(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176817
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】産業車両
(51)【国際特許分類】
B60L 15/20 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B60L15/20 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095634
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】石村 祥太
(72)【発明者】
【氏名】山田 剛史
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA13
5H125AC12
5H125BA00
5H125BB00
5H125CA01
5H125EE08
5H125EE57
(57)【要約】
【課題】走行モータの回転数を目標回転数に円滑に追従させること。
【解決手段】産業車両は、走行モータと、走行モータを駆動させるインバータと、インバータを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、走行モータの回転数と目標回転数との偏差を算出する。制御装置は、走行モータの回転数と目標回転数との偏差、比例ゲイン、及び積分ゲインに基づいて出力割合を算出する。制御装置は、出力割合とトルク電流曲線とを掛け合わせることでトルク電流指令値を算出する。制御装置は、トルク電流指令値をインバータに対する指令値に変換することでモータの回転数が目標回転数に追従するように走行モータを制御する。制御装置は、産業車両の制動時に、回転数が基底回転数以下の状態での出力割合の最大値に基づき積分ゲインを設定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷を搬送可能な産業車両であって、
走行モータと、
前記走行モータを駆動させるインバータと、
前記インバータを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記走行モータの回転数と目標回転数との偏差を算出し、
前記偏差、比例ゲイン、及び積分ゲインに基づいて出力割合を算出し、
前記出力割合とトルク電流曲線とを掛け合わせることでトルク電流指令値を算出し、
前記トルク電流指令値を前記インバータに対する指令値に変換することで前記走行モータの回転数が前記目標回転数に追従するように前記走行モータを制御し、
前記産業車両の制動時に、前記走行モータの回転数が基底回転数以下の状態での前記出力割合の最大値に基づき前記積分ゲインを設定する、産業車両。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記走行モータの回転数が前記基底回転数以下に維持されている間に算出された前記最大値を保持しており、
前記走行モータの回転数が前記基底回転数以下に維持されている間に前記出力割合が算出されると、算出された前記出力割合が保持された前記最大値よりも大きい場合に、算出された前記出力割合を新たな前記最大値として保持する、請求項1に記載の産業車両。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記最大値が無負荷時出力割合基準値以下の場合、前記積分ゲインとして無負荷時積分ゲインを設定し、
前記最大値が最大負荷時出力割合基準値以上の場合、前記積分ゲインとして最大負荷時積分ゲインを設定し、
前記最大値が前記無負荷時出力割合基準値より大きく、前記最大負荷時出力割合基準値より小さい場合、前記積分ゲインとして前記無負荷時積分ゲインと前記最大負荷時積分ゲインとの間を線形補間することで得られた線形補間積分ゲインを設定し、
前記無負荷時出力割合基準値は、前記産業車両が前記荷を搬送していない場合に前記最大値が前記無負荷時出力割合基準値以下となるように設定されており、
前記最大負荷時出力割合基準値は、前記産業車両が搬送し得る最大重量の前記荷を搬送している場合に前記最大値が前記最大負荷時出力割合基準値以上となるように設定されている、請求項1又は請求項2に記載の産業車両。
【請求項4】
前記最大値が取り得る範囲を複数に区分した区分毎に前記積分ゲインが対応付けられており、
前記制御装置は、前記最大値が属する区分に対応付けられた前記積分ゲインを設定する、請求項1又は請求項2に記載の産業車両。
【請求項5】
