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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176687
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】風量制御装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20241212BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20241212BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20241212BHJP
   F24F 13/14 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
F24F13/02 D
F24F13/08 A
F24F13/10 A
F24F13/14 B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095427
(22)【出願日】2023-06-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000150567
【氏名又は名称】株式会社朝日工業社
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】金坂 正美
(72)【発明者】
【氏名】正田 睦生
【テーマコード(参考)】
3L080
3L081
【Fターム(参考)】
3L080AA05
3L080AC01
3L081AA01
3L081AB02
3L081BA00
3L081DA01
3L081FC01
3L081HA09
(57)【要約】
【課題】コンパクトで設置が容易な風量制御装置を提供する。
【解決手段】風量制御装置1は、風量制御ユニット2と、風量制御ユニットを収容するケーシング3と、ケーシングに設けられ、点検口を兼用する制気口4とを備える。風量制御ユニットは、管状のユニットダクト5と、ユニットダクト内を開閉する弁体6と、弁体を駆動するアクチュエータ7と、ユニットダクトにおける弁体の上流側に設けられた風量検出部8と、風量検出部の出力に基づいてアクチュエータを制御するように構成されたコントローラ9とを備える。ユニットダクトの一端部は、ケーシングの外部に配置された配管103に接続されるよう構成され、ユニットダクトの他端部はケーシング内に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風量制御ユニットであって、
管状のユニットダクトと、
前記ユニットダクト内を開閉する弁体と、
前記弁体を駆動するアクチュエータと、
前記ユニットダクトにおける前記弁体の上流側に設けられた風量検出部と、
前記風量検出部の出力に基づいて前記アクチュエータを制御するように構成されたコントローラと、
を備えた風量制御ユニットと、
前記風量制御ユニットを収容するケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、点検口を兼用する制気口と、
を備え、
前記ユニットダクトの一端部は、前記ケーシングの外部に配置された配管に接続されるよう構成され、前記ユニットダクトの他端部は前記ケーシング内に配置される
ことを特徴とする風量制御装置。
【請求項2】
前記ユニットダクト内において前記風量検出部の上流側に設けられた第1整流部材を備える
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項3】
前記ユニットダクト内において前記弁体の下流側に設けられた第2整流部材を備える
請求項2に記載の風量制御装置。
【請求項4】
前記ユニットダクト内において前記風量検出部の下流側かつ前記弁体の上流側に設けられた第2整流部材を備える
請求項2に記載の風量制御装置。
【請求項5】
前記ユニットダクトの一端部は上流側に配置され、前記ユニットダクトの他端部は下流側に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項6】
前記ユニットダクトの一端部は下流側に配置され、前記ユニットダクトの他端部は上流側に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項7】
前記ユニットダクトは、
前記弁体、前記アクチュエータおよび前記風量検出部が設けられたメインダクトと、
前記メインダクトの上流側に接続された第1延長ダクトと、
を備える
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項8】
前記ユニットダクトは、前記メインダクトの下流側に接続された第2延長ダクトを備える
請求項7に記載の風量制御装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記ユニットダクトに取り付けられる
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項10】
前記制気口に開閉可能に取り付けられた制気口グリルを備える
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項11】
室内における内装天井壁と駆体天井壁の間に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は風量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば1台の空気調和機によって温度等が調節された空気を複数の給気口から室内に供給する際に、各給気口から供給される空気の風量を給気口毎に調節する風量制御ユニットが公知である。この風量制御ユニットは、一般にVAV(Variable Air Volume)またはCAV(Constant Air Volume)と称される。VAVは、予め設定された室内条件に合うようにユニットダクト内の弁体の開度を変化させ、風量を変化させる。CAVは、予め設定された一定の風量を吹き出すようにユニットダクト内の弁体の開度を変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3-39858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、こうした風量制御ユニットでは、ユニットダクトに設けられた風量検出部において、ユニットダクト内を通過する実際の風量を検出し、この実際の風量が目標値に近づくように弁体の開度を制御する。そして風量検出部において風量を精度良く検出するため、風量制御ユニットの上流側および下流側には、所定長さ以上の直管を設ける必要がある。
