(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176733
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】マスクおよびマスクの製造装置
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095503
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 ゆき恵
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211CA02
3B211CD01
(57)【要約】
【課題】耳紐の接合状態を維持可能で肌当たりの良いマスクを提供することを目的とする。
【解決手段】長手方向に沿った長さと、長手方向に直交する幅方向に沿った長さを有するマスク本体と、マスク本体の長手方向の端部を覆うように配置されてマスク本体と接合し、マスク本体の四隅において、曲線状にカットされているエッジテープと、エッジテープの長手方向の外側に配置された耳紐と、エッジテープの長手方向の端部まで延在し、耳紐とエッジテープとを接着する上下一対の耳紐接着部と、を、備える、マスク。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さを有するマスク本体と、
前記マスク本体の前記長手方向の端部を覆うように配置されて前記マスク本体と接合し、前記マスク本体の四隅において、曲線状にカットされているエッジテープと、
前記エッジテープの前記長手方向の外側に配置された耳紐と、
前記エッジテープの前記長手方向の端部まで延在し、前記耳紐と前記エッジテープとを接着する上下一対の耳紐接着部と、
を、備える、マスク。
【請求項2】
前記耳紐接着部は、溶着線を斜め格子状に組み合わせることにより構成されており、
前記溶着線の縦方向成分は、横方向成分よりも多い、
請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記マスク本体は、前記長手方向に延在する複数の折り目によって形成されたプリーツを有し、
前記マスク本体の前記長手方向の端部には、前記プリーツを固定するための仮接着部が形成されており、
前記仮接着部は、前記耳紐接着部とは重ならない、
請求項1または2に記載のマスク。
【請求項4】
前記耳紐接着部は、前記エッジテープの前記マスク本体の側の辺端に接するように偏って配置されており、前記マスク本体の長手方向端部には接していない、
請求項1または2に記載のマスク。
【請求項5】
長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さを有するマスク本体と、
前記マスク本体の前記長手方向の端部を覆うように配置されて前記マスク本体と接合するエッジテープと、
前記エッジテープの前記長手方向の外側に配置された耳紐と、
前記エッジテープの前記長手方向の端部まで延在し、前記耳紐と前記エッジテープとを接着する上下一対の耳紐接着部と、
を有し、前記マスク本体の四隅において、前記エッジテープが曲線状にカットされているマスクを製造するためのマスクの製造装置であって、
前記エッジテープを前記曲線状にカットするためのカッターの刃が、前記マスク本体の前記長手方向の内側から入るように構成されている、
マスクの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクおよびマスクの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、不織布等を積層したマスク本体に耳紐等を取り付けた使い捨てマスクが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マスクは、着用者の口元を覆う衛生物品であり、着用者の顔面に長時間当接する。また、マスクの長手方向端部には弾性を有する耳紐が配置されており、耳紐の付勢力によって肌面に強く当接するため、肌荒れの原因となることがある。マスクの長手方向端部近傍に柔らかい素材を用いて肌当たりをよくすることもできるが、長手方向端部が柔らかいと、適切な着用状態を維持できなくなったり、耳紐が外れたりする虞がある。
【0005】
本発明は、耳紐の接合状態を維持可能で肌当たりの良いマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るマスクは、長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さを有するマスク本体と、前記マスク本体の前記長手方向の端部を覆うように配置されて前記マスク本体と接合し、前記マスク本体の四隅において、曲線状にカットされているエッジテープと、前記エッジテープの前記長手方向の外側に配置された耳紐と、前記エッジテープの前記長手方向の端部まで延在し、前記耳紐と前記エッジテープとを接着する上下一対の耳紐接着部と、を、備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耳紐の接合状態を維持可能で肌当たりの良いマスクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るマスクの外観斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るマスクの平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るマスクの長手方向端部の拡大図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るマスクの仮接着部の拡大図である。
