(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176809
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】医療用制御装置及び医療用観察システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20241212BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A61B1/045 632
A61B1/00 511
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095619
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】313009556
【氏名又は名称】ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 航史
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD01
4C161NN01
4C161PP12
4C161QQ02
4C161QQ04
4C161QQ07
4C161RR03
4C161RR22
(57)【要約】
【課題】光源装置の調光制御を適切に行うこと。
【解決手段】医療用制御装置9は、第1,第2の光をそれぞれ出射する光源装置3の動作を制御し、第1の光の光量と第2の光の光量とをそれぞれ調整する調光制御部942と、少なくとも1つの撮像素子531,532を有し、観察対象を介した第1の光の戻り光を撮像して第1の撮像画像を生成するとともに、観察対象を介した第2の光の戻り光を撮像して第2の撮像画像を生成する撮像装置5の動作を制御する撮像制御部943とを備える。撮像制御部943は、撮像素子531,532の露光期間を変更する第1の処理と、露光期間の一部の期間の受光に応じた撮像素子531にて生成される画像情報を捨てる第2の処理とをそれぞれ実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光、及び前記第1の光とは異なる波長帯域の第2の光をそれぞれ出射する光源装置の動作を制御し、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とをそれぞれ調整する調光制御部と、
少なくとも1つの撮像素子を有し、前記第1の光が観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第1の光の戻り光を撮像して第1の撮像画像を生成するとともに、前記第2の光が前記観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第2の光の戻り光を撮像して第2の撮像画像を生成する撮像装置の動作を制御する撮像制御部とを備え、
前記撮像制御部は、
前記撮像素子の露光期間を変更する第1の処理と、
前記露光期間の一部の期間の受光に応じて前記撮像素子にて生成される画像情報を捨てる第2の処理とをそれぞれ実行する医療用制御装置。
【請求項2】
前記調光制御部は、
前記第1の光の光量と前記第2の光の光量との比率が特定の比率となる状態を維持しながら、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とをそれぞれ調整する請求項1に記載の医療用制御装置。
【請求項3】
前記第2の処理は、
前記撮像素子の電子シャッタの絞り量を調整する処理である請求項1に記載の医療用制御装置。
【請求項4】
前記第2の処理は、
前記撮像装置から前記医療用制御装置への前記第1の撮像画像及び前記第2の撮像画像の伝送の際に実行される請求項1に記載の医療用制御装置。
【請求項5】
前記第1の処理は、
複数のフィールドを擬似的に1つのフィールドとする長時間露光である請求項1に記載の医療用制御装置。
【請求項6】
前記撮像素子は、
前記第1の撮像画像を生成する第1の撮像素子と、
前記第2の撮像画像を生成する第2の撮像素子とを備え、
前記第2の処理は、
前記第1の撮像素子の電子シャッタの絞り量、及び前記第2の撮像素子の電子シャッタの絞り量を調整する処理であり、
前記第1の撮像画像及び前記第2の撮像画像の明るさを低くする際、
前記調光制御部は、
前記第1の光の光量と前記第2の光の光量との比率が特定の比率となる状態を維持しながら、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とを下げていき、
前記撮像制御部は、
前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とが駆動限界値まで下がった後、前記第1の撮像素子の有効な露光期間と前記第2の撮像素子の有効な露光期間との比率が特定の比率となる状態を維持しながら、前記第1の撮像素子の電子シャッタの絞り量、及び前記第2の撮像素子の電子シャッタの絞り量を大きくしていく請求項1に記載の医療用制御装置。
【請求項7】
前記第1の光は、
前記観察対象から蛍光を発生させるための励起光であり、
前記第2の光は、
白色光である請求項1に記載の医療用制御装置。
【請求項8】
前記光源装置は、
互いに異なる波長帯域の複数の前記第1の光をそれぞれ出射し、
前記第2の処理は、
前記撮像素子の電子シャッタの絞り量を調整する処理であり、
前記撮像制御部は、
前記第2の処理において、前記撮像素子の電子シャッタの絞り量を複数の前記第1の光のうち前記光源装置から出射されている第1の光に応じた絞り量に設定する請求項1に記載の医療用制御装置。
【請求項9】
第1の光、及び前記第1の光とは異なる波長帯域の第2の光をそれぞれ出射する光源装置と、
少なくとも1つの撮像素子を有し、前記第1の光が観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第1の光の戻り光を撮像して第1の撮像画像を生成するとともに、前記第2の光が前記観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第2の光の戻り光を撮像して第2の撮像画像を生成する撮像装置と、
前記光源装置及び前記撮像装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記光源装置の動作を制御し、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とをそれぞれ調整する調光制御部と、
前記撮像装置の動作を制御する撮像制御部とを備え、
前記撮像制御部は、
前記撮像素子の露光期間を変更する第1の処理と、
前記露光期間の一部の期間の受光に応じて前記撮像素子にて生成される画像情報を捨てる第2の処理とをそれぞれ実行する医療用観察システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用制御装置及び医療用観察システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体内等の観察対象を撮像し、当該観察対象を観察する医療用観察システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の医療用観察システムでは、以下に示す第1,第2の撮像画像をそれぞれ生成する。
第1の撮像画像は、特殊光等の第1の光が観察対象に照射され、当該観察対象を介した当該第1の光の戻り光を撮像した撮像画像である。
第2の撮像画像は、通常光等の第2の光が当該観察対象に照射され、当該観察対象を介した当該第2の光の戻り光を撮像した撮像画像である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、第1,第2の撮像画像の明るさを調整する際、以下に示すように、第1,第2の光を出射する光源装置の調光制御を実行することが考えられる。
