導入予定の空気調和設備1の変更を促すことで、空気調和設備1の年間消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値以下とするためには空気調和設備1の変更が必要であることを、空気調和設備1の導入前に把握できるようになる。よって、建物BLへの空気調和設備1の導入前において空気調和設備1の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0138】
運用計画支援方法は、空気調和設備1の導入後において、取得ステップが取得した月間基準電力量と、空気調和設備1の実運転による月間の消費電力量である月間実消費電力量と、を表示する第2出力ステップを含む。
【0139】
これによれば、月ごとに、実際の消費電力量が基準を上回ったか否かを簡単に把握できるため、建物BLへの空気調和設備1の導入後、空気調和設備1の運用計画の再策定が必要か否かを容易に判断できる。よって、建物BLへの空気調和設備1の導入後においても、空気調和設備1の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0140】
運用計画支援方法は、空気調和設備1の導入後において、取得ステップが取得した月間予測消費電力量と月間実消費電力量との誤差に基づいて、取得ステップが取得した年間予測消費電力量を補正する補正ステップを、含む。
【0141】
これによれば、空気調和設備1の導入後、取得ステップにより取得した年間予測消費電力量を、実際の空気調和設備1の運用に即した電力量に補正できるようになる。そのため、空気調和設備1の導入後、実際の空気調和設備1の運用に即して空気調和設備1の運用計画を再策定できるようになる。
【0142】
運用計画支援方法は、補正ステップにおいて補正された年間予測消費電力量が、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回る場合、補正された年間予測消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回る旨を表示する第3通知ステップを、含む。
【0143】
これによれば、補正後の年間予測消費電力量では空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回ることを把握できるようになるため、現在の運用では年間予測消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回ることを把握できる。よって、空気調和設備1の運用計画の再策定が必要であることを把握できるようになるため、空気調和設備1の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0144】
運用計画支援方法は、補正ステップにおいて補正された年間予測消費電力量が、所定の基準電力量を上回る場合、空気調和設備1の運用計画の見直しを促す第4通知ステップを、含む。
【0145】
これによれば、年間予測消費電力量を空気調和設備1の年間消費電力量の推定値以下にするためには、空気調和設備1の運用計画を見直す必要があることを把握できる。よって、空気調和設備1の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0146】
空気調和設備1の運用計画の策定を支援する運用計画支援システム1000は、建物BLへ導入予定の空気調和設備1に関する運用計画の入力を受け付ける第2受付部305と、第2受付部305が受け付けた運用計画で空気調和設備1が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部306と、取得部306が取得した年間予測消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回る場合、運用計画の再入力を促す第3表示制御部304と、を備える。
【0147】
これによれば、上述した運用計画支援方法と同様の効果を奏する。
運用計画支援システム。
【0148】
空気調和設備1の運用計画の策定を支援する第2端末装置3は、建物BLへ導入予定の空気調和設備1に関する運用計画の入力を受け付ける第2受付部305と、第2受付部305が受け付けた運用計画で空気調和設備1が運転した場合の消費電力量である年間予測消費電力量を取得する取得部306と、取得部306が取得した年間予測消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回る場合、運用計画の再入力を促す第3表示制御部304と、を備える。
【0149】
これによれば、上述した運用計画支援方法と同様の効果を奏する。
【0150】