【
図5】
図5は、マスクの製造装置に設けられたカッターの例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るマスクを製造するための流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るマスクおよびマスクの製造装置について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態に係るマスクの外観斜視図である。
図2は、マスク1を肌面側から見
た平面図である。マスク1は、着用者に着用された状態(以下、「着用状態」と略称する)において該着用者の左右方向に一致する方向を左右方向とし、当該左右方向に直交する方向に幅方向を有する。当該幅方向は着用者の上下に一致する方向である。マスク1は、左右方向に沿った長さと、左右方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有する。また、マスク1の着用状態において、着用者の肌に向かう側(着用状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(着用状態で外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。
【0011】
図1および
図2に示されるように、マスク1は、マスク本体2、耳紐3,4、エッジテープ5,6、およびノーズフィッター7を有する。より詳細には、マスク本体2は、シート状の通気性素材が数層積層された状態で形成されており、着用者の口と鼻を覆うことが可能な大きさを有する。また、耳紐3,4は、紐状の伸縮性素材で形成されている。また、
図1および
図2に示されるようにマスク本体2の肌面側および非肌面側の左右方向の両端には、エッジテープ5,6が貼り付けられている。そして、肌面側のマスク本体2に貼り付けられたエッジテープ5,6と耳紐3,4の夫々の端部が熱溶着されることにより、耳紐3,4はマスク本体2の左右両側に環状の輪をそれぞれ形成する。なお、
図2に示されるように、耳紐3,4の端部が熱溶着されるエッジテープ5,6の溶着領域15、16は、他のエッジテープ5,6の領域よりも幅広に設計されている。
【0012】
また、耳紐3,4を構成する紐状の伸縮性素材は、例えば、ゴム糸と綿の交織帯や、樹脂フィラメントの交編ネット、伸縮性の不織布等で形成される。このような紐状の素材の両端部が、
図2に示されるようにそれぞれマスク本体2の肌面側の左右両側のエッジテープ5,6の溶着領域15,16に熱溶着されることで、当該素材の一端が始点となり、当該素材の他端が終点となるループ状の形態の耳紐3,4がマスク本体2の左右両側に形成される。
【0013】
マスク本体2は、通気性を有する不織布等の各種シートから構成されるものであり、複数枚のシートの積層体である。そして複数のシートは、
図2中の上下左右の縁近傍の溶着部9U、9D、9L、9Rにおいて互いに超音波溶着(超音波シール)される。なお、超音波溶着の代替としてエンボスロールを用いた熱溶着であってもよい。または、例えばミシン糸等による縫合、ホットメルト接着剤等による接着、ヒートシール、その他の各種接合技術を適用し得る。マスク本体2を構成するシートがポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂によって構成されている場合には、熱溶着によって接着を行うことが好適である。
【0014】
マスク本体2は、左右方向に延在するプリーツ8が形成されている。本実施形態では、4本のプリーツが形成されている。また、プリーツ8は、左右両側の端部のエッジテープ5,6によってその展開が阻止されることで維持される。よって、マスク1の非着用時にはマスク本体2をかさばらない平面状とすることができる。一方、マスク1の着用時には、マスク本体2を縦方向に伸ばすことでプリーツ8が展開される。プリーツ8が広げられることでマスク本体2は非肌面側に膨らむドーム状の立体形状となる。これにより、マスク本体2と着用者の口との間に空間が形成され、着用者は呼吸し易くなる。
【0015】
ノーズフィッター7は、マスク本体2の上部において、長手方向がマスク本体2の左右方向に延在する状態でマスク本体2に固定される部材である。ノーズフィッター7は、マスク本体2を構成するシート状の通気性素材同士の間に挟み込まれる状態でマスク本体2に固定される。或いは、ノーズフィッター7はマスク本体2の表面に固定されていてもよい。ノーズフィッター7は、着用者が指で押圧することにより適宜の形状へ変形可能な程度の強度を有すると共に、当該押圧から解放されても形状を維持する塑性変形可能な素材である。このようなノーズフィッター7がマスク本体2の
図1および
図2でいう上部に設けられていることにより、着用者は、鼻とマスク本体2との間にできる隙間を塞ぐことが
できる。
【0016】
