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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176773
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】止水板用スタンド装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095564
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】長峰 大輔
(72)【発明者】
【氏名】三浦 美依
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】止水板を好適に支持し、収納保管することができるとともに、保管時の省スペース性に優れる止水板用スタンド装置を提供する。
【解決手段】 横長に形成された止水板10を、前記横長の長手側が上下を向くように起立させた状態で支持する止水板用スタンド装置40において、フレーム部材41と、前記フレーム部材41に複数設けられるとともに、前記止水板10の前記長手側と直交する短手側の端面を下方から支持可能な複数の支持体42,43と、を備え、前記複数の前記支持体42,43は、前記止水板10の前記短手側の端面から突出するように設けられた機能部品と干渉しない位置に設けられるとともに、前記支持体42,43の下面から上面までの距離は、前記止水板10の前記短手側の端面から前記機能部品の先端までの距離よりも長く設定されている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長に形成された止水板を、前記横長の長手側が上下を向くように起立させた状態で支持する止水板用スタンド装置において、
フレーム部材と、
前記フレーム部材に複数設けられるとともに、前記止水板の前記長手側と直交する短手側の端面を下方から支持可能な複数の支持体と、
を備え、
前記複数の前記支持体は、前記止水板の前記短手側の端面から突出するように設けられた機能部品と干渉しない位置に設けられるとともに、
前記支持体の下面から上面までの距離は、前記止水板の前記短手側の端面から前記機能部品の先端までの距離よりも長く設定されている
ことを特徴とする止水板用スタンド装置。
【請求項2】
前記複数の前記支持体は、前記フレーム部材の一端側に不動に固定して設けられる固定支持体と、前記フレーム部材に移動可能に設けられる移動支持体と、を有し、
前記移動支持体は、前記フレーム部材に移動可能に支持されることで、前記固定支持体と前記移動支持体との間隔を調整可能に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の止水板用スタンド装置。
【請求項3】
前記フレーム部材には、前記フレーム部材の他端側から一端側に向けて略水平方向に延びる長孔が形成され、
前記長孔に前記移動支持体の端部に設けられた軸部が移動可能に支持される
ことを特徴とする請求項2に記載の止水板用スタンド装置。
【請求項4】
前記長孔の上縁には、上方に凹状に切り欠かれた位置決め凹部が所定の間隔をあけて複数形成され、前記位置決め凹部に、前記移動支持体の端部に設けられた前記軸部が選択的に受け入れられることで前記移動支持体を位置決め可能に構成する
ことを特徴とする請求項3に記載の止水板用スタンド装置。
【請求項5】
前記軸部は、前記移動支持体の端部に形成されたネジ孔に螺合するように設けられており、
前記移動支持体は、前記軸部が前記位置決め凹部に受け入れられた状態で、前記軸部を前記ネジ孔に螺合して締め付けることで、前記フレーム部材の前記位置決め凹部に位置決め固定されるとともに、この位置決め固定された状態で、前記フレーム部材の下面と、前記固定支持体の下面と、前記移動支持体の下面とは、略面一状態となる
ことを特徴とする請求項4に記載の止水板用スタンド装置。
【請求項6】
前記フレーム部材は磁性体からなり、
前記移動支持体の一端には、磁石から構成される磁気固定具が取り付け固定され、
前記移動支持体は、前記磁気固定具により前記フレーム部材に対して任意の位置に磁気吸着されて取り付けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の止水板用スタンド装置。
【請求項7】
前記複数の前記支持体は、前記フレーム部材に不動に固定して設けられる、第1の固定支持体及び第2の固定支持体を有し、
前記第1の固定支持体は、前記フレーム部材に対して略直交方向に延びる直線状に形成され、
前記第2の固定支持体は、前記フレーム部材に対して略直交方向に延びる第1支持部と、前記フレーム部材に対して略平行に延びる連結部と、前記フレーム部材に対して略直交方向に延びる第2支持部と、を有し、前記第1支持部と前記第2支持部のそれぞれの端部に前記連結部が連接されることで、平面視クランク状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の止水板用スタンド装置。
【請求項8】
前記止水板用スタンド装置は、複数の前記止水板用スタンド装置が連結可能となるように連結部材を有する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の止水板用スタンド装置。
【請求項9】
前記複数の前記支持体の上面には、支持された前記止水板の滑りを防止する緩衝部材が設けられるとともに、前記支持体の下面には、下面接地時の滑りを防止する滑り止め部材が設けられることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の止水板用スタンド装置。
【請求項10】
前記フレーム部材は、前記支持体の上面よりも上方に突出している突出部分を有し、この突出部分は、支持された前記止水板の移動を規制する移動規制部として機能することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の止水板用スタンド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、止水板を立て掛けた状態で収納保管するための止水板用スタンド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
