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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176710
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】清掃用具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/254 20060101AFI20241212BHJP
   A46B 5/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A47L13/254
A46B5/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095465
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】川島 聡史
【テーマコード(参考)】
3B074
3B202
【Fターム(参考)】
3B074AA08
3B074AB01
3B074EE01
3B202AA44
3B202AB15
3B202BC07
3B202CA02
3B202DB04
3B202EA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブラシ部を任意の動作方向で被清掃体に当接させても、被清掃体の隅々まで清掃することが可能な清掃用具を提供する。
【解決手段】清掃用具1は柄部2と、この柄部2の先端に取り付けたブラシ部3とから構成されている。ブラシ部3の固定部6の先端の固定軸6aを、第1の主面部5aと第3の主面部5cの四角孔5eに挿通し、更に第1の主板部4aの筒部4e内に、挿し込むことにより、第1の主面部5aと第3の主面部5cは、第1の主板部4a上に固定される。清掃用具1を使用するには、柄部2を持って清掃体5の第1~第3の主面部5a~5cが被清掃体に接するようにして、被清掃体に対して摺動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄部と、該柄部の下端に設けたブラシ部とから構成される清掃用具であって、
前記ブラシ部は、基部と、該基部に巻回して固着するシート状の清掃体とから構成され、
前記基部は、上下に平行して離間している略同形状の第1、第2の主板部と、該第1、第2の主板部を連結する連結板部とから成り、
前記清掃体は、上側の前記第1の主板部と当接する略円形状の第1の主面部と、下側の前記第2の主板部と当接する前記第1の主面部と同形状の第2の主面部と、該第1、第2の主面部を連結する第1の連結部とから成ることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
前記清掃体は、前記第2の主面部と第2の連結部を介して、連結する前記第1の主面部と同形状の第3の主面部を有し、
前記基部に前記清掃体を固着した際は、第3の主面部は前記第1の主面部の上又は下に積層されることを特徴とする請求項1に記載の清掃用具。
【請求項3】
前記主板部の短手方向である横幅よりも、前記主面部の横幅の方が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具。
【請求項4】
前記主板部の横幅と前記主面部の横幅との差は、前記主板部の中央個所で最大となることを特徴とする請求項3に記載の清掃用具。
【請求項5】
前記第1、第2の主板部は、下方に膨出湾曲していることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具。
【請求項6】
前記第1、第2の主板部には、中心を連結する筒部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の清掃用具。
【請求項7】
前記第1の主面部及び前記第3の主面部は、それぞれ中央に孔部を有しており、前記柄部の先端に取り付けた固定部の固定軸を、前記孔部に挿通し、更に前記筒部内に、挿し込むことにより、前記清掃体を前記基部に固着させることを特徴とする請求項6に記載の清掃用具。
【請求項8】
前記柄部は直棒状の把持部と、該把持部と連続する曲棒部とから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄部を把持して被清掃体を清掃するための清掃用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、係着部に矩形状の清掃部材を巻き付けて固着し、柄部を持って使用する清掃用具が開示されている。この清掃用具により、先端部の清掃部材により被清掃体である例えば便器を清掃する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3-11897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された清掃用具による清掃では、先端部の清掃部材を被清掃体に当接させる必要があり、柄部の動作方向を清掃箇所に応じて適宜に変更することになる。
【0005】