本実施形態に係るマスク1では、マスク本体2の四隅が切り落とされて、丸め加工が施されている。長方形のマスク本体2の四隅には、近傍に耳紐3,4が配置されているため、着用者の肌面に食い込みやすい。本実施形態に係るマスクでは、マスク本体2の四隅を丸め加工しているため、耳紐3,4によって四隅を付勢されたマスクが着用者の肌面に食い込むのを抑制できる。また、マスク1全体の審美性を向上させることもできる。
【0017】
図3は、実施形態に係るマスクの長手方向端部の拡大図である。
図3では、マスクの非肌面側左上を拡大した図であるが、端部の構造は四隅いずれもほぼ同様である。マスク本体2の長手方向端部には、エッジテープ5,6が巻かれている。マスク1の長手方向端部にエッジテープ5,6が配置されていることで、マスク本体2の長手方向端部が着用者の肌面に直接食い込むのを抑制可能である。また、マスク本体2の四隅には、丸め加工が施されており、その加工線が曲線Cとなっている。
【0018】
エッジテープ5,6と、マスク本体2は、エンボス部12により熱溶着されて、接合している。更に、耳紐3,4とエッジテープ5,6は相互に溶着可能な素材で構成されており、エッジテープ5,6の幅方向両端部に設けられた上下一対の耳紐接着部13により、溶着されて接合している。耳紐接着部13は、着用時における縦方向成分が横方向成分よりも大きい格子状の線状溶着部によって構成されている。すなわち、耳紐接着部13は、溶着線からなるダイヤ形状の格子を斜め格子状に組み合わせて並列させた形状を有している。
【0019】
耳紐接着部13が配置されているマスク1の長手方向端部は、耳紐3,4の付勢力により着用者の肌面と当接しやすくなっている。耳紐接着部13を形成する格子を、長手方向と幅方向に平行な正方形もしくは長方形とせず、縦方向成分のほうが横方向成分よりも大きいように斜めに配置された溶着線を斜め格子状に組み合わせてダイヤ型に形成することにより、各溶着線が肌面に当接する角度は浅くなる。また、格子が幅方向から見て互い違いに形成されるため、耳紐接着部13が幅方向に屈曲して着用者の肌面に強い違和感を与えない。
【0020】
耳紐接着部13は、耳紐3,4近傍のみならず、エッジテープ5,6の幅方向両端部にまで延在している。耳紐接着部13が、耳紐3,4よりも幅広に配置されている。マスク本体2が積層しているフィルタシートは帯電しているため、搬送系において静電気に起因するずれが生じやすくなっている。仮にマスク本体2に対する耳紐3,4の接着位置が設計値通りでなかった場合にも、耳紐接着部13の範囲を耳紐3,4よりも十分に広くすることにより、耳紐3,4の取り付けが可能であり、不良を抑制可能である。また、耳紐が存在していない部分についても耳紐接着部13を広く設けることで、マスク1を包装容器から取り出す際や装着中に、耳紐が外れてマスクとしての機能を喪失する問題を防止可能である。
【0021】
生産工程上、エッジテープ5,6は、マスク本体2の幅方向端部から幾分突出するように形成されている。耳紐接着部13は、エッジテープ5,6の突出部にも形成された後、突出部を切断されることにより、その形成領域にエッジテープ5,6の端部を含んでいる状態となる。このように形成することにより、エッジテープ5,6の着用時における上下方向端部にまで耳紐接着部13が配置された状態となる。着用時の上下方向端部において、エッジテープ5,6の一部は、耳紐接着部13が配置されていることにより固化し、刃物で切断しやすくなっているため、丸め加工が容易になっている。
【0022】
耳紐接着部13は、エッジテープ5,6の、マスク本体2の長手方向内側の辺端に接し
ており、他方の辺端であるエッジテープ5,6の、マスク本体2の長手方向外側の辺端には接しないように偏って配置されている。マスク本体2の長手方向端部は、耳紐3,4の付勢力により肌面に比較的強く当接するが、当該部分には耳紐接着部13を含む各溶着部を設けないことにより、肌当たりをよくし、着用者に与える違和感を軽減可能である。
【0023】
図4は、実施形態に係るマスクの仮接着部の拡大図である。
図4は、エッジテープ5,6を被せてエンボス部12によって溶着する前のマスク本体2の長手方向端部の拡大図である。マスク本体2は、長手方向に延在する複数の折り目によって形成されたプリーツ8を有している。そして、マスク本体2の長手方向端部には、熱溶着によって、仮接着部であるエンボス部14が配置されている。エンボス部14によって長手方向端部を溶着することにより、プリーツ8の折り目が固定され、プリーツ形成状態を維持できる。
【0024】
本実施形態に係るマスクは、この状態のマスク本体2の長手方向端部にエッジテープ5,6を被せてエンボス部12によって溶着し、更に耳紐3,4を配置して耳紐接着部13により耳紐3,4を固定したものであるが、エッジテープ5,6を配置せずに耳紐3,4を配置し、耳紐接着部13を形成してマスク1とすることも可能である。
【0025】
耳紐接着部13が設けられている領域において、エンボス部14と耳紐接着部13は、そのごく一部が重畳するものの、重畳する領域は僅かであり、実質的には重畳していないと言い得る。エンボス部14と耳紐接着部13を実質的に重畳させないことで、耳紐接着部13が更に硬化した部分が形成されるのを防ぐことができる。
【0026】
本実施形態に係るマスク1は、耳紐3,4の接着位置が多少ずれた場合でも耳紐3,4の接着状態を維持できるように、着用者に違和感を与えない形態を有する耳紐接着部13を比較的広面積で有している。耳紐接着部13とエンボス部14が重畳してしまうと、固化した重畳部分が肌面に違和感を与える虞がある。このため、耳紐接着部13とエンボス部14を重畳させないか、或いは重畳する領域を最小限として、実質的に重畳させないことが好適である。
