IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特開2024-176625広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム
<>
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図1
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図2
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図3
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図4
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図5
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図6
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図7
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図8
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図9
  • 特開-広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176625
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】広告表示装置、広告表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20241212BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095335
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】橋本 利紀
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】各ユーザに向けて適切な広告を提示できるようにする。
【解決手段】本開示は、コンピュータを、広告を表示させる広告表示手段、ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得するユーザ状態情報取得手段、第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う表示制御手段、として機能させるプログラムを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
広告を表示させる広告表示手段、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得するユーザ状態情報取得手段、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う表示制御手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記ユーザ状態情報取得手段は、
前記第1の広告を視聴中の前記ユーザの画像に基づき生成された前記ユーザの状態を示す前記ユーザ状態情報を取得する請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1の広告を視聴中の前記ユーザの画像に基づき生成された前記ユーザの状態を示す前記ユーザ状態情報は、前記ユーザの集中度、前記ユーザの表情、及び前記ユーザの感情の中の少なくとも1つを示す請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ユーザ状態情報取得手段は、前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示す前記ユーザ状態情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示す前記ユーザ状態情報は、
身長、体重、バイタル情報、食事に関する情報、飲酒に関する情報、運動に関する情報、喫煙に関する情報、睡眠に関する情報、仕事に関する情報、休暇に関する情報、病歴、服薬に関する情報、及び健康診断の結果に関する情報の中の少なくとも1つを含む請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
少なくとも1つの広告各々が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づき、前記ユーザの広告の嗜好を推定し、前記ユーザの広告の嗜好に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記第1の広告が表示されているタイミングにおける少なくとも1人の前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告の評価を行う広告評価手段としてさらに機能させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記広告評価手段は、
記第1の広告が表示されている一定の時間幅の中での前記ユーザの状態の時間変化に基づいて、前記第1の広告の評価を行う請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
広告を表示させる広告表示手段と、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得するユーザ状態情報取得手段と、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う表示制御手段と、
を有する広告表示装置。
【請求項10】
1つ以上のコンピュータが、
広告を表示させ、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得し、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う広告表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広告表示装置、広告表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示に関連する技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1は、車両に乗車しているユーザに対して、ユーザの健康状態に応じた広告を表示する技術を開示している。そして、特許文献1は、ユーザの健康状態として、腰痛を発症しているか否か、また黄疸の症状があるか否かを判定することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-52545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
提示された広告に対するユーザの関心が低い場合、広告効果は低くなる。各ユーザに向けて適切な広告を提示することで、広告効果が高まる。
【0005】
本開示の目的の一例は、上述した問題を鑑み、各ユーザに向けて適切な広告を提示できるようにする広告表示装置、広告表示方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、
コンピュータを、
広告を表示させる広告表示手段、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得するユーザ状態情報取得手段、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う表示制御手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【0007】
本開示によれば、
広告を表示させる広告表示手段と、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得するユーザ状態情報取得手段と、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う表示制御手段と、
を有する広告表示装置が提供される。
【0008】
本開示によれば、
1つ以上のコンピュータが、
広告を表示させ、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得し、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う広告表示方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、各ユーザに向けて適切な広告を提示できるようにする広告表示装置、広告表示方法及びプログラムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示にかかる広告表示装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図2】本開示にかかる広告表示装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3】本開示にかかる広告提供システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図4】本開示にかかる広告表示装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図5】本開示にかかる広告表示装置が処理する情報の一例を示す図である。