台風や集中豪雨などによる増水が、建物や地下道等の開口部に侵入すると、浸水による甚大な被害を及ぼすおそれがある。そこで、このような事態が想定される場合に、前記開口部を構成する左右の縦枠間に横長に形成された止水板を嵌め込み、この止水板により水の浸入を阻むようにした従来技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-014865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、止水板は、台風や集中豪雨などによる増水時に使用されるものであるため、通常時には倉庫等の保管場所に収納保管されている。しかし、倉庫等の保管場所には他の保管物も収納されていることから、止水板を収納するための収納スペースには制約がある。
また、止水板には、横長の長手側の端部から突出するように設けられる機能部品や、長手側と直交する短手側の端部から突出するように設けられる機能部品を備えるものも存在し、このような止水板の機能部品を損傷することなく好適に収納保管する必要性がある。
さらに、止水板は、設置される建物等の開口部に応じて各種サイズの止水板が存在するため、このような各種サイズの止水板を好適に収納保管する必要性もある。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、止水板を好適に支持し、且つ、省スペースで収納保管することができる止水板用スタンド装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
横長に形成された止水板を、前記横長の長手側が上下を向くように起立させた状態で支持する止水板用スタンド装置において、フレーム部材と、前記フレーム部材に複数設けられるとともに、前記止水板の前記長手側と直交する短手側の端面を下方から支持可能な複数の支持体と、を備え、前記複数の前記支持体は、前記止水板の前記短手側の端面から突出するように設けられた機能部品と干渉しない位置に設けられるとともに、前記支持体の下面から上面までの距離は、前記止水板の前記短手側の端面から前記機能部品の先端までの距離よりも長く設定されていることを特徴とする止水板用スタンド装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上のように構成されているので、止水板を好適に支持し、且つ、省スペースで収納保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】止水板の構成を示す概略斜視図である。
図2】本発明に係る止水板用スタンド装置により、止水板を立て掛けた状態で支持している例を示す概略正面図である。
図3】同止水板用スタンド装置の概略斜視図である。
図4図4(a)は、同止水板用スタンド装置の概略平面図であり、図4(b)は、同止水板用スタンド装置の概略側面図である。
図5図5(a)は、同止板用スタンド装置における移動支持体を移動させている状態を示す概略側面図である。図5(b)は、同止水板用スタンド装置に大型サイズの止水板を支持させた状態を示す要部概略正面図であり、図5(c)は、同止水板用スタンド装置に中型サイズの止水板を支持させた状態を示す要部概略正面図であり、図5(d)は、同止水板用スタンド装置に小型サイズの止水板を支持させた状態を示す要部概略正面図である。
図6】同止水板用スタンド装置により止水板を立て掛けた状態で支持している例を示す概略側面図(部分拡大図を含む)である。
図7】本発明に係る他の止水板用スタンド装置を複数用いる場合の各止水板用スタンド装置40の配置の例を示す概略平面図である。
図8図7に示す複数の止水板用スタンド装置に、複数の止水板を立て掛けて支持している状態の一例を示す概略側面図である。
図9】本発明に係る止水板用スタンド装置の他の例を示す概略平面図である。
図10】本発明に係る止水板用スタンド装置の他の例を示す概略平面図である。
図11】本発明に係る止水板用スタンド装置の他の例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る実施形態について、以下、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
まず、止水板10の構成について説明する。なお、以下の説明において、止水板10の横長の幅方向を長手方向(長手側)とし、この長手方向(長手側)と直交する止水板10の高さ方向を短手方向(短手側)として説明する。
【0010】
図1は、止水板の構成を示す概略斜視図である。止水板10は、図1に示すように、例えば、建物や地下道等の開口部をなす支柱、枠体、壁材等の左右の被取付部材20間に設置され、左右の被取付部材20間の開口部を通過しようとする雨水等が浸入することを阻むものである。この止水板10は、左右の被取付部材20間に設置可能な幅方向に横長の板状の構造体として構成されている。
【0011】
この止水板10は、設置時の外側面10aで受け止めた雨水の水圧に耐えうる強度を有し、かつ、利用者が単独で持ち運びできる程度の重量であることが好ましく、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金、ステンレスなど、軽量で強度の高い材料で構成されている。
なお、止水板10は、外形を規定するフレームを金属で形成し、フレームの内部を遮水性の材料で塞ぐような形態でもよい。遮水性の材料として、例えば、発泡材やシートを用いることができる。この場合、止水板10の軽量化に寄与できる。
【0012】
また、止水板10には、利用者が運搬作業や設置作業を容易にできるように、例えば、外側面10aに把持用の屋外側に突出する取手15が左右方向に所定の間隔をあけて複数設けられている。
【0013】
各取手15は、止水板10を上流側から被取付部材20に装着する際に握られるように構成されており、上下方向へ延設された棒状の握り部15aと、この握り部15aの上下両端からそれぞれ水平方向に延びる上部水平部15bと、下部水平部15cとからなり、側面視略コ字状に一体的に形成されている。
