IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ケーブイケーの特許一覧

<>
  • 特開-水栓 図1
  • 特開-水栓 図2
  • 特開-水栓 図3
  • 特開-水栓 図4
  • 特開-水栓 図5
  • 特開-水栓 図6
  • 特開-水栓 図7
  • 特開-水栓 図8
  • 特開-水栓 図9
  • 特開-水栓 図10
  • 特開-水栓 図11
  • 特開-水栓 図12
  • 特開-水栓 図13
  • 特開-水栓 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176793
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】水栓
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/05 20060101AFI20241212BHJP
   F16K 37/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
E03C1/05
F16K37/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095597
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大介
【テーマコード(参考)】
2D060
3H065
【Fターム(参考)】
2D060BA05
2D060BB02
2D060BC11
2D060BE20
2D060CA04
2D060CB03
2D060CC20
2D060CD00
3H065BA01
3H065BA07
3H065BB13
3H065BC10
3H065CA05
3H065CA06
(57)【要約】
【課題】浄水カートリッジの適切な交換を可能にする。
【解決手段】水栓は、検出方向の異なる独立した第1及び第2のセンサ面を有するセンサユニット10を備える。センサユニット10は、第1のセンサ面11において原水の吐出に関する操作入力を検出するとともに、第2のセンサ面において浄水の吐出に関する操作入力を検出する。また、センサユニット10は、第1のセンサ面11に対して原水の吐出に関する表示出力を実行する原水吐出表示部41を備える。更に、センサユニット10は、第2のセンサ面に対して浄水の吐出に関する表示出力を実行する浄水吐出表示部を備える。そして、センサユニット10は、第1及び第2のセンサ面に対して浄水の精製に用いられる浄水カートリッジの交換を促す表示出力を実行する交換表示部60を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出方向の異なる独立した第1及び第2のセンサ面を有するセンサユニットを備え、
前記センサユニットは、
前記第1のセンサ面において原水の吐出に関する操作入力を検出し、
前記第2のセンサ面において浄水の吐出に関する操作入力を検出するとともに、
前記第1のセンサ面に対して前記原水の吐出に関する表示出力を実行する原水吐出表示部と、
前記第2のセンサ面に対して前記浄水の吐出に関する表示出力を実行する浄水吐出表示部と、
前記第1及び第2のセンサ面に対して前記浄水の精製に用いられる浄水カートリッジの交換を促す表示出力を実行する交換表示部と、を備える水栓。
【請求項2】
吐水管に設けられた前記センサユニットを備えるとともに、
前記センサユニットは、前記吐水管の正面視において、
第1の側面方向を前記第1のセンサ面の前記検出方向とするとともに、
第2の側面方向を前記第2のセンサ面の前記検出方向とする
請求項1に記載の水栓。
【請求項3】
前記センサユニットは、
前記吐水管の正面視において、該吐水管の背面位置に設けられるとともに、
前記正面視における幅方向の寸法が前記吐水管と同等、又は前記吐水管よりも小さい
請求項2に記載の水栓。
【請求項4】
前記交換表示部は、
前記浄水吐出表示部に連動して前記第2のセンサ面に対する前記表示出力を実行するとともに、
前記原水吐出表示部に連動して前記第1のセンサ面に対する前記表示出力を実行する
請求項1~請求項3の何れか一項に記載の水栓。
【請求項5】
前記交換表示部は、前記表示出力として、
前記浄水吐出表示部及び前記原水吐出表示部に同期した点滅出力を実行する
請求項4に記載の水栓。
【請求項6】
前記交換表示部は、
前記同期した点滅出力を実行する第1の報知期間と、
前記第1の報知期間の経過後、該第1の報知期間よりも高速で前記点滅出力を実行する第2の報知期間と、を有する請求項5に記載の水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水器により精製された浄水と、その原水とを選択的に吐出することのできる水栓がある。例えば、特許文献1に示す水栓は、原水の吐出に関する操作入力と、浄水の吐出に関する操作入力とを、それぞれ非接触で検出するセンサ装置を備えている。
【0003】
具体的には、このセンサ装置は、吐水管の正面視において、その右側となる一方の側面方向を原水の吐出に関する操作入力の検出方向とする。また、センサ装置は、同じく吐水管の正面視において、その左側となる他方の側面方向を浄水の吐出に関する操作入力の検出方向とする。そして、これにより、この従来技術の水栓は、その利用者が吐水管の近傍に手をかざした方向に基づいて、その原水の吐出と停止、及び、その浄水の吐出及び停止を選択的に行うことのできる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-138574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、浄水器の多くは、浄水の精製に用いられる浄水カートリッジの定期的な交換を必要とする。このため、上記のような水栓においてもまた、適切な時期に、その浄水カートリッジが交換されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する水栓の各態様を記載する。