図6】本開示にかかる広告表示装置の機能ブロック図の他の一例を示す図である。
図7】本開示にかかる広告表示装置の機能ブロック図の他の一例を示す図である。
図8】本開示にかかる広告表示装置が生成する情報の一例を示す図である。
図9】本開示にかかる広告表示装置が生成する情報の他の一例を示す図である。
図10】本開示にかかる広告提供システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて説明する。本開示において図面は、1以上の実施の形態に関連付けられる。また、全ての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、広告表示装置10の概要を示す機能ブロック図である。図1に示すように、広告表示装置10は、ユーザ状態情報取得部11と、広告表示部12と、表示制御部13とを有する。
【0013】
広告表示部12は、広告を表示させる機能を有する。広告表示部12は、予め広告記憶部に記憶された広告の中から選択された広告を、ユーザの視聴端末に表示させる。
【0014】
ユーザ状態情報取得部11は、ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得する。ユーザ状態情報は、広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態を示す。すなわち、ユーザ状態情報は、広告を視聴中のユーザの状態を示す。このようなユーザの状態は、例えばユーザが写る画像を解析することで特定可能な内容であり、集中度、表情、感情等が例示される。
【0015】
表示制御部13は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う。
【0016】
例えば、表示制御部13は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してポジティブなものである場合、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う。第1の広告に対してポジティブなユーザの状態は、例えば「閾値以上の集中度」、「予め定められた表情(笑顔等)」、「予め定められた感情(喜び等)」である。
【0017】
なお、表示制御部13は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してネガティブなものである場合、第1の広告に関連する広告が表示されにくくなる制御を行ってもよい。第1の広告に対してネガティブなユーザの状態は、例えば「閾値未満の集中度」、「予め定められた表情(無表情等)」、「予め定められた感情(怒り等)」である。
【0018】
次に、図2のフローチャートを用いて、広告表示装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0019】
まず、広告表示装置10は、予め広告記憶部に記憶された広告の中から選択された第1の広告を、ユーザの視聴端末に表示させる(S10)。そして、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得する(S11)。
【0020】
次いで、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う(S12)。例えば、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してポジティブなものである場合、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う。なお、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してネガティブなものである場合、第1の広告に関連する広告が表示されにくくなる制御を行ってもよい。
【0021】
このような第1の実施形態の広告表示装置10によれば、「第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態」に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行うことができる。ある広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態は、その広告に対するユーザの関心や印象等を示す。「第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態」に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行うことで、各ユーザに向けて適切な広告を提示できるようになる。結果、広告効果が向上する。
【0022】
なお、特許文献1は、「ユーザの状態(健康状態)」に応じた広告を表示することを開示しているが、「ある広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態」に基づき広告の表示を制御することは開示していない。また、特許文献1は、「ある広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態」に基づき「その広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行うこと」は開示していない。
【0023】
<第2の実施形態>
「概要」
第2の実施形態の広告表示装置10は、第1の実施形態の広告表示装置10の構成を具体化したものである。以下、広告表示装置10の構成を詳細に説明する。
【0024】
「システム構成」
図3を用いて、広告表示装置10を含む広告提供システムの全体構成の一例を説明する。図3の例では、広告提供サーバ1と視聴端末2とで構成されるサーバクライアントシステムが示されている。広告提供サーバ1と視聴端末2とはインターネット等の通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0025】
視聴端末2は、ユーザが所持し、操作する端末である。視聴端末2は、通信機能、入出力機能、及び演算機能を有する。視聴端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートウォッチ、テレビ等であるが、これらに限定されない。ユーザは、視聴端末2を操作して、視聴端末2にインストールされたアプリケーションを実行する。アプリケーション実行中の任意のタイミングで、広告提供サーバ1から送信された広告が視聴端末2に表示される。
【0026】
広告提供サーバ1から視聴端末2への広告の提供は、実行中のアプリケーションのサーバを経由して行われてもよいし、実行中のアプリケーションのサーバを経由せずに行われてもよい。
【0027】
第2の実施形態では、広告提供サーバ1が広告表示装置10として機能する。広告表示装置10は、第1の実施形態で説明した処理を実行する。すなわち、広告表示装置10は、第1の広告を視聴端末2に送信して表示させると、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態を示す情報を視聴端末2から受信する。そして、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う。例えば、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してポジティブなものである場合、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う。当該制御が実行された後、視聴端末2には、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる。
【0028】
「ハードウエア構成」
広告表示装置10のハードウエア構成の一例を説明する。広告表示装置10の各機能部は、ハードウエアとソフトウエアの任意の組み合わせによって実現される。その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。ソフトウエアは、予め装置を出荷する段階から格納されているプログラムや、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラム等を含む。
【0029】
図4は、広告表示装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。図4に示すように、商品情報取得装置10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。広告表示装置10は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、広告表示装置10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0030】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイス等を含む。また、入出力インターフェイス3Aはインターネット等の通信ネットワークに接続するためのインターフェイスを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0031】
「機能構成」
次に、広告表示装置10の機能構成を詳細に説明する。図1に、広告表示装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、広告表示装置10は、ユーザ状態情報取得部11と、広告表示部12と、表示制御部13とを有する。
【0032】
広告表示部12は、アプリケーションを実行中の視聴端末2に広告を表示させる。
【0033】
