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特開2024-176761統合監視装置、統合監視システム、船舶、統合監視方法、及び統合監視プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176761
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】統合監視装置、統合監視システム、船舶、統合監視方法、及び統合監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20241212BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241212BHJP
   B63J 99/00 20090101ALI20241212BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20241212BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
H04N7/18 D
B63J99/00 A
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095545
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】曽原 直人
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054DA08
5C054HA19
5C087AA11
5C087AA19
5C087AA32
5C087AA44
5C087DD03
5C087DD16
5C087EE02
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】ユーザの位置を簡便に特定し、他システムと連携した統合監視装置、船舶、統合監視方法、及び統合監視プログラムを提供する。
【解決手段】構内ネットワークへの未登録端末の接続を検知する検知部41と、未登録端末が接続された箇所を通知する通知部42と、を備えたセキュリティ装置40と接続される統合監視装置50であって、統合センサによる監視画像を取得する画像取得部51と、統合センサを介して人物が保持する生体センサからの情報である生体センサ情報を取得する生体情報取得部52と、監視画像と生体センサ情報とに基づき、生体センサを保持する人物および/または保持しない人物の位置を特定する位置特定部53と、未登録端末が接続された箇所に関する情報と、位置に関する情報とを用いて、重点確認箇所を特定する特定部54と、重点確認箇所を出力する出力部55と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録端末のみで構成された構内ネットワークに未登録端末が接続されたことを検知する検知部と、前記未登録端末が接続された箇所を通知する通知部と、を備えたセキュリティ装置と接続される統合監視装置であって、
複数の統合センサによる監視画像を取得する画像取得部と、
前記統合センサを介して、人物が保持する生体センサからの情報である生体センサ情報を取得する生体情報取得部と、
前記監視画像と前記生体センサ情報とに基づき、前記生体センサを保持する人物および/または前記生体センサを保持しない人物の位置を特定する位置特定部と、
前記未登録端末が接続された箇所に関する情報と、前記位置特定部が特定した前記位置に関する情報とを用いて、重点確認箇所を特定する特定部と、
前記重点確認箇所を出力する出力部と、
を備える統合監視装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記生体センサを保持しない人物の位置に関する情報と、前記未登録端末が接続された箇所に関する情報とから最重点確認箇所を特定し、前記生体センサを保持する人物の位置に関する情報と、前記未登録端末が接続された箇所に関する情報とから前記重点確認箇所を特定する、請求項1に記載の統合監視装置。
【請求項3】
前記生体情報取得部は、前記生体センサから該生体センサを保持する人物の脈拍情報を前記生体センサ情報として取得する、請求項1に記載の統合監視装置。
【請求項4】
前記構内ネットワークは、船舶に設けられたネットワークである請求項1に記載の統合監視装置。
【請求項5】
構内ネットワークと、
前記構内ネットワークのセキュリティ監視を行うセキュリティ装置と、
請求項1に記載の統合監視装置と、を備える統合監視システム。
【請求項6】
請求項5に記載の統合監視システムが設置された船舶。
【請求項7】
登録端末のみで構成された構内ネットワークに未登録端末が接続されたことを検知する検知部と、前記未登録端末が接続された箇所を通知する通知部と、を備えたセキュリティ装置と接続され、コンピュータに実行させる統合監視方法であって、
複数の統合センサによる監視画像を取得する画像取得工程と、
前記統合センサを介して、人物が保持する生体センサからの情報である生体センサ情報を取得する生体情報取得工程と、
前記監視画像と、前記生体センサ情報とに基づき、前記生体センサを保持する人物および/または前記生体センサを保持しない人物の位置を特定する位置特定工程と、
