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特開2024-176802安全運転支援システム及び安全運転支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176802
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】安全運転支援システム及び安全運転支援方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20241212BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20241212BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095608
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大栄 義博
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 航
(72)【発明者】
【氏名】林 雅敏
(72)【発明者】
【氏名】今村 祐太郎
(72)【発明者】
【氏名】那須 史尋
(72)【発明者】
【氏名】辰本 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 岳士
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138BA12
3E138BB05
3E138CA03
3E138CB03
3E138DA03
3E138DB06
3E138GA02
3E138HA06
3E138MA01
3E138MB08
3E138MB10
3E138MC06
3E138MD04
3E138MF05
3E138MF07
3E138MF08
3E138MF09
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF32
5H181FF39
5H181MB02
(57)【要約】
【課題】ドライバが事前に注意地点の状況を把握できるように注意喚起を行うことができる安全運転支援システムを提供する。
【解決手段】安全運転支援システムでは、データセンタ200と、複数の車両と、が通信ネットワークを介して接続されている。データセンタ200は、Gセンサが車両の挙動が乱れたことを検出した第1車両101から注意情報を受信したときの第1車両101の位置を注意地点として記憶装置に記憶させる。データセンタ200は、注意情報を受信したときに、第1車両101のドライブレコーダで撮影した映像のデータのうち、注意情報を受信する前の一定期間における映像のデータから抽出した注意映像のデータを、注意地点に接近する第2車両102に送信する。注意映像のデータを受信した第2車両102のディスプレイが、第2車両102が注意地点に到達する前に注意映像を表示することによって注意喚起を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と処理装置とを備えたデータセンタと、
車両の挙動が乱れたことを検出可能な検出装置と前記車両の前方の映像を撮影可能な撮影装置とナビゲーション装置と映像を表示可能な表示装置とを備えた複数の車両と、
が通信ネットワークを介して接続された安全運転支援システムであり、
前記処理装置が、
前記複数の車両の前記ナビゲーション装置から前記複数の車両の位置情報を受信することと、
前記複数の車両の前記撮影装置で撮影した映像のデータを受信して前記記憶装置に記憶することと、
前記複数の車両のうち前記検出装置が前記車両の挙動が乱れたことを検出した第1車両から注意情報を受信したときの前記第1車両の位置を前記第1車両の位置情報から特定するとともに、当該位置を注意地点として前記記憶装置に記憶することと、
前記注意情報を受信したときに、前記記憶装置に記憶された前記第1車両の前記撮影装置で撮影した前記映像のデータのうち、前記注意情報を受信する前の一定期間における前記映像のデータから抽出した前記注意地点の注意映像のデータを前記記憶装置に記憶することと、
前記複数の車両のうち、前記記憶装置に記憶されている前記注意地点に接近する第2車両に、前記記憶装置に記憶されている前記注意映像のデータを送信することと、を実行し、
前記注意映像のデータを受信した前記第2車両の前記表示装置が、前記第2車両が前記注意地点に到達する前に前記注意映像を表示することによって注意喚起を行うこと、を実行する
安全運転支援システム。
【請求項2】
前記第2車両の前記表示装置が、前記注意映像の動画を再生することによって前記注意喚起を行う際に、前記第2車両が既定時間後に到達する地点において撮影された画像を表示するように、前記第2車両の速度に合わせて前記注意映像の再生速度を調整する
請求項1に記載の安全運転支援システム。
【請求項3】
前記処理装置が、
複数の前記第1車両の前記ナビゲーション装置から受信した位置情報から特定した同一の注意地点についての複数の前記注意映像のデータを前記記憶装置に蓄積させることと、
前記記憶装置に蓄積させた前記同一の注意地点についての複数の前記注意映像のデータから、前記第2車両に送信する前記注意映像のデータを選択して、前記第2車両に送信する前記注意映像のデータを更新することと、を実行する
請求項1に記載の安全運転支援システム。
【請求項4】
前記処理装置が、
前記注意情報を前記データセンタに送信せずに前記注意地点を通過した車両の数を計数して、計数した数が一定数以上になった前記注意地点の情報を前記記憶装置から削除する
請求項3に記載の安全運転支援システム。
【請求項5】
記憶装置と処理装置とを備えたデータセンタと、
車両の挙動が乱れたことを検出可能な検出装置と前記車両の前方の映像を撮影可能な撮影装置とナビゲーション装置と映像を表示可能な表示装置とを備えた複数の車両と、
が通信ネットワークを介して接続された安全運転支援システムにおける安全運転支援方法であり、