しかし、清掃する箇所によっては周囲に十分な空間がなく、柄部の動作方向が制限される場合があり、このような場合には、清掃部材を四方に動かして清掃することが困難となる問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、清掃部材であるブラシ部を任意の動作方向で被清掃体に当接させても、被清掃体の隅々まで清掃することが可能な清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る清掃用具は、柄部と、該柄部の下端に設けたブラシ部とから構成される清掃用具であって、前記ブラシ部は、基部と、該基部に巻回して固着するシート状の清掃体とから構成され、前記基部は、上下に平行して離間している略同形状の第1、第2の主板部と、該第1、第2の主板部を連結する連結板部とから成り、前記清掃体は、上側の前記第1の主板部と当接する略円形状の第1の主面部と、下側の前記第2の主板部と当接する前記第1の主面部と同形状の第2の主面部と、該第1、第2の主面部を連結する第1の連結部とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る清掃用具によれば、柄部の動きが制限されるような狭い個所であっても、ブラシ部を任意の方向に向けて動かして被清掃体を清掃することが可能である。
【0009】
また、ブラシ部の基部を覆う清掃体は、基部よりも大きく可撓性を有するので、清掃体の縁部を変形させながら被清掃体に当接させることで、被清掃体を効果的に清掃できる。
【0010】
更に、基部には空隙を設けているため、この空隙によりブラシ部の水切れが良好となり、乾燥も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】清掃用具の分解斜視図である。
図2】組立てた状態の清掃用具の斜視図である。
図3】組立てた状態の清掃用具の側面図である。
図4】清掃体を固定していない状態の清掃用具の斜視図である。
図5】清掃用具を正面に向くようにして、被清掃体に対して清掃体の側方の縁部が当接した際の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を図示の実施例を基に詳細に説明する。
図1は清掃用具1の分解斜視図、図2は組立てた状態の清掃用具1の斜視図である。図3は組立てた状態の清掃用具1の側面図であり、図4は清掃体5を固定していない状態の清掃用具1の斜視図である。
【0013】
清掃用具1は主に、硬質の合成樹脂材等から成る柄部2と、この柄部2の先端に取り付けたブラシ部3とから構成されている。清掃用具1の大きさは、柄部2の長さが30cm、ブラシ部3の大きさが縦横5cm、高さ4cm程度であり、被清掃物に応じて適宜の大きさの清掃用具1を採用することができる。
【0014】
断面が略円状である柄部2は、直棒状の把持部2aと、この把持部2aの先端に連続し、外側に湾曲した曲棒部2bとから構成されている。曲棒部2bを設けることで、被清掃体、例えば便器に対して、便器の周縁部に柄部2を当接させることなく、便器の縁裏を含む隅々まで清掃することが可能である。なお、曲棒部2bは必ずしも必要とはしない。
【0015】
曲棒部2bの先端には曲棒部2bの径より、径が小さい略半円柱状のジョイント部2cが設けられており、把持部2aの後端には、保管する際に釘材等に引っ掛けることが可能な係止孔2dが設けられている。更に、図3の側面図に示すように、把持部2aと曲棒部2bの連結箇所の裏面には、ゴム板等から成る滑止部2eが配置されている。
【0016】
柄部2に連結するブラシ部3は、硬質の合成樹脂材等から成る基部4と、この基部4に巻回して固着するシート状の清掃体5とから成っている。基部4は、柄部2のジョイント部2cに固着した固定部6を介して、柄部2の先端に固定されている。
【0017】
基部4は側方断面が内部に空隙を有する略楕円形状とされ、上下に離間する略矩形板状であって平行する略同形状の第1、第2の主板部4a、4bと、これらの第1、第2の主板部4a、4bの端部同士を両側でそれぞれ連結する連結板部4c、4dとから成っている。第1、第2の主板部4a、4bは短手方向の横幅方向に、円弧状に張り出されていると共に、下方に若干湾曲して膨出されている。
【0018】
また、第1の主板部4aの下面中心には、固定部6の固定軸6aが挿入される四角孔を有する中空の筒部4eが、第2の主板部4bに向けて形成されている。第1、第2の主板部4a、4b間の中心を筒部4eにより連結することにより、基部4に上下方向から力が加わっても、この空隙が押し潰されないようにされている。
【0019】
なお、筒部4eを設ける際は、十分な強度を有するため連結板部4c、4dの一方又は両方を省略することが可能であり、又は筒部4eを設けずに、第1、第2の主板部4a、4bのそれぞれに、固定軸6aを挿入可能な四角孔を設けるようにしてもよい。更には固定軸6aを実施例の四角柱ではなく、適宜の形状の筒体とすることもできる。また、第1、第2の主板部4a、4bには、水切り用の多数の小孔4fが穿孔されている。
【0020】
基部4は、第1、第2の主板部4a、4bを連結板部4c、4dにより連結して組み立てるが、これらの部材の凹凸部同士の嵌合による組立て、或いは接着材による接着により組立て等、適宜に採用することができる。又は、基部4は合成樹脂材による射出成型により、予め一体に製作することも可能である。
【0021】
清掃体5は厚みが例えば6mm程度の不織布から成り、可撓性・弾発性を有すると共に、けば立つ表面を有している。図1に示すようにシート状の清掃体5を基部4の周囲に巻回することにより、基部4に取り付けられる。
【0022】
巻回前の清掃体5は、略円形状の3個のほぼ同径の第1~第3の主面部5a~5cが、2つの第1の連結部及び第2の連結部から成る連結部5dを介して直列に連結されている。また、清掃体5は基部4の表面を覆う場合に、第1、第2の主板部4a、4bの短手方向の横幅を大きくし、外側にはみ出す大きさとされている。
【0023】
そして、第1の主面部5aと第3の主面部5cにはそれぞれ、固定部6の固定軸6aが挿通可能な同形状の四角孔5eが形成されている。なお、清掃体5において、第3の主面部5c及び第2の連結部である一方の連結部5dを省略することもできる。