前記未登録端末が接続された箇所に関する情報と、前記位置特定工程により特定された前記位置に関する情報と、から、重点確認箇所を特定する特定工程と、
前記重点確認箇所を出力する出力工程と、を備える、コンピュータが実行する統合監視方法。
【請求項8】
請求項7に記載の統合監視方法をコンピュータに実行させるための統合監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、統合監視装置、統合監視システム、船舶、統合監視方法、及び統合監視プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動体(船舶、電車、航空機など)の内部において、人の位置を検知する方法が検討されている。例えば特許文献1には、移動体で測定されたセンサデータを用いて、端末装置のセンサデータを補正し、移動体の移動による影響を排除した移動体内部でのユーザの位置の推定を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-67469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明では、ユーザの端末装置の複数のセンサが出力するセンサデータを用いており、各センサデータに対し補正が必要であるという問題があった。さらに、他のシステム(例えばセキュリティ装置など)との連携を行うことについての検討もなされていない。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡便な方法でユーザの位置を特定し、他システムとの連携を意図した統合監視装置、統合監視システム、船舶、統合監視方法、及び統合監視プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の統合監視装置、統合監視システム、船舶、統合監視方法、及び統合監視プログラムは以下の手段を採用する。
本開示の統合監視装置は、登録端末のみで構成された構内ネットワークに未登録端末が接続されたことを検知する検知部と、前記未登録端末が接続された箇所を通知する通知部と、を備えたセキュリティ装置と接続される統合監視装置であって、複数の統合センサによる監視画像を取得する画像取得部と、前記統合センサを介して、人物が保持する生体センサからの情報である生体センサ情報を取得する生体情報取得部と、前記監視画像と前記生体センサ情報とに基づき、前記生体センサを保持する人物および/または前記生体センサを保持しない人物の位置を特定する位置特定部と、前記未登録端末が接続された箇所に関する情報と、前記位置特定部が特定した前記位置に関する情報とを用いて、重点確認箇所を特定する特定部と、前記重点確認箇所を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本開示の統合監視システムは、構内ネットワークと、前記構内ネットワークのセキュリティ監視を行うセキュリティ装置と、上述の統合監視装置と、を備える。
【0008】
本開示の船舶は、上述の統合監視システムが設置される。
【0009】
本開示の統合監視方法は、登録端末のみで構成された構内ネットワークに未登録端末が接続されたことを検知する検知部と、前記未登録端末が接続された箇所を通知する通知部と、を備えたセキュリティ装置と接続され、コンピュータに実行させる統合監視方法であって、複数の統合センサによる監視画像を取得する画像取得工程と、前記統合センサを介して、人物が保持する生体センサからの情報である生体センサ情報を取得する生体情報取得工程と、前記監視画像と、前記生体センサ情報とに基づき、前記生体センサを保持する人物および/または前記生体センサを保持しない人物の位置を特定する位置特定工程と、前記未登録端末が接続された箇所に関する情報と、前記位置特定工程により特定された前記位置に関する情報と、から、重点確認箇所を特定する特定工程と、前記重点確認箇所を出力する出力工程と、を備え、コンピュータが実行する。
【0010】
本開示の統合監視プログラムは、上述の統合監視方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、未登録端末が接続された箇所を容易に、また迅速に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】セキュリティ装置の概要図である。
図2】統合センサを用いたシステムの概要図である。
図3】本開示の幾つかの実施形態における統合監視装置のハードウェア構成図である。
図4】本開示の幾つかの実施形態における統合監視システムの制御ブロック図である。
図5】本開示の幾つかの実施形態における統合監視システムの概要図である。
図6】本開示の幾つかの実施形態における統合監視システムの制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示に係る統合監視装置、統合監視システム、船舶、統合監視方法、及び統合監視プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、セキュリティ装置の概要図である。
図1に示されるように、従来より、構内ネットワーク20のネットワークセキュリティを監視するために、セキュリティ装置40が設けられている。