第2の撮像画像における特定の領域の明るさに基づいて、当該第2の撮像画像を基準となる明るさに調整するために、第2の光の光量を調整する。また、第1の光の光量と第2の光の光量との比率が特定の比率となる状態を維持しながら、当該第2の光の光量の調整に合わせて第1の光の光量を調整し、第1の撮像画像の明るさを調整する。
しかしながら、第1の光の光量と第2の光の光量との比率が特定の比率となる状態を維持しながら調光制御を実行すると、光源装置の調光制御が可能な範囲を超えてしまい、当該光源装置の調光制御を適切に行うことができない場合がある、という問題がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、光源装置の調光制御を適切に行うことができる医療用制御装置及び医療用観察システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る医療用制御装置は、第1の光、及び前記第1の光とは異なる波長帯域の第2の光をそれぞれ出射する光源装置の動作を制御し、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とをそれぞれ調整する調光制御部と、少なくとも1つの撮像素子を有し、前記第1の光が観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第1の光の戻り光を撮像して第1の撮像画像を生成するとともに、前記第2の光が前記観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第2の光の戻り光を撮像して第2の撮像画像を生成する撮像装置の動作を制御する撮像制御部とを備え、前記撮像制御部は、前記撮像素子の露光期間を変更する第1の処理と、前記露光期間の一部の期間の受光に応じて前記撮像素子にて生成される画像情報を捨てる第2の処理とをそれぞれ実行する。
【0007】
本開示に係る医療用観察システムは、第1の光、及び前記第1の光とは異なる波長帯域の第2の光をそれぞれ出射する光源装置と、少なくとも1つの撮像素子を有し、前記第1の光が観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第1の光の戻り光を撮像して第1の撮像画像を生成するとともに、前記第2の光が前記観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第2の光の戻り光を撮像して第2の撮像画像を生成する撮像装置と、前記光源装置及び前記撮像装置の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記光源装置の動作を制御し、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とをそれぞれ調整する調光制御部と、前記撮像装置の動作を制御する撮像制御部とを備え、前記撮像制御部は、前記撮像素子の露光期間を変更する第1の処理と、前記露光期間の一部の期間の受光に応じて前記撮像素子にて生成される画像情報を捨てる第2の処理とをそれぞれ実行する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る医療用制御装置及び医療用観察システムによれば、光源装置の調光制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る医療用観察システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、カメラヘッド及び制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、調光制御部及び撮像制御部の機能を説明する図である。
【
図4】
図4は、調光制御部及び撮像制御部の機能を説明する図である。
【
図5】
図5は、調光制御部及び撮像制御部の機能を説明する図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の変形例1を説明する図である。
【
図7】
図7は、実施の形態の変形例1を説明する図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例2を説明する図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の変形例2を説明する図である。
【
図10】
図10は、実施の形態の変形例3を説明する図である。
【
図11】
図11は、実施の形態の変形例3を説明する図である。
【
図12】
図12は、実施の形態の変形例3を説明する図である。
【
図13】
図13は、実施の形態の変形例4を説明する図である。
【
図14】
図14は、実施の形態の変形例4を説明する図である。
【
図15】
図15は、実施の形態の変形例5を説明する図である。
【
図16】
図16は、実施の形態の変形例11を説明する図である。
【
図17】
図17は、実施の形態の変形例11を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0011】
〔医療用観察システムの概略構成〕
図1は、実施の形態1に係る医療用観察システム1の構成を示す図である。
医療用観察システム1は、医療分野において用いられ、被写体となる生体内(観察対象)を観察するシステムである。この医療用観察システム1は、
図1に示すように、挿入部2と、光源装置3と、ライトガイド4と、カメラヘッド5と、第1の伝送ケーブル6と、表示装置7と、第2の伝送ケーブル8と、制御装置9と、第3の伝送ケーブル10とを備える。
【0012】
本実施の形態では、挿入部2は、硬性鏡で構成されている。すなわち、挿入部2は、全体が硬質、または一部が軟質で他の部分が硬質である細長形状を有し、生体内に挿入される。この挿入部2内には、1または複数のレンズを用いて構成され、被写体からの光を集光する光学系が設けられている。
【0013】
光源装置3は、ライトガイド4の一端が接続され、制御装置9による制御の下、当該ライトガイド4の一端に生体内に照射する光を供給する。この光源装置3は、
図1に示すように、第1の光源31と、第2の光源32とを備える。
【0014】
第1の光源31は、第1の波長帯域の第1の光を出射する。本実施の形態では、第1の光源31は、近赤外の波長帯域の近赤外励起光(第1の光)を発光する半導体レーザで構成されている。
【0015】
第1の光源31が発光する近赤外励起光は、インドシアニングリーン等の蛍光物質を励起する励起光である。また、当該インドシアニングリーン等の蛍光物質は、当該近赤外励起光で励起すると、当該近赤外励起光の波長帯域の中心波長よりも長波長側に中心波長を有する蛍光(近赤外励起光の戻り光)を発光する。
【0016】
第2の光源32は、第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域の第2の光を出射する。本実施の形態では、第2の光源32は、白色光(第2の光)を出射するLED(Light Emitting Diode)で構成されている。
【0017】
なお、本実施の形態では、光源装置3は、制御装置9とは別体で構成されているが、これに限らず、当該制御装置9と同一の筐体内に設けられた構成を採用しても構わない。
【0018】
