(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176777
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】コンデンサ装置
(51)【国際特許分類】
H01G 2/08 20060101AFI20241212BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20241212BHJP
H01G 4/228 20060101ALI20241212BHJP
H01G 4/248 20060101ALI20241212BHJP
H01G 4/224 20060101ALI20241212BHJP
H01G 4/32 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01G2/08 A
H02M7/48 Z
H01G4/228 L
H01G4/248
H01G4/224 200
H01G4/32 531
H01G4/32 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095569
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 亮
【テーマコード(参考)】
5E082
5H770
【Fターム(参考)】
5E082AB05
5E082BC25
5E082CC06
5E082GG08
5E082HH03
5H770BA02
5H770DA03
5H770DA41
5H770PA12
5H770PA43
5H770QA12
5H770QA22
(57)【要約】
【課題】電気部品への電気的影響を小さくバスバーの放熱性能を向上させたコンデンサ装置を提供する。
【解決手段】コンデンサ装置は、コンデンサ20と、ケース70と、ケースカバー80と、を有する。コンデンサは、厚さ方向TDに離れた第1端面23と第2端面24に電極を有し、電気部品2,14に接続される。バスバーは電極および電気部品を電気的に接続する。ケースは、コンデンサおよびバスバーを収納する。ケースカバーは、ケースの外側からケースを覆い、ケースとともに冷媒流路151,152、153,154を形成する。バスバーは、厚さ方向に関して端面に重なる重複部41,51と、電気部品に接続される接続部43,45,53,55と、電気部品に非接続である非接続部46,56と、を備える。厚さ方向に直交する平面方向に関して、非接続部と冷媒流路の少なくとも一部が重なる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向(TD)に離れた第1端面(23)と第2端面(24)に電極を有し、電気部品(2,14)に接続されるコンデンサ(20)と、
前記電極および前記電気部品を電気的に接続するバスバー(40,50)と、
前記コンデンサおよび前記バスバーを内側の収納空間(78)に収納するケース(70)と、
前記ケースの外側から前記ケースを覆い、前記ケースとともに冷媒が流通可能な冷媒流路(151,152、153,154)を形成するケースカバー(80)と、を備え、
前記バスバーは、
前記厚さ方向に関して前記第1端面または前記第2端面に重なり前記電極に接続される重複部(41,51)と、
前記重複部に連なるとともに前記電気部品に接続される接続部(43,45,53,55)と、
前記重複部に連なるとともに前記電気部品に非接続である非接続部(46,56)と、を備え、
前記厚さ方向に直交する平面方向に関して、前記非接続部と前記冷媒流路の少なくとも一部が重なっているコンデンサ装置。
【請求項2】
前記重複部における、前記平面方向の1つである前記コンデンサと前記電気部品が並ぶ第1並び方向(DP)の端部に、前記接続部が連なり、
前記重複部における、前記平面方向における前記第1並び方向とは異なる第2並び方向(WD)の端部に、前記非接続部が連なり、
前記非接続部と前記冷媒流路の少なくとも一部とが前記第2並び方向で重なっている請求項1に記載のコンデンサ装置。
【請求項3】
前記非接続部が前記コンデンサの側面(25)に沿うように延び、
前記非接続部がさらに前記コンデンサと前記第2並び方向で重なっている請求項2に記載のコンデンサ装置。
【請求項4】
前記接続部は、前記重複部における前記第1並び方向の一端に連なりバッテリ(2)に接続されるバッテリ側接続部(43,53)と、前記重複部における前記第1並び方向の他端に連なりパワーモジュール(14)に接続されるパワーモジュール側接続部(45、55)と、を有し、
前記非接続部が前記重複部における前記第2並び方向の一端と他端の少なくとも一方に設けられ、
前記重複部における、前記第2並び方向の一端と他端の少なくとも一方に設けられた前記非接続部に、前記冷媒流路の少なくとも一部が前記第2並び方向で重なっている請求項3に記載のコンデンサ装置。
【請求項5】
前記バスバーは、前記第1端面および前記電気部品に接続される高電位側バスバー(40)と、前記第2端面および前記電気部品に接続される低電位側バスバー(50)と、を有し、
前記高電位側バスバーの前記バッテリ側接続部と前記低電位側バスバーの前記バッテリ側接続部が前記第1並び方向の一端で前記第2並び方向で重なり、
前記高電位側バスバーの前記パワーモジュール側接続部と前記低電位側バスバーの前記パワーモジュール側接続部が前記第1並び方向の他端で前記第2並び方向で重なり、
前記高電位側バスバーの前記非接続部、および、前記低電位側バスバーの前記非接続部、もしくは、前記高電位側バスバーの前記非接続部、または、前記低電位側バスバーの前記非接続部が、前記冷媒流路の少なくとも一部に前記第2並び方向で重なっている請求項4に記載のコンデンサ装置。
【請求項6】
前記非接続部と前記ケースとが接触している、または、前記非接続部と前記ケースとの間に放熱部材(160)が設けられ、前記放熱部材が前記ケースに接触している請求項5に記載のコンデンサ装置。
【請求項7】
前記ケースに連なり前記平面方向に延びて前記パワーモジュールが設けられるフレーム(130)と、
前記ケースカバーに連なり前記厚さ方向で前記フレームに重なるように前記平面方向に延びるフレームカバー(140)と、をさらに備え、
前記フレームカバーは、前記フレームとともに、前記冷媒流路であるケース冷媒流路(151、152,153,154)に連なる、フレーム冷媒流路(155,156)を形成し、
前記厚さ方向で前記フレーム冷媒流路の少なくとも一部に、前記パワーモジュールが重なっている請求項6に記載のコンデンサ装置。
【請求項8】