構内ネットワーク20は、ネットワーク回線で互いに接続されたスイッチ(本実施形態の場合、L2スイッチ)61と、スイッチ61に接続されたハブ63と、を備える。本実施形態では、複数のスイッチ61は互いに環状に接続されているが、ネットワークの構成が可能であればその接続形態は問わない。また構内ネットワーク20のセキュリティ監視を行うため、構内ネットワーク20にはセキュリティ装置40が接続されている。
以下の説明において、各スイッチ61及びハブ63を区別する場合は、末尾にa、bまたはcのいずれかを付し、各スイッチ61及びハブ63を区別しない場合は、a、bまたはcを省略する。
【0014】
スイッチ61には、複数のポートがあり、ネットワークケーブルを介して1または複数のハブ63が接続される。ハブ63には、複数のポートがあり、ネットワークケーブルを介して1または複数の端末67やその他機器が接続される。ハブ63の接続先は、1または複数の区画70とされる。区画70は、例えば部屋である。
以下の説明において、各端末67及び区画70を区別する場合は、末尾にa、b、c、d、eまたはfのいずれかを付し、各端末67及び区画70を区別しない場合は、a、b、c、d、eまたはfを省略する。
【0015】
図1に示されるように、スイッチ61aには、ハブ63a及び63bが接続される。スイッチ61bには、ハブ63cが接続される。
【0016】
ハブ63aの接続先は区画70aとされ、端末67aが接続される。ハブ63bの接続先は区画70b、70c及び70dとされ、区画70bでは端末67bが、区画70cでは端末67cが、区画70dでは端末67dが、それぞれ接続される。ハブ63cの接続先は区画70e及び70fとされ、区画70eでは端末67eが、区画70fでは端末67fが、それぞれ接続される。
【0017】
セキュリティ装置40は、構内ネットワーク20に接続される端末67やその他機器を事前に登録しておく。登録された端末67は登録端末であるとされる。登録端末であるか否かの判定・監視は、例えばMACアドレスを用いて判定する等が考えられるが、その方法は問わない。
【0018】
例えば構内ネットワーク20において、区画70bに対応するハブ63bのポートにセキュリティ装置40に登録されていない端末67b、すなわち未登録端末67bが接続されたとする。この場合、セキュリティ装置40は、スイッチ61aのハブ63bに対応するポートに登録されていない機器が接続されたことを検知する。
【0019】
セキュリティ装置40には、上述したような構内ネットワーク20のセキュリティを監視する機能を有しているが、スイッチ61のポート単位までしかセキュリティ異常を検知することができない。該当のスイッチ61aの1のポートに登録されていない機器(未登録端末)が接続されたことが判明しても、該当のポートにハブ63bが接続されている場合、ハブ63bのポートまでは突き止めることができていなかった。そのため、該当のハブ63bの接続先である各区画70b、70c及び70dのいずれかに登録されていない機器が接続されていることがわかるに過ぎず、複数の区画70のうちいずれの場所で未登録端末67bが接続されているのか特定することができない。
【0020】
一方で、図1の構内ネットワーク20が例えば船舶に搭載されたネットワークである場合、船舶の乗員が生体センサおよび統合センサ80により位置情報が把握されている場合がある。
図2は、統合センサを用いたシステムの概要図を示す。
図2に示されるように、各区画70には、それぞれ統合センサ80が設けられている。区画70bには、人物100Aが存在し、区画70cには、乗員100Bが存在する。統合センサ80は、区画70以外の通路などに設けられていてもよい。統合センサ80は、全ての区画70に1つ以上設けられる。統合センサ80は、様々なセンサにより構成されており、1のセンサは画像センサまたはカメラであって、統合センサ80が備えられた付近の画像の取得を行う。また別のセンサは乗員100Bが保持する生体センサから生体センサ情報を取得する。
以下の説明において、各統合センサ80を区別する場合は、末尾にa、b、c、d、eまたはfのいずれかを付し、各統合センサ80を区別しない場合は、a、b、c、d、eまたはfを省略する。
【0021】
生体センサは、船舶の各乗員に付与され、各乗員が保持するセンサである。生体センサは、保持する人物の生体情報、例えば乗員の脈拍状態を取得し、これを生体センサ情報とする。生体センサは、生体センサ情報を統合センサ80に送信する。生体センサは、腕時計型(スマートウォッチ型)などの身に付ける形態であってもよいし、乗員の体内に埋め込まれる形態であってもよく、その形態については問わない。生体センサ情報は、保持する乗員に関する情報(ID、名前など)や生体センサに関する情報(シリアルナンバーなど)等を生体情報に付与した情報として統合センサ80に送信されることで、該当の生体センサを保持する乗員を特定することができる。
【0022】
統合センサ80は、取得した画像(監視画像)と、生体センサから取得した生体センサ情報とに基づき、乗員の位置情報を把握する。区画70cの統合センサ80が取得した画像に画像認識を加えることにより、区画70cにいずれかの人物が存在することがわかる。また区画70cの統合センサ80が取得した生体センサ情報から、区画70cに乗員100Bが存在することがわかり、人物を特定すること、及び人物の位置を特定することができる。統合センサ80が取得した画像に画像認識を加えることにより、人物が複数人存在する場合も人数を特定することができる。
