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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176720
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
F25D23/00 302M
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095483
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 颯太
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA12
3L345AA25
3L345BB01
3L345BB02
3L345BB05
3L345CC01
3L345DD11
3L345DD21
3L345DD53
3L345DD54
3L345DD58
3L345FF34
3L345GG19
3L345GG26
3L345GG32
3L345KK04
3L345KK05
(57)【要約】
【課題】冷媒回収運転において冷却器から冷媒を早期に回収して除霜時間の短縮を図ることができる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】本実施形態の冷蔵庫1は、内箱4と外箱3との間に断熱材5が設けられた冷蔵庫本体2と、内箱4の内部に設けられた庫内部品8、62、76、103と、庫内部品8、62、76、103の表面に触媒と揮発性の液体とを混合した混合液を設け、液体を乾燥させることで庫内部品の表面に形成された触媒からなる触媒層13、65、78、104とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内箱と外箱との間に断熱材が設けられた冷蔵庫本体と、
前記内箱の内部に設けられた庫内部品と、
前記庫内部品の表面に触媒と揮発性の液体とを混合した混合液を設け、前記液体を乾燥させることで前記庫内部品の表面に形成された前記触媒からなる触媒層と、を備える冷蔵庫。
【請求項2】
前記触媒層が形成される前記庫内部品は、前記触媒層が形成されてから前記内箱の内部に設けられた、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記触媒層は、光の照射を受けて触媒作用を発揮する第1触媒と、光の照射を受けることなく触媒作用を発揮する第2触媒とを備える、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
光を照射する照明装置を備え、
前記庫内部品は、前記照明装置の光が照射される位置に設けられた第1庫内部品と、前記照明装置の光が遮る位置に設けられた第2庫内部品とを備え、
前記第1庫内部品及び前記第2庫内部品の表面に前記触媒層が形成されている、請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記内箱の内部に設けられた収納容器と、前記収納容器に設けられた透湿部材とを備え、前記透湿部材の表面に前記触媒層が形成されている請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記内箱の内部を貯蔵室と冷気流路とに仕切る仕切部材を備え、
前記仕切部材の前記貯蔵室側に前記触媒層が形成されている、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記仕切部材は、前記冷気流路と前記貯蔵室とを連通し前記冷気流路の空気が前記貯蔵室へ吹き出す吹出口を備え、
前記吹出口の縁部における前記触媒層の厚みが前記仕切部材の他の部分より厚い、請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記内箱の内部を貯蔵室と冷気流路とに仕切る仕切部材を備え、
前記仕切部材の前記冷気流路側に前記触媒層が形成されている、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記仕切部材は、前記冷気流路と前記貯蔵室とを連通し前記冷気流路の空気が前記貯蔵室へ吹き出す吹出口を備え、
前記吹出口の縁部における前記触媒層の厚みが前記仕切部材の他の部分よりも厚い、請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記内箱の内部を貯蔵室と冷気流路とに仕切る仕切部材と、前記貯蔵室を上下に仕切る載置棚とを備え、
前記載置棚の下面に前記触媒層が形成されている、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記内箱の内部の空気を循環させるファンを備え、