第3制御プログラム312は、第2端末装置3の第2プロセッサ300を、建物BLへ導入予定の空気調和設備1に関する運用計画の入力を受け付ける第2受付部305と、第2受付部305が受け付けた運用計画で空気調和設備1が運転した場合の消費電力量である年間予測消費電力量を取得する取得部306と、取得部306が取得した年間予測消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を上回る場合、再度の運用計画の入力を促す第3表示制御部304と、して機能させる。
【0151】
これによれば、上述した運用計画支援方法と同様の効果を奏する。
【0152】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2は、上述した実施の形態1と比較して、月ごとの月間予測消費電力量の取得方法が異なる。
【0153】
[2-1.構成]
実施の形態2の入力画面G1は、さらに、第12入力欄、第13入力欄、及び第14入力欄を有する。
第12入力欄は、全熱交換器の最大換気風量を入力する欄である。
第13入力欄は、月間運転時間を入力する欄である。月間運転時間は、ひと月あたりの全熱交換器の運転時間を入力する欄である。
第14入力欄は、空気調和設備1のCOP(Coefficient of Performance)を入力する欄である。
【0154】
実施の形態2の取得部306は、月ごとに、下記の式(2)の左辺を求める。そして、取得部306は、算出した1台あたりの月間予測消費電力量の各々に、建物BLに導入予定の空気調和設備1の台数を乗算して、月ごとに月間予測消費電力量を取得する。
【0155】
1台あたりの月間予測消費電力量=熱交換ありの外気負荷÷COP・・・(2)
式(2)の熱交換ありの外気負荷は、下記の式(3)~式(4)によって算出される。
【0156】
熱交換ありの外気負荷=熱交換なしの外気負荷×(1-エンタルピー交換効率)・・・(3)
熱交換なしの外気負荷=空気比重×全熱交換器の最大換気風量×室内外のエンタルピー差・・・(4)
【0157】
以下、式(2)の左辺の算出について説明する。
まず、実施の形態2の取得部306は、式(3)~式(4)によって、月ごとに、月間予測消費電力量を算出する。
実施の形態2の取得部306は、月ごとの月間予測消費電力量を算出するに際し、月ごとの室内外のエンタルピー差を算出する。取得部306は、室内外のエンタルピー差の算出に際して、気象庁サーバなどの所定のサーバから、外気温度の平均を月ごとに取得する。取得部306は、所定のアルゴリズムによって、取得した外気温度の平均から月ごとの室外のエンタルピーを求める。取得部306は、所定のアルゴリズムによって、入力画面G1において入力された設定温度から、月ごとの室内のエンタルピーを求める。そして、取得部306は、引き算を実行することにより、月ごとに、室内外のエンタルピー差を算出する。
【0158】
実施の形態2の取得部306は、予め定められた空気比重を式(4)の「空気比重」に代入し、第12入力欄に入力された全熱交換器の最大換気風量を式(4)の「全熱交換器の最大換気風量」に代入し、算出した室内外のエンタルピー差のうち計算対象の月の室内外のエンタルピー差を式(4)の「室内外のエンタルピー差」に代入し、式(4)の左辺を算出する。
次いで、実施の形態2の取得部306は、算出した式(4)の左辺を式(3)の「熱交換なしの外気負荷」に代入し、予め定められたエンタルピー交換効率を式(3)の「エンタルピー交換効率」に代入して、式(3)の左辺を算出する。
次いで、実施の形態2の取得部306は、式(3)の「熱交換なしの外気負荷」に算出した式(2)の左辺を代入し、第14入力欄に入力された空気調和設備1のCOPを式(2)の「COP」に代入して、計算対象の月の1台あたりの月間予測消費電力量を算出する。
【0159】
そして、実施の形態2の取得部306は、算出した1台あたりの月間予測消費電力量の各々に、建物BLに導入予定の空気調和設備1の台数を乗算して、月ごとに月間予測消費電力量を取得する。また、実施の形態2の取得部306は、月ごとの月間予測消費電力量を取得すると、取得した月間予測消費電力量に基づいて、実施の形態1と同様に、年間予測消費電力量、電力量割合、及び月間基準電力量を取得する。
【0160】
[2-2.動作]
実施の形態1と比較して、実施の形態2は、ステップSA4の取得ステップにおいて、取得部306が式(2)を考慮して月間予測消費電力量を取得することが相違する。
【0161】
[2-3.効果等]
以上、説明したように、実施の形態2の取得ステップは、月ごとの外気温度に基づいて月間予測消費電力量を算出する。
【0162】
これによれば、外気温度を踏まえた月間予測消費電力量を算出するため、より正確な月間予測消費電力量を算出できる。そのため、毎月どのくらいの消費電力で空気調和設備1を運用すればよいかを正確に且つ簡単に把握できる。よって、建物BLへの空気調和設備1の導入前において空気調和設備1の運用計画の策定をより適切に支援できる。
