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特開2024-176630接地電位導子及びそれを備えた電位治療器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176630
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】接地電位導子及びそれを備えた電位治療器
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/04 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A61N1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095347
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】304062432
【氏名又は名称】株式会社 リブレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 宗敬
(72)【発明者】
【氏名】田村 功介
(72)【発明者】
【氏名】馬場 徹
(72)【発明者】
【氏名】馬場 馨
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053BB23
4C053BB34
(57)【要約】
【課題】広い治療対象部位に対して好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を効率良く安全に行うことができる接地電位導子及びそれを備えた電位治療器を提供する。
【解決手段】高電圧が印加される人体30に装着されて治療用の電子を流す接地電位導子4であって、可撓性を有する面状の形態に構成され接地電位の配線に接続された導電性の電極と、電極の人体に密着する側の面を覆う絶縁性の内面部材と、電極の人体に密着しない側の面を覆う絶縁性の外面部材と、を具備し、全体形状が左右対称に形成され、左右中央部には、左右に開いて被治療者が首部を通すことができる大きさのカット部25が形成されている。また、電位治療器1は、入力電位を昇圧して高圧の出力電位を生成する高圧トランスと、高圧トランスに接続され人体30に密着して出力電位を人体30に印加する高圧導子3と、を具備し、上記の接地電位導子4を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧が印加される人体に装着されて治療用の電子を流す接地電位導子であって、
可撓性を有する面状の形態に構成され接地電位の配線に接続された導電性の電極と、
前記電極の前記人体に密着する側の面を覆う絶縁性の内面部材と、
前記電極の前記人体に密着しない側の面を覆う絶縁性の外面部材と、を具備し、
全体形状が左右対称に形成され、
左右中央部には、左右に開いて被治療者が首部を通すことができる大きさのカット部が形成されていることを特徴とする接地電位導子。
【請求項2】
前記外面部材は、前記内面部材よりも誘電率が低いことを特徴とする請求項1に記載の接地電位導子。
【請求項3】
前記外面部材は、前記内面部材よりも厚いことを特徴とする請求項2に記載の接地電位導子。
【請求項4】
前記内面部材と前記外面部材は、表面の模様、色彩若しくは印字が異なることを特徴とする請求項2に記載の接地電位導子。
【請求項5】
前記カット部には、前記カット部の一部を閉じて左右を連結する留め部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の接地電位導子。
【請求項6】
前記電極には、前記電極を曲折自在とするスリットが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の接地電位導子。
【請求項7】
入力電位を昇圧して高圧の出力電位を生成する高圧トランスと、
前記高圧トランスに接続され前記人体に密着して前記出力電位を前記人体に印加する高圧導子と、を具備し、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の接地電位導子を備えたことを特徴とする電位治療器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電位治療器用の接地電位導子及びその接地電位導子を備えた電位治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体に交流の高電圧を印加して治療を行う電位治療器が知られている。例えば、特許文献1には、交流電源に接続される電源回路と、電源回路の出力側に接続されて任意波形の交流電圧を生成するインバータと、インバータによって生成される交流電圧を出力電圧に昇圧するトランスと、を有し、トランスで昇圧された出力電圧を導子に伝えて人体に印加する電位治療器が開示されている。
【0003】