前記冷媒流路は前記コンデンサを囲むように延びている請求項1~7のいずれか1項に記載のコンデンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の開示は、コンデンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の蓄電モジュールは、複数の蓄電セルから成る積層体と、積層体の表面に配置され流路部が形成された樹脂プレートと、樹脂プレートに一体形成され複数の蓄電セルを電気的に接続するバスバーと、を備える。流路部はバスバーの一部を覆いつつ内部を冷却水が流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の蓄電モジュールにおいては、バスバーが隣合う蓄電セルを電気的に接続している。流路部はバスバーの一部を覆っているためにバスバーから冷却水に効率的に熱が放熱される。蓄電セルの積層方向にバスバーの長さを長くすると、流路部との重複部分が増大するとともに蓄電セル間の電気抵抗が増大する。特許文献1においては蓄電セルへの電気的影響を小さくバスバーの放熱性能を向上させることが難しかった。
【0005】
本開示の目的は、電気部品への電気的影響を小さくバスバーの放熱性能を向上させたコンデンサ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によるコンデンサ装置は、
厚さ方向(TD)に離れた第1端面(23)と第2端面(24)に電極を有し、電気部品(2,14)に接続されるコンデンサ(20)と、
電極および電気部品を電気的に接続するバスバー(40,50)と、
コンデンサおよびバスバーを内側の収納空間(78)に収納するケース(70)と、
ケースの外側からケースを覆い、ケースとともに冷媒が流通可能な冷媒流路(151,152、153,154)を形成するケースカバー(80)と、を備え、
バスバーは、
厚さ方向に関して第1端面または第2端面に重なり電極に接続される重複部(41,51)と、
重複部に連なるとともに電気部品に接続される接続部(43,45,53,55)と、
重複部に連なるとともに電気部品に非接続である非接続部(46,56)と、を備え、
厚さ方向に直交する平面方向に関して、非接続部と冷媒流路の少なくとも一部が重なっている。
【0007】
非接続部(46,56)の面積が増大するほど、冷媒流路(151,152、153,154)にコンデンサ(20)の熱が放熱される。非接続部は電気部品に非接続であるために、電気部品への電気的影響を小さく、非接続部の面積を増大できる。電気部品への電気的影響を小さくバスバーの放熱性能を向上させることができる。
【0008】
なお、上記の括弧内の参照番号は、後述の実施形態に記載の構成との対応関係を示すものに過ぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図6】
図2に示すVI-VI線に沿う断面図である。
【
図7】
図2に示すVII-VII線に沿う断面図である。
【
図8】
図2に示すVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図9】第2実施形態のコンデンサ装置の断面図である。
【
図10】第3実施形態のコンデンサ装置の断面図である。
【
図11】第4実施形態のコンデンサモジュールの斜視図である。
【
図12】第4実施形態のコンデンサ装置の断面図である。
【
図13】第5実施形態のコンデンサモジュールの斜視図である。
【
図14】第6実施形態の冷媒流路を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0011】
また、各実施形態で組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士、実施形態と変形例、および、変形例同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0012】
(第1実施形態)
<車載システム>
図1は、車載システム1に搭載される電力変換装置10の電気回路図である。車載システム1に、バッテリ2、モータジェネレータ4、および、電力変換装置10が搭載されている。車載システム1が搭載される車両は、エンジンの駆動力とモータジェネレータ4の駆動力とを切り替えて、及び/又は、組み合わせて走行可能なハイブリッド自動車である。エンジンとモータジェネレータ4とはギア装置を介して相互に連結されている。
【0013】
電力変換装置10は、インバータ11、コンデンサモジュール60、高電位側配線110、低電位側配線120、および、連結バスバー15を有する。高電位側配線110はバッテリ2の正極に接続される導電部材である。低電位側配線120はバッテリ2の負極に接続される導電部材である。コンデンサモジュール60は、コンデンサ20、高電位側配線110の一部、および、低電位側配線120の一部を有する。連結バスバー15は、インバータ11とモータジェネレータ4とを接続する導電部材である。
【0014】
インバータ11は、複数のスイッチモジュール12を有する。複数のスイッチモジュール12によってパワーモジュール14が構成されている。スイッチモジュール12はスイッチング素子13とダイオード13Aとを2つずつ有する。2つのスイッチング素子13は、高電位側配線110と低電位側配線120の間で直列接続されている。2つのスイッチング素子13のうち高電位側に設けられた1つのコレクタ電極に高電位側配線110につながる高電位側入力端子11Aが接続されている。2つのスイッチング素子13のうち低電位側に設けられた1つのエミッタに、低電位側配線120につながる低電位側入力端子11Bが接続されている。ダイオード13Aのアノードは対応するスイッチング素子13のエミッタに接続されている。ダイオード13Aのカソードは対応するスイッチング素子13のコレクタに接続されている。
【0015】
高電位側のスイッチング素子13のエミッタと低電位側のスイッチング素子13のコレクタに、モータジェネレータ4につながるモータ端子11Cが接続されている。複数のスイッチング素子13は、バッテリ2から供給される直流電力を、モータジェネレータ4が駆動可能な交流電力に変換する。電力変換された電力は連結バスバー15を介してモータジェネレータ4に供給される。複数のスイッチング素子13のゲート端子11Dは、図示しない制御回路基板に搭載された制御部に電気的に接続されている。複数のスイッチング素子13は制御部によってオンオフ制御されている。
【0016】
<コンデンサ装置の機械的構成>
次にコンデンサ装置100の機械的構成について説明する。コンデンサ装置100は、コンデンサモジュール60、封止樹脂30、ケース70、ケースカバー80、フレーム130、および、フレームカバー140を有する。コンデンサ装置100もまた車載システム1に搭載されている。
【0017】
上記したようにコンデンサモジュール60は、コンデンサ20、高電位側配線110の一部、および、低電位側配線120の一部を有する。コンデンサモジュール60が有する高電位側配線110の一部を高電位側バスバー40と称する場合がある。コンデンサモジュール60が有する低電位側配線120の一部を低電位側バスバー50と称する場合がある。コンデンサモジュール60は、コンデンサ20、高電位側バスバー40、および、低電位側バスバー50を有する。