制動装置として前記走行モータのみを備える、請求項1又は請求項2に記載の産業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、産業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の車両は、走行モータと、走行モータを駆動させるインバータと、インバータを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、走行モータの力行によって車両を走行させる。制御装置は、走行モータの回生によって車両を制動させる。制御装置が走行モータの回生によって車両を制動させる際には、走行モータの回転数が目標回転数に追従するようにフィードバック制御を行う。フィードバック制御は、例えば、比例積分制御である。特許文献2に開示の産業車両は、荷を搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-68596号公報
【特許文献2】特開2023-46547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のようにフィードバック制御を行う場合、比例ゲイン、及び積分ゲインが設定される。そして、比例ゲイン及び積分ゲインに基づいて制御が行われることで走行モータの回転数が目標回転数に追従する。特許文献1と同様に産業車両を制御する際の積分ゲインを設定する場合、産業車両を停止させる際の積分ゲインは、荷を搬送していない状態で走行モータの回転数が目標回転数に円滑に追従するように設定される。この場合、荷を搬送している産業車両を停止させる際に、走行モータの回転数が目標回転数に円滑に追従しない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する産業車両は、荷を搬送可能な産業車両であって、走行モータと、前記走行モータを駆動させるインバータと、前記インバータを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記走行モータの回転数と目標回転数との偏差を算出し、前記偏差、比例ゲイン、及び積分ゲインに基づいて出力割合を算出し、前記出力割合とトルク電流曲線とを掛け合わせることでトルク電流指令値を算出し、前記トルク電流指令値を前記インバータに対する指令値に変換することで前記走行モータの回転数が前記目標回転数に追従するように前記走行モータを制御し、前記産業車両の制動時に、前記走行モータの回転数が基底回転数以下の状態での前記出力割合の最大値に基づき前記積分ゲインを設定する。
【0006】
走行モータの回転数が基底回転数以下の状態では、荷の重量に応じて出力割合の最大値が変化する。このため、走行モータの回転数が基底回転数以下の状態での出力割合の最大値に基づき積分ゲインを設定することで、荷の重量に応じた積分ゲインを設定することができる。この積分ゲインによって出力割合を算出することによって、産業車両を停止させる際に、走行モータの回転数を目標回転数に円滑に追従させることができる。
【0007】
上記産業車両について、前記制御装置は、前記走行モータの回転数が前記基底回転数以下に維持されている間に算出された前記最大値を保持しており、前記走行モータの回転数が前記基底回転数以下に維持されている間に前記出力割合が算出されると、算出された前記出力割合が保持された前記最大値よりも大きい場合に、算出された前記出力割合を新たな前記最大値として保持してもよい。
【0008】
上記産業車両について、前記制御装置は、前記最大値が無負荷時出力割合基準値以下の場合、前記積分ゲインとして無負荷時積分ゲインを設定し、前記最大値が最大負荷時出力割合基準値以上の場合、前記積分ゲインとして最大負荷時積分ゲインを設定し、前記最大値が前記無負荷時出力割合基準値より大きく、前記最大負荷時出力割合基準値より小さい場合、前記積分ゲインとして前記無負荷時積分ゲインと前記最大負荷時積分ゲインとの間を線形補間することで得られた線形補間積分ゲインを設定し、前記無負荷時出力割合基準値は、前記産業車両が荷を搬送していない場合に前記最大値が前記無負荷時出力割合基準値以下となるように設定されており、前記最大負荷時出力割合基準値は、前記産業車両が搬送し得る最大重量の前記荷を搬送している場合に前記最大値が前記最大負荷時出力割合基準値以上となるように設定されていてもよい。
【0009】
上記産業車両について、前記最大値が取り得る範囲を複数に区分した区分毎に前記積分ゲインが対応付けられており、前記制御装置は、前記最大値が属する区分に対応付けられた前記積分ゲインを設定してもよい。
【0010】
上記産業車両について、制動装置として前記走行モータのみを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、走行モータの回転数を目標回転数に円滑に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】
図3は出力割合決定部の機能を表す概略構成図である。
【
図4】
図4は最大出力割合算出制御を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は積分ゲイン算出制御を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は減速開始時の走行モータの回転数と出力割合との対応関係を示す図である。
【
図7】
図7は負荷と最大出力割合との対応関係を示す図である。