前記ファンの表面に前記触媒層が形成されている、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記内箱の内部を貯蔵室と冷気流路とに仕切る仕切部材と、前記冷気流路に設けられた多孔質体とを備え、
前記多孔質体の表面に前記触媒層が形成されている、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
前記内箱の内部に霧状の水滴を放出する霧発生装置を備え、
前記霧発生装置は、水を貯水する貯水部と、前記貯水部の水の中に浸漬された給水芯とを備え、前記給水芯の表面に前記触媒層が形成されている、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項14】
内箱と外箱との間に断熱材が設けられた冷蔵庫本体と、前記内箱の内部に設けられた庫内部品と、前記庫内部品の表面に形成された触媒からなる触媒層とを備えた冷蔵庫を製造する方法において、
前記触媒と揮発性の液体とを混合した混合液を前記庫内部品の表面に設け、前記液体を乾燥させることで前記庫内部品の表面に前記触媒層が形成された後に、前記庫内部品は前記内箱の内部に設けられる、冷蔵庫の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫では、貯蔵物の鮮度を維持するために、冷蔵庫内を流通する空気を除菌したり脱臭して浄化する浄化装置を庫内の冷気流路などに設けたものが提案されている。
【0003】
このような浄化装置は、触媒が担持された多孔質体と、紫外線などの光を出力する発光装置とを備え、発光装置から出力された光を多孔質体に照射することで、冷気流路内の空気に含まれる細菌や臭気成分を分解除去する(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
しかし、浄化装置を構成する多孔質体は、触媒が練り込まれた樹脂材料から形成されているため、使用した触媒のうち多孔質体の表面に露出しない触媒については空気と接触することがなく空気を浄化できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5251229号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、触媒の使用量を抑えつつ庫内の空気を浄化することができる冷蔵庫を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の冷蔵庫は、内箱と外箱との間に断熱材が設けられた冷蔵庫本体と、前記内箱の内部に設けられた庫内部品と、前記庫内部品の表面に触媒と揮発性の液体とを混合した混合液を設け、前記液体を乾燥させることで前記庫内部品の表面に形成された前記触媒からなる触媒層と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の冷蔵庫の概略構成を示す縦断面図
図2】本発明の一実施形態の冷蔵庫における仕切部材の正面図
図3図2のAーA断面図
図4図1の要部を拡大して示す縦断面図
図5】除菌装置の概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態について図面に基づき説明する。以下の実施形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されない。以下の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。以下の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれ
るものである。
【0010】
以下の説明において、左右方向、前後方向、上下方向とは、冷蔵庫を正面から見たときの方向を示し、左右方向は冷蔵庫の幅方向に相当する。また、右、左、上、下、奥、背、手前とは、特に規定がない場合には冷蔵庫を正面から見たときの位置や側などを示す。また、冷蔵庫1の内箱4において貯蔵空間に向く側を庫内側とし、断熱材を介して外箱3と対向する側を断熱空間側とする。
【0011】
(1)冷蔵庫1の構成
まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。図1に実施形態の冷蔵庫1を示す。冷蔵庫1の冷蔵庫本体2は、冷蔵庫1の外郭を形成する外箱3と、内部に貯蔵空間が形成された内箱4とが組み合わされ、外箱3と内箱4との間に形成された断熱空間に、発泡断熱材や板状断熱材などの断熱材5が設けられて構成されたものである。
【0012】
冷蔵庫本体2の内部は断熱仕切壁6によって上下に仕切られている。断熱仕切壁6の上側は冷蔵空間である。冷蔵空間は冷蔵保存に適した温度である冷蔵温度に維持される。断熱仕切壁6の下側は冷凍空間である。冷凍空間は冷凍保存に適した温度である冷凍温度に維持される。冷蔵空間及び冷凍空間には食品を貯蔵する貯蔵室がそれぞれ複数設けられている。各貯蔵室は前方に開口部を有し、利用者はその開口部から食品を出し入れできる。