また、この種の電位治療器において、高圧の電位が供給された人体に対して、局所的に放電させる導子を利用して局部的に電位を下げて電位勾配を与え、治療電流を流して治療効果を得ることが知られている。例えば、特許文献2には、電位治療器を用いた電位治療において、被治療者の体内に流れ込んだ高圧の電位を局所的に放電させるために用いる高圧電位治療用の電極パッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-073372号公報
【特許文献2】特開2007-185369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来技術の電位治療器には、広い範囲の治療対象部位に対して効果的な治療を安全に行えるよう改善すべき点があった。
具体的には、特許文献2には、高電位が印加された人体に高圧電位治療用の電極パッドを、ゲルシートを介して貼着して局所的に治療電流を流す構成が開示されている。しかしながら、このような電極パッドを利用した従来技術の電位治療器では、治療対象部位が広い場合に当該治療対象部位の全域に好適な治療電子を流すことが難しかった。
【0006】
即ち、特許文献2に開示された従来技術の電極パッドは、電極パッドが貼着された部位からの放電によって局所的な治療を行うことができる。しかしながら、電極パッドは、一辺50mm程度の正方形状等であり、例えば、両肩部から背中にかけての広い範囲に対して好適な治療電子を流して治療を行うことはできない。
【0007】
また、従来技術の電位治療器では、広い範囲に対して治療を行う場合、高圧電位治療用の電極パッドを移動させて治療が行われることがある。例えば、電極パッドを手で持って治療対象部位から一度剥がして他の治療医対象部位に移動して貼り付けたり、治療対象部位に当てられた電極パッドを手で押さえた状態で広い治療対象部位を摩るように移動させたりすることが行われている。そのような場合、電極パッドを押さえる手に対しても意図しない電流が流れるという問題点がある。
【0008】
また、治療中に治療対象部位から電極パッドが剥がれないように治療対象部位に貼着された電極パッドを手で押さえることによっても、電極パッドを押さえる手に対して意図しない電流が流れてしまう。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広い治療対象部位に対して好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を効率良く安全に行うことができる接地電位導子及びそれを備えた電位治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の接地電位導子は、高電圧が印加される人体に装着されて治療用の電子を流す接地電位導子であって、可撓性を有する面状の形態に構成され接地電位の配線に接続された導電性の電極と、前記電極の前記人体に密着する側の面を覆う絶縁性の内面部材と、前記電極の前記人体に密着しない側の面を覆う絶縁性の外面部材と、を具備し、全体形状が左右対称に形成され、左右中央部には、左右に開いて被治療者が首部を通すことができる大きさのカット部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の電位治療器は、入力電位を昇圧して高圧の出力電位を生成する高圧トランスと、前記高圧トランスに接続され前記人体に密着して前記出力電位を前記人体に印加する高圧導子と、を具備し、上記本発明に係る接地電位導子を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の接地電位導子は、高電圧が印加される人体に装着されて治療用の電子を流す接地電位導子であって、可撓性を有する面状の形態に構成され接地電位の配線に接続された導電性の電極と、前記電極の前記人体に密着する側の面を覆う絶縁性の内面部材と、前記電極の前記人体に密着しない側の面を覆う絶縁性の外面部材と、を具備し、全体形状が左右対称に形成され、左右中央部には、左右に開いて被治療者が首部を通すことができる大きさのカット部が形成されている。このような構成により、接地電位導子を利用して広い治療対象部位に対して好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を安全に行うことができる。
【0013】
具体的には、被治療者は、例えば、首部等をカット部に挿入するようにして、肩部周囲の所望の治療対象部位の全体を覆うように接地電位導子を装着することができる。これにより、肩部、頸部、肩甲骨及び胸筋等、所望の治療対象部位の全域に対して好適な治療電子を流すことができる。よって、治療対象部位が広くても、治療の最中に接地電位導子の装着位置を変更することなく、治療対象部位の全体に対して効果的な治療を効率良く行うことができる。
【0014】
また、本発明の接地電位導子では、前記外面部材は、前記内面部材よりも誘電率が低くても良い。これにより、接地電位導子の外面に触れる手に意図しない治療電子が流れることが抑制される。よって、治療対象部位に対してのみ好適な治療電子を流すことができる安全で効果的な治療を行うことができる。
【0015】