ライトガイド4は、一端が光源装置3に着脱自在に接続されるとともに、他端が挿入部2に着脱自在に接続される。そして、ライトガイド4は、光源装置3から供給された光(近赤外励起光や白色光)を一端から他端に伝達し、挿入部2に供給する。挿入部2に供給された光(近赤外励起光や白色光)は、当該挿入部2の先端から出射され、生体内に照射される。生体内に近赤外励起光が照射された場合には、当該生体内で反射された近赤外励起光と、当該生体内における病変部に集積するインドシアニングリーン等の蛍光物質が励起され、当該蛍光物質から発せられた蛍光とが挿入部2内の光学系により集光される。なお、以下では、説明の便宜上、挿入部2内の光学系により集光された当該近赤外励起光及び蛍光を第1の被写体像と記載する。また、生体内に白色光が照射された場合には、当該生体内で反射された白色光が挿入部2内の光学系により集光される。なお、以下では、説明の便宜上、挿入部2内の光学系により集光された当該白色光を第2の被写体像と記載する。
【0019】
カメラヘッド5は、本開示に係る撮像装置に相当する。このカメラヘッド5は、挿入部2の基端(接眼部21(
図1))に着脱自在に接続される。そして、カメラヘッド5は、制御装置9による制御の下、挿入部2にて集光された第1の被写体像(観察対象を介した近赤外励起光の戻り光(近赤外励起光及び蛍光))や第2の被写体像(観察対象を介した白色光の戻り光(白色光))を撮像して画像信号(以下、撮像画像と記載)を生成する。
なお、カメラヘッド5の詳細な構成については、後述する「カメラヘッドの構成」において説明する。
【0020】
第1の伝送ケーブル6は、一端がコネクタCN1(
図1)を介して制御装置9に着脱自在に接続され、他端がコネクタCN2(
図1)を介してカメラヘッド5に着脱自在に接続される。そして、第1の伝送ケーブル6は、カメラヘッド5から出力される撮像画像等を制御装置9に伝送するとともに、制御装置9から出力される制御信号、同期信号、クロック、及び電力等をカメラヘッド5にそれぞれ伝送する。
【0021】
なお、第1の伝送ケーブル6を介したカメラヘッド5から制御装置9への撮像画像等の伝送は、当該撮像画像等を光信号で伝送してもよく、あるいは、電気信号で伝送しても構わない。第1の伝送ケーブル6を介した制御装置9からカメラヘッド5への制御信号、同期信号、クロックの伝送も同様である。
【0022】
表示装置7は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示ディスプレイで構成され、制御装置9による制御の下、当該制御装置9からの映像信号に基づく画像を表示する。
【0023】
第2の伝送ケーブル8は、一端が表示装置7に着脱自在に接続され、他端が制御装置9に着脱自在に接続される。そして、第2の伝送ケーブル8は、制御装置9にて処理された映像信号を表示装置7に伝送する。
【0024】
制御装置9は、本開示に係る医療用制御装置に相当する。この制御装置9は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等で構成され、光源装置3、カメラヘッド5、及び表示装置7の動作を統括的に制御する。
なお、制御装置9の詳細な構成については、後述する「制御装置の構成」において説明する。
【0025】
第3の伝送ケーブル10は、一端が光源装置3に着脱自在に接続され、他端が制御装置9に着脱自在に接続される。そして、第3の伝送ケーブル10は、制御装置9からの制御信号を光源装置3に伝送する。
【0026】
〔カメラヘッドの構成〕
次に、カメラヘッド5の構成について説明する。
図2は、カメラヘッド5及び制御装置9の構成を示すブロック図である。
カメラヘッド5は、
図2に示すように、レンズユニット51と、プリズム52と、撮像部53と、通信部54とを備える。
【0027】
レンズユニット51は、1または複数のレンズを用いて構成されている。そして、レンズユニット51は、挿入部2にて集光された第1の被写体像(近赤外励起光及び蛍光)を第1の撮像素子531(
図2)の撮像面に結像するとともに、当該挿入部2にて集光された第2の被写体像(白色光)を第2の撮像素子532(
図2)の撮像面に結像する。
【0028】
プリズム52は、レンズユニット51を介した第1の被写体像(近赤外励起光及び蛍光)及び第2の被写体像(白色光)を分離する。そして、プリズム52は、第1の被写体像(近赤外励起光及び蛍光)を第1の撮像素子531に向けて進行させる。また、プリズム52は、第2の被写体像(白色光)を第2の撮像素子532に向けて進行させる。
【0029】
撮像部53は、制御装置9による制御の下、生体内を撮像する。この撮像部53は、
図2に示すように、第1の撮像素子531と、第2の撮像素子532と、信号処理部533とを備える。
【0030】
第1,第2の撮像素子531,532は、被写体像を受光して電気信号(アナログ信号)に変換する。本実施の形態では、第1,第2の撮像素子531,532は、複数の画素が水平ライン単位で2次元状に配列されたローリングシャッタ方式の撮像素子であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)でそれぞれ構成されている。
【0031】
ここで、第1の撮像素子531は、具体的な図示は省略したが、電気的に保証されない無効領域と、光学的黒領域(OB領域)と、レンズユニット51にて結像した第1の被写体像を撮像信号に変換して出力する有効画素領域とで構成されている。なお、第2の撮像素子532も同様に、無効領域と、光学的黒領域(OB領域)と、有効画素領域とで構成されている。
【0032】
そして、第1の撮像素子531は、制御装置9による制御の下、プリズム52を介した第1の被写体像(近赤外励起光及び蛍光)を撮像する。以下では、説明の便宜上、第1の撮像素子531により第1の被写体像(近赤外励起光及び蛍光)を撮像することで生成された撮像画像を蛍光画像と記載する。
なお、第1の撮像素子531の光路前段側に、当該第1の撮像素子531に向かう近赤外励起光の少なくとも一部のみを除去する励起光カットフィルタを配設しても構わない。
【0033】
また、第2の撮像素子532は、制御装置9による制御の下、プリズム52を介した第2の被写体像(白色光)を撮像する。以下では、説明の便宜上、第2の撮像素子532により第2の被写体像(白色光)を撮像することで生成された撮像画像を通常光画像と記載する。
なお、蛍光画像の画素数と通常光画像の画素数とは、異なっていてもよく、あるいは、同一であってもよい。
【0034】
信号処理部533は、制御装置9による制御の下、第1,第2の撮像素子531,532にて生成された撮像画像(アナログ信号)に対して信号処理を行って撮像画像(デジタル信号)を出力する。
例えば、信号処理部533は、第1,第2の撮像素子531,532にて生成された撮像画像(アナログ信号)に対して、リセットノイズを除去する処理、当該アナログ信号を増幅するアナログゲインを乗算する処理、及びA/D変換等の信号処理を行う。
【0035】
通信部54は、第1の伝送ケーブル6を介して、撮像部53から順次、出力される撮像画像を制御装置9に送信するトランスミッタとして機能する。この通信部54は、例えば、第1の伝送ケーブル6を介して、制御装置9との間で、1Gbps以上の伝送レートで撮像画像の通信を行う高速シリアルインターフェースで構成されている。
【0036】
なお、通信部54は、制御装置9に対して蛍光画像と通常光画像とを交互に送信してもよく、あるいは、同時に送信してもよい。以下では、制御装置9に対して蛍光画像と通常光画像とが交互に送信されるものとして説明する。
【0037】
〔制御装置の構成〕
次に、制御装置9の構成について
図2を参照しながら説明する。
制御装置9は、
図2に示すように、通信部91と、画像メモリ92と、処理モジュール93と、制御部94と、入力部95と、出力部96と、記憶部97とを備える。
【0038】
通信部91は、第1の伝送ケーブル6を介して、カメラヘッド5(通信部54)から順次、送信される撮像画像を受信するレシーバとして機能する。この通信部91は、例えば、通信部54との間で、1Gbps以上の伝送レートで撮像画像の通信を行う高速シリアルインターフェースで構成されている。
【0039】
