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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176692
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241212BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241212BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G03G21/00 390
B41J29/38 203
B41J29/38 601
H04N1/00 912
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095434
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 保彦
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061AS12
2C061BB10
2C061BB15
2C061CG02
2C061CH01
2C061CH03
2C061CL08
2C061CQ00
2C061HH03
2C061HK11
2H270KA58
2H270KA61
2H270LC01
2H270LC06
2H270LD05
2H270LD09
2H270NA01
2H270NB26
2H270NC07
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA37
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB53
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC38
5C062AC58
5C062AF12
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】タグ用紙に対する画像形成及びタグ処理の失敗の発生を低減させること。
【解決手段】実施形態の画像形成装置は、第1の給紙カセットと、第2の給紙カセットと、画像形成部と、通信部と、制御部と、を持つ。第1の給紙カセットは、無線タグが付されていない第1のシートを格納する。第2の給紙カセットは、無線タグが付された第2のシートを格納する。画像形成部は、前記第1のシート又は前記第2のシートに画像を形成する。通信部は、前記第2のシートに付された無線タグと通信を行う。制御部は、ユーザ認証によって特定されたユーザの属性情報を取得し、取得された前記属性情報に応じて前記第2の給紙カセットに格納された前記第2のシートの使用可否を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグが付されていない第1のシートを格納する第1の給紙カセットと、
無線タグが付された第2のシートを格納する第2の給紙カセットと、
前記第1のシート又は前記第2のシートに画像を形成する画像形成部と、
前記第2のシートに付された無線タグと通信を行う通信部と、
ユーザ認証によって特定されたユーザの属性情報を取得し、取得された前記属性情報に応じて前記第2の給紙カセットに格納された前記第2のシートの使用可否を制御する制御部と、
備える画像形成装置。
【請求項2】
使用する給紙カセットをユーザに選択させるための選択入力画面を表示する表示部
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2のシートの使用を禁止する制御を行う場合、前記第2の給紙カセットの選択が不可であることを示す前記選択入力画面を前記表示部に表示させる
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2のシートの使用を禁止する制御を行う場合、前記第2の給紙カセットに格納された前記第2のシートの搬送が行われないように搬送部を制御する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、取得したジョブが複写処理を指示するジョブである場合には、前記第2のシートの使用を禁止する制御を行う
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ユーザ認証によって特定された前記ユーザが管理者であることを示す前記属性情報、前記ユーザ認証によって特定された前記ユーザが前記第2のシートの使用を許可されたユーザであることを示す前記属性情報、又は、前記ユーザ認証によって特定された前記ユーザが前記第2のシートを使用する機会が多いユーザであることを示す前記属性情報である場合に、前記第2のシートの使用を許可する制御を行う
請求項1から4のうちいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙の表面に画像を形成することができる画像形成装置がある。画像形成装置とは、例えば、複合機(MFP:Multifunction Peripheral)、又はプリンタ等である。画像形成装置には、RFID(Radio Frequency Identification)タグと通信するRFIDリーダライタを備えるものがある。RFIDリーダライタを備える画像形成装置は、用紙の表面に画像形成を行うとともに、用紙に備えられたRFIDタグに対してデータの書き込み及び読み取りを行うことができる。以下、RFIDタグが備えられた用紙を、「タグ用紙」といい、RFIDタグに対してデータの書き込み及び読み取りを行う処理を、「タグ処理」という。
【0003】
用紙に備えられるRFIDタグは、一般的に、用紙の一方の面の所定の位置に貼り付けられている。そのため、ユーザは、タグ用紙の表裏及び向きを考慮して、当該タグ用紙を画像形成装置の給紙カセットにセットする必要がある。しかしながら、タグ用紙の取り扱いに慣れていないユーザ、及びタグ用紙を補給する機会が少ないユーザ等は、表裏や向きを逆にしてタグ用紙を給紙カセットにセットしてしまうことがある。この場合、RFIDリーダライタがタグ処理に失敗したり、例えばRFIDタグの上等の所望の印字範囲ではない箇所に画像が形成されてしまったりすることがある。このように、従来のRFIDリーダライタを備える画像形成装置では、タグ用紙に対するタグ処理及び画像形成の失敗が生じやすいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-305662号公報
【特許文献2】特開2005-178359号公報
【特許文献3】特開2002-337426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、タグ用紙に対するタグ処理及び画像形成の失敗の発生を低減させることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の画像形成装置は、第1の給紙カセットと、第2の給紙カセットと、画像形成部と、通信部と、制御部と、を持つ。第1の給紙カセットは、無線タグが付されていない第1のシートを格納する。第2の給紙カセットは、無線タグが付された第2のシートを格納する。画像形成部は、前記第1のシート又は前記第2のシートに画像を形成する。通信部は、前記第2のシートに付された無線タグと通信を行う。制御部は、ユーザ認証によって特定されたユーザの属性情報を取得し、取得された前記属性情報に応じて前記第2の給紙カセットに格納された前記第2のシートの使用可否を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の画像形成装置1の全体構成図。
図2】実施形態のタグ用紙TPの全体構成図。
図3】実施形態の画像形成装置1における制御系の構成例を示すブロック図。
図4】実施形態の画像形成システム200の機能構成を示すブロック図。
図5】実施形態の画像形成装置1の動作を示すフローチャート。
図6】実施形態のコントロールパネル21に表示される給紙カセット選択画面の一例を示す図。