【0018】
コンデンサ20に、高電位側バスバー40および低電位側バスバー50が電気的に接続されている。ケース70はこれらを収納するためのケース収納空間78を備える箱型の筐体である。ケース70は一例として樹脂部材を主材料に構成されている。なおケース70の材質は樹脂部材に限定されない。ケース70のケース収納空間78に封止樹脂30が充填されている。コンデンサ20、高電位側バスバー40の一部、および、低電位側バスバー50の一部が、封止樹脂30を介してケース70に固定されている。封止樹脂30は一例としてエポキシ樹脂である。なおコンデンサ装置100は封止樹脂30を有していなくても良い。第1実施形態では一例として封止樹脂30を有する構成について説明する。
【0019】
図2および
図3はコンデンサ装置100の平面図である。ケースカバー80とフレームカバー140をまとめてカバー80、140と称する場合がある。
図4はコンデンサモジュール60の斜視図である。
図5は冷媒流路150を説明する平面図である。
図6は
図2に示すVI-VI線に沿う断面図である。
図7は
図2に示すVII-VII線に沿う断面図である。
図8は
図2に示すVIII-VIII線に沿う断面図である。なお、
図6~
図8の矢印は冷媒の流れを表している。
図3には
図2と同じ位置に一点鎖線を付している。
【0020】
方向について、コンデンサ20の厚さ方向を、厚さ方向TDと称する場合がある。厚さ方向TDに直交する一方向を幅方向WDと称する場合がある。厚さ方向TDと幅方向WDに直交する方向を奥行方向DPと称する場合がある。厚さ方向TD、幅方向WD、および、奥行方向DPは互いに直交する3方向である。厚さ方向TDに直交する方向を平面方向と称する場合がある。奥行方向DPを第1並び方向と称する場合がある。幅方向WDを第2並び方向と称する場合がある。
【0021】
図7に示すようにケース70は、厚さ方向TDに厚さを有するケース底71と、ケース底71から環状に立ち上がるケース側壁72を有する。ケース底71とケース側壁72によって、ケース収納空間78が区画されている。またケース側壁72におけるケース底71から離れたケース側壁端部77によって、厚さ方向TDに開口するケース開口79が区画されている。
図2および
図6に示すようにケース側壁72は、幅方向WDに並ぶ第1ケース壁部73および第3ケース壁部75と、奥行方向DPに並ぶ第2ケース壁部74および第4ケース壁部76を備える。第1ケース壁部73、第2ケース壁部74、第3ケース壁部75、および、第4ケース壁部76が、時計回りにこの順で環状に連続している。
【0022】
ケースカバー80はケース側壁72を外側から覆うカバーである。ケースカバー80は、厚さ方向TDに厚さを有するカバー底81と、カバー底81から環状に立ち上がるカバー側壁82を有する。カバー底81とカバー側壁82によって、カバー収納空間88が区画されている。カバー側壁82におけるカバー底81から離れたカバー側壁端部87によって、厚さ方向TDに開口するカバー開口89が区画されている。
【0023】
カバー側壁82は、幅方向WDに並ぶ第1カバー壁部83および第3カバー壁部85と、奥行方向DPに並ぶ第2カバー壁部84および第4カバー壁部86を備える。第1カバー壁部83、第2カバー壁部84、第3カバー壁部85、および、第4カバー壁部86が、時計回りにこの順で環状に連続している。カバー開口89はケース70の体格よりも大きい。カバー収納空間88にケース70が収納されている。ケース側壁72とカバー側壁82の間に空隙が設けられている。
【0024】
フレーム130はパワーモジュール14が搭載される土台である。フレーム130は厚さ方向TDに厚さの薄い扁平形状をしている。フレーム130はケース70と同一材料で連続している。フレーム130はケース側壁72に一体的に連なっている。フレーム130はケース側壁72から遠ざかるように平面方向に延びている。フレーム130における第1ケース壁部73に連なる部位を第1ケース連結部133と称する場合がある。フレーム130における第2ケース壁部74に連なる部位を第2ケース連結部134と称する場合がある。フレーム130における第3ケース壁部75に連なる部位を第3ケース連結部135と称する場合がある。フレーム130における第4ケース壁部76に連なる部位を第4ケース連結部136と称する場合がある。
【0025】
第4ケース連結部136は奥行方向DPにパワーモジュール14の体格以上に延びている。第4ケース連結部136は、第4ケース壁部76から延びる連結部136Aと、連結部136Aの端部でパワーモジュール14が搭載される搭載部136Bと、を有している。
【0026】
フレームカバー140はフレーム130の一部を覆うカバーである。フレームカバー140はカバー側壁82に一体的に連なっている。フレームカバー140はカバー側壁82から遠ざかるように平面方向に延びている。フレームカバー140における第1カバー壁部83に連なる部位を第1カバー連結部143と称する場合がある。フレームカバー140における第2カバー壁部84に連なる部位を第2カバー連結部144と称する場合がある。フレームカバー140における第3カバー壁部85に連なる部位を第3カバー連結部145と称する場合がある。フレームカバー140における第4カバー壁部86に連なる部位を第4カバー連結部146と称する場合がある。
【0027】
第4カバー連結部146は奥行方向DPにパワーモジュール14の体格以上に延びている。第4ケース連結部136は、第4カバー壁部86から延びる連結部146Aと、連結部146Aの端部でパワーモジュール14が搭載される搭載部146Bと、を有している。
【0028】
<冷媒流路>
第1ケース連結部133と第1カバー連結部143が厚さ方向TDで重なっている。第2ケース連結部134と第2カバー連結部144が厚さ方向TDで重なっている。第3ケース連結部135と第3カバー連結部145が厚さ方向TDで重なっている。第4ケース連結部136と第4カバー連結部146が厚さ方向TDで重なっている。
図7に示すように、第1ケース連結部133と第1カバー連結部143とが密着している。第1ケース連結部133と第1カバー連結部143が密着することによって、第1ケース壁部73と第1カバー壁部83との間の空隙が閉塞されている。第1ケース壁部73と第1カバー壁部83との間の空隙は冷媒が流通可能な冷媒流路である。そのために第1ケース壁部73と第1カバー壁部83との間の空隙を第1壁部側冷媒流路151と称する場合がある。
【0029】