【0005】
このため、風量制御ユニットと直管の組み合わせが比較的大きいものとなり、比較的狭い場所(例えば天井裏)において設置が困難となることがある。
【0006】
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、コンパクトで設置が容易な風量制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の態様によれば、
風量制御ユニットであって、
管状のユニットダクトと、
前記ユニットダクト内を開閉する弁体と、
前記弁体を駆動するアクチュエータと、
前記ユニットダクトにおける前記弁体の上流側に設けられた風量検出部と、
前記風量検出部の出力に基づいて前記アクチュエータを制御するように構成されたコントローラと、
を備えた風量制御ユニットと、
前記風量制御ユニットを収容するケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、点検口を兼用する制気口と、
を備え、
前記ユニットダクトの一端部は、前記ケーシングの外部に配置された配管に接続されるよう構成され、前記ユニットダクトの他端部は前記ケーシング内に配置される
ことを特徴とする風量制御装置が提供される。
【0008】
好ましくは、前記風量制御装置は、前記ユニットダクト内において前記風量検出部の上流側に設けられた第1整流部材を備える。
【0009】
好ましくは、前記風量制御装置は、前記ユニットダクト内において前記弁体の下流側に設けられた第2整流部材を備える。
【0010】
好ましくは、前記風量制御装置は、前記ユニットダクト内において前記風量検出部の下流側かつ前記弁体の上流側に設けられた第2整流部材を備える。
【0011】
好ましくは、前記ユニットダクトの一端部は上流側に配置され、前記ユニットダクトの他端部は下流側に配置される。
【0012】
好ましくは、前記ユニットダクトの一端部は下流側に配置され、前記ユニットダクトの他端部は上流側に配置される。
【0013】
好ましくは、前記ユニットダクトは、
前記弁体、前記アクチュエータおよび前記風量検出部が設けられたメインダクトと、
前記メインダクトの上流側に接続された第1延長ダクトと、
を備える。
【0014】
好ましくは、前記ユニットダクトは、前記メインダクトの下流側に接続された第2延長ダクトを備える。
【0015】
好ましくは、前記コントローラは、前記ユニットダクトに取り付けられる。
【0016】
好ましくは、前記風量制御装置は、前記制気口に開閉可能に取り付けられた制気口グリルを備える。
【0017】
好ましくは、前記風量制御装置は、室内における内装天井壁と駆体天井壁の間に配置される。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、コンパクトで設置が容易な風量制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】集中型空調システムを示す概略図である。
図2】第1実施形態の風量制御装置を示す概略縦断側面図で、図3のII-II断面図である。
図3】第1実施形態の風量制御装置を示す概略縦断正面図で、図2のIII-III断面図である。
図4】風量制御ユニットを単体で示す側面図である。
図5】風量制御ユニットを単体で示す正面図である。
図6図2のVI部詳細概略断面図である。
図7図2のVII部詳細概略断面図である。
図8】比較例を示す概略図である。
図9】第2実施形態の風量制御装置を示す概略縦断側面図である。
図10】第3実施形態の風量制御装置を示す概略縦断側面図である。
図11】第4実施形態の風量制御装置を示す概略縦断側面図である。
図12】第5実施形態の風量制御装置における風量制御ユニットを示す側面図である。
図13】応用例を示す概略縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
【0021】
[第1実施形態]
図1に、本実施形態の風量制御装置が適用される集中型空調システムを示す。建物の内部もしくは室内には機械室Kと複数の部屋RA~RC(総じて符号Rで表す)があり、機械室Kと各部屋RA~RCとは隔壁WA~WC(総じて符号Wで表す)で仕切られている。機械室Kと各部屋RA~RCには内装をなす天井壁すなわち内装天井壁CK、CA~CC(総じて符号Cで表す)があり、内装天井壁CK、CA~CCは、建物の駆体をなす天井壁すなわち駆体天井壁CZより所定距離下方に位置される。内装天井壁CK、CA~CCと駆体天井壁CZの間の空間が天井裏Tである。機械室Kと各部屋RA~RCの天井裏Tは繋がっている。
【0022】
機械室Kには、各部屋RA~RCを一括して空調するための空気調和機101が設置されている。この空気調和機101からは主管102が延びており、主管102は、機械室Kから天井裏Tに入って、各部屋RA~RCを横断するように天井裏T内を水平方向に延びている。
【0023】
一方、各部屋RA~RCの天井裏Tには、各部屋RA~RCに対応した本実施形態の風量制御装置1A~1C(総じて符号1で表す)が設置され、各風量制御装置1A~1Cと主管102とは、主管102から分岐された分岐管103A~103C(総じて符号103で表す)により接続されている。
【0024】
空気調和機101によって温度等が調節された空気(空調空気という)Aは、主管102、各分岐管103A~103Cを通って各風量制御装置1A~1Cに送られる。そして各風量制御装置1A~1Cによって風量が制御された後、各部屋RA~RCに供給すなわち給気される。
【0025】
特定の部屋に供給される風量の変化によって主管102内の圧力が変化し、他の部屋に供給される風量が変化することがある。そのため、こうした主管102内の圧力変化に拘わらず各部屋に所望の風量を安定的に供給できるよう、部屋毎に風量制御装置1A~1Cが設置されている。
【0026】
なお、ここでは複数の部屋の風量を個別に制御するため部屋毎に風量制御装置を設置するが、代替的に、一つの部屋における複数箇所の風量を個別に制御するため箇所毎に風量制御装置を設置してもよい。
【0027】
図2および図3には、本実施形態の風量制御装置を示す。ここでは一例として部屋RAに対応した風量制御装置1Aを説明するが、他の部屋の場合でも同様である。以下、符号として総括符号1,R等を用いる。また説明の便宜上、前後左右上下の各方向を図示の通り定める。
