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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176829
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】媒体投入装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/14 20190101AFI20241212BHJP
【FI】
G07D11/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095649
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】白石 尚也
(72)【発明者】
【氏名】佐野 高士
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA08
3E141BA03
3E141FA03
3E141GA02
3E141GB03
3E141HA09
3E141LA01
(57)【要約】
【課題】媒体の投入に掛かる時間を軽減する。
【解決手段】開口部を有し、前記開口部に投入された媒体を収容する容器部と、前記媒体が通過する媒体通過口を有し、前記開口部に設けられるカバー部と、を備え、前記カバー部は、前記開口部の縁に沿って設けられる第1の部材と、水平方向に対して傾斜する傾斜面を有する第2の部材と、を備え、前記傾斜面は、前記媒体との接触により前記媒体を前記容器部の内部にガイドし、前記媒体通過口は、前記傾斜面と前記第1の部材との隙間によって形成される、媒体投入装置が提供される。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、前記開口部に投入された媒体を収容する容器部と、
前記媒体が通過する媒体通過口を有し、前記開口部に設けられるカバー部と、
を備え、
前記カバー部は、
前記開口部の縁に沿って設けられる第1の部材と、
水平方向に対して傾斜する傾斜面を有する第2の部材と、
を備え、
前記傾斜面は、前記媒体との接触により前記媒体を前記容器部の内部にガイドし、
前記媒体通過口は、前記傾斜面と前記第1の部材との隙間によって形成される、
媒体投入装置。
【請求項2】
前記媒体投入装置は、
前記容器部の底部に設けられ、前記媒体と接触しながら所定の動作を行うことにより前記媒体を前記容器部の外部に搬送する動作部を備える、
請求項1に記載の媒体投入装置。
【請求項3】
前記媒体投入装置は、
前記第2の部材を前記第1の部材に固定する固定部材を備える、
請求項1に記載の媒体投入装置。
【請求項4】
前記固定部材の上面は、中央部から端部に向けて連続的に低くなる平面または曲面を有する、
請求項3に記載の媒体投入装置。
【請求項5】
前記第2の部材は、錐台形状部材を含み、
前記傾斜面は、前記錐台形状部材の側面である、
請求項1に記載の媒体投入装置。
【請求項6】
前記錐台形状部材は、円錐台である、
請求項5に記載の媒体投入装置。
【請求項7】
前記錐台形状部材は、四角錐台である、
請求項5に記載の媒体投入装置。
【請求項8】
前記傾斜面と前記第1の部材との離間距離は、前記媒体の厚さ以上である、
請求項1に記載の媒体投入装置。
【請求項9】
前記離間距離は、2.5cm以下である、
請求項8に記載の媒体投入装置。
【請求項10】
前記離間距離は、前記媒体の厚さの3倍未満である、
請求項8に記載の媒体投入装置。
【請求項11】
前記媒体は、硬貨である、
請求項1に記載の媒体投入装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、媒体が投入される装置である媒体投入装置が知られている。例えば、特許文献1には、媒体投入装置の例が開示されている。特許文献2には、媒体投入装置の他の例が開示されている。
【0003】
媒体投入装置は、媒体が収容される容器部を有するとともに、容器部の開口部分に取り付けられるカバー部を有する。一般的には、特許文献1および特許文献2にも開示されているように、カバー部は1枚の媒体が通過可能な媒体投入口を有している。そのため、使用者は、媒体を1枚ずつ媒体投入口に通すことにより、媒体を1枚ずつ容器部に収容させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-76023号公報
【特許文献2】特開2022-84446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、媒体投入装置に1枚ずつしか媒体が投入されない場合には、媒体投入装置への媒体の投入に多くの時間が掛かってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、媒体の投入に掛かる時間を軽減することが可能な、新規かつ改良された技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、開口部を有し、前記開口部に投入された媒体を収容する容器部と、前記媒体が通過する媒体通過口を有し、前記開口部に設けられるカバー部と、を備え、前記カバー部は、前記開口部の縁に沿って設けられる第1の部材と、水平方向に対して傾斜する傾斜面を有する第2の部材と、を備え、前記傾斜面は、前記媒体との接触により前記媒体を前記容器部の内部にガイドし、前記媒体通過口は、前記傾斜面と前記第1の部材との隙間によって形成される、媒体投入装置が提供される。
【0008】
前記媒体投入装置は、前記容器部の底部に設けられ、前記媒体と接触しながら所定の動作を行うことにより前記媒体を前記容器部の外部に搬送する動作部を備えてもよい。
【0009】
前記媒体投入装置は、前記第2の部材を前記第1の部材に固定する固定部材を備えてもよい。
【0010】
前記固定部材の上面は、中央部から端部に向けて連続的に低くなる平面または曲面を有してもよい。
【0011】
