(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017672
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】コンパクト容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
A45D33/00 625C
A45D33/00 625A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120478
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉野 慶
(57)【要約】
【課題】塗布部と把持軸とを容易に着脱できるコンパクト容器を提供する。
【解決手段】コンパクト容器1は、上方に開口した収容凹部20を有する容器本体10と、容器本体10に連結され、収容凹部20を上方から開放可能に閉塞する蓋体40と、を備える。収容凹部20は、内容物Wが収容される内容物収容部21、把持軸70が収容される把持軸収容部27、および把持軸70に着脱される塗布部60を収容する塗布部収容部23を有する。容器本体10の側面10aには、塗布部収容部23に連通し、把持軸70をその中心軸線Qに沿う軸方向に挿通可能とされた第1開口部36が形成されている。塗布部60は、把持軸70に連結される連結部62を第1開口部36に向けた状態で塗布部収容部23に収容される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口した収容凹部を有する容器本体と、
前記容器本体に連結され、前記収容凹部を上方から開放可能に閉塞する蓋体と、
を備え、
前記収容凹部は、内容物が収容される内容物収容部、把持軸が収容される把持軸収容部、および前記把持軸に着脱される塗布部を収容する塗布部収容部を有し、
前記容器本体の側面には、前記塗布部収容部に連通し、前記把持軸をその中心軸線に沿う軸方向に挿通可能とされた開口部が形成され、
前記塗布部は、前記把持軸に連結される連結部を前記開口部に向けた状態で前記塗布部収容部に収容される、
コンパクト容器。
【請求項2】
前記把持軸は、前記塗布部に対する前記中心軸線回りに沿う一方向の回転移動に伴って前記塗布部から離脱され、
前記塗布部収容部に、前記塗布部の前記一方向の回転移動を規制する回転規制部が設けられている、
請求項1に記載のコンパクト容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に示されるような、内容物が収容される収容部を有する容器本体と、収容部を開放可能に閉塞する蓋体と、内容物が付着される塗布部を収容する保持部材と、を備えたコンパクト容器が知られている。このコンパクト容器では、蓋体を開いて収容部を開放した状態で、内容物に塗布部を接触させて、内容物を塗布部の先端に付着させた後に、この塗布部を被塗布部に接触させることで、内容物を被塗布部に塗布することができる。
【0003】
ところで、容器本体が複数種類の内容物を収容する場合には、内容物の混濁を避けるために内容物の種類ごとに塗布部を用意することが望ましい。この場合、各塗布部を把持軸に着脱可能に形成することで、容器本体における把持軸の収納スペースを縮小してコンパクト容器の小型化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、塗布部を把持軸に着脱可能に形成すると、塗布部の使用に際して把持軸の着脱に手間がかかるという課題がある。
【0006】
そこで本発明は、塗布部と把持軸とを容易に着脱できるコンパクト容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係るコンパクト容器は、上方に開口した収容凹部を有する容器本体と、前記容器本体に連結され、前記収容凹部を上方から開放可能に閉塞する蓋体と、を備え、前記収容凹部は、内容物が収容される内容物収容部、把持軸が収容される把持軸収容部、および前記把持軸に着脱される塗布部を収容する塗布部収容部を有し、前記容器本体の側面には、前記塗布部収容部に連通し、前記把持軸をその中心軸線に沿う軸方向に挿通可能とされた開口部が形成され、前記塗布部は、前記把持軸に連結される連結部を前記開口部に向けた状態で前記塗布部収容部に収容される。
【0008】
第1の態様によれば、塗布部に装着される把持軸を、開口部を通じて塗布部収容部に進入させることができる。このため、容器本体から塗布部を取り出すことなく把持軸を塗布部の連結部に装着することができる。また、把持軸に装着された塗布部を塗布部収容部に収容した後、把持軸を塗布部から分離させて開口部を通じて塗布部収容部から退出させることができる。このため、把持軸から取り外した塗布部を容器本体に収容する手間を省ける。したがって、塗布部と把持軸とを容易に着脱できる。
【0009】
本発明の第2の態様に係るコンパクト容器は、上記第1の態様に係るコンパクト容器において、前記把持軸は、前記塗布部に対する前記中心軸線回りに沿う一方向の回転移動に伴って前記塗布部から離脱され、前記塗布部収容部に、前記塗布部の前記一方向の回転移動を規制する回転規制部が設けられていてもよい。
【0010】
第2の態様によれば、容器本体に対して把持軸を一方向に回転移動させることで、把持軸と一体に回転しようとする塗布部の一方向の回転移動が規制されるので、把持軸を塗布部に対して一方向に回転移動させることができる。このため、把持軸が塗布部から離脱されるので、簡単な操作で把持軸を塗布部から取り外すことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、塗布部と把持軸とを容易に着脱できるコンパクト容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態のコンパクト容器の平面図であって、開蓋状態を示している。
【
図2】第1実施形態のコンパクト容器の右側面図である。
【
図3】第1実施形態のコンパクト容器が収容する塗布具の一例を示す平面図であって、塗布部が把持軸に装着された状態を連結部の一部を破断して示している。
【
図4】
図3に示す塗布具の一部を示す平面図であって、塗布部が把持軸から離脱可能な状態を連結部の一部を破断して示している。
【
図5】