【0013】
冷蔵空間は、仕切部材50によって前後に仕切られており、仕切部材50の前方に貯蔵品を収納する冷蔵貯蔵空間が形成され、仕切部材50の後方に第1冷却器室30、供給流路31、32、戻り流路33、34等の冷気流路が形成されている。
【0014】
冷蔵貯蔵空間は仕切壁7によって上下に区画されている。仕切壁7の上方には冷蔵室20が設けられ、仕切壁7の下方には野菜室22が設けられている。仕切壁7の後部には、冷蔵室20と野菜室22とを繋ぐ連通路7aが設けられている。冷蔵室20内は冷蔵温度の範囲内の例えば2~5℃に維持され、野菜室22内は冷蔵温度の範囲内の例えば4~7℃に維持される。
【0015】
冷蔵室20には複数の載置棚8が上下に間隔をあけて設けられている。一番下の載置棚8の下は、冷蔵室20の中でも特に低温に維持されるチルド室となっている。
【0016】
載置棚8は、例えば、貯蔵物が載置される棚板と、棚板の周囲を取り囲むように設けられたフレームとを備え、例えば、透明なガラス板からなる棚板の周囲に合成樹脂製のフレームが一体成形されている。載置棚8の棚板の下面には、後述する触媒層13が形成されている。
【0017】
冷蔵室20の天井面を形成する冷蔵庫本体2の天井壁には、庫内側に冷蔵室20内を照明する照明装置9が設けられている。
【0018】
冷蔵室20の前方開口部は、フレンチ式(観音式)の左右一対の冷蔵室扉21で開閉される。冷蔵室扉21は、冷蔵室20の前端部に設けられた扉センサによって開閉が検知される。
【0019】
野菜室22の前方開口部は、引き出し式の野菜室扉23によって開閉される。野菜室扉23の庫内側には引き出し式の収納容器70が取り付けられている。利用者が野菜室扉23を開けると野菜室扉23とともに収納容器70が庫外へ引き出され、野菜室扉23を閉じると野菜室扉23とともに収納容器70が野菜室22内に収納される。
【0020】
冷蔵空間の後部に設けられた仕切部材50は、流路組立体51及び背面部材60を備える。
【0021】
流路組立体51は、冷蔵室20の下部に配置されたチルド室及び野菜室22の上部の後方に設けられ、内箱4の背面との間に第1冷却器室30を形成する。また、流路組立体51には、第1冷却器室30とチルド室とを接続する第1供給流路31と、冷蔵室20と第1冷却器室30とを接続する第1戻り流路33と、野菜室22と第1冷却器室30とを接続する第2戻り流路34が設けられている。
【0022】
背面部材60は、流路組立体51の上側に冷蔵空間を前後に仕切るように配置されている。背面部材60は、内箱4の背面との間で第1冷却器室30から上方に延びる第2供給流路32を形成する。第2供給流路32は第1冷却器室30と冷蔵室20とを接続する。
【0023】
第1冷却器室30には、フィンチューブ型の第1冷却器40、第1ファン41及び除菌装置100が設けられている。第1冷却器40が第1冷却器室30内を流れる空気を冷却すると、第1ファン41が、第1冷却器40で冷却した第1冷却器室30内の空気を、第1供給流路31を介してチルド室へ供給するとともに、背面部材60と内箱4の背面との間に形成された第2供給流路32へ供給する。第2供給流路32に導入された冷気は、上方へ向かって流れながら背面部材60に設けられた吹出口35から冷蔵室20へ吹き出し供給される。
【0024】
チルド室及び冷蔵室20に供給された空気は、チルド室及び冷蔵室20内を冷却しながら流れる。そして、チルド室及び冷蔵室20を流れた空気の一部は、仕切壁7の後部に設けられた吸込口から第1戻り流路33に流れ込み第1冷却器室30へ戻り、残りの空気は仕切壁7の後部に設けられた連通路7aを通って野菜室22へ流れ込む。
【0025】
野菜室22を流れ込んだ空気は、野菜室22内を冷却しながら流れた後、流路組立体51の下端部に設けられた吸込口から第2戻り流路34に流れ込み、第1戻り流路33に流れ込んだ空気とともに第1冷却器室30に戻った後、第1冷却器40で再び冷却される。
【0026】
冷凍空間は、仕切部材52によって前後に仕切られており、仕切部材52の前方に貯蔵品を収納する冷凍貯蔵空間が形成され、仕切部材52の後方に第2冷却器室44、冷気流路45、戻り流路46等の冷気流路が形成されている。
【0027】
冷凍貯蔵空間には貯蔵室としての製氷室、第1冷凍室26及び第2冷凍室28が設けられている。製氷室及び第1冷凍室26は冷凍空間の上部に左右に並べて配置されている。第2冷凍室28は、製氷室及び第1冷凍室26の下方に配置されている。製氷室及び第2冷凍室28の内部は冷凍温度の範囲内の例えば-20~-18℃に維持される。また第1冷凍室26内は、冷凍温度の範囲内の例えば-18~-16℃に維持される。
【0028】