図7】実施形態のコントロールパネル21に表示される給紙カセット選択画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の画像形成装置を、図面を参照しながら説明する。実施形態の画像形成装置は、ユーザ認証によって特定されたユーザが、タグ処理を伴うプリント(印刷)処理の実行を許可されていないユーザである場合、タグ用紙が格納された給紙カセットを使用できないようにする構成を備える。このような構成を備えることで、実施形態の画像形成装置は、例えばタグ用紙の取り扱いに不慣れなユーザ等が、当該タグ用紙を間違った面や向きで給紙カセットにセットしてしまうことを防止することができる。また、実施形態の画像形成装置は、印刷(プリント)ジョブではなく複写(コピー)ジョブを実行する指示がなされた場合、タグ処理が実行されないようにする構成を備える。このような構成を備えることで、実施形態の画像形成装置は、一般的にタグ処理が必要とされない複写ジョブ実行時においてタグ用紙が使用されてしまうことを防止することができる。
【0009】
以下、実施形態の画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、実施形態の画像形成装置1の全体構成図である。実施形態における画像形成装置1は、例えば電子写真方式のプリンタを備えるMFP(Multi-Functional Peripheral:デジタル複合機)である。なお、画像形成装置1は、プリンタであってもよい。例えば、画像形成装置1は、ワークプレイスに置かれる。
【0010】
画像形成装置1は、画像形成機構17と、タグ通信デバイス19とを備える。画像形成機構17は、印刷媒体である通常用紙NP又はタグ用紙TPに画像を形成する。通常用紙NPは、RFIDタグを備えていない一般的な用紙である。一方、タグ用紙TPは、RFIDタグを備えた用紙である。なお、タグ用紙TPは、RFIDタグが貼り付けられた用紙であってもよいし、RFIDタグが埋め込まれた用紙であってもよい。なお、用紙は、例えば紙又はラベル用紙等である。但し、用紙は、表面に画像形成装置が画像を形成できる材質の物であれば、どのような物でもよい。例えば用紙は、紙以外の物、例えばOHP(Overhead Projector)フィルム等のシートであってもよい。以下、通常用紙NPとタグ用紙TPとを区別して説明する必要がない場合には、「用紙P」という。
【0011】
図2は、実施形態のタグ用紙TPの全体構成図である。図2に示されるように、RFIDタグ40は、タグ用紙TPの非印字面(裏面)に貼り付けられている。また、図2に示されるように、搬送方向をタグ用紙TPの上方向とした場合、RFIDタグ40は、タグ用紙TPの上部中央に貼り付けられている。なお、タグ用紙TPにおけるRFIDタグ40の設置位置は任意であるが、後述されるタグ通信デバイス19による読み取り位置に合わせて位置決めされる必要がある。
【0012】
タグ通信デバイス19は、タグ用紙TPに備えられたRFIDタグ40と互いに通信するRFIDリーダライタである。なお、図1に示されるように、実施形態の画像形成装置1は、タグ通信デバイス19を内蔵している。但し、このような構成に限られるものではなく、タグ通信デバイス19は、画像形成装置1の外部に取り付けられていてもよい。タグ通信デバイス19は、画像形成装置1の内部で搬送されるタグ用紙のRFIDタグ40と通信可能な距離の範囲内であれば、任意の箇所に設置可能である。
【0013】
タグ用紙TPに備えられたRFIDタグ40は、電池を内蔵していないパッシブタグである。但し、電池を内蔵しているアクティブタグ又はセミアクティブタグ等であってもよい。タグ用紙TPに備えられたRFIDタグ40は、内部メモリ、無線通信回路及びアンテナを備える。あるいは、RFIDタグ40は、プロセッサ、内部メモリ、無線通信回路及びアンテナを備えたものでもよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。内部メモリは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリを含んで構成される。
【0014】
内部メモリには、例えば、EPCメモリ、USERメモリ、TIDメモリ、RESERVEDメモリの4つのメモリ領域が用意されている。EPCメモリは、RFIDタグ40を識別するためのコード情報を格納する領域である。USERメモリは、ユーザが自由にデータを読み書きできる領域である。TIDメモリは、RFIDタグ40の製造時にメーカーによって書き込まれる領域である。RESERVEDメモリは、RFIDタグ40のロック機能及び無効化機能で使用されるパスワード情報を保存するための領域である。
【0015】
RFIDタグ40は、画像形成装置1のタグ通信デバイス19と互いに通信する。RFIDタグ40は、タグ通信デバイス19から供給されるコマンドに応じて処理を実行し、実行結果をタグ通信デバイス19に対して応答する。例えば、RFIDタグ40は、タグ通信デバイス19からリードコマンドを受信した場合、内部メモリに記憶しているデータを読み出し、読み出したデータをタグ通信デバイス19へ送信する。また、RFIDタグ40は、タグ通信デバイス19からライトコマンドを受信した場合、タグ通信デバイス19から受信したデータを内部メモリに書き込み、書き込み結果を示す情報をタグ通信デバイス19へ送信する。
【0016】
図1に示される実施形態の画像形成機構17は、電子写真方式の画像形成手段によって用紙Pに画像を形成する。但し、画像形成機構17において用いられる画像形成手段は、電子写真方式に限定されるものではない。画像形成機構17において用いられる画像形成手段は、例えばインクジェット方式等であってもよい。
【0017】
図1に示される画像形成機構17は、トナー(現像剤)によって現像する画像を用紙P上に形成する。トナーは、単色のトナーであってもよいし、複数の色のトナーであってもよい。また、トナーは、消色することが可能なトナーであってもよい。図1には、イエロー、マゼンダ、シアン、及びブラックの4色のトナーを用いて画像形成処理を行う画像形成装置1の構成例が示されている。
【0018】
図1に示されるように、画像形成装置1は、画像形成機構17及びタグ通信デバイス19の他に、筐体11、通信インターフェース12、システムコントローラ13、複数の給紙カセット14、排紙トレイ15、搬送機構16、定着器18、スキャナ20、及びコントロールパネル21等を備える。
【0019】
筐体11は、画像形成装置1の本体である。筐体11は、例えば、通信インターフェース12、システムコントローラ13、複数の給紙カセット14、搬送機構16、画像形成機構17及び定着器18等を収容する。筐体11の上面の一部は、排紙トレイ15となっている。図1に示される画像形成装置1は、一例として給紙カセット14を2つ備えているが、3つ以上備えていてもよい。なお、通常用紙NPがセットされる給紙カセット14であるか、又はタグ用紙TPがセットされる給紙カセット14であるかについては、給紙カセット14ごとに、ユーザによって予め定められている。
【0020】
通信インターフェース12は、ネットワークに接続するためのインターフェースである。通信インターフェース12は、ネットワークに接続された外部機器と互いに通信する。外部機器とは、例えば、印刷ジョブを指示するPC(Personal Computer)等のユーザ端末、及び、RFIDタグ40との通信により送受信される情報や印刷ジョブ等を管理するサーバ等である。通信インターフェース12は、例えば、LAN(Local Area Network)コネクタ等の有線通信接続のインターフェースを備える。但し、通信インターフェース12は、例えば、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等の無線通信規格に則って外部機器と通信を行う無線通信接続のインターフェースであってもよい。
【0021】
システムコントローラ13は、画像形成装置1の各部の制御及びデータ処理等を実行する。例えば、システムコントローラ13は、プロセッサ、メモリ、及び、各種インターフェースを含むコンピュータである。システムコントローラ13では、メモリが記憶するプログラムをプロセッサが実行することによって各部の制御及びデータ処理が行われる。システムコントローラ13は、例えば各種の内部インターフェースによって筐体11内の各部に接続する。例えば、システムコントローラ13は、通信インターフェース12、給紙カセット14、排紙トレイ15、搬送機構16、画像形成機構17、定着器18、タグ通信デバイス19、及びスキャナ20等にバス接続により接続する。
【0022】
