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特開2024-176676充電装置、荷役車両及び充電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176676
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】充電装置、荷役車両及び充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241212BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B66F9/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095410
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000183222
【氏名又は名称】住友ナコ フォ-クリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄士
(72)【発明者】
【氏名】大山 和輝
【テーマコード(参考)】
3F333
5G503
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333CA09
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
(57)【要約】
【課題】好適にバッテリの充電を行う。
【解決手段】充電ステーション40の送電端子(第1充電端子46、第2充電端子47)、又は、荷役車両20の受電端子(中段突設部33、下側突設部34)が、互いに接触する接触部を、上面又は下面に有している。これにより、荷役車両20と充電ステーション40との上下方向の位置ずれを吸収することができる。ひいては、荷役車両20のバッテリ28の充電を好適に行うことができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役車両の受電端子と接触する送電端子を備え、前記荷役車両のバッテリを充電する充電装置であって、
前記送電端子は、前記受電端子と接触する接触部を上面又は下面に有する、
充電装置。
【請求項2】
前記送電端子は、上下方向に移動可能な支持部に配置されている、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記支持部は、上下方向に移動可能な位置を調整可能に構成されている、
請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記支持部に配置され、前記荷役車両に対して上下方向と直交する方向に接触して前記支持部を上下方向に移動させる被案内部を備える、
請求項2に記載の充電装置。
【請求項5】
前記荷役車両の制御端子と接触する制御用電極を備え、
前記制御用電極は、上下方向と直交する方向のうち、前記受電端子と前記送電端子とが接触するときの相対的な移動方向と当該移動方向に直交する方向とにおける長さが、いずれも前記送電端子の前記接触部よりも短い、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項6】
バッテリと、前記バッテリの充電時に充電装置の送電端子と接触する受電端子と、を備え、
前記受電端子は、前記送電端子と接触する接触部を上面又は下面に有する、
荷役車両。
【請求項7】
車体の側面に突設された突設部を備え、
前記受電端子は、前記突設部の下面に配置される、
請求項6に記載の荷役車両。
【請求項8】
バッテリと、前記バッテリを充電するための受電端子と、を備える荷役車両と、
前記荷役車両の前記受電端子と接触する送電端子を備え、前記荷役車両のバッテリを充電する充電装置と、
を備え、
前記送電端子と前記受電端子とは、互いの接触部が上下に接触する、
を備える充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置、荷役車両及び充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の充電システムでは、無人搬送車の受電端子と充電装置の送電端子とが、車両左右方向に接触した状態で、無人搬送車のバッテリを充電している。充電装置の送電端子は、車両左右方向の相互の位置ずれを吸収できるように、車両左右方向に移動可能に弾性支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-274515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、荷役車両(無人搬送車)と充電装置との上下方向の位置ずれを吸収することができない。フォークリフト等の荷役車両では、タイヤの摩耗や路面の凹凸の影響等により、比較的に大きな上下方向の位置ずれが生じ得る。この位置ずれを好適に吸収できないと、端子が適正に接触しない、端子(電極)を破損させる等の不具合が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、好適にバッテリの充電を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る充電装置は、