【0163】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
上述した実施の形態1、2では、取得部306が演算によって各種の電力量を取得する構成である。実施の形態3は、実施の形態1、2と比較して、取得部306が、シミュレーションによって各種の電力量を取得することが相違する。なお、シミュレーションのシミュレーターとしては、例えば、EnergyPlusや、TRANSYSなどのシミュレーターが用いられる。また、実施の形態3は、実施の形態1、2と比較して、第2メモリ310が記憶するデータの種類、第2受付部305が受け付ける入力の種類、及び第3表示制御部304が表示する画面の種類が異なる。
【0164】
[3-1.構成]
図10は、実施の形態3における第2端末装置3の構成を示す図である。
実施の形態1と比較し、実施の形態3の第2端末装置3は、第2メモリ310が、更に、モデルデータ313、第1条件DB(database)314、及び第2条件DB315を記憶する。
【0165】
モデルデータ313は、年間予測消費電力量、及び月ごとの月間予測消費電力量を得るためのモデルを示すデータである。モデルデータ313が示すモデルは、シミュレーション条件を入力として、年間消費電力量、及び月ごとの月間予測消費電力量を出力する。モデルデータ313が示すモデルは、事前に作成される。そして、モデルデータ313は、予め第2メモリ310に記憶されている。
【0166】
モデルデータ313に入力されるシミュレーション条件は、建物BLに係わる条件、機器に係わる条件、発生負荷に係わる条件、運用計画に係わる条件、期間に係わる条件、及び気象に係わる条件を含む。
【0167】
建物BLに係わる条件は、建物BLの所在地や、建物BLの方位、建物BLが有する部屋の用途、建物BLの外皮の仕様、建物BLの窓の仕様などを指定する条件である。
機器に係わる条件は、空気調和設備1の品番などを指定する条件である。
発生負荷に係わる条件は、建物BLの内部に発生する熱負荷に係わる条件である。発生負荷に係わる条件は、どの時期のどの時間帯に、建物BLに導入される機器からどのくらいの熱負荷が発生するかを指定する条件である。また、発生負荷に係わる条件は、どの時期のどの時間帯に、建物BLに導入される照明からどのくらいの熱負荷が発生するかを指定する条件である。
運用に係わる条件は、空気調和設備1の運用計画を指定する条件である。
期間に係わる条件は、シミュレーションを行う期間を指定する条件である。
気象に係わる条件は、シミュレーションを行う気象である。シミュレーションで用いられる気象は、拡張アメダス等で定義される建物BLの所在地に対応する気象データが示す気象である。
【0168】
第1条件DB314は、策定者P2が第2端末装置3に入力したシミュレーション条件である第1シミュレーション条件を示すデータベースである。第1条件DB314は、策定者P2が第1シミュレーション条件を第2端末装置3に入力することにで、第2メモリ310に記憶される。
【0169】
第2条件DB315は、第2シミュレーション条件を示すデータベースである。第2シミュレーション条件は、WEBPRO41が各種の推定値を計算する際にWEBPRO41が使用する条件と同じ条件を示すシミュレーション条件である。第2条件DB315は、予め第2メモリ310に記憶されている。
【0170】
実施の形態3の第3表示制御部304は、策定者P2が第1シミュレーション条件を入力するための条件入力画面を表示する。そして、実施の形態3の第2受付部305は、条件入力画面を介して、策定者P2から第1シミュレーション条件の入力を受け付ける。実施の形態3の第2受付部305は、第1シミュレーション条件の入力を受け付けると、受け付けた第1シミュレーション条件を示す第1条件DB314を第2メモリ310に記憶させる。
また、実施の形態2の第2受付部305は、空気調和設備1の年間消費電力量の推定値の入力を、策定者P2から受け付ける。
【0171】
実施の形態3の取得部306は、第1条件DB314が示す第1シミュレーション条件を、モデルデータ313が示すモデルに入力し、モデルから年間予測消費電力量、及び、月ごとの月間予測消費電力量を取得する。実施の形態3の取得部306は、第1シミュレーション条件の入力により得られたこれら2つの電力量と、第2受付部305が受け付けた推定値とに基づいて、実施の形態1と同様に、月ごとの月間基準電力量を取得する。
【0172】
また、実施の形態3の取得部306は、第2条件DB315が示す第2シミュレーション条件を、モデルデータ313が示すモデルに入力し、モデルから年間予測消費電力量、及び、月ごとの月間予測消費電力量を取得する。実施の形態3の取得部306は、第2シミュレーション条件の入力により得られたこれら2つの電力量と、第2受付部305が受け付けた推定値とに基づいて、実施の形態1と同様に、月ごとの月間基準電力量を取得する。
【0173】