システムコントローラ13は、外部機器から通信インターフェース12を介して、画像データ等を含む印刷ジョブを取得する。印刷ジョブに含まれる画像データは、用紙Pに形成する画像を示すデータである。なお、画像データは、1つの用紙Pに画像を形成するためのデータであってもよいし、複数の用紙Pに画像を形成するためのデータであってもよい。
【0023】
また、印刷ジョブは、用紙Pが備えるRFIDタグ40に対するタグ処理の内容を示す情報を含んでいてもよい。RFIDタグ40に対するタグ処理の内容は、RFIDタグ40へのデータの書き込みを指示するものであってもよいし、RFIDタグ40からのデータの読み取りを指示するものであってもよい。また、印刷ジョブは、画像を形成した用紙Pを排出する排紙位置(排紙トレイ、排紙の向き等)を示す情報を含んでもよい。また、印刷ジョブは、カラー印刷か又はモノクロ印刷かを示す情報、及び用紙サイズ等の印刷条件を示す情報を含んでいてもよい。
【0024】
システムコントローラ13は、搬送機構16、画像形成機構17、及び定着器18の動作を制御するエンジンコントローラを含む。例えば、システムコントローラ13は、搬送機構16による用紙Pの搬送を制御する。システムコントローラ13は、画像形成機構17による現像剤像の形成及び現像剤像の用紙Pへの転写を制御する。システムコントローラ13は、定着器18による用紙Pへの現像剤像の定着を制御する。システムコントローラ13は、搬送機構16、画像形成機構17、及び定着器18の動作を制御することにより、印刷ジョブに含まれる画像データの画像を用紙Pに形成する。
【0025】
なお、画像形成装置1は、システムコントローラ13とは別々にエンジンコントローラを備える構成であってもよい。例えば、画像形成装置1は、搬送機構16、画像形成機構17、定着器18等の少なくとも1つを制御するエンジンコントローラを、システムコントローラ13とは別々に備えていてもよい。この場合、システムコントローラ13とは別々に備えられるエンジンコントローラは、制御に必要な情報をシステムコントローラ13から取得するようにすればよい。
【0026】
複数の給紙カセット14は、それぞれ用紙Pを収容するカセットである。給紙カセット14は、通常用紙NP及びタグ用紙TPを収容可能に構成される。例えば、給紙カセット14は、筐体11から引き出し可能に構成される。給紙カセット14は、引き出された状態で通常用紙NP及びタグ用紙TPが補給された後に、再び筐体11内に格納される。なお前述の通り、通常用紙NPが格納される給紙カセット14と、タグ用紙TPが格納される給紙カセット14とは、ユーザによって予め区別されている。
【0027】
搬送機構16は、画像形成装置1内で用紙Pを搬送する機構である。図1に示されるように、搬送機構16は、複数の搬送路を備える。搬送機構16は、給紙搬送路31及び排紙搬送路32を備える。
【0028】
給紙搬送路31及び排紙搬送路32は、複数のローラ、及び複数のガイドにより構成される。複数のローラは、駆動機構から伝達される動力によって回転することによって、用紙Pを搬送する。複数のガイドは、ローラによって搬送される用紙Pの搬送方向を制御する。
【0029】
給紙搬送路31は、給紙カセット14から用紙Pを取り込み、取り込んだ用紙Pを画像形成機構17へ供給する。給紙搬送路31は、各給紙カセット14にそれぞれ対応した複数のピックアップローラ33を備える。各ピックアップローラ33は、それぞれ給紙カセット14から取り出す1つの用紙Pを給紙搬送路31へと送り込む。
【0030】
給紙搬送路31は、用紙Pを画像形成機構17がトナー(現像剤)を用いて生成する画像(トナー像)の転写位置へ供給する。レジストローラ36は、給紙搬送路31における転写位置の手前に設ける。レジストローラ36は、給紙カセット14から給紙された用紙Pを転写位置における画像の転写タイミングに応じて転写位置へ送り出す。例えば、レジストローラ36は、給紙カセット14から給紙された用紙Pを一旦停止させる。なお、本実施形態における画像形成装置1では、レジストローラ36の近傍に設置されたタグ通信デバイス19が、ここで一旦停止するタグ用紙TPと通信を行う構成である。レジストローラ36は、システムコントローラ13からの指示に応じたタイミングで用紙Pを転写位置へ送り出す。
【0031】
排紙搬送路32は、画像形成機構17によって画像が形成された用紙Pを筐体11から排出する搬送路である。排紙搬送路32は、用紙Pを排紙トレイ15に排紙する。排紙トレイ15は、画像形成装置1から排出された用紙Pを受けるトレイである。また、画像形成装置1が複数の排紙位置を備える場合、排紙搬送路32は、システムコントローラ13が指定する排紙位置に用紙Pを排出するように動作する。
【0032】
画像形成機構17は、用紙Pに画像を形成するための構成を備える。画像形成機構17の詳細については後述する。
【0033】
定着器18は、ヒートローラ34及び加圧ローラ35を有する。定着器18は、排紙搬送路32を搬送される用紙Pをヒートローラ34により所定の温度で加熱する。定着器18は、さらに、ヒートローラ34で加熱する用紙Pを加圧ローラ35で加圧する。定着器18は、用紙Pを加熱及び加圧することにより用紙P上の画像(現像剤像)を当該用紙Pに定着させる。
【0034】
タグ通信デバイス19は、タグ用紙TPが備える無線通信器であるRFIDタグ40と通信する。タグ通信デバイス19は、例えば、レジストローラ36の近傍に設置される。タグ通信デバイス19は、給紙搬送路31において、レジストローラ36の手前の(上流の)位置に搬送された用紙Pの無線タグと通信が可能になるように設置される。但し、レジストローラ36の設置個所はこれに限られるものではなく、用紙Pが搬送される搬送路の近傍に設置されていればよい。
【0035】
タグ通信デバイス19は、無線通信によりRFIDタグ40に対してコマンドを送信する。RFIDタグ40は、タグ通信デバイス19から受信したコマンドに応じた処理を実行し、コマンドの実行結果をタグ通信デバイス19へ送信(応答)する。タグ通信デバイス19は、RFIDタグ40からの応答であるコマンドを受信する。
【0036】
タグ通信デバイス19は、システムコントローラ13からの指示に応じてRFIDタグ40からデータを読み取ったり、RFIDタグ40にデータを書き込んだりする。タグ通信デバイス19は、システムコントローラ13によってRFIFタグからのデータの読み取りが指示された場合、RFIDタグ40からデータを読み取る処理を実行する。タグ通信デバイス19は、システムコントローラ13によってRFIFタグへのデータの書き込みが指示された場合、RFIDタグ40にデータを書き込む処理を実行する。
【0037】
スキャナ20は、原稿を読み取って画像データに変換する装置である。スキャナ20は、筐体11の上部に設置される。スキャナ20は、筐体11の上部に設けた原稿台ガラス上にセットされた原稿の画像を読み取る。また、スキャナ20は、自動原稿送り装置ADF(Auto Document Feeder)を備える。スキャナ20は、自動原稿送り装置ADFが搬送する原稿の画像を読み取る機能も有する。
【0038】
コントロールパネル21は、タッチパネル22及びキーボード23等を備える。タッチパネル22は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等のディスプレイと、タッチ入力を検知するタッチセンサとを積層したものである。タッチパネル22を備えるディスプレイは、画像形成装置1の表示デバイスである。
【0039】
タッチパネル22には、例えば、給紙カセット14ごとに使用可否を示す情報が表示される。給紙カセット14ごとの使用可否は、画像形成装置1を使用するユーザごとにそれぞれ異なる。例えば、ユーザの認証結果に応じて、タッチパネル22に、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14を使用可能であると表示されるか、又は使用不可であると表示されるかが異なる。
【0040】
キーボード23は、画像形成装置1のユーザが操作するための種々のキーを備える。例えばキーボード23は、テンキー、電源キー、用紙フィードキー、ファンクションキー等を備える。各キーは、ボタンと称してもよい。タッチパネル22及びキーボード23は、画像形成装置1の入力デバイスである。
【0041】