図1のV-V線に相当する部分における断面図であって、閉蓋状態を示している。
【
図6】第1実施形態のコンパクト容器が収容する塗布具の他の例を示す平面図であって、塗布部が把持軸に装着された状態を連結部の一部を破断して示している。
【
図7】
図6に示す把持軸の先端を軸方向から見た図である。
【
図8】第2実施形態のコンパクト容器が収容する塗布具の一例を示す平面図であって、塗布部が把持軸に装着された状態を把持軸の一部を破断して示している。
【
図9】
図8に示す塗布具の一部を示す平面図であって、塗布部が把持軸から離脱した状態を把持軸の一部を破断して示している。
【
図10】第2実施形態のコンパクト容器の平面図であって、開蓋状態を示している。
【
図11】
図10のXI-XI線に相当する部分における断面図である。
【
図12】第2実施形態のコンパクト容器の右側面図である。
【
図13】第3実施形態のコンパクト容器の平面図であって、開蓋状態を示している。
【
図14】第3実施形態のコンパクト容器の右側面図であって、開蓋状態を示している。
【
図15】第3実施形態のコンパクト容器の一部を示す平面図であって、開蓋状態を示している。
【
図16】、第3実施形態のコンパクト容器の右側面図であって、閉蓋状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るコンパクト容器の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のコンパクト容器の平面図であって、開蓋状態を示している。
図2は、第1実施形態のコンパクト容器の右側面図である。なお
図2では、開蓋状態の蓋体40を実線で示しているとともに、閉蓋状態の蓋体40を仮想線で示している。また、
図2では塗布具50の連結部62の内部構造の図示を省略している(
図5も同様)。
図1および
図2に示すように、本実施形態のコンパクト容器1は、容器本体10と、蓋体40と、ヒンジ部43と、を備える。容器本体10には、内容物W等が収容される収容凹部20が形成されている。なお、内容物Wとしては特に限定されるものではないが、例えば化粧用品に関連するものが挙げられる。具体的には、内容物Wはファンデーションやアイシャドー等の化粧料等とされている。なお、
図1ではドット状のハッチングで内容物Wを図示している。蓋体40は、容器本体10に対してヒンジ部43を介して回転軸線Pを中心として回転可能に連結されている。蓋体40は、容器本体10の収容凹部20を開放可能に閉塞する。本実施形態において、蓋体40が収容凹部20を閉塞した状態を閉蓋状態と称し、蓋体40が収容凹部20を開放した状態を開蓋状態と称する。閉蓋状態のコンパクト容器1は、平面視矩形状の扁平状の容器である。コンパクト容器1は、内容物Wを被塗布部に塗布するための塗布具50を容器本体10と蓋体40との間に収容する。
【0015】
以下の説明では、閉蓋状態のコンパクト容器1の厚さ方向において、蓋体40が位置する側を上側と称し、容器本体10が位置する側を下側と称する。また、上下方向に直交する水平面内において、回転軸線Pが延在する方向を左右方向と称する。また、上下方向および左右方向に直交する方向を前後方向と称し、回転軸線Pが設けられた側を後方と定義し、その反対側を前方と定義する。
【0016】
ここで、コンパクト容器1の説明に先立って、塗布具50について説明する。
図3は、第1実施形態のコンパクト容器が収容する塗布具の一例を示す平面図であって、塗布部が把持軸に装着された状態を示している。なお
図3では、連結部62の一部を破断して図示している。
図3に示すように、塗布具50は、内容物Wを付着させる塗布部60と、塗布部60に着脱可能な把持軸70と、を備える。把持軸70は、全体として円柱状に形成されている。以下の塗布具50に関する説明では、把持軸70の中心軸線Qに沿う方向を軸方向といい、軸方向から見て中心軸線Qに交差する方向を径方向といい、中心軸線Q回りに沿って周回する方向を周方向という。
【0017】
塗布部60は、軸方向の一端部に設けられたスポンジ製またはシリコン製等のチップ61と、軸方向の他端部に設けられ、チップ61を支持する硬質の連結部62と、を備える。なおチップ61は、図示された形状に限定されず、例えば刷毛やヘラ等、他の構成を有していてもよい。また、チップ61および連結部62は同材質であってもよい。また、チップ61および連結部62は一体成形されていてもよく、この場合にはチップ61および連結部62は同材質であってもよいし、異材質のインサート成形部材であってもよい。チップ61は、連結部62に結合した基端を有しており、軸方向における中間部から基端および先端それぞれに向かうに従い先細るように形成されている。
【0018】
連結部62は、把持軸70に連結される。連結部62は、有底円筒状に形成されており、チップ61の基端に結合した底部62aと、底部62aの外周縁からチップ61とは反対側に延びる周壁部62bと、を備える。また、連結部62には、周壁部62bの内周面に設けられた係合突部63と、周壁部62bの外周面に設けられた回転規制凸部64と、が設けられている。係合突部63は、径方向の内側に突出している。回転規制凸部64は、径方向の外側に突出している。回転規制凸部64は、周方向に等間隔に配置されている。本実施形態では、回転規制凸部64は、90°間隔で4個設けられている。回転規制凸部64は、周壁部62bの外周面における底部62a寄りの箇所に設けられている。なお回転規制凸部64は、底部62aの外周面に設けられていてもよい。また、回転規制凸部64は、軸方向に延びていてもよい。
【0019】
把持軸70の先端は、塗布部60の連結部62の内側に挿入可能である。把持軸70の先端の外周面には、径方向の外側に突出する被係合突部71が形成されている。被係合突部71は、把持軸70の先端が塗布部60の連結部62の内側に挿入された状態で、連結部62の係合突部63にアンダーカット嵌合する。これにより、把持軸70が塗布部60と一体化するとともに、塗布部60が把持軸70に対する離脱を規制された状態となる。
【0020】