【
図8】
図8は最大出力割合と積分ゲインとの対応関係を示す図である。
【
図9】
図9は積分ゲインとして無負荷時積分ゲインが設定された状態で荷を搬送中の産業車両を停止させた際の回転数指令、目標回転数、出力割合、及び実回転数を示す図である。
【
図10】
図10は無負荷状態の産業車両を平坦路で停止させた際の回転数指令、目標回転数、出力割合、及び実回転数を示す図である。
【
図11】
図11は最大負荷状態の産業車両を平坦路で停止させた際の回転数指令、目標回転数、出力割合、及び実回転数を示す図である。
【
図12】
図12は最大負荷状態の産業車両を坂路で停止させた際の回転数指令、目標回転数、出力割合、及び実回転数を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、産業車両の一実施形態について説明する。
<産業車両>
図1に示すように、産業車両10は、駆動輪12と、操舵輪13と、を備える。産業車両10は、フォークリフトである。フォークリフトは、カウンタ式であってもよいし、リーチ式であってもよい。産業車両10は、フォーク14を備える。フォーク14には、荷Lが積載される。産業車両10は、フォーク14に積載された荷Lを搬送可能である。
【0014】
図2に示すように、産業車両10は、バッテリ21を備える。バッテリ21は、例えば、蓄電装置を複数接続することで構成されている。蓄電装置は、充放電可能なものであれば、どのようなものを用いてもよい。蓄電装置は、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、又はニッケル水素蓄電池である。
【0015】
産業車両10は、インバータ22を備える。インバータ22は、例えば、直流電力を3相交流電力に変換する3相インバータである。インバータ22は、バッテリ21に電気的に接続されている。インバータ22は、バッテリ21から入力される直流電力を交流電力に変換して出力する。インバータ22は、例えば、スイッチング素子23を備え、スイッチング素子23のスイッチング動作によって直流電力を交流電力に変換する。
【0016】
産業車両10は、走行モータ24を備える。走行モータ24は、例えば、3相交流回転電機である。走行モータ24は、インバータ22によって駆動される。走行モータ24は、インバータ22からの電力供給時には電動機として動作することで回転駆動力を発生させる。この回転駆動力が車軸を通じて駆動輪12に伝達されることで産業車両10は走行する。走行モータ24は、産業車両10の制動時には発電機として動作することで回生発電を行なう。走行モータ24が発電した電力は、回生電力としてインバータ22を通じてバッテリ21に供給される。このように、走行モータ24は、力行と回生を行うモータジェネレータである。
【0017】
産業車両10は、走行モータ24が生じさせる回生制動力によって制動が行われる。産業車両10は、ディスクブレーキやドラムブレーキなどのメカニカルブレーキを備えない。従って、産業車両10は、制動装置として走行モータ24のみを備える。
【0018】
産業車両10が複数の駆動輪12を備える場合、走行モータ24は、駆動輪12毎に設けられていてもよい。この場合、インバータ22は、走行モータ24毎に設けられていてもよい。
【0019】
産業車両10は、アクセル部材25を備える。アクセル部材25は、産業車両10を走行させる際に操作される部材である。産業車両10がカウンタ式のフォークリフトの場合、アクセル部材25は、例えば、アクセルペダルである。産業車両10がリーチ式のフォークリフトの場合、アクセル部材25は、例えば、ディレクションレバーである。
【0020】
産業車両10は、アクセルセンサ26を備える。アクセルセンサ26は、アクセル部材25の操作量を検知する。アクセルセンサ26は、アクセル部材25の操作量に応じた電気信号を出力する。
【0021】
産業車両10は、回転速度センサ27を備える。回転速度センサ27は、走行モータ24の回転数[rpm]に応じた電気信号を出力する。回転速度センサ27は、例えば、レゾルバ、又はエンコーダである。
【0022】
産業車両10は、相電流検出部28を備える。相電流検出部28は、走行モータ24に流れる相電流を検出する。相電流検出部28は、少なくとも2相分の相電流を検出する。3相のうち2相分の相電流を検出して、残りの1相分の相電流は2相分の相電流から算出するようにしてもよい。
【0023】
産業車両10は、制御装置30を備える。制御装置30は、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)である。記憶部は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部には、産業車両10を動作させるためのプログラムが記憶されている。記憶部は、処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部、すなわち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置30は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置30は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0024】