荷役車両の受電端子と接触する送電端子を備え、前記荷役車両のバッテリを充電する充電装置であって、
前記送電端子は、前記受電端子と接触する接触部を上面又は下面に有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、好適にバッテリの充電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る荷役システムが備える荷役車両及び充電ステーションを示す図である。
図2】実施形態に係る荷役システムの概略の制御構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る充電ステーションの斜視図である。
図4】実施形態に係る荷役車両の充電端子ユニットの斜視図である。
図5】バッテリ充電時の荷役車両及び充電ステーションの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
[荷役システムの全体構成]
図1は、本実施形態に係る荷役システム1が備える荷役車両20及び充電ステーション40を示す図であり、図2は、荷役システム1の概略の制御構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、荷役システム1は、少なくとも1台の荷役車両20と、充電ステーション40とを備える。荷役システム1では、荷役車両20による所定の作業エリアでの荷役作業と、充電ステーション40での荷役車両20の充電が行われる。荷役システム1は本発明に係る充電システムの一例に相当し、充電ステーション40は本発明に係る充電装置の一例に相当する。
【0011】
[充電ステーションの構成]
充電ステーション40は、所定の位置に設置され、荷役車両20のバッテリ28を充電する。充電ステーション40は、バッテリ28の充電電力を伝送する電力ラインL41を含む。
電力ラインL41は、後述する電極ユニット42の第1充電端子46及び第2充電端子47と、外部の充電器PEとを接続する。
【0012】
図3は、充電ステーション40の斜視図である。
この図に示すように、充電ステーション40は、右側面が開口した筐体41と、筐体41の当該開口を覆う電極ユニット42とを備える。
以下、充電ステーション40の構成の説明において、「前後左右上下」の各方向は、当該充電ステーション40に接続される荷役車両20における各方向をいうものとする。
【0013】
筐体41は、上下方向に長尺な直方体状に形成され、充電ステーション40の各部を収容する。
なお、筐体41には、ユーザの操作を受け付ける操作部や、充電状態等の各種情報を表示する表示部等が設けられていてもよい。
【0014】
電極ユニット42は、バッテリ28の充電時に荷役車両20に接続される、いわば接続端子ユニットである。
電極ユニット42は、上下に長尺な方形板状の基台43を備える。
【0015】
基台43は、所定の高さ範囲で上下に移動可能なように筐体41に支持されている。より詳しくは、基台43は、外力が作用しない常態では所定の基準高さに位置し、上方への外力が作用したときには筐体41にガイドされて上方へ移動し、当該外力が作用しなくなったときには自重で基準高さに復帰するように、筐体41に例えば弾性支持されている。
また、基台43は、常態で位置する基準高さ(すなわち上下方向に移動可能な位置)を調整(変更)可能なように筐体41に支持されている。
【0016】
基台43の右側の主面には、位置決めローラ44、制御端子45、第1充電端子46、第2充電端子47が、上側からこの順に設けられている。これらは、前後方向の中心をほぼ一致させて配列されている。ただし、これらの配置は特に限定されず、例えば位置決めローラ44が複数あってもよいし、前後方向の中心が一致していなくてもよい。
【0017】
位置決めローラ44は、左右方向に沿った中心軸を有する短円柱状の部材であり、中心軸回りに回動可能なように基台43に支持されている。位置決めローラ44は、バッテリ28の充電時に、後述する荷役車両20の上側突設部32(図4参照)と前後方向に接触して電極ユニット42(基台43)を上下方向に移動させる。これにより、荷役車両20の充電端子ユニット30に対する電極ユニット42の相対的な高さ位置が一定に保持される。位置決めローラ44は、本発明に係る被案内部の一例である。
【0018】
制御端子45は、後述する荷役車両20の制御用電極32aと接触し、荷役車両20との間でCAN(Controller Area Network)通信を含む各種通信を行う。制御端子45は、正負の極性が互いに異なる2つの制御用電極45aを有する。
2つの制御用電極45aは、基台43の主面に立設された端子台451の上面に、前後に並設されている。2つの制御用電極45aは、後述する荷役車両20の2つの制御用電極32aと上下に嵌合して接触する。
各制御用電極45aは、前後方向の長さと左右方向の長さとのいずれもが、第1充電端子46の第1充電電極46a及び第2充電端子47の第2充電電極47aのいずれよりも短い。これにより、制御端子45は、第1充電電極46a及び第2充電端子47よりも、荷役車両20の位置ずれに対する許容度を小さくしている。