連結部62および把持軸70には、連結部62に嵌合した把持軸70から連結部62を離脱させる案内機構51が設けられている。案内機構51は、把持軸70の先端面に設けられた第1凸部52と、連結部62の底部62aに設けられた第2凸部53と、により形成されている。第1凸部52は、軸方向に沿って連結部62の底部62a側に突出している。第2凸部53は、軸方向に沿って把持軸70の先端面側に突出している。第1凸部52および第2凸部53は、それぞれ周方向に等間隔で複数設けられている。第2凸部53は、周方向で隣り合う第1凸部52同士の間に入り込む。換言すると、第1凸部52は、周方向で隣り合う第2凸部53同士の間に入り込む。第1凸部52および第2凸部53のうち少なくともいずれか一方(本実施形態では両方)の側面には、連結部62および把持軸70の相対回転に伴って第1凸部52および第2凸部53の他方に摺接し、連結部62および把持軸70を互いに離れる方向に変位させる傾斜面が形成されている。これにより、連結部62および把持軸70の相対回転に伴って、係合突部63および被係合突部71のアンダーカット嵌合が外れ、塗布部60が把持軸70から離脱可能な状態となる(
図4参照)。
【0021】
コンパクト容器1について説明する。
図1および
図2に示すように、容器本体10は、樹脂等の材料により形成されている。容器本体10は、平面視矩形状の扁平部材である。容器本体10には、上方に開口した収容凹部20を有する箱型に形成されている。容器本体10の前端部には、後述する係合片47が配置される係合片配置凹部12が設けられている。係合片配置凹部12は、容器本体10の前端部における左右方向の中央部に形成されている。係合片配置凹部12は、容器本体10の前端部の上面に設けられており、下方に窪んでいるとともに、容器本体10の前端面に開口している。係合片配置凹部12は、左右方向に沿って延びている。係合片配置凹部12には、前方に突出した突起13が形成されている。突起13は、係合片配置凹部12を後方から画成する壁面に設けられている。
【0022】
容器本体10には、収容凹部20を内容物収容部21、並びに後述する塗布部収容部23および把持軸収容部27に区画する区隔壁15が設けられている。区隔壁15は、容器本体10の内側で左右方向および前後方向の双方向に延びている。
【0023】
内容物収容部21は、容器本体10における左後方の角部寄りの領域に形成されている。内容物収容部21は、前後方向に4つ並んでいる。内容物収容部21は、平面視で矩形状に形成されている。各内容物収容部21には、中皿3を介して内容物Wが収容されている。中皿3は、平面視で内容物収容部21に倣って矩形状に形成されている。中皿3は、内容物Wを保持しており、内容物収容部21に1つずつ上方に離脱可能に収容されている。これにより、コンパクト容器1は複数の内容物Wを各別に収容可能とされている。なお、複数の内容物Wは互いに異なる種類であってもよい。
【0024】
図5は、
図1のV-V線に相当する部分における断面図であって、閉蓋状態を示している。
図1および
図5に示すように、塗布部収容部23は、塗布部60を収容する。塗布部収容部23は、容器本体10における右後方の角部寄りの領域に形成されている。塗布部収容部23は、内容物収容部21に1対1で対応するように、内容物収容部21と同数設けられている。塗布部収容部23は、各内容物収容部21の右方に1つずつ設けられている。塗布部収容部23は、塗布部60を1つずつ収容する。これにより、コンパクト容器1は、内容物収容部21と同数の塗布部60を収容できる。塗布部収容部23は、塗布部60のチップ61および連結部62が並ぶ方向を左右方向に沿わせた状態で塗布部60を収容する。このとき、塗布部60は、チップ61を内容物収容部21側に向け、かつ連結部62を後述する第1開口部36に向けた状態で、塗布部収容部23に収容される。塗布部収容部23は、塗布部60の形状に対応して、平面視で左右方向を長手方向とする矩形状に形成されている。塗布部収容部23の上方開口は、塗布部60を塗布部収容部23に配置される姿勢のまま通過可能に形成されている。
【0025】
塗布部収容部23には、仕切り部31と、回転規制部32と、第1ストッパ部33と、が設けられている。仕切り部31は、塗布部収容部23の底面から上方に突出しているとともに、前後方向に延びて塗布部収容部23の前後両壁面に接続している。仕切り部31は、塗布部収容部23を、チップ61が配置されるチップ配置領域24と、連結部62が配置される連結部配置領域25と、に区画している。仕切り部31は、連結部62の底部62aに沿う。仕切り部31には、切欠31aが形成されている。切欠31aは、上方に開放されている。切欠31aには、連結部62とチップ61との接続部が挿通される。
【0026】
回転規制部32は、連結部配置領域25に設けられている。回転規制部32は、塗布部収容部23の底面における前後両端から上方に突出している。回転規制部32の上端部は、連結部62の外周面に下方から近接または当接している。回転規制部32の上端部は、連結部62の回転規制凸部64に接触可能とされている。回転規制部32は、その上端部に回転規制凸部64を接触させることで、容器本体10に対する連結部62の回転移動を規制する。ただし、回転規制部32は、後述するように塗布部60を把持軸70から取り外す際に連結部62の回転移動を規制できればよく、塗布部収容部23の底面における前端または後端のみに設けられていてもよい。
【0027】
図1および
図2に示すように、塗布部収容部23は、第1開口部36に連通している。第1開口部36は、容器本体10の右側面10aに形成され、塗布部収容部23を右方に開放している。第1開口部36は、塗布部収容部23毎に設けられている。第1開口部36は、塗布部収容部23の上方開口に連なっている。第1開口部36は、把持軸70の先端を軸方向に沿って挿通可能としている。
【0028】
第1ストッパ部33は、塗布部収容部23の底面から上方に突出しているとともに前後方向に延びている。第1ストッパ部33は、仕切り部31よりも第1開口部36側に配置され、連結部62に仕切り部31とは反対側から臨む。第1ストッパ部33は、塗布部収容部23における第1開口部36側の端部に設けられている。第1ストッパ部33は、第1開口部36の開口方向から見て、連結部62の周壁部62bの内部の略全体に重ならないように、周壁部62bの下端部に重なる。第1ストッパ部33は、第1開口部36の開口方向から見て連結部62の周壁部62bの下端部に重なっていることで、第1開口部36を通じた連結部62の脱落を規制している。第1ストッパ部33は、第1開口部36の開口方向から見て連結部62の周壁部62bの内部の略全体に重ならないことで、第1開口部36を通じて挿通された把持軸70の先端が連結部62の内側に挿入されることを許容している。