態様1は、検出方向の異なる独立した第1及び第2のセンサ面を有するセンサユニットを備え、前記センサユニットは、前記第1のセンサ面において原水の吐出に関する操作入力を検出し、前記第2のセンサ面において浄水の吐出に関する操作入力を検出するとともに、前記第1のセンサ面に対して前記原水の吐出に関する表示出力を実行する原水吐出表示部と、前記第2のセンサ面に対して前記浄水の吐出に関する表示出力を実行する浄水吐出表示部と、前記第1及び第2のセンサ面に対して前記浄水の精製に用いられる浄水カートリッジの交換を促す表示出力を実行する交換表示部と、を備える水栓である。
【0007】
上記構成によれば、浄水の吐出に関する操作入力を検出する第2のセンサ面のみならず、原水の吐出に関する操作入力を検出する第1のセンサ面にも、その浄水カートリッジの交換を促す表示出力が実行される。その結果、吐出する水の種類を問わず、水栓の利用者に対し、効果的に、その操作入力を行う方向に浄水カートリッジの交換を促す表示出力を行うことができる。そして、これにより、水栓の利用者が、適切に浄水カートリッジを交換することができるようになる。
【0008】
態様2は、吐水管に設けられた前記センサユニットを備えるとともに、前記センサユニットは、前記吐水管の正面視において、第1の側面方向を前記第1のセンサ面の前記検出方向とするとともに、第2の側面方向を前記第2のセンサ面の前記検出方向とする態様1の水栓である。
【0009】
上記構成によれば、吐水管の正面視で、この吐水管の左右一方側において、非接触で原水の吐出に関する操作入力を行うことができるとともに、この吐水管の左右他方側において、非接触で浄水の吐出に関する操作入力を行うことができる。更に、水栓を利用する際、第1のセンサ面が見え難い第2の側面方向側の位置で利用することの多い利用者についても、原水を利用する際には、より見えやすい第1のセンサ面に対して、その浄水カートリッジの交換を促す表示出力が実行される。そして、これにより、効果的に、水栓の利用者に対し、その浄水カートリッジの交換を推奨する旨を報知することができる。
【0010】
態様3は、前記センサユニットは、前記吐水管の正面視において、該吐水管の背面位置に設けられるとともに、前記正面視における幅方向の寸法が前記吐水管と同等、又は前記吐水管よりも小さい態様2の水栓である。
【0011】
上記構成によれば、センサユニットが吐水管に隠れやすくなる。そして、これにより、優れたデザイン性を実現することができる。しかしながら、その反面、より一層、その利用者との位置関係によって、第1及び第2のセンサ面の何れか一方が見え難くなる。従って、このような構成に上記態様1の構成を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
【0012】
態様4は、前記交換表示部は、前記浄水吐出表示部に連動して前記第2のセンサ面に対する前記表示出力を実行するとともに、前記原水吐出表示部に連動して前記第1のセンサ面に対する前記表示出力を実行する態様1~態様3の何れか一つの水栓である。
【0013】
即ち、浄水の利用者は、その第2のセンサ面において実行される浄水の吐出に関する表示出力に注目しやすく、原水の利用者は、その第1のセンサ面において実行される原水の吐出に関する表示出力に注目しやすい。従って、上記構成によれば、効果的に、水栓の利用者に対し、その浄水カートリッジの交換を推奨する旨を報知することができる。
【0014】
態様5は、前記交換表示部は、前記表示出力として、前記浄水吐出表示部及び前記原水吐出表示部に同期した点滅出力を実行する態様4に記載の水栓である。
即ち、点滅出力によって、その表示出力に水栓の利用者が気付きやすくなる。そして、交換表示部の点滅出力を、その浄水吐出表示部及び原水吐出表示部の点滅出力と同期させることで、より効果に、水栓の利用者に対し、その浄水カートリッジの交換を推奨する旨を報知することができる。
【0015】
態様6は、前記交換表示部は、前記同期した点滅出力を実行する第1の報知期間と、前記第1の報知期間の経過後、該第1の報知期間よりも高速で前記点滅出力を実行する第2の報知期間と、を有する態様5に記載の水栓である。
【0016】
即ち、第1及び第2の報知期間を有することにより、これら第1及び第2の報知期間において実行される浄水カートリッジの交換を促す表示出力に対し、異なる意味合いを付与することができる。例えば、第1の報知期間において、その浄水カートリッジの交換が推奨されることを予告的に報知するとともに、その経過後の第2の報知期間においては、早期に、その浄水カートリッジを交換すべき旨を報知することができる。特に、その第2の報知期間における点滅出力を、第1の報知期間よりも高速に行うことで、切迫感を演出することができる。そして、これにより、より効果に、水栓の利用者に対し、その浄水カートリッジの交換を推奨する旨を報知することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、適切に浄水カートリッジを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、水栓の斜視図である。
図2図2は、吐水管の右側面図である。
図3図3は、吐水管の左側面図である。
図4図4は、吐水管の正図面である。
図5図5は、水栓の概略構成図である。
図6図6は、センサユニット近傍の右側面図である。
図7図7は、センサユニット近傍の左側面図である。
図8図8は、原水の吐出に関する表示出力の説明図である。
図9図9は、浄水の吐出に関する表示出力の説明図である。
図10図10は、浄水の吐出に関する表示出力に連動した浄水カートリッジの交換を促す表示出力の説明図である。
図11図11は、原水の吐出に関する表示出力に連動した浄水カートリッジの交換を促す表示出力の説明図である。
図12図12は、非報知期間における表示出力の態様を示すタイムチャートである。
