IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社IHIの特許一覧

<>
  • 特開-運転支援装置 図1
  • 特開-運転支援装置 図2
  • 特開-運転支援装置 図3
  • 特開-運転支援装置 図4
  • 特開-運転支援装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176616
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20241212BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G08G1/01 C
G08G1/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095322
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100208591
【弁理士】
【氏名又は名称】井後 智哉
(72)【発明者】
【氏名】片桐 智之
(72)【発明者】
【氏名】石川 光
(72)【発明者】
【氏名】大西 三男
(72)【発明者】
【氏名】平田 賢輔
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181DD02
5H181FF12
5H181FF13
(57)【要約】
【課題】施設における入退場の安全性を確保することが可能な技術を提供する。
【解決手段】運転支援装置10は、ターゲット車両5が入退場する施設の外の領域である外部エリアにおける交通参加者を計測した第1データを取得する第1取得部11と、施設と外部エリアとを連絡する通路と、外部エリアとが重複する外部エリアの一部である通行エリアに向かうターゲット車両5を計測した第2データを取得する第2取得部12と、第1データを用いて、交通参加者が通行エリアに到達する第1時間を算出する第1算出部16と、第2データを用いて、ターゲット車両5が通行エリアに到達する第2時間を算出する第2算出部18と、第1時間及び第2時間を用いて、通行エリアを介して施設と外部エリアとの間を通行する通行の可否を判定した判定結果を生成する判定部19と、判定結果をターゲット車両5に出力する通信部15と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット車両が入退場する施設の外の領域である外部エリアにおける交通参加者を計測した第1データを取得する第1取得部と、
前記施設と前記外部エリアとを連絡する通路と、前記外部エリアとが重複する前記外部エリアの一部である通行エリアに向かう前記ターゲット車両を計測した第2データを取得する第2取得部と、
前記第1データを用いて、前記交通参加者が前記通行エリアに到達する第1時間を算出する第1算出部と、
前記第2データを用いて、前記ターゲット車両が前記通行エリアに到達する第2時間を算出する第2算出部と、
前記第1時間及び前記第2時間を用いて、前記通行エリアを介して前記施設と前記外部エリアとの間を通行する通行の可否を判定した判定結果を生成する判定部と、
前記判定結果を前記ターゲット車両に出力する通信部と、
を備える、
運転支援装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記交通参加者が前記通行エリアに存在するか否かの条件をさらに用いて、前記判定結果を生成する、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記第1時間と前記第2時間との間に所定の時間が空いているか否かの条件をさらに用いて前記判定結果を生成する、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記ターゲット車両から、前記通行エリアを介する通行の予定を取得し、前記通行の予定の取得に応答して、前記判定結果を前記ターゲット車両に出力する、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記第2算出部は、前記第2データを用いて、前記外部エリア上且つ前記通行エリアの周辺領域において減速した車両を前記ターゲット車両として、前記第2時間を算出し、
前記判定部は、前記ターゲット車両の入場の可否を判定した前記判定結果を生成する、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記第2算出部は、前記第2データを用いて、前記通路を通行する車両を前記ターゲット車両として、前記第2時間を算出し、
前記判定部は、前記ターゲット車両の退場の可否を判定した前記判定結果を生成する、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記ターゲット車両の車種を特定する特定部を備え、
前記第2算出部は、前記車種に応じて、前記ターゲット車両が前記通行エリアから出るために要する時間をさらに加算して、前記第2時間を算出する、
請求項1に記載の運転支援装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の混雑状況を予測する技術が知られている。特許文献1には、本線及び取付道の走行車両の存在に基づいて、合流地点に配置された表示装置の表示を制御する装置が記載されている。特許文献2には、渋滞を予測して、複数の入場ゲートを備える大規模な駐車場へのルートを求める装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-102655号公報