「広告」は、インターネット等の通信ネットワーク経由で提供されるウェブ広告である。広告は、動画広告及び静止画広告を含む。広告は、アプリケーションを実行中の任意のタイミングで視聴端末2に表示される。広告は、視聴端末2において全画面表示されてもよいし、視聴端末2の画面の一部分に表示されてもよい。
【0034】
予め、複数の広告が広告記憶部に記憶されている。広告表示装置10が広告記憶部を有してもよい。その他、広告表示装置10と通信可能に構成された外部装置が広告記憶部を有してもよい。
【0035】
広告表示部12は、広告記憶部に記憶された広告の中から選択した広告を、視聴端末2に送信する。視聴端末2は、受信した広告を表示する。広告表示部12は、予め定められた選択ルールに従い、広告記憶部に記憶された広告の中からユーザ毎に広告を選択する。選択ルールは、広く知られたあらゆる技術に基づき定めることができる。例えば、選択ルールは、視聴端末2の使用者(ユーザ)の情報に基づき広告を選択するものであってもよい。視聴端末2の使用者の情報は、例えば購買履歴、検索履歴、クッキーに記載されたウェブページの訪問履歴等が例示されるが、これらに限定されない。例えば、特開2023-66319等に、このような情報に基づきユーザ毎に広告を表示する技術が開示されている。
【0036】
なお、後述する表示制御部13が「広告を視聴中のユーザの状態に基づき所定の広告が表示されやすくなる制御」を行った場合、広告表示部12は、その制御に従い、広告記憶部に記憶された広告の中から広告を選択する。広告表示部12は、予め定められた選択ルールに従う選択よりも、表示制御部13による制御に従う選択を優先する。表示制御部13による制御に従った広告の選択の詳細は、後述する。
【0037】
ユーザ状態情報取得部11は、ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得する。より詳細には、ユーザ状態情報取得部11は、広告が視聴端末2に表示されているタイミングにおけるユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得する。このようなユーザ状態情報は、広告を視聴中のユーザの状態を示す。
【0038】
「ユーザの状態」は、集中度、表情、及び感情の中の少なくとも1つを示す。いずれも、ユーザが写る画像を解析することで特定可能である。
【0039】
「集中度」は、視聴端末2に表示された広告に対するユーザの集中の度合いを示す。集中度は、数値で表すことができる。例えば、ユーザが写る画像を解析して特定したユーザの視線方向等に基づき、集中度を算出することができる。ユーザの視線方向から集中度を算出する技術は、例えば特開2004-312401号や国際公開第2020/054855号等に開示されている。
【0040】
「表情」は、笑った表情、怒った表情、無表情、恐れた表情、困った表情等、様々な種類を定義することができる。例えば、ユーザが写る画像を解析して、ユーザの表情を特定することができる。一例として、人物の顔とその時の表情を示すラベルとを紐付けた学習データの学習で生成された推定モデルの利用が考えられるが、これに限定されない。
【0041】
「感情」は、喜び、怒り、嫌悪、悲しみ、恐れ、驚き等、様々な種類を定義することができる。例えば、ユーザが写る画像を解析して、ユーザの感情を特定することができる。一例として、人物の顔とその時の感情を示すラベルとを紐付けた学習データの学習で生成された推定モデルの利用が考えられるが、これに限定されない。
【0042】
ユーザ状態情報取得部11は、視聴端末2から、ユーザの顔が写る画像をユーザ状態情報として取得してもよい。そして、ユーザ状態情報取得部11は、その画像を解析してユーザの状態を特定してもよい。
【0043】
その他、視聴端末2は、ユーザの顔が写る画像を解析し、ユーザの状態を特定してもよい。そして、ユーザ状態情報取得部11は、視聴端末2から、特定結果(視聴端末2が特定したユーザの状態)をユーザ状態情報として取得してもよい。
【0044】
いずれの場合であっても、視聴端末2はカメラ機能を有する。カメラ機能は、視聴端末2に内蔵された機能であってもよい。その他、カメラ機能は、視聴端末2に外付けされた機器が備える機能であってもよい。
【0045】
視聴端末2は、広告表示装置10から受信した広告を自端末のディスプレイに表示している間、カメラ機能をONにして、ディスプレイに表示された広告を視聴中のユーザの撮影を行う。一般的な端末装置では、カメラ機能がオンになると、ディスプレイがファインダーとして機能し、カメラが生成した画像がディスプレイにリアルタイムに表示される。しかし、当該表示を今回のケースで行うと、視聴端末2が表示中の広告が視聴しにくくなる。そこで、視聴端末2は、視聴端末2のディスプレイをファインダーとして機能させず、カメラが生成した画像をディスプレイにリアルタイムに表示しなくてもよい。カメラ機能がONになり、撮影を行っている間も、視聴端末2のディスプレイには広告が表示され続ける。視聴端末2は、動画像を撮影してもよいし、1枚の静止画像を撮影してもよいし、所定時間間隔(例:数秒間隔)で複数枚の静止画像を撮影してもよい。
【0046】
表示制御部13は、広告記憶部に記憶された広告の中の所定の広告が表示されやすくなる制御を行う。すなわち、表示制御部13は、広告記憶部に記憶された広告の中の所定の広告が広告表示部12によって選択されやすくなる制御を行う。表示制御部13は、ユーザ毎に、当該制御を行うことができる。すなわち、表示制御部13は、あるユーザに対してはある広告が表示されやすくなる制御を行い、他のユーザに対しては他の広告が表示されやすくなる制御を行うことができる。
【0047】
上述の通り、表示制御部13が「広告を視聴中のユーザの状態に基づき所定の広告が表示されやすくなる制御」を行った場合、上述した広告表示部12は、その制御に従い、広告記憶部に記憶された広告の中から広告を選択する。広告表示部12は、上述した予め定められた選択ルールに従う選択よりも、表示制御部13による当該制御に従う選択を優先する。
【0048】
具体的には、表示制御部13は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してポジティブなものである場合、第1の広告に関連する広告を選択して表示させる制御を行う。
【0049】
「第1の広告に対してポジティブなユーザの状態」は、例えば「閾値以上の集中度」、「予め定められた表情(笑顔等)」、及び「予め定められた感情(喜び等)」の中のいずれかの条件を満たす状態である。その他、第1の広告に対してポジティブなユーザの状態は、これら複数の条件の中の2つ以上を任意の論理演算子で繋いだ条件であってもよい。
【0050】
なお、「第1の広告が表示されているタイミング」が、例えば15秒等、一定の時間幅を有する場合、その間にユーザの状態は変化し得る。このような場合、表示制御部13は、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中で1回でもユーザの状態が上記条件を満たした場合、第1の広告に対するユーザの状態はポジティブと判断してもよい。その他、表示制御部13は、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中の所定時間以上(例:50%以上)においてユーザの状態が上記条件を満たした場合、第1の広告に対するユーザの状態はポジティブと判断してもよい。なお、ここで例示した判断基準は一例であり、これらに限定されない。
【0051】
「第1の広告に関連する広告」は、所定の広告属性が第1の属性と一致する広告である。所定の広告属性は、広告主、広告主の業務の種類(業種)、広告で宣伝する商品の種類(商品種)、当該商品の価格帯、広告の出演者、広告における音楽の有無、及び当該音楽の種類の中の少なくとも1つを含む。所定の広告属性は、その他の項目を含んでもよい。
【0052】
例えば、予め図5に示すような広告情報が作成され、広告表示装置10又は広告表示装置10と通信可能に構成された外部装置に記憶されている。図5に示す広告情報では、複数の広告各々に、複数種類の広告属性が紐付けられている。広告表示部12は、当該広告情報に基づき、第1の広告に関連する広告を特定し、特定した広告を選択して視聴端末2に表示させる。
【0053】
また、表示制御部13は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してネガティブなものである場合、第1の広告に関連する広告を表示させない(選択させない)制御を行ってもよい。
【0054】
「第1の広告に対してネガティブなユーザの状態」は、例えば「閾値未満の集中度」、「予め定められた表情(無表情等)」、及び「予め定められた感情(怒り等)」の中のいずれかの条件を満たす状態である。その他、第1の広告に対してネガティブなユーザの状態は、これら複数の条件の中の2つ以上を任意の論理演算子で繋いだ条件であってもよい。
【0055】
なお、「第1の広告が表示されているタイミング」が、例えば15秒等、一定の時間幅を有する場合、その間にユーザの状態は変化し得る。このような場合、表示制御部13は、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中で1回でもユーザの状態が上記条件を満たした場合、第1の広告に対するユーザの状態はネガティブと判断してもよい。その他、表示制御部13は、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中の所定時間以上(例:50%以上)においてユーザの状態が上記条件を満たした場合、第1の広告に対するユーザの状態はネガティブと判断してもよい。なお、ここで例示した判断基準は一例であり、これらに限定されない。
【0056】
広告表示部12は、例えば図5に示すような広告情報に基づき第1の広告に関連する広告を特定し、特定した広告を視聴端末2に表示させる広告の選択肢から外す。すなわち、広告表示部12は、特定した広告を除くその他の広告の中から、視聴端末2に表示させる広告を選択する。