【0029】
把持軸収容部27は、把持軸70を収容する。把持軸収容部27は、容器本体10における前縁寄りの領域に形成されている。把持軸収容部27は、内容物収容部21および塗布部収容部23の前方に設けられている。把持軸収容部27は、把持軸70の形状に対応して、平面視で左右方向を長手方向とする矩形状に形成されている。
【0030】
把持軸収容部27は、第2開口部37に連通している。第2開口部37は、容器本体10の右側面10aに形成され、把持軸収容部27を右方に開放している。第2開口部37は、把持軸収容部27の上方開口に連なっている。
【0031】
把持軸収容部27には、第2ストッパ部34が設けられている。第2ストッパ部34は、把持軸収容部27の底面から上方に突出しているとともに、前後方向に延びている。第2ストッパ部34は、把持軸収容部27における第2開口部37側の端部に設けられている。第2ストッパ部34は、第2開口部37を絞ることで、第2開口部37を通じた把持軸70の脱落を規制している。
【0032】
蓋体40は、容器本体10の形状に対応して平面視矩形状に形成されている。蓋体40は、容器本体10の上面全体を覆う天壁部41と、天壁部41の外周縁部から下方に延びる外壁部42と、を備える。外壁部42は、容器本体10の上面の外周縁に上方から接触している。これにより、蓋体40は、上下方向に位置決めされた状態で容器本体10に対して重なり、内容物収容部21、塗布部収容部23および把持軸収容部27を閉塞する。
【0033】
蓋体40の後端部における左右方向の中央部には、ヒンジ部43が下方に突設されている。ヒンジ部43は、回転軸線Pに沿って配置されたヒンジ軸5を介して容器本体10の後端部に連結されている。これにより、蓋体40は、ヒンジ部43によって容器本体10に対して回転軸線P回りに回転可能に連結され、前後方向に開閉操作可能とされている。
【0034】
蓋体40の前端部における左右方向の中央部には、係合片47が下方に突設されている。係合片47は、外壁部42の前部から下方に突出するとともに左右方向に延びた板状に形成されている。係合片47は、容器本体10に形成された係合片配置凹部12内に上方から入り込む。係合片47の下端部には、容器本体10に形成された突起13に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される突起が形成されている。突起13に対して係合片47の突起が下方から係合することによって、蓋体40は閉蓋状態でロックされる。
【0035】
蓋体40は、閉蓋状態で外壁部42から下方に張り出した開口閉塞部45を備える。開口閉塞部45は、左右方向を厚み方向とする平板状に形成されており、外壁部42の右部に結合している。開口閉塞部45は、閉蓋状態で容器本体10の右側面10aに外側から重なるように位置し、第1開口部36および第2開口部37をまとめて閉塞する。
【0036】
本実施形態のコンパクト容器1および塗布具50の使用方法について説明する。
把持軸70に塗布部60を装着するには、蓋体40を開けて把持軸70を容器本体10から取り出す。次いで、容器本体10の第1開口部36のうち、使用する塗布部60に対応する第1開口部36を通じて、塗布部収容部23内の塗布部60の連結部62の内側に把持軸70の先端を挿入する。このとき、連結部62は、仕切り部31に接触して左方への変位を規制される。連結部62の内側に把持軸70の先端を挿入する過程で、把持軸70の被係合突部71が連結部62の係合突部63にアンダーカット嵌合することで、塗布部60が把持軸70に装着される。その後、塗布部60が塗布部収容部23の上方開口を通過するように、塗布具50を上方移動させることで、塗布部60が把持軸70に一体化した状態で容器本体10から取り出される。
【0037】
続いて把持軸70から塗布部60を取り外すには、該塗布部60に対応する塗布部収容部23に上方開口を通じて塗布部60を配置する。次いで、容器本体10に対して把持軸70をその中心軸線Q回りに沿う所定の方向に回転させる。これにより、塗布部60が把持軸70と一体回転しようとするものの、連結部62の回転規制凸部64が塗布部収容部23の回転規制部32の上端部に接触することで、容器本体10に対する連結部62の回転移動が規制される。その結果、連結部62および把持軸70が相対回転し、案内機構51が機能して連結部62および把持軸70の嵌合が外れる。この状態で把持軸70を容器本体10から離れるように右方に変位させることで、把持軸70が塗布部60から取り外されるとともに、塗布部60が単独で容器本体10に収容された状態となる。
【0038】
以上に説明したように、本実施形態のコンパクト容器1は、容器本体10の側面に塗布部収容部23に連通し、塗布具50の把持軸70を軸方向に挿通可能とされた第1開口部36が形成された構成とした。これにより、塗布部60に装着される把持軸70を、第1開口部36を通じて塗布部収容部23に進入させることができる。このため、容器本体10から塗布部60を取り出すことなく把持軸70を塗布部60の連結部62に装着することができる。また、把持軸70に装着された塗布部60を塗布部収容部23に収容した後、把持軸70を塗布部60から分離させて第1開口部36を通じて塗布部収容部23から退出させることができる。このため、把持軸70から取り外した塗布部60を容器本体10に収容する手間を省ける。したがって、塗布部60と把持軸70とを容易に着脱できる。
【0039】
また、把持軸70は、塗布部60に対する一方向の回転移動に伴って塗布部60から離脱される。塗布部収容部23には塗布部60の一方向の回転移動を規制する回転規制部32が設けられている。この構成によれば、容器本体10に対して把持軸70を一方向に回転移動させることで、把持軸70と一体に回転しようとする塗布部60の一方向の回転が規制されるので、把持軸70を塗布部60に対して一方向に回転移動させることができる。このため、把持軸70が塗布部60から離脱されるので、簡単な操作で把持軸70を塗布部60から取り外すことができる。
【0040】
なお、塗布具における塗布部および把持軸の結合構造については上記第1実施形態に限定されない。