【0028】
風量制御装置1は、風量制御ユニット2と、風量制御ユニット2を収容するケーシング3と、ケーシング3に設けられ、点検口を兼用する制気口4とを備える。風量制御ユニット2は、管状のユニットダクト5と、ユニットダクト5内を開閉する弁体6と、弁体6を駆動するアクチュエータ7と、ユニットダクト5における弁体6の上流側(後側)に設けられた風量検出部8と、コントローラ9とを備える。コントローラ9は、ユニットダクト5に取り付けられ、風量検出部8の出力に基づいてアクチュエータ7を制御するように構成されている。
【0029】
ユニットダクト5の一端部(本実施形態では上流側端部、入口側端部もしくは後側端部)は、ケーシング3の外部に配置された配管すなわち分岐管103に接続されるよう構成され、ユニットダクト5の他端部(本実施形態では下流側端部、出口側端部もしくは前側端部)はケーシング3内に配置される。
【0030】
また、本実施形態の風量制御装置1は、ユニットダクト5内において風量検出部8の上流側(後側)に設けられた第1整流部材10と、ユニットダクト5内において弁体6の下流側(前側)に設けられた第2整流部材11とを備える。
【0031】
ユニットダクト5は、メインダクト12と、メインダクト12の上流側に接続された第1延長ダクト13と、メインダクト12の下流側に接続された第2延長ダクト14とを備える。第1延長ダクト13はユニットダクト5の実質的な入口部をなし、第2延長ダクト14はユニットダクト5の実質的な出口部をなす。メインダクト12に弁体6、アクチュエータ7、風量検出部8およびコントローラ9が設けられている。第1延長ダクト13内に第1整流部材10が配置され、第2延長ダクト14内に第2整流部材11が配置されている。
【0032】
また、本実施形態の風量制御装置1は、制気口4に開閉可能に取り付けられた制気口グリル15を備える。
【0033】
図4および図5には、風量制御ユニット2を単体で示す。なお図にはユニットダクト5のうちメインダクト12のみを示し、第1延長ダクト13および第2延長ダクト14は省略されている。この風量制御ユニット2は、一般的なVAV(Variable Air Volume)またはCAV(Constant Air Volume)とほぼ同様に構成されている。VAVとCAVは制御方法が異なるのみで、機械的構成は同じである。そのため風量制御ユニット2はVAVとしてもCAVとしても使用可能であるが、本実施形態ではVAVとして使用する。
【0034】
メインダクト12は、中心軸Oの軸方向に沿って延び両端が開放された断面円形の直管であり、金属板(具体的には鋼板)により作製されている。メインダクト12の軸方向は前後方向に平行である。メインダクト12の後側端部および前側端部における外周部には、第1延長ダクト13および第2延長ダクト14がそれぞれ嵌合されたときに、それらを軸方向に位置決めするための外周突起16,17が設けられている。
【0035】
以下、特に断らない限り、メインダクト12の中心軸Oを基準とした軸方向、周方向、半径方向および直径方向を単に軸方向、周方向、半径方向および直径方向という。
【0036】
弁体6は、メインダクト12の前側部分に設けられ、バタフライ弁の形態を有する。弁体6は、メインダクト12内に配置されメインダクト12内を実質的に開閉する弁羽根18,19と、メインダクト12内に配置され弁羽根18,19の基端部が取り付けられた弁軸20と、メインダクト12に取り付けられ弁軸20の両端を回転可能に支持する軸受部21,22とを備える。
【0037】
2枚の弁羽根18,19はそれぞれ半円形であり、弁軸20に取り付けられたときに全体として円形となり、メインダクト12内を全閉可能となる。弁軸20が回転されたときに弁羽根18,19も弁軸20回りに回転し、メインダクト12内を開閉する。弁羽根18,19は全開位置P1と全閉位置P2との間で所定角度(具体的には90°)作動可能である。全開位置P1のとき弁羽根18,19は前後方向に平行であり、全閉位置P2のとき弁羽根18,19は上下方向に平行である。
【0038】
弁軸20は、外周突起17より後方の位置でメインダクト12の直径方向に延び、水平方向、具体的には左右方向に延びている。弁軸20の両端部はメインダクト12から突出される。これら突出部が軸受部21,22によって回転可能に支持される。軸受部21,22は、弁軸20の両端部を回転可能に支持する機能と、弁軸20の突出箇所から空気が漏れないよう突出箇所をシールする機能とを有する。
【0039】
アクチュエータ7は、電気モータにより構成され、左側に突出された弁軸20の端部を回転駆動する。従ってアクチュエータ7は、メインダクト12の左側の側面部に取り付けられている。
【0040】
コントローラ9は、概ね扁平な直方体形状を有し、ブラケット23を介してメインダクト12の下面部に吊り下げ支持されている。詳しくは後述するが、メインダクト12に第1延長ダクト13と第2延長ダクト14を接続するときに接続作業が容易となるよう、コントローラ9は、メインダクト12の軸方向における外周突起16,17の間の位置に配置される。つまりコントローラ9は、メインダクト12の軸方向において、外周突起16より後方に位置されず、外周突起17より前方に位置されない。
【0041】
風量検出部8は、メインダクト12の後側部分に設けられ、外周突起16より前方の位置に設けられる。風量検出部8は、差圧方式でメインダクト12内の風量を検出するように構成されている。風量検出部8は、メインダクト12の内周面全周に突出して設けられたオリフィス24と、オリフィス24の上流側(後側)に設けられた第1圧力センサ25と、オリフィス24の下流側(前側)に設けられた第2圧力センサ26とを有する。
【0042】
検出位置に応じた検出値のばらつきを抑制するため、第1圧力センサ25は、同一の軸方向位置における異なる周方向位置に複数(本実施形態では2つ)設けられる。第2圧力センサ26も同様であり、第2圧力センサ26は第1圧力センサ25と同じ周方向位置に設けられる。
【0043】
本実施形態では、図5に示すように、メインダクト12の中心軸Oから左側に向かって水平に延びる半径r0を基準として、上方に向かって所定角度α(本実施形態では45°)の位置に1つめの第1圧力センサ25および第2圧力センサ26が設けられ、下方に向かって所定角度αの位置に2つめの第1圧力センサ25および第2圧力センサ26が設けられる。つまり、本実施形態の1つめおよび2つめの第1圧力センサ25および第2圧力センサ26は、メインダクト12の中心軸Oまたは半径r0の上下位置を境に上下対称に配置される。
【0044】