【0019】
第1充電端子46及び第2充電端子47の各々は、正負の極性が互いに異なる充電端子(送電端子)である。
第1充電端子46は、後述する荷役車両20の第1受電電極33aと接触する第1充電電極46a(接触部)を有する。第1充電電極46aは、基台43の主面に立設された端子台461の上面に設けられている。第1充電電極46aは、荷役車両20の第1受電電極33aと上下に嵌合する。
第2充電端子47は、後述する荷役車両20の第2受電電極34aと接触する第2充電電極47a(接触部)を有する。第2充電電極47aは、基台43の主面に立設された端子台471の上面に設けられている。第2充電電極47aは、荷役車両20の第2受電電極34aと上下に嵌合する。
【0020】
[荷役車両の構成]
図1に示すように、荷役車両20は、荷の搬送、荷の昇降及び荷の受渡し等が可能な車両であり、例えば軌条等を用いずに路上を走行できるフォークリフト等である。本実施形態の荷役車両20は、特に限定はされないが、無人(自動)で動作可能な無人搬送フォークリフト(AGF:Automated Guided Forklift)である。荷役車両20は、図示しない管理サーバからの動作指令等に基づいて所定の荷役作業を行う。
具体的に、荷役車両20は、車体11、フォーク12、マスト14、車輪15を備える。マスト14は車体11の前方に設けられ、図示しない駆動源によって駆動されて車体11の前後に傾斜する。マスト14には、荷やパレット等を保持する左右一対のフォーク12が保持される。フォーク12は、図示しない駆動源によって駆動されてマスト14に沿って昇降する。
【0021】
図2に示すように、荷役車両20は、上記構成に加え、駆動部21、制御部27、バッテリ28を備える。
駆動部21は、荷役車両20の各種駆動源である走行モータ、操舵モータ及び荷役モータ(いずれも図示省略)を含む。走行モータは、車輪15のうちの駆動輪を駆動する。操舵モータは、車輪15のうちの操舵輪を回転(操舵動作)させる。荷役モータは、フォーク12に昇降や傾倒等の各動作を行わせる。
制御部27は、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成され、荷役車両20各部の動作を制御する。また、制御部27は、各種データやプログラムを記憶する記憶部を含んでもよい。
【0022】
バッテリ28は、車体11に内蔵され、荷役車両20の各部に電力を供給する。
バッテリ28は、充電時には充電端子ユニット30を介して充電ステーション40に接続され、この状態で充電ステーション40により充電される。本実施形態の充電端子ユニット30は、荷役車両20の車体11のうち左側面の後部に配置されている(図1参照)。
【0023】
[充電端子ユニットの構成]
図4は、充電端子ユニット30の斜視図である。
以下、充電端子ユニット30の構成の説明において、「前後左右」の各方向は、特に断りのない限り、荷役車両20における各方向を意味するものとする。図4における「前後左右」の各方向の記載も同様とする。
【0024】
図4に示すように、充電端子ユニット30は、充電時に充電ステーション40の電極ユニット42に嵌合(装着)される。具体的に、充電端子ユニット30は、車体11の左側面に突設された3つの突設部31を有する。3つの突設部31は、電極ユニット42の制御端子45、第1充電端子46及び第2充電端子47に対応し、所定の間隔を空けて上下方向に並設されている。各突設部31は、車両前後方向に長尺なブロック状に形成されている。
【0025】
3つの突設部31のうち、最も上側に配置された上側突設部32は、電極ユニット42の制御端子45に対応する。
上側突設部32の下面32bには、制御端子45の2つの制御用電極45aに対応する2つの制御用電極32aが前後に並設されている。2つの制御用電極32aは、正負の極性が互いに異なる電極であり、充電ステーション40の2つの制御用電極45aと上下に嵌合して接触する。2つの制御用電極32aは、制御部27と接続されている(図2参照)。
【0026】
上側突設部32の上面32cは、充電ステーション40の電極ユニット42の高さを決める位置決め面となっている。上面32cは、バッテリ28の充電時に充電ステーション40の位置決めローラ44を支持することで、充電ステーション40の電極ユニット42と充電端子ユニット30との相対的な高さ位置を一定に保つ。より詳しくは、上面32cは、制御用電極32a、第1受電電極33a及び第2受電電極34aに対する相対的な高さ位置が、充電ステーション40の電極ユニット42において、制御用電極45a、第1充電電極46a及び第2充電電極47aに対する位置決めローラ44(の下端)の相対的な高さ位置と対応している。
【0027】
上側突設部32のうち、上面32cと前後両側面を繋ぐ角部は、前後方向の外側に向かうに連れて次第に下方に位置するテーパ面32dとなっている。テーパ面32dは、充電ステーション40の位置決めローラ44を案内するガイド面である。テーパ面32dは、充電ステーション40の電極ユニット42を充電端子ユニット30に嵌合させるときに、充電ステーション40の位置決めローラ44と好適に接触して電極ユニット42を上方へ移動させるように、所定の形状(傾斜角、高さ等)に形成されている。