【0023】
一方、区画70bに生体センサを保持しない人物がいる場合、統合センサ80は、取得した画像に画像認識を加えることにより、区画70bにいずれかの人物が存在することがわかる。また区画70bの統合センサ80は生体センサ情報を取得しないことから、区画70bに生体センサを保持しない人物100Aが存在することがわかる。また、生体センサを保持しない人物100Aの位置を特定することができる。
【0024】
以上より、セキュリティ装置40によるセキュリティ異常の検知(未登録端末の接続)に、統合監視装置50による統合センサ80及び生体センサを用いたシステムによる人物及び位置の特定情報を組み合わせて、未登録端末の接続箇所の特定を行う統合監視システム1について検討する。
【0025】
図3は、本開示の幾つかの実施形態における統合監視システムのハードウェア構成の一例を示した図である。
図3に示すように、統合監視装置(Controller)50は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)1100、二次記憶装置(ROM、Secondary storage:メモリ)1200、主記憶装置(RAM、Main Memory)1300、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)1400と、ネットワーク等に接続するための通信部1500とを備えている。なお、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バス1800を介して接続されている。
【0026】
CPU1100は、例えば、バス1800を介して接続された二次記憶装置1200に格納されたOS(Operating System)により統合監視装置50全体の制御を行うとともに、二次記憶装置1200に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU1100は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
【0027】
主記憶装置1300は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU1100の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0028】
二次記憶装置1200は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置1200は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置1200の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置1200は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置1200には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置1200は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置1200に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
【0029】
また、統合監視装置50は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示部などを備えていてもよい。また、表示部を含み、ランプ、音、特にアラーム音を出力するスピーカーなどの通知部を備えていてもよい。
【0030】
図4は、本開示の幾つかの実施形態における統合監視システムの機能の一例を示した図である。
図4に示すように、統合監視システム1は、統合監視装置50およびセキュリティ装置40を備えている。統合監視装置50は、画像取得部51と、生体情報取得部52と、位置特定部53と、特定部54と、出力部55と、を備えている。セキュリティ装置40は、検知部41と、通知部42と、を備えている。
【0031】
統合監視装置50が備える機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置1200(図2参照)などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)1100(図2参照)が主記憶装置1300(図2参照)に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置1200に予めインストールされている形態や、他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0032】
図4に示される画像取得部51は、各区画70に設けられた複数の統合センサ80から画像(監視画像)を取得する。
【0033】
生体情報取得部52は、乗員が保持する生体センサが送信する生体センサ情報を、統合センサ80を介して取得する。
【0034】
位置特定部53は、画像取得部51が取得した監視画像と、生体情報取得部52が取得した生体センサ情報とに基づき、生体センサを保持する人物および/または生体センサを保持しない人物の位置を特定する。