第3ケース連結部135と第3カバー連結部145とが密着している。第3ケース連結部135と第3カバー連結部145が密着することによって、第3ケース壁部75と第3カバー壁部85との間の空隙が閉塞されている。第3ケース壁部75と第3カバー壁部85との間の空隙は冷媒が流通可能な冷媒流路である。そのために第3ケース壁部75と第3カバー壁部85との間の空隙を第3壁部側冷媒流路153と称する場合がある。なお、第2ケース壁部74と第2カバー壁部84の間の空隙においても同様である。第2ケース壁部74と第2カバー壁部84の間の空隙を第2壁部側冷媒流路152と称する場合がある。第4ケース壁部76と第4カバー壁部86との間の空隙においても同様である。第4ケース壁部76と第4カバー壁部86の間の空隙を第4壁部側冷媒流路154と称する場合がある。
【0030】
さらに第2ケース連結部134と第2カバー連結部144の間にも冷媒が流通可能な程度の空隙を有する冷媒流路が形成される。第2ケース連結部134と第2カバー連結部144の間の冷媒流路はコンデンサ装置100の外側へ排出される排出口へ連なる。第2ケース連結部134と第2カバー連結部144の間の冷媒流路を排出口側冷媒流路155と称される場合がある。第4ケース連結部136と第4カバー連結部146の間にも冷媒が流通可能な程度の空隙を有する冷媒流路が形成される。第4ケース連結部136と第4カバー連結部146は奥行方向DPにパワーモジュール14の体格以上の長さを有している。
【0031】
第4ケース連結部136と第4カバー連結部146の間の冷媒流路はコンデンサ20から離れた端部において厚さ方向TDでパワーモジュール14に重なる。第4ケース連結部136と第4カバー連結部146の間の冷媒流路によってパワーモジュール14が冷却される。第4ケース連結部136と第4カバー連結部146の間の冷媒流路を流入側冷媒流路156と称する場合がある。搭載部136Bと搭載部146Bとによって第1流入側冷媒流路156Bが形成されている。連結部136Aと連結部146Aとによって第2流入側冷媒流路156Aが形成されている。
【0032】
流入側冷媒流路156に第4壁部側冷媒流路154が連なっている。第4壁部側冷媒流路154に第2壁部側冷媒流路152が連なっている。第1壁部側冷媒流路151と第3壁部側冷媒流路153に第2壁部側冷媒流路152と第4壁部側冷媒流路154が連なっている。第2壁部側冷媒流路152に排出口側冷媒流路155が連なっている。第4壁部側冷媒流路154に流入側冷媒流路156が連なっている。
【0033】
冷媒が第1流入側冷媒流路156Bから第2流入側冷媒流路156Aに流れる。冷媒が第2流入側冷媒流路156Aから第4壁部側冷媒流路154に流れる。冷媒が第4壁部側冷媒流路154から第1壁部側冷媒流路151および第3壁部側冷媒流路153に分かれて流れる。冷媒が第1壁部側冷媒流路151および第3壁部側冷媒流路153から第2壁部側冷媒流路152に流れる。冷媒が第2壁部側冷媒流路152から排出口側冷媒流路155に流れてコンデンサ装置100の外部に排出される。第1壁部側冷媒流路151~流入側冷媒流路156を合わせて単に冷媒流路150と称する場合がある。冷媒流路150を通る冷媒は一例として冷却水である。なお、冷媒は冷却水に限定されない、空気や冷媒ガスなどであってもよい。
【0034】
第1壁部側冷媒流路151、第2壁部側冷媒流路152、第3壁部側冷媒流路153、および、第4壁部側冷媒流路154はケース70とカバー80の間に形成される冷媒流路である。第1壁部側冷媒流路151、第2壁部側冷媒流路152、第3壁部側冷媒流路153、および、第4壁部側冷媒流路154を合わせてケース冷媒流路と称する場合がある。流入側冷媒流路156は第4ケース連結部136と第4カバー連結部146の間に形成される冷媒流路である。流入側冷媒流路156をフレーム冷媒流路と称する場合がある。
【0035】
<コンデンサモジュール>
コンデンサ20は一例として2つのコンデンサ素子21、22を有する。2つのコンデンサ素子21、22のうちの1つを第1コンデンサ素子21と称する場合がある。2つのコンデンサ素子21、22のうちの別の1つを第2コンデンサ素子22と称する場合がある。第1コンデンサ素子21と第2コンデンサ素子22を合わせてコンデンサ素子21、22と称する場合がある。コンデンサ20は1つのコンデンサ素子のみを有する場合であってもよく3つ以上のコンデンサ素子を有する場合であってもよい。
【0036】
コンデンサ素子21、22は、フィルムコンデンサである。フィルムコンデンサは、誘電体フィルムに金属蒸着電極が設けられ、金属蒸着電極が対向するように、誘電体フィルムが巻き回されたものである。フィルムコンデンサの両端面に、金属が溶射されることでメタリコン電極が形成されている。コンデンサ素子21、22は、一定の体積をもつ立体形状である。コンデンサ素子21、22は、例えば、円柱、楕円柱などの立体形状によって提供される場合がある。コンデンサ素子21、22は、厚さ方向TDに離れた2つの端面23、24と、2つの端面23、24をつなぐ側面25を有している。
【0037】
2つの端面23、24のうちの1つが厚さ方向TDに関してケース底71に重なっている。2つの端面23、24のうちの別の1つがケース開口79側に設けられている。2つの端面23、24のうちのケース底71に重なる1つを第1端面23と称する場合がある。2つの端面23、24のうちケース底71から離間する1つを第2端面24と称する場合がある。
【0038】
第1端面23にメタリコン電極である第1電極が設けられている。第2端面24にメタリコン電極である第2電極が設けられている。第1電極と第2電極が厚さ方向TDに離間して設けられている。側面25は、第1端面23と第2端面24とをつないでいる。側面25は、第1端面23と第2端面24の縁に沿うように延びている。側面25は、厚さ方向TDに沿う軸を中心に周方向に第1端面23と第2端面24の縁に沿って延びているとも言える。2つのコンデンサ素子21、22はケース収納空間78において奥行方向DPに並んでいる。第1コンデンサ素子21が第2コンデンサ素子22よりも第4ケース壁部76の近くに設けられている。第1コンデンサ素子21の第1電極と第2コンデンサ素子22の第1電極に高電位側バスバー40が接続されている。第1コンデンサ素子21の第2電極と第2コンデンサ素子22の第2電極に低電位側バスバー50が接続されている。
【0039】
<高電位側バスバー>
高電位側バスバー40は金属製の板を折り曲げた導電部材である。高電位側バスバー40は、第1重複部41、バッテリ側第1突出部42、バッテリ側第1接続部43、パワーモジュール側第1突出部44、パワーモジュール側第1接続部45、および、高電位側非接続部46を有する。第1重複部41は厚さ方向TDでケース底71に重複する部位である。第1重複部41は厚さ方向TDに関して第1コンデンサ素子21の第1電極と第2コンデンサ素子22の第1電極に厚さ方向TDで重複する部位であるとも言える。第1重複部41は平面方向に広がっている。なお、高電位側バスバー40は底側バスバーと称される場合もある。