次に、画像形成機構17の構成について説明する。図1に示されように、画像形成機構17は、複数の画像形成ステーション41と転写機構42とを備える。各画像形成ステーション41は、それぞれトナー像を形成する。各画像形成ステーション41は、トナーの種類ごとに設けられる。図1に示す例において、各画像形成ステーション41は、向かって左側からイエロー、マゼンダ、シアン及びブラック等の各カラートナーにそれぞれ対応する。各画像形成ステーション41は、それぞれ対応する色のカラートナーを有するトナーカートリッジ2を備える。図1に例示された画像形成装置1は、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの4色のカラートナーにそれぞれ対応した4つの画像形成ステーション41を備える。
【0042】
次に、各画像形成ステーション41の構成について説明する。各画像形成ステーション41は、それぞれ感光体ドラム(感光体)71、クリーナ72、帯電器73、露光器74、現像器75及び1次転写ローラ(転写器)93を備える。
【0043】
感光体ドラム71は、円筒状のドラムとドラムの外周面に形成された感光層とを備える。感光体ドラム71は、感光体である。感光体ドラム71の外周面は、像担持体である。感光体ドラム71は、駆動機構から伝達される動力によって一定の速度で回転する。
【0044】
クリーナ72は、感光体ドラム71の表面と接触するブレードを有する。クリーナ72は、ブレードを用いて感光体ドラム71の表面に残留したトナーを除去する。
【0045】
帯電器73は、感光体ドラム71の表面を一様に帯電させる。帯電器73は、帯電チャージャとも称される。帯電器73は、グリッド電極から出力するグリッドバイアス電圧(帯電電位)を感光体ドラム71に印加することにより感光体ドラム71を一様な負極性の電位(表面電位)に帯電させる。
【0046】
露光器74は、複数の発光素子を備える。発光素子は、例えばレーザダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)、又は有機EL(OLED)等である。複数の発光素子は、感光体ドラム71の回転軸と平行な方向である主走査方向に配列する。各発光素子は、感光体ドラム71上の1点に光を照射するように構成する。
【0047】
露光器74は、主走査方向に配列された複数の発光素子からの光を帯電した感光体ドラム71の表面に照射することにより感光体ドラム71に1ライン分の静電潜像を形成する。さらに、露光器74は、回転する感光体ドラム71に連続して光を照射することにより、複数ラインの静電潜像を形成する。
【0048】
現像器75は、トナーを感光体ドラム71に付着させる装置である。現像器75は、トナーとキャリアとを含む現像剤を収容する。現像器75は、トナーカートリッジ2から供給されるトナーとキャリアとを撹拌機構により撹拌する。現像器75は、撹拌機構により撹拌されたトナーとキャリアとを含む現像剤が付着した現像ローラから感光体ドラム71へトナーを供給する。現像器75は、感光体ドラム71にトナーを供給することにより感光体ドラム71上の静電潜像をトナーで現像する。感光体ドラム71は、現像器75によってトナーで現像されたトナー像(現像剤像)を保持する。感光体ドラム71は、回転することによりトナー像を転写ベルト91への転写位置へ送る。
【0049】
転写機構42は、感光体ドラム71の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。図1に示す構成例において、転写機構42は、転写ベルト(転写体)91、駆動ローラ92、複数の1次転写ローラ(転写器)93、及び2次転写ローラ94を備える。
【0050】
転写ベルト91は、各画像形成ステーション41の感光体ドラム71の表面に形成されたトナー像が転写される媒体(転写体)である。転写ベルト91は、用紙Pに転写する画像を保持する中間転写体である。図1に示す構成例において、転写ベルト91は、駆動ローラ92及び複数の巻付ローラに巻き付けられた無端ベルトである。転写ベルト91は、内側の面である裏面が駆動ローラ92及び複数の巻付ローラに接触する。転写ベルト91は、外側の面である表面が各画像形成ステーション41の感光体ドラム71と対向する。
【0051】
駆動ローラ92は、駆動機構から伝達される動力によって回転する。駆動ローラ92は、回転することにより転写ベルト91を搬送する。図1に示す構成例において、駆動ローラ92は、反時計方向に回転する。駆動ローラ92の回転によって無端ベルトである転写ベルト91は、反時計方向に回転するように搬送される。複数の巻付ローラは、自由に回転可能に構成されている。複数の巻付ローラは、駆動ローラ92による転写ベルト91の移動に従って回転する。
【0052】
1次転写ローラ(転写器)93は、画像形成ステーション41毎に複数設けられる。各1次転写ローラ93は、対応する画像形成ステーション41の感光体ドラム71に対向するように設けられる。各1次転写ローラ93は、対応する画像形成ステーション41の感光体ドラム71と転写ベルト91を挟んで対向する位置に設けられる。1次転写ローラ93が転写ベルト91を挟んで感光体ドラム71に対向する位置は、1次転写部と称する。1次転写部において、感光体ドラム71上の画像(トナー像)が転写ベルト91に転写される。
【0053】
1次転写ローラ93は、転写ベルト91の内周面側に接触する。1次転写ローラ93は、転写ベルト91を内周面側から感光体ドラム71へ向けて押圧する。1次転写ローラ93によって押圧される転写ベルト91は、表面(外周面)が感光体ドラム71に当接する。1次転写ローラ93は、感光体ドラム71から画像(トナー像)を転写する場合、転写ベルト91を介して感光体ドラム71に対して転写バイアス(1次転写バイアス)を印加する。感光体ドラム71からトナー像は、1次転写ローラ93から印加される転写バイアスによって転写ベルト91に転写される。
【0054】
2次転写ローラ94は、駆動ローラ92と対向する位置に設ける。2次転写ローラ94は、駆動ローラ92によって内周面が搬送される転写ベルト91の表面に接触する。2次転写ローラ94は、転写ベルト91を駆動ローラ92側へ押圧する。駆動ローラ92と2次転写ローラ94とに挟まれる転写ベルト91は、表面が2次転写ローラ94に密着する。転写ベルト91の表面と2次転写ローラ94とが密着する部位に転写ニップが形成される。転写ニップは、転写ベルト91の表面に形成されたトナー像(現像剤像)を用紙Pに転写する転写部(転写位置)である。
【0055】
2次転写ローラ94は、レジストローラ36によって供給される用紙Pを転写ベルト91との間に挟んだ状態で搬送する。用紙Pは、転写ニップ(転写位置)を通過する。2次転写ローラ94は、転写ニップを通過する用紙Pを転写ベルト91の表面に押し当てる。
【0056】
2次転写ローラ94は、転写ニップにおいて用紙Pを介して転写ベルト91にバイアス電圧(2次転写バイアス)を印加する。2次転写ローラ94は、システムコントローラ13により指定される電位の2次転写バイアス(以下、単に「転写バイアス」ともいう。)を印加する。2次転写ローラ94が転写バイアスを印加した状態で用紙Pが転写ニップを通過すると、転写ベルト91上のトナー像は、用紙Pに転写される。
【0057】
このように、転写機構42は、1次転写部において感光体ドラム71上のトナー像を1次転写ローラ93から印加する転写バイアスによって感光体ドラム71に当接する転写ベルト91に転写(1次転写)する。複数の画像形成ステーション41を備える場合、転写機構42は、複数の画像形成ステーション41の感光体ドラム71から転写ベルト91にトナー像を1次転写する。
【0058】
転写機構42は、転写ベルト91の表面に1次転写されたトナー像を転写ニップ(転写位置)まで送る。転写機構42は、転写ベルト91の表面に転写したトナー像を2次転写ローラ94が転写バイアスを印加する転写ニップを通過する用紙Pに転写する。転写ベルト91は、用紙Pに転写するトナー像を保持する像担持体の一例である。
【0059】
次に、実施形態における画像形成装置1における制御系の構成について説明する。図3は、実施形態における画像形成装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0060】
図3に示されるように、画像形成装置1は、システムコントローラ13に、通信インターフェース12、画像形成機構17、定着器18、タグ通信デバイス19、スキャナ20、コントロールパネル21及びモータ30等を接続する。
【0061】
