(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176740
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】タッチセンサー装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20241212BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20241212BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20241212BHJP
【FI】
G06F3/041 500
G06F3/044 120
G06F3/0488
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095517
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岩井 嘉男
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA54
5E555AA71
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC13
5E555CA12
5E555CB12
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】使用者の特性に合わせた最適なパラメーターをタッチパネルに自動的に設定可能なタッチセンサー装置を提供する。
【解決手段】タッチセンサー装置1は、タッチセンサー11と、タッチセンサー11に対する使用者のタッチ操作を検出するタッチ操作検出部121aと、予め定められた検出感度に基づいて、タッチ操作検出部121aが検出した使用者のタッチ操作を有効操作又は無効操作として判定する操作判定部121bと、使用者の特性である使用者特性を検出する特性検出部125と、特性検出部125が検出した使用者特性に応じて検出感度を調整する検出感度調整部121cとを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチセンサーと、
前記タッチセンサーに対する使用者のタッチ操作を検出するタッチ操作検出部と、
予め定められた検出感度に基づいて、前記タッチ操作検出部が検出した前記使用者のタッチ操作を有効操作又は無効操作として判定する操作判定部と、
前記使用者の特性である使用者特性を検出する特性検出部と、
前記特性検出部が検出した前記使用者特性に応じて前記検出感度を調整する検出感度調整部と
を備える、タッチセンサー装置。
【請求項2】
前記検出感度に対応する判定基準が設定され、
前記操作判定部は、前記タッチ操作検出部が検出した検出信号の強度が前記判定基準以上のときに、前記使用者のタッチ操作を前記有効操作として判定する、請求項1に記載のタッチセンサー装置。
【請求項3】
前記タッチセンサーは静電容量方式センサーである、請求項1又は請求項2に記載のタッチセンサー装置。
【請求項4】
前記使用者特性は前記使用者の性別、年齢、体温、肌の水分量又は皮脂量のうち少なくとも1つを含む、請求項1又は請求項2に記載のタッチセンサー装置。
【請求項5】
前記検出感度調整部は、前記使用者の年齢が大きいほど前記検出感度が高くなるように前記検出感度を調整する、請求項4に記載のタッチセンサー装置。
【請求項6】
前記検出感度調整部は、前記水分量が小さいほど前記検出感度が高くなるように前記検出感度を調整する、請求項4に記載のタッチセンサー装置。
【請求項7】
前記特性検出部は撮像装置である、請求項1又は請求項2に記載のタッチセンサー装置。
【請求項8】
前記特性検出部は赤外線センサーである、請求項1又は請求項2に記載のタッチセンサー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチセンサー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タッチ入力された位置データに基づいてタッチパネル面の入力許容領域を変化させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電容量方式のタッチパネル操作において、例えば乾燥肌の人が操作する際にタッチパネルの反応が鈍くなり得るという課題があった。その対策として、使用者の実際の操作から最適なパラメーターを設定する作業はいささか面倒であった。
【0005】
本開示は、使用者の特性に合わせた最適なパラメーターをタッチパネルに自動的に設定可能なタッチセンサー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のタッチセンサー装置は、タッチセンサーと、前記タッチセンサーに対する使用者のタッチ操作を検出するタッチ操作検出部と、予め定められた検出感度に基づいて、前記タッチ操作検出部が検出した前記使用者のタッチ操作を有効操作又は無効操作として判定する操作判定部と、前記使用者の特性である使用者特性を検出する特性検出部と、前記特性検出部が検出した前記使用者特性に応じて前記検出感度を調整する検出感度調整部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、使用者の特性に合わせた最適なパラメーターがタッチパネルに自動的に設定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係るタッチセンサー装置1を備えるタッチパネル装置10の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】タッチセンサー装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】タッチセンサー装置1が有するタッチセンサー11の検出信号V0の変化とサンプリング値SV0との関係を例示する説明図である。