画像メモリ92は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されている。この画像メモリ92は、カメラヘッド5(通信部54)から順次、出力される撮像画像を複数フレーム分、一時的に記憶可能とする。
【0040】
処理モジュール93は、制御部94による制御の下、カメラヘッド5(通信部54)から順次、送信され、通信部91にて受信した撮像画像を処理する。この処理モジュール93は、
図2に示すように、メモリコントローラ931と、第1の画像処理部932と、第2の画像処理部933と、表示制御部934とを備える。
【0041】
メモリコントローラ931は、画像メモリ92への撮像画像の書き込み、及び当該画像メモリ92からの当該撮像画像の読み出しを制御する。より具体的に、メモリコントローラ931は、通信部91にて受信した蛍光画像を画像メモリ92に書き込み、当該画像メモリ92から当該蛍光画像を特定のタイミングで読み出して第1の画像処理部932に入力させる。また、メモリコントローラ931は、通信部91にて受信した通常光画像を画像メモリ92に書き込み、当該画像メモリ92から当該通常光画像を特定のタイミングで読み出して第2の画像処理部933に入力させる。
【0042】
第1の画像処理部932は、入力した蛍光画像に対して第1の画像処理を実行する。
当該第1の画像処理としては、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス調整処理、デモザイク処理、色補正マトリクス処理、ガンマ補正処理、RGB信号を輝度色差信号(Y,Cb/Cr信号)に変換するYC処理、ゲイン調整、ノイズ除去、構造強調をするフィルタ処理等を例示することができる。
【0043】
第2の画像処理部933は、入力した通常光画像に対して第2の画像処理を実行する。
当該第2の画像処理としては、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス調整処理、デモザイク処理、色補正マトリクス処理、ガンマ補正処理、RGB信号を輝度色差信号(Y,Cb/Cr信号)に変換するYC処理、ゲイン調整、ノイズ除去、構造強調をするフィルタ処理等を例示することができる。
なお、第1,第2の画像処理としては、互いに異なる画像処理であってもよく、あるいは、同一の画像処理であってもよい。
【0044】
表示制御部934は、制御部94による制御の下、第1の画像処理部932にて第1の画像処理が実行された後の蛍光画像や第2の画像処理部933にて第2の画像処理が実行された後の通常光画像を表示するための映像信号を生成する。そして、表示制御部934は、第2の伝送ケーブル8を介して、当該映像信号を表示装置7に出力する。
【0045】
制御部94は、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等のコントローラによって、記憶部97に記憶された各種のプログラムが実行されることにより実現され、光源装置3、カメラヘッド5、及び表示装置7の動作を制御するとともに、制御装置9全体の動作を制御する。なお、制御部94は、CPUやMPUに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA等の集積回路によって構成されても構わない。この制御部94は、
図2に示すように、モード切替部941、調光制御部942、及び撮像制御部943としての機能を有する。
【0046】
モード切替部941は、カメラヘッド5に設けられた入力部(図示略)へのユーザ操作や、入力部95へのユーザ操作に応じて、医療用観察システム1のモードを通常観察モードと蛍光観察モードとのいずれかのモードに切り替える。
【0047】
通常観察モードは、蛍光画像及び通常光画像のうち、当該通常光画像のみを生成し、当該通常光画像を表示装置7に表示させるモードである。
この通常観察モードでは、制御部94は、第1,第2の光源31,32のうち、第2の光源32のみを点灯させる。また、通信部54は、通信部91に対して、撮像部53にて生成された通常光画像を順次、送信する。さらに、処理モジュール93は、通信部91にて受信した通常光画像に対して第2の画像処理を実行し、当該第2の画像処理を実行した後の通常光画像を表示するための映像信号を生成して表示装置7に出力する。これにより、表示装置7には、通常光画像が表示される。
【0048】
蛍光観察モードは、蛍光画像及び通常光画像をそれぞれ生成し、当該蛍光画像及び当該通常光画像(または当該蛍光画像及び当該通常光画像を重畳した重畳画像)を表示装置7に表示させるモードである。
この蛍光観察モードでは、制御部94は、第1,第2の光源31,32を同時に点灯させる。また、通信部54は、通信部91に対して、撮像部53にて生成された蛍光画像と通常光画像とを交互に送信する。さらに、処理モジュール93は、通信部91にて受信した蛍光画像と通常光画像とに対してそれぞれ画像処理を実行し、当該画像処理を実行した後の蛍光画像及び通常光画像(または当該蛍光画像及び当該通常光画像を重畳した重畳画像)を表示するための映像信号を生成して表示装置7に出力する。これにより、表示装置7には、蛍光画像及び通常光画像(または当該蛍光画像及び当該通常光画像を重畳した重畳画像)が表示される。
【0049】
なお、調光制御部942及び撮像制御部943の機能については、後述する「調光制御部及び撮像制御部の機能について」において説明する。
【0050】
入力部95は、マウス、キーボード、及びタッチパネル等の操作デバイスを用いて構成され、術者等のユーザによるユーザ操作を受け付ける。そして、入力部95は、当該ユーザ操作に応じた操作信号を制御部94に出力する。
【0051】
出力部96は、スピーカやプリンタ等を用いて構成され、各種情報を出力する。
【0052】
記憶部97は、制御部94が実行するプログラムや、制御部94の処理に必要な情報等を記憶する。
【0053】
〔調光制御部及び撮像制御部の機能について〕
次に、調光制御部942及び撮像制御部943の機能について説明する。
図3ないし
図5は、調光制御部942及び撮像制御部943の機能を説明する図である。具体的に、
図3及び
図4は、調光制御及び撮像制御の課題を説明する図である。
図5は、第2の処理を説明する図である。ここで、
図3の(a)、
図4の(a)、及び
図5の(a)は、第2の撮像素子532の撮像制御を示した図であって、縦軸で第2の撮像素子532の水平ラインを示し(最上段が最も上の水平ライン(1ライン目の水平ライン)を示し、最下段が最も下の水平ライン(最終ライン)を示し)、横軸で時間を示している。そして、平行四辺形の領域は、1フィールドでの通常光画像の生成に寄与する領域となる。
図3の(b)、
図4の(b)、及び
図5の(b)は、調光制御を示した図であって、縦軸で第2の光源32に供給する電力値[W]を示し、横軸で時間(第2の光源32に供給する電力の供給時間)を示している。なお、本実施の形態では、第2の光源32に供給する電圧値が固定であるため、
図3の(b)、
図4の(b)、及び
図5の(b)において、縦軸は、第2の光源32に供給する電流値に相当する。
図3の(c)、
図4の(c)、及び
図5の(c)は、第1の撮像素子531の撮像制御を示した図であって、縦軸で第1の撮像素子531の水平ラインを示し(最上段が最も上の水平ライン(1ライン目の水平ライン)を示し、最下段が最も下の水平ライン(最終ライン)を示し)、横軸で時間を示している。そして、平行四辺形の領域は、1フィールドでの蛍光画像の生成に寄与する領域となる。
図3の(d)、
図4の(d)、及び
図5の(d)は、調光制御を示した図であって、縦軸で第1の光源31に供給する電力値[W]を示し、横軸で時間(第1の光源31に供給する電力の供給時間)を示している。なお、本実施の形態では、第1の光源31に供給する電圧値が固定であるため、
図3の(d)、
図4の(d)、及び
図5の(d)において、縦軸は、第1の光源31に供給する電流値に相当する。
以下、調光制御及び撮像制御の課題と、当該課題を解決する第2の処理とを順に説明する。