上部水平部15bの端部と、下部水平部15cの端部は、例えば、ネジ等の固定具により止水板10の外側面10aに取り付け固定される。
【0014】
なお、取手15は、止水板10の内側面10bに設けてもよい。また、取手15は、突出する構成に代えて、止水板10の外側面10aから内側面10b側に凹む凹み部として、あるいは、止水板10の内側面10bから外側面10a側に凹む凹み部として構成してもよい。
【0015】
また、止水板10の内側面10bの両端部には、左右の被取付部材20と水密に接触する上下方向に延びる一対の帯状の第1止水部材11(図6参照)が設けられるとともに、止水板10の下端面10eには、不動面G、あるいは、下方側に隣接して配置される止水板10の上端面と水密に接触する長手方向に延びる帯状の第2止水部材12(図2参照)が取り付けられている。
【0016】
また、止水板10の左右の短手側の端面10c,10cには、それぞれ、複数の転動部材としてのローラ13が回転可能に設けられている。これらのローラ13は、被取付部材20に形成された支持部20aに支持される。
【0017】
また、止水板10の外側面10aの両端部には、左右の被取付部材20に形成された被係合部材(不図示)と係合可能に構成された係止部材14が設けられている。この係止部材14は、例えば、スライド可能な移動部材としての係止軸(不図示)を有し、この係止軸を被取付部材20の被係合部材に係合させることで、止水板10を、被取付部材20に対し離脱する方向(下流側から上流側)へ移動しないように係止(位置決め)することができる。
【0018】
このように構成された止水板10には、設置される建物等の開口部に応じて各種サイズの止水板10が存在する。例えば、大型サイズの止水板101(図5(b)参照)と、中型サイズの止水板102(図5(c)参照)と、小型サイズの止水板103(図5(d)参照)等に例示される各種サイズの止水板10が存在する。
大型サイズの止水板101、中型サイズの止水板102及び小型サイズの止水板103のそれぞれの短手側の長さは、大型サイズの止水板101、中型サイズの止水板102、小型サイズの止水板103の順に長く(大きく)構成されている。なお、止水板10のサイズは、この例に限定されるものではない。
【0019】
この止水板10は、台風や集中豪雨などによる増水時に建物や地下道等の開口部をなす左右の被取付部材20間に配置され、開口部の内側に雨水等が浸入することを防止する。また、止水板10は、台風や集中豪雨などによる増水時に使用されるものであるため、通常時には建物や倉庫等の保管場所に止水板用スタンド装置40に支持されて保管される。以下、この止水板10を支持する止水板用スタンド装置40について説明する。
【0020】
(止水板用スタンド装置)
図2は、本発明に係る止水板用スタンド装置により、止水板を立て掛けた状態で支持している例を示す概略正面図である。図3は、同止水板用スタンド装置の概略斜視図である。図4(a)は、同止水板用スタンド装置の概略平面図であり、図4(b)は、同止水板用スタンド装置の概略側面図である。
【0021】
止水板用スタンド装置40は、図3及び図4に示すように、一対の横フレーム部材41と、一対の横フレーム部材41の一端側に掛け渡された状態で固定して設けられる固定支持体42と、一対の横フレーム部材41間に掛け渡された状態で移動可能に設けられる移動支持体43と、一対の横フレーム部材41の他端側に掛け渡された状態で固定して設けられる縦フレーム部材45と、を有する。
横長に形成された止水板10は、横長の長手側が上下を向くように起立させた状態で、長手側と直交する短手側の端面10cが固定支持体42と移動支持体43に支持され、立て掛けて収納保管される(図6参照)。
以下、止水板用スタンド装置40の具体的な構造の例について説明する。
【0022】
<横フレーム部材>
フレーム部材としての一対の横フレーム部材41は、例えば、金属製の板材からなり、横長の矩形平板状に形成されている。各横フレーム部材41は、所定の間隔をあけて対向するように配置されており、各横フレーム部材41の一端側には、固定支持部42が掛け渡された状態で、ネジ、ビス等の固定具や溶接、接着により不動に固定される。
また、各横フレーム部材41には、図3及び図4に示すように、他端側から一端側に向けて略水平方向に延びる横長の長孔41aが形成されている。この長孔41aには、移動支持体43の両端部43cに設けられた軸部44が水平方向に移動可能(スライド移動)に支持される。
【0023】
長孔41aの上縁には、上方に凹状に切り欠かれた位置決め凹部41a1,a2,a3が所定の間隔をあけて複数(図示例では3つ)形成されている。これら位置決め凹部41a1,a2,a3は、移動支持体43の両端部43cに設けられた軸部44を受け入れて移動支持体43を位置決めすることができる。
【0024】
本実施態様において、位置決め凹部41a1,a2,a3は、例えば、第1位置決め凹部41a1と、第2位置決め凹部41a2と、第3位置決め凹部41a3として形成されている。
第1位置決め凹部41a1は、移動支持体43を、固定支持体42に対して水平方向に最大限離間した最大離間位置Aに位置決めすることができる(図5(b)参照)。第3位置決め凹部41a3は、移動支持体43を、固定支持体42に対して水平方向に最小限離間した最小離間位置Cに位置決めすることができる(図5(d)参照)。第2位置決め凹部41a2は、移動支持体43を、最大離間位置Aと最小離間位置Cとの間に位置する中間離間位置Bに位置決めすることができる(図5(c)参照)。
【0025】
なお、各横フレーム部材41は、金属製の素材に限定されず、各種素材(木材、合成樹脂素材など)を用いて構成することもできる。
【0026】
<固定支持体>
支持体としての固定支持体42は、一対の横フレーム部材41の一端側に、各横フレーム部材41と直交するように掛け渡された状態で、ネジ、ビス等の固定具や溶接、接着により不動に固定される。
固定支持体42は、例えば、四角筒状や四角柱状等の柱状に形成されている。固定支持体42の上面42aは、止水板10の短手側の端面10cを支持する支持面をなす。この固定支持体42は、アルミニウム等の金属の押出成形や、鋼板等の金属板の折り曲げ加工や、樹脂等の押出成形、あるいは、木材等の部材により形成することができる。