システムコントローラ13は、プロセッサ131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133及び補助記憶デバイス134を含む。システムコントローラ13は、プロセッサ131、ROM132、RAM133及び補助記憶デバイス134によりコンピュータを構成する。また、システムコントローラ13は、画像処理用のプロセッサであるASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備えるようにしてもよい。
【0062】
プロセッサ131は、システムコントローラ13としてのコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ131は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、画像形成装置1の各部を制御する。プロセッサ131は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0063】
ROM132及びRAM133は、システムコントローラ13としてのコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM132は、不揮発性のメモリ領域であり、RAM133は、揮発性のメモリ領域である。ROM132は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。ROM132は、プロセッサ131が各部を制御するための処理を実行する上で必要な制御データを記憶する。RAM133は、プロセッサ131によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用される。RAM133は、例えば画像データを記憶するためのワークエリアを有する。
【0064】
補助記憶デバイス134は、システムコントローラ13としてのコンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス134は、例えば、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶デバイスで構成される。補助記憶デバイス134は、プロセッサ131が各種の処理を行う上で使用する設定データ等のデータを記憶する。補助記憶デバイス134は、プロセッサ131が実行した処理で生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス134は、アプリケーションプログラムを記憶してもよい。
【0065】
また、補助記憶デバイス134は、画像形成装置1及びユーザ端末202を使用するユーザの認証を行うための認証情報を記憶する。認証情報とは、例えば、ユーザを一意に識別するユーザID(Identifier)と、パスワードとが対応付けられた情報である。プロセッサは131は、例えば、後述されるユーザ端末202から送信されたユーザID及びパスワードと、補助記憶デバイス134に記憶されたユーザID及びパスワードとを照合することによって、ユーザ認証の処理を実行する。
【0066】
また、補助記憶デバイス134は、ユーザIDごとの属性情報をさらに記憶する。属性情報とは、各ユーザが管理者であるか否かを表す情報(例えばフラグ情報)である。ここで、管理者は、タグ用紙TPへプリントが許可されたユーザであり、管理者以外のユーザは、タグ用紙TPへのプリントが許可されていないユーザであるものとする。又は、属性情報とは、タグ用紙TPへのプリントが許可されたユーザであるか否かを表す情報(例えばフラグ情報)であってもよい。又は、属性情報とは、タグ用紙TPへのプリントを行う機会が多いユーザであるか否か(すなわち、タグ用紙TPへのプリントに慣れているユーザであるか否か)を表す情報(例えばフラグ情報)であってもよい。
【0067】
プロセッサは131は、例えば、認証されたユーザのユーザIDと属性情報とに基づいて、タグ用紙TPへのプリントを許可又は禁止するための各種制御を行う。例えば、タグ用紙TPへのプリントを禁止するための制御とは、コントロールパネル21に表示される給紙カセット14の選択画面において、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14をユーザが選択することができないような表示に切り替えるための制御である。または、例えば、タグ用紙TPへのプリントを禁止するための制御とは、コントロールパネル21に表示される給紙カセット14の選択画面において、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14をユーザが選択しようとした場合に、アラーム音を鳴らすための制御である。または、例えば、タグ用紙TPへのプリントを禁止するための制御とは、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14をユーザが選択してプリントを実行しようとした場合に、当該給紙カセット14からタグ用紙TPをピックアップするピックアップローラ33を動作させないようにするための制御である。
【0068】
また、プロセッサは131は、例えば、プリントではなくコピーの指示がされた場合に、タグ用紙TPへのプリントを禁止するための各種制御を行う。なお、タグ用紙TPへのプリントを禁止するための制御は、上記のユーザIDと属性情報とに基づいて行われる制御と同様である。
【0069】
システムコントローラ13は、各画像形成ステーション41におけるトナーカートリッジ2、感光体ドラム71、クリーナ72、帯電器73、露光器74、現像器75に接続する。システムコントローラ13は、トナーカートリッジ2、感光体ドラム71、クリーナ72、帯電器73、露光器74、及び現像器75を制御する。
【0070】
例えば、システムコントローラ13は、各画像形成ステーション41の帯電器73に対して帯電させるオン・オフを制御する。また例えば、システムコントローラ13は、各画像形成ステーション41の露光器74に対して感光体ドラム71へのレーザー光の照射(露光)のオン・オフを制御する。また例えば、システムコントローラ13は、各画像形成ステーション41の現像器75に対して現像バイアスのオン・オフを制御する。
【0071】
システムコントローラ13は、転写機構42に接続する。転写機構42は、転写ベルト91、駆動ローラ92、複数の1次転写ローラ93、2次転写ローラ94、電源95及び電源97を有する。複数の1次転写ローラ93は、各画像形成ステーション41に設けられる1次転写ローラである。
【0072】
システムコントローラ13は、レジストローラ36に接続する。例えば、システムコントローラ13は、用紙PのRFIDタグ40に対するタグ処理の結果に応じて、レジストローラ36による用紙Pの転写位置への送り出しのオン・オフを制御する。レジストローラ36は、システムコントローラ13からの指示に基づくタイミングで用紙Pを転写位置へ送り出す。
【0073】
電源95は、1次転写ローラ93が転写ベルト91を挟んで対向する感光体ドラム71に対して印加する転写バイアス(1次転写バイアス)を供給する。電源95は、電流源であってもよいし、電圧源であってもよい。
【0074】
電源95は、システムコントローラ13に接続する。システムコントローラ13は、電源95により1次転写ローラ93が対向する感光体ドラム71に対して印加する1次転写バイアスのオン・オフを制御する。システムコントローラ13は、電源95により1次転写ローラ93が印加する1次転写バイアスの値を制御する。
【0075】
電源97は、2次転写ローラ94が転写ベルト91を挟んで対向する駆動ローラ92に対して印加する転写バイアス(2次転写バイアス)を供給する。電源97は、システムコントローラ13に接続する。システムコントローラ13は、電源97により2次転写ローラ94が転写ベルト91に印加するバイアス電圧(2次転写バイアス)の値を制御する。例えば、システムコントローラ13は、タグ用紙TPのRFIDタグ40に対する処理の結果に応じた転写設定に基づいて転写バイアスの値を決定するようにしてもよい。また、システムコントローラ13は、用紙Pの坪量、厚さ、又は、種類等に応じてバイアス電圧(2次転写バイアス)の値を調整するようにしてもよい。
【0076】
モータ30は、各部を動作させるモータである。モータ30は、システムコントローラ13に接続する。モータ30は、システムコントローラ13からの制御に応じて駆動する。モータ30は、例えば、第1モータと第2モータと第3モータとを含む。モータ30としての第1モータは、搬送機構16を駆動する。モータ30としての第2モータは、感光体ドラム71を回転させる。モータ30としての第3モータは、駆動ローラ92を回転させる。第2モータは、複数の画像形成ステーション41にそれぞれ備えられた感光体ドラム71に対応して複数設ける。モータ30は、第1、第2及び第3モータ以外のモータを含んでいてもよい。