図6は、第1実施形態のコンパクト容器が収容する塗布具の他の例を示す平面図であって、塗布部が把持軸に装着された状態を示している。なお
図6では、連結部62Aの一部を破断して図示している。
図6に示すように、塗布具50Aは、塗布部60Aおよび把持軸70Aを備える。塗布部60Aの連結部62Aは、第1実施形態の係合突部63に代えて、係合凹部65を備える。係合凹部65は、周壁部62bの内周面に開口している。本実施形態では、係合凹部65は、周壁部62bを径方向に貫通している。係合凹部65は、周壁部62bにおける底部62a側の端部に形成されている。係合凹部65は、周方向に等間隔に設けられている。本実施形態では、係合凹部65は、90°間隔で4つ設けられている。
【0041】
図7は、
図6に示す把持軸の先端を軸方向から見た図である。
図6および
図7に示すように、把持軸70Aは、第1実施形態の被係合突部71に代えて、突片部72および係合爪73を備える。突片部72は、把持軸70Aの先端部に設けられている。突片部72は、周方向に等間隔に設けられている。突片部72は、塗布部60Aの連結部62Aの係合凹部65と同数設けられている。周方向で隣り合う突片部72同士は、把持軸70Aの先端側の端縁から軸方向に沿って延びる切欠によって分離されている。突片部72は、径方向に撓み変形可能とされている。係合爪73は、各突片部72の先端に設けられている。係合爪73は、突片部72から径方向の外側に突出している。係合爪73は、連結部62Aの係合凹部65に入り込むことで連結部62Aにアンダーカット嵌合する。これにより、把持軸70Aが塗布部60Aと一体化するとともに、塗布部60Aが把持軸70Aに対する離脱を規制された状態となる。
【0042】
連結部62Aおよび把持軸70Aには、第1実施形態の案内機構51に代えて、規制解除機構55が設けられている。規制解除機構55は、把持軸70Aの係合爪73のうち周方向の一方を向く傾斜面73aを備える。傾斜面73aは、連結部62Aおよび把持軸70Aの相対回転に伴って係合凹部65の開口縁に摺接し、突片部72の弾性変形を伴いながら係合爪73を径方向の内側に変位させる。これにより、係合爪73のアンダーカット嵌合が外れ、塗布部60Aが把持軸70Aから離脱可能な状態となる。
【0043】
以上に説明した塗布具50Aをコンパクト容器1に収容した場合も、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0044】
[第2実施形態]
次に、
図8から
図12を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主に塗布具および塗布部収容部の構成が第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0045】
塗布具150について説明する。
図8は、第2実施形態のコンパクト容器が収容する塗布具の一例を示す平面図であって、塗布部が把持軸に装着された状態を示している。なお
図8では、連結部162の一部を破断して図示している(
図9も同様)。
図8に示すように、塗布部160は、第1実施形態の連結部62に代えて、連結部162を備える。連結部162は、軸方向に延びる円柱状の軸部66と、軸部66におけるチップ61側の端部から径方向の外側に張り出したフランジ67と、を備える。
【0046】
図9は、
図8に示す塗布具の一部を示す平面図であって、塗布部が把持軸から離脱した状態を示している。
図8および
図9に示すように、軸部66の外周面には、後述する係合部74が入り込む溝68が形成されている。溝68は、周方向に等間隔で複数設けられている。ただし、溝68は1つだけ設けられていてもよい。溝68は、軸方向に延びる案内部68aと、案内部68aから周方向の一方に延びる係止部68bと、を備える。案内部68aは、軸部66におけるチップ61とは反対側の端面に開口している。係止部68bは、案内部68aにおけるチップ61側の端部から、他の溝68に接続しないように延びている。係止部68bには、係止部68bに配置された係合部74の案内部68aへの変位を規制する規制突起162aが設けられている。規制突起162aは、係止部68bの側壁面から係止部68bの幅方向内側に突出している。フランジ67は、周方向に沿って全周にわたって延びている。フランジ67の外形は円形状である。
【0047】
把持軸170の先端は、塗布部160側に開口した円筒状に形成されている。把持軸170の先端は、塗布部160の連結部162に外挿可能である。把持軸170の先端縁は、連結部162のフランジ67に当接する。これにより、塗布部160に対する把持軸170の接近が規制される。
【0048】
把持軸170の先端の内周面には、径方向の内側に突出した係合部74が設けられている。係合部74は、周方向に等間隔で複数設けられている。係合部74は、塗布部160の溝68と同数設けられている。係合部74は、塗布部160の溝68の係止部68bに入り込んで軸方向の変位を規制される。これにより、塗布部160が把持軸170に対する離脱を規制された状態となる(
図8に示す状態)。係合部74は、連結部162および把持軸170の相対回転に伴って、規制突起162aを乗り越えて溝68の係止部68bから案内部68aに変位すると、軸方向の変位を許容される。これにより、塗布部160が把持軸170から離脱可能な状態となる。
【0049】
コンパクト容器101について説明する。
図10は、第2実施形態のコンパクト容器の平面図であって、開蓋状態を示している。
図11は、
図10のXI-XI線に相当する部分における断面図である。なお
図10では、後述する内蓋17が開けられた状態を示している。
図10および
図11に示すように、容器本体110には、第1実施形態の塗布部収容部23に代えて、塗布部収容部123が形成されている。塗布部収容部123は、塗布部160を1つずつ収容する。塗布部収容部123は、塗布部160のチップ61および連結部162が並ぶ方向を左右方向に沿わせた状態で塗布部160を収容する。このとき、塗布部160は、チップ61を内容物収容部21側に向け、かつ連結部162を後述する第1開口部136に向けた状態で、塗布部収容部123に収容される。塗布部収容部123の上方開口は、塗布部160を塗布部収容部123に配置される姿勢のまま通過可能に形成されている。
【0050】