【0028】
3つの突設部31のうち、真ん中の高さに配置された中段突設部33は、電極ユニット42の第1充電端子46に対応する、いわば受電端子(端子台)である。
中段突設部33の下面33bには、第1充電端子46の第1充電電極46aに対応する第1受電電極33aが設けられている。第1受電電極33aは、第1充電端子46の第1充電電極46aと上下に嵌合して接触する接触部である。
【0029】
3つの突設部31のうち、最も下側に配置された下側突設部34は、電極ユニット42の第2充電端子47に対応する、いわば受電端子(端子台)である。
下側突設部34の下面34bには、第2充電端子47の第2充電電極47aに対応する第2受電電極34aが設けられている。第2受電電極34aは、第2充電端子47の第2充電電極47aと上下に嵌合して接触する接触部である。
第1受電電極33a及び第2受電電極34aは、正負の極性が互いに異なる電極であり、外部から供給される電力によりバッテリ28を充電可能なように当該バッテリ28と接続されている。
【0030】
[バッテリ充電時の動作]
続いて、荷役車両20のバッテリ28を充電するときの荷役車両20及び充電ステーション40の動作について説明する。
図5は、バッテリ28を充電するときの荷役車両20及び充電ステーション40の動作を説明するための図である。
なお、以下の説明において、「前後左右」の各方向は、特に断りのない限り、荷役車両20における各方向を意味するものとする。
【0031】
図5(a)に示すように、バッテリ28の充電時には、まず荷役車両20の制御部27は、充電ステーション40の前方から後方向きに、荷役車両20を充電ステーション40に接近させる(図1参照)。より詳しくは、制御部27は、充電端子ユニット30と充電ステーション40の電極ユニット42との車両左右方向の位置を略一致させた状態で、充電ステーション40の前方から後方向きに、荷役車両20を充電ステーション40に接近させる。
【0032】
すると、図5(b)に示すように、まず、充電端子ユニット30の上側突設部32のテーパ面32dが、電極ユニット42の位置決めローラ44の下半部に後方向きに接触する。そして、さらに荷役車両20が後退するに伴って、位置決めローラ44がテーパ面32dに倣って回転しつつ上方に押し上げられて、上側突設部32の上面32cに乗り上げる。このとき、位置決めローラ44は、電極ユニット42ごと上下方向に移動する。
これにより、電極ユニット42が充電端子ユニット30に対して所定の高さまで上方に移動する。すなわち、電極ユニット42の制御端子45、第1充電端子46及び第2充電端子47と、充電端子ユニット30の上側突設部32、中段突設部33及び下側突設部34とが、互いに好適に嵌合可能な相対高さに位置する。
【0033】
その後、荷役車両20がさらに後退すると、位置決めローラ44が上側突設部32の上面32c上を回転することで、充電端子ユニット30と電極ユニット42とは相対高さを保持したまま車両前後方向に次第に重なっていく。
そして、図5(c)に示すように、充電端子ユニット30と電極ユニット42とが互いの車両前後方向の位置を略一致させると、互いの各電極(接触部)が嵌合して接触する。具体的には、電極ユニット42の2つの制御用電極45aと充電端子ユニット30の2つの制御用電極32a、電極ユニット42の第1充電電極46aと充電端子ユニット30の第1受電電極33a、電極ユニット42の第2充電電極47aと充電端子ユニット30の第2受電電極34aが、互いに接触する。
【0034】
ここで、電極ユニット42において、各制御用電極45aは、車両前後方向及び車両左右方向の大きさが、第1充電電極46a及び第2充電電極47aのいずれよりも小さい。充電端子ユニット30においても同様に、各制御用電極32aは、車両前後方向及び車両左右方向の大きさが、第1受電電極33a及び第2受電電極34aのいずれよりも小さい。
そのため、制御用電極45aと制御用電極32aを、第1充電電極46a及び第2充電電極47aと第1受電電極33a及び第2受電電極34aよりも、位置ずれに対する許容度を小さくできる。これにより、制御用電極が適正に接触していない(通信が確立できていない)場合には充電を開始しないインターロック機能を働かせることができる。
【0035】
こうして、充電ステーション40の電極ユニット42と荷役車両20の充電端子ユニット30とが嵌合する。そして、電極ユニット42の2つの制御用電極45aと充電端子ユニット30の2つの制御用電極32aとが接触して、充電ステーション40と荷役車両20の間で通信が正しく確立されたことにより、バッテリ28の充電が開始される。
【0036】
バッテリ28の充電が完了すると、充電器PEから荷役車両20への電力供給が終了する。
その後、荷役車両20の制御部27は、荷役車両20を車両前方へ移動させ、充電端子ユニット30と充電ステーション40の電極ユニット42との嵌合を解除する。充電ステーション40の電極ユニット42は、位置決めローラ44の支持が解除されることにより、常態での基準高さまで復帰(降下)する。
【0037】
