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特開2024-176690情報処理方法、プログラム、および記憶媒体
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  • 特開-情報処理方法、プログラム、および記憶媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176690
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20241212BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20241212BHJP
   H04L 67/564 20220101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N7/15 150
H04N7/15
H04L67/02
H04L67/564
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095431
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】522039773
【氏名又は名称】株式会社 ラセングル
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】石田 臣
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164GA06
5C164PA44
5C164UB37S
5C164UB94S
5C164VA07P
5C164VA09P
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所定のWeb会議において参加者により発言された内容をより正確、かつそれを取得する負担を軽減可能な情報処理方法、プログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、Web会議の字幕表示画面205が表示されている場合、Web会議の画面表示に係るHTML文書を解析し、字幕生成機能により取得された、発言の表示に係るHTML要素を参照して、字幕表示画面に表示されている発言の内容を取得し(ステップS31、S33)、取得された発言の内容を発言リストとしてメモリ104に保存し(ステップS33)保存された発言リストを所定のファイル形式で出力する(ステップS35)。発言の表示に係るHTML要素が更新される度に、該HTML要素の更新された情報を取得し(ステップS32、S33)、更新された情報を前記発言内容情報に追加する(ステップS33)。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Web会議アプリケーションが有する字幕生成機能を用いて発言をテキスト化する情報処理方法であって、
前記Web会議の出席者が入力した発言を字幕表示する字幕表示画面が表示されている場合、前記Web会議の画面表示に係るHTML文書を解析し、前記字幕生成機能により取得された、発言の表示に係るHTML要素を参照して、前記字幕表示画面に表示されている発言の内容を取得する工程と、
前記取得された発言の内容を該発言の内容を含む発言内容情報として記憶手段に保存する工程と、
前記保存された発言内容情報を所定のファイル形式で出力する工程とを有し、
前記取得する工程は、前記発言の表示に係るHTML要素が更新される度に、該HTML要素の更新された情報を取得し、
前記保存する工程は、前記更新された情報を前記発言内容情報に追加する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
コンピュータに、Web会議アプリケーションが有する字幕生成機能を用いて発言をテキスト化する情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
前記Web会議の出席者が入力した発言を字幕表示する字幕表示画面が表示されている場合、前記Web会議の画面表示に係るHTML文書を解析し、前記字幕生成機能により取得された、発言の表示に係るHTML要素を参照して、前記字幕表示画面に表示されている発言の内容を取得する工程と、
前記取得された発言の内容を該発言の内容を含む発言内容情報として記憶手段に保存する工程と、
前記保存された発言内容情報を所定のファイル形式で出力する工程とを有し、
前記取得する工程は、前記発言の表示に係るHTML要素が更新される度に、該HTML要素の更新された情報を取得し、