【0027】
また、固定支持体42の上面42aには、例えば、ゴムや合成樹脂等の弾性体からなる板状の滑り止め機能を有する緩衝部材(不図示)を設けることができる。このような緩衝部材を設けることにより、止水板10を載置(支持)させる際に、止水板10の端面10cを傷つけることなく保護(緩衝)することができ、さらに、支持した際の滑り止めにもなって、止水板10を安定して支持することができる。
【0028】
また、固定支持体42の下面42bには、例えば、ゴムや合成樹脂等の摩擦係数の高い部材からなる板状の滑り止め機能を有する滑り止め部材42b1を設けることができる。このような滑り止め部材42b1を設けることにより、止水板用スタンド装置40を保管場所に安定して配置することができる。例えば、止水板10を止水板用スタンド装置40に支持させる際に、止水板用スタンド装置40に水平方向の外力が生じても、止水板用スタンド装置40は、保管場所の床面に対して滑ることなく安定した状態を維持することができる。
【0029】
<移動支持体>
支持体としての移動支持体43は、一対の横フレーム部材41に対し、各横フレーム部材41の一端部に設けられた固定支持体42と水平方向に最大限離間した最大離間位置A(図5(b)参照)と、固定支持体42と水平方向に最小限離間した最小離間位置C(図5(d)参照)との間で、移動可能に設けられる。
【0030】
移動支持体43は、例えば、四角筒状や四角柱状等の柱状であって、図4に示すように両端部43cが閉じた形状に構成されている。移動支持体43の上面43aは、止水板10の短手側の端面10cを支持する支持面をなす。この移動支持体43は、アルミニウム等の金属の押出成形や、鋼板等の金属板の折り曲げ加工や、樹脂等の押出成形、あるいは、木材等の部材により形成することができる。なお、例えば、移動支持体43が中空状に形成されている場合には、その両端に端板を固定して両端部43cを形成すればよい。
【0031】
移動支持体43の両端部43cには、図4に示すように、軸部44が突出して設けられる。この軸部44は、各横フレーム部材41に形成された長孔41aに、水平方向に移動可能(スライド移動)に支持される。
軸部44は、例えば、ドライバー等の操作具を掛ける溝が形成された頭部44aと、ネジ山が形成された軸44bとを有するネジ部材を用いて構成することができる。移動支持体43を一対の横フレーム部材41間に配置した状態で、軸部44の軸44bを横フレーム部材41の長孔41aに挿通させるとともに、軸44bを移動支持体43の両端部43cに形成したネジ孔(不図示)に螺合させることで、軸部44を移動支持体43に取り付けることができる。
【0032】
この軸部44は、操作具により頭部44aが比較的緩めに締め付けられることで、各横フレーム部材41に形成された長孔41aに対して移動可能(スライド移動)に支持される。
また、この軸部44を長孔41aに対して移動させた後、例えば、長孔41aの上縁に形成された各位置決め凹部41a1~41a3に位置させた状態で比較的強固に締め付けることで、移動支持体43を、最大離間位置A、中間離間位置B及び最小離間位置Cに位置決めした状態で不動に固定することができる。
つまり、軸部44は、移動支持体43の端部に形成されたネジ孔に螺合するように設けられており、この移動支持体43は、軸部44が位置決め凹部41a1~41a3に受け入れられた状態で軸部44をネジ孔に螺合して締め付けることで、横フレーム部材41の位置決め凹部41a1~41a3に位置決め固定されることになる。この位置決め固定された状態で、各横フレーム部材41の下面41cと、固定支持体42の下面42bと、移動支持体43の下面43bとは、略面一状態となる。
【0033】
また、移動支持体43の上面43aには、固定支持体42と同様に、ゴムや合成樹脂等の弾性体からなる板状の緩衝部材(不図示)を設けることができる。
また、移動支持体43の下面43bには、固定支持体42と同様に、ゴムや合成樹脂等の摩擦係数の高い部材からなる板状の滑り止め部材43b1を設けることができる。
【0034】
<縦フレーム部材>
縦フレーム部材45は、例えば、金属製の板材からなり、横長の矩形平板状に形成されている。縦フレーム部材45は、各横フレーム部材41の他端側に掛け渡された状態で、ネジ、ビス等の固定具や溶接、接着により不動に固定される。
この縦フレーム部材45は、一対の横フレーム部材41及び固定支持体42とともに、止水板用スタンド装置40のフレーム構造をなし、このフレーム構造の剛性を高めることができる。
【0035】
次に、止水板用スタンド装置40を用いた止水板10の支持の態様について説明する。
図5(a)は、止水板用スタンド装置における移動支持体を移動させている状態を示す概略側面図であり、図5(b)は、止水板用スタンド装置に大型サイズの止水板を支持させた状態を示す要部概略正面図であり、図5(c)は、止水板用スタンド装置に中型サイズの止水板を支持させた状態を示す要部概略正面図であり、図5(d)は、止水板用スタンド装置に小型サイズの止水板を支持させた状態を示す要部概略正面図である。図6は、止水板用スタンド装置により止水板を立て掛けた状態で支持している例を示す概略側面図(部分拡大図を含む)である。
【0036】
(大型サイズの止水板の支持)
止水板用スタンド装置40に、大型サイズの止水板10(101)を支持させる場合には、移動支持体43を最大離間位置Aに移動させる。具体的には、移動支持体43の両端部43cに螺合されている軸部44を緩めに締め付けた状態で、図5(a)の矢印に示すように、移動支持体43を各横フレーム部材41に形成された長孔41aに沿ってスライド移動させ、軸部44を第1位置決め凹部41a1内に収容させる。
【0037】
軸部44は、第1位置決め凹部41a1内に収容されることで左右方向の移動が規制されて位置決めされた状態となる。この状態で、操作具(不図示)を用いて軸部44の頭部44aを回動させて比較的強固に締め付けることで、移動支持体43を固定支持体42に対して最大限離間した最大離間位置Aに位置決めした状態で不動に固定することができる。
【0038】