【0054】
〔調光制御及び撮像制御の課題について〕
先ず、
図3及び
図4を参照しつつ、調光制御及び撮像制御の課題について説明する。
撮像制御部943は、第1,第2の撮像素子531,532の1フィールド期間における露光を水平ライン毎に順次、開始させ、露光開始から所定の期間(所謂、シャッタ速度)が経過した水平ライン毎に順次、読み出しを行わせる所謂、ローリングシャッタ方式による撮像制御を行う。そして、当該撮像制御では、NTSC方式の場合には、1フィールドを1/60[s]に設定することが考えられる(
図3の(a)及び
図3の(c))。
【0055】
ところで、蛍光画像は、観察対象からの蛍光が微小であり、信号レベルが非常に低いものである。そして、信号レベルを高めるために、複数のフィールドを擬似的に1つのフィールドとする長時間露光を行うことが考えられる(
図4の(a)及び
図4の(c))。
図4の(a)及び
図4の(c)の例では、2つのフィールドが擬似的に1つのフィールドとされた例であり、当該1フィールドは、1/30[s]に設定されている。
【0056】
なお、本実施の形態では、撮像制御部943は、医療用観察システム1が通常観察モードである場合には、1フィールドを1/60[s]に設定して第2の撮像素子532のみの撮像制御を実行する。一方、撮像制御部943は、医療用観察システム1が蛍光観察モードである場合には、1フィールドを1/30[s]に設定して第1,第2の撮像素子531,532の長時間露光(撮像制御)を実行する。すなわち、撮像制御部943は、第1,第2の撮像素子531,532の露光期間を変更する第1の処理(長時間露光)を実行する。
【0057】
調光制御部942は、医療用観察システム1が通常観察モードである場合には、以下に示す通常調光制御を実行する。
すなわち、調光制御部942は、通常光画像における特定の領域(検波領域)の明るさ(輝度値の平均値等)に基づいて、当該通常光画像を基準となる明るさに調整する。より具体的に、調光制御部942は、第2の光源32に供給する電流値を調整する。
【0058】
また、調光制御部942は、医療用観察システム1が蛍光観察モードである場合には、以下に示す光量比率を維持する調光制御を実行する。
すなわち、調光制御部942は、上述した通常調光制御を実行して通常光画像の明るさを調整するとともに、記憶部97に記憶された光量比率を示す比率情報を参照し、第2の光源32から出射される白色光の光量と第1の光源31から出射される近赤外励起光の光量との比率が特定の比率となる状態が維持されるように、当該第2の光源32に供給する電流値の調整に合わせて当該第1の光源31に供給する電流値を調整し、蛍光画像の明るさを調整する。
【0059】
しかしながら、上述した第1の処理(長時間露光)と、上述した光量比率を維持する調光制御とを併用した場合には、以下の問題が生じる場合がある。
すなわち、第1の処理(長時間露光)を実行した場合には、蛍光画像における信号レベルのみならず、通常光画像における信号レベルも増加(
図4の例では約2倍)する。すなわち、通常光画像の明るさが高くなるため、光量比率を維持する調光制御を実行すると、当該通常光画像の明るさを基準となる明るさに調整するために、白色光の光量を低下させ、当該白色光の光量の低下に合わせて近赤外励起光の光量も低下させる。このため、結果として、蛍光画像の明るさが低下してしまう、という第1の問題がある。
【0060】
そこで、第1の問題を解決するために、以下の方法が考えられる。
図4の(b)に示すように、元々N[W]の電力を第2の光源32に供給する想定のところを半分のN/2[W]の電力を当該第2の光源32に供給する。このようにすれば、通常光画像が必要以上に明るくなることがなく、光量比率を維持する調光制御を実行した場合であっても、蛍光画像の明るさが低下してしまうことがない。しかしながら、この方法では、以下に示す第2の問題がある。
【0061】
第2の光源32から出射される白色光の光量を大きく絞ることになるため、第2の光源32から出射される白色光の光量を調整するための電流値のマージンが少なくなってしまう。また、光量比率を維持する調光制御では、当該白色光の光量に合わせて近赤外励起光の光量を調整するため、第1の光源31から出射される近赤外励起光の光量を調整するための電流値のマージンも少なくなってしまう。
【0062】
そして、本実施の形態では、撮像制御部943は、第2の問題を解決するために、以下に示す第2の処理を実行する。
【0063】
〔第2の処理について〕
次に、
図5を参照しつつ、撮像制御部943が実行する第2の処理について説明する。
第2の処理は、第2の撮像素子532の露光期間の一部の期間の受光に応じて当該第2の撮像素子532にて生成される画像情報を捨てる処理である。本実施の形態では、第2の処理は、第2の撮像素子532の電子シャッタの絞り量を調整する処理である。すなわち、本実施の形態では、当該画像情報は、第2の撮像素子532が画素毎に蓄積した電荷に相当する。
図5の例では、撮像制御部943は、第2の撮像素子532の電子シャッタの絞り量を1/60[s]に固定している。なお、
図5の(a)において、ドットで示した領域Ar1は、電子シャッタによる電荷の掃き捨てを示す領域である。また、斜線で示した領域Ar2は、有効な露光期間を示す領域である。
【0064】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態に係る制御装置9では、撮像制御部943は、上述した第1,第2の処理をそれぞれ実行する。
したがって、本実施の形態に係る制御装置9によれば、上述した第1,第2の問題を解決し、光源装置3の調光制御を適切に行うことができる。
【0065】
(その他の実施の形態)
ここまで、本開示を実施するための形態を説明してきたが、本開示は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
以下に示す変形例1~11の構成を採用しても構わない。
【0066】
(変形例1)
図6及び
図7は、実施の形態の変形例1を説明する図である。具体的に、
図6は、
図2に対応した図である。
図7は、
図5に対応した図である。なお、
図7の(d)は、調光制御を示した図であって、縦軸で第3の光源33に供給する電力値[W]を示し、横軸で時間(第3の光源33に供給する電力の供給時間)を示している。
上述した実施の形態では、本開示に係る第1の光として、特殊光観察であるIRI(Infra-Red Imaging)と呼ばれる技術で用いられる近赤外励起光を採用していたが、これに限らず、その他の特殊光観察(NBI(Narrow Band Imaging)と呼ばれる技術、AFI(Auto Fluorescence Imaging)と呼ばれる技術、PDD(Photodynamic Diagnosis)と呼ばれる技術等)で用いられる特殊光を採用しても構わない。また、複数の特殊光を本開示に係る第1の光として採用しても構わない。
【0067】
本変形例1では、本開示に係る第1の光として、近赤外励起光と、当該近赤外励起光とは異なる特殊光(以下、第2の特殊光と記載)との2つの光を採用している。すなわち、本変形例1に係る光源装置3Aには、
図6に示すように、上述した実施の形態で説明した光源装置3に対して、当該第2の特殊光を出射する第3の光源33が追加されている。
【0068】
そして、本変形例1では、医療用観察システム1のモードとして、通常観察モード及び蛍光観察モードの他、第2の特殊光観察モードが設けられている。
第2の特殊光観察モードは、第2の特殊光画像及び通常光画像をそれぞれ生成し、当該第2の特殊光画像及び通常光画像(または当該第2の特殊光画像及び当該通常光画像を重畳した重畳画像)を表示装置7に表示させるモードである。なお、第2の特殊光画像は、第2の特殊光が観察対象に照射され、当該観察対象を介した当該第2の特殊光の戻り光を第2の撮像素子532が撮像した撮像画像である。