また、本発明の接地電位導子では、前記外面部材は、前記内面部材よりも厚くても良い。これにより、接地電位導子の外面に触れる手に意図しない治療電子が流れることが抑制される。よって、治療対象部位ではない部位に流れる治療電子を少なくし安全で効果的な治療を行うことができる。
【0016】
また、本発明の接地電位導子では、前記内面部材と前記外面部材は、表面の模様、色彩若しくは印字が異なるよう形成されても良い。これにより利用者は、接地電位導子の人体に当接させる内面と、人体に接触させない外面と、を容易に識別することができる。これにより、接地電位導子が内面と外面を間違えて装着されることを防止することができる。よって、接地電位導子の使い勝手が良くなり、装着ミスが少ない安全で効果的な治療を行うことができる。
【0017】
また、本発明の接地電位導子は、前記カット部には、前記カット部の一部を閉じて左右を連結する留め部材が設けられても良い。このような構成により、閉じたカット部の左右を留め部材で固定して接地電位導子を治療対象部位に容易に密着させることができる。よって、接地電位導子の装着が容易になると共に優れた治療効果が得られる。
【0018】
また、本発明の接地電位導子は、前記電極には、前記電極を曲折自在とするスリットが形成されても良い。このような構成により、スリット部を容易に折り曲げて接地電位導子を、例えば背部、肩部及び胸部等の範囲や、足首、かかと、足背及び足裏等の範囲等、人体の広い範囲に密着させることができる。よって、広い治療対象部位に対して好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を行うことができる。
【0019】
また、本発明の電位治療器は、入力電位を昇圧して高圧の出力電位を生成する高圧トランスと、前記高圧トランスに接続され人体に密着して前記出力電位を前記人体に印加する高圧導子と、を具備し、上記本発明に係る接地電位導子を備えている。このような構成により、所望の広い範囲の治療対象部位に対して好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を効率良く安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る電位治療器の概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る電位治療器の概略構成を示す回路図である。
図3】本発明の実施形態に係る接地電位導子を模式的に示す正面図である。
図4】本発明の実施形態に係る接地電位導子を概略構成に示す断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る接地電位導子の使用例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る接地電位導子の他の使用例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る接地電位導子の他の使用例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る接地電位導子の他の使用例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る接地電位導子の他の使用例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る接地電位導子の他の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る電位治療器1を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電位治療器1の概略構成を示す図である。図1を参照して、電位治療器1は、交流の出力電位を被治療者の人体30に印加して電界を利用した電位治療を行う装置である。また、電位治療器1は、人体30に治療電子を流して治療を行う装置である。
【0022】
具体的には、電位治療器1は、高電位を生成する電位出力装置2と、人体30に密着して高電位を印加する高圧導子3と、人体30に密着して接地電位を印加する接地電位導子4と、人体30の下に敷かれる絶縁マット5と、を備えている。
【0023】
電位出力装置2は、治療のための出力電位を発生する装置である。電位出力装置2には、人体30に接触して高圧の出力電位を印加する高圧導子3が接続され、人体30に密着して接地電位を印加する接地電位導子4が接続される。
【0024】
電位出力装置2には、高圧導子3を接続する出力端子15と、接地電位導子4を接続する接地導子端子16と、が設けられている。電位出力装置2の出力端子15には、プラグ19及び配線18を介して高圧導子3が着脱自在に接続され、電位出力装置2の接地導子端子16には、プラグ28及び配線27を介して接地電位導子4が着脱自在に接続される。
【0025】
高圧導子3は、略面状の形態をなし、人体30に直接若しくは衣服等を介して密着する。例えば、高圧導子3は、座布団のように椅子31等の座面に載置され、着座する被治療者の臀部等に密着する。また、高圧導子3は、例えば敷布団のように図示しないベッド等の上面に敷かれ、被治療者の背中等に密着するよう使用されても良い。
【0026】