【0040】
第1重複部41における第2ケース壁部74側の端部に、バッテリ側第1突出部42が設けられている。バッテリ側第1突出部42は第1重複部41から遠ざかるように厚さ方向TDに突出している。バッテリ側第1突出部42におけるケース底71から離れた端部であるバッテリ側第1突出端部42Aは、ケース側壁端部77よりもケース底71から離れている。バッテリ側第1突出端部42Aがケース開口79から露出されている。
【0041】
バッテリ側第1突出端部42Aにバッテリ側第1接続部43が設けられている。バッテリ側第1接続部43はコンデンサ20とバッテリ2とを電気的に接続する部位である。バッテリ側第1接続部43はバッテリ側第1突出端部42Aから遠ざかるように奥行方向DPに延びている。バッテリ側第1接続部43は幅方向WDにケース側壁端部77を越えて第2ケース壁部74の外側まで延びている。
【0042】
第1重複部41における第4ケース壁部76側の端部に、パワーモジュール側第1突出部44が設けられている。パワーモジュール側第1突出部44はケース底71から遠ざかるように厚さ方向TDに突出している。パワーモジュール側第1突出部44におけるケース底71から離れた端部であるパワーモジュール側第1突出端部44Aは、ケース側壁端部77よりもケース底71から離れている。パワーモジュール側第1突出端部44Aがケース開口79から露出されている。
【0043】
パワーモジュール側第1突出端部44Aにパワーモジュール側第1接続部45が設けられている。パワーモジュール側第1接続部45はコンデンサ20とパワーモジュール14とを電気的に接続する部位である。パワーモジュール側第1接続部45はパワーモジュール側第1突出端部44Aから遠ざかるように奥行方向DPに延びている。パワーモジュール側第1接続部45は奥行方向DPにケース側壁端部77を越え第4ケース壁部76の外側まで延びている。
【0044】
第1重複部41における第3ケース壁部75側の端部に、高電位側非接続部46が設けられている。高電位側非接続部46はバッテリ2およびパワーモジュール14に非接続である部位である。高電位側非接続部46の端部は開放端である。高電位側非接続部46はケース底71から遠ざかるように厚さ方向TDに突出している。高電位側非接続部46におけるケース底71から離れた端部である高電位側非接続端部46Aは、第2端面24よりもケース底71側に設けられている。なお高電位側非接続端部46Aは第2重複部51との絶縁性が取れる程度に離れている。高電位側非接続端部46Aは可能な限り延長していることが望ましい。
【0045】
高電位側非接続部46はコンデンサ20における第3ケース壁部75側の側面25に幅方向WDで重なっている。高電位側非接続部46の奥行方向DPの長さは、コンデンサ素子21,22の1つの奥行方向DPの長さよりも長い。高電位側非接続部46は奥行方向DPに第1コンデンサ素子21と第2コンデンサ素子22に渡って延びている。
【0046】
第1重複部41、バッテリ側第1突出部42の一部、パワーモジュール側第1突出部44の一部、および、高電位側非接続部46がケース収納空間78に設けられている。第1重複部41、バッテリ側第1突出部42の一部、パワーモジュール側第1突出部44の一部、および、高電位側非接続部46が封止樹脂30を介してケース70に固定されている。第3ケース壁部75と高電位側非接続部46との間に封止樹脂30が介在している。高電位側非接続部46とコンデンサ素子21、22の間に封止樹脂30が介在している。
【0047】
バッテリ2からパワーモジュール14に向かって高電位側バスバー40に電流が流れる。電流は、バッテリ側第1接続部43、バッテリ側第1突出部42、第1重複部41、パワーモジュール側第1突出部44、パワーモジュール側第1接続部45の順に流れる。バッテリ側第1接続部43、バッテリ側第1突出部42、第1重複部41、パワーモジュール側第1突出部44、パワーモジュール側第1接続部45はバッテリ2からパワーモジュール14に電流が流れる最短の通電経路である。
【0048】
高電位側非接続部46は第1重複部41におけるバッテリ側第1突出部42とパワーモジュール側第1突出部44が設けられる端部とは異なる端部に連なっている。高電位側非接続部46はバッテリ2からパワーモジュール14への最短通電経路から外れている。高電位側非接続部46はバッテリ2からパワーモジュール14への最短通電経路を通る電流が非通電であるために非通電経路と称される場合もある。高電位側非接続部46は第3ケース壁部75側でコンデンサ20に幅方向WDで重なっている。
【0049】
<低電位側バスバー>
低電位側バスバー50は金属製の板を折り曲げた導電部材である。低電位側バスバー50は、第2重複部51、バッテリ側第2突出部52、バッテリ側第2接続部53、パワーモジュール側第2突出部54、パワーモジュール側第2接続部55、および、低電位側非接続部56を有する。第2重複部51は厚さ方向TDでケース底71から離れている。第2重複部51は、第1コンデンサ素子21の第2電極と第2コンデンサ素子22の第2電極に厚さ方向TDで重複する部位である。第2重複部51は平面方向に広がっている。なお、低電位側バスバー50は開口側バスバーと称される場合もある。
【0050】
第2重複部51における第2ケース壁部74側の端部に、バッテリ側第2突出部52が設けられている。バッテリ側第2突出部52は第2重複部51から遠ざかるように厚さ方向TDに突出している。バッテリ側第2突出部52における第2電極から離れた端部であるバッテリ側第2突出端部52Aは、ケース側壁端部77よりも第2電極から離れている。バッテリ側第2突出端部52Aがケース開口79から露出されている。
【0051】
バッテリ側第2突出端部52Aにバッテリ側第2接続部53が設けられている。バッテリ側第2接続部53はコンデンサ20とバッテリ2とを電気的に接続する部位である。バッテリ側第2接続部53はバッテリ側第2突出端部52Aから遠ざかるように奥行方向DPに延びている。バッテリ側第2接続部53は奥行方向DPにケース側壁端部77を越えて第2ケース壁部74の外側まで延びている。
【0052】
第2重複部51における第4ケース壁部76側の端部に、パワーモジュール側第2突出部54が設けられている。パワーモジュール側第2突出部54は第2電極から遠ざかるように厚さ方向TDに突出している。パワーモジュール側第2突出部54における第2電極から離れた端部であるインバータ側第2突出端部54Aは、ケース側壁端部77よりも第2電極から離れている。インバータ側第2突出端部54Aがケース開口79から露出されている。
【0053】
インバータ側第2突出端部54Aにパワーモジュール側第2接続部55が設けられている。パワーモジュール側第2接続部55はコンデンサ20とバッテリ2とを電気的に接続する部位である。パワーモジュール側第2接続部55はインバータ側第2突出端部54Aから遠ざかるように奥行方向DPに延びている。パワーモジュール側第2接続部55は奥行方向DPにケース側壁端部77を越え第4ケース壁部76の外側まで延びている。