【0077】
次に、実施形態における画像形成装置1とサーバ201とを有する画像形成システム200の構成について説明する。
【0078】
上述したような構成を有する画像形成装置1は、サーバ201と接続した画像形成システム200において運用される構成であってもよい。例えば、サーバ201は、タグ用紙TPを管理するためにタグ用紙TPが有するRFIDタグ40に記録しているデータを管理する管理装置として運用する。サーバ201は、画像形成装置1がタグ用紙TPのRFIDタグ40に書き込むデータを指示するようにしてもよい。
【0079】
サーバ201は、画像形成装置1がタグ用紙TPのRFIDタグ40に書き込んだデータを日時等の情報と共に保存することにより、当該タグ用紙TPが処理された履歴を管理できる。また、サーバ201は、画像形成装置1がタグ用紙TPのRFIDタグ40から読み取ったデータを取得する。サーバ201は、画像形成装置1がタグ用紙TPのRFIDタグ40から読み取ったデータを日時等の情報と共に保存することにより、当該タグ用紙TPが処理された履歴を管理できる。
【0080】
以下、画像形成装置1と、サーバと、ユーザ端末とを有する画像形成システムの構成の一例について説明する。図4は、実施形態の画像形成装置1とサーバ201とユーザ端末202とを有する画像形成システム200の機能構成を示すブロック図である。図4に示される構成例において、画像形成装置1は、前述の図1及び図3に示されるような構成を有する複合機である。
【0081】
図4に示されるように、サーバ201は、プロセッサ211、ROM212、RAM213、データメモリ214、及び、通信インターフェース215を有する。サーバ201は、例えば汎用コンピュータである。
【0082】
プロセッサ211は、サーバ201としてのコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ211は、例えば、CPUである。プロセッサ211は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。例えば、プロセッサ211は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを実行する。
【0083】
ROM212及びRAM213は、サーバ201としてのコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM212は、不揮発性のメモリ領域である。RAM212は、揮発性のメモリ領域である。ROM212は、例えば、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。ROM212は、プロセッサ211が各部を制御するための処理を実行する上で必要な制御データを記憶する。RAM213は、プロセッサ211によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用される。RAM213は、例えば画像データを記憶するためのワークエリアを有する。
【0084】
データメモリ214は、サーバ201としてのコンピュータの補助記憶部分に相当する。データメモリ214は、例えば、EEPROM、HDD又はSSD等の記憶デバイスで構成する。データメモリ214は、プロセッサ211が各種の処理を行う上で使用する設定データ等のデータを記憶する。データメモリ214は、プロセッサ211が実行した処理で生成されたデータを保存する。データメモリ214は、アプリケーションプログラムを記憶してもよい。
【0085】
なお前述のとおり、本実施形態では画像形成装置1がユーザ認証の処理を実行する構成であるが、サーバ201がユーザ認証の処理を実行する構成であってもよい。この場合、データメモリ214は、画像形成装置1及びユーザ端末202を使用するユーザの認証を行うための認証情報を記憶する。認証情報とは、例えば、ユーザを一意に識別するユーザID(Identifier)と、パスワードとが対応付けられた情報である。
【0086】
また、この場合、データメモリ214は、ユーザごとの属性情報をさらに記憶する。前述のとおり、属性情報とは、各ユーザが管理者であるか否かを表すフラグ、タグ用紙TPへプリントが許可されたユーザであるか否かを表す情報(例えばフラグ情報)、又はタグ用紙TPへのプリントを行う機会が多いユーザであるか否か(すなわち、タグ用紙TPへのプリントに慣れているユーザであるか否か)を表す情報(例えばフラグ情報)である。
【0087】
通信インターフェース215は、ネットワークを通じて接続する他の機器と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース215は、画像形成装置1との通信に用いられる。通信インターフェース215は、例えば、LAN通信用のインターフェースである。また、通信インターフェース215は、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等の無線通信規格によって他の機器と通信を行う無線通信インターフェースであってもよい。
【0088】
図4に示されるように、ユーザ端末202は、プロセッサ221、ROM222、RAM223、データメモリ224、及び、通信インターフェース225を有する。ユーザ端末202は、例えばPC、タブレット端末、又はスマートフォン等の端末装置である。
【0089】
プロセッサ221は、ユーザ端末202としてのコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ221は、例えば、CPUである。プロセッサ221は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。例えば、プロセッサ221は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを実行する。
【0090】
ROM222及びRAM223は、ユーザ端末202としてのコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM222は、不揮発性のメモリ領域である。RAM222は、揮発性のメモリ領域である。ROM222は、例えば、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。ROM222は、プロセッサ221が各部を制御するための処理を実行する上で必要な制御データを記憶する。RAM223は、プロセッサ221によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用される。RAM223は、例えば画像データを記憶するためのワークエリアを有する。
【0091】
データメモリ224は、ユーザ端末202としてのコンピュータの補助記憶部分に相当する。データメモリ224は、例えば、EEPROM、HDD又はSSD等の記憶デバイスで構成する。データメモリ224は、プロセッサ221が各種の処理を行う上で使用する設定データ等のデータを記憶する。データメモリ224は、プロセッサ221が実行した処理で生成されたデータを保存する。データメモリ224は、アプリケーションプログラムを記憶してもよい。
【0092】
データメモリ224は、例えば、印刷ジョブを示す情報を記憶する。印刷ジョブは、画像形成装置1に対して用紙Pへの画像形成を指示するプリント指示情報である。また、データメモリ224は、例えば、画像形成装置1が処理するタグ用紙TPが備えるRFIDタグ40に書き込む情報を記憶していてもよい。また、データメモリ224は、例えば、画像形成装置1がタグ用紙TPのRFIDタグ40から読み取ったデータを、読み取り日時等の情報と共に保存するようにしてもよい。
【0093】
通信インターフェース225は、ネットワークを通じて接続する他の機器と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース225は、画像形成装置1との通信に用いられる。通信インターフェース225は、例えば、LAN通信用のインターフェースである。また、通信インターフェース225は、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等の無線通信規格によって他の機器と通信を行う無線通信インターフェースであってもよい。