【特許文献2】特開2015-64719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施設の車両出入口において、交通誘導員の誘導が行われている。例えば、交通誘導員は、目視によって車両の入退場の可否を判断している。交通誘導員による入退場の可否の判断には、ばらつきが生じる。判断のばらつきに起因して、入場させるべきでない場合に入場させるといったことが生じ得る。その結果、安全性に問題が生じ得る。
【0005】
本開示は、施設における入退場の安全性を確保することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る運転支援装置は、ターゲット車両が入退場する施設の外の領域である外部エリアにおける交通参加者を計測した第1データを取得する第1取得部と、施設と外部エリアとを連絡する通路と、外部エリアとが重複する外部エリアの一部である通行エリアに向かうターゲット車両を計測した第2データを取得する第2取得部と、第1データを用いて、交通参加者が通行エリアに到達する第1時間を算出する第1算出部と、第2データを用いて、ターゲット車両が通行エリアに到達する第2時間を算出する第2算出部と、第1時間及び第2時間を用いて、通行エリアを介して施設と外部エリアとの間を通行する通行の可否を判定した判定結果を生成する判定部と、判定結果をターゲット車両に出力する通信部と、を備える。
【0007】
運転支援装置では、外部エリアにおける交通参加者が計測された第1データと、通行エリアに向かうターゲット車両が計測された第2データとが取得される。第1データから、交通参加者が通行エリアに到達する第1時間が算出される。第2データから、ターゲット車両が通行エリアに到達する第2時間が算出される。そして、第1時間及び第2時間に基づいて、通行エリアを介して施設及び外部エリア間を通行できるか否かが判定され、判定結果がターゲット車両に出力される。これにより、判定結果がターゲット車両の運転手に提供される。その結果、施設における入退場の安全性を確保することができる。
【0008】
判定部は、交通参加者が通行エリアに存在するか否かの条件をさらに用いて、判定結果を生成してもよい。通行エリアの状況が判定結果に反映されることにより、施設の入退場の安全性を向上させることができる。
【0009】
判定部は、第1時間と第2時間との間に所定の時間が空いているか否かの条件をさらに用いて判定結果を生成してもよい。通行エリアの状況が判定結果に反映されることにより、施設の入退場の安全性を向上させることができる。
【0010】
通信部は、ターゲット車両から、通行エリアを介する通行の予定を取得してもよい。通信部は、通行の予定の取得に応答して、判定結果をターゲット車両に出力してもよい。この場合、適切なタイミングでターゲット車両に判定結果が提供される。これにより、施設の入退場の安全性を向上させることができる。
【0011】
第2算出部は、第2データを用いて、外部エリア上且つ通行エリアの周辺領域において減速した車両をターゲット車両として、第2時間を算出してもよい。判定部は、ターゲット車両の入場の可否を判定した判定結果を生成してもよい。周辺領域において減速した車両は、通行エリアを介して施設に入場するターゲット車両である可能性が高い。ターゲット車両が絞られることによって、第2時間を算出する計算コストを抑制できる。
【0012】
第2算出部は、第2データを用いて、通路を通行する車両をターゲット車両として、第2時間を算出してもよい。判定部は、ターゲット車両の退場の可否を判定した判定結果を生成してもよい。通路を通行する車両は、通行エリアを介して施設から退場するターゲット車両である可能性が高い。ターゲット車両が絞られることによって、第2時間を算出する計算コストを抑制できる。
【0013】
運転支援装置は、ターゲット車両の車種を特定する特定部を備えてもよい。第2算出部は、車種に応じて、ターゲット車両が通行エリアから出るために要する時間をさらに加算して、第2時間を算出してもよい。ターゲット車両は、車種によって大きさ及び加速性能が異なる。すなわち、通行エリアから出るために要する時間は、ターゲット車両の車種によって異なり得る。車種に応じて、通行エリアから出るために要する時間をバッファとして用いることにより、施設の入退場の安全性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、施設における入退場の安全性を確保することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、施設に関連する交通状況の一例を示す概要図である。
図2図2は、運転支援システムの構成を例示するブロック図である。
図3図3は、第1時間及び第2時間の一例を示す概念図である。
図4図4は、運転支援システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、運転支援システムに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本開示を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、施設に関連する交通状況の一例を示す概要図である。図1は、施設F、外部エリアE及び通路Rを示す。施設Fとしては、例えば物流施設、商業施設、公共施設及び教育用施設が挙げられるが、これらに限られない。外部エリアEは、施設Fの外の領域である。例えば、外部エリアEは、交通参加者が通行可能な道路である。外部エリアEは、例えば歩道E1及び車道E2を含む。交通参加者は、移動可能な物体又は人物である。交通参加者としては、例えば歩行者、自転車、二輪車、普通車及び大型車が挙げられる。通路Rは、施設Fの入口、出口又は出入口である。通路Rは、施設Fと外部エリアEとを連絡する。