制御装置30は、アクセルセンサ26から電気信号を取得する。制御装置30は、アクセルセンサ26から取得した電気信号からアクセル操作量を認識する。制御装置30は、回転速度センサ27から電気信号を取得する。制御装置30は、回転速度センサ27から取得した電気信号から走行モータ24の回転数を認識する。適宜、回転速度センサ27によって認識した走行モータ24の回転数を実回転数と称する。実回転数[rpm]は、走行モータ24の回転方向によって±の符号が反転する。例えば、実回転数が+であれば正回転、実回転数が-であれば逆回転である。
【0025】
制御装置30は、インバータ22を制御する。制御装置30は、出力割合決定部41と、トルク電流指令算出部31と、電圧指令算出部32と、を備える。出力割合決定部41、トルク電流指令算出部31、及び電圧指令算出部32は、制御装置30が予め定められた処理を実行することで機能する機能部である。
【0026】
出力割合決定部41は、出力割合[%]を決定する。
トルク電流指令算出部31は、トルク電流指令値を算出する。トルク電流指令値は、q軸電流指令値と称されることもある。トルク電流指令算出部31は、出力割合決定部41が決定した出力割合とトルク電流曲線(Torque current curve)との掛け合わせによってトルク電流指令値を算出する。
【0027】
電圧指令算出部32は、トルク電流指令値とトルク電流との偏差、及び励磁電流指令値と励磁電流との偏差に基づいて電圧指令値を算出する。励磁電流指令値は、制御装置30が算出する。励磁電流指令値は、d軸電流指令値と称されることもある。トルク電流は、走行モータ24に流れる電流のうちトルクを生じさせる成分である。励磁電流は、走行モータ24に流れる電流のうち磁束を生じさせる成分である。トルク電流及び励磁電流は、相電流から算出することができる。電圧指令算出部32は、トルク電流指令値とトルク電流との偏差、及び励磁電流指令値と励磁電流との偏差が小さくなるように電圧指令値を算出する。インバータ22は、電圧指令値に基づいて制御される。電圧指令値は、インバータ22に対する指令値である。このように、制御装置30は、トルク電流指令値をインバータ22に対する指令値に変換することで走行モータ24の回転数が目標回転数に追従するように走行モータ24を制御する。
【0028】
図3に示すように、出力割合決定部41は、目標回転数算出部42と、減算部43と、出力割合算出部44と、比例ゲイン算出部45と、積分ゲイン算出部46と、を備える。
目標回転数算出部42は、回転数指令と、加速度指令と、減速度指令と、に基づいて目標回転数を算出する。回転数指令は、例えば、アクセル操作量に基づいて算出される。加速度指令は、例えば、目標回転数と実回転数との偏差に基づいて算出される。減速度指令は、例えば、目標回転数と実回転数との偏差に基づいて算出される。目標回転数は、加速度指令で指示された加速度、又は減速度指令で指示された減速度で実回転数を追従させる回転数の目標値である。
【0029】
減算部43は、目標回転数と実回転数との偏差である速度偏差を算出する。
出力割合算出部44は、速度偏差、比例ゲイン、及び積分ゲインに基づいて出力割合を算出する。出力割合算出部44は、比例ゲイン、及び積分ゲインに基づき速度偏差が0に近付くように出力割合を算出する。出力割合決定部41は、フィードバック制御として比例積分制御によって出力割合を算出する。出力割合決定部41は、産業車両10の制動時には、目標回転数が0の場合に積分項が速度偏差に作用するように制御を行う。出力割合決定部41は、産業車両10の制動時には、目標回転数が0とは異なる値の場合に積分項が速度偏差に作用しないように制御を行う。
【0030】
走行モータ24の力行時には、実回転数と出力割合の正負が同一になる。走行モータ24の回生時には、実回転数と出力割合の正負が異なる。例えば、走行モータ24の力行時には、実回転数が正の値であれば、出力割合は正の値になる。走行モータ24の回生時には、実回転数が正の値であれば、出力割合は負の値になる。
【0031】
比例ゲイン算出部45は、比例ゲインを算出する。比例ゲインは、例えば、アクセル操作量、及び走行モータ24の実回転数に基づいて算出される。比例ゲインは、比例積分制御で用いられる比例項の係数である。
【0032】
積分ゲイン算出部46は、積分ゲインを算出する。積分ゲインは、出力割合に基づいて算出される。積分ゲインは、比例積分制御で用いられる積分項の係数である。以下、積分ゲイン算出部46が行う制御について説明する。
【0033】
<最大出力割合算出制御>
積分ゲイン算出部46は、所定の制御周期で最大出力割合算出制御を行う。