【0094】
以下、実施形態における画像形成装置1の、タグ用紙TPの使用可否の制御に関する動作の一例について説明する。図5は、実施形態の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。図5のフローチャートが示す画像形成装置1の動作は、例えば、ユーザ端末202又はサーバ201からネットワークを介して伝送されたユーザの認証情報が画像形成装置1へ伝送された際に開始される。なお、図5のフローチャートが示す画像形成装置1の動作は、ユーザによってコントロールパネル21にユーザの認証情報が入力された際に開始されてもよい。なお、認証情報とは、例えばユーザID及びパスワードである。
【0095】
まず、画像形成装置1の通信インターフェース12又はコントロールパネル21は、ユーザの認証情報を取得する。通信インターフェース12又はコントロールパネル21は、取得した認証情報をシステムコントローラ13へ出力する。システムコントローラ13のプロセッサ131は、通信インターフェース12又はコントロールパネル21から出力された認証情報を取得する(ACT001)。
【0096】
次に、プロセッサ131は、補助記憶デバイス134に予め記憶された認証情報を読み出す。プロセッサ131は、通信インターフェース12又はコントロールパネル21から取得た認証情報と、補助記憶デバイス134から読み出した認証情報を照合することにより、ユーザ認証処理を行う(ACT002)。なお、ここでは認証が成功したものとする。もし認証が失敗した場合には、図5のフローチャートが示す画像形成装置1の動作は終了する。
【0097】
プロセッサ131は、さらに、補助記憶デバイス134に予め記憶されたユーザの属性情報を読み出す。前述の通り、属性情報とは、各ユーザが管理者であるか否かを表すフラグを示す情報である。プロセッサ131は、ユーザ認証処理によって特定されたユーザのユーザIDに対応する属性情報を読み出すことにより、当該ユーザが管理者であるか否かを特定する。
【0098】
なお前述の通り、属性情報とは、タグ用紙TPへのプリントが許可されたユーザであるか否かを表す情報(例えばフラグ情報)であってもよい。又は、属性情報とは、タグ用紙TPへのプリントを行う機会が多いユーザであるか否か(すなわち、タグ用紙TPへのプリントに慣れているユーザであるか否か)を表す情報(例えばフラグ情報)であってもよい。この場合、プロセッサ131は、当該ユーザが、タグ用紙TPへのプリントが許可されたユーザであるか否か、又はタグ用紙TPへのプリントを行う機会が多いユーザであるか否かを特定する。すなわち、プロセッサ131は、ユーザ認証処理によって特定されたユーザが、タグ処理を伴うプリントの実行を許可されるユーザであるか否かを特定する。
【0099】
次に、通信インターフェース12又はコントロールパネル21は、ユーザによって実行指示されるジョブの入力を待ち受ける(ACT003)。ここでいうジョブとは、印刷(プリント)ジョブ又は複写(コピー)ジョブである。通信インターフェース12又はコントロールパネル21は、ジョブを取得すると(ACT003・YES)、当該ジョブをシステムコントローラ13へ出力する。システムコントローラ13のプロセッサ131は、通信インターフェース12又はコントロールパネル21から出力されたジョブを取得する。
【0100】
次に、プロセッサ131は、ACT002の処理によって特定されたユーザの属性が管理者であるか否かを確認する(ACT004)。ユーザの属性が管理者である場合(ACT004・YES)、プロセッサ131は、ACT003の処理によって取得されたジョブが(複写ジョブではなく)印刷ジョブであったか否かを確認する(ACT005)。取得されたジョブが印刷ジョブであった場合(ACT005・YES)、プロセッサ131は、取得された印刷ジョブにタグ処理の実行指示が含まれているか否かを確認する(ACT006)。取得された印刷ジョブにタグ処理の実行指示が含まれている場合(ACT006・YES)、プロセッサ131は、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14を使用可能にするための以降の処理(ACT007~ACT008)を行う。
【0101】
プロセッサ131は、コントロールパネル21の表示制御を行う。例えば、プロセッサ131は、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14を選択可能にする操作ボタンを、コントロールパネル21に表示させる。
【0102】
図6は、実施形態の画像形成装置1のコントロールパネル21に表示される給紙カセット選択画面の一例を示す図である。図6に示される給紙カセット選択画面には、「A4」、「A4-Rタグ」、及び「A3」とそれぞれ併記された3つの給紙カセットの画像が表示されている。「A4」と併記された画像は、A4サイズの通常用紙NPが格納された給紙カセット14を表している。また「A4-Rタグ」と併記された画像は、A4サイズのタグ用紙TPが格納された給紙カセット14を表している。また、「A3」と併記された画像は、A3サイズの通常用紙NPが格納された給紙カセット14を表している。
【0103】
図6に示される給紙カセット選択画面では、3つの給紙カセット14の全てが、(例えば、画像が非表示又はグレーアウト表示にされていることもなく)選択可能であることを容易に認識できるように表示されている。このように、プロセッサ131は、タグ処理を許可する場合、タグ用紙TPが格納された「A4-Rタグ」の給紙カセット14を選択可能にする操作ボタンを、コントロールパネル21に表示させる(ACT007)。
【0104】
次に、プロセッサ131は、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を許可するための処理を実行する(ACT008)。タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を許可するための処理とは、例えば、当該給紙カセット14からタグ用紙TPをピックアップするピックアップローラ33を動作可能にする制御処理である。あるいは、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を許可するための処理とは、例えば、タグ用紙TPを補給できるように当該給紙カセット14を引き出すことを可能にする制御処理である。
【0105】
なお、これらのタグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を許可するための処理は、1種類の処理のみが実行されてもよいし、複数の種類の処理が併せて実行されてもよい。また、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を許可するための処理であるACT008の処理は省略されてもよい。
【0106】
一方、ユーザの属性が管理者ではなく一般ユーザであった場合(ACT004・NO)、取得されたジョブが印刷ジョブではなく複写ジョブであった場合(ACT005・YES)、又は取得された印刷ジョブにタグ処理の実行指示が含まれていない場合(ACT006・YES)には、プロセッサ131は、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14を使用不可にするための以降の処理(ACT009~ACT010)を行う。
【0107】
プロセッサ131は、コントロールパネル21の表示制御を行う。例えば、プロセッサ131は、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14を選択不可にする操作ボタンを、コントロールパネル21に表示させる。
【0108】
図7は、実施形態の画像形成装置1のコントロールパネル21に表示される給紙カセット選択画面の一例を示す図である。図7に示される給紙カセット選択画面には、前述の図6に示される給紙カセット選択画面と同様に、「A4」、「A4-Rタグ」、及び「A3」とそれぞれ併記された3つの給紙カセットの画像が表示されている。
【0109】