第1冷凍室26の前側開口部は引き出し式の第1冷凍室扉27で開閉される。第1冷凍室扉27の庫内側の面に引き出し式の収納容器が取り付けられている。また、第2冷凍室28の前側開口部は引き出し式の第2冷凍室扉29で開閉される。第2冷凍室扉29の庫内側の面に引き出し式の収納容器が固定されている。また、製氷室の前方開口部は引き出し式の製氷室扉(不図示)で開閉される。
【0029】
仕切部材52の後方に形成された第2冷却器室44には、第2冷却器室44内の空気を冷却するフィンチューブ型の第2冷却器42と、第2冷却器42が冷却した冷気を冷凍空間へ送風する第2ファン43とが収納されている。第2冷却器42が第2冷却器室44内を流れる空気を冷却すると、第2ファン43が第2冷却器42で冷却した第2冷却器室44内の空気を、冷気流路45を介して冷凍貯蔵空間へ供給する。冷凍貯蔵空間に供給された空気は、冷凍貯蔵空間内を冷却しながら流れた後、冷凍貯蔵空間の背面下部に形成されている吸込口から戻り流路46を通って第2冷却器室44に戻り、第2冷却器42で再び冷却される。
【0030】
冷蔵庫本体2の下部後方には機械室10が設けられている。機械室10には圧縮機11や凝縮器(不図示)等が収納されている。圧縮機11、凝縮器、第1冷却器40、第2冷却器42等は周知の冷凍サイクル装置を構成している。圧縮機11で圧縮された冷媒が第1冷却器40及び第2冷却器42に交互に流れ、冷媒が流れたときにそれぞれの冷却器で冷気が発生する。
【0031】
冷蔵庫本体2の上壁の後端部には、冷蔵庫1を制御する制御基板12が設けられている。制御基板12は、マイコンよりなる制御部と、フラッシュメモリ等の読み書き可能な記憶部とを備え、各種センサや、照明装置9、圧縮機11、第1ファン41、第2ファン43、除菌装置100等の各種機器が接続されている。制御基板12に設けられた制御部は、各種センサによる検出信号に基づき、第1ファン41及び第2ファン43の回転数、圧縮機11の運転周波数、照明装置9の点灯、除菌装置100の動作等、冷蔵庫1の動作全般を制御する。
【0032】
(2)背面部材60
背面部材60は、図2及び図3に示すように、冷蔵室20の後面を区画する板状体からなる後壁板61と、後壁板61の背面に取り付けられた流路形成部材62とを備える。流路形成部材62は、発泡断熱材などの断熱材を後方に開口する水平断面を略コ字状に成形した後壁板61より幅狭の断熱成形体からなり、冷蔵室扉21を開けてユーザが貯蔵室側を見たときにユーザから視認されない場所に設けられたものである。
【0033】
流路形成部材62の後端面は、ソフトテープなど封止部材63を介して内箱4の背面に当接する。流路形成部材62は、封止部材63を介して内箱4の背面に当接することで、内箱4の背面との間に第2供給流路32を形成する。
【0034】
第2供給流路32の下側には、第1冷却器室30に接続される接続口64が設けられている。また、第2供給流路32の前面には、流路形成部材62の前面及び後壁板61を貫通し第2供給流路と冷蔵室20とを連通する吹出口35が上下方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0035】
このような背面部材60は、流路形成部材62の第2供給流路32側に後述する触媒層65が形成されており、第2供給流路32を流れる空気に含まれる細菌などを分解除去する。
【0036】
なお、流路形成部材62は、触媒層65の定着度が増すことから、少なくとも触媒層65が形成された表面が粗いことが好ましい。ここでいう表面が粗いとは、例えばポリプロピレン(PP)などのプラスチック樹脂を、特別に表面粗さを増す意図なく成型された通常の平坦面よりも、表面粗さが大きいことをいう。具体的には、流路形成部材62の表面に適度な凹凸を設け触媒層65の定着性を良好にすることができることから、EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を所定形状に成型して流路形成部材62とすることが好適である。
【0037】
(3)収納容器70
図1に示すように、野菜室22内に設けられた収納容器70は、野菜室22のほぼ全幅にわたって設けられた下段容器71と、下段容器71の上方に設けられた上段容器80とを備えた上下2段に重なり合う構造をなしている。
【0038】
下段容器71は、前壁、後壁、左右側壁によって囲まれた有底の箱状の容器であり、上方に開口する上部開口部から内部に貯蔵品を出し入れするようになっている。下段容器71は、野菜室扉23の裏面側に固着された左右一対の支持枠に保持され、野菜室扉23の開扉動作とともに庫外へ引き出されるように構成されている。
【0039】
下段容器71は、内底面から上方へ突出する前後仕切72が設けられている。この前後仕切72は、下段容器71の左右側壁の内面を連結するように設けられており、前後仕切72の前側に下段前容器73が形成され、後側に下段後容器74が形成されている。
【0040】