【
図4】タッチセンサー装置1による検出感度調整処理を例示するフローチャートである。
【
図5】タッチセンサー装置1によるタッチ操作判定処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
(1)タッチパネル装置10の全体構成
図1は、本開示の一実施形態に係るタッチセンサー装置1を備えるタッチパネル装置10の全体構成を示すブロック図である。
図2は、タッチセンサー装置1の構成を示すブロック図である。
図3は、タッチセンサー装置1が有するタッチセンサー11の検出信号V0の変化とサンプリング値SV0との関係を例示する説明図である。
【0011】
図1に示すように、タッチパネル装置10は、タッチセンサー装置1と、表示装置2と、主制御装置3とを備える。タッチセンサー装置1は、タッチセンサー11及びタッチ検出装置12を有する。表示装置2は、表示パネル21及び表示制御装置22を有する。なお、タッチ検出装置12、表示制御装置22及び主制御装置3は、バスなどの信号伝送媒体9を通じて相互にデータの受け渡しが可能である。
【0012】
主制御装置3は、CPU(Central Processing Unit)3aと、RAM(Random Access Memory)3bと、二次記憶装置3cとを備える。
【0013】
CPU3aは、二次記憶装置3cに予め記憶されている各種のコンピュータープログラムを実行する。これにより、CPU3aは、各種のデータ処理と、タッチセンサー装置1及び表示装置2の制御とを実行する。
【0014】
RAM3bは、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM3bは、CPU3aにより実行されるコンピュータープログラム及びデータ処理の対象となるデータを一次記憶する。
【0015】
二次記憶装置3cは、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、フラッシュメモリー、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM/登録商標/以下の出現箇所では注記を省略)又はハードディスクドライブなどが二次記憶装置3cとして採用される。
【0016】
表示パネル21は、画像を表示可能な装置である。表示パネル21は、例えば、液晶表示パネル又は有機EL(Organic Electro Luminescence)パネルなどである。液晶表示パネルは、液晶パネル及びバックライトを含む。
【0017】
表示制御装置22は、表示パネル21を駆動させる。表示制御装置22は、表示パネル21が画像及び文字などを表示するように、表示パネル21を制御する。表示制御装置22は、MPU(Micro Processing Unit)22aと、RAM22bと、二次記憶装置22cとを備える。
【0018】
なお、表示制御装置22が備えるRAM22b及び二次記憶装置22cは、それぞれ主制御装置3が備えるRAM3b及び二次記憶装置3cと同様の装置である。表示制御装置22が、MPU22aの代わりにDSP(Digital Signal Processor)などの他のプロセッサーを備えることも考えられる。
【0019】
(2)タッチセンサー装置1の構成
タッチセンサー装置1のタッチセンサー11は、表示パネル21の複数の座標位置においてタッチ操作を検出するセンサーである。タッチセンサー11は、複数の座標位置において、指示部による接触の程度を検出する。なお、この指示部は、使用者(ユーザー)の指又は使用者が持つスタイラスペンなどである。
【0020】
図2に示すように、タッチセンサー11は、透明な複数の電極111、透明な保護カバー112及び駆動回路113などを備える。
【0021】
複数の電極111は、保護カバー112の裏面における複数の座標位置に配置されている。保護カバー112は、表示パネル21に重畳されている。そのため、複数の電極111は、表示パネル21の表面における複数の座標位置に配置されている。
【0022】
駆動回路113は、複数の電極111に駆動信号を供給する。この駆動信号が供給される複数の電極111は、保護カバー112における座標位置ごとの指示部の密着度合いを表す検出信号V0を出力する。
【0023】
タッチ検出装置12は、MPU121と、RAM122と、二次記憶装置123と、サンプリング回路124と、特性検出部125とを備える。
【0024】
MPU121は、二次記憶装置123に予め記憶されている各種のコンピュータープログラムを実行する。これにより、MPU121は、タッチセンサー11への有効なタッチ操作を検出する処理を実行する。
【0025】
RAM122は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM122は、MPU121により実行されるコンピュータープログラム及びデータ処理の対象となるデータを一次記憶する。
【0026】
二次記憶装置123は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、二次記憶装置123が、フラッシュメモリー又はEEPROMであることが考えられる。
【0027】