但し、第1圧力センサ25と第2圧力センサ26の数、位置等は任意に変更でき、必ずしも上下対称に配置されなくてもよい。
【0045】
アクチュエータ7と、第1圧力センサ25および第2圧力センサ26とは、図示しない電線を介してコントローラ9に電気的に接続されている。コントローラ9には、使用者によって設定された目標風量が予め入力され、記憶されている。
【0046】
一方、コントローラ9は、第1圧力センサ25および第2圧力センサ26によりそれぞれ検出された第1圧力(上流側圧力)および第2圧力(下流側圧力)に基づき、メインダクト12内を流れる実際の風量を計算する。具体的には、コントローラ9は、第1圧力および第2圧力の差圧を計算し、この差圧に基づいて風速を計算し、この風速に基づいて実際の風量を計算する。
【0047】
コントローラ9は、実際の風量が目標風量に近づくよう、アクチュエータ7を制御(具体的にはフィードバック制御)し、弁体6の開度を制御する。例えば、実際の風量が目標風量より少なければ弁体6の開度を増大し、実際の風量が目標風量より多ければ弁体6の開度を減少する。
【0048】
これにより、主管102内の圧力変化により風量制御ユニット2の入口圧が変化しても、目標風量に近い実際の風量を安定的に吹き出し続けることができる。
【0049】
図6図2のVI部詳細概略断面図を示す。図2および図6を参照して、第1延長ダクト13は、メインダクト12と同様、前後方向に延び両端が開放された断面円形の直管であり、金属板(具体的には鋼板)により作製されている。第1延長ダクト13は、メインダクト12の外径より僅かに大きい内径を有し、メインダクト12より短い長さを有する。
【0050】
第1延長ダクト13は、メインダクト12の後端部の半径方向外側に、後方から、最小限の隙間を以て嵌合される。このとき第1延長ダクト13は、メインダクト12の外周突起16に突き当てられ、軸方向に位置決めされる。
【0051】
その後、第1延長ダクト13とメインダクト12は、固定部材であるテープ27により互いに固定される。テープ27は、第1延長ダクト13とメインダクト12の両者に跨がって接着される。特に、第1延長ダクト13の前端部と、その直前にある外周突起16およびメインダクト12との両者に跨がり、かつ、第1延長ダクト13およびメインダクト12の全周に亘って少なくとも1周するように、テープ27が接着される。これにより、第1延長ダクト13とメインダクト12の継ぎ目をシールし、継ぎ目における空気漏れを確実に防止することができる。
【0052】
第1延長ダクト13内に、第1整流部材10が嵌合される。第1整流部材10は概して、第1延長ダクト13の内径より僅かに小さい外径を有する円盤状に形成される。第1整流部材10は、メインダクト12と等しい外径を有する。また第1整流部材10の長さは、本実施形態では、外周突起16から後端28までの間のメインダクト12の長さと略等しくされている。
【0053】
第1整流部材10は、メインダクト12の入口側でメインダクト12内に流入する空気を軸方向と平行になるように整流する。そのため第1整流部材10は、軸方向から見たときに多数の小流路29に仕切られる。
【0054】
本実施形態の場合、軸方向から見たときの小流路29の形状は正六角形、すなわちハニカム形状である。これにより流路面積と剛性のバランスを最適化できる。もっとも、小流路29の形状は正六角形に限らず、任意であり、例えば四角形であってもよい。また、一般的な段ボールの断面に見られるような三角形状としてもよい。
【0055】
第1整流部材10は、第1延長ダクト13の半径方向内側に、後方から、最小限の隙間を以て嵌合される。このとき第1整流部材10は、メインダクト12の後端28に突き当てられ、軸方向前方への移動を規制される。
【0056】
第1延長ダクト13は、ケーシング3の後面部42に設けられたダクト穴30に挿通される。ダクト穴30の直後に位置する第1延長ダクト13の外周面には、周方向に等間隔で複数の金具(具体的にはL字金具)31が溶接等により固定されている。金具31は、メインダクト12の後面部42にネジ32により固定される。こうして第1延長ダクト13がケーシング3に固定される。なお、ダクト穴30と第1延長ダクト13の隙間は図示しないシール材でシールされる。
【0057】
第1延長ダクト13内に、前述の分岐管103(図1参照)の下流側端部すなわち前端部が嵌合される。分岐管103は、第1延長ダクト13の内径より僅かに小さい外径を有する断面円形の管もしくはダクトとされる。
【0058】
分岐管103の前端部における外周部には、自身が第1延長ダクト13に嵌合されたときに、自身を軸方向に位置決めするための外周突起104が設けられている。分岐管103は、第1延長ダクト13の半径方向内側に、後方から、最小限の隙間を以て嵌合される。このとき、第1延長ダクト13の後端33が、外周突起104に突き当たり、分岐管103が軸方向に位置決めされる。
【0059】
第1延長ダクト13の後端33が外周突起104に突き当たるのと同時に、分岐管103の前端105が、第1整流部材10に当接し(突き当たり)、または近接する。これにより第1整流部材10は、メインダクト12の後端28と分岐管103の前端105とに挟まれた格好となり、軸方向前方および後方への移動を規制される。これにより、第1延長ダクト13内での第1整流部材10の軸方向の位置ずれを好適に防止することができる。
【0060】
その後、第1延長ダクト13と分岐管103は、テープ34により互いに固定される。テープ34は、第1延長ダクト13と分岐管103の両者に跨がって接着される。特に、第1延長ダクト13の後端部と、その直後にある外周突起104および分岐管103との両者に跨がり、かつ、第1延長ダクト13および分岐管103の全周に亘って少なくとも1周するように、テープ34が接着される。これにより、第1延長ダクト13と分岐管103の継ぎ目をシールし、継ぎ目における空気漏れを確実に防止することができる。
【0061】
図7図2のVII部詳細概略断面図を示す。図2および図7を参照して、第2延長ダクト14は、メインダクト12と同様、前後方向に延び両端が開放された断面円形の直管であり、金属板(具体的には鋼板)により作製されている。第2延長ダクト14は、メインダクト12の外径より僅かに大きい内径を有し、メインダクト12より短い長さを有する。
【0062】
第2延長ダクト14は、メインダクト12の前端部の半径方向外側に、前方から、最小限の隙間を以て嵌合される。このとき第2延長ダクト14は、メインダクト12の外周突起17に突き当てられ、軸方向に位置決めされる。
【0063】