実施の形態3の第3表示制御部304は、第3運用計画画面G5を表示する。第3運用計画画面G5は、建物BLへの空気調和設備1の導入前において、空気調和設備1の運用計画を策定するための画面である。
【0174】
図11は、第3運用計画画面G5の一例を示す図である。
第3運用計画画面G5は、第10領域A10、第11領域A11、第12領域A12、及び第13領域A13を有する。
【0175】
第10領域A10は、第1領域A1と同様の領域である。
【0176】
第11領域A11は、シミュレーション条件で指定されている空気調和設備1の運用計画を表示する領域である。第11領域A11は、第1シミュレーション条件で指定される空気調和設備1の運用計画と、第2シミュレーション条件で指定されている空気調和設備1の運用計画とを表示する。
図11の例では、第1シミュレーション条件で指定されている運用計画として、8:00~17:00の時間帯において、冷房運転する場合には設定温度26℃で運転し、暖房運転する場合には設定温度18℃で運転することを表示している。
また、
図11の例では、第2シミュレーション条件で指定されている運用計画として、9:00~20:00の時間帯において、冷房運転する場合には設定温度27℃で運転し、暖房運転する場合には設定温度20℃で運転することを表示している。
【0177】
第12領域A12は、棒グラフGF3を表示する領域である。棒グラフGF3は、1年間における月ごとの月間基準電力量を示している。棒グラフGF3が示す月間基準電力量は、2種類である。すなわち、棒グラフGF3は、第1シミュレーション条件に基づいて取得された月間基準電量量と、第2シミュレーション条件に基づいて取得された月間基準電力量とを示している。なお、
図11において、第1シミュレーション条件に基づいて取得された月間基準電力量は、「ユーザ指定」との文字に対応するブロックの模様で示されている。また、
図11において、第2シミュレーション条件に基づいて取得された月間基準電力量は、「WEBPRO基準」との文字に対応するブロックの模様で示されている。
なお、棒グラフGF3が示す各電力量は、第10領域A10が表示する推定値で正規化されていてもよい。
【0178】
第13領域A13は、棒グラフGF4を表示する領域である。棒グラフGF4は、2種類の年間予測消費電力量を示している。すなわち、棒グラフGF4は、第1シミュレーション条件により取得された年間予測消費電力量と、第2シミュレーション条件により取得された年間予測消費電力量とを示している。なお、
図11において、第1シミュレーション条件により取得された年間予測消費電力量は、「ユーザ指定」との文字に対応するブロックの模様で示されている。また、
図11において、第2シミュレーション条件により取得された年間予測消費電力量は、「WEBPRO基準」との文字に対応するブロックの模様で示されている。
なお、棒グラフGF4が示す各電力量は、第10領域A10が表示する推定値で正規化されていてもよい。
【0179】
[3-2.動作]
実施の形態1と比較して、実施の形態3は、ステップSA2の受付ステップにおいて、第2受付部305が、策定者P2から、第1シミュレーション条件、及び空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を受け付けることが相違する。第1シミュレーション条件には、空気調和設備1の運用計画を指定する条件が含まれる。そのため、第1シミュレーション条件の入力を受け付けることは、空気調和設備1の運用計画の入力を受け付けることに相当する。
【0180】
また、実施の形態1と比較して、実施の形態3は、ステップSA4の取得ステップにおいて、取得部306がモデルデータ313を用いて各種の電力量を取得することが相違する。
【0181】
また、実施の形態1と比較して、実施の形態3は、ステップSA9の第1出力ステップにおいて、第1運用計画画面G2の代わりに第3運用計画画面G5を表示することが相違する。
【0182】
[3-3.効果等]
実施の形態3によれば、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。また、実施の形態3は、シミュレーションによって年間予測消費電力量を取得するため、正確な年間予測消費電力量を取得できる。よって、空気調和設備1の年間消費電力量が空気調和設備1の年間消費電力量の推定値以下となる空気調和設備1の運用計画がどのような計画であるかを、正確に把握できるようになる。よって、空気調和設備1の運用計画の策定をより適切に支援できる。また、実施の形態3は、第3運用計画画面G5を表示するため、WEBPRO41で使用されている運用計画に対して、策定している空気調和設備1の運用計画がどのような計画であるかを容易に把握できる。よって、空気調和設備1の運用計画の策定をより適切に支援できる。
【0183】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。