なお、高圧導子3は、電位出力装置2で生成された電位が印可される導電性の図示しない電極を有する。電極は、略面状に構成されている。例えば、電極は、銅、アルミニウムその他導電性の材料からなる可撓性を有する箔状の部材から形成されても良い。また、電極は、導電性の材料からなる可撓性を有する線状の材料、若しくは、可撓性を有する線状の材料及び箔状の材料との組み合わせによって形成されても良い。また、電極は、導電性の布から形成されても良い。電極の表面は、図示しないシート状の絶縁体等によって被覆されても良い。
【0027】
接地電位導子4は、高電圧が印加される人体30に装着されて治療用の電子を流す導子であり、可撓性を有する略面状の形態に形成され、人体30の所望の治療対象部位、例えば肩部等、に装着される。接地電位導子4の形態及び構成については後述する。
絶縁マット5は、治療の際に被治療者が載る絶縁性のマットである。絶縁マット5によって、人体30と大地の間が絶縁される。
【0028】
図2は、電位治療器1の概略構成を示す回路図である。図2を参照して、電位治療器1の電位出力装置2は、電源装置10と、電源装置10からの入力電位から高圧の出力電位を生成する高圧トランス11と、を有する。
【0029】
電源装置10は、電気治療のための交流電力を高圧トランス11の一次側に供給する装置である。電源装置10の入力側は、図示しない交流電源に接続され、出力側は、高圧トランス11の一次側に接続されている。電源装置10は、高圧トランス11に送られる交流の少なくとも電圧を変更可能な装置であり、例えば図示しないインバータ等を備えていても良い。
【0030】
具体的には、電源装置10は、交流電源からの交流電圧をインバータで利用できる安定した直流電圧に変換する図示しない電源回路を備えていても良い。電源回路は、妨害電磁波対策のための図示しないフィルタ回路や、過負荷、過電圧若しくは低電圧等の異常時に電源回路の動作を停止させる図示しない過負荷保護回路等を備えても良い。
【0031】
電源装置10のインバータは、電源回路の出力側に接続され、電源回路から供給される直流電圧を所定の電圧の交流に変換して出力する。なお、インバータには、異常時に出力を停止するための図示しない過電流保護回路や保護ヒューズ等が設けられても良い。
【0032】
高圧トランス11は、交流の入力電位を昇圧して高圧の出力電位を生成する回路である。高圧トランス11の一次側若しくは二次側には、短絡電流等を制限する電流制限抵抗13が設けられても良い。また、高圧トランス11の二次側には、高圧トランス11に並列接続された図示しないインピーダンス回路等が設けられても良い。
【0033】
高圧トランス11の二次側の一端側には、出力端子15、及び配線18を介して高圧導子3が接続される。なお、高圧導子3が接続される回路には、図示しない半導体スイッチ、リレー等のスイッチその他制御回路等が設けられても良い。高圧導子3は、高圧トランス11で昇圧された出力電位を人体30に印加する回路部材である。前述のとおり、高圧導子3は、人体30の、例えば下に敷かれ人体30に密着する。
高圧トランス11の二次側の他端側は、図示しない商用電源へ接続する図示しない渡抵抗等を介して、間接的に接地されている。
【0034】
接地電位導子4は、配線27、接地導子端子16を介して電位出力装置2内の接地配線17に接地され、接地配線17を介して接地されている。接地配線17の接地は、例えば商用配線に接続される形態でも良い。
【0035】
また、接地配線17には、保護抵抗14その他図示しない電流制限回路、図示しない半導体スイッチ、リレー等のスイッチ回路、図示しない制御回路等が設けられても良い。電流制限回路、スイッチ回路及び制御回路等は、利用者の操作指令や各種センサ類の検出結果等に基づいて図示しない制御装置等によって制御されても良い。
【0036】
また、電位出力装置2には、その他図示しない操作部、表示部、各種センサ類及び制御装置が設けられている。操作部は、利用者が操作指令を入力する装置であり、制御装置等に接続されている。表示部は、出力電位、出力電流、周波数、タイマ等の各種設定条件及び出力状況等を表示するものである。センサ類としては、利用者の体温を測定する温度センサ、高圧導子3及び接地電位導子4の温度を測定する導子温度センサ、室内の気温を測定する室温センサ等が設けられても良い。
【0037】
制御装置は、操作部の入力及び各種設定値等に基づき所定の演算を実行して電源装置10及び切替手段としての図示しないスイッチ類等を制御する装置である。具体的には、制御装置は、出力電位の波形制御、タイマ制御、表示制御、過負荷監視及び電圧監視等を行う。電源装置10は、制御装置からの指令を受け、所定の電圧及び周波数の波形を生成する。
【0038】
図1及び図2を参照して、高圧導子3が人体30に密着することによって、高圧トランス11で昇圧された高電圧が人体30に印加される。そして、接地電位導子4が所望の治療対象部位近傍に密着することにより、接地電位導子4が密着した部位の電位が下げられ、局部的な電位勾配が与えられる。
【0039】
このように高圧導子3と接地電位導子4が治療に用いられることにより、高圧導子3と接地電位導子4との間に生ずる電位勾配を介して、人体30の特に治療対象部位近傍に好適な治療電子が流れる。これにより、治療対象部位近傍の代謝が改善され、優れた治療効果が得られる。