図7に示される給紙カセット選択画面では、前述の図6に示される給紙カセット選択画面とは異なり、3つの給紙カセット14のうち、タグ用紙TPが格納された「A4-Rタグ」の給紙カセット14のみがグレーアウト表示されている。これにより、ユーザは、タグ用紙TPが格納された「A4-Rタグ」の給紙カセット14が選択不可であることを容易に認識することができる。このように、プロセッサ131は、タグ処理を禁止する場合、タグ用紙TPが格納された「A4-Rタグ」の給紙カセット14を選択するための操作ボタンを、コントロールパネル21において非表示又はグレーアウト表示にする(ACT009)。
【0110】
次に、プロセッサ131は、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を禁止するための処理を実行する(ACT010)。タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を禁止するための処理とは、例えば、当該給紙カセット14からタグ用紙TPをピックアップするピックアップローラ33を動作させないようにする制御処理である。あるいは、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を禁止するための処理とは、例えば、タグ用紙TPの補給がされないように当該給紙カセット14を引き出すことができないようにする制御処理である。
【0111】
なお、これらのタグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を禁止するための処理は、1種類の処理のみが実行されてもよいし、複数の種類の処理が併せて実行されてもよい。また、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の使用を禁止するための処理であるACT010の処理は省略されてもよい。
【0112】
次に、プロセッサ131は、画像形成機構17を制御し、取得した印刷ジョブ又は複写ジョブに従って画像形成処理を行わせる。また、プロセッサ131は、タグ処理の実行が許可されている場合には、タグ通信デバイス19を制御し、タグ用紙TPに備えられたRFIDタグに対するタグ処理を行わせる。
【0113】
次に、プロセッサ131は、ユーザによりログオフの指示が入力されていないか確認する(ACT101)。ログオフの指示が入力されていない場合(ACT101・NO)、ACT008の処理に戻り、プロセッサ131はジョブの取得を待ち受ける。一方、ログオフの指示が入力された場合(ACT101・YES)、プロセッサ131は、ログオフの処理を実行する。以上で、図5のフローチャートが示す、タグ用紙TPの使用可否の制御に関する画像形成装置1の動作が終了する。
【0114】
以上説明したように、実施形態の画像形成装置1は、ユーザ認証によって特定されたユーザが、タグ処理を伴う印刷ジョブの実行を許可されていないユーザである場合、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14を使用できないようにするための構成を備える。このような構成を備えることで、実施形態の画像形成装置1は、例えばタグ用紙TPの取り扱いに不慣れなユーザ等が、当該タグ用紙TPを間違った面や向きで給紙カセット14にセットしてしまうことを防止することができる。また、実施形態の画像形成装置1は、印刷(プリント)ジョブではなく複写(コピー)ジョブを実行する指示がなされた場合、タグ処理が実行されないようにするためのn構成を備える。このような構成を備えることで、実施形態の画像形成装置1は、一般的にタグ処理が必要とされない複写ジョブの際にタグ用紙TPが使用されてしまうことを防止することができる。これにより、実施形態の画像形成装置1は、タグ用紙TPに対するタグ処理及び画像形成の失敗の発生を低減させることができる。
【0115】
上述した実施形態によれば、画像形成装置は、第1の給紙カセットと、第2の給紙カセットと、画像形成部と、通信部と、制御部とを備える。例えば、画像形成装置は、実施形態における画像形成装置1であり、第1の給紙カセットは、通常用紙NPが格納された給紙カセット14であり、第2の給紙カセットは、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14であり、画像形成部は、実施形態における画像形成機構17であり、通信部は、実施形態におけるタグ通信デバイス19であり、制御部は、実施形態におけるシステムコントローラ13である。
【0116】
上記の第1の給紙カセットは、無線タグが付されていない第1のシートを格納する。例えば、無線タグは、実施形態におけるRFIDタグ40であり、第1のシートは、実施形態における通常用紙NPである。上記の第2の給紙カセットは、無線タグが付された第2のシートを格納する。例えば、第2のシートは、実施形態におけるタグ用紙TPである。画像形成部は、第1のシート又は第2のシートに画像を形成する。通信部は、第2のシートに付された無線タグと通信を行う。制御部は、ユーザ認証によって特定されたユーザの属性情報を取得し、取得された属性情報に応じて第2の給紙カセットに格納された第2のシートの使用可否を制御する。
【0117】
なお、上記の画像形成装置は、表示部をさらに備えていてもよい。例えば、表示部は、実施形態におけるコントロールパネル21である。表示部は、使用する給紙カセットをユーザに選択させるための選択入力画面を表示する。例えば、選択入力画面は、実施形態における給紙カセット選択画面である。また、制御部は、第2のシートの使用を禁止する制御を行う場合、第2の給紙カセットの選択を不可にした選択入力画面を前記表示部に表示させる。例えば、第2の給紙カセットの選択を不可にした選択入力画面とは、図7に示されるような、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14の表示を非表示又はグレーアウト表示した給紙カセット選択画面である。
【0118】
なお、上記の画像形成装置において、制御部は、第2のシートの使用を禁止する制御を行う場合、第2の給紙カセットに格納された第2のシートの搬送が行われないように搬送部を制御するようにしてもよい。例えば、第2の給紙カセットに格納された第2のシートの搬送が行われないように搬送部を制御することとは、実施形態における、タグ用紙TPが格納された給紙カセット14から当該タグ用紙TPをピックアップするピックアップローラ33を動作させないようにする制御を行うことである。
【0119】
なお、上記の画像形成装置において、制御部は、取得したジョブが複写処理を指示するジョブである場合には、第2のシートの使用を禁止する制御を行うようにしてもよい。例えば、複写処理とは、実施形態における複写(コピー)ジョブである。
【0120】
なお、上記の画像形成装置において、制御部は、ユーザ認証によって特定されたユーザが管理者であることを示す属性情報、ユーザ認証によって特定されたユーザが第2のシートの使用を許可されたユーザであることを示す属性情報、又は、ユーザ認証によって特定されたユーザが第2のシートを使用する機会が多いユーザであることを示す属性情報である場合に、第2のシートの使用を許可する制御を行うようにしてもよい。
【0121】
上述した各実施形態における画像形成装置1が実現する機能の一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0123】
1…画像形成装置、2…トナーカートリッジ、11…筐体、12…通信インターフェース、13…システムコントローラ、14…給紙カセット、15…排紙トレイ、16…搬送機構、17…画像形成機構、18…定着器、19…タグ通信デバイス、20…スキャナ、21…コントロールパネル、22…タッチパネル、23…キーボード、30…モータ、31…給紙搬送路、32…排紙搬送路、33…ピックアップローラ、34…ヒートローラ、35…加圧ローラ、36…レジストローラ、40…RFIDタグ、41…画像形成ステーション、42…転写機構、71…感光体ドラム、72…クリーナ、73…帯電器、74…露光器、75…現像器、91…転写ベルト、92…駆動ローラ、93…1次転写ローラ、94…2次転写ローラ、95,97…電源、131…プロセッサ、134…補助記憶デバイス、200…画像形成システム、201…サーバ、202…ユーザ端末、211…プロセッサ、214…データメモリ、215…通信インターフェース、221…プロセッサ、224…データメモリ、225…通信インターフェース、P…用紙、NP…通常用紙、TP…タグ用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7