図13図13は、第1の報知期間における表示出力の態様を示すタイムチャートである。
図14図14は、第2の報知期間における表示出力の態様を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、水栓を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
(グースネック水栓)
図1図4に示すように、本実施形態の水栓1は、水栓本体2と、この水栓本体2の上方に設けられた略U字状の吐水管3と、を有した所謂グースネック水栓としての構成を有している。
【0020】
詳述すると、本実施形態の水栓1において、水栓本体2は、例えば、キッチンキャビネットのカウンタ等を構成する壁部4に立設される略円筒状の外形を有している。更に、吐水管3は、この水栓本体2に固定されることにより上方に向かって延出する基端部3bと、この基端部3bに連続する湾曲形状部3cと、この湾曲形状部3cに連続して下方に延びる先端部3aと、を有している。そして、本実施形態の水栓1は、この吐水管3の先端部3aに固定された状態で、その吐水口5を形成する吐水ユニット6を備えている。
【0021】
即ち、本実施形態の水栓1は、吐水管3の先端部3aを手前側、その基端部3bを奥側に配置する状態で、この吐水管3を見た場合に、その吐水管3の先端部3aと基端部3bとが重なる位置を吐水管3の「正面」とする(図4参照)。また、本実施形態の水栓1において、水栓本体2には、この水栓本体2の側方に突出するレバーハンドル7が設けられている。尚、本実施形態のレバーハンドル7は、略円筒状をなす水栓本体2の軸線に交差する回転軸を有した回動レバーとしての構成を有している。更に、水栓本体2の内側には、このレバーハンドル7の操作状態に基づいて、吐水管3の内側に形成される吐水流路8と、その給水配管との接続状態を切り換え可能に構成された弁機構が設けられている(ともに図示略)。尚、本実施形態の吐水流路8は、吐水管3に内蔵されるホース(図示略)により構成されている。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、この水栓1の利用者が、手動により、その吐水管3の先端部3aに設定された吐水口5から流れ出る水の吐出状態を調節することのできる構成になっている。
【0022】
(センサ付き自動水栓)
また、本実施形態の水栓1は、利用者の吐水操作を非接触で検出するセンサユニット10を備えたセンサ付き自動水栓としての構成を有している。
【0023】
詳述すると、本実施形態の水栓1において、センサユニット10は、その吐水管3と一体に設けられている。更に、本実施形態のセンサユニット10は、このセンサユニット10に近接した利用者の手等を検出する。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、利用者の非接触操作に基づいて、その要求に応じた吐水を実行することのできる構成となっている。
【0024】
具体的には、本実施形態のセンサユニット10は、吐水管3の正面視において、その吐水管3の背面位置に設けられている。詳しくは、このセンサユニット10は、略U字状の外形を有した本実施形態の吐水管3において、その吐水口5を構成する先端部3a、及び、この先端部3aと湾曲形状部3cとの境界部分に形成される吐水側の背面位置βaに固定されている。更に、本実施形態のセンサユニット10は、この吐水管3の背面位置βaに固定された状態において、その正面視における幅方向の寸法D1が、同じく、その正面視における吐水管3の寸法D0と略同等となるように設計されている(D1≒D0)。詳しくは、その吐水管3の寸法D0とセンサユニット10の寸法D1とが略等しく、僅かにセンサユニット10の方が幅広の構成となっている。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、その吐水管3の正面視において、この吐水管3にセンサユニット10が隠れやすい構成となっている。
【0025】
さらに詳述すると、本実施形態のセンサユニット10は、吐水管3の正面視において、その吐水管3に固定された状態の外形が略左右対象となるように構成されている。また、このセンサユニット10は、吐水管3の正面視において、その吐水管3の右側(図4中、右側)となる第1の側面方向α1に臨む第1のセンサ面11を備えている。更に、このセンサユニット10は、同じく吐水管3の正面視において、その吐水管3の左側(図4中、左側)となる第2の側面方向α2に臨む第2のセンサ面12を備えている。そして、本実施形態のセンサユニット10は、これにより、これらの第1及び第2のセンサ面11,12が、互いに独立した異なる検出方向を有する構成となっている。
【0026】
即ち、本実施形態のセンサユニット10は、第1のセンサ面11において、その吐水管3の右側に位置する物体を検出する。また、このセンサユニット10は、第2のセンサ面12において、その吐水管3の左側に位置する物体を検出する。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、その利用者が、この吐水管3に設けられたセンサユニット10に対し、その吐水管3の正面視で右側又は左側の何れか一方から手をかざすことで、独立した異なる操作入力を行うことのできる構成となっている。
【0027】
(原水及び浄水の吐出操作)
図5に示すように、本実施形態の水栓1において、その吐水管3が形成する吐水流路8には、図示しない給水源から延びる原水流路21、及び、この原水流路21から分岐した浄水流路22が接続されている。また、これらの原水流路21及び浄水流路22には、それぞれ、電磁弁25が設けられている。尚、説明の便宜上、図5中においては、原水流路21及び浄水流路22を構成する個々の配管、並びに各電磁弁25を構成する個々の弁機構については、その詳細な記述を省略する。そして、本実施形態の水栓1は、これら各電磁弁25の作動を制御するコントローラ28を備えている。
【0028】