【0040】
図3は、接地電位導子4を模式的に示す正面図である。なお、正面図とは、接地電位導子4を被治療者に接する側、即ち内面22側から視た図である。図3に示すように、接地電位導子4は、正面視における全体形状が略左右対称に形成されている。
【0041】
具体的には、接地電位導子4は、外周が略四角形状に形成されており、四隅部には丸みが形成されている。また、外周の各辺は、中央部側に向かって凹むよう湾曲状に形成されても良い。接地電位導子4の大きさは、例えば40cm×40cm程度でも良い。即ち、電極20(図4参照)の概略寸法も、例えば40cm×40cm程度となる。
【0042】
接地電位導子4の正面視における左右中央部には、カット部25が形成されている。カット部25は、接地電位導子4の略中央から下方の辺部まで続く開口であり、接地電位導子4を左右に分割して開くことを可能とする開き部である。
【0043】
カット部25の最奥部、即ち接地電位導子4の略中央には、カット部25を左右に開いて被治療者が首部等を通すことができる大きさの開口が形成されている。即ち、被治療者は、カット部25を左右に開いて首部、腕部、脚部、足首等を通すことができる。
【0044】
換言すれば、接地電位導子4は、左右対称な略バタフライ形状に形成された折り曲げ自在なパッドであって、その左右中心部近傍には、被治療者が首部等を入れることができるカット部25が形成されている。
【0045】
このような構成により、被治療者は、カット部25に首部等を通して、接地電位導子4で、例えば肩部近傍等の治療対象部位を広く覆うように接地電位導子4を装着することができる。これにより、接地電位導子4を利用して広い治療対象部位に対して好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を安全に行うことができる。
【0046】
また、接地電位導子4の面積が大きいこと、即ち電極20の面積が大きいことにより、人体30(図1参照)と接地間のインピーダンスが下がり、人体30の接地電位導子4が密着する部位において、接地電位導子4の電極20と人体30との間の電位差が小さくなる。これにより、無声放電によるオゾンの発生を抑制することができる。
【0047】
また、接地電位導子4には、留め部材26が設けられても良い。留め部材26は、例えば、ボタン、面ファスナ、チャック、紐等であって、カット部25や、接地電位導子4の周囲辺部近傍等に設けられている。これにより、接地電位導子4は人体30に密着して、しっかりと固定される。従って、別途、固定用のベルト等で接地電位導子4を固定する必要はなく、また、利用者は、接地電位導子4を手で押さえ続けなくても良い。
【0048】
例えば、カット部25の下部近傍には、カット部25の一部を閉じて接地電位導子4の左右を連結する留め部材26が設けられても良い。このような構成により、被治療者の首部等が通された後に閉じられたカット部25の左右を留め部材26で固定して、接地電位導子4を治療対象部位に容易に密着させることができる。よって、接地電位導子4の装着が容易になると共に優れた治療効果が得られる。
【0049】
また例えば、留め部材26は、接地電位導子4の上部及び下部の左右端辺部近傍に設けられても良い。即ち、接地電位導子4が折り曲げられて人体30の肩部等に装着された際、人体30の左右において、対応する前方部及び後方部となる位置を固定するように留め部材26が設けられても良い。また、留め部材26は、折り曲げられた接地電位導子4の外周端部近傍その他部分を固定できるようにその他の部分に設けられても良い。
【0050】
このように、留め部材26が設けられることにより、接地電位導子4の装着が容易になり、治療対象部位へのフィット感も良好となって治療効果を高めることができる。また、接地電位導子4とは別に、接地電位導子4を人体30に密着固定するためのベルト等を設ける必要がない。よって、接地電位導子4を装着するための付属部品を減らすことができ、接地電位導子4の装着が容易になるという効果に加えて、生産性の観点からも優位な効果が得らえる。
【0051】
図4は、接地電位導子4を概略構成に示す断面図である。図4を参照して、接地電位導子4は、導電性の電極20と、電極20の内側面を覆う絶縁性の内面部材21と、電極20の外側面を覆う絶縁性の外面部材23を、を有する。
【0052】
図3及び図4を参照して、電極20は、内面部材21を介して人体30(図1参照)に密着するよう可撓性を有する略面状、即ち略シート状、の形態に構成され、配線27(図2参照)に接続されており、配線27を介して電位出力装置2に接続される。
【0053】
例えば、電極20は、フレキシブルな導電性の布等から形成されても良い。また、電極20は、銅、アルミニウムその他導電性の材料からなる折り曲げ自在な箔状の部材から形成されても良い。また、電極20は、導電性の材料からなる可撓性を有する線状の材料、若しくは、可撓性を有する線状の材料及び箔状の材料との組み合わせによって形成されても良い。また、電極20は、複数の導電性のシート状の電極20材料が、それぞれ所定の領域の電極20を構成するよう、曲折可能に分散配置されるよう形成されても良い。