【0069】
この第2の特殊光観察モードでは、制御部94は、第2,第3の光源32,33を同時に点灯させる。また、通信部54は、通信部91に対して、撮像部53にて生成された第2の特殊光画像と通常光画像とを交互に送信する。さらに、処理モジュール93は、通信部91にて受信した第2の特殊光画像と通常光画像とに対してそれぞれ画像処理を実行し、当該画像処理を実行した後の第2の特殊光画像及び通常光画像(または当該第2の特殊光画像及び当該通常光画像を重畳した重畳画像)を表示するための映像信号を生成して表示装置7に出力する。これにより、表示装置7には、第2の特殊光画像及び通常光画像(または当該第2の特殊光画像及び当該通常光画像を重畳した重畳画像)が表示される。
【0070】
また、本変形例1では、撮像制御部943は、第2の特殊光観察モードにおいて第2の処理を実行する際、
図7の(a)に示すように、第2の撮像素子532の電子シャッタの絞り量を蛍光観察モードでの第2の処理とは異なる絞り量に設定する。
図7の例では、撮像制御部943は、第2の撮像素子532の電子シャッタの絞り量を1/60[s]よりも大きい絞り量に設定している。すなわち、撮像制御部943は、第2の処理において、第2の撮像素子532の電子シャッタの絞り量を複数の第1の光のうち光源装置3から出射されている第1の光に応じた絞り量に設定する。
【0071】
以上説明した本変形例1によれば、第1の光が変更された場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0072】
(変形例2)
図8及び
図9は、実施の形態の変形例2を説明する図である。具体的に、
図8及び
図9は、
図5に対応した図である。
上述した実施の形態において、医療用観察システム1が蛍光観察モードである場合に、蛍光画像と通常光画像との明るさを低くする際、
図8及び
図9に示した本変形例2のように調光制御及び撮像制御を実行しても構わない。
【0073】
具体的に、調光制御部942は、
図8に示すように、光量比率を維持する調光制御を実施しながら、第1,第2の光源31,32に供給する電流値を下げていく(近赤外励起光及び白色光の光量を下げていく)。
【0074】
そして、撮像制御部943は、
図9に示すように、第1,第2の光源31,32に供給する電流値が駆動限界値Thまで下がった後、第1の撮像素子531の有効な露光期間(領域Ar2で示した期間)と第2の撮像素子532の有効な露光期間(領域Ar2で示した期間)との比率が特定の比率となる状態を維持しながら、当該第1の撮像素子531の電子シャッタの絞り量、及び当該第2の撮像素子532の電子シャッタの絞り量を大きくしていく。
図8及び
図9の例では、初期状態(電流値が駆動限界値Thとなる前の状態)では、第1の撮像素子531の有効な露光期間は1/30[s]であり、第2の撮像素子532の有効な露光期間は1/60[s]である。このため、撮像制御部943は、当該各有効な露光期間の比率を維持しながら、第1の撮像素子531の有効な露光期間:1/60[s]及び第2の撮像素子532の有効な露光期間:1/120[s](
図9の状態)、第1の撮像素子531の有効な露光期間:1/120[s]及び第2の撮像素子532の有効な露光期間:1/240[s]、・・・という形で順次、第1の撮像素子531の電子シャッタの絞り量、及び第2の撮像素子532の電子シャッタの絞り量を大きくしていく。
【0075】
以上説明した本変形例2の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0076】
(変形例3)
図10ないし
図12は、実施の形態の変形例3を説明する図である。具体的に、
図10は、
図2に対応した図である。
図11及び
図12は、本変形例3に係る調光制御部942及び撮像制御部943の機能を説明する図である。ここで、
図11の(a)及び
図12の(a)は、第1の撮像素子531の撮像制御を示した図であって、縦軸で第1の撮像素子531の水平ラインを示し(最上段が最も上の水平ライン(1ライン目の水平ライン)を示し、最下段が最も下の水平ライン(最終ライン)を示し)、横軸で時間を示している。そして、平行四辺形の領域は、1フィールドでの通常光画像及び蛍光画像の生成にそれぞれ寄与する領域となる。なお、
図11及び
図12では、通常光画像の生成に寄与する平行四辺形の領域をWLI(White Light Imaging)フィールドと記載し、蛍光画像の生成に寄与する平行四辺形の領域をIR(Infra-Red)フィールドと記載している。
図11の(b)及び
図12の(b)は、調光制御を示した図であって、縦軸で第2の光源32に供給する電力値[W]を示し、横軸で時間(第2の光源32に供給する電力の供給時間)を示している。なお、本変形例3では、上述した実施の形態と同様に、第2の光源32に供給する電圧値が固定であるため、
図11の(b)及び
図12の(b)において、縦軸は、第2の光源32に供給する電流値に相当する。
図11の(c)及び
図12の(c)は、調光制御を示した図であって、縦軸で第1の光源31に供給する電力値[W]を示し、横軸で時間(第1の光源31に供給する電力の供給時間)を示している。なお、本変形例3では、上述した実施の形態と同様に、第1の光源31に供給する電圧値が固定であるため、
図11の(c)及び
図12の(c)において、縦軸は、第1の光源31に供給する電流値に相当する。
【0077】
上述した実施の形態では、撮像部53は、第1,第2の撮像素子531,532の2つの撮像素子を有していたが、これに限らず、撮像素子を1つのみ有した構成としても構わない。例えば、本変形例3に係る撮像部53Bは、
図10に示すように、上述した実施の形態で説明した撮像部53に対して、プリズム52が省略されるとともに、1つのみの第1の撮像素子531を有する。
【0078】
そして、本変形例3に係る蛍光観察モードでは、調光制御部942及び撮像制御部943は、以下に示す処理を実行する。
撮像制御部943は、上述した実施の形態と同様に、長時間露光(第1の処理)を行う。
図11及び
図12の例では、撮像制御部943は、擬似的に纏めた1フィールドを1/30[s]に設定する。なお、撮像制御部943は、医療用観察システム1が通常観察モードである場合には、上述した実施の形態と同様に、1フィールドを1/60[s]に設定する。
【0079】
調光制御部942は、
図11に示すように、擬似的に纏めた1つのフィールド毎に、第1の光源31の発光と第2の光源32の発光とを交互に繰り返す。具体的に、調光制御部942は、交互に繰り返されるWLIフィールド及びIRフィールドのうちWLIフィールドにおいて、全ライン露光期間TE1(
図11の(b))全体で第2の光源32を発光させる。一方、調光制御部942は、交互に繰り返されるWLIフィールド及びIRフィールドのうちIRフィールドにおいて、全ライン露光期間TE2(
図11の(c))全体で第1の光源31を発光させる。ここで、全ライン露光期間TE1,TE2は、第1の撮像素子531における有効画素領域の全ての水平ラインが同時に露光される期間である。
【0080】
また、調光制御部942は、上述した実施の形態と同様に、通常調光制御と、光量比率を維持する調光制御とを実行する。
【0081】
ここで、調光制御部942及び撮像制御部943が上述した調光制御及び撮像制御を実施した場合(
図11)には、上述した実施の形態で説明した第1,第2の問題が生じる場合がある。
【0082】
そこで、本変形例3においても、撮像制御部943は、
図12の(a)に示すように、第2の処理を実行する。具体的に、撮像制御部943は、WLIフィールドにおいて、第1の撮像素子531の電子シャッタの絞り量を所定値に固定する。なお、
図12の(a)において、ドットで示した領域Ar1は、電子シャッタによる電荷の掃き捨てを示す領域である。また、斜線で示した領域Ar2は、有効な露光期間を示す領域である。
