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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176648
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】回転遊戯設備用の補助駆動装置
(51)【国際特許分類】
   A63G 27/00 20060101AFI20241212BHJP
   F16H 21/10 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A63G27/00
F16H21/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095372
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】391023736
【氏名又は名称】株式会社岡本製作所
(71)【出願人】
【識別番号】523220477
【氏名又は名称】朝日テック有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086346
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
(72)【発明者】
【氏名】岡本 典之
(72)【発明者】
【氏名】佐原 圭一
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB27
3J062CB02
3J062CB16
(57)【要約】
【課題】
回転遊戯装置の補助駆動装置の作動の安定性を図る。
【解決手段】
リンクアームと、それらの一端側に回動可能に接続されたゴンドラと、リンクアームのそれぞれを360度往復回転可能に支持するアーム回転軸61(11、21,31)とを備え、ゴンドラは、乗客が屈伸運動などをすることによって、360度回転するように構成された回転遊戯設備に、装備される補助駆動装置70である。この補助駆動装置70は、アーム回転軸61に設けられた作動部71とその駆動部73とを備え、補助駆動装置70によって、ゴンドラが上昇した後に、停止装置の作動によって各リンクアームがフリー状態となる。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリンクアームと、乗客が乗り込む床を備えると共に複数の前記リンクアームのそれぞれの一端側に回動可能に接続されたゴンドラと、複数の前記リンクアームのそれぞれを360度往復回転可能に支持するアーム回転軸と、前記アーム回転軸を挟んで前記リンクアームの他端側に配置されたバランスウェイトとを備え、
複数の前記リンクアームのそれぞれは、その回転角度に関わらず前記床を含む前記ゴンドラを水平に維持する平行リンク機構の少なくとも1つのリンクを構成するものであり、
前記ゴンドラ内の乗客が屈伸運動をすることによって、前記リンクアームの前後方向の振り幅が徐々に大きくなり360度回転するように構成された回転遊戯設備に対して、初期駆動を行うための回転遊戯設備用の補助駆動装置において、
少なくとも1つの前記リンクアームの前記アーム回転軸に設けられた作動部と、前記作動部を動かすための駆動部とを備え、
前記作動部からの強制回転力の付与によって前記リンクアームが回転し、前記リンクアームは初期の停止状態から前記ゴンドラを重力に抗して上昇させるように構成されたものであり、
前記ゴンドラが上昇した後に、前記作動部からの前記強制回転力の付与を停止する停止装置を備えており、前記停止装置の作動によって、前記リンクアームがフリー状態となるように構成されたことを特徴とする回転遊戯設備用の補助駆動装置。
【請求項2】
前記停止装置は手動停止装置を備えており、
前記手動停止装置は、オペレーターの停止操作によって、前記作動部からの前記強制回転力の付与を停止して、前記リンクアームがフリー状態となるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の回転遊戯設備用の補助駆動装置。
【請求項3】
前記停止装置は自動停止装置を備えており、
前記自動停止装置は、あらかじめ設定された解放位置まで前記ゴンドラが上昇した段階で自動的に作動するものであり、前記作動部からの前記強制回転力の付与を停止して、前記リンクアームがフリー状態となるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転遊戯設備用の補助駆動装置。
【請求項4】
前記駆動部は、回転動力源と、前記回転動力源の回転出力軸に接続された減速機と、前記減速機の減速出力軸に接続されたクラッチ及び動力伝達部を備え、
前記作動部は、前記アーム回転軸に固定された軸回転部を備え、前記動力伝達部からの回転力によって前記軸回転部が回転するものであることを特徴とする請求項3に記載の回転遊戯設備用の補助駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転遊戯設備用の補助駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊園地などが設置される回転遊戯装置にあっては、特許文献1に示すものが知られている。この装置は、ゴンドラの左右両側に配置されたアームが回転することにより、ゴンドラが1回転以上の回転が可能なように構成されたものである。