前記処理装置が、前記複数の車両の前記ナビゲーション装置から前記複数の車両の位置情報を受信する第1ステップと、
前記処理装置が、前記複数の車両の前記撮影装置で撮影した映像のデータを受信して前記記憶装置に記憶させる第2ステップと、
前記処理装置が、前記複数の車両のうち前記検出装置が前記車両の挙動が乱れたことを検出した第1車両から注意情報を受信したときの前記第1車両の位置を前記第1車両の位置情報から特定するとともに、当該位置を注意地点として前記記憶装置に記憶させる第3ステップと、
前記処理装置が、前記注意情報を受信したときに、前記記憶装置に記憶された前記第1車両の前記撮影装置で撮影した前記映像のデータのうち、前記注意情報を受信する前の一定期間における前記映像のデータから抽出した前記注意地点の注意映像のデータを前記記憶装置に記憶させる第4ステップと、
前記処理装置が、前記複数の車両のうち、前記記憶装置に記憶されている前記注意地点に接近する第2車両に、前記記憶装置に記憶されている前記注意映像のデータを送信する第5ステップと、
前記第2車両の前記表示装置が、前記第2車両が前記注意地点に到達する前に前記注意映像を表示することによって注意喚起を行う第6ステップと、を含む
安全運転支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、安全運転支援システム及び安全運転支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ナビゲーション装置が開示されている。このナビゲーション装置は、目的地までの経路において予め登録された注意地点が存在する場合、注意地点を車両がこれから走行することをドライバに予告することにより安全運転を支援する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-329713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
注意地点の状況が事前に分かれば、ドライバは、事前に予防運転を行うことができる。しかし、注意地点を走行することを予告するだけでは、ドライバは、注意地点の状況を事前に十分に把握することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための安全運転支援システムは、記憶装置と処理装置とを備えたデータセンタと、車両の挙動が乱れたことを検出可能な検出装置と前記車両の前方の映像を撮影可能な撮影装置とナビゲーション装置と映像を表示可能な表示装置とを備えた複数の車両と、が通信ネットワークを介して接続された安全運転支援システムである。この安全運転支援システムにおいて、前記処理装置は、前記複数の車両の前記ナビゲーション装置から前記複数の車両の位置情報を受信する。前記処理装置は、前記複数の車両の前記撮影装置で撮影した映像のデータを受信して前記記憶装置に記憶する。前記処理装置は、前記複数の車両のうち前記検出装置が前記車両の挙動が乱れたことを検出した第1車両から注意情報を受信したときの前記第1車両の位置を前記第1車両の位置情報から特定するとともに、当該位置を注意地点として前記記憶装置に記憶する。前記処理装置は、前記注意情報を受信したときに、前記記憶装置に記憶された前記第1車両の前記撮影装置で撮影した前記映像のデータのうち、前記注意情報を受信する前の一定期間における前記映像のデータから抽出した前記注意地点の注意映像のデータを前記記憶装置に記憶する。前記処理装置は、前記複数の車両のうち、前記記憶装置に記憶されている前記注意地点に接近する第2車両に、前記記憶装置に記憶されている前記注意映像のデータを送信する。前記注意映像のデータを受信した前記第2車両の前記表示装置は、前記第2車両が前記注意地点に到達する前に前記注意映像を表示することによって注意喚起を行う。
【0006】
上記課題を解決するための安全運転支援方法は、記憶装置と処理装置とを備えたデータセンタと、車両の挙動が乱れたことを検出可能な検出装置と前記車両の前方の映像を撮影可能な撮影装置とナビゲーション装置と映像を表示可能な表示装置とを備えた複数の車両と、が通信ネットワークを介して接続された安全運転支援システムにおける安全運転支援方法である。この安全運転支援方法は、前記処理装置が、前記複数の車両の前記ナビゲーション装置から前記複数の車両の位置情報を受信する第1ステップを含む。この安全運転支援方法は、前記処理装置が、前記複数の車両の前記撮影装置で撮影した映像のデータを受信して前記記憶装置に記憶させる第2ステップを含む。この安全運転支援方法は、前記処理装置が、前記複数の車両のうち前記検出装置が前記車両の挙動が乱れたことを検出した第1車両から注意情報を受信したときの前記第1車両の位置を前記第1車両の位置情報から特定するとともに、当該位置を注意地点として前記記憶装置に記憶させる第3ステップを含む。この安全運転支援方法は、前記処理装置が、前記注意情報を受信したときに、前記記憶装置に記憶された前記第1車両の前記撮影装置で撮影した前記映像のデータのうち、前記注意情報を受信する前の一定期間における前記映像のデータから抽出した前記注意地点の注意映像のデータを前記記憶装置に記憶させる第4ステップを含む。この安全運転支援方法は、前記処理装置が、前記複数の車両のうち、前記記憶装置に記憶されている前記注意地点に接近する第2車両に、前記記憶装置に記憶されている前記注意映像のデータを送信する第5ステップを含む。この安全運転支援方法は、前記第2車両の前記表示装置が、前記第2車両が前記注意地点に到達する前に前記注意映像を表示することによって注意喚起を行う第6ステップを含む。
【発明の効果】
【0007】
この安全運転支援システム及び安全運転支援方法は、ドライバが事前に注意地点の状況を把握できるように注意喚起を行うことができる。これにより、ドライバは事前に注意地点の状況を把握して適切な予防運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の安全運転支援システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態の安全運転支援システムにおけるドライブレコーダの画像の例を示す図である。
