(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176776
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ゴルフ練習用マット
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A63B69/36 511D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095567
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】523213147
【氏名又は名称】株式会社山村
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】平 義樹
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用者に対して、ゴルフクラブでボールを打ったときに視覚的にターフが取れる感覚を与えることができるゴルフ練習用マットを提供する。
【解決手段】ゴルフを練習するためのゴルフ練習用マット100であって、
前記ゴルフ練習用マット100は、
人工芝である芝部材210と、前記芝部材210が接続されるベース部材220とを有するマット本体部200と、
ゴルフボールを配置することができるボール配置部300と、
使用者がゴルフクラブを振るときの目標となるコンタクト部400と、
前記マット本体部200と色が異なるターフ部500と、
使用者がゴルフボールを打つときに目標とすることができるスパット部600と、を含むゴルフ練習用マット100を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフを練習するためのゴルフ練習用マットであって、
前記ゴルフ練習用マットは、
人工芝である芝部材と、前記芝部材が接続されるベース部材とを有するマット本体部と、
ゴルフボールを配置することができるボール配置部と、
使用者がゴルフクラブを振るときの目標となるコンタクト部と、
前記マット本体部と色が異なるターフ部と、
使用者がゴルフボールを打つときに目標とすることができるスパット部と、を含むゴルフ練習用マット。
【請求項2】
前記ボール配置部の前方側に前記コンタクト部が配置され、
前記コンタクト部の前方側に前記ターフ部が配置され、
前記ターフ部の前方側に前記スパット部が配置される請求項1記載のゴルフ練習用マット。
【請求項3】
前記ターフ部が平面視長方形状又は平面視楕円形状である請求項1記載のゴルフ練習用マット。
【請求項4】
前記マット本体部の前記芝部材の色が緑色であり、前記ターフ部が茶色である請求項1記載のゴルフ練習用マット。
【請求項5】
前記スパット部は平面視円形状であり、前記マット本体部に複数配置されるものである請求項1記載のゴルフ練習用マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ練習用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ゴルフ練習用マットは、板状のゴム素材上に細かいひも状の樹脂を植毛したものが知られている。
【0003】
このような従来のゴルフ練習用マットは、樹脂を緑色に着色することによって、芝に対する類似感を与えたり、中央に色の異なるラインを設けることによって、使用者が構えるべき方向を明示したり、またはゴルフクラブをスイングするための指標とするなどの工夫がなされている。
【0004】
また、最近では、樹脂種類、あるいは形状を選択することによって、それまでにはなかったソフトな使用感を得られるようにしたものも実用化されている。
【0005】
特許文献1では、芝葉の長さの異なる二種類のマットを表面が同一平面となるよう接合し芝葉の長いマットを球の打球方向の前方に置くことにより打球後にスウィングの軌道が最下点となっても芝葉が長いためマットの底板から生じる衝撃による手や肘の痛みや腱鞘炎を防ぎターフを取る感触を体感できる発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
「ターフ」とは、芝生のことであり、アイアンショットなどでボールの先の芝生を削り取ることを、一般的に「ターフを取る」と呼んでいる。
【0008】
そして、ゴルフ練習用マットでは、マットであるためターフが取れることはなく、また、特許文献1に係る発明でもターフを取る感触が体感できたとしても、使用者は視覚的な感覚がつかみ難いという問題があった。
【0009】
また、従来のゴルフ練習用マットには、ボールの軌道となる中央に白色のラインが表示されているものがあるが、スパットとしてはわかり難いという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、使用者に対して、ゴルフクラブでボールを打ったときに視覚的にターフが取れる感覚を与えることができるゴルフ練習用マットを提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、使用者がゴルフクラブでボールを打つときのイメージがしやすいスパットがあるゴルフ練習用マットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の局面に係るゴルフを練習するためのゴルフ練習用マットであって、