【0054】
第2重複部51における第1ケース壁部73側の端部に、低電位側非接続部56が設けられている。低電位側非接続部56はバッテリ2およびパワーモジュール14に非接続である部位である。低電位側非接続部56の端部は開放端である。低電位側非接続部56はケース底71に向かって厚さ方向TDに突出している。低電位側非接続部56におけるケース底71側の端部である低電位側非接続端部56Aは、第1端面23よりもケース底71から離れて設けられている。なお低電位側非接続端部56Aは第1重複部41との絶縁性が取れる程度に離れている。低電位側非接続端部56Aは可能な限り延長していることが望ましい。
【0055】
低電位側非接続部56はコンデンサ素子21,22における第1ケース壁部73側の側面25に幅方向WDで重なっている。低電位側非接続部56の奥行方向DPの長さは、コンデンサ素子21,22の1つの奥行方向DPの長さよりも長い。低電位側非接続部56は奥行方向DPに第1コンデンサ素子21と第2コンデンサ素子22に渡って延びている。
【0056】
第2重複部51、バッテリ側第2突出部52の一部、パワーモジュール側第2突出部54の一部、および、低電位側非接続部56がケース収納空間78に設けられている。第2重複部51、バッテリ側第2突出部52の一部、パワーモジュール側第2突出部54の一部、および、低電位側非接続部56が封止樹脂30を介してケース70に固定されている。第1ケース壁部73と低電位側非接続部56との間に封止樹脂30が介在している。低電位側非接続部56とコンデンサ素子21、22の間に封止樹脂30が介在している。
【0057】
バッテリ2からパワーモジュール14に向かって低電位側バスバー50に電流が流れる。電流は、バッテリ側第2接続部53、バッテリ側第2突出部52、第2重複部51、パワーモジュール側第2突出部54、パワーモジュール側第2接続部55の順に流れる。バッテリ側第2接続部53、バッテリ側第2突出部52、第2重複部51、パワーモジュール側第2突出部54、パワーモジュール側第2接続部55はバッテリ2からパワーモジュール14に電流が流れる最短の通電経路である。
【0058】
低電位側非接続部56は第2重複部51におけるバッテリ側第2突出部52とパワーモジュール側第2突出部54が設けられる端部とは異なる端部に連なっている。低電位側非接続部56はバッテリ2からパワーモジュール14への最短通電経路から外れている。低電位側非接続部56はバッテリ2からパワーモジュール14への最短通電経路を通る電流が非通電であるために非通電経路と称される場合もある。低電位側非接続部56は第1ケース壁部73側でコンデンサ20に幅方向WDで重なっている。
【0059】
<バスバーと冷媒流路>
幅方向WDで第1ケース壁部73に低電位側非接続部56が重なっている。奥行方向DPで第2ケース壁部74にバッテリ側第1突出部42およびバッテリ側第2突出部52が重なっている。幅方向WDで第3ケース壁部75に高電位側非接続部46が重なっている。奥行方向DPで第4ケース壁部76にパワーモジュール側第1突出部44およびパワーモジュール側第2突出部54が重なっている。
【0060】
幅方向WDで第1壁部側冷媒流路151に低電位側非接続部56が重なっている。奥行方向DPで第2壁部側冷媒流路152にバッテリ側第1突出部42およびバッテリ側第2突出部52が重なっている。幅方向WDで第3壁部側冷媒流路153に高電位側非接続部46が重なっている。奥行方向DPで第4壁部側冷媒流路154にパワーモジュール側第1突出部44およびパワーモジュール側第2突出部54が重なっている。冷媒流路150には冷却水が流されている。
【0061】
低電位側非接続部56から、第1壁部側冷媒流路151に流れる冷媒にコンデンサ素子21,22の熱が放熱されている。バッテリ側第1突出部42およびバッテリ側第2突出部52から、第2壁部側冷媒流路152に流れる冷媒にコンデンサ素子21,22の熱が放熱されている。高電位側非接続部46から、第3壁部側冷媒流路153に流れる冷媒にコンデンサ素子21,22の熱が放熱されている。パワーモジュール側第1突出部44およびパワーモジュール側第2突出部54から、第4壁部側冷媒流路154に流れる冷媒にコンデンサ素子21,22の熱が放熱されている。また厚さ方向TDで第1流入側冷媒流路156Bにパワーモジュール14が重なっている。パワーモジュール14から、第1流入側冷媒流路156Bに流れる冷媒にパワーモジュール14の熱が放熱されている。
【0062】
<作用効果>
以下第1実施形態から奏せられる効果について述べる。効果を述べるに当たって、これまでに説明した構成要素をまとめて記載することがある。バッテリ2とパワーモジュール14を合わせて電気部品2、14と称する場合がある。第1重複部41と第2重複部51を合わせて重複部41,51と称する場合がある。バッテリ側第1接続部43、パワーモジュール側第1接続部45、バッテリ側第2接続部53、パワーモジュール側第2接続部55を合わせて、接続部43,45、53,55と称する場合がある。高電位側非接続部46と低電位側非接続部56を合わせて非接続部46、56と称する場合がある。第1コンデンサ素子21と第2コンデンサ素子22をまとめてコンデンサ素子21,22と称する場合がある。
【0063】
コンデンサ装置100は、コンデンサ20、高電位側バスバー40、低電位側バスバー50、ケース70、および、ケースカバー80を有する。コンデンサ20は、高電位側バスバー40および低電位側バスバー50を介して、電気部品2,14に電気的に接続されている。ケース70のケース収納空間78にコンデンサ20、高電位側バスバー40の一部、および、低電位側バスバー50の一部が収納されている。
【0064】
ケースカバー80はケース70を外側から覆っている。ケース70とケースカバー80との間に冷媒が流通可能な冷媒流路150が形成されている。高電位側バスバー40は、第1重複部41、バッテリ側第1接続部43、パワーモジュール側第1接続部45、および、高電位側非接続部46を有する。低電位側バスバー50は、第2重複部51、バッテリ側第2接続部53、パワーモジュール側第2接続部55、および、低電位側非接続部56を有する。重複部41,51は厚さ方向TDに関して第1端面23または第2端面24に重なり電極に接続されている。接続部43,45、53,55は重複部41,51に連なるとともに電気部品2,14に接続されている。非接続部46,56は重複部41,51に連なるとともに電気部品2,14に非接続である。平面方向で非接続部46,56と冷媒流路150の一部とが重なっている。
【0065】