サンプリング回路124は、タッチセンサー11の検出信号V0を予め定められたサンプリング周波数でサンプリングすることによって複数のサンプリング値SV0を順次出力する。
図3は、検出信号V0とサンプリング値SV0との関係を示す。
【0028】
サンプリング回路124は、いわゆるAD(Analog/Digital)変換回路である。すなわち、サンプリング値SV0はデジタルデータの値である。
【0029】
MPU121は、検出信号V0のサンプリング値SV0と予め設定される閾値SL0とを比較することにより、タッチセンサー11への有効なタッチ操作を検出する(
図3参照)。以下の説明において、有効なタッチ操作が「有効操作」と称され、有効でないタッチ操作は「無効操作」と称される。
【0030】
さらに、MPU121は、有効操作が検出された座標位置のデータを表示制御装置22及び主制御装置3へ出力する。
【0031】
表示制御装置22は、タッチ描画処理を実行可能である。タッチ描画処理とは、表示パネル21における有効操作が検出された座標位置の軌跡を表す軌跡画像を表示パネル21に表示させる処理である。このような表示制御装置22を備えるタッチパネル装置10は、電子ホワイトボードと称される場合がある。
【0032】
タッチセンサー装置1において、MPU121は、後述する検出感度調整処理(
図4参照)を実行する。これにより、タッチセンサー装置1は、タッチセンサー11の検出感度を使用者の特性に応じて適切に設定し、タッチ操作の誤検出及び検出漏れを防ぐことができる。
【0033】
MPU121は、二次記憶装置123に予め記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、タッチ操作検出部121a、操作判定部121b、及び検出感度調整部121cとして動作する。
【0034】
タッチ操作検出部121a及び操作判定部121bが、タッチ操作判定処理(
図5参照)を実行する。具体的には、タッチ操作検出部121aが、タッチセンサー11に対する使用者のタッチ操作を検出する。操作判定部121bが、予め定められた検出感度に基づいて、タッチ操作検出部121aが検出した使用者のタッチ操作を有効操作又は無効操作として判定する。
【0035】
また、特性検出部125は、使用者の特性である使用者特性を検出する。検出感度調整部121cは、特性検出部125が検出した使用者特性に応じて検出感度を調整する。
【0036】
したがって、使用者の特性に合わせた最適なパラメーターがタッチパネルに自動的に設定可能となる。この結果、たとえその使用者が初めて使用する場合であっても、タッチセンサー装置1における快適なタッチ操作が実現される。
【0037】
なお、検出感度に対応する判定基準が操作判定部121bに設定される。この判定基準は、具体的には、
図3に示した閾値SL0が該当する。操作判定部121bは、タッチ操作検出部121aが検出した検出信号の強度が判定基準以上のときに、使用者のタッチ操作を有効操作として判定する。すなわち、操作判定部121bは、検出信号V0のサンプリング値SV0が閾値SL0以上のときに、使用者のタッチ操作を有効操作として判定する。したがって、使用者特性に応じて閾値SL0を変更することで検出感度を変更することができる。この結果、使用者特性に応じて快適なタッチ操作が実現される。
【0038】
なお、タッチセンサー11は、具体的には、静電容量方式センサーである。特に使用者特性の違いによる影響が出やすいからである。検出された使用者特性に合わせて最適なパラメーターが設定される結果、タッチセンサー装置1における快適なタッチ操作が実現される。静電容量方式センサーは、より具体的には、表面型静電容量方式センサーが挙げられる。ただし、タッチセンサー11は、抵抗膜方式センサーであってもよい。
【0039】
ところで、タッチセンサー11の検出信号V0は、使用者の特性に応じて異なるレベルで変化する。ここで、使用者の特性とは、例えば、性別、年齢、体温、肌の水分量又は皮脂量(肌の乾燥の度合い)であるが、これらに限らない。さらに、
図3に示すように、タッチセンサー11の検出信号V0は、使用者の操作の有無に関わらず、定常的なベースノイズによっても変動する。
【0040】
したがって、タッチセンサー装置1において、タッチセンサー11に対するタッチ操作の誤検出及び検出漏れを防ぐために、タッチセンサー11の検出感度が使用者の特性に応じて適切に設定される必要がある。
そのために、タッチ検出装置12は特性検出部125を備えている。
【0041】
検出感度調整部121cは、タッチ操作判定処理が実行される前に、有効操作の検出に用いられる閾値SL0を設定する検出感度調整処理を実行する。この検出感度調整部121cは、検出感度だけでなく、タッチセンサー操作に関する他のパラメーターも合わせて調整してもよい。
【0042】
特性検出部125が検出する使用者特性には、例えば、使用者の性別、年齢、体温、肌の水分量又は皮脂量のうち少なくとも1つが含まれる。したがって、タッチ操作の前に使用者の性別、年齢、体温、肌の水分量又は皮脂量のうち少なくとも1つが検出可能となり、その使用者に適したタッチセンサー11の検出感度や他のパラメーターなどが事前設定可能となる。この結果、タッチセンサー装置1における快適なタッチ操作が実現される。
【0043】
年齢が高くなると肌の水分量や皮脂量が不足する傾向があり、タッチセンサー11による検出が鈍くなることがある。そこで、特性検出部125によって使用者の年齢が検出された場合、検出感度調整部121cは、使用者の年齢が大きいほど検出感度が高くなるように検出感度を調整してもよい。したがって、肌の水分量や皮脂量が不足することによって検出が鈍くなることを、検出感度を高めることで補うことができる。この結果、使用者の年齢が高くても、タッチセンサー装置1における快適なタッチ操作が実現される。