【0083】
また、WLIフィールドにおいて、電子シャッタで絞った結果、全ライン露光期間TE1は、
図12の(b)に示すように、短くなる。そして、調光制御部942は、当該短くなった全ライン露光期間TE1全体で第2の光源32を発光させる。
【0084】
以上説明した本変形例3の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0085】
(変形例4)
図13及び
図14は、実施の形態の変形例4を説明する図である。具体的に、
図13及び
図14は、
図11及び
図12に対応した図である。
上述した変形例3では、調光制御部942は、医療用観察システム1が蛍光観察モードである場合に、交互に繰り返されるWLIフィールド及びIRフィールドのうちIRフィールドにおいて、全ライン露光期間TE2全体で第1の光源31を発光させていたが、これに限らない。
【0086】
本変形例4に係る調光制御部942は、
図13及び
図14に示すように、交互に繰り返されるWLIフィールド及びIRフィールドのうちIRフィールドにおける全ライン露光期間TE2と、読み出し期間TRBの少なくとも一部の期間と、読み出し期間TRAの少なくとも一部の期間とを含む期間で第1の光源31を発光させる。
【0087】
ここで、読み出し期間TRBは、第1の撮像素子531の複数の画素に蓄積された電荷を読み出す読み出し期間であって、全ライン露光期間TE2に隣り合い、当該全ライン露光期間TE2に対して時系列的に前の読み出し期間である。また、読み出し期間TRAは、第1の撮像素子531の複数の画素に蓄積された電荷を読み出す読み出し期間であって、全ライン露光期間TE2に隣り合い、当該全ライン露光期間TE2に対して時系列的に後の読み出し期間である。
【0088】
また、上述した変形例3では、撮像制御部943は、医療用観察システム1が蛍光観察モードである場合に、WLIフィールドにおいて、第1の撮像素子531の電子シャッタの絞り量を所定値に固定していたが、これに限らない。
【0089】
本変形例4に係る撮像制御部943は、
図14に示すように、IRフィールドにおいて、第1の撮像素子531の電子シャッタの絞り量を所定値に固定する。なお、
図14の(a)において、ドットで示した領域Ar1´は、電子シャッタによる電荷の掃き捨てを示す領域である。また、斜線で示した領域Ar2´は、有効な露光期間を示す領域である。
【0090】
以上説明した本変形例4の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態及び変形例3と同様の効果を奏する。
【0091】
(変形例5)
図15は、実施の形態の変形例5を説明する図である。具体的に、
図15は、
図14に対応した図である。
上述した変形例4において、医療用観察システム1が蛍光観察モードである場合に、
図15に示した本変形例5のように、調光制御部942は、第1の光源31を常時、点灯させても構わない。
【0092】
以上説明した本変形例5の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態及び変形例3,4と同様の効果を奏する。
【0093】
(変形例6)
上述した実施の形態では、第1,第2の撮像素子531,532は、CMOSによって構成されていたが、これに限らず、CCD(Charge Coupled Device)によって構成しても構わない。
上述した本変形例6の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0094】
(変形例7)
上述した実施の形態では、本開示に係る第2の処理として、第2の撮像素子532の電子シャッタの絞り量を調整する処理を採用していたが、これに限らない。
本変形例7に係る撮像制御部943は、医療用観察システム1が蛍光観察モードである場合には、第1の撮像素子531のみ長時間露光を行い、第2の撮像素子532については通常観察モードの場合と同様に1フィールドを1/60[s]に設定する。そして、撮像制御部943は、通信部54の動作を制御し、第2の撮像素子532にて生成された通常光画像のうち、2フィールドに1回、1フィールドの通常光画像を通信部91に伝送しないように構成しても構わない。当該伝送しない1フィールドの通常光画像は、本開示に係る画像情報に相当する。
【0095】
上述した本変形例7の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0096】
(変形例8)
上述した実施の形態では、第1の撮像素子531の複数の画素に蓄積された電荷を読み出す読み出しタイミング(以下、第1の読み出しタイミングと記載)と、第2の撮像素子532の複数の画素に蓄積された電荷を読み出す読み出しタイミング(以下、第2の読み出しタイミングと記載)とがずれていたが、これに限らない。第1,第2の読み出しタイミングが同時となる構成を採用しても構わない。
上述した本変形例8の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0097】
(変形例9)
上述した実施の形態では、NTSC方式の場合を例示し、1/60[s]を基準としていたが、これに限らない。PAL方式の場合には、1/50[s]を基準としたり、高速撮像動作(例えば1/240[s])を基準としても構わない。
上述した本変形例9の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0098】
(変形例10)
本変形例10に係る医療用観察システムは、挿入部の先端側に撮像部を有する所謂ビデオスコープ(軟性鏡)を用いた医療用観察システムである。以下では、説明の便宜上、本変形例10に係る医療用観察システム1を医療用観察システム1Cと記載する。
【0099】
図16は、実施の形態の変形例10を説明する図である。
医療用観察システム1Cは、
図16に示すように、生体内に挿入部2Cを挿入することによって観察部位の体内画像を撮像して撮像画像を出力する内視鏡100Cと、当該内視鏡100Cの先端から出射する照明光を発生する光源装置3と、当該内視鏡100Cから出力された撮像画像を処理する制御装置9と、当該制御装置9に第2の伝送ケーブル8を介して接続し、当該制御装置9にて処理された映像信号に基づく画像を表示する表示装置7とを備える。
【0100】
内視鏡100Cは、
図16に示すように、可撓性を有する細長形状をなす挿入部2Cと、当該挿入部2Cの基端側に接続され、各種の操作を受け付ける操作部101と、当該操作部101から挿入部2Cが延びる方向と異なる方向に延び、光源装置3及び制御装置9に接続する各種ケーブルを内蔵するユニバーサルコード102とを備える。
挿入部2Cは、
図16に示すように、先端部22と、当該先端部22の基端側に接続され、複数の湾曲駒によって構成された湾曲自在な湾曲部23と、当該湾曲部23の基端側に接続され、可撓性を有する長尺状の可撓管部24とを備える。
【0101】
そして、先端部22には、具体的な図示は省略したが、上述した実施の形態で説明したカメラヘッド5と略同様の構成が内蔵されている。そして、先端部22(撮像部)にて撮像された撮像画像は、操作部101及びユニバーサルコード102を介して、制御装置9に出力される。
【0102】
以上説明した本変形例10の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0103】
(変形例11)
本変形例11に係る医療用観察システムは、被検体内部(生体内)や被検体表面(生体表面)の所定の視野領域を拡大して撮像する手術用顕微鏡を用いた医療用観察システムである。以下では、説明の便宜上、本変形例11に係る医療用観察システム1を医療用観察システム1Dと記載する。
【0104】
図17は、実施の形態の変形例11を説明する図である。