図3図3は、実施形態の安全運転支援システムにおけるデータセンタと、第1車両及び第2車両と、の処理の流れを示すシーケンス図である。
図4図4は、実施形態の安全運転支援システムにおける車両のナビゲーション装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態の安全運転支援システムにおけるデータセンタが定期的に実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態の安全運転支援システムにおけるデータセンタが各注意地点を車両が通過したときに実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、安全運転支援システムの一実施形態について、図1図6を参照して説明する。
<安全運転支援システム10の構成>
図1に示すように、安全運転支援システム10は、複数の車両100と、データセンタ200とによって構成されている。データセンタ200は、通信ネットワーク300を介して、複数の車両100と通信可能に接続されている。各車両100は、撮影装置の一例としてのドライブレコーダ110と、ナビゲーション装置120と、を備えている。
【0010】
図2は、ドライブレコーダ110によって撮影される画像の例を示している。ドライブレコーダ110は、図2に示すように、運転席から見える車両100の前方の映像を撮影して記録する。ドライブレコーダ110は、Gセンサ130を備えている。Gセンサ130は、車両100の加速度又は減速度の大きさを計測するとともに、計測した加速度又は減速度の大きさに基づいて車両100の挙動が乱れたことを検出する。
【0011】
ナビゲーション装置120は、衛星測位システムの受信機と、通信装置と、映像を表示可能な表示装置の一例としてのディスプレイ140と、地図情報などのデータを記憶した記憶装置と、を備えて構成されている。
【0012】
ドライブレコーダ110とナビゲーション装置120は、互いに情報をやり取りできるように接続されている。ドライブレコーダ110は、撮影した映像のデータとともに、撮影した日時の情報及び撮影した地点の位置情報を記憶装置に記憶する。
【0013】
データセンタ200は、通信装置230を備えている。通信装置230は、ネットワークアダプタなどのハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組合せとして実装されている。そして、通信装置230は、通信ネットワーク300を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。データセンタ200は、複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、データセンタ200は、複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0014】
車両100の挙動が乱れたことが検出され得る地点は、例えば、図2に示すような道路上に落下物がある地点のほか、故障車が停止している地点、高速道路の分岐点、及び注意を引く看板がある地点など、ドライバが注意を要する地点である場合がある。このような注意地点の状況が事前に分かれば、ドライバは、事前に予防運転を行うことができる。
【0015】
安全運転支援システム10は、挙動が乱れた複数の車両100のドライブレコーダ110で撮影された各注意地点の映像を、各注意地点に接近する複数の車両100が各注意地点に到達する前に各注意地点に接近する車両100のディスプレイ140で表示する。これにより、安全運転支援システム10は、各注意地点に接近する車両100のドライバに注意喚起を行う。
【0016】
より具体的には、安全運転支援システム10において、データセンタ200は、複数の車両100から位置情報を受信している。データセンタ200は、複数の車両100のドライブレコーダ110で撮影された映像のデータを受信して記憶装置220に記憶している。データセンタ200は、複数の車両100のうち第1車両101から注意情報を受信する。第1車両101は、複数の車両100のうち、Gセンサ130が車両100の挙動が乱れたことを検出した車両100である。データセンタ200は、注意情報を受信したときに、受信した位置情報から第1車両101の位置を特定するとともに、当該位置を記憶装置220に記憶させることによって注意地点として登録する。データセンタ200は、注意情報を受信したときに、記憶装置220に記憶された第1車両101のドライブレコーダ110で撮影した映像のデータのうち、注意情報を受信する前の一定期間における映像のデータから注意地点の映像のデータを抽出する。データセンタ200は、抽出した注意地点の映像のデータを注意映像のデータとして記憶装置220に記憶させる。データセンタ200は、複数の車両100のうち第2車両102に、記憶装置220に記憶されている注意映像のデータを送信する。第2車両102は、記憶装置220に記憶されている注意地点に接近する車両である。注意映像のデータを受信した第2車両102のディスプレイ140は、第2車両102が注意地点に到達する前に注意映像を表示することによって注意喚起を行う。
【0017】
<安全運転支援システム10における映像のデータの送受信>
次に、データセンタ200と、第1車両101及び第2車両102との映像のデータの送受信について図3を参照して説明する。
【0018】
図3に示すように、安全運転支援システム10では、データセンタ200が、車両100から映像のデータを受信する。安全運転支援システム10では、データセンタ200が、第2車両102に第1車両101のドライブレコーダ110で撮影された映像のデータから抽出した注意映像のデータを送信する。これにより安全運転支援システム10は、第1車両101のドライブレコーダ110で撮影された注意映像のデータを、第2車両102に提供することができる。