実施の形態4は、上述した実施の形態1と比較して、月ごとの月間予測消費電力量の取得方法が異なる。
【0184】
[4-1.構成]
実施の形態4の入力画面G1は、少なくとも、第1入力欄L1~第6入力欄L6、第8入力欄L8~第9入力欄L9、及び第15入力欄を有する。
第15入力欄L15は、空気調和装置の定格能力を入力する欄である。
【0185】
実施の形態4の取得部306は、月ごとに、下記式(5)の左辺を求めることによって、月間予測消費電力量を取得する。
【0186】
月間予測消費電力量=平均消費電力×平均負荷率×稼働時間×台数・・・(5)
【0187】
平均消費電力は、下記の式(6)によって算出される。
平均消費電力=定格能力×平均COP・・・(6)
【0188】
平均COPは、下記の式(7)によって算出される。
平均COP=定格能力÷定格消費電力×平均COP比・・・(7)
【0189】
実施の形態4の取得部306は、式(5)~式(7)によって、月ごとに、月間予測消費電力量を算出する。
【0190】
まず、実施の形態4の取得部306は、月ごとに、平均負荷率、及び、平均COP比を取得する。
取得部306は、場所と空気調和装置の運転種別と平均負荷率との関係が規定されたデータを参照して、建物BLの住所、及び、計算対象の月の運転種別から、月ごとに、平均負荷率を取得する。例えば、入力画面G1に入力された年間冷房使用期間が5月7日~10月7日である場合、取得部306は、5月の平均負荷率を取得する際、空気調和装置の運転種別が冷房運転であるとして、5月の平均負荷率を取得する。
取得部306は、空気調和設備1の設置年数と、平均負荷率と、平均COP比とが規定されたデータを参照して、月ごとに、平均COP比を取得する。なお、取得部306は、空気調和設備1の設置年数を0年として平均COP比を取得する。
【0191】
次に、実施の形態4の取得部306は、式(7)を用いて、月ごとに、平均COPを算出する。
取得部306は、入力画面G1に入力された年間冷房使用期間及び年間暖房使用期間から計算対象の月が冷房運転か暖房運転かを認識する。
そして計算対象の月が冷房運転である場合、取得部306は、入力画面G1に入力された定格能力を式(7)の「定格能力」に代入し、入力画面G1に入力された冷房定格消費電力を式(7)の「冷房定格消費電力」に代入し、算出した平均COP比のうち計算対象の月の平均COP比を式(7)の「平均COP比」に代入する。
また、計算対象の月が冷房運転である場合、取得部306は、入力画面G1に入力された定格能力を式(7)の「定格能力」に代入し、入力画面G1に入力された暖房定格消費電力を式(7)の「暖房定格消費電力」に代入し、算出した平均COP比のうち計算対象の月の平均COP比を式(7)の「平均COP比」に代入する。
【0192】
次に、実施の形態4の取得部306は、式(6)を用いて、月ごとに、平均消費電力を算出する。
取得部306は、入力画面G1に入力された定格能力を式(6)の「定格能力」に代入し、月ごとに算出した平均COPのうち計算対象の月の平均COPを式(6)の「平均COP」に代入して、月ごとの平均消費電力を算出する。
【0193】
次に、実施の形態4の取得部306は、式(5)を用いて、月ごとに、月間予測消費電力量を算出する。
取得部306は、算出した平均消費電力のうち計算対象の月の平均消費電力を式(5)の「平均消費電力」に代入する。
また、取得部306は、取得した平均負荷率のうち計算対象の月の平均負荷率を式(5)の「平均負荷率」に代入する。
また、取得部306は、入力画面G1に入力された年間冷房使用期間及び年間暖房使用期間から計算対象の月が冷房運転か暖房運転かを認識する。
計算対象の月が冷房運転である場合、取得部306は、入力画面G1に入力された年間冷房使用期間及び冷房使用時間に基づいて、計算対象の月の稼働時間を算出する。そして、取得部306は、算出した稼働時間を式(5)の「稼働時間」に代入する。
計算対象の月が暖房運転である場合、取得部306は、入力画面G1に入力された年間暖房使用期間及び暖房使用時間に基づいて、計算対象の月の稼働時間を算出する。そして、取得部306は、算出した稼働時間を式(5)の「稼働時間」に代入する。
また、取得部306は、入力画面G1に入力された台数を式(5)の「台数」に入力する。
以上の代入から、取得部306は、月ごとに、月間予測消費電力量を取得する。
【0194】
そして、実施の形態4の取得部306は、月ごとの月間予測消費電力量を取得すると、取得した月間予測消費電力量に基づいて、実施の形態1と同様に、年間予測消費電力量、電力量割合、及び月間基準電力量を取得する。
【0195】
[4-2.動作]
実施の形態1と比較して、実施の形態4は、ステップSA4の取得ステップにおいて、取得部306が式(5)~式(7)を考慮して月間予測消費電力量を取得することが相違する。
【0196】
[4-3.効果等]