コンデンサ20の熱が非接続部46,56から冷媒流路150に流れる冷媒に放熱される。非接続部46,56は電気部品2,14に非接続であるために非接続部46,56の面積を増大させても電気部品2,14への電気的影響が少ない。非接続部46,56の面積が増大するほど、冷媒流路150にコンデンサ20の熱が放熱される。電気部品2,14への電気的影響を少なく非接続部46,56から冷媒流路150に効率良くコンデンサ20の熱を放熱できる。電気部品2,14への電気的影響を小さくバスバーの放熱性能を向上させることができる。また非接続部46,56の設計の自由度が高い。
【0066】
本実施形態とは異なり、平面方向で非接続部46,56と冷媒流路150とが重ならない構成においては、ケース側壁72とコンデンサ20までの介在する材料数は減る。しかしながらケース側壁72からコンデンサ20までの絶縁を確保するため、ケース側壁72とコンデンサ20の間に空気や絶縁のポッティング材を介する必要がある。この場合空気やポッティング材は熱伝導が悪く、効率よくコンデンサ20の熱を伝えることが困難である。
【0067】
これに対して本実施形態のように平面方向で非接続部46,56と冷媒流路150とが重なる構成においては、非接続部46,56が空気やポッティング材よりも熱伝導が良い.そのために、非接続部46,56から冷媒流路150に効率よくコンデンサ20の熱を放熱できる。側壁72とコンデンサ20の間に封止樹脂30を介して非接続部46,56が設けられていても、側壁72とコンデンサ20の間に封止樹脂30のみが設けられる場合と比較して効率よくコンデンサ20の熱を冷媒流路150に伝えることができる。また非接続部46,56はバスバー40、50の一部であるため新たに部品を追加する点がなく部品点数の増大が抑制できる。
【0068】
接続部43,45、53,55は、重複部41,51における電気部品2,14に奥行方向DPで重なる端部に連なっている。非接続部46,56は、重複部41,51における電気部品2,14に非重複である端部に連なっている。非接続部46,56は、幅方向WDで冷媒流路150に重なっている。接続部43,45、53,55と非接続部46,56が重複部41,51の異なる端部に連なっている。そのために非接続部46,56が面積の制約を受けづらい。非接続部46,56の面積増大の自由度が高い。
【0069】
非接続部46,56がコンデンサ素子21,22の側面25に沿うように延びている。幅方向WDに関して非接続部46,56がコンデンサ素子21,22と冷媒流路150に重なっている。非接続部46,56がコンデンサ素子21,22に幅方向WDに重なっているためにコンデンサ素子21,22から非接続部46,56に熱が輻射されやすい。コンデンサ素子21,22の熱を非接続部46,56から効率的に冷媒流路150に放熱できる。また非接続部46,56とコンデンサ素子21,22とが平面方向で重なっているために厚さ方向TDに体格が増大することを抑制できる。
【0070】
接続部43,45、53,55は、重複部41,51の奥行方向DPの一端に連なるバッテリ側接続部43,53と、重複部41,51の奥行方向DPの他端に連なるパワーモジュール側接続部45、55を有する。高電位側非接続部46が第1重複部41における幅方向WDの一端に設けられている。低電位側非接続部56が第2重複部51における幅方向WDの他端に設けられている。高電位側非接続部46が第3壁部側冷媒流路153に幅方向WDで重なっている。低電位側非接続部56が第1壁部側冷媒流路151に幅方向WDで重なっている。高電位側非接続部46から第3壁部側冷媒流路153にコンデンサ20の熱が放熱される。低電位側非接続部56から第1壁部側冷媒流路151にコンデンサ20の熱が放熱される。これによれば、パワーモジュール14への通電経路のインダクタンス成分の増大を抑えつつ効率よくコンデンサ素子21,22の熱を放熱できる。
【0071】
バスバー40、50は、第1電極および電気部品2,14に接続される高電位側バスバー40と、第2電極および電気部品2,14に接続される低電位側バスバー50を有する。高電位側バスバー40のバッテリ側第1突出部42と低電位側バスバー50のバッテリ側第2突出部52とが幅方向WDで重なっている。高電位側バスバー40のパワーモジュール側第1突出部44と低電位側バスバー50のパワーモジュール側第2突出部54が幅方向WDで重なっている。高電位側非接続部46、および、低電位側非接続部56が冷媒流路150に幅方向WDで重なっている。非接続部46、56が接続部43,45,53,55とは異なる端部に設けられているために、非接続部46、56と接続部43,45,53,55との絶縁を考慮する必要ない。高電位側バスバー40の非接続部46、および、低電位側バスバー50の非接続部56の面積を大きくして効率よくコンデンサ20の熱を放熱できる。
【0072】
コンデンサ装置100は、さらにフレーム130とフレームカバー140を有する。フレーム130はパワーモジュール14が搭載される土台である。フレーム130はケース側壁72に一体的に連なっている。フレーム130はケース側壁72から遠ざかるように平面方向に延びている。フレームカバー140はフレーム130の一部を覆うカバーである。フレームカバー140はカバー側壁82に一体的に連なっている。フレームカバー140はカバー側壁82から遠ざかるように平面方向に延びている。フレームカバー140はフレーム130とともに第4壁部側冷媒流路154に連なる流入側冷媒流路156を形成する。厚さ方向TDで流入側冷媒流路156の一部にパワーモジュール14が重なる。パワーモジュール14を冷却する冷媒流路とコンデンサ20を冷却する冷媒流路とを一体化できるため、部品点数を抑制しつつコンデンサ20を効率的に放熱できる。
【0073】
冷媒流路150は、第1壁部側冷媒流路151、第2壁部側冷媒流路152、第3壁部側冷媒流路153、および、第4壁部側冷媒流路154を有する。第1壁部側冷媒流路151は低電位側非接続部56に幅方向WDで重なっている。第2壁部側冷媒流路152はバッテリ側第1突出部42およびバッテリ側第2突出部52に奥行方向DPで重なっている。第3壁部側冷媒流路153は高電位側非接続部46に幅方向WDで重なっている。第4壁部側冷媒流路154はパワーモジュール側第1突出部44およびパワーモジュール側第2突出部54に奥行方向DPで重なっている。冷媒流路150はコンデンサ20を囲むように延びている。これによれば接続部43,45、53,55と非接続部46,56の両方からコンデンサ20の熱を冷媒流路150に放熱可能であるためにコンデンサ20の熱を効率的に放熱可能である。
【0074】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態のコンデンサ装置100の断面図である。第2実施形態の非接続部46、56は板ばねである。非接続部46、56はばね変形する性質を有する。非接続部46、56は、ケース70内に収容された状態で撓んでケース側壁72,74に接触している。非接続部46、56がケース側壁72,74に密着している。これによればコンデンサ20の熱が非接続部46、56から冷媒流路150に効率的に放熱される。