即ち、浄水流路22の途中には、原水流路21から流入した原水を処理することにより浄水を精製する浄水器30が設けられている。尚、本実施形態の水栓1において、この浄水器30は、例えば、その水栓本体2が立設された壁部4の下方、キッチンキャビネットの内側等に設置される(図1参照)。更に、原水流路21に設けられた原水用の電磁弁25aは、コントローラ28に制御されることにより、吐水管3が形成する吐水流路8に対し、その原水流路21を介した原水の流入を遮断し、又は許容する。同様に、浄水流路22に設けられた浄水用の電磁弁25bもまた、コントローラ28に制御されることにより、吐水管3が形成する吐水流路8に対し、その浄水流路22を介した浄水の流入を遮断し、又は許容する。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、これら各電磁弁25a,25bの作動に基づいて、その原水流路21を流れる原水、又は、その浄水流路22を流れる浄水の何れか一方を、選択的に、その吐水口5から吐出することのできる構成となっている。
【0029】
尚、本実施形態の水栓1において、原水流路21には、原水用の電磁弁25aと直列に手動操作弁26が設けられている。更に、この手動操作弁26は、上記のように水栓本体2に内蔵された状態で、そのレバーハンドル7により操作される(図1参照)。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、この手動操作弁26及び原水用の電磁弁25aの両方が開いた状態で、その原水の吐出が行われる構成となっている。
【0030】
更に、本実施形態の水栓1においては、上記のように吐水管3に設けられたセンサユニット10が、そのコントローラ28に対して操作入力信号Sc1,Sc2を出力する。具体的には、本実施形態のセンサユニット10は、第1のセンサ面11において、その吐水管3の右側に検出体となる物体を検出した場合に、原水の吐出に関する操作入力信号Sc1をコントローラ28に出力する。また、このセンサユニット10は、第2のセンサ面12において、その吐水管3の左側に検出体となる物体を検出した場合に、浄水の吐出に関する操作入力信号Sc2をコントローラ28に出力する。即ち、本実施形態のセンサユニット10は、第1のセンサ面11において、その原水の吐出に関する利用者の操作入力を検出する。また、このセンサユニット10は、第2のセンサ面12において、その浄水の吐出に関する利用者の操作入力を検出する。そして、本実施形態の水栓1は、このセンサユニット10が検出した利用者の操作入力に基づいて、そのコントローラ28が原水用及び浄水用の各電磁弁25a,25bの作動を制御する。
【0031】
詳述すると、本実施形態のセンサユニット10は、非吐水状態で、吐水管3の右側に利用者の手等を検出した場合に、原水の吐出を行うべき旨の操作入力信号Sc1をコントローラ28に出力する。また、センサユニット10は、原水を吐出している状態で、再度、吐水管3の右側に利用者の手等を検出した場合に、その原水の吐出を停止すべき旨の操作入力信号Sc1をコントローラ28に出力する。尚、この操作入力信号Sc1において、これらの吐水要求及び停止要求は、その信号レベルの変化に表される。そして、本実施形態の水栓1においては、この操作入力信号Sc1に基づきコントローラ28が原水用の電磁弁25aの作動を制御することで、その吐水管3を介した原水の吐出、及び、その吐出の停止が非接触で実行される。
【0032】
また、本実施形態のセンサユニット10は、非吐水状態で、吐水管3の左側に利用者の手等を検出した場合に、浄水の吐出を行うべき旨の操作入力信号Sc2をコントローラ28に出力する。また、センサユニット10は、浄水を吐出している状態で、再度、吐水管3の左側に利用者の手等を検出した場合に、その浄水の吐出を停止すべき旨の操作入力信号Sc2をコントローラ28に出力する。尚、この操作入力信号Sc2においてもまた、これらの吐水要求及び停止要求は、その信号レベルの変化に表される。そして、本実施形態の水栓1は、この操作入力信号Sc2に基づきコントローラ28が浄水用の電磁弁25bの作動を制御することで、その吐水管3を介した浄水の吐出、及び、その吐出の停止が非接触で実行される構成となっている。
【0033】
(赤外線センサ)
さらに詳述すると、図6及び図7に示すように、本実施形態のセンサユニット10において、第1及び第2のセンサ面11,12は、それぞれ、光透過性を有した樹脂素材により形成されている。また、これらの第1及び第2のセンサ面11,12の内側には、それぞれ、発光素子31及び受光素子32が並んで設けられている。更に、本実施形態のセンサユニット10は、これらの第1及び第2のセンサ面11,12において、それぞれ、独立に、その発光素子31が出力する赤外線をセンサ光として、この赤外線の反射光を受光素子32が受光する。そして、本実施形態のセンサユニット10は、これにより、これらの第1及び第2のセンサ面11,12が臨む二方向において、例えば、利用者の手等、このセンサユニット10に近接した物体を検出する所謂赤外線センサとしての構成を有している。
【0034】
(原水及び浄水の吐出表示)
また、本実施形態のセンサユニット10は、第1のセンサ面11に対し、その原水の吐出に関する表示出力を実行する原水吐出表示部41と、第2のセンサ面12に対し、その浄水の吐出に関する表示出力を実行する浄水吐出表示部42と、を備えている。具体的には、本実施形態のセンサユニット10において、その原水吐出表示部41は、その赤外線センサを構成する発光素子31及び受光素子32とともに基板43上に設けられたLED45を用いて構成されている。そして、浄水吐出表示部42もまた、その赤外線センサを構成する発光素子31及び受光素子32とともに基板43上に設けられたLED45を用いて構成されている。
【0035】