【0057】
なお、表示制御部13による上記制御は、制御開始から所定時間の間、有効であってもよい。所定時間は予め定められた時間であり、例えば1時間、12時間、1日、1週間、10日、1か月等であるが、これらに限定されない。例えユーザが第1の広告に関心があったとしても、同様の広告が長時間に渡って表示され続けると、関心が薄れる可能性がある。また、第1の広告に対するユーザの関心や印象等は、時間経過とともに変化する可能性がある。第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づく広告の選択及び表示を所定時間の間に限定することで、ユーザが関心を持っている広告を適切なタイミングで提示できるようになる。
【0058】
次に、図2のフローチャートを用いて、広告表示装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0059】
まず、広告表示装置10は、予め広告記憶部に記憶された広告の中から選択された第1の広告をユーザの視聴端末2に送信し、視聴端末2に第1の広告を表示させる(S10)。
【0060】
広告表示装置10は、視聴端末2が所定のアプリケーションを実行中の任意のタイミングで、S10の処理を実行することができる。広告表示装置10は、例えば、予め定められた選択ルールに従い、広告記憶部に記憶された広告の中からユーザ毎に広告を選択する。例えば、選択ルールは、視聴端末2の使用者(ユーザ)の情報に基づき広告を選択するものであってもよい。視聴端末2の使用者の情報は、例えば購買履歴、検索履歴、クッキーに記載されたウェブページの訪問履歴等が例示されるが、これらに限定されない。
【0061】
そして、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得する(S11)。
【0062】
広告表示装置10は、視聴端末2から、第1の広告が表示されているタイミングで撮影されたユーザの顔が写る画像をユーザ状態情報として取得してもよい。そして、広告表示装置10は、その画像を解析してユーザの状態を特定してもよい。
【0063】
その他、視聴端末2は、第1の広告が表示されているタイミングで撮影されたユーザの顔が写る画像を解析し、ユーザの状態を特定してもよい。そして、広告表示装置10は、視聴端末2から、特定結果(視聴端末2が特定したユーザの状態)をユーザ状態情報として取得してもよい。
【0064】
次いで、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う(S12)。
【0065】
例えば、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してポジティブなものである場合、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う。具体的には、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してポジティブなものである場合、第1の広告に関連する広告を選択し、表示させる制御を行うことができる。
【0066】
なお、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してネガティブなものである場合、第1の広告に関連する広告が表示されにくくなる制御を行ってもよい。具体的には、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態が第1の広告に対してネガティブなものである場合、第1の広告に関連する広告を表示させない(選択させない)制御を行うことができる。
【0067】
第2の実施形態の広告表示装置10のその他の構成は、第1の実施形態の広告表示装置10の構成と同様である。
【0068】
第2の実施形態の広告表示装置10によれば、第1の実施形態の広告表示装置10と同様の作用効果が実現される。また、第2の実施形態の広告表示装置10によれば、「広告を視聴中」のユーザの集中度、表情、感情等に基づき、優先的に表示させる広告や、表示させない広告を決定することができる。「広告を視聴中」のユーザの集中度、表情、感情等は、その広告に対するユーザの関心や印象をよく表す。「広告を視聴中」のユーザの集中度、表情、感情等に基づき、優先的に表示させる広告や、表示させない広告を決定することで、各ユーザに向けて適切な広告を提示できるようになる。結果、広告効果の向上が期待される。
【0069】
なお、広告が視聴端末2に表示されているタイミングにおけるユーザの撮影や、そのタイミングにおけるユーザの状態を示すユーザ状態情報の取得を嫌に思うユーザも存在し得る。そこで、広告表示装置10は、「広告が視聴端末2に表示されているタイミングにおいてユーザを撮影し、ユーザ状態情報を取得すること」をユーザにアナウンスした上で、その同意をユーザから得る処理を実行してもよい。そして、広告表示装置10は、その同意(本人同意)を得た場合に、ユーザ状態情報を取得する処理を実行してもよい。すなわち、ユーザからの同意を得た場合に、広告表示装置10は、広告をディスプレイに表示している間、ディスプレイに表示された広告を視聴中のユーザの撮影を視聴端末2に実行させる。ユーザの同意を得られなかった場合、広告表示装置10は、上記撮影を視聴端末2に実行させない。なお、ユーザからの同意を得られなかった場合、広告表示装置10は、ユーザ状態情報に基づく表示する広告の制御を行わなくてもよい。この場合、広告表示装置10は、予め定められた選択ルールに従い広告記憶部に記憶された広告の中からユーザ毎に広告を選択し、選択した広告を視聴端末2に表示させる。
【0070】
「ユーザの同意」は、任意の手段で取得することができる。以下一例を説明するが、当該例に限定されない。例えば、広告表示装置10は、広告を視聴端末2に表示させる毎に、表示前のタイミングにおいて、「広告が視聴端末2に表示されているタイミングにおけるユーザの撮影を実行してよいか」を確認するメッセージを視聴端末2に表示させてもよい。そして、広告表示装置10は、視聴端末2を介して、その問合せに対する回答を受付けてもよい。その他、広告表示装置10は、任意のタイミングで、「広告が視聴端末2に表示されているタイミングにおけるユーザの撮影を実行してよいか」に対する包括的な回答(すべての広告表示時に適用される回答)をユーザから受付けてもよい。広告表示装置10は、当該問合せ及び回答の受付も、例えば視聴端末2を介して実行することができる。
【0071】
<第3の実施形態>
第3の実施形態の広告表示装置10は、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う。具体的には、広告表示装置10は、第2の実施形態で説明した「予め定められた選択ルールに従う広告の選択及び表示」において、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づく広告の選択及び表示を行う。以下、詳細に説明する。
【0072】
図6に、広告表示装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、広告表示装置10は、ユーザ状態情報取得部11と、広告表示部12と、表示制御部13と、ユーザ状態情報記憶部14とを有する。なお、図示しないが、広告表示装置10は、広告記憶部をさらに有してもよい。
【0073】
ユーザ状態情報取得部11は、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報を取得し、ユーザ状態情報記憶部14に記憶させる。
【0074】
「ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報」は、以下の中の少なくとも1つを含む。
【0075】
・身長
・体重
・バイタル情報(単位時間当たりの呼吸回数、体温、血圧、脈拍、意識レベル、尿量、ストレス度合、サチュレーション(経皮的動脈血酸素飽和度)等)
・食事に関する情報(実際に食べたものの記録等)
・飲酒に関する情報(飲酒有無、飲酒頻度、1回当たりの飲酒量、実際に行った飲酒の記録等)
・運動に関する情報(運動頻度、1日当たりの歩数、1回当たりの運動量、運動強度等)
・喫煙に関する情報(喫煙有無、喫煙頻度、1日当たりの喫煙量等)
・睡眠に関する情報(1日当たりの睡眠時間、寝つきの良さ等)
・仕事に関する情報(1日当たりの勤務時間、忙しさ等)
・休暇に関する情報(1週間当たりの休暇日数、1日当たりの休暇時間、休暇の過ごし方等)
・病歴(現在かかっている病気、過去にかかった病気等)
・服薬に関する情報(現在服薬している薬、過去に服薬していた薬等)
・健康診断の結果に関する情報(健康診断の結果で示されている情報)
【0076】
ユーザ状態情報取得部11は、様々な手段を利用して、このようなユーザ状態情報を取得することができる。
【0077】
例えば、ユーザは、通信端末を操作してユーザ状態情報を入力し、広告表示装置10に登録する処理を行ってもよい。当該処理は、所定のアプリケーションやウェブページを介して行われてもよい。通信端末は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートウォッチ、テレビ等である。通信端末は、視聴端末2と同じ端末であってもよいし、異なる端末であってもよい。
【0078】
その他、上述のようなユーザ状態情報の中の一部を測定する測定端末と、通信端末とは、有線及び/又は無線で互いに通信可能に構成されていてもよい。そして、通信端末は、測定端末の測定結果を測定端末から取得し、取得した測定結果をユーザ状態情報として広告表示装置10に送信してもよい。測定端末は、身長計、体重計、呼吸計、体温計、血圧計、脈拍計、歩数計、所定のバイタル情報を測定するウェアラブル端末等が例示されるが、これらに限定されない。