塗布部収容部123は、回転規制部132が設けられている。回転規制部132は、前後両側の壁面から前後方向の内側に突出した一対の突出部132aを有する。突出部132aは、前後方向に一定の厚みを有し、塗布部収容部123の底面から上方開口まで延びている。突出部132aは、塗布部収容部123における左右方向の中途部から、内容物収容部21側に延びている。本実施形態では、突出部132aは、塗布部収容部123における内容物収容部21側の端部まで延びている。一対の突出部132aは、前後方向に間隔をあけて形成されている。一対の突出部132aは、上方から見てチップ61および連結部162のフランジ67を挟むように配置されている。一対の突出部132aは、連結部162のフランジ67に圧接している。これにより、回転規制部132は、容器本体110に対する連結部162の回転を規制している。
【0051】
なお、連結部162のフランジ67の外形は円形状に限定されない。フランジ67は、一対の突出部132aの間で回転を規制されればよく、非円形状(例えば多角形状)の外形を有していてもよい。フランジの外形を非円形状とすることで、一対の突出部132aとフランジとの圧接の度合いを弱め、突出部132aに対するフランジの当接によりフランジの回転を規制することができる。
【0052】
図12は、第2実施形態のコンパクト容器の右側面図である。なお
図12は、開蓋状態の蓋体40を実線で示しているとともに、閉蓋状態の蓋体40を仮想線で示している。
図10および
図12に示すように、塗布部収容部123は、第1開口部136に連通している。第1開口部136は、容器本体110の右側面110aに形成され、塗布部収容部123を右方に開放している。第1開口部136は、塗布部収容部123毎に設けられている。第1開口部136は、塗布部収容部123の上方開口から独立して右方に開口している。第1開口部136は、把持軸170の先端を軸方向に沿って挿通可能としている。第1開口部136の開口縁は、第1開口部136の開口方向から見て、塗布部収容部123に収容された塗布部160の全体よりも外側に位置する。これにより、第1開口部136は、塗布部160を挿通可能としている。なお本実施形態では、容器本体110の右側面110aに第1実施形態の第2開口部37が形成されておらず、把持軸収容部27が容器本体110の上面のみに開口している。
【0053】
図10に示すように、コンパクト容器101は、内蓋17をさらに備える。内蓋17は、蓋体40の内側で内容物収容部21を覆う。内蓋17は、全ての内容物収容部21を覆うように、かつ塗布部収容部123および把持軸収容部27を覆わないように、矩形の平板状に形成されている。内蓋17は、容器本体110の上面における内容物収容部21を挟んで塗布部収容部123とは反対側の端縁(左端縁)に連結されている。これにより、内蓋17は、容器本体110に対して左右方向に開閉操作可能とされている。本実施形態では、内蓋17は、容器本体110と一体成形され、内蓋17および容器本体110の連結部をヒンジとして、容器本体110に対して回動可能とされている。ただし、内蓋は容器本体110とは別体に設けられていてもよい。
【0054】
本実施形態のコンパクト容器101および塗布具150の使用方法について説明する。
把持軸170に塗布部160を装着するには、蓋体40を開けて把持軸170を容器本体110から取り出す。なお、塗布具150を容器本体110から取り出すに際し、内蓋17を開ける必要はない。次いで、容器本体110の第1開口部136のうち、使用する塗布部160に対応する第1開口部136を通じて、塗布部収容部123内の塗布部160の連結部162に把持軸170の先端を外挿する。このとき、連結部162は、例えば一対の突出部132aとフランジ67との摩擦によって左方への変位を規制される。
【0055】
連結部162に把持軸170の先端を外挿する際、把持軸170の係合部74に連結部162の溝68の案内部68aを通過させる。そして、把持軸170の先端が連結部162のフランジ67に当接した状態で、容器本体110に対して把持軸170を回転させる。これにより、塗布部160が把持軸170と一体回転しようとするものの、連結部162のフランジ67が回転規制部132の一対の突出部132aに圧接して容器本体110に対する連結部162の回転が規制される。その結果、連結部162および把持軸170が相対回転し、把持軸170の係合部74が連結部162の規制突起162aを乗り越えて溝68の案内部68aから係止部68bに変位する。係合部74が溝68の係止部68bに入り込むことで、塗布部160が把持軸170に対する離脱を規制された状態となり、塗布部160が把持軸170に装着される。その後、塗布部160が容器本体110の第1開口部136を通過するように塗布具150を右方に移動させることで、塗布部160が把持軸170に一体化した状態で容器本体110から取り出される。
【0056】
続いて把持軸170から塗布部160を取り外すには、該塗布部160に対応する塗布部収容部123に容器本体110の第1開口部136を通じて塗布部160を配置する。次いで、容器本体110に対して把持軸170を回転させる。これにより、塗布部160が把持軸170と一体回転しようとするものの、把持軸170に塗布部160を装着する場合と同様に、回転規制部132によって容器本体110に対する連結部162の回転が規制される。その結果、連結部162および把持軸170が相対回転し、把持軸170の係合部74が連結部162の規制突起162aを乗り越えて溝68の係止部68bから案内部68aに変位する。係合部74が溝68の案内部68aに入り込むことで、塗布部160が把持軸170から離脱可能な状態となる。その後、把持軸170を右方に移動させることで、係合部74に溝68の案内部68aを通過させつつ、把持軸170が塗布部160から取り外されるとともに、塗布部160が単独で容器本体110に収容された状態となる。
【0057】
本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏する。これに加え、本実施形態では、蓋体40の内側で内容物収容部21を覆う内蓋17が設けられているので、内容物Wの露出に対する防汚性および衛生性を向上させることができる。
【0058】
[第3実施形態]
次に、
図13から