この状態で、図5(b)に示すように、大型サイズの止水板10(101)を支持させる。大型サイズの止水板10(101)の短手側の端面10cは、固定支持体42と、この固定支持体42に対して最大限離間した最大離間位置Aに位置決め固定された移動支持体43に安定して載置(支持)することができる。
【0039】
また、図5(b)に示すように、止水板10(101)の支持状態において、止水板10(101)の短手側の端面10cより突出状態で設けられているローラ13等の機能部品は、固定支持体42及び移動支持体43と干渉しない位置に配置される。
さらに、固定支持体42及び移動支持体43の下面から上面までの距離d2は、止水板10(101)の短手側の端面10cからローラ13等の機能部品の先端までの距離d1よりも長く(大きく)設定されているため、止水板10の機能部品は、保管場所の不動面(グランド面、床面)と当接することないので、機能部品を保護した状態で収納保管することができる。
【0040】
(中型サイズの止水板の支持)
止水板用スタンド装置40に、中型サイズの止水板10(102)を支持させる場合には、移動支持体43を中間離間位置Bに移動させる。具体的には、移動支持体43の両端部43cに螺合されている軸部44を緩めに締め付けた状態で、図5(a)の矢印に示すように、移動支持体43を各横フレーム部材41に形成された長孔41aに沿ってスライド移動させ、軸部44を第2位置決め凹部41a2内に収容させる。
【0041】
軸部44は、第2位置決め凹部41a2内に収容されることで左右方向の移動が規制されて位置決めされた状態となる。この状態で、操作具(不図示)を用いて軸部44の頭部44aを回動させて比較的強固に締め付けることで、移動支持体43を固定支持体42に対して中間離間位置Bに位置決めした状態で不動に固定することができる。
【0042】
この状態で、図5(c)に示すように、中型サイズの止水板10(102)を支持させる。中型サイズの止水板10(102)の短手側の端面10cは、固定支持体42と、この固定支持体42に対して中間離間位置Bに位置決め固定された移動支持体43に安定して載置(支持)することができる。
また、図5(c)に示すように、止水板10(102)の支持状態において、止水板10(102)の短手側の端面10cより突出状態で設けられているローラ13等の機能部品は、固定支持体42及び移動支持体43と干渉しない位置に設置される。
さらに、固定支持体42及び移動支持体43の下面から上面までの距離d2は、止水板10(102)の短手側の端面10cからローラ13等の機能部品の先端までの距離d1よりも長く(大きく)設定されているため、止水板10の機能部品は、保管場所の不動面(グランド面、床面)と当接することないので、機能部品を保護した状態で収納保管することができる。
【0043】
(小型サイズの止水板の支持)
止水板用スタンド装置40に、小型サイズの止水板10(103)を支持させる場合には、移動支持体43を最小離間位置Cに移動させる。具体的には、移動支持体43の両端部43cに螺合されている軸部44を緩めに締め付けた状態で、図5(a)の矢印に示すように、移動支持体43を各横フレーム部材41に形成された長孔41aに沿ってスライド移動させ、軸部44を第3位置決め凹部41a3内に収容させる。
【0044】
軸部44は、第3位置決め凹部41a3内に収容されることで左右方向の移動が規制されて位置決めされた状態となる。この状態で、操作具(不図示)を用いて軸部44の頭部44aを回動させて比較的強固に締め付けることで、移動支持体43を固定支持体42に対して最小離間位置Cに位置決めした状態で不動に固定することができる。
【0045】
この状態で、図5(d)に示すように、小型サイズの止水板10(103)を支持させる。小型サイズの止水板10(103)の短手側の端面10cは、固定支持体42と、この固定支持体42に対して最小離間位置Cに位置決め固定された移動支持体43に安定して載置(支持)することができる。
また、図5(d)に示すように、止水板10(103)の支持状態において、止水板10(103)の短手側の端面10cより突出状態で設けられているローラ13等の機能部品は、固定支持体42及び移動支持体43と干渉しない位置に設置される。
さらに、固定支持体42及び移動支持体43の下面から上面までの距離d2は、止水板10(103)の短手側の端面10cからローラ13等の機能部品の先端までの距離d1よりも長く(大きく)設定されているため、止水板10の機能部品は、保管場所の不動面(グランド面、床面)と当接することないので、機能部品を保護した状態で収納保管することができる。
【0046】
また、図6に示すように、一対の横フレーム部材41は、固定支持体42及び移動支持体43の上面42a,43aの位置よりも上方に突出している突出部分41bを有する。止水板10を固定支持体42と移動支持体43に載置した際に、止水板10の端面10cが固定支持体42や移動支持体43の支持面で滑りが生じても、この突出部分41bでこの滑り(移動)を止めることができる。つまり、この突出部分41bは、止水板10の移動を規制する移動規制部として機能する。
【0047】
また、図6に示すように、止水板10を止水板用スタンド装置40に立て掛けた状態で支持させて収納保管する場合、例えば、止水板10の最上部に位置する取手15に、例えば、ゴム、エラストマー樹脂、ウレタン樹脂等の弾性材料から形成される緩衝材(クッション材)16を装着することができる。
緩衝材16は、例えば、止水板10の短手方向に沿って延びる長尺状に形成されており、被装着部となる取手15に嵌め合うことのできる凹部16aが形成されている。
なお、緩衝材16を装着する被装着部は、最上部に位置する取手15に限られず、例えば、止水板10の上部に位置する短手側の端部(機能部品としてのローラ13を含む)に嵌め合うように構成してもよい。
このような緩衝材16を止水板10に装着することで、止水板10が直接、保管場所の壁等に接触することを防止することができるため、止水板10を傷つけることなく収納保管することができる。
【0048】
以上のとおり、本発明に係る止水板用スタンド装置40は、止水板10の機能部品を損傷することなく好適に収納保管することができる。