図4に示すように、ステップS1において、積分ゲイン算出部46は、回転数指令が0か否かを判定する。回転数指令は、アクセル部材25の操作が行われていない場合に0になる。従って、回転数指令が0か否かを判定することで、アクセル部材25の操作が行われなくなったか、アクセル部材25の操作が継続されているかを判定することができる。ステップS1の判定結果が否定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS21の処理を行う。ステップS21において、積分ゲイン算出部46は、最大出力割合を0にする。即ち、積分ゲイン算出部46は、最大出力割合をリセットして、最大出力割合算出制御を終了する。最大出力割合は、出力割合の最大値である。ステップS1の判定結果が肯定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS2の処理を行う。
【0034】
ステップS2において、積分ゲイン算出部46は、最大出力割合の前回値を保持する。
次に、ステップS3において、積分ゲイン算出部46は、実回転数の絶対値が基底回転数以下、かつ、目標回転数が0とは異なる値か否かを判定する。基底回転数は、回転数-トルク特性において定まる回転数である。回転数-トルク特性は、横軸を回転数、縦軸をトルクとした場合の走行モータ24の特性である。トルクは、ある回転数まで一定値で推移し、その回転数以上になると回転数が高くなるにつれて低下する。このように、回転数が高くなるにつれてトルクが低下する領域との境界となる回転数が基底回転数である。ステップS3の判定結果が否定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS22の処理を行う。ステップS22において、積分ゲイン算出部46は、最大出力割合の前回値を保持して、ステップS10に進む。ステップS3の判定結果が肯定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS4の処理を行う。
【0035】
ステップS4において、積分ゲイン算出部46は、実回転数が0以上か否かを判定する。ステップS4の判定結果が肯定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS5の処理を行う。ステップS5において、積分ゲイン算出部46は、出力割合に-1を乗算した値を出力割合ローカルとする。ステップS4の判定結果が否定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS6の処理を行う。ステップS6において、積分ゲイン算出部46は、出力割合を出力割合ローカルとする。
【0036】
ステップS4~ステップS6において、実回転数が正の場合には出力割合の負側が回生方向なので、出力割合に-1を乗算する。ステップS4~ステップS6の処理を行うことで、実回転数が正であっても負であっても正の値である出力割合ローカルを得られる。即ち、出力割合ローカルは、常に正の値となる出力割合である。
【0037】
次に、ステップS7において、積分ゲイン算出部46は、保持している最大出力割合が出力割合ローカル未満か否かを判定する。ステップS7の判定結果が肯定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS8の処理を行う。ステップS8において、積分ゲイン算出部46は、最大出力割合を出力割合ローカルとする。ステップS7の判定結果が否定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS9の処理を行う。ステップS9において、積分ゲイン算出部46は、最大出力割合の前回値を保持する。
【0038】
ステップS7~ステップS9において、積分ゲイン算出部46は、保持している最大出力割合より出力割合ローカルが大きければ、最大出力割合を出力割合ローカルにする。即ち、最大出力割合をステップS4~ステップS6で得られた出力割合ローカルに更新する。ステップS7~ステップS9は、ステップS3の判定結果が肯定の場合に行われる。ステップS3の判定結果が否定の場合、ステップS7~ステップS9の処理が行われることなく、ステップS10に進む。実回転数が基底回転数以下の場合、ステップS7~ステップS9で最大出力割合が更新されていく。このため、ステップS3の判定結果が否定になるまでステップS7~ステップS9の処理を継続することによって、実回転数が基底回転数以下の状態での最大出力割合を得ることができる。そして、ステップS3の判定結果が否定になると、最大出力割合の前回値が保持されるため、最大出力割合は実回転数が基底回転数以下の状態での出力割合の最大値に維持される。ステップS7の判定結果が否定の場合に、ステップS9の処理が行われることで、積分ゲイン算出部46は走行モータ24の回転数が基底回転数以下に維持されている間に算出された最大出力割合を保持している。ステップS7の判定結果が肯定の場合に、ステップS8の処理が行われることで、積分ゲイン算出部46は、走行モータ24の回転数が基底回転数以下に維持されている間に出力割合が算出されると、算出された出力割合が保持された最大出力割合よりも大きい場合に、算出された出力割合を新たな最大出力割合として保持する。