【0079】
その他、ユーザ状態情報取得部11は、ユーザの健康診断の結果を記憶するシステムから、健康診断の結果に関する情報を取得してもよい。また、ユーザ状態情報取得部11は、ユーザの病歴や服薬に関する情報を記憶するシステムから、これらの情報を取得してもよい。
【0080】
その他、ユーザ状態情報取得部11は、ユーザの顔を撮影した画像を解析して、所定のバイタル情報を推定してもよい。ユーザの顔画像の取得方法は制限されない。例えば、ユーザの顔画像は、第2の実施形態で説明した「広告が視聴端末2に表示されているタイミングにおけるユーザの撮影」で生成された画像であってもよい。また、ユーザの顔画像は、その他の手段で撮影及び生成された画像であってもよい。なお、顔画像から所定のバイタル情報を推定する技術は、広く知られているのでここでの説明は省略する。
【0081】
このように、ユーザ状態情報取得部11は、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報として、「実際に測定された測定値」、「ユーザが申告した内容」及び「画像から推定した推定値」の中の少なくともいずれかを取得することができる。なお、ユーザ状態情報取得部11は、上記例示した取得方法の中の1つ又は複数を用いて、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報を取得することができる。上記例示した取得方法の中の複数を用いる場合、ユーザ状態情報取得部11は、「実際に測定された測定値」、「ユーザが申告した内容」及び「画像から推定した推定値」という多様な複数の情報を取得することができる。そして、広告表示装置10は、このような多様な情報を融合(加味)して、広告の表示を適切に制御することができる。
【0082】
ユーザ状態情報取得部11は、上述のようなユーザ状態情報を繰り返し取得し、ユーザ状態情報記憶部14に記憶させることができる。この場合、ユーザ状態情報記憶部14には、最新のユーザ状態情報のみならず、過去のユーザ状態情報も記憶される。すなわち、ユーザ状態情報記憶部14には、ユーザ状態情報の履歴が記憶される。
【0083】
表示制御部13は、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う。具体的には、表示制御部13は、第2の実施形態で説明した「予め定められた選択ルールに従う広告の選択及び表示」において、「ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づく選択及び表示」を行わせる。
【0084】
「ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づく広告の決定」は、様々な手段で実現される。例えば、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報において、所定の項目が所定の条件を満たした場合に所定の広告を選択する選択ルールが予め定められていてもよい。そして、広告表示部12は、その選択ルールに従い広告の選択及び表示を行ってもよい。
【0085】
このような選択ルールの一例として、「1年以内に体重が5kg以上増加した場合、スポーツジム(業種)の広告を選択する」が挙げられる。その他、選択ルールの一例として、「1日当たりの勤務時間がX時間を超えている場合、旅行(業種)の広告を選択する」が挙げられる。この例のように、選択される広告は、第2の実施形態で説明した広告属性を用いて特定することができる。
【0086】
その他、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報において、所定の項目が所定の条件を満たした場合に所定の広告を選択しない選択ルールが予め定められていてもよい。そして、広告表示部12は、その選択ルールに従い広告の選択及び表示を行ってもよい。このような選択ルールの一例として、「1年以内に体重が5kg以上増加し、かつ飲酒頻度が週5回以上である場合、アルコール(業種)の広告を選択しない」が挙げられる。
【0087】
次に、図2のフローチャートを用いて、広告表示装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0088】
まず、広告表示装置10は、予め広告記憶部に記憶された広告の中から選択された第1の広告をユーザの視聴端末2に送信し、視聴端末2に第1の広告を表示させる(S10)。
【0089】
広告表示装置10は、視聴端末2が所定のアプリケーションを実行中の任意のタイミングで、S10の処理を実行することができる。広告表示装置10は、予め定められた選択ルールに従い、広告記憶部に記憶された広告の中からユーザ毎に広告を選択することができる。広告表示装置10は、例えばアプリケーションにログインするための情報(ユーザ識別情報)に基づき、広告を提供するユーザを識別することができる。
【0090】
広告表示装置10は、一例として、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき、広告記憶部に記憶された広告の中からユーザ毎に広告を選択することができる。
【0091】
例えば、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報において、所定の項目が所定の条件を満たした場合に所定の広告を選択する選択ルールが予め定められていてもよい。このような選択ルールの一例として、「1年以内に体重が5kg以上増加した場合、スポーツジム(業種)の広告を選択する」等が挙げられる。
【0092】
その他、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報において、所定の項目が所定の条件を満たした場合に所定の広告を選択しない選択ルールが予め定められていてもよい。このような選択ルールの一例として、「1年以内に体重が5kg以上増加し、かつ飲酒頻度が週5回以上である場合、アルコール(業種)の広告を選択しない」が挙げられる。
【0093】
そして、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得する(S11)。次いで、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う(S12)。S11及びS12の処理は、第2の実施形態で説明した処理と同様である。
【0094】
第3の実施形態の広告表示装置10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態の広告表示装置10の構成と同様である。
【0095】
第3の実施形態の広告表示装置10によれば、第1及び第2の実施形態の広告表示装置10と同様の作用効果が実現される。また、第3の実施形態の広告表示装置10によれば、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき、視聴端末2に表示させる広告を決定することができる。このような広告表示装置10によれば、各ユーザが関心のある適切な広告を提示できるようになる。結果、広告効果の向上が期待される。
【0096】
なお、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき決定された広告は、ユーザが関心を示す可能性が高いと考えられる。しかし、このような広告であっても、ユーザが関心を示さないタイミングが存在し得る。広告表示装置10は、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき広告を選択及び表示した場合であっても、「その広告を視聴中」のユーザの集中度、表情、感情等に基づき、優先的に表示させる広告や、表示させない広告を決定することができる。このため、ユーザがそのタイミングでその広告に関心を示している場合には、その広告に関連する広告を優先的に表示させることができる。そして、ユーザがそのタイミングでその広告に関心を示していない場合には、その広告に関連する広告を表示させないようにできる。このような広告表示装置10によれば、ユーザが関心を示す可能性が高い広告を、ユーザが関心を示すタイミングで視聴端末2に表示させることができる。結果、広告効果の向上が期待される。
【0097】
<第4の実施形態>
第4の実施形態の広告表示装置10は、少なくとも1つの広告各々が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づき、ユーザの広告の嗜好を推定する。そして、広告表示装置10は、ユーザの広告の嗜好に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う。具体的には、広告表示装置10は、第2の実施形態で説明した「予め定められた選択ルールに従う広告の選択及び表示」において、ユーザの広告の嗜好に基づく広告の選択及び表示を行う。以下、詳細に説明する。
【0098】
表示制御部13は、少なくとも1つの広告各々が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づき、ユーザの広告の嗜好を推定する。そして、表示制御部13は、ユーザの広告の嗜好に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う。
【0099】
「ユーザの広告の嗜好の推定」は、複数の広告各々が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づき行うことが好ましい。また、当該「複数の広告」の数が多いほど、推定の精度が高まり好ましい。
【0100】