【0019】
図3に示すように、データセンタ200が車両100から映像のデータの提供を受ける処理と、データセンタ200が第2車両102に注意映像のデータの提供を行う処理とは、並行して行われる。
【0020】
図3に示すように、車両100から映像のデータの提供を受ける処理では、車両100が、ドライブレコーダ110で撮影された映像のデータ、及び車両100の現在の位置を示す位置情報を一定の周期で定期的にデータセンタ200に送信する。映像のデータを受信したデータセンタ200は、受信した映像のデータを記憶装置220に記憶する。図3の上段に示すように、第1車両101は、当該第1車両101のGセンサ130が第1車両101の挙動が乱れたことを検出したときに、注意情報をデータセンタ200に送信する。注意情報を受信したデータセンタ200は、受信した第1車両101の位置情報から特定可能な第1車両101の位置を記憶装置220に記憶することによって注意地点として登録する。注意情報を受信したデータセンタ200は、第1車両101のドライブレコーダ110で撮影された映像のデータから、登録した注意地点の映像のデータを抽出するとともに、注意映像のデータとして記憶装置220に記憶する。
【0021】
図3の下段に示すように、第2車両102に注意映像のデータを提供する処理において、データセンタ200は、登録された注意地点に接近する第2車両102がある場合、注意映像のデータを第2車両102に送信する必要があると判定する。データセンタ200は、車両100から受信する位置情報に基づいて、登録された注意地点に接近する第2車両102があるか否かを判定する。そして、データセンタ200は、注意映像のデータを第2車両102に送信する必要がある場合に、第2車両102が接近する注意地点の注意映像のデータを第2車両102に送信する。
【0022】
以下、図4図6を参照して、上記のような映像を用いた注意喚起を実現するために、車両100において実行される処理の流れと、データセンタ200において実行される処理の流れと、をより具体的に説明する。
【0023】
<車両100のナビゲーション装置120が実行する処理>
図4は、車両100において実行する一連の処理の流れを示している。この一連の処理は、車両100のナビゲーション装置120によって一定の周期で定期的に実行される。この一連の処理は、ナビゲーション装置120による衛星測位システムを利用した経路案内と並行して実行される。
【0024】
図4に示すように、この一連の処理を開始すると、ナビゲーション装置120は、まずステップS100の処理において、映像のデータ及び車両100の現在の位置を特定可能な位置情報をデータセンタ200に送信する。送信する映像のデータは、車両100のドライブレコーダ110で撮影された映像のデータである。送信する車両100の現在の位置を特定可能な位置情報は、ナビゲーション装置120が備える衛星測位システムの受信機から得られる情報である。
【0025】
次に、ステップS110の処理において、ナビゲーション装置120は、車両100の挙動が乱れたか否かを判定する。ナビゲーション装置120は、車両100のドライブレコーダ110が備えるGセンサ130が車両100の挙動が乱れたことを検出したときに車両100の挙動が乱れたと判定する。例えば、車両100のGセンサ130は、車両100の加速度又は減速度の大きさを計測するとともに、単位時間あたりの加速度又は減速度の大きさが一定値を越えた場合に、車両100の挙動が乱れたことを検出する。つまり、ナビゲーション装置120は、車両100のGセンサ130が計測する単位時間あたりの加速度又は減速度の大きさが一定値を越えた場合に、第1車両101の加速度が急変したと判定する。ステップS110の処理において、ナビゲーション装置120が車両100の挙動が乱れたと判定した場合(ステップS110:YES)には、処理はステップS120へと進む。
【0026】
ステップS120の処理において、ナビゲーション装置120は、注意情報をデータセンタ200に送信する。この処理は、図3の上段に示した第1車両101の処理に相当する。注意情報は、車両100の挙動が乱れたことを特定可能な情報である。これに加え、注意情報には、車両100の挙動が乱れた位置を特定可能な位置情報が含まれていてもよい。
【0027】
こうしてステップS120の処理を通じて注意情報をデータセンタ200に送信すると、処理は、ステップS130へと進む。また、ステップS110の処理において、ナビゲーション装置120が車両100の挙動が乱れたと判定しなかった場合(ステップS110:NO)には、ナビゲーション装置120は、ステップS120の処理を実行せずに、ステップS130の処理を実行する。
【0028】
次に、ステップS130の処理において、ナビゲーション装置120は、データセンタ200から注意映像のデータを受信したか否かを判定する。ステップS130の処理において、ナビゲーション装置120が注意映像のデータを受信したと判定した場合(ステップS130:YES)には、処理はステップS140へと進む。
【0029】
ステップS140の処理において、ナビゲーション装置120のディスプレイ140は、データセンタ200から受信した注意映像を表示することによって注意喚起を行う。この処理は、図3の下段に示した第2車両102の処理に相当する。すなわち、車両100は、状況に応じて、映像のデータを提供するとともに注意情報を送信する第1車両101として振る舞うことも、注意映像のデータの提供を受ける第2車両102として振る舞うこともある。なお、注意映像が動画である場合、ナビゲーション装置120は、注意映像を再生するとき、車両100が数秒後に通過する位置で撮影した画像がディスプレイ140に表示されるように、車両100の速度に合わせて映像の再生速度を調整してもよい。これにより、車両100のドライバは、車両100が注意地点に到達する前の状況を視覚的に把握しやすくなる。こうしてステップS140の処理を通じて注意映像を表示すると、ナビゲーション装置120は、この一連の処理を終了させる。