【0035】
特定部54は、セキュリティ装置40から取得する未登録端末が接続された箇所に関する情報と、位置特定部53が特定した生体センサを保持する人物および/または生体センサを保持しない人物の位置に関する情報とを用いて、未登録端末の接続場所の絞り込みを行い、これを重点確認箇所とする。
【0036】
ここで統合監視装置50は、セキュリティ装置40からセキュリティ異常を検知した結果、すなわち未登録端末が接続された箇所に関する情報を取得する。図4に示すように、セキュリティ装置40は、検知部41と、通知部42と、を備える。
【0037】
検知部41は、登録端末のみで構成された構内ネットワーク20に未登録端末が接続されたことを検知する。
【0038】
通知部42は、未登録端末が接続された箇所を統合監視装置50に通知する。
【0039】
統合監視装置50の出力部55は、特定部54が特定した重点確認箇所を出力する。ユーザは、出力された重点確認箇所を確認することで、未登録端末の接続に関する原因究明や、不正端末や不審人物への対処を行うことができる。
【0040】
図5は、本開示の幾つかの実施形態における統合監視システムの概要図である。
図5において、セキュリティ装置40の検知部41がスイッチ61aのハブ63bに接続されるポートにおいて未登録端末の接続があったことを検知したものとする。
【0041】
セキュリティ装置40が未登録端末の接続があったことを検知すると、セキュリティ警報が発生する。検知部41は、未登録端末の接続が、スイッチ61aのハブ63bに接続されるポートにおいて行われていることを検知する。セキュリティ装置40は、事前にデータベースに登録されているスイッチ61aの接続ポートと区画70の割付との情報から、ハブ63bの接続先である区画70b、70c及び70dのいずれかにおいて未登録端末の接続があることを推測し、接続区画の候補として算出する。
【0042】
これに対し、統合監視装置50は、区画70b、70c及び70dの統合センサ80を介して、区画70b、70c及び70dの監視画像及び生体センサ情報を取得する。統合監視装置50の位置特定部53は、監視画像及び生体センサ情報に基づき、生体センサを保持する人物100Bおよび生体センサを保持しない人物100Aの位置を特定する。生体センサを保持する人物100Bは乗員であり、乗員100Bは区画70cに存在することが特定される。生体センサを保持しない人物100Aは不審人物であるとされ、不審人物100Aは区画70bに存在することが特定される。不審人物としては、意図的に構内ネットワーク20に接続を試みる人物以外に、点検・修理などで接続を行う外部委託者や、接岸時に乗船した生体センサを保持しない関係者なども挙げられる。また、未登録端末の接続としては、乗員により、登録端末以外の個人所有端末などを接続した接続ミスも考えられる。監視画像により人物の位置が特定されるのに加えて、生体センサ情報による乗員の位置が特定されることで、状態の切り分けを行うことができる。
【0043】
統合監視装置50の特定部54は、セキュリティ装置40の通知部42から取得した未登録端末が接続された箇所、すなわち接続区画の候補のうち、位置特定部53が特定した乗員100Bの位置である区画70c及び不審人物100Aの位置である区画70bを重点確認箇所として特定する。
【0044】
ここで特定部54は、重点確認箇所のうち、不審人物100Aの位置である区画70bを最も確認が必要な箇所である最重点確認箇所として特定するとしてもよい。重点確認箇所に優先順位をつけることにより、未登録端末が接続された箇所として特に可能性の高い場所を特定することができる。
【0045】
出力部55は、重点確認箇所を出力する。重点確認箇所が提案されると、ユーザは重点確認箇所の監視画像により、端末67の接続状況や使用有無を確認するとともに、重点確認箇所として挙げられた区画70の状況確認へ向かう。
【0046】
図6は、本開示の幾つかの実施形態における統合監視システムの制御フロー図を示す。
ステップS101において、セキュリティ装置40により未登録端末が検知され、セキュリティ警報が発生される。
【0047】
ステップS102において、警報情報として、構内ネットワーク20のスイッチ61のうちいずれのスイッチ61において未登録端末の接続が検知されたか、さらにスイッチ61のいずれのポートにおいて未登録端末の接続が検知されたか、が特定され、未登録端末の接続ポートが取得される。
【0048】
セキュリティ装置40は、データベース(S103)に登録されているスイッチ61の接続ポートと区画70の割付との情報から、スイッチ61の接続ポートの接続先の区画70(接続区画)の候補を算出する(S104)。
【0049】
統合監視装置50は、統合センサ80の監視画像に基づく人物の検知位置(S105)と、生体センサの生体センサ情報に基づく乗員の位置(S106)と、ステップS104で算出した接続区画の候補と、を取得し、接続区画の候補のうち、(1)不審人物位置を最重点確認箇所、(2)乗員位置を重点確認箇所としてリコメンドし、出力する(S107)。
【0050】
〈付記〉
以上説明した実施形態に記載の統合監視装置、統合監視システム、船舶、統合監視方法、及び統合監視プログラムは、例えば以下のように把握される。