【0039】
次に、ステップS10において、積分ゲイン算出部46は、実回転数の絶対値が基底回転数よりも大きく、かつ、目標回転数が0か否かを判定する。ステップS10の判定結果が肯定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS11の処理を行う。ステップS11において、積分ゲイン算出部46は、最大出力割合を100[%]にして、最大出力割合算出制御を終了する。ステップS10の判定結果が否定の場合、積分ゲイン算出部46は、最大出力割合算出制御を終了する。回生時に、実回転数の絶対値が基底回転数よりも大きく、かつ、目標回転数が0の場合、出力割合算出部44で算出される出力割合は100[%]になる。このため、実回転数の絶対値が基底回転数よりも大きく、かつ、目標回転数が0の場合には、最大出力割合を100%に維持する。これにより、実回転数の絶対値が基底回転数よりも大きく、かつ、目標回転数が0にも関わらず最大出力割合が100未満になることを抑制している。
【0040】
<積分ゲイン算出制御>
積分ゲイン算出部46は、所定の制御周期で積分ゲイン算出制御を行う。積分ゲイン算出制御は、最大出力割合算出制御によって保持されている最大出力割合から積分ゲインを算出する制御である。
【0041】
図5に示すように、ステップS31において、積分ゲイン算出部46は、保持している最大出力割合が無負荷時出力割合基準値以下か否かを判定する。無負荷時出力割合基準値は、予め定められた値である。以下、無負荷時出力割合基準値について詳細に説明する。
【0042】
図6には、負荷の値を変更した場合の出力割合と減速開始時の走行モータ24の回転数との関係を示す。負荷は、荷Lの重量である。
図6に示す例では、負荷を0[kg]、500[kg]、1000[kg]、2000[kg]、又は2500[kg]にした場合の例を示す。
図6において○は0[kg]、□は500[kg]、△は1000[kg]、×は2000[kg]、◇は2500[kg]を示す。0[kg]は、産業車両10が荷Lを搬送していない状態である。この状態は、無負荷状態である。2500[kg]は、産業車両10が搬送し得る最大重量の荷Lを積載している状態である。この状態は、最大負荷状態である。産業車両10が搬送し得る荷Lの最大重量は、例えば、産業車両10の仕様によって定められている。
【0043】
走行モータ24は、基底回転数以下の領域では、トルク電流の増加に対してトルクが略線形に変化する。このため、基底回転数以下で取り得る出力割合の最大値を導出することができれば、走行モータ24の出力の大きさに応じて負荷を推定することができる。
【0044】
図6に示すように、基底回転数以下の領域では、減速開始時の走行モータ24の回転数が低いほど出力割合が低い。そして、負荷が大きいほど、基底回転数以下の領域における出力割合の最大値が大きい。このため、基底回転数以下の領域における出力割合の最大値から負荷を推定することができる。
【0045】
図7には、基底回転数以下の領域における無負荷状態での最大出力割合、及び基底回転数以下の領域における最大負荷状態での最大出力割合を実験によって測定した結果を示す。この結果から、無負荷状態を判定するための無負荷時出力割合基準値、及び最大負荷状態を判定するための最大負荷時出力割合基準値を設定している。例えば、無負荷状態での最大出力割合を複数回取得し、無負荷状態での最大出力割合の平均値や中央値に基づき無負荷時出力割合基準値を設定してもよい。最大負荷状態での最大出力割合を複数回取得し、最大負荷状態での最大出力割合の平均値や中央値に基づき最大負荷時出力割合基準値を設定してもよい。無負荷時出力割合基準値は、例えば、45[%]に設定される。最大負荷時出力割合基準値は、例えば、98[%]に設定される。無負荷時出力割合基準値、及び最大負荷時出力割合基準値は、産業車両10の車種や走行モータ24の種類によって異なる値が設定され得る。無負荷時出力割合基準値は、産業車両10が荷Lを搬送していない場合に基底回転数以下の領域における最大出力割合が無負荷時出力割合基準値以下となるように設定される。最大負荷時出力割合基準値は、産業車両10が搬送し得る最大重量の荷Lを搬送している場合に基底回転数以下の領域における最大出力割合が最大負荷時出力割合基準値以上となるように設定される。
【0046】
図8に示すように、積分ゲインは、保持している最大出力割合に応じて変動するように設定されている。積分ゲインは、無負荷時出力割合基準値、及び最大負荷時出力割合基準値に対応して設定されている。無負荷時出力割合基準値に対応する積分ゲインを無負荷時積分ゲインと称する。無負荷時積分ゲインは、無負荷状態の産業車両10に適した値に設定される。即ち、無負荷状態の産業車両10を停止させる際に、目標回転数に実回転数が円滑に追従するように、無負荷時積分ゲインは設定されている。最大負荷時出力割合基準値に対応する積分ゲインを最大負荷時積分ゲインと称する。最大負荷時積分ゲインは、最大負荷状態の産業車両10に適した値に設定される。即ち、最大負荷状態の産業車両10を停止させる際に、目標回転数に実回転数が円滑に追従するように、最大負荷時積分ゲインは設定されている。