【0018】
外部エリアE上には、通行エリアAが形成されている。通行エリアAは、通路Rと、外部エリアEとが重複する外部エリアEの一部である。例えば、通行エリアAは、車両が施設Fに入場又は退場する際に通行する領域である。通行エリアAは、施設Fに対する入場エリア、退場エリア又は入退場エリアとも言える。以下、通行エリアAに向かう車両を「ターゲット車両」という。ターゲット車両は、施設に入退場する。一例では、入場時のターゲット車両は、通行エリアAを介して、外部エリアEから通路Rに進む。別の例では、退場時のターゲット車両は、通行エリアAを介して、通路Rから外部エリアEに進む。
【0019】
外部エリアE上には、通行エリアAの周辺である周辺領域Nが形成されている。周辺領域Nは、例えば車道E2における通行エリアAに連続する所定の領域である。ターゲット車両が車道E2から施設Fに入場する場合、周辺領域N上で徐々に減速を開始する。
【0020】
図1は、ターゲット車両5が施設Fから退場する場面を示す。すなわち、ターゲット車両5は、通路Rを介して通行エリアAに向かっている。図1では、交通参加者の例として、歩行者P1及びP2、並びに車両V1及びV2を示す。歩行者P1及びP2は、外部エリアEの歩道E1を通行している。車両V1及びV2は、外部エリアEの車道E2を通行している。交通参加者は、通行エリアAを通行し得る。
【0021】
図2は、実施形態に係る運転支援システム1の構成を例示するブロック図である。運転支援システム1は、運転支援装置10と、第1計測装置2と、第2計測装置3と、認証カメラ4とを備える。運転支援装置10は、第1計測装置2、第2計測装置3及び認証カメラ4と有線又は無線を介して通信可能に接続されている。運転支援装置10は、ターゲット車両5と無線を介して通信可能に接続されていてもよい。
【0022】
第1計測装置2は、外部エリアEにおける交通参加者を計測する装置である。一例では、第1計測装置2は、歩道E1を通行する交通参加者を計測してもよい。別の例では、第1計測装置2は、車道E2を通行する交通参加者を計測してもよい。第1計測装置2は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)センサ又はミリ波センサである。LiDAR又はミリ波センサは、天候不良等により視界が悪い場合にも、計測の精度が安定する。第1計測装置2は、例えば通路R又は外部エリアEに近接した位置に配置される。第1計測装置2は、複数台により構成されてもよい。
【0023】
第1計測装置2は、計測された交通参加者を示す第1データを生成する。第1データは、計測点数及び点群の範囲等を示す電子データである。第1計測装置2は、所定のフレームレートで第1データを生成する。第1データは、ある座標の計測点までの距離及び時刻情報等が抽出可能である。第1計測装置2は、第1データを運転支援装置10に送信する。
【0024】
第2計測装置3は、通行エリアAに向かうターゲット車両5を計測する装置である。一例では、第2計測装置3は、通路Rを通行するターゲット車両5を計測してもよい。別の例では、第2計測装置3は、車道E2を通行するターゲット車両5を計測してもよい。第2計測装置3は、例えばLiDARセンサ又はミリ波センサである。第2計測装置3は、例えば通路R又は外部エリアEに近接した位置に配置される。第2計測装置3は、複数台により構成されてもよい。
【0025】
第2計測装置3は、計測されたターゲット車両5を示す第2データを生成する。第2データは、計測点数及び点群の範囲等を示す電子データである。第2計測装置3は、所定のフレームレートで第2データを生成する。第2データは、ある座標の計測点までの距離及び時刻情報等が抽出可能である。第2計測装置3は、第2データを運転支援装置10に送信する。
【0026】
認証カメラ4は、ターゲット車両5のナンバープレートを撮影する。認証カメラ4は、例えば通路R又は外部エリアEに近接した位置に配置される。認証カメラ4は、ナンバープレートに表示された各種情報を取得する。例えば、認証カメラ4は、ターゲット車両5の登録番号を取得する。登録番号は、ターゲット車両5を識別する番号である。認証カメラ4は、登録番号を運転支援装置10に送信する。
【0027】
ターゲット車両5は、施設Fに入退場する。ターゲット車両5は、例えば外部エリアE又は通路Rを通行している。ターゲット車両5は、通信装置51を備える。通信装置51は、例えば無線機又はIP無線機である。通信装置51は、例えばターゲット車両5の登録番号を運転支援装置10に送信する。通信装置51は、通行エリアAを介する通行の予定を運転支援装置10に送信してもよい。通行の予定は、例えば現在時刻又は近い将来時刻(例えば数秒後)に通行エリアAを通行することを示す情報である。換言すると、通行の予定は、施設Fに入場するか、又は施設Fから退場することを示す情報である。通行の予定は、入退場の信号とも言える。
【0028】
運転支援装置10は、施設Fにおけるターゲット車両5の入退場を支援する装置である。運転支援装置10は、交通参加者及びターゲット車両5の位置及び速度等を用いて、入退場の可否を出力する。運転支援装置10は、機能要素として第1取得部11と、第2取得部12と、番号取得部13と、記憶部14と、通信部15と、第1算出部16と、特定部17と、第2算出部18と、判定部19とを備える。