【0030】
ステップS130の処理において、ナビゲーション装置120が注意映像のデータを受信したと判定しなかった場合(ステップS130:NO)には、ナビゲーション装置120は、ステップS140の処理を実行せずにこの一連の処理を終了させる。つまり、ナビゲーション装置120のディスプレイ140は、注意喚起を行わずにこの一連の処理を終了させる。
【0031】
<一定の周期で定期的にデータセンタ200が実行する処理>
図5は、データセンタ200が一定の周期で定期的に実行する処理の流れを示している。この一連の処理は、データセンタ200の処理装置210によって実行される。この一連の処理は、図3に示したデータセンタ200の処理に相当する。
【0032】
図5に示すように、この一連の処理を開始すると、処理装置210は、まずステップS200の処理において、複数の車両100の位置情報を受信する。このとき、処理装置210が受信する位置情報は、図3における第1車両101及び第2車両102から受信する位置情報である。
【0033】
次に、ステップS210の処理において、処理装置210は、受信した映像のデータを記憶装置220に記憶させる。処理装置210が受信する映像のデータは、図3における第1車両101及び第2車両102から受信する映像のデータである。
【0034】
次に、ステップS220の処理において、処理装置210は、注意情報を受信したか否かを判定する。処理装置210が受信する注意情報は、図3における第1車両101から受信する注意情報である。ステップS220の処理において、処理装置210が第1車両101から注意情報を受信したと判定した場合(ステップS220:YES)には、処理は、ステップS230へと進む。
【0035】
ステップS230の処理において、処理装置210は、注意情報を受信したときの第1車両101の位置を特定するとともに、当該位置を記憶装置220に記憶させることによって注意地点として登録する。このとき処理装置210は、ステップS200の処理で受信した第1車両101の位置情報に基づいて、注意情報を受信したときの第1車両101の位置を特定する。
【0036】
次に、ステップS240の処理において、処理装置210は、抽出処理を実行する。抽出処理は、ステップS210の処理で記憶装置220に記憶させた映像のデータから、ステップS230の処理で登録した注意地点の映像のデータを注意映像のデータとして抽出する処理である。例えば、処理装置210は、ステップS210の処理において記憶装置220に記憶させた映像のデータのうち、注意情報を受信する前の一定期間における映像のデータから注意映像のデータを抽出する。処理装置210は、注意地点の状況がより分かりやすい映像のデータを注意映像のデータとして採用することが好ましい。例えば、抽出処理は、処理装置210が、注意情報を受信する前の一定期間における映像をオペレータに示して、オペレータにその一部を注意映像として抽出させる処理でもよい。例えば、抽出処理は、処理装置210が、注意情報を受信する前の一定期間における注意映像のデータをAIによって解析して注意映像のデータを抽出する処理であってもよい。また、処理装置210は、注意映像のデータを静止画のデータとして抽出してもよく、動画のデータとして抽出してもよい。
【0037】
ステップS240の処理において、処理装置210は、抽出した注意映像のデータを記憶装置220に記憶させる。処理装置210がこのような処理を実行することにより、第1車両101の挙動が乱れたことが検出される前に第1車両101のドライブレコーダ110によって撮影された映像のデータから抽出した注意映像のデータが記憶装置220に記憶される。
【0038】
次に、ステップS250の処理において、処理装置210は、更新処理を実行する。更新処理は、新たに記憶した注意映像のデータを評価して第2車両102に提供するための注意映像のデータを更新する処理である。処理装置210は、第2車両102に提供するための注意映像のデータとして既に記憶装置220に蓄積されている同一の注意地点の注意映像のデータと、新たに記憶した注意映像のデータとを比較する。処理装置210は、これらの注意映像のデータを比較した結果に応じて第2車両102に提供するための注意映像のデータを更新する。処理装置210は、注意地点の状況がより鮮明に撮影されている映像のデータを採用することが好ましい。そのため、例えば、処理装置210は、注意地点の状況がより鮮明に撮影されているデータを第2車両102に提供するための注意映像のデータとして選択する。処理装置210は、新しい注意映像のデータを採用することが好ましい。そのため、例えば、処理装置210は、より新しいデータを、第2車両102に提供するための注意映像のデータとして選択する。
【0039】
更新処理は、同一の注意地点についての注意映像のデータが記憶装置220に複数蓄積されてから実行してもよい。この場合、処理装置210は、同一の注意地点についての複数の注意映像のデータから、1つの注意映像のデータを選択して、第2車両102に送信する注意映像のデータを更新する。例えば、更新処理は、処理装置210が、記憶装置220に蓄積した注意映像のデータをオペレータに示して、オペレータに1つの注意映像データを選択させる処理でもよい。例えば、更新処理は、処理装置210が、AIによって注意映像のデータを解析してその結果に基づいて注意映像のデータを選択させる処理であってもよい。
【0040】
ステップS250の更新処理を実行して、注意映像のデータを記憶装置220に記憶させると、処理は、ステップS260へと進む。また、ステップS220の処理において、処理装置210が、第1車両101から注意情報を受信したと判定しなかった場合(ステップS220:NO)には、処理装置210は、ステップS230~ステップS250の処理を実行しない。この場合、処理装置210は、ステップS230~ステップS250の処理を実行せずにステップS260の処理を実行する。
【0041】