前記保存する工程は、前記更新された情報を前記発言内容情報に追加する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコロナ禍の影響もあり、会社に出社せずに自宅等の他の場所で勤務する形態、所謂テレワークを導入する企業も増えてきており、インターネット等の通信ネットワークを介したオンラインコミュニケーションの需要が急激に増えてきている。こうしたオンラインコミュニケーションツールの1つとして、Web会議システムが活用されている。
【0003】
このようなWeb会議システムの需要拡大に伴い、様々な機能が実装されてきている。例えば、特許文献1には、あるWeb会議に参加しているユーザを参加者とするテキストチャットを実行するためのテキストチャット用画面を、Web会議用画面とは別の独立した画面として生成すると共に、上記テキストチャット用画面にアクセスするためのアクセス情報を上記ユーザの各々に出力することが開示されている。上記参加者としての各ユーザは、上記テキストチャット用画面を活用することによってWeb会議が終了した後でも参加者間でコミュニケーションを取ることができる。よって、上記あるWeb会議の参加者間で何かしらの資料を共有したい場合は、そのために別途参加者間でのコミュニケーションのための環境を構築する必要が無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7162953号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術によれば、所定のWeb会議が終了した後でもその会議参加者間で容易にコミュニケーションを取ることができるので、会議の議事録や会議メモ等を他の会議参加者に共有する際、伝達環境を構築することなくそれらのファイルを送ることができ、非常に有用である。ただし、議事録といったその会議の会議内容やそれを簡潔にまとめたものを作成すること自体は、会議内容を記述したメモに基づいて作成したり、あるいは会議内容を録画し、該録画内容から作成する、といったように、ヒトが行うことになる。
【0006】
このように、議事録の作成をヒトが行うと、メモの取り間違いや聞き逃しが起こったり、録画から文字を起こす手間がかかったり、録画にかかるリソース負担増(容量増等)に繋がる恐れがある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、所定のWeb会議において参加者により発言された内容をより正確、かつそれを取得する負担を軽減可能な情報処理方法、プログラム、および記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明の第一の態様は、Web会議アプリケーションが有する字幕生成機能を用いて発言をテキスト化する情報処理方法であって、前記Web会議の出席者が入力した発言を字幕表示する字幕表示画面が表示されている場合、前記Web会議の画面表示に係るHTML文書を解析し、前記字幕生成機能により取得された、発言の表示に係るHTML要素を参照して、前記字幕表示画面に表示されている発言の内容を取得する工程と、前記取得された発言の内容を該発言の内容を含む発言内容情報として記憶手段に保存する工程と、前記保存された発言内容情報を所定のファイル形式で出力する工程とを有し、前記取得する工程は、前記発言の表示に係るHTML要素が更新される度に、該HTML要素の更新された情報を取得し、前記保存する工程は、前記更新された情報を前記発言内容情報に追加することを特徴とする。
【0009】
本発明の第二の態様は、コンピュータに、Web会議アプリケーションが有する字幕生成機能を用いて発言をテキスト化する情報処理方法を実行させるプログラムであって、前記情報処理方法は、前記Web会議の出席者が入力した発言を字幕表示する字幕表示画面が表示されている場合、前記Web会議の画面表示に係るHTML文書を解析し、前記字幕生成機能により取得された、発言の表示に係るHTML要素を参照して、前記字幕表示画面に表示されている発言の内容を取得する工程と、前記取得された発言の内容を該発言の内容を含む発言内容情報として記憶手段に保存する工程と、前記保存された発言内容情報を所定のファイル形式で出力する工程とを有し、前記取得する工程は、前記発言の表示に係るHTML要素が更新される度に、該HTML要素の更新された情報を取得し、前記保存する工程は、前記更新された情報を前記発言内容情報に追加することを特徴とする。
【0010】
本発明の第三の態様は、本発明の第二の態様に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定のWeb会議において参加者により発言された内容をより正確、かつそれを取得する負担を軽減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るWeb会議の表示画面であって、発言記録機能を実行している場合の表示画面を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るWeb会議における発言記録機能を実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0014】