なお、電極ユニット42の基準高さは、充電端子ユニット30のテーパ面32dが位置決めローラ44の下半部に好適に接触するように、予め調整しておくのが好ましい。このレベリング調整は、例えば荷役車両20の車輪15の摩耗度合い等に基づいて行われる。フォークリフトの車輪の目減りは比較的に大きいため、このレベリング調整は定期的に実施されるのが望ましい。
【0038】
[本実施形態の技術的効果]
以上のように、本実施形態によれば、充電ステーション40の送電端子(第1充電端子46、第2充電端子47)、又は、荷役車両20の受電端子(中段突設部33、下側突設部34)が、互いに接触する接触部を、上面又は下面に有している。
これにより、荷役車両20と充電ステーション40との上下方向の位置ずれを吸収することができる。ひいては、荷役車両20のバッテリ28の充電を好適に行うことができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、充電ステーション40の送電端子が、上下方向に移動可能な基台43に配置されている。
そのため、基台43が上下方向に移動することで、荷役車両20と充電ステーション40との上下方向の位置ずれを吸収することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、充電ステーション40の基台43が、上下方向に移動可能な位置を調整可能に構成されている。
そのため、例えば荷役車両20の車輪15の摩耗等により、荷役車両20の充電端子ユニット30の高さが変わった場合であっても、これに合わせて充電ステーション40の送電端子の高さを調整できる。
【0041】
また、本実施形態によれば、基台43に配置された位置決めローラ44が、荷役車両20と車両前後方向に接触して基台43を上下方向に移動させる。
これにより、基台43を上下方向に好適に移動させて、荷役車両20と充電ステーション40との上下方向の位置ずれを吸収することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、充電ステーション40の制御用電極45aは、車両前後方向及び車両左右方向における長さが、いずれも送電端子の接触部(第1充電電極46a、第2充電電極47a)よりも短い。
これにより、制御用電極が適正に接触していない(荷役車両20との通信が確立できていない)場合に充電を開始しないインターロック機能を働かせることができる。
【0043】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限られない。
例えば、充電ステーション40の送電端子が下面に接触部(電極)を有し、荷役車両20の受電端子が上面に接触部を有していてもよい。ただし、移動体である荷役車両20の端子を、相対的に傷みにくい構成、すなわち上方に露出していない構成とした方がよい。
【0044】
また、荷役車両20における充電端子ユニット30の位置は特に限定されない。例えば、荷役車両20は、バッテリ充電時に車両前側(フォーク12側)から充電ステーション40に進入し、充電後に車両後方向きに退出してもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、充電端子ユニット30の上側突設部32が、下面32bに制御用電極32aを有するとともに、その上面32cが電極ユニット42の高さを決める位置決め面であることとした。しかし、この位置決め面は、制御用電極32aを有する構成とは別体であってもよい。
【0046】
また、電極ユニット42における各端子(制御端子45、第1充電端子46及び第2充電端子47)の前方への突出量、及び、充電端子ユニット30における各突設部31の車両側方への突出量は、荷役車両20と充電ステーション40との想定される車両左右方向の位置ずれに基づいて設定するのが好ましい。
【0047】
また、本発明に係る荷役車両は、無人運転(自動運転)が可能なものに限定されず、有人運転(遠隔操作含む)が可能なもの、有人運転と無人運転を切り替え可能なものを含む。さらに、本発明は、有人運転の荷役車両と無人運転の荷役車両が混在している荷役システムにも適用可能であるし、有人運転のアシスト機能としても利用可能である。
【0048】
また、本発明に係る荷役車両は、バッテリを保持するものであればフォークリフトに限定されず、例えば無人で走行する無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)等を含む。
その他、上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 荷役システム(充電システム)
11 車体
20 荷役車両
27 制御部
28 バッテリ
30 充電端子ユニット
31 突設部
32 上側突設部(制御端子)
32a 制御用電極
32b 下面
32c 上面
32d テーパ面
33 中段突設部(受電端子)
33a 第1受電電極(接触部)
33b 下面
34 下側突設部(受電端子)
34a 第2受電電極(接触部)
34b 下面
40 充電ステーション(充電装置)
42 電極ユニット
43 基台(支持部)
44 位置決めローラ(被案内部)
45 制御端子
45a 制御用電極
46 第1充電端子(送電端子)
46a 第1充電電極(接触部)
47 第2充電端子(送電端子)
47a 第2充電電極(接触部)
図1
図2
図3
図4
図5