次に、ステップS260の処理において、処理装置210は、記憶装置220に記憶されている注意地点に接近する第2車両102があるか否かを判定する。このとき、処理装置210は、記憶装置220に記憶されている注意地点毎に、注意地点に接近する第2車両102があるか否かを判定する。処理装置210は、ステップS200の処理において受信した位置情報に基づいて、第2車両102の位置を特定するとともに、特定した第2車両102の位置と、記憶装置220に記憶されている各注意地点との距離を特定する。処理装置210は、例えば、第2車両102の位置と記憶装置220に記憶されている注意地点との距離が一定の距離未満である場合に、その注意地点に接近する第2車両102があると判定する。処理装置210が、注意地点に接近する第2車両102があると判定した場合(ステップS260:YES)には、処理は、ステップS270へと進む。
【0042】
次に、ステップS270の処理において、処理装置210は、記憶装置220に記憶されている複数の注意映像のデータの中から第2車両102が接近する注意地点の注意映像のデータを検索することで第2車両102に送信する注意映像のデータを選択する。
【0043】
次に、ステップS280の処理において、処理装置210は、注意地点に接近する第2車両102に注意映像のデータを送信する。第2車両102に送信する注意映像のデータは、ステップS270の処理において選択した注意映像のデータである。処理装置210は、注意地点に接近する第2車両102に注意映像のデータを送信するため、第2車両102が注意映像のデータを受信するタイミングは、第2車両102が注意地点に到達する前のタイミングとなる。そのため、図4のステップS140の処理において、第2車両102のディスプレイ140が、注意映像のデータを受信したときに注意映像を表示することにより、第2車両102が注意地点に到達する前に注意喚起を行うことになる。こうしてステップS280の処理を通じて注意映像のデータを第2車両102に送信すると、処理装置210は、この一連の処理を終了させる。
【0044】
ステップS260の処理において、処理装置210が、注意地点に接近する第2車両102があると判定しなかった場合(ステップS260:NO)には、処理装置210は、ステップS270の処理及びステップS280の処理を実行しない。このとき、処理装置210は、ステップS270の処理及びステップS280の処理を実行せずにこの一連の処理を終了させる。つまり、注意地点に接近する第2車両102がない場合には、処理装置210は、注意映像のデータを第2車両102に送信せずにこの一連の処理を終了させる。
【0045】
<各注意地点を車両100が通過したときにデータセンタ200が実行する処理>
図6は、登録された各注意地点を車両100が通過したときにデータセンタ200が実行する処理の流れを示している。この一連の処理は、データセンタ200の処理装置210によって実行される。この一連の処理は、図3に示したデータセンタ200の処理に相当する。
【0046】
図6に示すように、この一連の処理を開始すると、処理装置210は、まずステップS300の処理において、注意情報をデータセンタ200に送信せずに注意地点を通過した車両100の数を計数する。処理装置210は、複数の車両100から受信する位置情報と、注意情報を受信したか否かとに基づいて、記憶装置220に記憶された各注意地点毎に、注意情報を送信せずに各注意地点を通過した車両100の数を計数する。処理装置210は、計数した車両100の数を記憶装置220に記憶させる。
【0047】
次に、ステップS310において、処理装置210は、記憶装置220に記憶されている各注意地点について、注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上であるか否かを注意地点毎に判定する。このとき、処理装置210は、ステップS300の処理において記憶装置220に記憶させた車両100の数に基づいて、注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上であるか否かを判定する。処理装置210が、記憶装置220に記憶されている各注意地点について、注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上であると判定した場合(ステップS310:YES)には、処理は、ステップS320へと進む。
【0048】
次に、ステップS320の処理において、処理装置210は、注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上となった注意地点について、記憶装置220に記憶されているその注意地点の情報を削除する。具体的に、処理装置210は、図5に示したステップS230の処理において記憶装置220に記憶させた注意地点のうち、注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上となった注意地点を削除する。つまり、処理装置210は、登録した注意地点のうち、注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上となった注意地点を抹消する。更に、処理装置210は、削除した注意地点の注意映像のデータが記憶装置220に記憶されている場合、削除した注意地点の注意映像のデータを削除する。こうしてステップS320の処理を通じて注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上となった注意地点の情報を削除すると、処理装置210は、この一連の処理を終了させる。
【0049】
ステップS310の処理において、処理装置210が、注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上であると判定しなかった場合(ステップS310:NO)には、処理装置210は、ステップS320の処理を実行しない。この場合、処理装置210は、ステップS320の処理を実行せずにこの一連の処理を終了させる。つまり、記憶装置220に記憶されている各注意地点について、注意情報を送信せずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上でない場合には、処理装置210は、その注意地点の情報を削除せずにこの一連の処理を終了させる。