その後、第2延長ダクト14とメインダクト12は、テープ35により互いに固定される。テープ35は、第2延長ダクト14とメインダクト12の両者に跨がって接着される。特に、第2延長ダクト14の後端部と、その直後にある外周突起17およびメインダクト12との両者に跨がり、かつ、第2延長ダクト14およびメインダクト12の全周に亘って少なくとも1周するように、テープ35が接着される。これにより、第2延長ダクト14とメインダクト12の継ぎ目をシールし、継ぎ目における空気漏れを確実に防止することができる。
【0064】
このように、第1延長ダクト13はメインダクト12に外周突起16の位置でテープ27により固定され、第2延長ダクト14はメインダクト12に外周突起17の位置でテープ35により固定される。一方、コントローラ9は、軸方向における外周突起16,17の間の位置に配置されている。よって、下から見たときにコントローラ9が外周突起16,17に重ならず、外周突起16,17の位置へのテープ巻き作業を、コントローラ9に邪魔されることなく容易に行うことができる。テープ巻き以外の固定方法を採用した場合でも同様である。
【0065】
第2延長ダクト14内に、第2整流部材11が嵌合される。第2整流部材11は第1整流部材10と同様の円盤状ハニカム構造であるので、詳細な説明は省略する。第2整流部材11も、軸方向から見たときに正六角形の多数の小流路36を有する。
【0066】
第2整流部材11は、第2延長ダクト14の半径方向内側に、最小限の隙間を以て嵌合される。第2整流部材11は、その前端37が、第2延長ダクト14の前端38と実質的に同一の軸方向位置(つまり、面一)になるように配置される。第2延長ダクト14には、第2整流部材11を前後から挟む前側爪材39と後側爪材40が溶接、ネジ止め等により固定されている。これにより、第2整流部材11は第2延長ダクト14に対して軸方向に位置決めされ、軸方向前方および後方の位置ずれが防止される。本実施形態では、複数の前側爪材39および後側爪材40が、互いに同一の周方向位置に、周方向等間隔で配置されている。
【0067】
本実施形態では、図4に示すように、全開位置P1にあるときの前側の弁羽根18が、メインダクト12の前端41よりも僅かに前方に突出される。この弁羽根18との干渉を避けるため、第2整流部材11は、メインダクト12の前端41よりも前方で、かつ全開位置P1にある前側の弁羽根18よりも前方に配置される。そして、第2整流部材11の軸方向前方への移動は前側爪材39で規制され、軸方向後方への移動は後側爪材40で規制される。
【0068】
一方、前側の弁羽根18が常にメインダクト12の前端41より前方に突出しない場合には、後側爪材40を省略すると共に、第2整流部材11をメインダクト12の前端41に当接または近接させ、メインダクト12の前端41によって第2整流部材11の後方への移動を規制してもよい。
【0069】
図2および図3に示すように、ケーシング3は、概ね四角箱状に形成され、金属板(具体的には鋼板)により作製されている。ケーシング3の後面部42に前述のダクト穴30が形成されている(図6参照)。ケーシング3の前面部43は、第2整流部材11の前端37(もしくは第2延長ダクト14の前端38)よりも所定距離X0前方に位置され、メインダクト12の前端41から吹き出される風の流れを阻害しないようになっている。所定距離X0は好ましくはメインダクト12の外径Dと同等かそれ以上の長さである。但しケーシング3のコンパクト化の観点から所定距離X0はできるだけ短い方が好ましい。
【0070】
本実施形態では、第2延長ダクト14と第2整流部材11が設けられるので、ケーシング3の前面部43はそれらより前方に位置される。
【0071】
第2延長ダクト14は、吊具44によりケーシング3の上面部45から吊り下げて支持される。本実施形態の吊具44は、図3に仮想線で示すように正面視でU字状の金属製バンドであり、第2延長ダクト14の下半部に巻き付いて第2延長ダクト14を持ち上げるようになっている。吊具44の上端部はL字状に折り曲げられ、図示しない締結具(ボルトまたはナット)により上面部45に着脱可能に固定される。作業者が制気口4を通じてケーシング3内から吊具44を着脱できる。従って風量制御ユニット2の取り付け、取り外しを容易に行うことができる。
【0072】
このように、第2延長ダクト14と第1延長ダクト13がケーシング3に取り付けられることにより、風量制御ユニット2は、前後の両端部においてケーシング3に支持される。
【0073】
一方、ケーシング3は複数(本実施形態では4つ)の吊具46により駆体天井壁CZから吊り下げて支持される。
【0074】
風量制御ユニット2は、ケーシング3の前面部43、上面部45、下面部47、左面部48および右面部49から隙間を空けてケーシング3内に配置されている。風量制御ユニット2とケーシング3の前面部43との間の軸方向の間隔と、風量制御ユニット2とケーシング3の下面部47との間の上下方向の間隔とはほぼ同等である。
【0075】
制気口4は、ケーシング3の下面部47に設けられて空調空気の部屋R内への吹き出し口もしくは給気口をなす。本実施形態の制気口4は、ケーシング3の下面部47に取り付けられ上下方向に延びる制気口管50により画成されている。制気口管50は金属板(具体的には鋼板)により作製され、四角形の断面形状を有する。制気口管50の上端はケーシング3の下面部47に取り付けられ、ケーシング3内に連通される。制気口管50の下端は、内装天井壁Cに設けられ制気口管50と同サイズの天井開口51に整列され、部屋R内に連通される。
【0076】
制気口管50ないし制気口4の前後長X2は、ケーシング3の前後長X1より小さい。また制気口管50ないし制気口4の左右幅Y2も、ケーシング3の左右幅Y1より小さい。
【0077】
制気口管50ないし制気口4の左右幅Y2は、ケーシング3の左右幅Y1よりも若干小さいだけである。これに対し、制気口管50ないし制気口4の前後長X2は、ケーシング3の前後長X1よりもより小さくされる。ケーシング3と、制気口管50ないし制気口4との間の前後長の差(X1-X2)は、左右幅の差(Y1-Y2)より大きい。そして制気口管50ないし制気口4は、ケーシング3に対して後方すなわち上流側に向かってオフセットされている。
【0078】
よって、風量制御ユニット2から出た空調空気Aの流れは、図中矢示するように、前面部43に衝突して下方に折れ曲がり、下面部47に衝突して後方に折れ曲がった後、下方に折れ曲がって制気口4を通過し、部屋R内に吹き出されるという流れとなる。
【0079】