下段後容器74の上部開口部74aの前側は、図1に示すような野菜室扉23を閉扉した状態(野菜室22内に収納容器70を収納した状態)で上段容器80によって覆われる。下段後容器74の上部開口部74aの後側は、図4に示すように保持具77に保持された透湿部材76によって覆われている。
【0041】
透湿部材76は、ポリエステル長繊維不織布等の繊維層76aとポリエチレン多孔質フィルム76bとを重ね合わせて貼り合わせた透湿防水シートであり、繊維層76a側(繊維層76aの表面)に後述する触媒層78が形成されている。
【0042】
この透湿部材76は、複数の孔を有しており、これらの孔は、例えば直径の0.5μm~3μmの複数の孔を有しており、例えば0.0004μm以下の水蒸気粒子を通過させるが、0.5μm~3μmよりも大きい水の分子は通過させない。このため、透湿部材76は、安定した防水性の機能と、透湿性の機能と、風(冷気)を通しにくい機能と、空気に含まれた細菌などを分解除去する機能とを有する。
【0043】
保持具77は、図4に示すように、本体部77aと蓋部77bを備え、蓋部77bを本体部77aに対して着脱可能にはめ込むことで、蓋部77bと本体部77aが一体化されている。本体部77aは通気用の複数の孔部77a1を有し、蓋部77bは通気用の複数の孔部77b1を有する。例えば、本体部77aに設けられた孔部77a1は、前後方向より冷蔵庫幅方向に長い形状をなしており、蓋部77bに設けられた孔部77b1は、孔部70a1と直交する方向に長い形状(冷蔵庫幅方向より前後方向に長い形状)をなしている。
【0044】
透湿部材76は、保持具77の内部空間を上下に仕切るように本体部77aと蓋部77bの間に設けられている。内部に透湿部材76が設けられた保持具77は、繊維層76aを下段容器71の内側へ向け、下段後容器74の上部開口部74aの後側に取り付けられと、透湿部材76は、下段後容器74の上部開口部74aを閉塞し、下段後容器74の外部を流れる空気(風)の直接的な進入が制限されている。また、透湿部材76は、下段容器71の内側を向いた繊維層76aの表面に設けられた触媒層78によって、下段容器71内の空気に含まれる細菌や臭気成分やエチレンガスなどの有害物質を分解除去する。
【0045】
(4)除菌装置100
除菌装置100は、図1に示すように、第1冷却器室30における第1冷却器40より空気流れ方向の下流側に設けられ、冷蔵空間へ供給される空気を除菌する装置である。この除菌装置100は、図5に示すように、フレーム101と、このフレーム101の上部と下部に配置された一対の発光装置102と、これら一対の発光装置102間に配置された2枚のフィルタ103とを備えている。フィルタ103は多孔質体からなりその表面には後述する触媒層104が形成されている。
【0046】
上下一対の発光装置102には、厚さ方向に貫通した貫通孔105が複数個形成されていて、第1冷却器室30を流れる冷気が発光装置102に設けられた貫通孔105を通過する。そして、上側の発光装置102の下面には複数個の光源106が下向きに設けられ、また、下側の発光装置102の上面にも複数個の光源106が上向きに設けられている。これら各光源106は、フィルタ103の表面に形成された触媒層104を構成する触媒を励起する光を発光するもので、例えば、例えばLED(発光ダイオード)により構成されている。このような一対の発光装置102は、触媒層104が形成されたフィルタ53の上下に間隔をあけつつ光源106を設けた面をフィルタ103に向けて配置されている。
【0047】
除菌装置100は、発光装置102に設けられた光源106を点灯させてフィルタ103の表面に設けられた触媒層104を活性化することで、第1冷却器室30を流れる空気に含まれた細菌などを分解除去する。これにより、第1冷却器室30から冷蔵室20、チルド室及び野菜室22へ除菌された空気を供給することができる。
【0048】
(5)触媒層13、65、78、104
触媒層13、65、78、104はいずれも、内箱4の内部に設けられた庫内部品の表面に形成された触媒からなる。
【0049】
具体的には、触媒層13は、触媒の微粉末とプロパノールなどのアルコールや水を含む揮発性の液体とを混合した混合液を載置棚8の棚板の下面に設け、該液体を乾燥させることで形成された触媒からなる被膜である。触媒層13は、ガラス板からなる棚板の下面に設けられており、照明装置9の光が照射される位置に設けられている。
【0050】
触媒層65は、触媒層13と同様の混合液を流路形成部材62の第2供給流路32側の表面に設け、該液体を乾燥させることで形成された触媒からなる被膜である。触媒層65は、流路形成部材62の裏面側に設けられており、後壁板61及び流路形成部材62によって照明装置9の光が遮られる位置に設けられている。触媒層65は、吹出口35の周縁部35aにおける厚みが、他の部分より厚いことが好ましい。
【0051】