以上、説明したように、実施の形態4の取得ステップは、月ごとの外気温度に基づいて月間予測消費電力量を算出する。
【0197】
これによれば、実施の形態2と同様の効果を奏する。
【0198】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する例示として、上記実施の形態1~4を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1~4で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0199】
上述した各実施の形態では、「第1通知ステップ」、「第2通知ステップ」、「第3通知ステップ」、及び「第4通知ステップ」の各々の通知態様は、表示である。他の実施の形態では、これら通知ステップの少なくともいずれかは、通知態様が音声出力などの他の態様でもよい。
【0200】
上述した各実施の形態では、「第1出力ステップ」、及び「第2出力ステップ」の各々の出力態様は、表示である。他の実施の形態では、これら出力ステップの少なくともいずれかは、出力態様が印刷出力などの他の態様でもよい。
【0201】
上述した各実施の形態では、建物BL全体の消費電力量が所定の基準以下である場合、管理者P1が、行政機関から補助金の給付の許可を得ることができる場合を例示したが、管理者P1が所定の許可を得ることができる所定の対象は行政機関に限定されないし、管理者P1が得ることができる所定の許可は補助金の給付の許可に限定されない。
【0202】
上述した各実施の形態では、WEBPROに適用した形態であるが、例えば、本開示の「運用計画支援方法、運用計画支援システム、端末装置、及びプログラム」は、ESCO(Energy Service Company)事業に適用されてもよい。ESCO事業とは、省エネルギーを実現するために必要な投資をESCO事業者が行い、実現した省エネルギーの効果の一部を報酬として顧客から受け取る事業である。この他の実施の形態の場合、策定者P1がESCO事業者に対して、或いは、ESCO事業者が、運用計画を策定し、建物BL全体の消費電力量が所定の基準以下である場合、ESCO事業者が、顧客から報酬を得る。
【0203】
上述した各実施の形態では、策定者P2が空気調和設備1の運用計画を策定する構成であるが、他の実施の形態では、管理者P1が空気調和設備1の運用計画を策定してもよい。また、上述した各実施の形態では、策定者P2が年間消費電力量を補正する構成であるが、他の実施の形態では、管理者P1が年間消費電力量を補正できてもよい。これら他の実施の形態の場合、第1端末装置2には、第2制御プログラム311及び第3制御プログラム312がインストールされていて、第1プロセッサ200は、第2プロセッサ300の各機能部として機能する。これら他の実施の形態の場合、第1端末装置2は、「端末装置」の一例に対応し、第1プロセッサ200は、「プロセッサ」の一例に対応する。
【0204】
上述した各実施の形態では、「所定の基準電力量」として空気調和設備1の年間消費電力量の推定値を例示し、この推定値と比較する電力量として年間予測消費電力量を例示した。他の実施の形態では、「所定の基準電力量」は、例えば、2月分の消費電力量でもよいし、10年分の消費電力量でもよく、年間の消費電力量に限定されない。また、「所定の基準電力量」と比較する「予測消費電力量」も同様で、年間の予測消費電力量に限定されない。
【0205】
他の実施の形態では、第2サーバ装置5などの他のサーバ装置のプロセッサが、取得部306として機能し、第2プロセッサ300が取得部306として機能しなくてもよい。この他の実施の形態の場合、プロセッサが取得部306として機能するサーバ装置が、取得した各種の電力量を第2端末装置3に送信する。そして、第2端末装置3は、受信した各種の電力量に基づいて、上述の表示を行う。
【0206】
上述した実施の形態では、第1運用計画画面G2、運用結果画面G3、第2運用計画画面G4、及び第3運用計画画面G5において、棒グラフによって各種の電力量を表示している。他の実施の形態では、これら画面において、各種の電力量を折れ線グラフや帯グラフなどの他のグラフで表示してもよい。
【0207】
第1プロセッサ200、及び第2プロセッサ300は、単一のプロセッサにより構成されてもよいし、複数のプロセッサにより構成されていてもよい。これらプロセッサは、対応する機能部を実現するようプログラムされたハードウェアでもよい。すなわち、これらプロセッサは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されてもよい。
【0208】
図2、及び
図10に示した第1端末装置2、及び第2端末装置3の構成は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも可能である。また、上述した実施の形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0209】