【0029】
第1取得部11は、第1計測装置2から第1データを取得する。第1データは、外部エリアEを通行する交通参加者の計測結果を示す。一例では、第1データは、歩行者P1及びP2の計測結果、並びに、車両V1及びV2の計測結果を示す電子データであってもよい。
【0030】
第2取得部12は、第2計測装置3から第2データを取得する。第2データは、通行エリアAに向かうターゲット車両5の計測結果を示す。一例では、第2データは、通路Rを通行するターゲット車両5の計測結果であってもよい。別の例では、第2データは、外部エリアEを通行するターゲット車両5の計測結果であってもよい。
【0031】
番号取得部13は、認証カメラ4からターゲット車両5の登録番号を取得する。番号取得部13は、認証カメラ4が撮影した画像を取得し、ターゲット車両5の登録番号を取得してもよい。
【0032】
記憶部14は、運転支援装置10により用いられる各種データを記憶する非一時的な記憶媒体又は記憶装置である。記憶部14は、例えばターゲット車両5の登録番号と車種とを関連付けて記憶している。例えば、施設Fが物流施設である場合、施設Fに入退場する車両はある程度決まっている。車種としては、例えば普通車又は大型車が挙げられるが、これらに限られない。記憶部14は、例えばターゲット車両5の登録番号とIPアドレスとを関連付けて記憶していてもよい。記憶部14では、各種情報が予め登録されていてもよい。記憶部14は、単一のデータベースとして構築されてもよいし、複数のデータベースの集合であってもよい。記憶部14の設置場所は限定されない。例えば、記憶部14は、運転支援システム1とは別のコンピュータシステム内に設けられてもよい。
【0033】
通信部15は、ターゲット車両5との間で情報を送受信する。例えば、通信部15は、ターゲット車両5から登録番号及び通行エリアAを介する通行の予定を取得する。通信部15は、運転支援装置10とは別の通信装置として構成されてもよい。
【0034】
特定部17は、ターゲット車両5の情報を特定する。例えば、特定部17は、番号取得部13又は通信部15によって取得された登録番号を用いて、ターゲット車両5の情報を特定する。例えば、特定部17は、記憶部14を参照して、登録番号に関連付けられたターゲット車両5の車種及びIPアドレスを特定する。特定部17は、第2データを用いて、ターゲット車両5の車種を特定してもよい。例えば、特定部17は、第2データの点群の範囲から取得した車両の大きさに基づいて、車種を特定してもよい。
【0035】
第1算出部16は、第1データを用いて、交通参加者が通行エリアAに到達する第1時間を算出する。第1時間は、交通参加者が、外部エリアEにおける通行エリアA以外の領域から通行エリアAに到達すると予測される時間である。例えば、第1時間は、「30秒」等のように算出されるが、これに限られない。例えば、第1算出部16は、第1計測装置2の座標と、交通参加者の計測点までの座標との距離を抽出する。第1算出部16は、フレームレートの間隔における交通参加者の移動量を用いて、交通参加者の速度を算出する。第1算出部16は、交通参加者の速度及び座標、並びに通行エリアAの座標を用いて、交通参加者が通行エリアAに到達する第1時間を算出する。
【0036】
第2算出部18は、第2データを用いて、ターゲット車両5が通行エリアAに到達する第2時間を算出する。第2時間は、ターゲット車両5が、通路Rから通行エリアAに到達すると予測される時間である。或いは、第2時間は、ターゲット車両5が、外部エリアEにおける通行エリアA以外の領域から通行エリアAに到達すると予測される時間である。例えば、第2時間は、「30秒」等のように算出されるが、これに限られない。例えば、第2算出部18は、第2計測装置3の座標と、ターゲット車両5の計測点までの座標との距離を抽出する。第2算出部18は、フレームレートの間隔におけるターゲット車両5の移動量を用いて、ターゲット車両5の速度を算出する。第2算出部18は、ターゲット車両5の速度及び座標、並びに通行エリアAの座標を用いて、ターゲット車両5が通行エリアAに到達する第2時間を算出する。
【0037】
第2算出部18は、ターゲット車両5が通行エリアから出るために要する時間をさらに加算して、第2時間を算出してもよい。第2算出部18は、第2データを用いて、外部エリアE上且つ通行エリアAの周辺領域Nにおいて減速した車両をターゲット車両5として、第2時間を算出してもよい。第2算出部18は、第2データを用いて、通路Rを通行する車両をターゲット車両5として、第2時間を算出してもよい。
【0038】
判定部19は、第1時間及び第2時間を用いて、通行エリアAを介して施設Fと外部エリアEとの間を通行する通行の可否を判定した判定結果を生成する。通行の可否は、ターゲット車両5が施設Fに対して入退場可能かどうかを示す。判定部19は、交通参加者が通行エリアAに存在するか否かの条件をさらに用いて、判定結果を生成してもよい。判定部19は、第1時間と第2時間との間に所定の時間が空いているか否かの条件をさらに用いて判定結果を生成してもよい。所定の時間は、例えば10秒であるがこれに限られない。判定部19は、ターゲット車両5の入場の可否を判定した判定結果を生成してもよい。判定部19は、ターゲット車両5の退場の可否を判定した判定結果を生成してもよい。
【0039】