即ち、図8及び図9に示すように、本実施形態のセンサユニット10は、第1のセンサ面11において操作入力を検出した場合には、この操作入力による原水の吐出に合わせて、その第1のセンサ面11の内側に設けられた基板43a上のLED45aが点灯する。また、第2のセンサ面12において利用者の操作入力を検出した場合には、この操作入力による浄水の吐出に合わせて、その第2のセンサ面12の内側に設けられた基板43b上のLED45bが点灯する。尚、本実施形態の水栓1においては、コントローラ28が出力する表示信号Sd1,Sd2に基づいて、これら各LED45a,45bの点灯及び消灯、つまりは、その原水吐出表示部41及び浄水吐出表示部42の作動が制御される。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、原水の吐出要求が入力された第1の側面方向α1に対して、その原水の吐出表示が出力されるとともに、浄水の吐出操作が入力された第2の側面方向α2に対して、その浄水の吐出表示が出力される構成になっている。
【0036】
(浄水カートリッジ、及び、その交換表示)
また、図5に示すように、本実施形態の水栓1において、浄水流路22の途中に設けられた浄水器30は、その浄水の精製に用いるフィルタ類が、浄水カートリッジ50として着脱可能に一体化された構成を有している。具体的には、この浄水カートリッジ50は、そのフィルタ類として、例えば、中空子フィルタや活性炭等を保持する。更に、この浄水カートリッジ50には、例えば、使用開始から1年間等、予め、その推奨される使用期間が設定されている。そして、本実施形態の水栓1は、この浄水カートリッジ50を定期的に交換することで、安定的に、その浄水器30が精製する高品質の浄水を吐出することのできる構成となっている。
【0037】
詳述すると、図6及び図7に示すように、本実施形態の水栓1において、そのセンサユニット10は、第1及び第2のセンサ面11,12に対し、それぞれ、浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力を実行する交換表示部60を備えている。本実施形態のセンサユニット10においては、これらの各交換表示部60もまた、それぞれ、その赤外線センサを構成する発光素子31及び受光素子32、及び上記LED45とともに、その基板43上に設けられたLED65を用いて構成されている。尚、これらの各交換表示部60もまた、コントローラ28が出力する表示信号Sd1,Sd2に基づいて、そのLED65の点灯及び消灯が制御される。そして、本実施形態のセンサユニット10は、浄水カートリッジ50の交換が推奨される場合に、これらの各交換表示部60が、その第1及び第2のセンサ面11,12に対して、所謂「交換マーク」を表示する構成となっている。
【0038】
具体的には、図10に示すように、本実施形態のセンサユニット10においては、浄水カートリッジ50の交換が推奨される場合、浄水吐出表示部42に連動して、第2のセンサ面12に対し、その交換表示部60による交換を促す表示出力が実行される。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、浄水の吐出に関する表示出力とともに、浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力が実行されることで、浄水の利用者に対し、効果的に、その浄水カートリッジ50の交換を推奨する旨を報知する構成となっている。
【0039】
また、図11に示すように、本実施形態のセンサユニット10においては、同じく浄水カートリッジ50の交換が推奨される場合、原水吐出表示部41に連動して、第1のセンサ面11に対し、その交換表示部60による交換を促す表示出力が実行される。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、原水の吐出に関する表示出力とともに、浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力が実行されることで、浄水の利用者以外にも、その浄水カートリッジ50の交換を推奨する旨を報知する構成となっている。
【0040】
尚、本実施形態のセンサユニット10において、原水吐出表示部41を構成するLED45aの表示色は「白」である。また、浄水吐出表示部42を構成するLED45bの表示色は「青」である。そして、交換表示部60を構成するLED65の表示色は「オレンジ」となっている。
【0041】
(吐出表示に連動した交換表示)
図11及び図12に示すように、本実施形態のセンサユニット10は、原水吐出表示部41による原水の吐出に関する表示出力として、この原水吐出表示部41を構成するLED45aを所定の周期で点滅させる。また、図10及び図12に示すように、このセンサユニット10は、その浄水吐出表示部42による浄水の吐出に関する表示出力も同様に、この浄水吐出表示部42を構成するLED45bを所定の周期で点滅させる。具体的には、本実施形態のセンサユニット10は、原水吐出時及び浄水吐出時、それぞれ、その吐水開始から所定時間の間、例えば「10秒」を経過するまで、比較的速い周期、例えば、「1秒間隔」で、その吐出表示用のLED45を点滅させる。更に、その吐水開始から所定時間の経過後は、比較的遅い周期、例えば「2秒間隔」で、その吐出表示用のLED45を点滅させる。そして、本実施形態のセンサユニット10は、浄水カートリッジ50の交換が不要である場合、その交換表示部60による交換を促す表示出力を実行しない構成となっている。
【0042】
また、図13に示すように、本実施形態の水栓1においては、使用期限までの残存期間が予め設定された所定期間よりも短くなった場合に、その浄水カートリッジ50の交換が推奨される。例えば、推奨される浄水カートリッジ50の使用期間が「1年」である場合、この浄水カートリッジ50の交換後、「11ヶ月目まで」の期間は、その浄水カートリッジ50の交換を必要としない非報知期間T0となる(図12参照)。更に、その使用期限となる「一年」が経過する前の「一ヶ月」、つまりは、浄水カートリッジ50の交換後「11ヶ月目~12ヶ月目」の期間が、再び、その交換が推奨されることを予告的に報知する第1の報知期間T1となる。そして、この第1の報知期間T1においては、その浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力として、上記のような原水吐出表示部41及び浄水吐出表示部42に同期した交換表示部60の点滅出力が実行される。つまり、センサユニット10が、上記のように所定の周期で点滅する吐出表示用のLED45に同期して、その交換表示部60を構成する交換表示用のLED65を点滅させる構成となっている。