【0044】
また、年齢や性別によらず、肌の水分量が不足すると、タッチセンサー11による検出が鈍くなることがある。そこで、肌の水分量が検出された場合、検出感度調整部121cは、その水分量が小さいほど検出感度が高くなるように検出感度を調整してもよい。したがって、肌の水分量が不足することによって検出が鈍くなることを、検出感度を高めることで補うことができる。この結果、肌の水分量が小さくても、タッチセンサー装置1における快適なタッチ操作が実現される。
【0045】
特性検出部125としては、例えば、撮像装置が挙げられる。具体的には、赤外線カメラを用いることで、使用者の体温や周囲の気温情報などが検出できる。可視光カメラによって撮像された使用者の顔や身体の画像を解析することで、使用者の年齢や性別などが検出できる。これらのカメラが組み合わされてもよい。また、高精度なAI(Artificial Intelligence:人工知能)カメラを用いることで、使用者のより詳細な情報が検出できるようになる。例えば、年齢及び性別に他の情報を加味することで、タッチ操作への影響が大きい使用者の肌の水分量や皮脂量などが推定可能となる。したがって、タッチ操作の前に使用者の特性が検出可能となり、その使用者に適したタッチセンサー11の検出感度や他のパラメーターなどが事前設定可能となる。この結果、タッチセンサー装置1における快適なタッチ操作が実現される。
【0046】
特性検出部125としては、他にも、赤外線センサーが挙げられる。例えば、赤外線によって人体の有無を検出する人感センサーが用いられることで、使用者のある程度の身長などから大人か子供かが判別可能となる。したがって、タッチパネル操作の設定が、大人用又は子供用で事前変更可能となる。例えば、子供であれば掌も小さいので、掌タッチ操作の閾値(例えば手の大きさに対応するパラメーター)も事前変更可能である。この結果、タッチセンサー装置1における快適なタッチ操作とともに誤動作防止が実現可能される。
【0047】
なお、特性検出部125は、使用者がタッチ操作をする際にその使用者を確実に検出できるような位置及び向きに配置されることが好ましい。例えば、タッチパネル装置10が電子ホワイトボードである場合、その上部中央付近から見下ろすように特性検出部125が配置されてもよい。タッチパネル装置10がスマートフォンやタブレットである場合、手前方向を撮影するインカメラが特性検出部125として利用されてもよい。
【0048】
(3)タッチセンサー装置1による検出感度調整処理及びタッチ操作判定処理
図4は、タッチセンサー装置1による検出感度調整処理を例示するフローチャートである。
図5は、タッチセンサー装置1によるタッチ操作判定処理を例示するフローチャートである。
【0049】
使用者がタッチセンサー装置1に対するタッチ操作を行おうとすると、その使用者の存在又は接近を特性検出部125が検出する。このように、特性検出部125が使用者を検出したとき、
図5に示されたタッチ操作判定処理に先立って、
図4に示された検出感度調整処理が開始される。
【0050】
ステップS41では、特性検出部125が、使用者の特性である使用者特性を検出して次のステップS42へ進む。
【0051】
ステップS42では、検出感度調整部121cが、検出された使用者特性に応じて検出感度を調整する。検出感度調整部121cが、検出感度以外の他のパラメーターも併せて調整してもよい。これにより、使用者の特性に合わせた最適なパラメーターがタッチセンサー装置1に設定される。
【0052】
なお、この検出感度調整処理の実行は、使用者の存在又は接近を特性検出部125が最初に検出したときだけに限らない。例えば、使用者によるタッチセンサー装置1に対するタッチ操作の継続中は、一定時間毎に検出感度調整処理が実行されてもよい。あるいは、一操作が不自然に繰り返されるなど、タッチ操作の誤認識の可能性が想定される場合に、検出感度調整処理が実行されてもよい。ただし、検出感度調整処理の実行はこのようなタイミングに限らない。
【0053】
このようにして検出感度などが使用者特性に応じて適切に調整されたタッチセンサー装置1に対してタッチ操作が行われたとき、
図5に示されたタッチ操作判定処理が開始される。
【0054】
ステップS51では、タッチ操作検出部121aが、タッチセンサー11に対する使用者のタッチ操作を検出して次のステップS52へ進む。
【0055】
ステップS52では、操作判定部121bが、予め定められた検出感度に基づいて、検出された使用者のタッチ操作を有効操作又は無効操作として判定する。
【0056】
図4に示された検出感度調整処理が事前に実行されているので、様々な使用者に、タッチセンサー装置1における快適なタッチ操作が実現されており、タッチ操作の誤検出及び検出漏れが防止可能となる。
【0057】
本発明は、その主旨又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本開示は、タッチセンサー装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 タッチセンサー装置
10 タッチパネル装置
11 タッチセンサー
111 電極
112 保護カバー
113 駆動回路
12 タッチ検出装置
121 MPU
121a タッチ操作検出部
121b 操作判定部
121c 検出感度調整部
122 RAM
123 二次記憶装置
124 サンプリング回路
125 特性検出部
2 表示装置
21 表示パネル
22 表示制御装置
3 主制御装置
9 信号伝送媒体