【0050】
<実施形態の作用>
安全運転支援システム10において、データセンタ200の処理装置210は、図5を参照して説明した一連の処理におけるステップS200の処理を通じて、複数の車両100のナビゲーション装置120から複数の車両100の位置情報を受信する。図5を参照して説明したこの処理は、安全運転支援システム10による安全運転支援方法における第1ステップである。
【0051】
そして、処理装置210は、図5を参照して説明した一連の処理におけるステップS210の処理を通じて、複数の車両100のドライブレコーダ110で撮影した映像のデータを受信して記憶装置220に記憶させる。図5を参照して説明したこの処理は、安全運転支援システム10による安全運転支援方法における第2ステップである。
【0052】
そして、処理装置210は、図5を参照して説明した一連の処理におけるステップS230の処理を通じて、第1車両101から注意情報を受信したときの第1車両101の位置を第1車両101の位置情報から特定する。第1車両101は、複数の車両100のうちGセンサ130が車両100の挙動が乱れたことを検出した車両100である。処理装置210は、特定した第1車両101の位置を注意地点として記憶装置220に記憶させる。図5を参照して説明したこの処理は、安全運転支援システム10による安全運転支援方法における第3ステップである。
【0053】
そして、処理装置210は、図5を参照して説明した一連の処理におけるステップS240の処理を通じて、注意情報を受信したときに、注意地点の注意映像のデータを記憶装置220に記憶させる。注意映像のデータは、記憶装置220に記憶された第1車両101のドライブレコーダ110で撮影した注意情報を受信する前の一定期間における映像のデータから抽出したデータである。図5を参照して説明したこの処理は、安全運転支援システム10による安全運転支援方法における第4ステップである。
【0054】
そして、処理装置210は、図5を参照して説明した一連の処理におけるステップS280の処理を通じて、複数の車両100のうち、注意地点に接近する第2車両102に、記憶装置220に記憶されている注意映像のデータを送信する。図5を参照して説明したこの処理は、安全運転支援システム10による安全運転支援方法における第5ステップである。
【0055】
そして、第2車両102のディスプレイ140は、図4を参照して説明した一連の処理におけるステップS140の処理を通じて、第2車両102が注意地点に到達する前に注意映像を表示することによって注意喚起を行う。図4を参照して説明したこの処理は、安全運転支援システム10による安全運転支援方法における第6ステップである。
【0056】
このように安全運転支援システム10は、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第4ステップ、第5ステップ、及び第6ステップを含む安全運転支援方法を実行する。こうした安全運転支援方法を実行することにより、安全運転支援システム10は、車両100の挙動が乱れた場合、挙動が乱れた位置を注意地点として登録する。そして、安全運転支援システム10は、挙動が乱れる前の一定期間に第1車両101のドライブレコーダ110で撮影された映像のデータから注意映像のデータを抽出する。そして、安全運転支援システム10は、抽出した注意映像のデータを注意地点に接近する第2車両102に送信する。そして、安全運転支援システム10は、注意映像のデータを受信した第2車両102のディスプレイ140が、第2車両102が注意地点に到達する前に注意映像を表示して注意喚起を行う。
【0057】
<本実施形態の効果>
(1)安全運転支援システム10は、ドライバが事前に注意地点の状況を把握できるように注意喚起を行うことができる。これにより、ドライバは事前に注意地点の状況を把握して適切な予防運転を行うことができる。
【0058】
(2)第2車両102のディスプレイ140は、注意映像の動画を再生することによって注意喚起を行う際に、既定時間後に到達する地点において撮影された画像を表示するように、第2車両102の速度に合わせて映像の再生速度を調整する。そのため、第2車両102のドライバは、既定時間後に到達する地点までの状況を視覚的に把握しやすい。
【0059】
(3)処理装置210は、記憶装置220に蓄積させた同一の注意地点についての複数の注意映像のデータから、第2車両102に送信する注意映像のデータを選択して第2車両102に送信する注意映像のデータを更新する。安全運転支援システム10は、注意映像のデータを更新するため、適切な注意映像に基づいて注意地点の状況を把握させることができる。
【0060】
(4)処理装置210は、注意情報をデータセンタ200に送信せずに通過した車両100の数が一定数以上になった注意地点について、記憶装置220に記憶したその注意地点の情報を削除する。つまり、処理装置210は、挙動が乱れずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上になったときに、その注意地点の情報を削除する。挙動が乱れずに注意地点を通過した車両100の数が一定数以上になったときは、その注意地点の状況が安全な状況に変化した可能性が高い。このとき、処理装置210が注意地点の情報を削除することにより、情報が削除された注意地点に接近する第2車両102がある場合でも、第2車両102に注意映像が送信されなくなる。そのため、注意地点の状況が安全な状況であるにも関わらず、注意喚起が行われ続けることを抑制できる。
【0061】