通信部15は、判定結果をターゲット車両5に出力する。通信部15は、ターゲット車両5のIPアドレスを用いて、判定結果をターゲット車両5に出力してもよい。通信部15は、通行の予定の取得に応答して、判定結果をターゲット車両5に出力してもよい。ターゲット車両5は、通信部15から取得した判定結果を音声等によって出力する。これにより、ターゲット車両5の運転手に判定結果が提供される。
【0040】
図3は、第1時間及び第2時間の一例を示す概念図である。現在時刻t0において、交通参加者の例である車両V2は外部エリアEの車道E2を通行している。現在時刻t0において、ターゲット車両5は通路Rを通行している。図3は、車両V2が通行エリアAに到達するまでの第1時間t1の一例を示す。図3は、ターゲット車両5が通行エリアAに到達するまでの第2時間t2の一例を示す。第1時間t1と第2時間t2との間には、時間差Δtが存在する。
【0041】
判定部19は、ターゲット車両5が交通参加者よりも早く通行エリアAに到達すると予測される場合に、通行を「可能」と判定してもよい。例えば、判定部19は、第2時間t2が第1時間t1よりも早い場合に、通行を「可能」と判定してもよい。
【0042】
判定部19は、ターゲット車両5が交通参加者よりも遅く通行エリアAに到達すると予測される場合に、通行を「不可能」と判定してもよい。例えば、判定部19は、第2時間t2が第1時間t1よりも遅い場合に、通行を「不可能」と判定してもよい。
【0043】
判定部19は、ターゲット車両5が交通参加者よりも所定の時間以上早く通行エリアAに到達すると予測される場合に、通行を「可能」と判定してもよい。例えば、第1時間t1が「30秒」であり、第2時間t2が「20秒」である場合、時間差Δtは「10秒」である。判定部19は、所定の時間が「10秒」である場合に、通行を「可能」と判定してもよい。
【0044】
判定部19は、ターゲット車両5が交通参加者よりも早く通行エリアAに到達すると予測されるが、両者の到達時間に所定の時間が空いていない場合に、通行を「不可能」と判定してもよい。例えば、第1時間t1が「30秒」であり、第2時間t2が「25秒」である場合、時間差Δtは「5秒」である。判定部19は、所定の時間が「10秒」である場合に、通行を「不可能」と判定してもよい。
【0045】
[運転支援システムの動作]
図4を参照しながら運転支援システム1による動作方法(運転支援方法)の一例について説明する。図4は、運転支援システム1の動作の一例を示すフローチャートである。ターゲット車両5は、例えば外部エリアE又は通路Rを通行している。
【0046】
ステップS1において、運転支援システム1は、第1データを取得する。例えば、第1計測装置2は、外部エリアEにおける交通参加者を計測する。一例では、第1計測装置2は、歩道E1を通行する交通参加者を計測してもよい。別の例では、第1計測装置2は、車道E2を通行する交通参加者を計測してもよい。第1計測装置2は、計測された交通参加者を示す第1データを生成する。第1計測装置2は、所定のフレームレートで第1データを生成する。第1計測装置2は、第1データを運転支援装置10に送信する。第1取得部11は、第1計測装置2から第1データを取得する。
【0047】
ステップS2において、運転支援システム1は、第2データを取得する。例えば、第2計測装置3は、通行エリアAに向かうターゲット車両5を計測する。一例では、第2計測装置3は、通路Rを通行するターゲット車両5を計測してもよい。別の例では、第2計測装置3は、車道E2を通行するターゲット車両5を計測してもよい。第2計測装置3は、計測されたターゲット車両5を示す第2データを生成する。第2計測装置3は、所定のフレームレートで第2データを生成する。第2計測装置3は、第2データを運転支援装置10に送信する。
【0048】
ステップS3において、運転支援システム1は、第1時間を算出する。例えば、第1算出部16は、第1データを用いて、交通参加者が通行エリアAに到達する第1時間を算出する。例えば、第1算出部16は、第1計測装置2の座標と、交通参加者の計測点までの座標との距離を抽出する。第1算出部16は、フレームレートの間隔における交通参加者の移動量を用いて、交通参加者の速度を算出する。第1算出部16は、交通参加者の速度及び座標、並びに通行エリアAの座標を用いて、交通参加者が通行エリアAに到達する第1時間を算出する。
【0049】
ステップS4において、運転支援システム1は、ターゲット車両5を特定する。例えば、認証カメラ4は、ターゲット車両5のナンバープレートを撮影してもよい。認証カメラ4は、ナンバープレートに表示された各種情報を取得してもよい。例えば、認証カメラ4は、ターゲット車両5の登録番号を取得してもよい。認証カメラ4は、登録番号を運転支援装置10に送信してもよい。番号取得部13は、認証カメラ4からターゲット車両5の登録番号を取得してもよい。番号取得部13は、認証カメラ4が撮影した画像を取得し、ターゲット車両5の登録番号を取得してもよい。
【0050】
ターゲット車両5の通信装置51は、例えばターゲット車両5の登録番号及び通行エリアAを介する通行の予定を運転支援装置10に送信してもよい。通信部15は、ターゲット車両5から登録番号及び通行エリアAを介する通行の予定を取得してもよい。
【0051】
特定部17は、ターゲット車両5の情報を特定する。例えば、特定部17は、番号取得部13又は通信部15によって取得された登録番号を用いて、ターゲット車両5の情報を特定する。例えば、特定部17は、記憶部14を参照して、登録番号に関連付けられたターゲット車両5の車種及びIPアドレスを特定する。特定部17は、第2データを用いて、ターゲット車両5の車種を特定してもよい。例えば、特定部17は、第2データの点群の範囲から取得した車両の大きさに基づいて、車種を特定してもよい。