また、各種サイズ(例えば、大型、中型、小型の3種類)の止水板10を安定した状態で好適に収納保管することができる。
また、横長に形成された止水板10は、横長の長手側が上下を向くように起立させた状態で立て掛けて収納保管されることから、省スペースで収納保管することができる。
【0049】
次に、本発明に係る止水板用スタンド装置40の他の実施形態及びその配設の例について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する止水板用スタンド装置は、上述した止水板用スタンド装置40の構成の一部を変更したものであるため、主にその変更部分について説明し、止水板用スタンド装置40と同一となる構成には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0050】
(第2の実施形態)
図7は、本発明に係る他の止水板用スタンド装置40Aを複数(図示例では3つ)用いる場合の各止水板用スタンド装置40Aの配置の例を示す概略平面図であり、図8は、図7に示す複数の止水板用スタンド装置に、複数の止水板を立て掛けて支持している状態の一例を示す概略側面図である。
【0051】
第2の実施形態の止水板用スタンド装置40Aは、上述した止水板用スタンド装置40に、複数の止水板用スタンド装置40Aが連結可能となるように連結部材50を設けたものであり、その他の構成については上述した止水板用スタンド装置40の構成と同様である。
この止水板用スタンド装置40Aは、複数の止水板用スタンド装置40Aを連結し(図7(b)参照)、複数の止水板10が重なるように並列状態で収納保管(図8参照)できるように構成したものである。
【0052】
連結部材50は、図7(a)に示すように、止水板用スタンド装置40Aの一方側の横フレーム部材41に、所定の間隔をあけて複数取り付け固定されている。この連結部材50は、例えば、フェライト磁石やネオジム磁石等の磁石から構成されており、連結対象となる他の止水板用スタンド装置40Aの横フレーム部材41に磁気吸着することができる。
なお、図7には、一対の横クレーム部材41の内、一方の横フレーム部材41の両端にそれぞれ連結部材50を設けているが、この例に限定されない。連結部材50の取付位置や取付数は任意に設定することができる。
また、磁気吸着される止水板用スタンド装置40Aの横フレーム部材41は、磁性体からなる金属素材や、磁性体粒子や磁性体粉末を混入した合成樹脂素材で形成すればよい。
【0053】
この止水板用スタンド装置40Aを用いる場合には、複数の止水板用スタンド装置40Aを横フレーム部材41同士が対向するように配置するとともに(図7(a)参照)、一の止水板用スタンド装置40Aの横フレーム部材41に設けられた連結部材50に、他の止水板用スタンド装置40Aの横フレーム部材41を当接させるように移動(図7(a)の矢印方向に移動)させて、磁気吸着により固定(連結)させればよい(図7(b)参照)。
この状態で、複数の止水板用スタンド装置40Aのそれぞれは、連結部材50によって互いに一体的に接続された状態を維持することができる。図8に示すように、複数の止水板10(101,102,103)は、複数の止水板用スタンド装置40Aにより所定間隔をおいた並列状態で安定して支持され、省スペースで収納保管することができる。
【0054】
なお、連結部材50は、磁石で構成する例に限定されない。一の止水板用スタンド装置40Aと他の止水板用スタンド装置40Aとが、それぞれの横フレーム部材41同士を対向させた状態で連結できる構造であればその構造はとくに限定されない。例えば、止水板用スタンド装置40に、係合部(例えば、フック、オス部等)と、この係合部に係合する被係合部(例えば、フックと係合可能な軸部や係合孔、オス部と嵌合するメス部等)とを設けて係合や嵌合による固定(連結)する構成としてもよい。
【0055】
(第3の実施形態)
図9(a)は、本発明に係る止水板用スタンド装置の他の例を示す概略平面図である。止水板用スタンド装置40Bは、図9(a)に示すように、一対の横フレーム部材41と、一対の横フレーム部材41の一端側に掛け渡された状態で固定して設けられる固定支持体42と、一対の横フレーム部材41間に掛け渡された状態で移動可能に設けられる移動支持体43と、を有する。
【0056】
この止水板用スタンド装置40Bは、上述した止水板用スタンド装置40から縦フレーム部材45を取り除いて構成したものであり、その他の構成については上述した止水板用スタンド装置40の構成と同様である。
【0057】
この止水板用スタンド装置40Bにおいても、上述した止水板用スタンド装置40と同様に止水板10を好適に収納保管することができる。また、縦フレーム部材45を取り除いて構成しているため、止水板用スタンド装置40Bの軽量化を図ることができる。
なお、この止水板用スタンド装置40Bにおいても、第2実施形態の止水板用スタンド装置40Aと同様に連結部材50を設けるように構成してもよい。
【0058】
(第4の実施形態)
図9(b)は、本発明に係る止水板用スタンド装置の他の例を示す概略平面図である。止水板用スタンド装置40Cは、図9(b)に示すように、横フレーム部材41と、横フレーム部材41の一端側に固定して設けられる固定支持体42と、横フレーム部材41に移動可能に設けられる移動支持体43と、を有する。
【0059】
この止水板用スタンド装置40Cは、上述した止水板用スタンド装置40から縦フレーム部材45と、一方の横フレーム部材41とを取り除いて構成したものであり、その他の構成については上述した止水板用スタンド装置40の構成と同様である。
【0060】
この止水板用スタンド装置40Cにおいても、上述した止水板用スタンド装置40と同様に止水板10を好適に収納保管することができる。また、縦フレーム部材45及び一方の横フレーム部材41を取り除いて構成しているため、止水板用スタンド装置40Cの軽量化を図ることができる。
【0061】