【0027】
図5は、マスクの製造装置に設けられたカッターの例を示す図である。本実施形態に係るマスク1では、エッジテープ5,6は、生産工程上、マスク本体2の幅方向端部から突出するように巻き付けられている。そして、耳紐接着部13は、エッジテープ5,6の突出部にも形成されている。この状態で、四隅に形成された突出部分がカッター17でカーブを描くように切断されることで、曲線Cに沿って丸め加工が施され、端部が肌面に食い込みにくいマスク1が製造可能である。
【0028】
耳紐接着部13は、エッジテープ5,6の、マスク本体2の長手方向内側の辺端に接している一方で、マスク1の肌触りを維持し、長手方向外側の辺端が着用者の肌面に食い込むのを防ぐために、マスク本体2の長手方向外側の辺端には接していない。このため、エッジテープ5,6の、マスク本体2の長手方向内側の辺端は、耳紐接着部13により固化している一方、マスク本体2の長手方向外側は固化しておらず、耳紐3,4によって肌面に強く押圧されても着用者に違和感を与えないように構成されている。
【0029】
本実施形態では、カッター17は、エッジテープ5,6のマスク本体2の長手方向内側の辺端から刃が斜めに入るように配置されている。エッジテープ5,6のマスク本体2の長手方向内側の辺端は、耳紐接着部13が配置されていることにより固化しており、刃がスムーズに入りやすい。一方、マスク本体2の長手方向外側の辺端には耳紐接着部13は配置されていないため、刃が正確に入りにくくなっている。
【0030】
カッター17の刃が、エッジテープ5,6のマスク本体2の長手方向内側の辺端から入
るようにすると、固化している耳紐接着部13に対して刃を入れることができるため、誤差なく切断を開始することができる。一度カッター17の刃が入り、耳紐接着部13部分で曲線Cに沿って一定程度切断が進んでしまえば、マスク本体2の長手方向外側の辺端のように正しく刃が入りにくい部分においても切断を進めることができる。このため、切断失敗による不良が発生しにくくなり、好適である。なお、本図では切断に、刃が屈曲した彫刻刀状のカッターを用いているが、カッターの形状はこれに限られず、切断開始点において刃の一部が突出したポンチ状のものであってもよい。
【0031】
図6は、実施形態に係るマスクを製造するための流れ図である。まず、シートを積層し、必要に応じてノーズフィッターが配置されたマスク本体2を形成する(ステップS101)。マスク本体2にはプリーツ8が形成され、その長手方向端部には、幅方向に平行に、プリーツ8を固定するためのエンボス部14が配置されていてもよい。なお、マスク本体2は、プリーツを形成しない立体型または魚型であってもよい。
【0032】
次に、マスク本体2の長手方向端部にエッジテープ5,6を巻いてエンボス部12によりマスク本体2と溶着する(ステップS102)。エッジテープ5,6を巻くことによりマスク本体2は補強され、また長手方向端部の肌触りも向上する。なお、エッジテープ5,6を設けない場合には当該工程は省略可能である。次に、エッジテープ5,6の上に耳紐を配置する(ステップS103)。エッジテープ5,6を設けない場合には、耳紐3,4は、マスク本体2の長手方向外側に載置される。
【0033】
次に、エッジテープ5,6の長手方向内側辺端と当接するように、ダイヤ型の斜め格子状となるように溶着線を組み合わせた耳紐接着部13を形成し、耳紐3,4をマスク1に固定する(ステップS104)。エッジテープ5,6を設けない場合には、耳紐接着部13はマスク本体2に直接形成され、耳紐を固定する。この場合にも、肌当たりの面から、耳紐接着部13がマスク本体2の長手方向外側辺端には形成されないことが望ましい。
【0034】
次に、マスク1の四隅においてエッジテープ5,6の、マスク本体2の長手方向内側の辺端から、長手方向外側の辺端に向かって曲線状に刃を入れる(ステップS105)。耳紐接着部13によって固化している部分から刃を入れることで、正確な切断が容易になる。エッジテープ5,6を設けない場合には、耳紐接着部13の長手方向内側端縁付近から刃を入れることが好適である。最後に、刃をマスク本体2の長手方向外側の辺端まで当てて、マスク1の四隅を切断する(ステップS106)。マスク1の四隅を曲線状にカットした丸め加工を施すことにより、審美性に優れ、肌当たりの良いマスクを提供可能である。
【0035】
以上、本実施形態について説明したが、本発明の内容は上記実施の形態に限られるものではない。例えば、耳紐接着部13は、ダイヤ型のエンボス溶着面が短い間隔を空けて交互に並ぶ形態であってもよい。この場合、ダイヤ型のエンボス溶着面の周囲に、斜め格子状の未溶着部分が形成される。当該形態では、耳紐接着部13の溶着面を増やすことができるため、マスク1により強力に耳紐3,4を固定可能である。また、溶着面が広くなるため、四隅の切断もより容易となり、好適である。
【0036】
以上で開示した各実施形態やその応用に含まれる特徴は、それぞれ組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0037】
1・・マスク
2・・マスク本体
3、4・・耳紐
5、6・・エッジテープ
7・・ノーズフィッター
8・・プリーツ
9U、9D、9L、9R・・溶着部
12、14・・エンボス部
13・・耳紐接着部
15、16・・溶着領域
17・・カッター
C・・曲線