図16を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、内容物収容部21および塗布部収容部223がカートリッジ90に形成されている点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0059】
塗布具250について説明する。
図13は、第3実施形態のコンパクト容器の平面図であって、開蓋状態を示している。
図14は、第3実施形態のコンパクト容器の右側面図であって、開蓋状態を示している。なお
図13および
図14では、後述する内蓋92が開けられた状態を示している。また
図13では、説明のため、4つの塗布部収容部223のうち3つの塗布部収容部223のみに塗布部260を収容した状態を図示している。また
図14では塗布具250の連結部262の内部構造の図示を省略している。
【0060】
図13および
図14に示すように、塗布部260の連結部262は、第1実施形態の回転規制凸部64に代えて、回転規制凹部69を備える。回転規制凹部69は、周壁部62bの外周面に設けられている。回転規制凹部69は、軸方向に沿って延び、連結部262における軸方向の両端面に開放されている。回転規制凹部69は、周方向に等間隔に配置されている。本実施形態では、回転規制凹部69は、90°間隔で4個設けられている。
【0061】
コンパクト容器201について説明する。なお本実施形態の蓋体40は、開口閉塞部45が設けられていないことを除いて第1実施形態の蓋体40と同様に構成されている。
容器本体210は、蓋体40に回動可能に連結された枠体80と、枠体80に離脱可能に装填されたカートリッジ90と、を備える。枠体80は、上方に開口した収容凹部220を有する箱型に形成されている。枠体80には、係合片配置凹部12および突起13が設けられている。
【0062】
枠体80には、収容凹部220をカートリッジ保持部81および把持軸収容部27に区画する区隔壁215が設けられている。カートリッジ保持部81は、カートリッジ90を保持する。カートリッジ保持部81は、容器本体210における後縁寄りの領域に形成されている。カートリッジ保持部81は、把持軸収容部27の後方に設けられている。カートリッジ保持部81は、前後方向に4つ並んでいる。カートリッジ保持部81は、枠体80の上面から右側面にわたって連続して開口している。カートリッジ保持部81は、平面視で矩形状に形成されている。カートリッジ保持部81は、左右方向に沿って一様に延びている。各カートリッジ保持部81には、カートリッジ90が1つずつ装填されている。
【0063】
カートリッジ90は、枠体80に対して左右方向に変位することで、カートリッジ保持部81の右端開口を通じてカートリッジ保持部81に着脱される。カートリッジ90は、互いに同じ構成を有する。カートリッジ90は、上方に開口した箱状の収容部本体91と、収容部本体91を閉塞する内蓋92と、他のカートリッジ90と嵌合する嵌合部93と、を有する。
【0064】
収容部本体91には、左右方向に並ぶ内容物収容部21および塗布部収容部223が1つずつ設けられている。これにより、枠体80の各カートリッジ保持部81が内容物収容部21および塗布部収容部223に区画される。内容物収容部21は、収容部本体91の左半部に設けられている。内容物収容部21には、内容物Wが直接収容されている。塗布部収容部223は、収容部本体91の右半部に設けられている。塗布部収容部223は、第1開口部236に連通している。第1開口部236は、カートリッジ90の右端面に形成され、塗布部収容部223を右方に開放している。カートリッジ90の右端面は、容器本体210の右側面210aの一部を構成している。第1開口部236は、塗布部収容部223の上方開口に連なっている。第1開口部236は、把持軸70の先端を軸方向に沿って挿通可能としている。
【0065】
塗布部収容部223には、仕切り部31と、第1ストッパ部233と、回転規制部232と、が設けられている。第1ストッパ部233は、仕切り部31よりも第1開口部236側、かつ第1開口部236よりも内容物収容部21側に設けられている。第1ストッパ部233は、第1開口部236の開口方向から見て、連結部262の周壁部62bの内部の略全体に重ならないように、周壁部62bの下端部に重なる。第1ストッパ部233には、右方に突出した突起233aが設けられている。
【0066】
回転規制部232は、仕切り部31と第1ストッパ部233との間に設けられている。回転規制部232は、塗布部収容部223の底面における前後方向の中心から上方に突出している。回転規制部232は、左右方向に沿って一定の幅で延びている。回転規制部232は、仕切り部31および第1ストッパ部233に接続している。回転規制部232の上端縁は、塗布部260の連結部262の外周面に下方から摺接している。回転規制部232の上端部は、連結部262の回転規制凹部69に係止可能とされている。回転規制部232は、その上端部に回転規制凹部69を係止させることで、容器本体210に対する連結部262の回転を規制する。
【0067】
図15は、第3実施形態のコンパクト容器の一部を示す平面図であって、開蓋状態を示している。なお
図15では、内蓋92が閉められた状態を示している。
図13および
図15に示すように、内蓋92は、蓋体40の内側で内容物収容部21および塗布部収容部223をまとめて覆う。内蓋92は、矩形の平板状に形成されている。内蓋92は、収容部本体91の上面における内容物収容部21を挟んで塗布部収容部223とは反対側の端縁(左端縁)に連結されている。これにより、内蓋92は、収容部本体91に対して左右方向に開閉操作可能とされている。内蓋92は、収容部本体91と一体成形され、内蓋92および収容部本体91の連結部をヒンジとして、収容部本体91に対して回動可能とされている。
【0068】
図16は、第3実施形態のコンパクト容器の右側面図であって、閉蓋状態を示している。なお
図16では、内蓋92が閉められた状態を示している。
図14および
図16に示すように、内蓋92は、開口閉塞部94を備える。開口閉塞部94は、内蓋92が内容物収容部21および塗布部収容部223を閉塞する状態で下方に張り出している。開口閉塞部94は、左右方向を厚み方向とする矩形板状に形成されており、内蓋92における回動中心とは反対側の端部に設けられている。開口閉塞部94は、第1ストッパ部233よりも外側で第1開口部236を閉塞する。開口閉塞部94には、第1ストッパ部233に形成された突起233aに対して離脱可能にアンダーカット嵌合される突起が形成されている。突起233aに対して開口閉塞部94の突起が下方から係合することによって、内蓋92は内容物収容部21および塗布部収容部223を閉塞した状態でロックされる。