触媒層78は、触媒層13と同様の混合液を透湿部材76の繊維層76a側の表面に設け、該液体を乾燥させることで形成された触媒からなる被膜である。触媒層78は、野菜室22に設けられており、照明装置9の光が遮られる位置に設けられている。
【0052】
触媒層104は、触媒層13と同様の混合液を除菌装置100のフィルタ103の表面に設け、該液体を乾燥させることで形成された触媒からなる被膜である。触媒層104は、流路組立体51の裏面側において発光装置102からの光が照射されるように設けられており、照明装置9以外の光源の光が照射される位置に設けられている。
【0053】
なお、本明細書において、照明装置9の光が遮られる位置とは、照明装置9から照射された光が直接届かないように、照明装置9と触媒層との間に別の部品等が存在することを意味し、冷蔵庫内に備わる部品や貯蔵品に反射した光が対象の位置に届くことまでを除く意味ではない。また、照明装置9の光が照射される位置や、照明装置9以外の光源の光が照射される位置とは、照明装置9や照明装置9以外の光源から照射された光が反射を介することなく直接に届く位置を意味し、透光性の部品を透過した光が届く位置も含む。
【0054】
触媒層13、65、78、104を構成する触媒は、光の照射を受けて空気中の細菌や臭気成分やエチレンガスなどの有害物質を分解する触媒作用を発揮する第1触媒の微粉末と、光の照射を受けることなく有害物質を分解する触媒作用を発揮する第2触媒の微粉末とから構成されている。
【0055】
第1触媒は、例えば、二酸化チタン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化銀、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化ゲルマニウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化クロム、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化アンチモン、酸化ストロンチウムなどの金属酸化物の微粉末からなる。
【0056】
第2触媒は、例えば、白金、金、銀、銅、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、亜鉛などの金属や、リン酸触媒の微粉末からなる。
【0057】
(6)冷蔵庫1の製造方法
次に、上記した冷蔵庫1の製造方法を説明する。
【0058】
まず、内箱4の前端部と外箱3の前端部とを係合するとともに、外箱3の底面及び背面を外箱3の左右側面や上面と係合させることで、発泡断熱材の注入孔(不図示)を除いて冷蔵庫本体2の断熱空間を閉塞する。なお、断熱空間を閉塞する前に、必要に応じて、板状断熱材や、冷凍サイクル装置内の冷媒が流れる冷媒パイプや、冷蔵庫本体2の内側あるいは外側に設けられた電気部品と制御基板12とを電気接続するリード線を配設する。
【0059】
次いで、注入孔より発泡断熱材の原液を断熱空間へ注入して、断熱空間に発泡断熱材を充填することで冷蔵庫本体2が得られる。
【0060】
次いで、載置棚8、流路形成部材62、透湿部材76及び除菌装置100のフィルタ103等の庫内部品について、内箱4の内部に取り付ける前に触媒の微粉末と揮発性の液体とを混合した混合液を庫内部品8,62,76,103の表面に設ける。その後、混合液中の液体を乾燥させて各庫内部品8,62,76,103の表面に触媒層13、65、78、104を形成する。
【0061】
なお、庫内部品8,62,76,103の表面に混合液を設ける方法として、庫内部品8,62,76,103の表面に対する混合液の噴霧や刷毛などによる混合液の塗布によって設けたり、あるいは、混合液に庫内部品8,62,76,103を浸して混合液を設けたりするなど、任意の方法で庫内部品8,62,76,103の表面に混合液を設けることができる。
【0062】
載置棚8、流路形成部材62、透湿部材76及び除菌装置100のフィルタ103などの庫内部品の表面に対して噴霧によって混合液を設ける場合、混合液を液滴状にして均一に設けることができ、触媒の微粉末を庫内部品の表面に均一に設けることができる。
【0063】
載置棚8に触媒層13を設ける場合のように、ユーザから見える位置に触媒層13が配置される庫内部品に対して混合液を設ける場合、噴霧によって混合液を庫内部品の表面に設けることが好ましく、電動機などで圧縮した空気によって混合液を霧状に噴射するエアブラシを利用して混合液を庫内部品の表面に設けることがより好ましい。噴霧によって混合液を庫内部品の表面に設けることで、触媒の付着量のムラを抑えて美感性を損ねないようにすることができ、エアブラシを利用して混合液を噴霧することで、混合液を更に微細なものすることができ、触媒の付着量のムラを抑えることができる。
【0064】