本発明の一実施形態は、インターネットを用いたオンラインコミュニケーションの一手法であるWeb会議システム(Web会議を実行するためのアプリケーション)にて所定のWeb会議を行う場合において、該Web会議システムの字幕生成機能(所定の発言者の発言内容を音声認識し、認識した音声に基づいて文字起こしする機能)を用いて上記Web会議での所定の人物の発言をテキスト化するものであって(発言記録機能)、Web会議の画面表示に係るHTML文書を解析し、上記字幕生成機能により取得された所定の発言者の発言内容に関するHTML要素に基づいて、上記発言内容を取得し、この取得された発言内容をテキストデータとして出力する。
【0015】
本発明において、「Web会議」は、PC(Personal Computer)やスマートフォン、タブレットといった通信機能を備えた装置同士をインターネットを介して接続し、これら装置の画面を通じて離れた相手とコミュニケーションが可能な仕組みである。すなわち、本発明に係る「Web会議」とは、HTML文書により表示された画面を通じて、上記インターネットを介して通信する装置の各ユーザ同士が会議や会話といったコミュニケーションを行ったり、ウェビナーといった配信/視聴を行うことが可能な仕組みである。
【0016】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100の概略構成を示す図である。
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、GPU(Graphics Processing Unit)102、ストレージ103、メモリ104、出力インタフェース(I/F)105、リーダ106、リーダインタフェース(I/F)107、入力インタフェース(I/F)108、通信モジュール109を備えている。情報処理装置100には、出力I/F105を介して表示部110が接続され、また入力I/F108を介して入力部111が接続される。
【0017】
CPU101は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するものであり、例えばストレージ103から所定のプログラムをメモリ104にロードし、該プログラムに含まれる一連の命令を実行することによって、様々な処理を実行するよう機能する。GPU102は、画像処理を行うためのプロセッサであって、CPU101からの所定の命令に応じて画像を描画し、表示部110に画像を表示させる。
【0018】
ストレージ103は、CPU101が読み出して実行するためのプログラム(例えば、図3に示すプログラム、Webブラウザ103a、Web会議アプリケーション(アプリ)を実行するためのプログラム等)及び各種のデータが格納されている。メモリ104は、データ及びプログラムを一時的に保持する。メモリ104は、揮発性メモリであり、CPU101やGPU102の処理動作中のデータや入力データ、さらにはリーダ106にて読み取られたデータ(画像等)を一時的に格納するものであって、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0019】
出力I/F105は、CPU101やGPU102の指令に従って、ディスプレイといった表示部110に映像を表示する。リーダ106は、情報処理装置100に設けられ、各種データ、プログラム等が格納されたメモリカードやDVD(Digital Versatile Disc)といった外部記憶媒体を装着可能に構成され、該装着された外部記憶媒体から所定のデータを読み取る。リーダI/F107は、CPU101からの指令に応じて、リーダ106に装着された外部記憶媒体からのデータの読み取りを行う。入力I/F108は、キーボード、音声を入力するための手段としてのマイク等の入力部111を介して使用者が操作することによって入力された操作に関する入力信号を受付ける。通信モジュール109は、通信回路網に接続されて、通信回路網に接続されている他のコンピュータと通信する。この通信は有線であっても無線であってもよい。通信モジュール109を介して上記元画像等、所定のデータを取得しても良い。
【0020】
本発明の一実施形態では、Webブラウザ103aのブックマークに登録できる「ブックマークレット」として発言記録機能を実行することができる。「ブックマークレット」とは、Webブラウザのブックマークツールバーにアイコン状で常駐し、または一時的に存在し、Webブラウザにて簡易的な処理を行うスクリプトである。なお、本発明の一実施形態に係る発言記録機能の実行手段としては、ブックマークレットに限らず、プラグイン等、Webブラウザに機能を追加できるものであればいずれであっても良い。