【0043】
更に、図14に示すように、本実施形態の水栓1においては、推奨される浄水カートリッジ50の使用期間が経過した場合、つまりは、上記第1の報知期間T1の経過後、その使用期限を超える期間が第2の報知期間T2として設定されている。即ち、例えば、推奨される浄水カートリッジ50の使用期間が「1年」である場合、この浄水カートリッジ50の交換後「12ヶ月目」を経過した期間が、その第2の報知期間T2となる。更に、この第2の報知期間T2においては、その浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力として、上記第1の報知期間T1よりも速い周期、つまりは高速で、その交換表示部60の点滅出力が実行される。具体的には、例えば、そのセンサユニット10が、吐出表示用のLED45が点滅する半分の周期で、交換表示用のLED65を点滅させる構成となっている。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、水栓1の利用者に対し、より強く、その推奨される使用期間が既に経過している浄水カートリッジ50の交換を促すことのできる構成となっている。
【0044】
(浄水カートリッジ交換後のリセット操作)
図6及び図7に示すように、本実施形態のセンサユニット10は、第1及び第2のセンサ面11,12の間となる位置に設けられたプッシュスイッチ70を有している。具体的には、このプッシュスイッチ70は、吐水管3の背面位置βaにセンサユニット10が固定された状態で、その下方に臨む位置に設けられている。更に、本実施形態の水栓1においては、浄水カートリッジ50の交換後、このプッシュスイッチ70が長押し操作される。尚、この長押し操作の時間は、例えば数秒程度に設定される。そして、本実施形態の水栓1は、これにより、交換後の浄水カートリッジ50について、その使用期間のカウントがリセットされる。つまりは、このリセット後、そのセンサユニット10に内蔵された図示しないタイマが、新たに、その使用期間のカウントを開始する構成となっている。
【0045】
(吐出開始時の音出力)
また、本実施形態のセンサユニット10は、操作入力の検出により原水又は浄水の何れかの吐出を開始する場合に、図示しないスピーカーを介した音出力を実行する機能を有している。更に、このセンサユニット10は、原水の吐出開始時と浄水の吐出開始時とで異なる音出力を実行する。尚、本実施形態のセンサユニット10においては、原水吐出時と浄水吐出時とで、その開始音の出力時間に異なる値が設定されている。具体的には、原水の開始吐出時には、例えば、0.1秒程度の短い出力時間を設定することで「ピッ」という音出力を実行する一方、浄水の開始吐出時には、0.3秒程度の比較的長い出力時間を設定することで「ピー」という音出力を実行する。そして、本実施形態の水栓1は、この吐出開始時の音出力によって、原水又は浄水の何れかが吐出されているかを、その利用者が容易に識別することのできる構成となっている。
【0046】
(作用)
浄水カートリッジ50の交換が推奨される場合、浄水吐出時、その浄水吐出表示部42に連動して、第2のセンサ面12に対し、その交換表示部60による浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力が実行される。そして、原水吐出時にも、その原水吐出表示部41に連動して、第1のセンサ面11に対し、交換表示部60による浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力が実行される。
【0047】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)水栓1は、検出方向の異なる独立した第1及び第2のセンサ面11,12を有するセンサユニット10を備える。センサユニット10は、第1のセンサ面11において原水の吐出に関する操作入力を検出するとともに、第2のセンサ面12において浄水の吐出に関する操作入力を検出する。また、センサユニット10は、第1のセンサ面11に対して原水の吐出に関する表示出力を実行する原水吐出表示部41を備える。更に、センサユニット10は、第2のセンサ面12に対して浄水の吐出に関する表示出力を実行する浄水吐出表示部42を備える。そして、センサユニット10は、第1及び第2のセンサ面11,12に対して浄水の精製に用いられる浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力を実行する交換表示部60を備える。
【0048】
上記構成によれば、浄水の吐出に関する操作入力を検出する第2のセンサ面12のみならず、原水の吐出に関する操作入力を検出する第1のセンサ面11にも、その浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力が実行される。その結果、吐出する水の種類を問わず、水栓1の利用者に対し、効果的に、その操作入力を行う方向に浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力を行うことができる。そして、これにより、水栓1の利用者が、適切に浄水カートリッジ50を交換することができるようになる。
【0049】
(2)水栓1は、吐水管3に設けられたセンサユニット10を備える。そして、センサユニット10は、吐水管3の正面視において、その第1の側面方向α1を第1のセンサ面11の検出方向とするとともに、その第2の側面方向α2を第2のセンサ面12の検出方向とする。