また、庫内部品8,62,76,103を混合液に浸してその表面に混合液を設ける場合、噴霧により混合液を設ける場合に比べて短時間で、かつ、庫内部品8,62,76,103の表面に厚みの大きい触媒層13を形成することができ、高い触媒作用を得ることができる。
【0065】
そして、発泡断熱材が充填された冷蔵庫本体2の内箱4の内部に、冷却器40、42、ファン41、43、除菌装置100、仕切部材50、52、照明装置9、載置棚8、収納容器70などの庫内部品を取り付ける。つまり、載置棚8、流路形成部材62、透湿部材76及び除菌装置100のフィルタ103については、予め表面に触媒層13、65、78、104を形成した後、冷蔵庫本体2の内箱4の内部に取り付ける。また、外箱3の外側に圧縮機11、凝縮器、制御基板12、扉21,23,27,29を取り付けることで、図1に示すような冷蔵庫1が得られる。
【0066】
(6)効果
以上のような本実施形態の冷蔵庫1では、有害物質を分解する触媒からなる触媒層13、65、78、104が、内箱4の内部に設けられた庫内部品8,62,76,103の表面に形成されているため、庫内部品に設けられた触媒の大部分が、庫内部品の表面に露出して庫内空気と接触することになり、少ない触媒量であっても庫内空気に含まれる有害物質を効率良く分解することができる。
【0067】
本実施形態では、触媒層13、65、78、104を設ける部材として、他の目的のために内箱4の内部に設けられた庫内部品を流用することで、新たな部材を庫内に設けることなく、触媒による除菌等の効果を得ることができる。
【0068】
特に、触媒層を設ける庫内部品として、貯蔵室と冷却器室とを循環する冷気が流れる流路を形成する庫内部品、例えば、冷蔵室20に冷気を供給する流路31、32を形成する流路形成部材62の流路側の面や、冷蔵室20や野菜室22から第1冷却器室30に冷気を戻す流路33,34を形成する部材の流路側の面に触媒層を設けることで、庫内を循環する空気全体が触媒層と接触しやすくなり、触媒作用が発揮されやすくなる。なお、冷気が流れる流路としては、上記した流路32,32,33,34以外にも、チルド室に設けた容器と仕切壁7との間で形成される流路や、野菜室22の左右の側壁と収納容器70との間で形成される流路など、庫内を循環する冷気が流れる任意の流路に対して触媒層を設けることで、触媒作用が発揮されやすくなる。 また、冷蔵室扉21を開けてユーザが貯蔵室側を見たときにユーザから視認されない流路形成部材62に触媒層65を形成することで、混合液の付着量が場所によって多少異なるなどのムラがあっても美観性への影響を抑制できる。
【0069】
触媒層13、65、78、104は、触媒の微粉末と揮発性の液体とを混合した混合液を庫内部品の表面に設け、当該液体を乾燥させることで庫内部品8,62,76,103の表面に形成することができるため、種々の庫内部品の表面に触媒層を簡便に設けることができる。
【0070】
本実施形態では、触媒層13、65、78、104を構成する触媒が、光の照射を受けて触媒作用を発揮する第1触媒の微粉末と、光の照射を受けることなく触媒作用を発揮する第2触媒の微粉末とから構成されている。そのため、載置棚8のように照明装置9の光が照射される位置に設けられた庫内部品と、流路形成部材62や透湿部材76のように照明装置9の光が遮られる位置に設けられた庫内部品と、フィルタ103のように照明装置9以外の光源の光が照射される位置に設けられた庫内部品とで、触媒層13、65、78、104を形成する際に用いる混合液を変更する必要がなく、冷蔵庫の製造時に不所望の触媒層を庫内部品に設けるおそれがない。
【0071】
本実施形態のように不織布からなる透湿部材76の繊維層76aや、多孔質体からなる除菌装置100のフィルタ103の表面に触媒層を設けることで、触媒を多く担持させることができる。
【0072】
本実施形態のように流路形成部材62の第2供給流路32側に触媒層65を形成することで、冷蔵空間内を循環する空気に含まれる有害物質を効率的に分解することができるとともに、ユーザが触媒層65に触れることが無く、触媒層65の効果を長期間維持することができる。特に、吹出口35の縁部における触媒層65の厚みが、流路形成部材62の他の部分に形成された触媒層65よりも厚い場合、冷蔵空間内を循環する空気中の有害物質が触媒と接触しやすくなり、より効率的に有害物質を分解することができる。
【0073】
本実施形態のように載置棚8の棚板の下面に触媒層13を形成することで、貯蔵物の近傍に触媒層を配置することができ、有害物質が拡散する前にこれを分解することができる。また、載置棚8の下面に触媒層13が形成されているため、触媒層13はユーザに触れられにくく、触媒層13の効果を長期間維持することができる。しかも、載置棚8の棚板がガラス板で形成されている場合であっても、触媒層13を載置棚8に形成することができる。
【0074】