ところが、この装置にあっては、ゴンドラの上部にアームの先端が接続されているに過ぎないため、ゴンドラが揺動する恐れがあるなど不安定である。
そこで、特許文献2に示された通り、本発明の一人は、ゴンドラの安定性を向上させ、人の力でもゴンドラを一回転以上回転させることができる回転遊戯装置を提案した。この回転遊戯装置では、初期の段階で遊戯者が上手くゴンドラを動かせない場合があったが、初期駆動を行うため機械的にゴンドラを動かしてその動作を助ける補助駆動装置を設けることによって、年少者から年配者までこの回転遊戯装置による遊戯を楽に楽しんでようにすること目的として補助駆動装置を付加することも提案していたものであった。具体的にはこの補助駆動装置は、ゴムタイヤなどの摩擦係数の大きな回転体を、ゴンドラの床の下面に当接させ、一方向にのみ回転することによって、同方向へゴンドラが動くように力を与えるように構成されたものであったが、回転体による1回の回転でゴンドラを動かすことができる範囲は限られていると共に、天候や経年変化の課題もあり、改良の余地が残されているものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭51-74729号公報
【特許文献2】登録実用新案第3237338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、回転遊戯装置の補助駆動装置の作動の安定性を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数のリンクアームと、乗客が乗り込む床を備えると共に複数の前記リンクアームのそれぞれの一端側に回動可能に接続されたゴンドラと、複数の前記リンクアームのそれぞれを360度往復回転可能に支持するアーム回転軸と、前記アーム回転軸を挟んで前記リンクアームの他端側に配置されたバランスウェイトとを備え、複数の前記リンクアームのそれぞれは、その回転角度に関わらず前記床を含む前記ゴンドラを水平に維持する平行リンク機構の少なくとも1つのリンクを構成するものであり、前記ゴンドラ内の乗客が屈伸運動をすることによって、前記リンクアームの前後方向の振り幅が徐々に大きくなり360度回転するように構成された回転遊戯設備に対して、初期駆動を行うための回転遊戯設備に装着して用いることができる補助駆動装置を提供する。
この補助駆動装置は、少なくとも1つの前記リンクアームの前記アーム回転軸に設けられた作動部と、前記作動部を動かすための駆動部とを備え、前記作動部からの強制回転力の付与によって前記リンクアームが回転し、前記リンクアームは初期の停止状態から前記ゴンドラを重力に抗して上昇させるように構成されたものである。この補助駆動装置は、前記ゴンドラが上昇した後に、前記作動部からの前記強制回転力の付与を停止する停止装置を備えており、前記停止装置の作動によって、前記リンクアームがフリー状態となるように構成されたものである。
【0006】
前記停止装置は手動停止装置と自動停止装置との少なくとも何れか一方を備えたものとして実施することができる。
前記手動停止装置は、オペレーターの停止操作によって、前記作動部からの前記強制回転力の付与を停止して、前記リンクアームがフリー状態となるように構成して実施することができる。
前記自動停止装置は、あらかじめ設定された解放位置まで前記ゴンドラが上昇した段階で自動的に作動するものであり、前記作動部からの前記強制回転力の付与を停止して、前記リンクアームがフリー状態となるように構成して実施することができる。
【0007】
前記駆動部は、例えば、回転動力源と、前記回転動力源の回転出力軸に接続された減速機と、前記減速機の減速出力軸に接続されたクラッチ及び動力伝達部を備えたものとして実施することができる。
また前記作動部は、前記アーム回転軸に固定された軸回転部を備え、前記動力伝達部からの回転力によって前記軸回転部が回転するものとして実施することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、回転遊戯装置の初期動作を助ける補助駆動装置の作動の安定性を向上させることがものである。これによって、ゴンドラに乗り込む遊戯者が、初期段階で円滑に楽にゴンドラを作動させることができると共に、オペレーターによる初期段階での補助作業の軽減を図ることができたものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(A)本発明の実施の形態に係る補助駆動装置が装着される回転遊戯装置の正面図、(B)同回転遊戯装置の背面図。
図2】同回転遊戯装置の側面図。
図3】同回転遊戯装置を3組並設した状態の平面図。
図4】同回転遊戯装置のゴンドラのフレームの側面図。
図5】本発明の実施の形態に係る補助駆動装置の正面図。
図6図5のA-A線に沿う断面の構造説明図。
図7図5のB-B線に沿う断面の構造説明図。
図8】同補助駆動装置の停止装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(全体の概要)