【0050】
上記構成によれば、吐水管3の正面視で、この吐水管3の左右一方側において、非接触で原水の吐出に関する操作入力を行うことができるとともに、この吐水管3の左右他方側において、非接触で浄水の吐出に関する操作入力を行うことができる。更に、水栓1を利用する際、第1のセンサ面11が見え難い第2の側面方向α2側の位置で利用することの多い利用者についても、原水を利用する際には、より見えやすい第1のセンサ面11に対して、その浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力が実行される。そして、これにより、効果的に、水栓1の利用者に対し、その浄水カートリッジ50の交換を推奨する旨を報知することができる。
【0051】
(3)センサユニット10は、吐水管3の正面視において、この吐水管3の背面位置βaに設けられる。そして、センサユニット10は、吐水管3の正面視において、その幅方向の寸法D1が、吐水管3の寸法D0と同等に設定されている(D1≒D0)。
【0052】
上記構成によれば、そのセンサユニット10が吐水管3に隠れやすくなる。そして、これにより、優れたデザイン性を実現することができる。しかしながら、その反面、より一層、その利用者との位置関係によって、第1及び第2のセンサ面11,12の何れか一方が見え難くなる。従って、このような構成に上記(1)の構成を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
【0053】
(4)交換表示部60は、浄水吐出表示部42に連動して、第2のセンサ面12に浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力を実行する。そして、交換表示部60は、原水吐出表示部41に連動して、第1のセンサ面11に浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力を実行する。
【0054】
即ち、浄水の利用者は、その第2のセンサ面12において実行される浄水の吐出に関する表示出力に注目しやすく、原水の利用者は、その第1のセンサ面11において実行される原水の吐出に関する表示出力に注目しやすい。従って、上記構成によれば、効果的に、水栓1の利用者に対し、その浄水カートリッジ50の交換を推奨する旨を報知することができる。
【0055】
(5)交換表示部60は、浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力として、浄水吐出表示部42及び原水吐出表示部41に同期した点滅出力を実行する。
即ち、点滅出力によって、その表示出力に水栓1の利用者が気付きやすくなる。そして、交換表示部60の点滅出力を、その浄水吐出表示部42及び原水吐出表示部41の点滅出力と同期させることで、より効果に、水栓1の利用者に対し、その浄水カートリッジ50の交換を推奨する旨を報知することができる。
【0056】
(6)交換表示部60は、浄水吐出表示部42及び原水吐出表示部41に同期した点滅出力を実行する第1の報知期間T1と、第1の報知期間T1の経過後、この第1の報知期間T1よりも高速で点滅出力を実行する第2の報知期間T2と、を有する。
【0057】
即ち、第1及び第2の報知期間T1,T2を有することにより、これら第1及び第2の報知期間T1,T2において実行される浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力に対し、異なる意味合いを付与することができる。例えば、第1の報知期間T1において、その浄水カートリッジ50の交換が推奨されることを予告的に報知するとともに、その経過後の第2の報知期間T2においては、早期に、その浄水カートリッジ50を交換すべき旨を報知することができる。特に、その第2の報知期間T2における点滅出力を、第1の報知期間T1よりも高速に行うことで、切迫感を演出することができる。そして、これにより、より効果に、水栓1の利用者に対し、その浄水カートリッジ50の交換を推奨する旨を報知することができる。
【0058】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0059】
・上記実施形態では、交換表示部60は、浄水吐出表示部42に連動して、第2のセンサ面12に浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力を実行する。そして、交換表示部60は、原水吐出表示部41に連動して、第1のセンサ面11に浄水カートリッジ50の交換を促す表示出力を実行することとした。しかし、これに限らず、浄水吐出表示部42に連動して第2のセンサ面12に交換の表示出力を実行するとともに、第1のセンサ面11にも、その浄水吐出表示部42に連動した交換の表示出力を実行する構成であってもよい。そして、原水吐出表示部41に連動して第1のセンサ面11に交換の表示出力を実行するとともに、第2のセンサ面12にも、その原水吐出表示部41に連動した交換の表示出力を実行する構成であってもよい。
【0060】
・上記実施形態では、吐水管3の正面視において、この吐水管3の右側を第1の側面方向α1とし、その吐水管3の左側を第2の側面方向α2とした。しかし、これに限らず、吐水管3の左側を第1の側面方向α1とし、その吐水管3の右側を第2の側面方向α2とする構成であってもよい。即ち、吐水管3の左側で、原水の吐出に関する操作入力を行うとともに、吐水管3の右側で、浄水の吐出に関する操作入力を行う構成に適用してもよい。
【0061】