【0052】
ステップS5において、運転支援システム1は、第2時間を算出する。例えば、第2算出部18は、第2データを用いて、ターゲット車両5が通行エリアAに到達する第2時間を算出する。例えば、第2算出部18は、第2計測装置3の座標と、ターゲット車両5の計測点までの座標との距離を抽出する。第2算出部18は、フレームレートの間隔におけるターゲット車両5の移動量を用いて、ターゲット車両5の速度を算出する。第2算出部18は、ターゲット車両5の速度及び座標、並びに通行エリアAの座標を用いて、ターゲット車両5が通行エリアAに到達する第2時間を算出する。
【0053】
第2算出部18は、車種に応じて、ターゲット車両5が通行エリアAから出るために要する時間をさらに加算して、第2時間を算出してもよい。ターゲット車両5は、車種によって大きさ及び加速性能が異なる。例えば、ターゲット車両5の車種が大型車である場合、普通車よりも加速に時間を要する傾向にある。また、全長が長い車種ほど、通行エリアAから出るために時間を要する傾向にある。一例では、第2算出部18は、車種に応じた時間を加算して、第2時間を算出してもよい。車種に応じた時間は、予め決定されていてもよい。記憶部14は、車種と時間とを関連付けて、車種に応じた時間として格納していてもよい。
【0054】
第2算出部18は、第2データを用いて、外部エリアE上且つ通行エリアAの周辺領域Nにおいて減速した車両をターゲット車両5として、第2時間を算出してもよい。複数の車両が、外部エリアEの車道E2を通行する場合がある。複数の車両は、施設Fに入場するターゲット車両5及び施設Fに入場しない車両を含む。複数の車両の内、周辺領域Nにおいて減速した車両は、ターゲット車両5である可能性が高い。例えば、外部エリアEを通行する車両は、周辺領域N、通行エリアAの順に通行する。この場合、車両は、通行エリアAから離間した周辺領域N上の第1位置を通った後、第1位置よりも通行エリアAに近接した周辺領域N上の第2位置を通る。ここで、第1位置と第2位置との間で減速した車両は、ターゲット車両5である可能性が高い。
【0055】
第2算出部18は、第2データを用いて、通路Rを通行する車両をターゲット車両5として、第2時間を算出してもよい。通路Rを通行し、通行エリアAに向かう車両は、ターゲット車両5である可能性が高い。
【0056】
ステップS6において、運転支援システム1は、通行エリアAを介して施設Fと外部エリアEとの間を通行する通行の可否を判定する。例えば、判定部19は、第1時間及び第2時間を用いて、通行エリアAを介して施設と外部エリアEとの間を通行する通行の可否を判定した判定結果を生成してもよい。
【0057】
一例では、判定部19は、第2時間が第1時間よりも早い場合に、通行を「可能」と判定してもよい。具体的には、判定部19は、第1時間が「30秒」であり、第2時間が「10秒」である場合に、通行を「可能」と判定してもよい。
【0058】
別の例では、判定部19は、第2時間が第1時間よりも遅い場合に、通行を「不可能」と判定してもよい。具体的には、判定部19は、第1時間が「10秒」であり、第2時間が「30秒」である場合に、通行を「不可能」と判定してもよい。
【0059】
判定部19は、交通参加者が通行エリアAに存在するか否かの条件をさらに用いて、判定結果を生成してもよい。一例では、判定部19は、交通参加者が通行エリアAに存在しない場合に、通行を「可能」と判定してもよい。別の例では、判定部19は、交通参加者が通行エリアAに存在する場合に、通行を「不可能」と判定してもよい。
【0060】
判定部19は、第1時間と第2時間との間に所定の時間が空いているか否かの条件をさらに用いて判定結果を生成してもよい。一例では、判定部19は、第2時間が第1時間よりも早く、さらに所定の時間が空いている場合に、通行を「可能」と判定してもよい。具体的には、第1時間が「30秒」であり、第2時間が「10秒」であり、所定の時間が「10秒」である場合、第1時間と第2時間との間には、所定の時間よりも大きい時間差「20秒」が存在する。この場合に、判定部19は、通行を「可能」と判定してもよい。換言すると、ターゲット車両5が交通参加者よりも通行エリアAに先に到達し、十分な時間が空いている場合に、ターゲット車両5の通行が可能と判定されてもよい。
【0061】
別の例では、判定部19は、第2時間が第1時間よりも早く、所定の時間が空いていない場合に、通行を「不可能」と判定してもよい。具体的には、第1時間が「30秒」であり、第2時間が「25秒」であり、所定の時間が「10秒」である場合、第1時間と第2時間との間には、所定の時間よりも小さい時間差「5秒」が存在する。この場合に、判定部19は、通行を「不可能」と判定してもよい。換言すると、ターゲット車両5が交通参加者よりも通行エリアAに先に到達するものの、十分な時間が空いていない場合に、ターゲット車両5の通行が不可能と判定されてもよい。
【0062】
判定部19は、ターゲット車両5の入場の可否を判定した判定結果を生成してもよい。判定部19は、ターゲット車両5の退場の可否を判定した判定結果を生成してもよい。
【0063】
ステップS7において、運転支援システム1は、判定結果を出力する。例えば、通信部15は、判定結果をターゲット車両5に出力する。通信部15は、通行の予定の取得に応答して、判定結果をターゲット車両5に出力してもよい。ターゲット車両5は、通信部15から取得した判定結果を音声等によって出力する。これにより、ターゲット車両5の運転手に判定結果が提供される。