この実施の形態にかかる回転遊戯装置は、乗客が乗り込むゴンドラ50と、ゴンドラ50の正面から見て左右両側に配置された一対の支持部40とを備えている。支持部40は、地面などに安定して設置され、回転遊戯装置の荷重を支持している。ゴンドラ50は、左右両側にそれぞれ設けられた第1リンクアーム10、 第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30のリンクアームを介して、左右両側のそれぞれの支持部40に対して、360度回転可能に支持されている。
この回転遊戯装置は、ゴンドラ50内の乗客が体重移動や屈伸運動をすることによって、前記リンクアームの前後方向の振り幅が徐々に大きくなり、やがては前記リンクアーム及びゴンドラ50が360度回転するものである。
第1リンクアーム10、 第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30のリンクアームと、支持部40とは、ゴンドラ50を挟んで左右対称に設けられているため、以下の説明では、その一方のみを説明するが、他方においても同様の構成を備える。
この回転遊戯装置は、図5図7に示す補助駆動装置70を装着できるものであるが、図1図4ではこの補助駆動装置70を図示していない。この補助駆動装置70は、第1リンクアーム10、第2リンクアーム20、第3リンクアーム30のうちの少なくとも1つに対して強制回転力を付与するように構成されたものであるが、補助駆動装置70の説明は、回転遊戯装置の構造及び作動の説明の次に行うものとする。
【0011】
(支持部について)
支持部40は、この例では金属パイプなどの剛性の高い素材で構成されているもので、左支持部41と右支持部42とを少なくとも備え、前記リンクアームとゴンドラ50と乗客の全荷重を支持する。
なお、図3に示すように、ゴンドラ50は左右方向に複数連設することもでき、その場合には左右方向の中間に設けられた支持部40は左右に共用することができる。
【0012】
(ゴンドラについて)
ゴンドラ50は乗客が乗り込む床55と、その周囲を囲う籠のフレーム56とを備えるもので、籠のフレーム56には、柵57と乗り降りのため扉58が設けられている。また籠のフレーム56の内部には、立った乗客が掴んで屈伸運動をするのに便利な高さに手すりが設けられている。この手すりは、幼児から成人まで対応することができるように、高さ違いに複数設けておいても構わない。
このゴンドラ50の下部の前後2箇所には、第1接続点51と第2接続点52が設けられている。またゴンドラ50の上部の中央には、第3接続点53が設けられている。これらの3つの接続点はそれぞれ、第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30の3つのリンクアームに対して回動可能に接続されている。
【0013】
(リンクアームについて)
第1リンクアーム10は、第1アーム回転軸11を挟んで一端側に第1接続点51を備え、他端側に第1バランスウェイト12を備えている。第1アーム回転軸11は支持部40の下部前方に対して互いに回動可能に接続されたものであり、これによって第1アーム回転軸11と支持部40とは互いに360度回転可能となっている。第1接続点51は前述の通りゴンドラ50の下部前方に対して互いに回動可能に接続されたものであり、これによって第1アーム回転軸11と支持部40とは互いに360度回転可能となっている。
【0014】
第2リンクアーム20は、第2アーム回転軸21を挟んで一端側に第2接続点52を備え、他端側に第2バランスウェイト22を備えている。第2アーム回転軸21は支持部40の下部後方に対して互いに回動可能に接続されたものであり、これによって第2アーム回転軸21と支持部40とは互いに360度回転可能となっている。第2接続点52は前述の通りゴンドラ50の下部後方に対して互いに回動可能に接続されたものであり、これによって第2アーム回転軸21とゴンドラ50とは互いに360度回転可能となっている。
【0015】
第3リンクアーム30は、第3アーム回転軸31を挟んで一端側に第3接続点53を備え、他端側に第3バランスウェイト32を備えている。第3アーム回転軸31は支持部40の上部中央に対して互いに回動可能に接続されたものであり、これによって第3アーム回転軸31と支持部40とは互いに360度回転可能となっている。第3接続点53は前述の通りゴンドラ50の上部中央に対して互いに回動可能に接続されたものであり、これによって第3アーム回転軸31とゴンドラ50とは互いに360度回転可能となっている。
なお、上記それぞれの回動の軸支関係は、軸と軸受けとは、どちらに設けても構わない。
【0016】
(平行リンク)
以上の構成によって、第1リンクアーム10は第2リンクアーム20との関係において、支持部40の2つのアーム回転軸(第1アーム回転軸11及び第2アーム回転軸21)とゴンドラ50の2つの接続点(第1接続点51及び第2接続点52)との合計4つを節とする平行リンク機構の1つを構成する。
また、第2リンクアーム20は第3リンクアーム30との関係において、支持部40の2つのアーム回転軸(第2アーム回転軸21及び第3アーム回転軸31)とゴンドラ50の2つの接続点(第2接続点52及び第3接続点53)との合計4つを節とする平行リンク機構の他の1つを構成する。
さらにまた、第3リンクアーム30は第1リンクアーム10との関係において、支持部40の2つのアーム回転軸(第3アーム回転軸31及び第1アーム回転軸11)とゴンドラ50の2つの接続点(第3接続点53及び第1接続点51)との合計4つを節とする平行リンク機構のさらにまた他の1つを構成する。