当該例の場合、広告を表示中に収集される情報である「広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態」が、「表示されている広告の広告属性」に紐付けてユーザ状態情報記憶部14に蓄積されていく。
【0101】
「表示されている広告の広告属性」は、広告表示部12が選択し、視聴端末2に表示させた広告の広告属性である。広告表示装置10は、広告表示部12が選択した広告を特定した後、図5に示すような広告情報を参照することで、表示されている広告の広告属性を特定することができる。
【0102】
そして、表示制御部13は、当該蓄積された情報に基づき、各ユーザの広告の嗜好を推定することができる。嗜好の推定手段は様々である。例えば、表示制御部13は、ユーザの状態がポジティブなものであった複数の広告の中の所定割合以上に共通する広告属性を、ユーザが好む広告属性として推定してもよい。その他、表示制御部13は、ユーザの状態がネガティブなものであった複数の広告の中の所定割合以上に共通する広告属性を、ユーザが好まない広告属性として推定してもよい。
【0103】
そして、表示制御部13は、広告記憶部に記憶された広告の中から、ユーザ毎に、各ユーザが好む広告属性を有する広告を選択し、視聴端末2に表示させることができる。また、表示制御部13は、広告記憶部に記憶された広告の中から、各ユーザが好まない広告属性を有する広告を選択しない(視聴端末2に表示させない)ようにすることができる。
【0104】
次に、図2のフローチャートを用いて、広告表示装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0105】
まず、広告表示装置10は、予め広告記憶部に記憶された広告の中から選択された第1の広告をユーザの視聴端末2に送信し、視聴端末2に第1の広告を表示させる(S10)。
【0106】
広告表示装置10は、視聴端末2が所定のアプリケーションを実行中の任意のタイミングで、S10の処理を実行することができる。広告表示装置10は、予め定められた選択ルールに従い、広告記憶部に記憶された広告の中からユーザ毎に広告を選択することができる。広告表示装置10は、例えばアプリケーションにログインするための情報(ユーザ識別情報)に基づき、広告を提供するユーザを識別することができる。
【0107】
広告表示装置10は、一例として、各ユーザが好む広告属性を有する広告を選択することができる。各ユーザが好む広告属性は、予め、少なくとも1つの広告各々が表示されているタイミングにおける各ユーザの状態に基づき推定され、広告表示装置10又は広告表示装置10と通信可能に構成された外部装置内に登録されている。
【0108】
そして、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得する(S11)。次いで、広告表示装置10は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う(S12)。S11及びS12の処理は、第2の実施形態で説明した処理と同様である。
【0109】
第4の実施形態の広告表示装置10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態の広告表示装置10の構成と同様である。
【0110】
第4の実施形態の広告表示装置10によれば、第1乃至第3の実施形態の広告表示装置10と同様の作用効果が実現される。また、第4の実施形態の広告表示装置10によれば、少なくとも1つの広告各々が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づき、ユーザの広告の嗜好を推定することができる。そして、広告表示装置10は、ユーザの広告の嗜好に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行うことができる。このような広告表示装置10によれば、各ユーザが関心のある適切な広告を提示できるようになる。結果、広告効果の向上が期待される。
【0111】
なお、ユーザの嗜好に基づき決定された広告は、ユーザが関心を示す可能性が高いと考えられる。しかし、このような広告であっても、ユーザが関心を示さないタイミングが存在し得る。広告表示装置10は、ユーザの嗜好に基づき広告を選択及び表示した場合であっても、「その広告を視聴中」のユーザの集中度、表情、感情等に基づき、優先的に表示させる広告や、表示させない広告を決定することができる。このため、ユーザがそのタイミングでその広告に関心を示している場合には、その広告に関連する広告を優先的に表示させることができる。そして、ユーザがそのタイミングでその広告に関心を示していない場合には、その広告に関連する広告を表示させないようにできる。このような広告表示装置10によれば、ユーザが関心を示す可能性が高い広告を、ユーザが関心を示すタイミングで視聴端末2に表示させることができる。結果、広告効果の向上が期待される。
【0112】
<第5の実施形態>
第5の実施形態の広告表示装置10は、広告を視聴中のユーザの状態に基づき広告を評価する機能を有する。「アンケートの結果」等でなく、画像解析で特定された「広告を視聴中のユーザの状態」に基づく広告の評価は、客観的なものであり、広告に対するユーザの関心や印象等をより正確に表す。例えば、広告主は、当該評価結果に基づき、ユーザがより関心を示す広告を作成することが可能となる。以下、詳細に説明する。
【0113】
図7に、広告表示装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、広告表示装置10は、ユーザ状態情報取得部11と、広告表示部12と、表示制御部13と、広告評価部15とを有する。なお、図示しないが、広告表示装置10は、ユーザ状態情報記憶部14及び広告記憶部の少なくとも一方をさらに有してもよい。
【0114】
広告評価部15は、第1の広告が表示されているタイミングにおける少なくとも1人のユーザの状態に基づいて、第1の広告の評価を行う。
【0115】
例えば、広告評価部15は、第1の広告を視聴したユーザの数に対する、第1の広告に対するユーザの状態がポジティブであったユーザの数の割合を算出してもよい。
【0116】
その他、広告評価部15は、第1の広告を視聴したユーザの数に対する、第1の広告に対するユーザの状態がネガティブであったユーザの数の割合を算出してもよい。
【0117】
その他、広告評価部15は、第1の広告に対するユーザの状態がポジティブであったユーザに共通するユーザ属性を特定してもよい。例えば、広告評価部15は、第1の広告に対するユーザの状態がポジティブであったユーザの中の所定割合以上のユーザに共通するユーザ属性を特定してもよい。ユーザ属性は、性別、年齢、職業、子供の有無等であるが、これらに限定されない。この例の場合、予め、各ユーザのユーザ属性が、広告表示装置10又は広告表示装置10と通信可能に構成された外部装置に記憶されている。
【0118】
その他、広告評価部15は、第1の広告に対するユーザの状態がネガティブであったユーザに共通するユーザ属性を特定してもよい。例えば、広告評価部15は、第1の広告に対するユーザの状態がネガティブであったユーザの中の所定割合以上のユーザに共通するユーザ属性を特定してもよい。
【0119】
また、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中で、ユーザの状態は変化する。そこで、広告評価部15は、第1の広告の評価として、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中でのユーザの状態の時間変化を特定してもよい。例えば、広告評価部15は、図8図9に示すようなユーザの状態の時間変化を示す情報を作成してもよい。広告評価部15は、ユーザ状態情報取得部11が取得したユーザ状態情報に基づき、当該評価を行うことができる。
【0120】
図8のグラフは、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中でのユーザの集中度の時間変化を示す。図8のグラフは、横軸に第1の広告の表示を開始したタイミング(0)からの経過時間をとり、縦軸に集中度(ユーザの状態)をとっている。
【0121】
図9は、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中でのユーザの表情の時間変化を示す。図9では、第1の広告の表示を開始したタイミング(0)からの経過時間を時間軸で示し、この時間軸上で、各タイミングにおけるユーザの表情を示している。なお、ユーザの感情の変化は、図9と同様の手法で示すことができる。
【0122】
広告評価部15は、ユーザ毎に、例えば図8図9に示すようなユーザの状態の時間変化を示す情報を作成してもよい。
【0123】
その他、広告評価部15は、複数のユーザの結果をまとめて、例えば図8図9に示すようなユーザの状態の時間変化を示す情報を作成してもよい。ユーザの状態が集中度を示す場合、広告評価部15は、例えば各タイミングにおける複数のユーザの集中度の統計値を算出する。そして、広告評価部15は、その統計値の時間変化を、ユーザの状態の時間変化を示す情報として作成することができる。統計値は、平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値等であるが、これらに限定されない。また、ユーザの状態が表情(又は感情)である場合、広告評価部15は、例えば各タイミングにおいて、最も多くのユーザがとっている表情(又は感情)を特定する。そして、広告評価部15は、その特定した表情(又は感情)の時間変化を、ユーザの状態の時間変化を示す情報として作成することができる。
【0124】
なお、広告評価部15は、所定のユーザ属性が共通するユーザをまとめてグループを作成し、グループ毎に、上記複数のユーザの結果をまとめたユーザの状態の時間変化を示す情報を作成してもよい。
【0125】