【0064】
[ハードウェア構成]
図5は、運転支援システム1に関連するハードウェア構成の一例を示す図である。図5は、運転支援装置10として機能するコンピュータ100を示す。コンピュータ100は、プロセッサ101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信制御部104と、入力装置105と、出力装置106とを有する。運転支援装置10は、これらのハードウェアと、プログラム等のソフトウェアとにより構成された1又は複数のコンピュータ100によって構成される。
【0065】
運転支援装置10が複数のコンピュータ100によって構成される場合には、これらのコンピュータ100はローカルで接続されてもよいし、インターネット又はイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されてもよい。この接続によって、論理的に1つの運転支援装置10が構築される。
【0066】
プロセッサ101は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU(Central Processing Unit)である。主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部103は、ハードディスク及びフラッシュメモリなどにより構成される記憶媒体である。補助記憶部103は、一般的に主記憶部102よりも大量のデータを記憶する。通信制御部104は、ネットワークカード又は無線通信モジュールにより構成される。運転支援装置10における他の装置との通信機能の少なくとも一部は、通信制御部104によって実現されてもよい。入力装置105は、キーボード、マウス、タッチパネル、及び、音声入力用マイクなどにより構成される。出力装置106は、ディスプレイ及びプリンタなどにより構成される。
【0067】
補助記憶部103は、予め、プログラム110(運転支援プログラム)及び処理に必要なデータを格納している。プログラム110は、運転支援装置10の各機能要素をコンピュータ100に実行させる。プログラム110によって、例えば、上述した運転支援方法に係る処理がコンピュータ100において実行される。例えば、プログラム110は、プロセッサ101又は主記憶部102によって読み込まれ、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、入力装置105、及び出力装置106の少なくとも1つを動作させる。例えば、プログラム110は、主記憶部102及び補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。
【0068】
プログラム110は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記憶媒体に記録された上で提供されてもよい。プログラム110は、データ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0069】
以上説明したように、本開示の一側面に係る運転支援装置10は、ターゲット車両5が入退場する施設Fの外の領域である外部エリアEにおける交通参加者を計測した第1データを取得する第1取得部11と、施設Fと外部エリアEとを連絡する通路Rと、外部エリアEとが重複する外部エリアEの一部である通行エリアAに向かうターゲット車両5を計測した第2データを取得する第2取得部12と、第1データを用いて、交通参加者が通行エリアAに到達する第1時間を算出する第1算出部16と、第2データを用いて、ターゲット車両5が通行エリアAに到達する第2時間を算出する第2算出部18と、第1時間及び第2時間を用いて、通行エリアAを介して施設Fと外部エリアEとの間を通行する通行の可否を判定した判定結果を生成する判定部19と、判定結果をターゲット車両5に出力する通信部15と、を備える。
【0070】
運転支援装置10では、外部エリアEにおける交通参加者が計測された第1データと、通行エリアAに向かうターゲット車両5が計測された第2データとが取得される。第1データから、交通参加者が通行エリアAに到達する第1時間が算出される。第2データから、ターゲット車両5が通行エリアAに到達する第2時間が算出される。そして、第1時間及び第2時間に基づいて、通行エリアAを介して施設F及び外部エリアE間を通行できるか否かが判定され、ターゲット車両5に判定結果が出力される。これにより、判定結果がターゲット車両5の運転手に提供される。その結果、施設Fにおける入退場の安全性を確保することができる。また、ターゲット車両5の通行の可否が交通誘導員等の判断に依存しないため、入退場の案内を安定して運用できる。さらに、交通誘導員の確保も不要となる。
【0071】
判定部19は、交通参加者が通行エリアAに存在するか否かの条件をさらに用いて、判定結果を生成する。通行エリアAの状況が判定結果に反映されることにより、施設Fの入退場の安全性を向上させることができる。
【0072】
判定部19は、第1時間と第2時間との間に所定の時間が空いているか否かの条件をさらに用いて判定結果を生成する。通行エリアAの状況が判定結果に反映されることにより、施設Fの入退場の安全性を向上させることができる。
【0073】
通信部15は、ターゲット車両5から、通行エリアAを介する通行の予定を取得する。通信部15は、通行の予定の取得に応答して、判定結果をターゲット車両5に出力する。この場合、適切なタイミングでターゲット車両5に判定結果が提供される。これにより、施設Fの入退場の安全性を向上させることができる。