医療用観察システム1Dは、
図17に示すように、被検体を観察するための画像を撮像して撮像画像を出力する手術用顕微鏡12と、手術用顕微鏡12から出力された撮像画像を処理する制御装置9と、制御装置9に第2の伝送ケーブル8を介して接続し、制御装置9にて処理された映像信号に基づく画像を表示する表示装置7とを備える。
【0105】
手術用顕微鏡12は、
図17に示すように、被写体の微小部位を拡大して撮像し、撮像画像を出力する顕微鏡部121と、顕微鏡部121の基端部に接続し、顕微鏡部121を回動可能に支持するアームを含む支持部122と、支持部122の基端部を回動可能に保持し、床面上を移動可能なベース部123とを備える。
そして、制御装置9は、
図17に示すように、ベース部123に設置されている。また、具体的な図示は省略したが、ベース部123には、手術用顕微鏡12から被写体に照射する照明光を生成する光源装置3も設置されている。
なお、ベース部123は、床面上に移動可能に設けるのではなく、天井や壁面等に固定して支持部122を支持する構成としてもよい。
【0106】
顕微鏡部121には、具体的な図示は省略したが、上述した実施の形態で説明したカメラヘッド5と略同様の構成が内蔵されている。そして、顕微鏡部121(撮像部)にて撮像された撮像画像は、支持部122に沿って配線された第1の伝送ケーブル6を介して、制御装置9に出力される。
【0107】
以上説明した本変形例11の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0108】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)第1の光、及び前記第1の光とは異なる波長帯域の第2の光をそれぞれ出射する光源装置の動作を制御し、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とをそれぞれ調整する調光制御部と、少なくとも1つの撮像素子を有し、前記第1の光が観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第1の光の戻り光を撮像して第1の撮像画像を生成するとともに、前記第2の光が前記観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第2の光の戻り光を撮像して第2の撮像画像を生成する撮像装置の動作を制御する撮像制御部とを備え、前記撮像制御部は、前記撮像素子の露光期間を変更する第1の処理と、前記露光期間の一部の期間の受光に応じて前記撮像素子にて生成される画像情報を捨てる第2の処理とをそれぞれ実行する。
(2)前記調光制御部は、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量との比率が特定の比率となる状態を維持しながら、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とをそれぞれ調整する前記(1)に記載の医療用制御装置。
(3)前記第2の処理は、前記撮像素子の電子シャッタの絞り量を調整する処理である前記(1)または(2)に記載の医療用制御装置。
(4)前記第2の処理は、前記撮像装置から前記医療用制御装置への前記第1の撮像画像及び前記第2の撮像画像の伝送の際に実行される前記(1)または(2)に記載の医療用制御装置。
(5)前記第1の処理は、複数のフィールドを擬似的に1つのフィールドとする長時間露光である前記(1)~(4)のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
(6)前記撮像素子は、前記第1の撮像画像を生成する第1の撮像素子と、前記第2の撮像画像を生成する第2の撮像素子とを備え、前記第2の処理は、前記第1の撮像素子の電子シャッタの絞り量、及び前記第2の撮像素子の電子シャッタの絞り量を調整する処理であり、前記第1の撮像画像及び前記第2の撮像画像の明るさを低くする際、前記調光制御部は、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量との比率が特定の比率となる状態を維持しながら、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とを下げていき、前記撮像制御部は、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とが駆動限界値まで下がった後、前記第1の撮像素子の有効な露光期間と前記第2の撮像素子の有効な露光期間との比率が特定の比率となる状態を維持しながら、前記第1の撮像素子の電子シャッタの絞り量、及び前記第2の撮像素子の電子シャッタの絞り量を大きくしていく前記(1)~(3)、(5)のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
(7)前記第1の光は、前記観察対象から蛍光を発生させるための励起光であり、前記第2の光は、白色光である前記(1)~(6)のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
(8)前記光源装置は、互いに異なる波長帯域の複数の前記第1の光をそれぞれ出射し、前記第2の処理は、前記撮像素子の電子シャッタの絞り量を調整する処理であり、前記撮像制御部は、前記第2の処理において、前記撮像素子の電子シャッタの絞り量を複数の前記第1の光のうち前記光源装置から出射されている第1の光に応じた絞り量に設定する前記(1)~(3)、(5)~(7)のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
(9)第1の光、及び前記第1の光とは異なる波長帯域の第2の光をそれぞれ出射する光源装置と、少なくとも1つの撮像素子を有し、前記第1の光が観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第1の光の戻り光を撮像して第1の撮像画像を生成するとともに、前記第2の光が前記観察対象に照射され、前記観察対象を介した前記第2の光の戻り光を撮像して第2の撮像画像を生成する撮像装置と、前記光源装置及び前記撮像装置の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記光源装置の動作を制御し、前記第1の光の光量と前記第2の光の光量とをそれぞれ調整する調光制御部と、前記撮像装置の動作を制御する撮像制御部とを備え、前記撮像制御部は、前記撮像素子の露光期間を変更する第1の処理と、前記露光期間の一部の期間の受光に応じて前記撮像素子にて生成される画像情報を捨てる第2の処理とをそれぞれ実行する医療用観察システム。
【符号の説明】
【0109】
1,1C,1D 医療用観察システム
2,2C 挿入部
3,3A 光源装置
4 ライトガイド
5 カメラヘッド
6 第1の伝送ケーブル
7 表示装置
8 第2の伝送ケーブル
9 制御装置
10 第3の伝送ケーブル
12 手術用顕微鏡
21 接眼部
22 先端部
23 湾曲部
24 可撓管部
31 第1の光源
32 第2の光源
33 第3の光源
51 レンズユニット
52 プリズム
53,53B 撮像部
54 通信部
91 通信部
92 画像メモリ
93 処理モジュール
94 制御部
95 入力部
96 出力部
97 記憶部
100C 内視鏡
101 操作部
102 ユニバーサルコード
121 顕微鏡部
122 支持部
123 ベース部
531 第1の撮像素子
532 第2の撮像素子
533 信号処理部
931 メモリコントローラ
932 第1の画像処理部
933 第2の画像処理部
934 表示制御部
941 モード切替部
942 調光制御部
943 撮像制御部
Ar1,Ar2 領域
CN1,CN2 コネクタ
TRA,TRB 読み出し期間
TE1,TE2 全ライン露光期間
Th 駆動限界値