【0051】
本開示の第1態様の統合監視装置(50)は、登録端末のみで構成された構内ネットワーク(20)に未登録端末が接続されたことを検知する検知部(41)と、前記未登録端末が接続された箇所を通知する通知部(42)と、を備えたセキュリティ装置(40)と接続される統合監視装置であって、複数の統合センサ(80)による監視画像を取得する画像取得部(51)と、前記統合センサを介して、人物が保持する生体センサからの情報である生体センサ情報を取得する生体情報取得部(52)と、前記監視画像と前記生体センサ情報とに基づき、前記生体センサを保持する人物および/または前記生体センサを保持しない人物の位置を特定する位置特定部(53)と、前記未登録端末が接続された箇所に関する情報と、前記位置特定部が特定した前記位置に関する情報とを用いて、重点確認箇所を特定する特定部(54)と、前記重点確認箇所を出力する出力部(55)と、を備える。
【0052】
構内ネットワークに未登録端末が接続された場合に、統合監視装置による人物の位置の特定情報を組み合わせることで、未登録端末が接続された箇所を容易に、また迅速に特定することができる。接続場所を迅速に特定することで、不正端末および不審人物への対処を早急に行うことができ、ネットワークへの被害を未然に防ぐ、または、被害を最小限に抑えることができる。
セキュリティ装置のみでは未登録端末の接続場所の絞り込みが困難であるところ、本開示の統合監視装置によれば、未登録端末の接続の監視を省力化することができる。
【0053】
本開示の第2態様の統合監視装置は、前記第1態様において、前記特定部は、前記生体センサを保持しない人物の位置に関する情報と、前記未登録端末が接続された箇所に関する情報とから最重点確認箇所を特定し、前記生体センサを保持する人物の位置に関する情報と、前記未登録端末が接続された箇所に関する情報とから前記重点確認箇所を特定するとしてもよい。
【0054】
生体センサを保持しない人物の位置を不審者のいる位置として検知し、未登録端末が接続された箇所と組み合わせて、最重点確認箇所として特定し出力することにより、ユーザは未登録端末が接続された箇所として特に可能性の高い場所を特定することができる。生体センサを保持する人物の位置と未登録端末が接続された箇所と組み合わせて、重点確認箇所として特定し出力するため、乗員による接続ミスなどの軽微な事案についても特定することができ、未登録端末の構内ネットワークからの切り離しを速やかに行うことができる。
【0055】
本開示の第3態様の統合監視装置は、前記第1態様または前記第2態様において、前記生体情報取得部は、前記生体センサから該生体センサを保持する人物の脈拍情報を前記生体センサ情報として取得するとしてもよい。
【0056】
生体センサが脈拍情報を生体センサ情報として取得することから、強固な監視を行うことができる。
【0057】
本開示の第4態様の統合監視装置は、前記第1態様から前記第3態様のいずれかにおいて、前記構内ネットワークは、船舶に設けられたネットワークであるとしてもよい。
【0058】
本開示の第5態様の統合監視システムは、構内ネットワークと、構内ネットワークのセキュリティ監視を行うセキュリティ装置と、前記第1態様から前記第4態様のいずれかの統合監視装置と、を備える。
【0059】
本開示の第6態様の船舶は、前記第5態様の統合監視システムが設置される。
【0060】
本開示の第7態様の統合監視方法は、登録端末のみで構成された構内ネットワークに未登録端末が接続されたことを検知する検知部と、前記未登録端末が接続された箇所を通知する通知部と、を備えたセキュリティ装置と接続され、コンピュータに実行させる統合監視方法であって、複数の統合センサによる監視画像を取得する画像取得工程と、前記統合センサを介して、人物が保持する生体センサからの情報である生体センサ情報を取得する生体情報取得工程と、前記監視画像と、前記生体センサ情報とに基づき、前記生体センサを保持する人物および/または前記生体センサを保持しない人物の位置を特定する位置特定工程と、前記未登録端末が接続された箇所に関する情報と、前記位置特定工程により特定された前記位置に関する情報と、から、重点確認箇所を特定する特定工程と、前記重点確認箇所を出力する出力工程と、を備え、コンピュータが実行する。
【0061】
本開示の第8態様の統合監視プログラムは、前記第7態様の統合監視方法をコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0062】
20 :構内ネットワーク
40 :セキュリティ装置
41 :検知部
42 :通知部
50 :統合監視装置
51 :画像取得部
52 :生体情報取得部
53 :位置特定部
54 :特定部
55 :出力部
61、61a、61b、61c :スイッチ
63、63a、63b、63c :ハブ
67、67a、67b、67c、67d、67e、67f :端末
70、70a、70b、70c、70d、70e、70f :区画
80、80a、80b、80c、80d、80e、80f :統合センサ
100A、100B :人物
1100 :CPU
1200 :二次記憶装置
1300 :主記憶装置
1500 :通信部
1800 :バス
図1
図2
図3
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図5
図6