【0054】
電極20の内側面、即ち人体30に密着する側の面には、電極20を覆う内面部材21が設けられている。内面部材21は、絶縁性の材料から形成された柔軟なシート状の部材であり、例えば軟質ポリ塩化ビニル樹脂その他合成樹脂等から形成されても良い。このように内面部材21がフレキシブルな材料から形成されることにより、人体30に接地電位導子4を容易にフィットさせることができる。また、電極20には、可撓性を得るために多数のスリットが形成されていても良い。
【0055】
電極20の外側面、即ち人体30に密着しない側の面には、電極20を覆う外面部材23が設けられている。外面部材23は、絶縁性の材料から形成された柔軟なシート状の部材であり、例えば、ウレタンフォーム等の低誘電率の絶縁物から形成される。
【0056】
外面部材23は、内面部材21よりも誘電率が低い材料から形成されても良い。これにより、接地電位導子4の外面24に触れる手に意図しない容量結合が発生して意図しない治療電子が流れることを抑制することができる。よって、接地電位導子4の内面部材21側から治療対象部位に対してのみ好適な治療電子を流すことができ、安全で効果的な治療を行うことができる。
【0057】
また、外面部材23は、内面部材21よりも厚くないよう形成されても良い。例えば、内面部材21の厚さ寸法は、0.1~5mm、好ましくは、0.5~3mm、更に好ましくは、0.5~2mmである。人体30の着衣等を約2mmとすれば、接地電位導子4の内部の電極20と人体30との距離は、例えば、約3mmである。
【0058】
これに対して、外面部材23は、誘電率2以下の材料を使用し、その厚さ寸法を、内面部材21よりも厚く2~30mm、好ましくは、3~20mm、更に好ましくは、5~20mmとしても良い。
【0059】
例えば、電極20の面積を40cm×40cm、接地電位導子4と人体30との間を誘電率2とした場合、3mmの厚みを介した電極20の内面部材21側の静電容量は約944pFとなる。これに対して、外面部材23の厚みを15mmとし、その誘電率を1.5とすると、外面部材23側の静電容量は141pFとなる。よって、接地電位導子4の外面24、即ち人体30の治療対象部位に接触しない外面部材23側の面、の全面を手で押さえたとしても、押さえた手に流れる分流の電流は最大でも全治療電流の約13%となる。
【0060】
つまり、約9割の治療電流が内面部材21を介して人体30側に流れることになる。実際は、利用者が手で押さえる面積は、接地電位導子4の外面積の1/10以下となるので、100%に近い電流が内面部材21を介して人体30側に流れる。よって、前述のとおり、接地電位導子4を外面24側から抑える手や、接地電位導子4の外面24側に接触するその他構造物等に、意図しない治療電子が流れることが抑制される。
【0061】
このように、外面部材23と内面部材21を異なる形態とすることより、接地電位導子4の人体30に密着する内面22と、人体30に密着しない外面24と、を差別化して、人体30に密着された内面部材21側のみに効率良く治療電子を流す容量結合が得られる。
【0062】
換言すれば、内面部材21と外面部材23を差別化した表裏構造により、接地電位導子4の外面24に触れる手等に意図しない治療電子が流れることを抑制することができる。よって、治療対象部位ではない部位に漏れる治療電子を少なくして、治療対象部位のみに好適な治療電子を流し、安全で効果的な治療を行うことができる。
【0063】
また、接地電位導子4の外面24が接触する椅子31(図1参照)の背もたれ等、治療対象部位ではない構造物に、治療電子が逃げることを抑制することができる。よって、無駄な電子の流れを少なくして、治療の効率を向上させることができる。
【0064】
また、内面部材21と外面部材23は、表面の模様、色彩若しくは印字が異なるよう形成されても良い。具体的には、人体30に密着される内面部材21の内側、即ち内面22と、人体30に密着されない外面部材23の外側、即ち外面24とは、外皮を構成する例えば軟質ポリ塩化ビニル樹脂その他合成樹脂等の生地テクスチャ等が変えられ、外観、質感、色等が異なるものとされても良い。また、内面部材21の内面22及び外面部材23の外面24の少なくとも一方に、どちらの面であるかを示す文字、記号、マーク等の印刷やラベル等があっても良い。
【0065】
このように、異なる模様、色彩若しくは印字等が施されることにより、利用者は、接地電位導子4の人体30に当接させる内面22と、人体30に接触させない外面24と、を容易に識別することができる。これにより、接地電位導子4が内面22と外面24を間違えて装着されることを防止することができる。よって、接地電位導子4の使い勝手が良くなり、装着ミスが少ない安全で効果的な治療を行うことができる。
【0066】
また、接地電位導子4の内部構造、即ち電極20、内面部材21及び外面部材23等には、それら内部構造を曲折自在とする図示しないスリットが形成されても良い。例えば、電極20には、可撓性を得るために多数のスリットが形成されても良い。このような構成により、接地電位導子4は、人体30の治療対象部位にフィットし易くなる。