【0021】
以降、ブックマークレットを用いて発言記録を行う例を説明する。
図2は、本実施形態に係るWeb会議の表示画面(Web会議アプリを利用した際に表示される画面)であって、発言記録機能を実行している場合の表示画面を示す図である。Web会議の表示画面200のブックマークツールバー201には、発言記録用のブックマークレット202が表示されている。また、該Web会議への出席者は各々個別の表示画面にて個別の映像(例えば、各出席者の本人画像など)が表示されるが、発言者表示画面203aには現在の発言者が表示され、出席者表示画面203b~203dには発言していない出席者の画像が表示される。さらに、出席者リスト画面204には、該当するWeb会議への出席者(現在、本Web会議にアクセスしているユーザ)の名前の一覧が表示される。従って、該当するWeb会議に参加すると、各参加者(出席者)に関する映像が画面203a~203dに適宜表示され、出席者リスト画面204に名前が表示される。
【0022】
字幕表示画面205には、当該Web会議における発言者が発した音声の内容を表示する画面であって、所定の人物が話した内容がリアルタイムで表示される画面である。例えば、発言者表示画面203aに表示されている“山田春子”が「みなさん、こんにちは」と発言した場合、“山田春子”が用いている情報処理装置100の入力部(マイク)111を介して上記発言の音声が入力される。“山田春子”が用いている情報処理装置100に実装されたWeb会議アプリは、入力部111を介して入力された音声を文字起こしすることで、「みなさん、こんにちは」という“山田春子”が発言した内容に係る字幕データ(テキストデータ)を生成し、字幕表示画面205に表示する。上記Web会議アプリによる音声から字幕データの生成の処理(字幕生成機能)は、発言者(ここでは、山田春子)の情報処理装置100で行っても良いし、情報処理装置100にネットワークを介して接続されたサーバ(不図示)で行っても良いし、該サーバと情報処理装置100の双方を用いて行っても良い。本発明においては、発言者が発言した内容(音声)を字幕表示することが本質ではない。従って、マイクを介して入力された音声を音声認識し、該音声認識した内容を文字として表示する機能(字幕生成機能等)については、典型的な方法を用いればよい。
【0023】
退出ボタン206は、各ユーザがWeb会議から抜ける際に選択されるものであって、退出ボタン206の選択操作が起こった情報処理装置100はWeb会議へのアクセスが遮断される。例えば図2において、表示画面200は鈴木一郎が使用している情報処理装置100の表示部100に表示されているが、鈴木一郎が入力部(キーボードやマウス)111を介して退出ボタン100を選択すると、鈴木一郎が利用している情報処理装置100のWeb会議へのアクセスが遮断され、鈴木一郎はWeb会議から退出したことになる。
【0024】
本実施形態では、発言記録用ブックマークレット202が選択されたり、Web会議アプリの字幕生成機能が選択されると、後述する処理を実行して字幕表示画面205が表示されるのである。
【0025】
図3は、本実施形態に係るWeb会議における発言記録機能を実行する処理手順を示すフローチャートである。
なお、本実施形態では、Web会議アプリは、字幕生成機能を有している。よって、字幕表示したい場合、ユーザが入力部(キーボード)111を介してWeb会議アプリの字幕生成ボタンといったユーザインタフェースを操作することによって、ユーザが発した発言が字幕表示される。本実施形態では、Web会議アプリの主要な処理(音声認識等)を各参加者の情報処理装置100にネットワークを介して接続されたサーバが実行する。この場合、上記字幕生成ボタンの操作により字幕生成機能が起動されると、上記サーバは、所定の発言者の入力部(マイク)111を介して入力された音声を該音声が入力された情報処理装置100から取得して音声認識を実行し、該音声認識によって取得された発言内容に関するデータを各情報処理装置100に送信して字幕表示画面205に表示させる。このようにして、各ユーザが発した発言内容を字幕表示する(文字起こしする)。
【0026】
また、上述のように、本実施形態では発言記録機能をブックマークレットにて実行するので、該当するWeb会議に参加する前に発言記録用ブックマークレットを準備してWebブラウザ103aのブックマークに登録しておく。本実施形態において、発言記録機能が実行されるタイミングとしては、ブックマークツールバー201に設けられた発言記録用ブックマークレット202が選択される場合である。入力部111を介してユーザ(ここでは、鈴木一郎)にてこの選択が入力されると、鈴木一郎が操作する情報処理装置100は本処理を開始する。なお、発言記録用ブックマークレット202が選択された場合は、情報処理装置100は、字幕表示画面205に表示された発言内容が記載される発言リストを作成しメモリ104に保存する。