第5の実施形態の広告表示装置10のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態の広告表示装置10の構成と同様である。
【0126】
第5の実施形態の広告表示装置10によれば、第1乃至第4の実施形態の広告表示装置10と同様の作用効果が実現される。また、第5の実施形態の広告表示装置10によれば、広告を視聴中のユーザの状態に基づき広告を評価することができる。「アンケートの結果」等でなく、画像解析で特定された「広告を視聴中のユーザの状態」に基づく広告の評価は、客観的なものであり、広告に対するユーザの関心や印象等をより正確に表す。例えば、広告主は、当該評価結果に基づき、ユーザがより関心を示す広告を作成することが可能となる。
【0127】
また、広告表示装置10は、例えば図8図9に示すようなユーザの状態の時間変化を示す情報を作成することができる。広告主は、このような評価結果に基づき、動画広告のどのタイミングでユーザにポジティブな印象を与えたのか、またどのタイミングでネガティブな印象を与えたのかを把握できる。そして、広告主は、当該評価結果に基づき、ユーザがよりポジティブな印象を持つ広告を作成することが可能となる。また、広告主は、当該評価結果に基づき、各広告を提示するターゲットを決定することができる。
【0128】
<変形例>
第1乃至第5の実施形態に適用可能な変形例を説明する。
【0129】
「変形例1」
第1乃至第5の実施形態では、サーバクライアントシステムの広告提供サーバ1が広告表示装置10を構成した。変形例1では、図10に示すように、サーバクライアントシステムの視聴端末2が広告表示装置10を構成する。そして、第1乃至第5の実施形態で説明した広告表示装置10の構成に対して、以下に説明する変形を行う。
【0130】
広告表示装置10の広告表示部12は、広告提供サーバ1から送信されてきた広告を受信し、視聴端末2のディスプレイに表示させる。
【0131】
広告表示装置10のユーザ状態情報取得部11は、広告提供サーバ1から受信した広告を視聴端末2のディスプレイに表示している間、カメラ機能をONにして、ディスプレイに表示された広告を視聴中のユーザの撮影を行う。そして、ユーザ状態情報取得部11は、その画像を解析して、ユーザの状態を特定する。
【0132】
また、ユーザ状態情報取得部11は、ユーザ入力、又は第3の実施形態で説明した測定端末との通信等により、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報を取得する。
【0133】
広告表示装置10の表示制御部13は、所定の広告が表示されやすくなる制御を行う。例えば、表示制御部13は、広告提供サーバ1に対して、所定の広告に関連する広告を表示するリクエストを送信する。当該リクエストでは、ユーザ及び所定の広告が特定されている。
【0134】
広告提供サーバ1は、広告記憶部に記憶された広告の中から選択した広告を、視聴端末2に送信する。広告提供サーバ1は、予め定められた選択ルールに従い、広告記憶部に記憶された広告の中からユーザ毎に広告を選択する。そして、視聴端末2(広告表示装置10)が「広告を視聴中のユーザの状態に基づき所定の広告が表示されやすくなる制御」を行った場合、広告提供サーバ1は、その制御に従い、広告記憶部に記憶された広告の中から広告を選択する。広告提供サーバ1は、予め定められた選択ルールに従う選択よりも、視聴端末2(広告表示装置10)による制御に従う選択を優先する。「広告を視聴中のユーザの状態に基づき所定の広告が表示されやすくなる制御」は、上述した「所定の広告に関連する広告を表示するリクエストの送信」である。広告提供サーバ1による当該広告の選択は、第1乃至第4の実施形態で説明した処理と同様である。
【0135】
また、表示制御部13は、広告提供サーバ1に対して、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報を送信する。広告提供サーバ1は、「予め定められた選択ルールに従う広告の選択及び表示」において、ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報に基づく広告の選択及び表示を行う。広告提供サーバ1による当該広告の選択は、第3の実施形態で説明した処理と同様である。
【0136】
また、表示制御部13は、広告提供サーバ1に対して、ユーザの広告の嗜好を示す情報を送信する。広告提供サーバ1は、「予め定められた選択ルールに従う広告の選択及び表示」において、ユーザの広告の嗜好に基づく広告の選択及び表示を行う。広告提供サーバ1による当該広告の選択は、第4の実施形態で説明した処理と同様である。
【0137】
変形例1においても、第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0138】
「変形例2」
変形例2では、第1乃至第5の実施形態と同様に、表示制御部13は、第1の広告が表示されているタイミングにおけるユーザの状態に基づいて、第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う。そして、表示制御部13は、以下のような処理で、表示されやすくする「第1の広告に関連する広告」を決定することができる。
【0139】
第5の実施形態で説明したように、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中で、ユーザの状態は変化する。そして、広告表示装置10は、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中でのユーザの状態の時間変化を特定することができる(図8、9参照)。表示制御部13は、この特定結果に基づき、表示されやすくする「第1の広告に関連する広告」を決定してもよい。
【0140】
具体的には、表示制御部13は、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中でのユーザの状態の時間変化の特定結果に基づき、ユーザの状態が所定のポジティブ条件を満たすタイミングを特定する。ポジティブ条件は、「集中度が閾値以上」、「予め定められた表情(笑顔等)」、及び「予め定められた感情(喜び等)」の中のいずれかである。その他、ポジティブ条件は、これら複数の条件の中の2つ以上を任意の論理演算子で繋いだ条件であってもよい。
【0141】
そして、表示制御部13は、特定したタイミングにおける第1の広告の広告属性を特定する。例えば、表示制御部13は、そのタイミングで表示されている出演者を特定してもよい。また、表示制御部13は、そのタイミングで音楽が流れているか否かを特定してもよい。また、表示制御部13は、そのタイミングで流れている音楽の種類を特定してもよい。例えば、予め第1の広告が表示されている一定の時間幅の中でのこれら広告属性の時間変化を示す情報が広告表示装置10又は広告表示装置10と通信可能に構成された外部装置に記憶されていてもよい。そして、表示制御部13は、当該情報に基づき、特定したタイミングにおける広告属性を特定することができる。
【0142】
そして、表示制御部13は、このようにして特定した広告属性を有する広告を、表示されやすくする「第1の広告に関連する広告」として決定する。
【0143】
同様に、表示制御部13は、第1の広告が表示されている一定の時間幅の中でのユーザの状態の時間変化の特定結果に基づき、ユーザの状態が所定のネガティブ条件を満たすタイミングを特定してもよい。ネガティブ条件は、「集中度が閾値未満」、「予め定められた表情(無表情等)」、及び「予め定められた感情(怒り等)」の中のいずれかである。その他、ネガティブ条件は、これら複数の条件の中の2つ以上を任意の論理演算子で繋いだ条件であってもよい。
【0144】
そして、表示制御部13は、特定したタイミングにおける第1の広告の広告属性を特定する。例えば、表示制御部13は、そのタイミングで表示されている出演者を特定してもよい。また、表示制御部13は、そのタイミングで音楽が流れているか否かを特定してもよい。また、表示制御部13は、そのタイミングで流れている音楽の種類を特定してもよい。例えば、予め第1の広告が表示されている一定の時間幅の中でのこれら広告属性の時間変化を示す情報が広告表示装置10又は広告表示装置10と通信可能に構成された外部装置に記憶されていてもよい。そして、表示制御部13は、当該情報に基づき、特定したタイミングにおける広告属性を特定することができる。
【0145】
そして、表示制御部13は、このようにして特定した広告属性を有さない広告の中から、表示されやすくする「第1の広告に関連する広告」を決定する。
【0146】
変形例2においても、第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、より高精度にユーザが関心を持つ広告の広告属性を特定し、その特定結果に基づきユーザに提示する広告を決定することができる。
【0147】
「変形例3」
第1乃至第5の実施形態では、広告表示装置10は、「第1のユーザ」のユーザ状態情報に基づき、「第1のユーザ」に提示する広告の内容を制御した。変形例3では、広告表示装置10は、「第1のユーザ」のユーザ状態情報に基づき、「第1のユーザに類似する他のユーザ」に提示する広告の内容を制御する。
【0148】
「第1のユーザに類似する他のユーザ」は、例えば所定のユーザ属性が第1のユーザと一致及び/又は類似するユーザである。例えば、「性別一致、年齢差が5歳以下、かつ子供の有無一致」等の所定の条件を第1のユーザとの間で満たすユーザが、第1のユーザに類似する他のユーザとして選択されてもよい。
【0149】