平行リンク機構は、平行状態を保ちながら回転運動をする機能を備えているが、この実施の形態では3つのリンク機構を構成するため、ゴンドラ50は、その床55が水平状態を保った状態で、360度回転することができる。なお、第1アーム回転軸11、第2アーム回転軸21及び第3アーム回転軸31の支持部40における配置位置は、床55が水平状態を保った状態で移動する3つの平行リンク機構が成立する位置に設定すれば良い。
【0017】
(作動状態について)
この回転遊戯装置は、ゴンドラ50内の乗客が体重移動又は屈伸運動をすることによって、ゴンドラ50が水平状態を保った状態で、第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30の前後方向の振り幅が徐々に大きくなり360度回転するものである。
詳しくは、まず静止状態では重力によって、ゴンドラ50が最も低い位置(最下点)にある。この状態で乗客はゴンドラ50の扉58を開いて乗り込み、手すりを握って床55の上に立つ。
この状態から、乗客が前後に体重移動をすることによって、第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30は各アーム回転軸を中心に回動して、ゴンドラ50が徐々に揺動を始める。この初期段階では、ゴンドラ50が動きにくい場合もあるため、係員は必要に応じてゴンドラ50を押したり引いたりして動きの補助をしても構わないし、乗客が年少者の場合には振り幅が大きくなっても係員は必要に応じて補助動作をしても構わない。
徐々にゴンドラ50即ち第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30の振り幅が大きくなってくると、ゴンドラ50の動きに合わせて、乗客が屈伸運動をすることによって、効果的に振り幅を大きくすることができる。より詳しくは、ゴンドラ50が最下点から上昇する時に合わせて乗客が伸び上がり、逆にゴンドラ50が最も高い位置から下降する時に合わせて乗客がしゃがみ込むように膝を曲げることによって、ゴンドラ50の振り幅が大きくなっていく。やがては、ゴンドラ50は最も高い最上点を超えて360度回転する。
【0018】
(補助駆動装置の概要)
上記のように、初動段階では補助動作を必要とする場合があるが、この発明の実施の形態に係る回転遊戯装置には、ゴンドラ揺動の初期駆動を機械的な駆動装置で行い、補助することができる補助駆動装置70(図5図7参照)が設けられている。
この補助駆動装置70は、第1アーム回転軸11、第2アーム回転軸21、第3アーム回転軸31の少なくとも一つ(以下、アーム回転軸61という)に設けられた作動部71と、作動部71を動かすための駆動部73とを備える。
駆動部73から強制回転力が付与されると、作動部71の軸回転部72によって接続されたアーム回転軸61が回転し、これによって、上述した第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30が回転して初期の停止状態からゴンドラ50を重力に抗して上昇させる。
そしてゴンドラ50が上昇した後に、作動部71からの強制回転力の付与を停止する停止装置100を備えており、停止装置100の作動によって、リンクアームがフリー状態となる。
【0019】
(作動部・駆動部)
作動部71と駆動部73とは、板状の取付部80上に設けられており、これを介して支持部40の支柱タイプに固定されている。取付部80は、作動部71と駆動部73とに2分割されているが、一体となったものであっても構わない。また必要に応じてカバーを被せておいても構わない。
駆動部73は、回転動力源74と、回転動力源74の回転出力軸に接続された減速機75と、減速機75の減速出力軸76に接続されたクラッチ77及び動力伝達部78を備える。
回転動力源74は、必要とする出力に応じて変更して実施することができるが、100Vの家庭用交流電源で作動するものを用いることによって、比較的簡易且つ安全な電気系統で実施することができる点で有利である。
回転動力源74の回転出力軸に接続された減速機75によって、低速であってもトルクの大きな出力に変換され、クラッチ77及び動力伝達部78を介して、作動部71に伝達される。クラッチ77は、回転力の接続の入り切り動作をなし、動力伝達部78はベルトやチェーンや歯車などの適宜な伝達手段によって動力の伝達をなすものである。クラッチ77と動力伝達部78は順不同であっていずれを回転動力源74に近い側に設けても構わない。
動力伝達部78からの回転力は、作動部71の軸回転部72に伝達され、これによってアーム回転軸61が回転し、第1アーム回転軸11、第2アーム回転軸21及び第3アーム回転軸31が一方向に回転する。
【0020】
(停止装置)
停止装置100は手動停止装置101と自動停止装置102とのいずれか一方を備えたものであるが、双方を備えるものであることが、操作の安全性や利便性の点から好ましい。
アーム回転軸61の回転状態が継続すると、アーム回転軸61は一方向へのみ回転を続けようとする。
これでは、遊戯者の動きや重力との干渉が生じたり回転遊戯装置の本来の楽しみが得られなかったりするため、停止装置100によって、補助駆動装置70からの強制回転力の付与を停止させる。
【0021】
(手動停止装置)