【0067】
即ち、スリット部を折り曲げることにより、接地電位導子4を、人体30の、例えば背部、肩部及び胸部等の広い範囲に密着させることができる。また、スリット部を折り曲げて、接地電位導子4を、例えば足首、かかと、足背及び足裏等、足首近傍の広い範囲等に密着させることができる。よって、広い治療対象部位に対して好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を行うことができる。
【0068】
次に、図5から図10を参照して、接地電位同導子を人体30に装着して使用する例を詳細に説明する。
図5は、接地電位導子4の使用例を模式的に示す図であり、接地電位導子4が肩部周りに装着された例を示している。図5に示すように、接地電位導子4は、人体30の肩部周りに装着され、首部周りの体幹部の治療に使用されても良い。
【0069】
例えば、被治療者は、首部等をカット部25に挿入するようにして、肩部周囲の所望の治療対象部位の全体を覆うように接地電位導子4を装着することができる。詳しくは、接地電位導子4は、被治療者が着衣する略胴衣状の形態に形成され使用されても良い。即ち、接地電位導子4は、略長方形シート状に形成され、接地電位導子4の略中央に形成されたカット部25の開口は、被治療者が首部を通す襟部として使用される。
【0070】
そして、襟部として使用されるカット部25の左右、即ち接地電位導子4の前後略中央部分は、接地電位導子4の前部の内面22と後部の内面22とが対向するよう折り曲げられて、被治療者の肩部に掛けられるショルダー部として使用される。つまり、折り曲げられた接地電位導子4の前部は、内面22が被治療者の胸部、腹部等に密着する前身頃として、後部は、内面22が被治療者の背部に密着する後身頃として使用される。
【0071】
また、前部に形成されたカット部25は、被治療者が接地電位導子4を着脱する際に左右に開く開き部として使用される。換言すれば、接地電位導子4の前部は、カット部25によって右前身頃と左前身頃に分離され開かれる。利用者は、カット部25の開き部を開いて接地電位導子4を容易に装着でき、また、容易に取り外すことができる。
【0072】
また、カット部25には、留め部材26が設けられているので、閉じられたカット部25の開き部を留め部材26によって固定することができる。即ち、留め部材26としてのボタン、面ファスナ、チャック、紐問等で、接地電位導子4の右前身頃と左前身頃を連結して固定することができる。
【0073】
なお、人体30に高圧の出力電位を印加する高圧導子3(図1参照)は、例えば、被治療者が着座する椅子31(図1参照)の座面等に載置され、人体30の臀部等に密着するよう使用されても良い。
【0074】
このように、接地電位導子4は、人体30の肩部周りを覆うように容易に装着可能であり、肩部、頸部、肩甲骨及び胸筋等、所望の治療対象部位の全域に対して好適な治療電子を流すことができる。よって、治療対象部位が広くても、治療の最中に接地電位導子4の装着位置を変更することなく、治療対象部位の全体に対して効果的な治療を効率良く行うことができる。
【0075】
図6は、接地電位導子4の他の使用例を示す図である。図6は、椅子31に座った被治療者の人体30を背中側から視るよう模式的に示しており、接地電位導子4が背中周りに密着された例を示している。図6に示すように、接地電位導子4は、人体30の背中に密着するよう使用されても良い。これにより、背中周りの体幹部の治療を行うことができる。
【0076】
この時、カット部25において左右の電極20(図4参照)が分かれているので、人体30の肩の位置に合わせてカット部25を広く開いたり狭く閉じたりできる。よって、接地電位導子4をより立体的な形状として人体30にフィットさせることができる。
【0077】
具体的には、接地電位導子4は、被治療者が座る椅子31の図示しない背もたれ等と、被治療者の背中と、の間に挟まれるように使用されても良い。これにより、被治療者の背筋、肩甲骨、背部、腰周り等に好適な治療電子を流すことができ、背中周りの広い範囲を効果的な治療を行うことができる。なお、高圧導子3は、人体30の例えば臀部等に密着するよう使用されても良い。
【0078】
また、図示を省略するが、接地電位導子4は、ベッド等に横たわる被治療者の背中に密着するよう、ベッドの敷布等の上に載置され、ベッド等の寝面と人体30との間に挟まれるように使用されても良い。このような使用方法によっても、接地電位導子4の密着によって背中周りに好適な治療電流を流して治療を行うことができる。
【0079】
図7は、接地電位導子4の他の使用例を示す図であり、接地電位導子4が腹部周りに密着された例を示している。図7に示すように、接地電位導子4は、人体30の腹部周りに密着するよう使用されても良い。これにより、腹部周りの体幹部を治療することができる。
【0080】
具体的には、接地電位導子4は、内面22が、椅子31等に腰掛けた若しくは図示しないベッド等に寝転んだ被治療者に対して、人体30の腹部、腰部及び太もも部の前面等に密着するよう使用されても良い。また、高圧導子3(図1参照)は、人体30の例えば臀部等に密着するよう使用されても良い。
【0081】