なお、この止水板用スタンド装置40Cにおいても、第2実施形態の止水板用スタンド装置40Aと同様に連結部材50を設けるように構成してもよい。この場合、一の止水板用スタンド装置40Cの横フレーム部材41に所定の間隔をあけて複数の連結部材50を設け、これら複数の連結部材50が、他の止水板用スタンド装置40Cの固定支持体42や、最大離間位置A、中間離間位置B及び最小離間位置Cに位置決めされた移動支持体43に固定(連結)することができるように構成すればよい。
また、この止水板用スタンド装置40Cは、上述した止水板用スタンド装置40から縦フレーム部材45と、一方の横フレーム部材41とを取り除いて構成したものであるが、縦フレーム部材45を残し、一方の横フレーム部材41のみを取り除いて構成してもよい。
【0062】
(第5の実施形態)
図9(c)は、本発明に係る止水板用スタンド装置の他の例を示す概略平面図である。止水板用スタンド装置40Dは、図9(c)に示すように、横フレーム部材41’と、横フレーム部材41’の一端側に固定して設けられる固定支持体42と、横フレーム部材41’に移動可能に設けられる移動支持体46と、を有する。
【0063】
この止水板用スタンド装置40Dは、上述した止水板用スタンド装置40から縦フレーム部材45と一方の横フレーム部材41とを取り除くとともに、横フレーム部材41と移動支持体43との支持構造を変更して構成したものである。
【0064】
横フレーム部材41’は、例えば、板状の金属製の磁性体からなり、横長の矩形平板状に形成されている。横フレーム部材41’の一端側には、固定支持部42が、ネジ、ビス等の固定具や溶接、接着により不動に固定される。
移動支持体46は、例えば、四角筒状や四角柱状等の柱状に形成されている。移動支持体46の一端には、例えば、フェライト磁石やネオジム磁石等の磁石から構成される磁気固定具46aが取り付け固定されている。移動支持体46は、磁気固定具46aにより横フレーム部材41’に対して任意の位置に磁気吸着されて取り付けられる。
【0065】
この止水板用スタンド装置40Dにおいても、上述した止水板用スタンド装置40と同様に止水板10を好適に収納保管することができる。また、縦フレーム部材45及び一方の横フレーム部材41を取り除いて構成しているため、止水板用スタンド装置40Dの軽量化を図ることができる。
【0066】
なお、この止水板用スタンド装置40Dにおいても、複数の止水板用スタンド装置40Aを並列状態に連結するように構成することができる。この場合、固定支持体42及び移動支持体46を、例えば、金属製の磁性体から構成し、一の止水板用スタンド装置41Dの横フレーム部材41’と、他の止水板用スタンド装置41Dの移動支持体46及び固定支持体42の他端とが、一の止水板用スタンド装置40D側の磁気固定具46aの磁力により磁気的に固定(連結)することができるように構成すればよい。
【0067】
(第6の実施形態)
図10は、本発明に係る止水板用スタンド装置の他の例を示す概略平面図である。止水板用スタンド装置40Eは、図10に示すように、一対の横フレーム部材41’’と、一対の横フレーム部材41’’の一端側に掛け渡された状態で固定して設けられる固定支持体42と、一対の横フレーム部材41’’の他端側に掛け渡された状態で固定して設けられる固定支持体47と、一対の横フレーム部材41’’における、固定支持体42と固定支持体47との間の所定の位置に掛け渡された状態で固定して設けられる固定支持体48と、を有する。
【0068】
この止水板用スタンド装置40Eは、上述した止水板用スタンド装置40から縦フレーム部材45を取り除くとともに、移動支持体43を複数の固定支持体47,48に変更して構成したものである。
【0069】
横フレーム部材41’’は、例えば、金属製の板材からなり、横長の矩形平板状に形成されている。横フレーム部材41’’には、各固定支持体42,47,48がネジ、ビス等の固定具や溶接、接着により不動に固定される。
なお、固定支持体47及び固定支持体48の構成(形状、構造等)は、上述した固定支持体42の構成と同様である。
【0070】
この止水板用スタンド装置40Eは、大型サイズの止水板10(104)を3つの各固定支持体42,47,48で支持することができるとともに(図10(a)参照)、それよりも小型に形成された小型サイズの止水板10(105)を2つの固定支持体42,48で支持することができる。したがって、この止水板用スタンド装置40Eにおいても、上述した止水板用スタンド装置40と同様に止水板10を好適に収納保管することができる。
【0071】
なお、この止水板用スタンド装置40Eにおいても、第2実施形態の止水板用スタンド装置40Aと同様に連結部材50を設けるように構成してもよい。また、この止水板用スタンド装置40Eにおいて、一対の横フレーム部材41’’ の内、一方の横フレーム部材41’’を取り除いて構成してもよい。
【0072】
(第7の実施形態)
図11は、本発明に係る止水板用スタンド装置の他の例を示す概略平面図である。止水板用スタンド装置40Fは、図11に示すように、一対の横フレーム部材41’’と、一対の横フレーム部材41’’の一端側に掛け渡された状態で固定して設けられる固定支持体42(第1の固定支持体)と、一対の横フレーム部材41’’間に掛け渡された状態で固定して設けられるクランク状固定支持体49(第2の固定支持体)と、を有する。
【0073】
この止水板用スタンド装置40Fは、上述した止水板用スタンド装置40から縦フレーム部材45を取り除くとともに、移動支持体43をクランク状固定支持体49に変更して構成したものである。
【0074】
横フレーム部材41’’は、例えば、金属製の板材からなり、横長の矩形平板状に形成されている。
クランク状固定支持体49(第2の固定支持体)は、図11に示すように、第1支持部49aと、連結部49bと、第2支持部49cとで、クランク状に形成されている。つまり、クランク状固定支持体49(第2の固定支持体)は、横フレーム部材41’’に対して略直交方向に延びる第1支持部49aと、横フレーム部材41’’に対して略平行に延びる連結部49bと、横フレーム部材41’’に対して略直交方向に延びる第2支持部49cと、を有し、第1支持部49aと第2支持部49cのそれぞれの端部に連結部49bが連接されることで、平面視クランク状に形成されている。
このクランク状固定支持体49は、例えば、四角筒状や四角柱状等の柱状の部材からなる各部材(第1支持部49a、連結部49b及び第2支持部49c)を連結することで構成することができる。