【0069】
嵌合部93は、隣り合うカートリッジ90の内蓋92同士を結合させる。嵌合部93は、内蓋92における開口閉塞部94側の端部に設けられている。嵌合部93は、内蓋92の前端に設けられた凹部93aと、内蓋92の後端に設けられた凸部93bと、を備える。凹部93aおよび凸部93bは、左右方向において互いに同じ位置に設けられている。凹部93aおよび凸部93bは、互いに嵌合するように形成されている。凹部93aは、左右方向に延びる溝状に形成され、左右方向の両側に開放されている。このため、凸部93bは、左右方向に沿った変位により凹部93aに進退可能である。前後方向で隣り合う一対のカートリッジ90において、向かい合う凹部93aおよび凸部93bは、互いに嵌合している。一対のカートリッジ90の内蓋92同士は、嵌合した凹部93aおよび凸部93bによって、内蓋92および収容部本体91の連結部を中心とした回動方向の相対変位を規制されている。これにより、収容部本体91に装填された全てのカートリッジ90の内蓋92は、一体となって回動する。ただし凹部93aおよび凸部93bの嵌合が外れて内蓋92が個々に回動することで、内容物収容部21および塗布部収容部223を開閉してもよい。また、内蓋92が内容物収容部21および塗布部収容部223を閉塞した状態では、一対のカートリッジ90を左右方向に相対変位させると、凹部93aおよび凸部93bの嵌合が外れ、カートリッジ90同士の結合が解除される。
【0070】
本実施形態のコンパクト容器201および塗布具250の使用方法について説明する。
把持軸70に塗布部260を装着するには、蓋体40を開けて把持軸70を容器本体210から取り出す。さらに、内蓋92を開けて容器本体210の第1開口部236を開放する。次いで、第1実施形態と同様の操作により、塗布部260が把持軸70に装着され、塗布部260が把持軸70に一体化した状態で容器本体210から取り出される。
【0071】
続いて把持軸70から塗布部260を取り外すには、該塗布部260に対応する塗布部収容部223に上方開口を通じて塗布部260を配置する。次いで、容器本体210に対して把持軸70を所定の方向に回転させる。これにより、塗布部260が把持軸70と一体回転しようとするものの、連結部262の回転規制凹部69が塗布部収容部223の回転規制部232の上端部に係止され、容器本体210に対する連結部262の回転が規制される。その結果、連結部262および把持軸70が相対回転し、案内機構51が機能して連結部262および把持軸70の嵌合が外れる。この状態で把持軸70を容器本体210から離れるように右方に変位させることで、把持軸70が塗布部260から取り外されるとともに、塗布部260が単独で容器本体210に収容された状態となる。
【0072】
本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏する。これに加え、本実施形態では、内容物収容部21および塗布部収容部223が設けられ、枠体80に装填されるカートリッジ90を備えるので、コンパクト容器201に収容される内容物Wを塗布部260と共に容易に変更できる。また、カートリッジ90には、蓋体40の内側で内容物収容部21および塗布部収容部223を覆う内蓋92が設けられているので、内容物Wおよび内容物Wが付着した塗布部260の露出に対する防汚性および衛生性を向上させることができる。
【0073】
さらに、カートリッジ90は、隣り合うカートリッジ90の内蓋92同士を結合させる嵌合部93を備えるので、全ての内蓋92をまとめて開閉することができる。しかも、嵌合部93同士は、カートリッジ90が枠体80に対して装填または離脱する際の変位に伴って嵌合および離脱するので、嵌合部93同士を嵌合させる特別な作業を必要としない。したがって、カートリッジ90の交換作業を容易にすることができる。
【0074】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、コンパクト容器は平面視矩形状に形成されているが、この構成に限定されず、例えばコンパクト容器の平面視形状を円形状や楕円状、多角形状等に適宜変更して構わない。
【0075】
上記実施形態では、容器本体に内容物収容部が4つ設けられているが、内容物収容部の数は特に限定されない。塗布部収容部の数についても同様である。また、上記実施形態では、内容物収容部および塗布部収容部が互いに同数設けられているが、この構成に限定されない。すなわち内容物収容部および塗布部収容部の数が互いに相違していてもよい。ただし本発明は、把持軸に装着できる塗布部を複数収容しているコンパクト容器に好適である。
【0076】
内容物収容部、塗布部収容部および把持軸収容部の配置については特に限定されない。例えば内容物収容部が左右方向に並び、かつ塗布部収容部が内容物収容部に隣接するように左右方向に並んでいてもよい。これに伴い、塗布部収容部に連通する開口部は、容器本体の前側面、または後側面に形成されていてもよい。さらに、塗布部収容部が内容物収容部の左方に設けられ、塗布部収容部に連通する開口部が容器本体の左側面に形成されていてもよい。
【0077】
上記第2実施形態および第3実施形態では、内蓋が左右方向に開閉操作可能とされているが、この構成に限定されない。例えば、内蓋は前後方向に開閉操作可能とされていてもよい。
【0078】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態および各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1,101,201…コンパクト容器 10,110,210…容器本体 10a,110a,210a…右側面(側面) 20,220…収容凹部 21…内容物収容部 23,123,223…塗布部収容部 27…把持軸収容部 32,132,232…回転規制部 36,136,236…第1開口部(開口部) 40…蓋体 60,60A,160,260…塗布部 62,62A,162,262…連結部 70,70A,170…把持軸 Q…中心軸線 W…内容物