この場合においても、カット部25が形成されていることにより、接地電位導子4は、左右の足に立体的にフィットし、密着できる。
このような使用により、人体30の腹筋、内筋、内臓等に治療用の電子を好適に流すことができる。これにより、効果的な治療を行うことができる。
【0082】
図8は、接地電位導子4の他の使用例を示す図であり、接地電位導子4が手、腕等の抹消部の治療に用いられる例を示している。図8に示すように、接地電位導子4は、内面22が人体30の手、腕部等に密着するよう使用されても良い。
【0083】
例えば、接地電位導子4は、外面24、即ち外面部材23(図4参照)側が、椅子31等に腰掛けた若しくは図示しないベッド等に横たわった人体30の腹部、腰部及び太もも部の前面等に接するよう使用されても良い。
そして、外面24が人体30の腹部、腰部及び脚部の前面等に当接している接地電位導子4の内面22、即ち内面部材21(図4参照)側に、人体30の手、腕部等が密着するように載せられる。なお、高圧導子3(図1参照)は、人体30の例えば臀部等に密着するよう使用されても良い。
【0084】
このような装着により、人体30の腕部、手、指、上腕部等に治療用の電子を好適に流し好適な治療を行うことができる。即ち、体幹部から手の抹消部にかけて好適な治療電流を流すことができ、関節や炎症部の緩解する効果が得られる。
【0085】
なお、図7に示す腹部周りを治療する使用例と、図8に示す手、腕等を治療する使用例とは、何れも接地電位導子4を、人体30の腹部、腰部及び太もも部の前面等に密着するように使用しており、接地電位導子4の装着位置が共通する。しかし、図7に示す使用例では、接地電位導子4の内面22を腹部等に密着させているのに対し、図8に示す使用例では、接地電位導子4の外面24を腹部等に密着させており、接地電位導子4の装着は表裏が逆である。
【0086】
接地電位導子4の内面22側である内面部材21と、外面24側である外面部材23と、が異なる厚みに形成された接地電位導子4では、人体30の同じ位置に装着されても、接地電位導子4の表裏を逆にすることにより、既に説明したように、異なる治療対象部位に対して好適な治療を行うことができる。
【0087】
図9は、接地電位導子4の他の使用例を示す図であり、太もも、膝周りに治療電子を流す使用例を示している。図9に示すように、接地電位導子4は、内面22が、人体30の太ももの前面及び膝近傍に密着するよう使用されても良い。なお、高圧導子3(図1参照)は、人体30の例えば臀部等に密着するよう使用される。
このような使用においても、カット部25が形成されているので、左右の足を開いても、接地電位導子4は、左右の足に立体的にフィットする。
【0088】
このような使用方法により、人体30の大腿部から膝部周りの抹消部に好適な治療電子を流すことができ、接地電位導子4が密着した周りの広い範囲で効果的な治療を行うことができる。
【0089】
図10は、接地電位導子4の他の使用例を示す図であり、接地電位導子4が足首周りの治療に使用される例を示している。図10に示すように、接地電位導子4は、人体30の足先から足首周りに密着するよう使用されても良い。
【0090】
具体的には、接地電位導子4は、内面22(図3参照)が人体30の足裏及び足背の両面に密着するよう折り曲げられて袋状となり足首周りに装着される。即ち、接地電位導子4は、内面22が、両足の足首周りから、かかと、足裏、足背、つま先までの略全面に密着するよう装着される。
この時、接地電位導子4にはカット部25が形成されているので、接地電位導子4は、治療対象部位の表面に立体的にフィットする。
【0091】
なお、足首周りに密着するよう装着された接地電位導子4は、折り曲げられた接地電位導子4の対向する左右部分若しくは上下部分が留め部材26によって連結され固定されても良い。また、高圧導子3(図1参照)は、人体30の例えば臀部等に密着されるよう使用される。
【0092】
このように接地電位導子4が人体30の足先から足首周りの全体を覆い略全面に密着するように装着されることにより、人体30の足首周りの抹消部に好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を行うことができる。
【0093】
以上説明の如く、本実施形態に係る接地電位導子4を備えた電位治療器1によれば、広い範囲の治療対象部位に対して好適な治療電子を流すことができ、効果的な治療を効率良く安全に行うことができる。
【0094】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 :電位治療器
2 :電位出力装置
3 :高圧導子
4 :接地電位導子
5 :絶縁マット
10 :電源装置
11 :高圧トランス
13 :電流制限抵抗
14 :保護抵抗
15 :出力端子
16 :接地導子端子
17 :接地配線
18 :配線
19 :プラグ
20 :電極
21 :内面部材
22 :内面
23 :外面部材
24 :外面
25 :カット部
26 :留め部材
27 :配線
28 :プラグ
30 :人体
31 :椅子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10