前記ゴルフ練習用マットは、
人工芝である芝部材と、前記芝部材が接続されるベース部材とを有するマット本体部と、
ゴルフボールを配置することができるボール配置部と、
使用者がゴルフクラブを振るときの目標となるコンタクト部と、
前記マット本体部と色が異なるターフ部と、
使用者がゴルフボールを打つときに目標とすることができるスパット部と、を含むゴルフ練習用マットである。
【0013】
ターフ部の色がマット本体部と異なるため、使用者に対して、ゴルフクラブでボールを打ったときに視覚的にターフが取れる感覚を与えることができる。
【0014】
また、スパット部が配置されているため、使用者がゴルフクラブでボールを打つときのイメージがしやすい。
【0015】
本発明の第2の局面に係るゴルフ練習用マットは、第1の局面に係るゴルフ練習用マットであって、前記ボール配置部の前方側に前記コンタクト部が配置され、
前記コンタクト部の前方側に前記ターフ部が配置され、
前記ターフ部の前方側に前記スパット部が配置されるゴルフ練習用マットである。
【0016】
これにより、第1の局面と同様の効果を奏することができる。
【0017】
本発明の第3の局面に係るゴルフ練習用マットは、第1の局面に係るゴルフ練習用マットであって、前記ターフ部が平面視長方形状又は平面視楕円形状であるゴルフ練習用マットである。
【0018】
ターフ部の形状が長方形状又は楕円形状であることにより、実際にターフが取れたイメージがし易い。
【0019】
本発明の第4の局面に係るゴルフ練習用マットは、第1の局面に係るゴルフ練習用マットであって、前記マット本体部の前記芝部材の色が緑色であり、前記ターフ部が茶色であるゴルフ練習用マットである。
【0020】
芝部材が緑色の人工芝であり、ターフ部分が土の色である茶色であることにより、ゴルフクラブでゴルフボールを打ったときに、ターフがとれるイメージがし易い。
【0021】
本発明の第5の局面に係るゴルフ練習用マットは、第1の局面に係るゴルフ練習用マットであって、前記スパット部は平面視円形状であり、前記マット本体部に複数配置されるものであるゴルフ練習用マットである。
【0022】
スパット部がゴルフボールと同じ円形状であり、また、スパット部が複数あることにより、ゴルフボールの軌道をイメージし易い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本実施形態に係るゴルフ練習用マットの斜視図。
【
図3】同実施形態に係るゴルフ練習用マットの平面図。
【
図4】同実施形態に係るゴルフ練習用マットの部分側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に関して図面を参照しながら説明する。
【0025】
一般的に、アマチュアのスイングは、ボールの真下が最下点となるスイングが多く、この場合、ダフリやトップになる可能性が高くなってしまう。
【0026】
そして、ダウンブローで打つことにより、ダフリを防止することができる。
【0027】
図1に示すように、ダウンブローに打つためには、スイング軌道の最下点はボールの先になる。
【0028】
ボールの先に最下点のあるスイングの場合、ボールの手前を打ってしまう「ダフリ」の可能性は少なくなり、多少トップ気味になってもダウンブローにクリーンに打ち込める。
【0029】
なお、ハンドファーストで打つことにより、ダウンブローで打ちやすくなる。
【0030】
図2及び
図3に示すように、本実施形態に係るゴルフ練習用マット100は、本実施形態では平面視長方形状から構成されるマット本体部200と、
ゴルフボールを配置することができるボール配置部300と、
使用者がゴルフクラブを振るときに目標となるコンタクト部400と、
マット本体部200と色が異なるターフ部500と、
使用者がゴルフボールを打つときに目標とすることができるスパット部600と、を含む。
【0031】
マット本体部200は、本実施形態では、xy平面視において、長手方向(x軸方向)が640mm、短手方向(y軸方向)が240mmの長方形状であるが、その形状は限定されない。
【0032】
図2及び
図4に示すように、マット本体部200は、人工芝である芝部材210と、人工芝が取付けられているベース部材220とを備える。
【0033】
芝部材210は、本実施形態では、材質がPP(ポリプロピレン)であるが、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート等の他のプラスチックであってもよい。
【0034】
また、本実施形態では、芝部材210は、芝の色である緑色が好ましいが、色は緑色に限定されない。
【0035】
図3に示すように、芝部材210は、複数の線状の部材がベース部材220の1カ所に接続されており、それが複数カ所接続されることにより構成される。
【0036】
ベース部材220は、本実施形態では、材質がSBR(スチレンブタジエンゴム)であるが、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)等の他のプラスチックであってもよい。
【0037】
ボール配置部300は、使用者がゴルフクラブでゴルフボールを打つ前に、ゴルフボールを置くとこである。
【0038】