【0027】
本実施形態において、「発言リスト」とは、該当するWeb会議にて各発言者(ユーザ)が発した発言内容を含むリスト(発言者と発言内容とを紐づけてまとめたリスト)である。本実施形態では、発言リストは、各発言の発言者名、発言内容、発言時刻(発言がなされた(入力された)時刻)を1つのまとまりとして、各発言内容をリスト化されたものである。
【0028】
発言記録機能を実行させたいユーザが発言記録機能用ブックマークレット202を入力部111により選択することにより、発言記録機能の処理が開始される。なお、本実施形態で重要なことは、発言記録機能をWeb会議アプリとは別個のプログラムとして実行させ、かつWeb会議アプリが有する字幕生成機能を活用して発言の内容を自動的に記録することであり、そのために、Web会議アプリが生成するHTML文書を解析する。よって、字幕表示画面205を表示させ、該字幕表示画面205を表示するためのHTML文書を解析できるようにすることが重要である。すなわち、図3に示す処理を実行するためには、字幕表示画面205が表示されていることが前提である。従って、発言記録用ブックマークレット202を選択する前に、ユーザは入力部111を介してWeb会議アプリの字幕生成機能を起動する必要がある。あるいは、発言記録用ブックマークレット202が選択されると、CPU101が、字幕生成機能の起動を促す旨のメッセージを表示部110に表示してユーザに該起動を促しても良いし(字幕表示画面205の表示を促す)、強制的に字幕生成機能を起動し、字幕表示画面205を表示するようにしても良い。
【0029】
ステップS31では、CPU101は、該当するWeb会議において、発言の表示に係るHTML要素の更新イベントの監視を開始する。本実施形態において、「更新イベント」とは、字幕表示画面205を表示するためのHTML文書について、所定のHTML要素の変更、追加や削除といった更新が起こったタイミングでその都度生成される通知である。上記字幕表示画面205を表示するためのHTML文書は、各ユーザが発言するなど、発言に関するイベントが起こるたびにその中身が書き換わるが、本実施形態では、CPU101は、字幕表示画面205を表示するためのHTML文書の書き換え(更新)が起こると更新イベントを生成するように機能する。本実施形態では、更新イベントは、発言の表示に係るHTML要素の更新がなされた際に起きるものとする。従って、更新イベントを逐次確認することにより、何かしらの発言がなされた場合に、情報処理装置100が上記HTML文書を解析することにより、発言のタイミングや内容を認識することができる。
【0030】
ステップS32では、CPU101は、更新イベントが起きたか否かを判断する。本実施形態では、Web会議に参加したユーザのいずれかが入力部111を介して音声を入力した際、その入力された音声に応じて発言の表示に係るHTML要素が更新され、更新イベントが発生するが、情報処理装置100は更新イベントの監視を行っているので、CPU101は、更新イベントの発生により発言の表示に係るHTML要素が更新されたことを認識することができる。すなわち、本ステップでは、CPU101は、Web会議に参加しているユーザのいずれかが発言したか否かを判断しているとも言える。更新イベントが起きていないと判断する場合、CPU101は、更新イベントが起きると判断するまで本ステップを繰り返す。また、更新イベントが起きていると判断する場合は、CPU101は、ステップS33に進む。
【0031】
ステップS33では、CPU101は、本Web会議に参加しているユーザのいずれかの発言(該発言に対応する入力)により更新された、発言の表示に係るHTML要素を参照して、字幕表示画面205に表示されている発言の内容を取得し、該取得された発言の内容を発言リストに追加する。このとき、ステップS32にて更新イベントが起こったと判断された場合は、上記発言の表示に係るHTML要素は更新されることになるので、CPU101は、更新された値に関するデータを発言リストに追加することになる。本実施形態では、発言リストに追加されるデータは発言者名、発言内容、発言時刻であるので、CPU101は、発言の表示に係るHTML要素を参照して発言者名と発言内容とを抽出し、情報処理装置100が有する時計機能(不図示)を参照して上記更新が起こった時刻を取得することによって、上記発言リストへの各項目の追加を行う。例えば図2において、山田春子が「みなさん、こんにちは」と発言した場合、山田春子が使用している情報処理装置100の入力部(マイク)111を介して「みなさん、こんにちは」という音声が入力されるが、発言の表示に係るHTML要素のうち、発言者に係るHTML要素は「山田春子」を示す情報に更新され、発言内容に係るHTML要素は「みなさん、こんにちは」を示す情報に更新される。よって、CPU101は、時計機能を参照して取得した時刻と共に、発言者「山田春子」、発言内容「みなさん、こんにちは」というデータを発言リストに追加するのである。