制気口グリル15は、制気口4に下方から嵌合されると共に、部屋R内から開閉可能である。本実施形態の制気口グリル15は、制気口管50にヒンジ等(図示せず)で取り付けられ、開閉時に回動される。しかしながらこれに限らず、制気口グリル15は、開閉時に脱着されてもよい。周知のように制気口グリル15には、下方から見てメッシュ状もしくはルーバー状に仕切られた多数の開口が形成される。
【0080】
本実施形態の制気口4は点検口を兼用するので、制気口グリル15を取り外して制気口4を開放することにより、制気口4を通じて風量制御ユニット2にアクセスし、風量制御ユニット2を容易に点検することができる。特に、風量制御ユニット2の真下に、風量制御ユニット2の全体が露出されるような大きな制気口4があるので、点検は非常に容易である。
【0081】
次に、本実施形態の利点を比較例と比較しつつ説明する。
【0082】
図8には、従来装置である比較例の風量制御装置を示す。比較例の風量制御ユニット81は、本実施形態の風量制御ユニット2と類似している。風量制御ユニット81において必要な風量検出精度を確保するため、風量制御ユニット81の上流側と下流側には所定長さ以上の直管82,83を設けなければならない。ここで所定長さとは、風量制御ユニット81のメインダクト直径Daの2倍(2×Da)である。
【0083】
下流側直管83の下流側に、比較的大きな制気口ボックス84が設けられている。制気口ボックス84の出口には制気口グリル85が取り付けられている。一方、風量制御ユニット81の位置にも点検口86が別途設けられている。風量制御ユニット81、直管82,83および制気口ボックス84はそれぞれ複数の吊具87により駆体天井壁CZから吊り下げて支持される。
【0084】
こうした比較例だと、装置全体が大きく、嵩張り、天井裏Tのスペースが狭い場合には設置が困難となることがある。しかも、単位面積当たりの制気口の数が多い場合には、設置がますます困難である。
【0085】
そこで本実施形態の風量制御装置1では、図2に示すように、風量制御ユニット2をケーシング3に収容し、点検口を兼用する制気口4をケーシング3に設けた。これにより、コンパクトで設置が容易な風量制御装置1を提供することができる。特に本実施形態の風量制御装置1では、風量制御ユニット2の上流側と下流側に、メインダクト直径Dの2倍以上といった比較的長い直管は必要ない。よって装置全体を比較例よりも大幅にコンパクト化し、設置を容易にすることができる。また天井裏Tのスペースが狭い場合や、単位面積当たりの制気口の数が多い場合でも、設置を容易に行うことができる。
【0086】
また本実施形態の風量制御装置1は、第1整流部材10を備える。これにより、風量検出部8の上流側において空調空気Aの流れを予め整流してから、風量検出部8に供給できる。そのため、風量検出部8における流れの乱れによる誤検出を抑制もしくは防止し、検出精度を向上できる。
【0087】
また、第1整流部材10によって流れを整流できるので、第1整流部材10の上流側に接続される分岐管103に、ハゼエルボ、エルボ、ベンド、フレキ等の曲がり管を採用できる。このため、天井裏Tの設置スペースをより縮小できる。もっとも分岐管103に、ニップル等の直管を採用することは全く差し支えない。但しその直管は、メインダクト直径Dの2倍以上の長さでなくてもよく、メインダクト直径Dの2倍未満の長さであってもよい。
【0088】
また本実施形態の風量制御装置1は、第2整流部材11を備える。これにより、風量検出部8の下流側においても空調空気Aの流れを整流し、風量検出部8の下流側の流れの影響によって風量検出部8における流れが乱れるのを抑制し、誤検出を一層抑制もしくは防止できる。
【0089】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態を説明する。なお前記第1実施形態と同様の部分には図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。
【0090】
図9に示すように、第2実施形態の風量制御装置1では、第1実施形態の風量制御装置1から、第2整流部材11と第2延長ダクト14が省略されている。
【0091】
例えば上流側の第1整流部材10による整流効果で十分であるならば、本実施形態のように下流側の第2整流部材11を省略できる。そして第2整流部材11を省略することでさらなるコンパクト化や、シンプル化、低コスト化を図れる。
【0092】
[第3実施形態]
図10に示すように、第3実施形態の風量制御装置1では、第1実施形態の風量制御装置1と比べ、上流側と下流側が逆になっている。つまり、本実施形態の風量制御装置1は、部屋R内から排気を行うように構成されている。
【0093】
こうした改変に伴い、図1に示した空気調和機101は、排気ブロワに変更される。排気ブロワは、部屋R内から空気を吸引し、その吸引した空気を外部に排気する。
【0094】
図10に示すように、前後左右上下の各方向は第1実施形態と同様とする。風量制御ユニット2の向きは第1実施形態と逆であり、前側が上流側、後側が下流側である。
【0095】
分岐管103に接続されるユニットダクト5の一端部は下流側に配置され、ケーシング3内に配置されるユニットダクト5の他端部は上流側に配置される。
【0096】
詳しくは、メインダクト12の上流側ないし前方に第1延長ダクト13が接続され、第1延長ダクト13内に第1整流部材10が配置される。これにより、風量検出部8の上流側で、第1整流部材10により、空気Aを予め整流できる。
【0097】
メインダクト12の下流側ないし後方には第2延長ダクト14が接続され、第2延長ダクト14内に第2整流部材11が配置される。これにより、風量検出部8の下流側でも、第2整流部材11により空気を整流できる。
【0098】
第2延長ダクト14の下流側には分岐管103が接続される。制気口4は排気口をなし、部屋Rから排気された空気Aを導入する。空気Aの流れ方向は第1実施形態と逆である。
【0099】
排気ブロワが作動されると、部屋R内の空気Aが制気口4内に吸引され、ケーシング3、風量制御ユニット2、分岐管103、主管102という経路を経て排気ブロワに至り、排気ブロワから外部に排出される。この過程で、排気風量が風量制御ユニット2により制御される。
【0100】
このように風量制御装置1は排気装置として使用することも可能である。比較例のものを排気装置とした場合に比べ、著しいコンパクト化を達成できる。
【0101】
なお、詳細な説明は省略するが、各ダクト等の接続方法や第1および第2整流部材10,11の取付方法等は第1実施形態に準じる。
【0102】
[第4実施形態]
図11に示すように、第4実施形態の風量制御装置1では、第3実施形態の風量制御装置1から、第2整流部材11が省略されている。第2整流部材11を省略することでさらなるコンパクト化や、シンプル化、低コスト化を図れる。