手動停止装置101は、回転遊戯装置の近くに設けられた図2に示す操作部81の操作スイッチとして実施されている。操作部81には、図示は省略するがスタートスイッチと停止スイッチとが設けられている。遊戯者がゴンドラ50に乗り込んで扉を閉めるなど安全性を確認した後に、オペレーターがスタートスイッチを入れると、駆動部73の回転出力軸が回転を始めて、作動部71と軸回転部72によってアーム回転軸61が回転を始め、第1リンクアーム10、第2リンクアーム20、第3リンクアーム30が一方向へ回転する。
オペレーターの操作部81の停止スイッチの停止操作によって、作動部71からの強制回転力の付与を停止する。
具体的には図8に示すように、オペレーターの操作部81の停止スイッチ103の停止操作によって、停止信号が出力されて、これに基づき制御部105から切断信号が回転動力源74及びクラッチ77の少なくともいずれか一方に発出される。この停止信号に促されて回転動力源74の電源を切るかクラッチ77の接続を切るかの少なくともいずれか一方の電気的か機械的の切断操作が実行されて、第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30がフリー状態となる。
これによって、適時な回転角度に達した段階、すなわちゴンドラ50が所定の高さにまで回転した段階で強制回転力が切断され、第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30がフリー状態となり、重力によりゴンドラ50が降下して、逆回転する。その後は重力と遊戯者の屈伸運動などの動作とによって、ゴンドラ50が揺動を徐々に大きくしていき、やがては一回転することも可能となる。
【0022】
(自動停止装置)
自動停止装置は自動的に強制回転力の付与を停止するもので、停止スイッチ103の感知信号やタイマーからの信号などの各種の停止信号に基づいて、作動部71からの強制回転力の付与を停止する。具体的には、初期の停止状態(通常は第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30が垂直状態)から予め設定された開放角度まで回転して、解放位置までゴンドラ50が上昇したことをセンサ107が感知する。このセンサ107による感知は、リミットスイッチや近接センサにより第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30の少なくともいずれか一つの動きを感知するものであっても構わないし、角度センサによって減速出力軸76などの回転軸やアーム回転軸61の回転角度を感知するものでも構わないし、回転動力源74の作動後の経過時間を計測するものでもあっても構わないし、種々変更して実施することができる。停止信号が出力されると、これに基づき制御部105から回転動力源74及びクラッチ77の少なくともいずれか一方に切断信号が発出される。この切断信号に促されて回転動力源74の電源を切るかクラッチ77の接続を切るかの少なくともいずれか一方の電気的か機械的な切断操作が実行されて、第1リンクアーム10、第2リンクアーム20及び第3リンクアーム30がフリー状態となる。
【0023】
運用に際しては、手動停止装置101と自動停止装置102との一方を設ければ良いが、双方を設けることが好ましい。その際、手動停止装置101と自動停止装置102は、一方を主として、他方を従とすることができる。
手動停止装置101を主とした場合には、オペレーターがゴンドラ50の動きを見ながら、適時なタイミングで停止スイッチを入れることを原則とするが、停止スイッチを入れるタイミングが遅れたりするなどした場合に、不適切な作動状況が生じる前に、自動停止装置102が作動して安全装置として機能する。
自動停止装置102を主とした場合には、オペレーターは、スタートスイッチを入れるだけでよく、通常は所定の回転角度で自動的に回転動力源74からの強制的な回転力の付与が停止する。その際に装置の誤作動が生じた場合には、手動停止装置101が安全装置として機能してオペレーターの停止スイッチの操作によって補助駆動装置70の作動を停止させることができる。
【0024】
本発明は上記の実施の形態以外に、各請求項の発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々に変更して実施することができる。
本発明の補助駆動装置は、既存既設の回転遊戯設備に追加して装着することもできるし、新設の回転遊戯設備の一部として装着することもできる。
【符号の説明】
【0025】
10 第1リンクアーム
11 第1アーム回転軸
12 第1バランスウェイト
20 第2リンクアーム
21 第2アーム回転軸
22 第2バランスウェイト
30 第3リンクアーム
31 第3アーム回転軸
32 第3バランスウェイト
40 支持部
41 左支持部
42 右支持部
50 ゴンドラ
51 第1接続点
52 第2接続点
53 第3接続点
55 床
56 フレーム
57 柵
58 扉
61 アーム回転軸
70 補助駆動装置
71 作動部
72 軸回転部
73 駆動部
74 回転動力源
75 減速機
76 減速出力軸
77 クラッチ
78 動力伝達部
80 取付部
81 操作部
100 停止装置
101 手動停止装置
102 自動停止装置
103 停止スイッチ
105 制御部
107 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8