・上記実施形態では、略U字状の外形を有したグースネック式の吐水管3において、その吐水口5を構成する先端部3a、及び、この先端部3aと湾曲形状部3cとの境界部分に形成される吐水側の背面位置βaにセンサユニット10が固定されることとした。しかし、これに限らず、センサユニット10が固定される吐水管3の背面位置については、水栓本体2に固定される基端部3b、及び、この基端部3bと湾曲形状部3cとの境界部分に形成される給水側の背面位置βbであってもよい(図1参照)。このような構成を採用しても、上記実施形態と同様に、そのセンサユニット10が吐水管3に隠れやすい構成として、高いデザイン性を確保することができる。更に、吐水管3の形状についてもまた、グースネック式の略U字形状に限らず、任意に変更してもよい。そして、センサユニット10の固定位置もまた、吐水管3の背面位置に限らず、任意に変更してもよい。
【0062】
・原水用及び浄水用の各電磁弁25a,25bの作動を制御するコントローラ28は、センサユニット10と一体に内蔵されていてもよく、別体に設けられてもよい。
・また、第1及び第2のセンサ面11,12の検出方向は、必ずしも第1及び第2の側面方向α1,α2に限らず、任意に変更してもよい。例えば、第1のセンサ面11の検出方向と第2のセンサ面12の検出方向とが、必ずしも相反する方向でなくともよい。そして、第1及び第2のセンサ面11,12の少なくとも何れか一方が、吐水管3以外の箇所に配置される構成であってもよい。
【0063】
・上記実施形態では、吐水管3の正面視において、その幅方向におけるセンサユニット10の寸法D1が、吐水管3の寸法D0と同等に設定されることとした(D1≒D0)。しかし、これに限らず、そのセンサユニット10の寸法D1が、吐水管3の寸法D0と同じ(D1=D0)、又は吐水管3の寸法D0よりも小さい(D1<D0)構成であってもよい。これにより、より一層、そのセンサユニット10が吐水管3に隠れやすくなる。そして、このような構成に適用することで、より一層、顕著な効果を得ることができる。
【0064】
・原水吐出表示部41、浄水吐出表示部42、及び交換表示部60の各表示色は、任意に変更してもよい。更に、その点滅周期についてもまた、任意に変更してもよい。例えば、吐水開始後の所定時間と、この所定時間の経過後とで、点滅周期を変更しなくともよい。そして、例えば、原水吐出表示部41の点滅周期と浄水吐出表示部42の点滅周期とが異なる構成であってもよい。
【0065】
・また、必ずしも原水吐出表示部41及び浄水吐出表示部42の点灯タイミングと交換表示部60の点灯タイミングとが必ずしも完全に一致していなくともよい。例えば、交換表示部60の点灯タイミングが僅かに遅れる態様で、原水吐出表示部41及び浄水吐出表示部42の点灯タイミングに同期してもよい。更に、交換表示部60の点灯タイミングが僅かに先行する態様で、その原水吐出表示部41及び浄水吐出表示部42の点灯タイミングに同期する構成であってもよい。そして、原水吐出表示部41及び浄水吐出表示部42の点滅出力と浄水吐出表示部42の点滅出力とが、必ずしも同期していなくてもよい。
【0066】
・更に、表示出力は、必ずしも点滅出力でなくともよい。例えば、吐水中、連続表示される構成であってもよく、その表示出力の形態についてもまた、文字出力等であってもよい。また、例えば、原水吐出表示部41及び浄水吐出表示部42の各表示出力のうちの少なくとも一方が点滅出力、交換表示部60の表示出力が連続表示であってもよい。そして、原水吐出表示部41及び浄水吐出表示部42の各表示出力のうちの少なくとも一方が連続表示、交換表示部60の表示出力が点滅出力であってもよい。
【0067】
・上記実施形態では、第1の報知期間T1と、この第1の報知期間T1が経過した後の第2の報知期間T2と、が設定されることとした。そして、第2の報知期間T2においては、第1の報知期間T1よりも高速で、その交換表示部60の点滅出力が実行されることとした。しかし、これに限らず、点滅周期を変化させる以外の方法により、その第1の報知期間T1における交換表示部60の表示出力と第2の報知期間T2における交換表示部60の表示出力とを変化させる構成としてもよい。
【0068】
・また、三段階以上の報知期間を有する構成であってもよい。更に、単一の報知期間を有する構成であってもよい。そして、時間の経過により、その交換表示部60の表示出力が無段階で連続的に変化する構成であってもよい。
【0069】
・上記実施形態では、推奨される浄水カートリッジ50の使用期間が「1年」である場合を例示したが、推奨される使用期間は任意である。そして、使用期間ではなく、例えば、浄水の精製量等で、その浄水カートリッジ50の交換に関する表示出力が実行される構成に適用してもよい。
【0070】
・上記実施形態では、浄水カートリッジ50の交換後、センサユニット10に設けられたプッシュスイッチ70を長押し操作することで、その使用期間のカウントがリセットされることとした。しかし、これに限らず、このようなプッシュスイッチ70の長押し以外の操作方法で、その使用期間のカウントがリセットされる構成に適用してもよい。
【0071】
・上記実施形態では、原水の吐出開始時と浄水の吐出開始時とで異なる音出力が実行される。そして、この音出力の違いは、その出力時間の違いにより実現されることとした。しかし、これに限らず、例えば、このような出力時間を変える方法以外の方法で、その音出力の違いを実現してもよい。例えば、音の高低により、その音出力の違いを実現してもよい。更に、原水の吐出開始時と浄水の吐出開始時とで、その音出力のメロディが異なる構成であってもよい。そして、吐水時の音出力を行わない構成であってもよい。
【0072】
・上記実施形態では、センサユニット10は、第1及び第2のセンサ面11,12の内側に、それぞれ、発光素子31及び受光素子32が並んで設けられた赤外線センサとしての構成を有することとした。しかし、これに限らず、検出方向の異なる独立した第1及び第2のセンサ面11,12を有する構成であれば、そのセンサ形式については、必ずしも赤外線センサでなくともよい。
【符号の説明】
【0073】
1…水栓、10…センサユニット、11…第1のセンサ面、12…第2のセンサ面、41…原水吐出表示部、42…浄水吐出表示部、50…浄水カートリッジ、60…交換表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14