【0047】
図5に示すように、ステップS31の判定結果が肯定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS32の処理を行う。ステップS32において、積分ゲイン算出部46は、積分ゲインとして無負荷時積分ゲインを設定して積分ゲイン算出制御を終了する。
【0048】
ステップS31の判定結果が否定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS33の判定を行う。
ステップS33において、積分ゲイン算出部46は、保持している最大出力割合が最大負荷時出力割合基準値以上か否かを判定する。最大負荷時出力割合基準値は、予め定められた値である。ステップS33の判定結果が肯定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS34の処理を行う。ステップS34において、積分ゲイン算出部46は、積分ゲインとして最大負荷時積分ゲインを設定して積分ゲイン算出制御を終了する。
【0049】
ステップS33の判定結果が否定の場合、積分ゲイン算出部46は、ステップS35の処理を行う。
ステップS35において、積分ゲイン算出部46は、積分ゲインとして線形補間積分ゲインを設定して積分ゲイン算出制御を終了する。
【0050】
図8に示すように、線形補間積分ゲインは、無負荷時積分ゲインと最大負荷時積分ゲインとの間を線形補間することで得られる積分ゲインである。基底回転数以下の領域では、負荷の増加に対して最大出力割合が線形に変化する。このため、積分ゲインとして線形補間積分ゲインを設定することで、負荷に応じた積分ゲインが設定される。
【0051】
[本実施形態の作用]
産業車両10を停止させる際には、走行モータ24が生じさせる回生制動力によって制動が行われる。この際、制御装置30は、実回転数を目標回転数に追従させるように制御を行う。
【0052】
図9~
図12には、回転数指令、目標回転数、実回転数、及び出力割合の関係を示す。
図9~
図12において、線L1が回転数指令、線L2が目標回転数、線L3が実回転数、線L4が出力割合を示す。
【0053】
図9には、比較例として積分ゲインとして無負荷時積分ゲインが設定された状態で荷Lを搬送中の産業車両10を停止させた際の実回転数の変化を示す。無負荷時積分ゲインは、荷Lを搬送していない産業車両10に適した積分ゲインである。このため、荷Lを搬送中の産業車両10の積分ゲインとして無負荷時積分ゲインが設定された場合、適切な積分ゲインが設定されているとはいえない。結果として、
図9に示すように、産業車両10の停止時に揺り戻しが起こり、実回転数が目標回転数に円滑に追従しない。
【0054】
図10には、本実施形態の産業車両10であって無負荷状態の産業車両10を平坦路で停止させた際の実回転数の変化を示す。無負荷状態の場合、基底回転数以下の領域での最大出力割合に応じた積分ゲインとして無負荷時積分ゲインが設定される。そして、産業車両10は、停止時に実回転数が目標回転数に円滑に追従している。
【0055】
図11には、本実施形態の産業車両10であって最大負荷状態の産業車両10を平坦路で停止させた際の実回転数の変化を示す。最大負荷状態の場合、基底回転数以下の領域での最大出力割合に応じた積分ゲインとして最大負荷時積分ゲインが設定される。そして、産業車両10は、停止時に実回転数が目標回転数に円滑に追従している。
【0056】
図12には、本実施形態の産業車両10であって最大負荷状態の産業車両10を坂路で停止させた際の実回転数の変化を示す。最大負荷状態の場合、基底回転数以下の領域での最大出力割合に応じた積分ゲインとして最大負荷時積分ゲインが設定される。そして、産業車両10は、停止時に実回転数が目標回転数に円滑に追従している。
【0057】
図10~
図12から把握できるように、本実施形態の産業車両10は、負荷に関わらず、制動時に円滑に停止することができる。また、平坦路か坂路に関わらず制動時に円滑に停止することができる。
【0058】
[本実施形態の効果]
(1)制御装置30は、産業車両10の制動時に、走行モータ24の回転数が基底回転数以下の状態での最大出力割合に基づき積分ゲインを設定する。走行モータ24の回転数が基底回転数以下の領域では、荷Lの重量に応じて最大出力割合が変化する。このため、走行モータ24の回転数が基底回転数以下の状態での最大出力割合に基づき積分ゲインを設定することで、荷Lの重量に応じた積分ゲインを設定することができる。この積分ゲインによって出力割合を算出することによって、産業車両10を停止させる際に、走行モータ24の回転数を目標回転数に円滑に追従させることができる。
【0059】