【0103】
なお、第2延長ダクト14は省略されておらず、分岐管103との接続に使用される。
【0104】
[第5実施形態]
図12に示すように、第5実施形態の風量制御装置1では、主に第2整流部材11の配置が変更される。本実施形態の風量制御装置1は、ユニットダクト5内において風量検出部8の下流側かつ弁体6の上流側に設けられた第2整流部材11を備える。なお空気Aの流れ方向は矢示する通りである。
【0105】
第2整流部材11は、メインダクト12内に嵌合して配置され、下流側の第2圧力センサ26の近傍かつ下流側の位置に配置される。
【0106】
第1整流部材10も、メインダクト12内に嵌合して配置され、上流側の第1圧力センサ25の近傍かつ上流側の位置に配置される。
【0107】
本実施形態によれば、風量検出部8を、第1整流部材10および第2整流部材11によって上流側および下流側の近傍位置から挟む。よって、第1整流部材10および第2整流部材11から風量検出部8までの間の流れの乱れの影響を、風量検出部8に与えることを最大限に抑制し、風量検出部8の位置における流れの乱れを最小限に止めることができる。よって、風量検出部8における風量検出精度をより向上することができる。
【0108】
このように本実施形態ではメインダクト12内に第1整流部材10および第2整流部材11が一体化されている。こうした風量制御ユニット2は、前記第1~第4実施形態のいずれにも適用可能である。
【0109】
図2に示した第1実施形態に適用した場合、第2延長ダクト14は省略されてもよいが、第1延長ダクト13は依然として設けられ、風量制御ユニット2のケーシング3への取り付け、および分岐管103との接続に使用される。図9に示した第2実施形態の場合も同様である。
【0110】
図10に示した第3実施形態に適用した場合、第1延長ダクト13は省略されてもよいが、第2延長ダクト14は依然として設けられ、風量制御ユニット2のケーシング3への取り付け、および分岐管103との接続に使用される。図11に示した第4実施形態の場合も同様である。
【0111】
[応用例]
図13に示す応用例は、図2に示した第1実施形態と同様、空調空気Aを部屋R内に給気する集中型空調システムに関する。但し、ケーシング3は省略され、風量制御ユニット2が単体で用いられる。この風量制御ユニット2は、第1延長ダクト13およびその中に配置された第1整流部材10と、第2延長ダクト14およびその中に配置された第2整流部材11とを備える。
【0112】
第1延長ダクト13には分岐管103が接続される。他方、第2延長ダクト14には、給気口をなす複数の四角箱状の制気口が直列的に接続されている。図示例では2つの制気口111,112を示すが、図外左側にもさらなる制気口がある。これら第2延長ダクト14と複数の制気口は複数の制気管113,114,115により直列的に連結される。
【0113】
分岐管103、風量制御ユニット2、制気口111,112および制気管113,114,115は、それぞれ複数の吊具116により駆体天井壁CZから吊り下げて支持される。各制気口111,112の下端は、内装天井壁Cに設けられた天井開口117,118に整列され、部屋R内に連通される。各制気口111,112の下端に、制気口グリル119,120が開閉可能に取り付けられる。
【0114】
制気口111,112は、風量制御ユニット2用の点検口を兼用していない。点検口121は、内装天井壁Cにおける風量制御ユニット2の下方の位置に専用で設けられる。点検口121に点検口グリル122が開閉可能に取り付けられる。
【0115】
本応用例においても、分岐管103にハゼエルボ、エルボ、ベンド、フレキ等といった曲がり管を採用できる。また、第2延長ダクト14に直接的に接続される制気管113と、制気口111,112同士を接続する制気管114,115にも、曲がり管を採用できる。そのため、1つの風量制御ユニット2に複数の制気口111,112を接続する場合でも、設置スペースを縮小することが可能である。
【0116】
分岐管103および制気管113,114,115に、ニップル等の直管を採用してもよい。その直管は、メインダクト直径Dの2倍以上の長さである必要はなく、メインダクト直径Dの2倍未満の長さであってもよい。
【0117】
複数の制気口は、必ずしも直列接続されなくてもよく、並列接続されてもよいし、直列と並列を組み合わせて接続されてもよい。
【0118】
この応用例は、制気口を給気口として部屋R内に給気するものであった。しかしながら本応用例は、制気口を排気口として部屋R内から排気するものに変更することも可能である。
【0119】
以上の応用例に関して、次の技術思想が把握される。
「[1]
風量制御ユニットであって、
管状のユニットダクトと、
前記ユニットダクト内を開閉する弁体と、
前記弁体を駆動するアクチュエータと、
前記ユニットダクトにおける前記弁体の上流側に設けられた風量検出部と、
前記ユニットダクトに設けられ、前記風量検出部の出力に基づいて前記アクチュエータを制御するように構成されたコントローラと、
を備えた風量制御ユニットと、
前記ユニットダクト内において前記風量検出部の上流側に設けられた第1整流部材と、
前記風量制御ユニットの下流側または上流側に配置された複数の制気口と、
前記風量制御ユニットおよび前記複数の制気口を連結する複数の制気管と、
を備えることを特徴とする風量制御装置。
[2]
前記ユニットダクト内において前記弁体の下流側に設けられた第2整流部材を備える[1]に記載の風量制御装置。
[3]
前記ユニットダクト内において前記風量検出部の下流側かつ前記弁体の上流側に設けられた第2整流部材を備える[1]に記載の風量制御装置。」
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。
【0120】
(1)例えば、風量検出部8は、ピトー管等の他のセンサを備えていてもよい。
【0121】
(2)ユニットダクト5は、円形以外の断面形状、例えば四角形の断面形状を有していてもよい。
【0122】
(3)第1整流部材10および第2整流部材11は、多数の穴が形成されたパンチングメタル等の穴付き板により構成されてもよい。
【0123】
(4)ダクト同士、またはダクトと分岐管の接続箇所の固定は、上述のテープ止めの他、ネジ止め、フランジ止め等の他の方法で行ってもよい。
【0124】
(5)第1実施形態では図6に示したように、第1延長ダクト13をケーシング3から突出させてケーシング3に固定したが、これに限らず、メインダクト12をケーシング3から突出させてケーシング3に固定してもよい。