図6、
図7、及び
図8に示す動作のステップ単位は、動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、動作が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本開示の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0210】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0211】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0212】
(技術1)空気調和設備の運用計画の策定を支援する運用計画支援方法であって、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップが受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す第1通知ステップと、を含む、運用計画支援方法。
これによれば、空気調和設備の運用計画の再入力を促すことで、空気調和設備の消費電力量が所定の基準電力量以下となる空気調和設備の運用計画がどのような計画であるかを空気調和設備の導入前に把握できるようになる。よって、建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0213】
(技術2)前記取得ステップは、前記受付ステップが受け付けた前記運用計画と、予め定められている所定の前記運用計画との差異に基づいて、前記予測消費電力量を算出する、技術1に記載の運用計画支援方法。
これによれば、予め定められている所定の運用計画との差異に基づいて予測消費電力量を算出することで、簡便な方法によって正確な予測消費電力量を算出できるようになる。そのため、空気調和設備の消費電力量が所定の基準電力量以下となる空気調和設備の運用計画がどのような計画であるかを、簡便な方法によってより正確に把握できるようになる。
【0214】
(技術3)前記受付ステップが受け付けた前記運用計画を出力する第1出力ステップを含み、前記取得ステップは、月ごとに、月間の前記予測消費電力量である月間予測消費電力量を取得し、年間の前記予測消費電力量である年間予測消費電力量を取得し、月ごとに、前記年間予測消費電力量に対する前記月間予測消費電力量の割合を取得し、前記所定の基準電力量に前記割合を乗じて、月ごとに、月間の基準電力量である月間基準電力量を取得し、前記第1出力ステップは、前記運用計画と共に、前記取得ステップが取得した月ごとの前記月間基準電力量を出力する、技術1又は技術2に記載の運用計画支援方法。
これによれば、月ごとに基準となる電力量を表示するため、毎月どのくらいの消費電力で空気調和設備を運用すればよいかを簡単に把握できる。よって、建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定をより適切に支援できる。
【0215】
(技術4)前記取得ステップは、月ごとの外気温度に基づいて前記月間予測消費電力量を算出する、技術3に記載の運用計画支援方法。
これによれば、外気温度を踏まえた月間予測消費電力量を算出するため、より正確な月間予測消費電力量を算出できる。そのため、毎月どのくらいの消費電力で空気調和設備を運用すればよいかを正確に且つ簡単に把握できる。よって、建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定をより適切に支援できる。
【0216】
(技術5)前記取得ステップが取得した前記予測消費電力量が前記所定の基準電力量を上回る場合、前記建物へ導入予定の前記空気調和設備の変更を促す第2通知ステップを、含む、技術1から技術4のいずれか一つに記載の運用計画支援方法。
これによれば、建物へ導入予定の空気調和設備の変更を促すことで、空気調和設備の消費電力量が所定の基準電力量以下とするためには空気調和設備の変更が必要であることを、空気調和設備の導入前に把握できるようになる。よって、建物への空気調和設備の導入前において空気調和設備の運用計画の策定をより適切に支援できる。
【0217】
(技術6)前記取得ステップが取得した前記月間基準電力量と、前記空気調和設備の実運転による月間の消費電力量である月間実消費電力量と、を出力する第2出力ステップを含む、技術3に記載の運用計画支援方法。
これによれば、月ごとに、実際の消費電力量が基準を上回ったか否かを簡単に把握できるため、建物への空気調和設備の導入後、空気調和設備の運用計画の再策定が必要か否かを容易に判断できる。よって、建物への空気調和設備の導入後においても、空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0218】