その他、第1のユーザに類似する他のユーザは、例えば健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報が第1のユーザと一致及び/又は類似するユーザであってもよい。例えば、第1のユーザが備える所定の健康状態及び生活習慣を備えるユーザが、第1のユーザに類似する他のユーザとして選択されてもよい。第1のユーザが備える所定の健康状態及び生活習慣は、例えば「1年以内に体重が5kg以上増加、かつ飲酒頻度週5回以上」等である。
【0150】
その他、第1のユーザに類似する他のユーザは、所定のユーザ属性が第1のユーザと一致及び/又は類似し、かつ健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示すユーザ状態情報が第1のユーザと一致及び/又は類似するユーザであってもよい。例えば、「性別一致、年齢差が5歳以下、かつ子供の有無一致」等の所定の条件を第1のユーザとの間で満たし、かつ第1のユーザが備える所定の健康状態及び生活習慣を備えるユーザが、第1のユーザに類似する他のユーザとして選択されてもよい。
【0151】
表示制御部13は、第1のユーザに対して行った所定の広告が表示されやすくなる制御、又は所定の広告が表示されにくくなる制御と同じ制御を、第1のユーザに類似する他のユーザに対しても行う。
【0152】
変形例3においても、第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、変形例3によれば、あるユーザに対する制御内容をそのユーザに類似する他のユーザに対しても適用できる。このため、広告表示装置10の処理負担を軽減できる。また、他のユーザに関するユーザ状態情報が十分に収集できていない状況においても、その他のユーザに対してある程度適切な制御を行うことができる。
【0153】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0154】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されている。しかし、各実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0155】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. コンピュータを、
広告を表示させる広告表示手段、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得するユーザ状態情報取得手段、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う表示制御手段、
として機能させるプログラム。
2. 前記ユーザ状態情報取得手段は、
前記第1の広告を視聴中の前記ユーザの画像に基づき生成された前記ユーザの状態を示す前記ユーザ状態情報を取得する1に記載のプログラム。
3. 前記第1の広告を視聴中の前記ユーザの画像に基づき生成された前記ユーザの状態を示す前記ユーザ状態情報は、前記ユーザの集中度、前記ユーザの表情、及び前記ユーザの感情の中の少なくとも1つを示す2に記載のプログラム。
4. 前記ユーザ状態情報取得手段は、前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示す前記ユーザ状態情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う1から3のいずれかに記載のプログラム。
5. 前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示す前記ユーザ状態情報は、
身長、体重、バイタル情報、食事に関する情報、飲酒に関する情報、運動に関する情報、喫煙に関する情報、睡眠に関する情報、仕事に関する情報、休暇に関する情報、病歴、服薬に関する情報、及び健康診断の結果に関する情報の中の少なくとも1つを含む4に記載のプログラム。
6. 前記表示制御手段は、
少なくとも1つの広告各々が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づき、前記ユーザの広告の嗜好を推定し、前記ユーザの広告の嗜好に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う1から5のいずれかに記載のプログラム。
7. 前記コンピュータを、
前記第1の広告が表示されているタイミングにおける少なくとも1人の前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告の評価を行う広告評価手段としてさらに機能させる1から6のいずれかに記載のプログラム。
8. 前記広告評価手段は、
記第1の広告が表示されている一定の時間幅の中での前記ユーザの状態の時間変化に基づいて、前記第1の広告の評価を行う7に記載のプログラム。
9. 広告を表示させる広告表示手段と、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得するユーザ状態情報取得手段と、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う表示制御手段と、
を有する広告表示装置。
10. 前記ユーザ状態情報取得手段は、
前記第1の広告を視聴中の前記ユーザの画像に基づき生成された前記ユーザの状態を示す前記ユーザ状態情報を取得する9に記載の広告表示装置。
11. 前記第1の広告を視聴中の前記ユーザの画像に基づき生成された前記ユーザの状態を示す前記ユーザ状態情報は、前記ユーザの集中度、前記ユーザの表情、及び前記ユーザの感情の中の少なくとも1つを示す10に記載の広告表示装置。
12. 前記ユーザ状態情報取得手段は、前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示す前記ユーザ状態情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う9から11のいずれかに記載の広告表示装置。
13. 前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示す前記ユーザ状態情報は、
身長、体重、バイタル情報、食事に関する情報、飲酒に関する情報、運動に関する情報、喫煙に関する情報、睡眠に関する情報、仕事に関する情報、休暇に関する情報、病歴、服薬に関する情報、及び健康診断の結果に関する情報の中の少なくとも1つを含む12に記載の広告表示装置。
14. 前記表示制御手段は、
少なくとも1つの広告各々が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づき、前記ユーザの広告の嗜好を推定し、前記ユーザの広告の嗜好に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う9から13のいずれかに記載の広告表示装置。
15. 前記第1の広告が表示されているタイミングにおける少なくとも1人の前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告の評価を行う広告評価手段をさらに有する9から14のいずれかに記載の広告表示装置。
16. 前記広告評価手段は、
記第1の広告が表示されている一定の時間幅の中での前記ユーザの状態の時間変化に基づいて、前記第1の広告の評価を行う15に記載の広告表示装置。
17. 1つ以上のコンピュータが、
広告を表示させ、
ユーザの状態を示すユーザ状態情報を取得し、
第1の広告が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告に関連する広告が表示されやすくなる制御を行う広告表示方法。
18. 前記1つ以上のコンピュータは、
前記第1の広告を視聴中の前記ユーザの画像に基づき生成された前記ユーザの状態を示す前記ユーザ状態情報を取得する17に記載の広告表示方法。
19. 前記第1の広告を視聴中の前記ユーザの画像に基づき生成された前記ユーザの状態を示す前記ユーザ状態情報は、前記ユーザの集中度、前記ユーザの表情、及び前記ユーザの感情の中の少なくとも1つを示す18に記載の広告表示方法。
20. 前記1つ以上のコンピュータは、
前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示す前記ユーザ状態情報を取得し、
前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う17から19のいずれかに記載の広告表示方法。
21. 前記ユーザの健康状態及び生活習慣の少なくとも一方を示す前記ユーザ状態情報は、
身長、体重、バイタル情報、食事に関する情報、飲酒に関する情報、運動に関する情報、喫煙に関する情報、睡眠に関する情報、仕事に関する情報、休暇に関する情報、病歴、服薬に関する情報、及び健康診断の結果に関する情報の中の少なくとも1つを含む20に記載の広告表示方法。
22. 前記1つ以上のコンピュータは、
少なくとも1つの広告各々が表示されているタイミングにおける前記ユーザの状態に基づき、前記ユーザの広告の嗜好を推定し、前記ユーザの広告の嗜好に基づき決定された広告が表示されやすくなる制御を行う17から21のいずれかに記載の広告表示方法。
23. 前記1つ以上のコンピュータは、
前記第1の広告が表示されているタイミングにおける少なくとも1人の前記ユーザの状態に基づいて、前記第1の広告の評価を行う17から22のいずれかに記載の広告表示方法。
24. 前記1つ以上のコンピュータは、
記第1の広告が表示されている一定の時間幅の中での前記ユーザの状態の時間変化に基づいて、前記第1の広告の評価を行う23に記載の広告表示方法。
【符号の説明】
【0156】
1 広告提供サーバ
2 視聴端末
10 広告表示装置
11 ユーザ状態情報取得部
12 広告表示部
13 表示制御部
14 ユーザ状態情報記憶部
15 広告評価部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10