(2)制御装置30は、走行モータ24の回転数が基底回転数以下に維持されている間に算出された最大出力割合を保持している。制御装置30は、走行モータ24の回転数が基底回転数以下に維持されている間に出力割合が算出されると、算出された出力割合が保持された最大出力割合よりも大きい場合に、算出された出力割合を新たな最大出力割合として保持する。これにより、制御装置30は、走行モータ24の回転数が基底回転数以下に維持されている間に算出された最大出力割合を認識することができる。
【0060】
(3)制御装置30は、最大出力割合が無負荷時出力割合基準値以下の場合、積分ゲインとして無負荷時積分ゲインを設定する。制御装置30は、最大出力割合が最大負荷時出力割合基準値以上の場合、積分ゲインとして最大負荷時積分ゲインを設定する。制御装置30は、最大出力割合が無負荷時出力割合基準値より大きく、最大負荷時出力割合基準値より小さい場合、積分ゲインとして線形補間積分ゲインを設定する。これにより、荷Lの重量に適した積分ゲインを設定することができる。また、無負荷時積分ゲインと最大負荷時積分ゲインとを予め定めておけば、線形補間によって線形補間積分ゲインを導出することができる。このため、荷Lの重量に応じて個別に積分ゲインを定める必要がなくなる。
【0061】
(4)産業車両10は、制動装置として走行モータ24のみを備える。走行モータ24の制動力のみで産業車両10を停止させる場合、走行モータ24の回転数を制御することで産業車両10を停止させる必要がある。この場合、走行モータ24の回転数を目標回転数に円滑に追従させる必要がある。本実施形態のように、荷Lの重量に応じた積分ゲインが設定されることによって、産業車両10を停止させる際に、走行モータ24の回転数を目標回転数に円滑に追従させることができる。従って、メカニカルブレーキを備えていない産業車両10であっても、円滑に停止させることができる。
【0062】
(5)ステップS3において、積分ゲイン算出部46は、実回転数の絶対値が基底回転数以下、かつ、目標回転数が0とは異なる値か否かを判定する。出力割合決定部41は、産業車両10の制動時には、目標回転数が0の場合に積分項が速度偏差に作用するように制御を行う。これは、目標回転数が0とは異なる場合であっても積分項が速度偏差に作用するように制御を行うと、短時間で実回転数を目標回転数に追従させようとすることで、減速度が一定にならないためである。この場合、減速度が一定にならないことで、産業車両10の操作感の低下に繋がる。これに対し、産業車両10の制動時には、目標回転数が0の場合に積分項が速度偏差に作用するように制御を行うことで、産業車両10の操作感の低下を抑制できる。また、目標回転数が0とは異なる値の場合に最大出力割合を更新する処理を行うことで、積分項が速度偏差に作用するまでに、積分ゲインを設定することができる。
【0063】
(6)積分ゲイン算出部46は、荷Lの重量に応じた積分ゲインを設定することができる。荷Lの重量を測定する荷重センサを備えていなくても、荷Lの重量に応じた積分ゲインを設定することができるため、荷重センサを設ける場合に比べて製造コストの低減が図られる。
【0064】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0065】
○最大出力割合が取り得る範囲を複数に区分した区分毎に積分ゲインが対応付けられていてもよい。例えば、最大出力割合が取り得る範囲を45%~98%の範囲とする。この場合、45%~98%の範囲を0[kg]に対応する第1範囲、500[kg]に対応する第2範囲、1000[kg]に対応する第3範囲…のように、負荷に応じて区分する。そして、各範囲には、各範囲に適した積分ゲインが対応付けられる。例えば、第1範囲には無負荷状態の産業車両10に適した積分ゲインが対応付けられる。第2範囲には、500[kg]の荷Lを搬送している状態の産業車両10に適した積分ゲインが対応付けられる。第3範囲には、1000[kg]の荷Lを搬送している状態の産業車両10に適した積分ゲインが対応付けられる。
【0066】
制御装置30は、最大出力割合算出制御によって最大出力割合を算出する。そして、制御装置30は、最大出力割合が属する区分に対応付けられた積分ゲインを設定する。例えば、最大出力割合が上記した第1区分に属する場合、制御装置30は、第1区分に対応付けられた積分ゲインを設定する。
【0067】
○制御装置30は、フィードバック制御として比例積分微分制御を行ってもよい。
○ステップS3において、積分ゲイン算出部46は、実回転数の絶対値が基底回転数以下か否かを判定してもよい。即ち、積分ゲイン算出部46は、目標回転数が0とは異なる値か否かを判定しなくてもよい。
【0068】
○制御装置30は、走行モータ24の回転数が基底回転数より大きい状態から基底回転数以下になった際の出力割合を走行モータ24の回転数が基底回転数以下の状態での最大出力割合としてもよい。
【0069】
○産業車両10は、メカニカルブレーキを備えていてもよい。
○産業車両10は、荷Lを牽引して搬送するトーイングトラクタであってもよい。
【符号の説明】
【0070】
L…荷、10…産業車両、22…インバータ、24…走行モータ、30…制御装置。