(技術7)前記空気調和設備の導入後において、前記取得ステップが取得した前記月間基準電力量と前記月間実消費電力量との誤差に基づいて、前記取得ステップが取得した前記予測消費電力量を補正する補正ステップを、含む、技術6に記載の運用計画支援方法。
これによれば、空気調和設備の導入後、取得ステップにより取得した予測消費電力量を、実際の空気調和設備の運用に即した電力量に補正できるようになる。そのため、空気調和設備の導入後、実際の空気調和設備の運用に即して空気調和設備の運用計画を再策定できるようになる。
【0219】
(技術8)前記補正ステップにおいて補正された前記予測消費電力量が、前記所定の基準電力量を上回る場合、補正された前記予測消費電力量が前記所定の基準電力量を上回る旨を通知する第3通知ステップを、含む、技術7に記載の運用計画支援方法。
これによれば、補正後の予測消費電力量では所定の基準電力量を上回ることを把握できるようになるため、現在の運用では予測消費電力量が所定の基準電力量を上回ることを把握できる。よって、空気調和設備の運用計画の再策定が必要であることを把握できるようになるため、空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0220】
(技術9)前記補正ステップにおいて補正された前記予測消費電力量が、前記所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の見直しを促す第4通知ステップを、含む、技術7又は技術8に記載の運用計画支援方法。
これによれば、予測消費電力量を所定の基準電力量以下にするためには、空気調和設備の運用計画を見直す必要があることを把握できる。よって、空気調和設備の運用計画の策定を適切に支援できる。
【0221】
(技術10)空気調和設備の運用計画の策定を支援する運用計画支援システムであって、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、を備える、運用計画支援システム。
これによれば、技術1に記載の運用計画支援方法と同様の効果を奏する。
【0222】
(技術11)空気調和設備の運用計画の策定を支援する端末装置であって、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、を備える、端末装置。
これによれば、技術1に記載の運用計画支援方法と同様の効果を奏する。
【0223】
(技術12)空気調和設備の運用計画の策定を支援する端末装置のプロセッサを、建物へ導入予定の前記空気調和設備に関する前記運用計画の入力を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記運用計画で前記空気調和設備が運転した場合の消費電力量である予測消費電力量を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記予測消費電力量が所定の基準電力量を上回る場合、前記運用計画の再入力を促す通知部と、して機能させる、プログラム。
これによれば、技術1に記載の運用計画支援方法と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0224】
以上のように、本発明に係る運用計画支援方法、運用計画支援システム、端末装置、及びプログラムは、空気調和設備の運用計画を支援する用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0225】
1 空気調和設備
2 第1端末装置(端末装置)
3 第1端末装置
3 第2端末装置(端末装置)
4 第1サーバ装置
5 第2サーバ装置
6 電気設備
20 第1制御装置
21 第1通信部
22 第1表示部
23 第1入力部
30 第2制御装置
31 第2通信部
32 第2表示部
33 第2入力部
41 WEBPRO
110 第1メモリ
200 第1プロセッサ(プロセッサ)
201 第1通信制御部
202 第1表示制御部
203 第1受付部
210 第1メモリ
211 第1制御プログラム
300 第2プロセッサ(プロセッサ)
301 第2通信制御部
302 第2表示制御部
303 第3通信制御部
304 第3表示制御部
305 第2受付部
306 取得部
307 補正部
310 第2メモリ
311 第2制御プログラム
312 第3制御プログラム(プログラム)
313 モデルデータ
314 第1条件DB
315 第2条件DB
1000 運用計画支援システム
BL 建物
P1 管理者
P2 策定者
SA2 ステップ(受付ステップ)
SA4 ステップ(取得ステップ)
SA6 ステップ(第1通知ステップ)
SA8 ステップ(第2通知ステップ)
SA9 ステップ(第1出力ステップ)
SB4 ステップ(第2出力ステップ)
SC7 ステップ(補正ステップ)
SC9 ステップ(第3通知ステップ)
SC10 ステップ(第4通知ステップ)