【0024】
固定部6は、下方に向けて突出され、基部4の筒部4e内に挿入可能な四角柱状の固定軸6aと、上方に柄部2のジョイント部2cが挿入可能な略半円状の連結筒部6bと、固定軸6aと連結筒部6bとの間に配置された円盤状の鍔部6cとから構成されている。そして、固定軸6aの先端は変形し易くするために溝部6dが形成され、更に抜け防止用に鉤状の返し部6eが設けられている。
【0025】
ブラシ部3を組み立てる際は、先ず清掃体5を基部4の表面の長手方向に沿って巻回し、基部4の第2の主板部4bの下面に第2の主面部5bを配置する。第1の主面部5aと第3の主面部5cは第1の主板部4a上で積層され、それぞれの四角孔5e同士を合致させ、更にこれらの四角孔5eが基部4の筒部4eに合致するように位置決めをする。
【0026】
なお、第1の主面部5aと第3の主面部5cとの積層は、上下逆であってもよく、この清掃体5の巻回には、基部4との固定を強固にするために接着剤を用いてもよい。
【0027】
続いて、柄部2のジョイント部2cと固定部6の連結筒部6bを結合させた後に、固定部6の先端の固定軸6aを、第1の主面部5aと第3の主面部5cの四角孔5eに挿通し、更に基部4の筒部4e内に、挿し込むことにより組立てが完了する。
【0028】
なお、柄部2のジョイント部2cと固定部6の連結筒部6bの結合時には、ジョイント部2cに設けられた凸部が連結筒部6bに設けられた孔部に嵌合することで外れることなく一体化される。
【0029】
筒部4eから固定軸6aの返し部6eが突出するまで押し込むことで、第1の主面部5aと第3の主面部5cは、第1の主板部4aと固定部6の鍔部6cにより強固に挟まれることになり、第1の主板部4a上に固定される。
【0030】
固定部6の固定軸6aと基部4の筒部4eとの固定は、本実施例のような固定軸6aの返し部6eによって抜けなくなる嵌め殺し構造や、或る程度の力で引くことで固定状態が解除する着脱自在の構造を採用することができる。
【0031】
このようにして一体化した清掃用具1を使用するには、柄部2を持って清掃体5の第1~第3の主面部5a~5cが被清掃体に接するようにして、被清掃体に対して摺動させる。
【0032】
この場合に、第1~第3の主面部5a~5cは略円形とされているので、何れの方向に摺動しても清掃が可能であり、更に第1、第2の主板部4a、4bは下方に膨出する形状とされており、柄部2の1点を中心にブラシ部3を回動するように動かすことにより、摺動が容易である。
【0033】
また、清掃体5は基部4よりも大きく、基部4の周縁を覆っているので、清掃中に基部4が被清掃体に直接に接触することはない。特に、基部4の長手方向は円弧状の連結板部4c、4d上は清掃体5で覆われ、更に清掃体5は短手方向に基部4よりも外側にはみ出しているので、これらの清掃体5の縁部5fを被清掃体に当接すると内折りされるので、変形された清掃体5の縁部5fを被清掃体に当接しての清掃が容易となる。
【0034】
なお、基部4の第1、第2の主板部4a、4bの短手方向の縁部は、上方から見た際に円弧状に外側に張り出されているが、更にこの縁部を斜め下方に膨出させることにより、清掃時に第1~第3の主面部5a~5cの縁部5fは斜面となるので、清掃が更に容易となる。
【0035】
図5は清掃用具1を正面に向くようにして、被清掃体である便器Bの縁裏B1に対して、側方の清掃体5が当接した際の断面図であり、側方の清掃体5が大きく変形し、縁裏B1に当接している状態を示している。
【0036】
柄部2に対して先端側となる箇所の清掃体5を用いて被清掃体を清掃する以外に、図示するように清掃体5の側方を利用して清掃することが可能である。このようにして、清掃用具1を摺動することで、縁裏B1に付着した付着物を容易に除去することができる。
【0037】
なお、第1、第2の主板部4a、4bの横幅と、第1~第3の主面部5a~5cの横幅との差は、第1、第2の主板部4a、4bの中央個所で最大としている。従って、清掃体5の側方中央が最も可撓性を有しており、被清掃体の形状に応じて変形することによる効率的な清掃が可能としている。
【0038】
便器Bの清掃後は、便器Bの周縁部B2に柄部2の滑止部2eが接するようにして、便器Bに清掃用具1を載置させ、時間をおくことで清掃体5の水切りを行う。
【0039】
滑止部2eを利用することにより、便器の周縁部B2に滑ることなく清掃用具1を安定して係止させることができ、水切りを十分に行った後に、保管用の釘材等を係止孔2dに挿入して、引っ掛けた状態で清掃用具1の保管を行う。
【0040】
このように、本発明に係る清掃用具によれば、柄部2の動きが制限されるような狭い個所であっても、ブラシ部3を任意の方向に向けて動かして被清掃体を清掃することが可能である。
【0041】
また、ブラシ部3の基部4を覆う清掃体5は、大きく可撓性・弾発性を有するので、清掃体5の縁部5fを変形させながら被清掃体に当接させることで、被清掃体を効果的に清掃できる。
【0042】
更に、基部4の第1、第2の主板部4a、4bの間には空隙が設けられており、第1、第2の主板部4a、4bに多数の小孔4fが穿孔されているので、清掃に際して使用する水が基部4の空隙、清掃体5内に留まることが少なく水切りができ、乾燥が容易となる。
【符号の説明】
【0043】
1 清掃用具
2 柄部
3 ブラシ部
4 基部
4a 第1の主板部
4b 第2の主板部
4c、4d 連結板部
4e 筒部
4f 小孔
5 清掃体
5a 第1の主面部
5b 第2の主面部
5c 第3の主面部
5d 連結部
6 固定部
6a 固定軸
図1
図2
図3
図4
図5