【0074】
第2算出部18は、第2データを用いて、外部エリアE上且つ通行エリアAの周辺領域において減速した車両をターゲット車両5として、第2時間を算出する。判定部19は、ターゲット車両5の入場の可否を判定した判定結果を生成する。周辺領域において減速した車両は、通行エリアAを介して施設Fに入場するターゲット車両5である可能性が高い。ターゲット車両5が絞られることによって、第2時間を算出する計算コストを抑制できる。
【0075】
第2算出部18は、第2データを用いて、通路Rを通行する車両をターゲット車両5として、第2時間を算出する。判定部19は、ターゲット車両5の退場の可否を判定した判定結果を生成する。通路Rを通行する車両は、通行エリアAを介して施設Fから退場するターゲット車両5である可能性が高い。ターゲット車両5が絞られることによって、第2時間を算出する計算コストを抑制できる。
【0076】
運転支援装置10は、ターゲット車両5の車種を特定する特定部17を備える。第2算出部18は、車種に応じて、ターゲット車両5が通行エリアAから出るために要する時間をさらに加算して、第2時間を算出する。ターゲット車両5は、車種によって大きさ及び加速性能が異なる。すなわち、通行エリアAから出るために要する時間は、ターゲット車両5の車種によって異なり得る。車種に応じて、通行エリアAから出るために要する時間をバッファとして用いることにより、施設Fの入退場の安全性を向上させることができる。
【0077】
[変形例]
本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0078】
通信部15は、通行エリアAに近接した位置に配置された表示装置に判定結果を送信してもよい。表示装置は、例えばディスプレイ又は電光掲示板であってもよい。表示装置は、通行エリアAの周辺を通行するターゲット車両5から視認可能なように配置されていてもよい。表示装置は、受信した判定結果を表示してもよい。
【0079】
上記実施形態では、第1時間は、交通参加者が通行エリアAに到達するまでの時間として説明したが、第1時間は、将来時刻であってもよい。第2時間は、ターゲット車両5が通行エリアAに到達するまでの時間として説明したが、第2時間は、将来時刻であってもよい。判定部19は、将来時刻同士の比較により、通行の可否を判定してもよい。
【0080】
二つの数値の大小関係の比較では、「以上」及び「超える(よりも大きい)」という二つの基準のどちらが用いられてもよく、「以下」及び「未満」という二つの基準のうちのどちらが用いられてもよい。
【0081】
[付記]
以下、本開示の要旨を示す。
[1]
ターゲット車両が入退場する施設の外の領域である外部エリアにおける交通参加者を計測した第1データを取得する第1取得部と、
前記施設と前記外部エリアとを連絡する通路と、前記外部エリアとが重複する前記外部エリアの一部である通行エリアに向かう前記ターゲット車両を計測した第2データを取得する第2取得部と、
前記第1データを用いて、前記交通参加者が前記通行エリアに到達する第1時間を算出する第1算出部と、
前記第2データを用いて、前記ターゲット車両が前記通行エリアに到達する第2時間を算出する第2算出部と、
前記第1時間及び前記第2時間を用いて、前記通行エリアを介して前記施設と前記外部エリアとの間を通行する通行の可否を判定した判定結果を生成する判定部と、
前記判定結果を前記ターゲット車両に出力する通信部と、
を備える、
運転支援装置。
[2]
前記判定部は、前記交通参加者が前記通行エリアに存在するか否かの条件をさらに用いて、前記判定結果を生成する、[1]に記載の運転支援装置。
[3]
前記判定部は、前記第1時間と前記第2時間との間に所定の時間が空いているか否かの条件をさらに用いて前記判定結果を生成する、[1]又は[2]に記載の運転支援装置。
[4]
前記通信部は、前記ターゲット車両から、前記通行エリアを介する通行の予定を取得し、前記通行の予定の取得に応答して、前記判定結果を前記ターゲット車両に出力する、[1]~[3]のいずれかに記載の運転支援装置。
[5]
前記第2算出部は、前記第2データを用いて、前記外部エリア上且つ前記通行エリアの周辺領域において減速した車両を前記ターゲット車両として、前記第2時間を算出し、
前記判定部は、前記ターゲット車両の入場の可否を判定した前記判定結果を生成する、
[1]~[4]のいずれかに記載の運転支援装置。
[6]
前記第2算出部は、前記第2データを用いて、前記通路を通行する車両を前記ターゲット車両として、前記第2時間を算出し、
前記判定部は、前記ターゲット車両の退場の可否を判定した前記判定結果を生成する、
[1]~[5]のいずれかに記載の運転支援装置。
[7]
前記ターゲット車両の車種を特定する特定部を備え、
前記第2算出部は、前記車種に応じて、前記ターゲット車両が前記通行エリアから出るために要する時間をさらに加算して、前記第2時間を算出する、
[1]~[6]のいずれかに記載の運転支援装置。
【符号の説明】
【0082】
1 運転支援システム
2 第1計測装置
3 第2計測装置
4 認証カメラ
5 ターゲット車両
10 運転支援装置
11 第1取得部
12 第2取得部
13 番号取得部
14 記憶部
15 通信部
16 第1算出部
17 特定部
18 第2算出部
19 判定部
51 通信装置
A 通行エリア
E 外部エリア
F 施設
N 周辺領域
R 通路
E1 歩道
E2 車道
P1 歩行者
V1 車両

図1
図2
図3
図4
図5