本実施形態では、ボール配置部300は、xy平面視円形状であり、直径が38mmである。
【0039】
ボール配置部300は、マット本体部200の芝部材210の色と異なる色であり、本実施形態では、ボール配置部300は、白色である。
【0040】
なお、ボール配置部300は、xy平面視において、円形状でなくてもよく、例えば四角形状や楕円形状であってもよい。
【0041】
コンタクト部400は、使用者がゴルフクラブでボール配置部300上のゴルフボールを打つときに、ゴルフクラブの下面が最下点の位置となる目標位置である。
【0042】
コンタクト部400は、ボール配置部300より前方(x軸負方向側)に配置されている。
【0043】
具体的には、コンタクト部400は、ボール配置部300と一部分重なっている。
【0044】
より具体的には、コンタクト部400は、ボール配置部300の前方側(x軸負方向側)の約4分の1と重なっている。
【0045】
本実施形態では、コンタクト部400は、xy平面視長方形状であり、縦方向(y軸方向)が長くなっている。
【0046】
具体的には、本実施形態では、コンタクト部400は、横方向(x軸方向)が15mm、縦方向(y軸方向)が60mmである。
【0047】
コンタクト部400は、マット本体部200の芝部材210の色と異なる色であり、本実施形態では、コンタクト部400は茶色である。
【0048】
使用者はゴルフクラブをコンタクト部400に向けて振り下ろすことにより、ダウンブローでボール配置部300に配置されたゴルフボールを打つことができる。
【0049】
ターフ部500は、コンタクト部400の前方側(x軸負方向側)に配置されており、本実施形態では、xy平面視において、長方形状の形状である。
【0050】
具体的には、本実施形態におけるターフ部500は、横方向(x軸方向)が640mm、縦方向(y軸方向)が240mmである。
【0051】
なお、本実施形態では、ターフ部500はxy平面視において長方形状であるが、平面視において、正方形状、楕円形状又は円形状であってもよい。
【0052】
ターフ部500は、マット本体部200の色とは異なる色となっている。
【0053】
本実施形態では、マット本体部200の芝部材210は芝を表す緑色をしており、ターフ部500は土を表す茶色となっている。
【0054】
本実施形態では、ターフ部500は、コンタクト部400と同じ茶色であるが、コンタクト部400より薄い茶色である。
【0055】
ターフ部500がマット本体部200と色が異なる茶色であることにより、ゴルフ練習用マット100の使用者は、ゴルフクラブを振った後、視覚的にターフが取れる感覚をもつことができる。
【0056】
本実施形態では、ターフ部500は、芝部材210と同じ人工芝で色が茶色になっている。
【0057】
なお、ターフ部500は、芝部材210の人工芝より短い人工芝でもよく、また、人工芝がなく色のみ異なる状態であってもよい。
【0058】
スパット部600は、使用者がボール配置部300に置かれたゴルフボールをゴルフクラブで打つときに、目標となるところである。
【0059】
スパット部600は、平面視において円形状であり、本実施形態では、直径が38mmであり、ボール配置部300と同じ大きさの円形状である。
【0060】
スパット部600は、複数から構成され、本実施形態では、スパット部600は、第1スパット部610、第2スパット部620、第3スパット部630とからなる。
【0061】
本実施形態におけるスパット部600は、ボール配置部300と同様に白色である。
【0062】
なお、スパット部600は、本実施形態では3カ所に設けられているが、その数は限定されない。
【0063】
第1スパット部610は、ターフ部500の前方側(x軸負方向側)に配置されており、第2スパット部620の後方側(x軸正方向側)に配置されている。
【0064】
第2スパット部620は、第1スパット部610の前方側(x軸負方向側)に配置されており、第3スパット部630の後方側(x軸正方向側)に配置されている。
【0065】
第3スパット部630は、第2スパット部620の前方側(x軸負方向側)に配置されている。
【0066】
図2に示すように、本実施形態では、ターフ部500の左端(x軸負方向側の端)から第1スパット部610の中心までの距離Aと、第1スパット部610の中心から第2スパット部620の中心までの距離Bと、第2スパット部620の中心から第3スパット部630の中心までの距離Cとは、同じであり、第1スパット部610、第2スパット部620及び第3スパット部630は一直線上にある。
【0067】
つまり、第1スパット部610、第2スパット部620及び第3スパット部630は、中心線L上に一直線上にあり、また、等間隔に配置されている。
【0068】
スパット部600が設けられていることにより、使用者はゴルフクラブでゴルフボールを打つとき、ボールの理想的な軌道をイメージし易くなる。
【0069】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【符号の説明】
【0070】
100…ゴルフ練習用マット
200…マット本体部
210…芝部材
220…ベース部材
300…ボール配置部
400…コンタクト部
500…ターフ部
600…スパット部
610…第1スパット部
620…第2スパット部
630…第3スパット部