また、本実施形態のように庫内部品8,62,76,103の表面に触媒層13、65、78、104を形成した後、冷蔵庫本体2の内箱4の内部に取り付けることで、触媒層13、65、78、104を形成した庫内部品と隣り合う別の庫内部品に触媒層が形成されないこととなり、所望の庫内部品のみに触媒層を形成することができる。しかも、冷蔵庫本体2に庫内部品8,62,76,10を取り付ける工程の前に、庫内部品8,62,76,103の表面に触媒層13、65、78、104が形成されている。これにより、庫内部品8,62,76,103の取り付け工程において触媒層を形成する混合液の乾燥工程が不要となり、製造時間が大幅に短縮され触媒層の形成による製造コストの上昇を抑えることができる。
【0075】
(7)変更例
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0076】
上記した実施形態では、載置棚8や流路形成部材62や透湿部材76や除菌装置100のフィルタ103の表面に触媒層13、65、78、104を設ける場合について説明したが、種々の庫内部品の表面に触媒と揮発性の液体とを混合した混合液を噴霧して触媒層を形成してもよい。
【0077】
例えば、背面部材60の冷蔵室20側(後壁板61の前面)に触媒層を設けてもよい。後壁板61の前面に触媒層を設けることで、冷蔵室20の広い面積に触媒層を形成することができ、有害物質について高い分解効果が得られる。後壁板61の前面に触媒層を設ける場合、吹出口35の周縁部35aにおける厚みを、後壁板61の他の部分における触媒層よりも厚いことが好ましい。吹出口35の周縁部35aにおける触媒層の厚みを厚くすることで、冷蔵空間内を循環する空気中の有害物質が触媒とより接触しやすくなり、効率的に有害物質を分解することができる。
【0078】
また、第1ファン41や第2ファン43の表面に触媒層を設けたり、第1冷却器40や第2冷却器42のフィンの表面に触媒層を設けてもよい。このような場合、冷気流路に触媒層を設けることができ、冷蔵空間内を循環する空気に含まれる有害物質を効率的に分解することができるとともに、ユーザが触媒層に触れることが無く、触媒層の効果を長期間維持することができる。
【0079】
また、水を貯水する貯水部と、貯水部に溜まった水の中に下端部が浸漬される給水芯とを備え、給水芯が貯水部から吸い上げた水に電圧や振動を与えて霧状の水滴を放出する霧発生装置を、冷蔵空間に設ける場合、給水芯の表面に触媒と揮発性の液体とを混合した混合液を噴霧して触媒層を形成してもよい。霧発生装置の給水芯の表面に触媒層を設けることで、水を多く含む給水芯において細菌などの発生を抑えることができる。
【0080】
また、上記した実施形態では、野菜室扉23の裏面側に固着された支持枠に保持された下段容器71に、触媒層78が形成された透湿部材76を設ける場合について説明したが、冷蔵室20の載置棚8や収納容器70の上段容器80に取り出し可能に載置された収納容器に触媒層が形成された透湿部材76を設けてもよい。
【0081】
また、空気に含まれる細菌や臭気成分やエチレンガスなどの有害物質は、冷凍温度帯の冷凍空間より冷蔵温度帯の冷蔵空間において発生しやすいため、冷蔵空間に設けられた庫内部品の表面に触媒層を設けることが好ましいが、冷凍空間に設けられた庫内部品に表面に触媒層を設けてもよい。
【0082】
また、上記した実施形態では、流路形成部材62の第2供給流路32側に触媒層65を設けたが、第2供給流路32側に加えて、第2供給流路32の反対側(つまり、後壁板61と対向する流路形成部材62の前側)にも触媒層を設けてもよい。流路形成部材62の前側は、後壁板61が設けられており冷気が流通する箇所ではないため、第2供給流路32側に設けられた触媒層よりも触媒の付着が長期間維持されやすい。流路形成部材62の前側は冷気が頻繁に流通する箇所ではないが、後壁板61と流路形成部材62との間に僅かな隙間が存在していることがあり、流路形成部材62の前側に触媒層を設けることで、この隙間に存在する空気中の細菌や有害物質を分解除去することができる。
【符号の説明】
【0083】
1…冷蔵庫、2…冷蔵庫本体、3…外箱、4…内箱、8…載置棚、9…照明装置、13…触媒層、20…冷蔵室、22…野菜室、30…第1冷却器室、31…第1供給流路、32…第2供給流路、33…第1戻り流路、34…第2戻り流路、35…吹出口、40…第1冷却器、41…第1ファン、42…第2冷却器、43…第2ファン、50…仕切部材、51…流路組立体、52…仕切部材、60…背面部材、61…後壁板、62…流路形成部材、63…封止部材、64…接続口、65…触媒層、70…収納容器、71…下段容器、72…前後仕切、73…下段前容器、74…下段後容器、76…透湿部材、76a…繊維層、76b…多孔質フィルム、77…保持具、78…触媒層、80…収納容器、100…除菌装置、101…フレーム、102…発光装置、103…フィルタ、104…触媒層、105…貫通孔、106…光源
図1
図2
図3
図4
図5