【0125】
同様に、図10に示した第3実施形態において、第2延長ダクト14をケーシング3から突出させてケーシング3に固定する代わりに、メインダクト12をケーシング3から突出させてケーシング3に固定してもよい。
【0126】
(6)第1~第4実施形態においても、メインダクト12内に第1整流部材10および第2整流部材11の少なくとも一方を配置してもよい。
【0127】
(7)コントローラ9は、必ずしもユニットダクト5に取り付けられなくてもよく、例えばユニットダクト5から分離してケーシング3内に取り付けられてもよい。
【0128】
前述の各実施形態および各変形例の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0129】
1 風量制御装置
2 風量制御ユニット
3 ケーシング
4 制気口
5 ユニットダクト
6 弁体
7 アクチュエータ
8 風量検出部
9 コントローラ
10 第1整流部材
11 第2整流部材
12 メインダクト
13 第1延長ダクト
14 第2延長ダクト
15 制気口グリル
103 分岐管
CK、CA~CC 内装天井壁
CZ 駆体天井壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風量制御ユニットであって、
管状のユニットダクトと、
前記ユニットダクト内を開閉する弁体と、
前記弁体を駆動するアクチュエータと、
前記ユニットダクトにおける前記弁体の上流側に設けられた風量検出部と、
前記風量検出部の出力に基づいて前記アクチュエータを制御するように構成されたコントローラと、
を備えた風量制御ユニットと、
前記風量制御ユニットを収容するケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、点検口を兼用する制気口と、
を備え、
前記ユニットダクトの一端部は、前記ケーシングの外部に配置された配管に接続されるよう構成され、前記ユニットダクトの他端部は前記ケーシング内に配置され
前記風量制御装置は、
前記ユニットダクト内において前記風量検出部の近傍かつ上流側に設けられた第1整流部材と、
前記ユニットダクト内において前記風量検出部の近傍かつ下流側、かつ前記弁体の上流側に設けられた第2整流部材と、
を備え、
前記第1整流部材および前記第2整流部材は、前記ユニットダクト内に嵌合され、前記風量検出部を、その上流側および下流側の近傍位置から挟む
ことを特徴とする風量制御装置。
【請求項2】
前記ユニットダクトの一端部は上流側に配置され、前記ユニットダクトの他端部は下流側に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項3】
前記ユニットダクトの一端部は下流側に配置され、前記ユニットダクトの他端部は上流側に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項4】
前記ユニットダクトは、
前記弁体、前記アクチュエータおよび前記風量検出部が設けられたメインダクトと、
前記メインダクトの上流側に接続された第1延長ダクトと、
を備える
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項5】
前記ユニットダクトは、前記メインダクトの下流側に接続された第2延長ダクトを備える
請求項に記載の風量制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記ユニットダクトに取り付けられる
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項7】
前記制気口に開閉可能に取り付けられた制気口グリルを備える
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項8】
室内における内装天井壁と駆体天井壁の間に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風量制御ユニットであって、
管状のユニットダクトと、
前記ユニットダクト内を開閉する弁体と、
前記弁体を駆動するアクチュエータと、
前記ユニットダクトにおける前記弁体の上流側に設けられた風量検出部と、
前記風量検出部の出力に基づいて前記アクチュエータを制御するように構成されたコントローラと、
を備えた風量制御ユニットと、
前記風量制御ユニットを収容するケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、点検口を兼用する制気口と、
を備えた風量制御装置であって
前記ユニットダクトの一端部は、前記ケーシングの外部に配置された配管に接続されるよう構成され、前記ユニットダクトの他端部は前記ケーシング内に配置され、
前記風量制御装置は、
前記ユニットダクト内において前記風量検出部の近傍かつ上流側に設けられた第1整流部材と、
前記ユニットダクト内において前記風量検出部の近傍かつ下流側、かつ前記弁体の上流側に設けられた第2整流部材と、
を備え、
前記第1整流部材および前記第2整流部材は、前記ユニットダクト内に嵌合され、前記風量検出部を、その上流側および下流側の近傍位置から挟む
ことを特徴とする風量制御装置。
【請求項2】
前記ユニットダクトの一端部は上流側に配置され、前記ユニットダクトの他端部は下流側に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項3】
前記ユニットダクトの一端部は下流側に配置され、前記ユニットダクトの他端部は上流側に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項4】
前記ユニットダクトは、
前記弁体、前記アクチュエータおよび前記風量検出部が設けられたメインダクトと、
前記メインダクトの上流側に接続された第1延長ダクトと、
を備える
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項5】
前記ユニットダクトは、前記メインダクトの下流側に接続された第2延長ダクトを備える
請求項4に記載の風量制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記ユニットダクトに取り付けられる
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項7】
前記制気口に開閉可能に取り付けられた制気口グリルを備える
請求項1に記載の風量制御装置。
【請求項8】
室内における内装天井壁と駆体天井壁の間に配置される
請求項1に記載の風量制御装置。