(6)上記のナビゲーション方法は、車両100の挙動が乱れた場合、挙動が乱れた位置を注意地点として登録するとともに、挙動が乱れる前の一定期間に第1車両101のドライブレコーダ110で撮影された映像のデータから注意映像のデータを抽出する。そして、抽出した注意映像のデータを注意地点に接近する第2車両102に送信する。そして、注意映像のデータを受信した第2車両102のディスプレイ140が、第2車両102が注意地点に到達する前に注意映像を表示して注意喚起を行う。そのため、上記のナビゲーション方法は、ドライバが事前に注意地点の状況を把握できるように注意喚起を行うことができる。これにより、ドライバは事前に注意地点の状況を把握して適切な予防運転を行うことができる。
【0062】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0063】
・複数の車両100からは、撮影装置の一例であるドライブレコーダ110で撮影された映像のデータがデータセンタ200に送信される。これに対し、例えば、ナビゲーション装置120が起動したときにドライバに映像のデータの送信を許諾するか否かを問い合わせて、ドライバが許諾した場合に映像のデータを送信する構成を採用したものであってもよい。
【0064】
・複数の車両100は、第1車両101として振る舞うことも、第2車両102として振る舞うこともある。これに対して、車両100の中には、注意映像の提供を受けるだけの車両、すなわち第2車両102としてのみ振る舞う車両100があってもよい。その場合、注意映像の提供を受けるだけの車両100は、ドライブレコーダ110を備えていなくてもよい。
【0065】
・複数の車両100の中には、映像を提供するだけの車両があってもよい。
・上記の安全運転支援システム10では、注意映像は、第2車両102のナビゲーション装置120が備えるディスプレイ140で表示されるようにした。これに対し、注意映像は、第2車両102において、ナビゲーション装置120が備えるディスプレイ140とは異なる表示装置により表示されるようにしてもよい。ナビゲーション装置120が備えるディスプレイ140とは異なる表示装置としては、一例として、フロントガラスに画像を表示するヘッドアップディスプレイがある。
【0066】
・第2車両102のディスプレイ140で注意映像が表示されているときに、ナビゲーション装置120から注意映像を表示していることを特定可能な音声が出力されるようにしてもよい。
【0067】
・上記の安全運転支援システム10では、車両100の挙動が乱れたことを検出する検出装置は、Gセンサ130である。これに対し、車両100の挙動が乱れたことを検出する検出装置は、Gセンサ130とは異なる装置であってもよい。一例として、検出装置は、車両100が備えるステアリングの角度の変位量を計測する舵角センサであってもよい。一例として、検出装置は、車両100が備えるブレーキペダルの変位量を計測するペダルストロークセンサであってもよい。なお、検出装置として舵角センサやペダルストロークセンサを採用する場合、単位時間あたりの変位量の大きさが一定値を越えた場合に、車両100の挙動が乱れたことを検出するようにするとよい。つまり、単位時間あたりの変位量の大きさが一定値を越えた場合に第1車両101からデータセンタ200に注意情報が送信されるようにするとよい。また、検出装置は、Gセンサ130、舵角センサ、及びペダルストロークセンサのうち、一部又は全部のセンサを組み合わせることにより構成されていてもよい。
【0068】
・データセンタ200の処理装置210は、複数の車両100のうち、記憶装置220に記憶されている注意地点に接近する第2車両102に、注意映像のデータを送信する。これに対し、データセンタ200の処理装置210は、車両100のナビゲーション装置120が経路案内をしたときに、案内した目的地までの経路上に注意地点が含まれるか否かを判定するようにしてもよい。その上で、処理装置210は、車両100のナビゲーション装置120が案内した経路上に注意地点が含まれる場合、図5におけるステップS260の処理において、注意地点に接近する第2車両102があると判定するようにするとよい。その結果、処理装置210は、複数の車両100のうち、ナビゲーション装置120が案内した経路上に注意地点が含まれる第2車両102に注意映像のデータを送信するようにしてもよい。
【0069】
・上記の安全運転支援システム10では、複数の車両100からデータセンタ200に送信される映像は、ドライブレコーダ110により撮影された映像である。これに対し、複数の車両100からデータセンタ200に送信される映像は、ドライブレコーダ110とは異なる撮影装置により撮影された映像であってもよい。ドライブレコーダ110とは異なる撮影装置としては、一例として、運転支援に用いる車載カメラがある。
【0070】
・処理装置210は、挙動が乱れずに注意地点を通過した車両100の数を計数した上で、計数した車両100の数が一定数以上になったときに、その注意地点の情報を削除する。これに対し、例えば、処理装置210は、一定期間毎に、それぞれの注意地点を通過した車両100の総数に対する、注意情報をデータセンタに送信せずにその注意地点を通過した車両100の数の割合を計数してもよい。その上で、計数した割合が一定割合未満になったときに、記憶装置220に記憶したその注意地点の情報を削除するようにしてもよい。
【0071】
・上記の安全運転支援方法に含まれる各ステップは、順番を限定するものではない。上記の安全運転支援方法を実現可能であれば、ステップの順番を変更してもよい。例えば、処理装置210が上記の第1ステップの処理を実行する前に、上記の第2ステップの処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…安全運転支援システム、100…車両、101…第1車両、102…第2車両、110…ドライブレコーダ、120…ナビゲーション装置、130…Gセンサ、140…ディスプレイ、200…データセンタ、210…処理装置、220…記憶装置、230…通信装置、300…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6