第1支持部49aの端部は、一方の横フレーム部材41’’の他端側にネジ、ビス等の固定具や溶接、接着により不動に固定され、また、第2支持部49cの端部は他方の横フレーム部材41’’の所定の位置に、ネジ、ビス等の固定具や溶接、接着により不動に固定される。
【0075】
この止水板用スタンド装置40Fは、大型サイズの止水板10(104)を固定支持部42及びクランク状固定支持体49の第1支持部49aで支持し(図11(a)参照)、それよりも小型に形成された小型サイズの止水板10(105)を固定支持部42及びクランク状固定支持体49の第2支持部49cで支持することができる。したがって、この止水板用スタンド装置40Fにおいても、上述した止水板用スタンド装置40と同様に止水板10を好適に収納保管することができる。
【0076】
なお、この止水板用スタンド装置40Fにおいても、第2実施形態の止水板用スタンド装置40Aと同様に連結部材50を設けるように構成してもよい。また、この止水板用スタンド装置40Fにおいて、一対の横フレーム部材41’’の内、一方の横フレーム部材41’’を取り除いて構成してもよい。
また、クランク状固定支持体49は、連結部49bを取り除いて、第1支持部49aと第2支持部49cのみが配置されるように構成してもよい。
【0077】
以上のとおり、他の実施形態においても、止水板を好適に支持し、且つ、省スペースで収納保管することができる。
【0078】
本発明は、上述した各実施形態の具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0079】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
横長に形成された止水板を、前記横長の長手側が上下を向くように起立させた状態で支持する止水板用スタンド装置において、フレーム部材と、前記フレーム部材に複数設けられるとともに、前記止水板の前記長手側と直交する短手側の端面を下方から支持可能な複数の支持体と、を備え、前記複数の前記支持体は、前記止水板の前記短手側の端面から突出するように設けられた機能部品と干渉しない位置に設けられるとともに、前記支持体の下面から上面までの距離は、前記止水板の前記短手側の端面から前記機能部品の先端までの距離よりも長く設定されていることを特徴とする止水板用スタンド装置。
(2)
前記複数の前記支持体は、前記フレーム部材の一端側に不動に固定して設けられる固定支持体と、前記フレーム部材に移動可能に設けられる移動支持体と、を有し、前記移動支持体は、前記フレーム部材に移動可能に支持されることで、前記固定支持体と前記移動支持体との間隔を調整可能に設けられることを特徴とする上記(1)に記載の止水板用スタンド装置。
(3)
前記フレーム部材には、前記フレーム部材の他端側から一端側に向けて略水平方向に延びる長孔が形成され、前記長孔に前記移動支持体の端部に設けられた軸部が移動可能に支持されることを特徴とする上記(2)に記載の止水板用スタンド装置。
(4)
前記長孔の上縁には、上方に凹状に切り欠かれた位置決め凹部が所定の間隔をあけて複数形成され、前記位置決め凹部に、前記移動支持体の端部に設けられた前記軸部が選択的に受け入れられることで前記移動支持体を位置決め可能に構成することを特徴とする上記(3)に記載の止水板用スタンド装置。
(5)
前記軸部は、前記移動支持体の端部に形成されたネジ孔に螺合するように設けられており、前記移動支持体は、前記軸部が前記位置決め凹部に受け入れられた状態で、前記軸部を前記ネジ孔に螺合して締め付けることで、前記フレーム部材の前記位置決め凹部に位置決め固定されるとともに、この位置決め固定された状態で、前記フレーム部材の下面と、前記固定支持体の下面と、前記移動支持体の下面とは、略面一状態となることを特徴とする上記(4)に記載の止水板用スタンド装置。
(6)
前記フレーム部材は磁性体からなり、前記移動支持体の一端には、磁石から構成される磁気固定具が取り付け固定され、前記移動支持体は、前記磁気固定具により前記フレーム部材に対して任意の位置に磁気吸着されて取り付けられることを特徴とする上記(2)に記載の止水板用スタンド装置。
(7)
前記複数の前記支持体は、前記フレーム部材に不動に固定して設けられる、第1の固定支持体及び第2の固定支持体を有し、前記第1の固定支持体は、前記フレーム部材に対して略直交方向に延びる直線状に形成され、前記第2の固定支持体は、前記フレーム部材に対して略直交方向に延びる第1支持部と、前記フレーム部材に対して略平行に延びる連結部と、前記フレーム部材に対して略直交方向に延びる第2支持部と、を有し、前記第1支持部と前記第2支持部のそれぞれの端部に前記連結部が連接されることで、平面視クランク状に形成されていることを特徴とする上記(1)に記載の止水板用スタンド装置。
(8)
前記止水板用スタンド装置は、複数の前記止水板用スタンド装置が連結可能となるように連結部材を有することを特徴とする上記(1)~(7)のいずれかに記載の止水板用スタンド装置。
(9)
前記複数の前記支持体の上面には、支持された前記止水板の滑りを防止する緩衝部材が設けられるとともに、前記支持体の下面には、下面接地時の滑りを防止する滑り止め部材が設けられることを特徴とする上記(1)~(8)のいずれかに記載の止水板用スタンド装置。
(10)
前記フレーム部材は、前記支持体の上面よりも上方に突出している突出部分を有し、この突出部分は、支持された前記止水板の移動を規制する移動規制部として機能することを特徴とする上記(1)~(9)のいずれかに記載の止水板用スタンド装置。
【符号の説明】
【0080】
10:止水板
13:ローラ(機能部品)
40:止水板用スタンド装置
41,41’,41’’:横フレーム部材(フレーム部材)
41a:長孔
41a1,41a2,41a3:位置決め凹部
42:固定支持体(支持体)
43:移動支持体(支持体)
44:軸部
46:移動支持体(支持体)
47,48:固定支持体(支持体)
49:クランク状固定支持体(支持体)
46a:磁気固定具
50:連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11