【0032】
ステップS34では、CPU101は、発言記録機能は終了したか否かを判断する。本実施形態において、発言記録機能が終了する場合は、ユーザがWeb会議から退出した場合やWeb会議から退出していないが発言記録機能を停止する場合がある。前者の場合は、退出ボタン206が選択された時であり、後者の場合は、発言記録機能停止ボタン(不図示)が選択された時である。従って、CPU101は、退出ボタン206が選択された場合、または発言記録機能停止ボタンが選択された場合、発言記録機能が終了したと判断し、ステップS35に進む。一方、退出ボタン206や発言記録機能停止ボタンが選択されたと判断しない場合は、ステップS32に戻り、ステップS32~S34を繰り返す。
【0033】
ステップS35では、CPU101は、発言リストをテキストファイルとして出力する。なお、本実施形態では、発言記録機能が終了すると自動的に発言リストをテキストファイルとして出力しているが、発言記録用ブックマークレットのユーザインタフェースとしてファイル出力ボタンを設け、ユーザの任意(発言記録機能が起動中であっても)でその時(ファイル出力ボタンが選択された時)の発言リストを所定のファイルとして出力するようにしても良い。
【0034】
なお、本実施形態では、発言記録対象がユーザが発した音声(発話)であるが、該音声に加えてテキストメッセージであっても良い。例えば、Web会議アプリがチャットなどのメッセージ送信機能を有する場合、Web会議中は各ユーザの発話に加えて、テキストによるメッセージの入力もあるかもしれない。このように入力されたテキストによるメッセージも発言記録機能により取得し、発言リストに加えても良い。このような場合、例えば、発言の表示に係るHTML要素に、テキストによって入力されたメッセージに係るものを追加すればよい。
【0035】
本実施形態によれば、字幕表示画面205を表示するためのHTML文書を解析し、発言の表示に係るHTML要素が更新される度に更新された内容を発言リストに追加していくので、より正確にWeb会議に参加したユーザの発言を取得することができる。また、各ユーザは、各ユーザの発言の内容をメモしたり、録画した会議内容を参照したりすることなく各ユーザの発言内容を取得することができるので、Web会議においける発言記録の負担を軽減することができる。
【0036】
このように本実施形態は、対象となるWeb会議にて実際に表示される字幕表示画面205に着目し、ある意味その画面に基づいてユーザの発言に沿ったテキストデータを生成する、という概念である。より具体的には、Web会議アプリ自体に新しい機能を追加したり、改変したりするものではなく、Web会議アプリの動作は変わらず、該アプリによって表示された画面を構築するための情報(発言の表示に係るHTML要素)を活用して、発言の内容(文字起こしされた字幕内容)を示すテキストデータ(発言記録)を生成するのである。よって、ブックマークレットやプラグインのようにWebブラウザ上で動作するプログラムとして実装することができ、該当するWeb会議アプリとは別個にプログラムを作成したり、動作させることができる。従って、発言記録機能についてユーザ側でカスタマイズが可能であり、さらには他のWeb会議アプリにも適用することができる。
【0037】
また、本実施形態では、発言記録機能をWeb会議アプリのプログラムに組み込むのではなく、Web会議アプリとは別個のソフトウエアであるので、Web会議アプリが変わっても同一のUIで操作することができる。
【0038】
(その他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラム(例えば、図3に示す処理を行うプログラム)を記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのコンピュータプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM等を用いることができる。また上述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し上述の実施形態の動作を実行するものも上述した実施形態の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
100 情報処理装置
101 CPU
103 ストレージ
103a Webブラウザ
104 メモリ
200 Web会議表示画面
202 発言記録用ブックマークレット
205 字幕表示画面

図1
図2
図3