【0075】
(第3実施形態)
図10は第3実施形態のコンデンサ装置100の断面図である。コンデンサ装置100はさらに放熱部材160を有していても良い。放熱部材160としては、熱伝導シート、グリス状のサーマルインターフェイス材などがある。低電位側非接続部56と第1ケース壁部73の間に放熱部材160が設けられている。高電位側非接続部46と第3ケース壁部75の間に放熱部材160が設けられている。第1ケース壁部73側に設けられた放熱部材160が第1ケース壁部73に接触している。第3ケース壁部75側に設けられた放熱部材160が第3ケース壁部75に接触している。低電位側非接続部56が放熱部材160を介して第1ケース壁部73に接触している。高電位側非接続部46が放熱部材160を介して第3ケース壁部75に接触している。これによれば、コンデンサ20の熱が非接続部46、56から冷媒流路150に効率的に放熱される。なお、高電位側非接続部46と第1ケース壁部73の間の放熱部材160と、低電位側非接続部56と第3ケース壁部75の間の放熱部材160とは種類が異なっていても良い。
【0076】
(第4実施形態)
図11は第4実施形態のコンデンサ装置100の斜視図である。
図12は第4実施形態のコンデンサ装置100の断面図である。第4実施形態の低電位側バスバー50は低電位側非接続部56を2つ有する。第4実施形態の高電位側バスバー40は高電位側非接続部46を有さない。2つの低電位側非接続部56のうちの1つが第1重複部41の第1ケース壁部73側の端部に設けられている。2つの低電位側非接続部56のうちの別の1つが第1重複部41の第3ケース壁部75側の端部に設けられている。
【0077】
第1ケース壁部73側の低電位側非接続部56がコンデンサ20に沿うように延びている。第1ケース壁部73側の低電位側非接続部56が幅方向WDで第1壁部側冷媒流路151およびコンデンサ20に重なっている。第3ケース壁部75側の低電位側非接続部56が幅方向WDで第3壁部側冷媒流路153およびコンデンサ20に重なっている。コンデンサ20の熱が第1ケース壁部73側の低電位側非接続部56および第3ケース壁部75側の低電位側非接続部56から冷媒流路151、153に効率的に放熱される。これによっても第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0078】
なお、高電位側バスバー40が高電位側非接続部46を2つ有し、低電位側バスバー50が低電位側非接続部56を有さない形態であってもよい。非接続部46、56としてコンデンサ装置100は高電位側非接続部46を1つのみ有していてもよい、低電位側非接続部56を1つのみ有していても良い。
【0079】
(第5実施形態)
図13は第5実施形態のコンデンサ装置100の斜視図である。第1端面23が第2ケース壁部74に重なり第2端面24が第4ケース壁部76に重なるようにコンデンサ20がケース70に設けられていても良い。その場合においても高電位側非接続部46および低電位側非接続部56が冷媒流路150に幅方向WDで重なる。例えば高電位側非接続部46が第1壁部側冷媒流路151に幅方向WDで重なる。低電位側非接続部56が第3壁部側冷媒流路153に幅方向WDで重なる。また第1重複部41が第2壁部側冷媒流路152に奥行方向DPで重なる。第2重複部51が第4壁部側冷媒流路154に奥行方向DPで重なる。第1重複部41、高電位側非接続部46、第2重複部51、および、低電位側非接続部56から冷媒流路150にコンデンサ20の熱が放熱される。
【0080】
(第6実施形態)
図14は第6実施形態の冷媒流路150を説明する平面図である。第6実施形態の冷媒流路150は第1壁部側冷媒流路151、第2壁部側冷媒流路152、第3壁部側冷媒流路153、排出口側冷媒流路155、および、流入側冷媒流路156を有する。冷媒流路150は第1ケース壁部73、第2ケース壁部74の第1ケース壁部73側、および、第4ケース壁部76の第1ケース壁部73側に沿うように延びている。低電位側非接続部56が第1壁部側冷媒流路151に幅方向WDで重なっている。これによっても第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0081】
(その他の変形例)
その他にも冷媒として空気が適用される場合もある。その場合においても高電位側非接続部46および低電位側非接続部56を介して空気にコンデンサ20の熱が放熱される。冷媒に空気が適用される場合、ケース側壁72およびカバー側壁82の冷媒流路150を区画する面に、フィンと呼ばれる突起などが設けられていても良い。これによればケース側壁72およびカバー側壁82の空気との接触面積が増大する。それに伴ってコンデンサ20の熱が効率的に空気に放熱される。
【0082】
またケース70が樹脂部材から成る樹脂ケースである場合、高電位側バスバー40および低電位側バスバー50をケース70と一体成形することも考えられる。高電位側バスバー40および低電位側バスバー50がケース側壁72に埋め込まれていても良い。なお、ケース70がダイカストなどの導電性部材から成る導電性ケースである場合、ケース70の側壁72に冷媒流路150を形成することも考えられる。しかしながらその場合、バスバー40、50と側壁72との絶縁性を確保する必要がある。バスバー40、50と側壁72との間の距離を両者の絶縁が確保できる程度に離す必要がある。そのために導電性ケース70においては側壁72とバスバー40、50とを近接させることが難しい。
【0083】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範ちゅうや範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0084】
130 フレーム、 14 電気部品、 14 パワーモジュール、 140 フレームカバー、 151 冷媒流路、 151 ケース冷媒流路、 152 冷媒流路、 152 ケース冷媒流路、 153 冷媒流路、 153 ケース冷媒流路、 154 冷媒流路、 154 ケース冷媒流路、 155、156 フレーム冷媒流路、 160 放熱部材、 2 電気部品、 2 バッテリ、 20 コンデンサ、 23 第1端面、 24 第2端面、 25 側面、 40 バスバー、 40 高電位側バスバー、 41 重複部、 43 接続部、 43 バッテリ側接続部、 45 接続部、 45 パワーモジュール側接続部、 46 非接続部、 50 バスバー、 50 低電位側バスバー、 51 重複部、 53 接続部、 53 バッテリ側接続部、 55 接続部、 55 パワーモジュール側接続部、 56 非接続部、 70 ケース、 78 収納空間、 80 ケースカバー、 DP 奥行方向、 TD 厚さ方向、 WD 幅方向。