前記第2の部材は、錐台形状部材を含み、前記傾斜面は、前記錐台形状部材の側面であってもよい。
【0012】
前記錐台形状部材は、円錐台であってもよい。
【0013】
前記錐台形状部材は、四角錐台であってもよい。
【0014】
前記傾斜面と前記第1の部材との離間距離は、前記媒体の厚さ以上であってもよい。
【0015】
前記離間距離は、2.5cm以下であってもよい。
【0016】
前記離間距離は、前記媒体の厚さの3倍未満であってもよい。
【0017】
前記媒体は、硬貨であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、媒体の投入に掛かる時間を軽減することが可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】比較例に係る釣銭機の外観を示す斜視図である。
図2】比較例に係る硬貨投入部8の構成を示す図であり、図1におけるA-A断面図である。
図3】比較例に係るカバー部81の構成を示す図であり、図1におけるカバー部81の上面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る釣銭機の外観を示す斜視図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る硬貨投入部4の構成を示す図であり、図4におけるB-B断面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るカバー部41の構成を示す図であり、図4におけるカバー部41の上面図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係るコア部材413の外観を示す斜視図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係る固定部材414Aの構成を示す図であり、図6における固定部材414AのE-E断面図である。
図9】本発明の第1の実施形態の変形例に係るカバー部41の上面図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る固定部材514Aの構成を示す図であり、固定部材514Aの断面図である。
図11】本発明の第3の実施形態に係るカバー部61の構成を示す図であり、カバー部61の上面図である。
図12】本発明の第3の実施形態に係るコア部材613の外観を示す斜視図である。
図13】本発明の第4の実施形態に係るコア部材623の外観を示す斜視図である。
図14】本発明の第5の実施形態に係るコア部材633の外観を示す斜視図である。
図15】本発明の第6の実施形態に係る釣銭機の外観を示す斜視図である。
図16】本発明の第6の実施形態に係る硬貨投入部7の構成を示す図であり、図15におけるF-F断面図である。
図17】本発明の第6の実施形態に係るカバー部71の構成を示す図であり、図15におけるカバー部71の上面図である。
図18】本発明の第6の実施形態に係るコア部材713の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
(0.概要)
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。ここで、本発明の実施形態に係る媒体処理装置は、媒体を処理する装置である。例えば、媒体は、円盤状の媒体である。以下の説明においては、媒体処理装置によって処理される媒体が硬貨である場合を主に想定する。しかし、媒体処理装置によって処理される媒体は、硬貨以外の媒体(例えば、メダルなど)であってもよい。
【0022】
媒体処理装置によって処理される媒体が硬貨である場合には、媒体処理装置は、硬貨を処理する硬貨処理装置である。以下の説明においては、硬貨処理装置が釣銭機である場合を主に想定する。例えば、釣銭機は、スーパーマーケットまたはコンビニエンスストアといった、小売店舗の精算所に設置される。釣銭機は、顧客が購入を希望する商品の精算が行われるときに、使用者によって操作される。
【0023】
以下の説明においては、使用者が、顧客である場合を主に想定する。すなわち、釣銭機が、商品に付されたバーコードの読み取りから会計までの操作全部が顧客によって行われるセルフレジに適用される場合を主に想定する。しかし、釣銭機は、バーコードの読み取りの操作は店員によって行われ、会計の操作が顧客によって行われるセミセルフレジに適用されてもよい。
【0024】
あるいは、使用者は、店員であってもよい。すなわち、釣銭機は、商品に付されたバーコードの読み取りから会計までの操作全部が店員によって行われるレーンレジに適用されてもよい。
【0025】
なお、硬貨処理装置は、釣銭機に限定されない。例えば、硬貨処理装置は、ATM(Automated teller machine)またはTCR(Teller Cash Recycler)などであってもよい。以下では、本発明の実施形態に係る釣銭機の優位性を明確にするため、本発明の実施形態に係る釣銭機について説明する前に、比較例に係る釣銭機について説明する。
【0026】
(比較例に係る釣銭機)
図1は、比較例に係る釣銭機の外観を示す斜視図である。図1に示されるように、比較例に係る釣銭機9は、筐体20と、本体部90と、リジェクトトレイ10と、出金トレイ12とを備える。
【0027】
以下の説明においては、釣銭機9のうち使用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とする。さらに、以下の説明においては、当該前側に対峙した使用者から見て左を左側とし、当該前側に対峙した使用者から見て右を右側とする。さらに、以下の説明においては、鉛直方向の上を上側とし、鉛直方向の下を下側とする。
【0028】
筐体20の内部には、本体部90における後側部分が収納されている。
【0029】
本体部90は、釣銭機9の前側における上段に位置する前面上面外装部材96を備える。また、本体部90は、硬貨が投入される硬貨投入部8(図2)を備える。硬貨投入部8は、カバー部81を備える。カバー部81は、前面上面外装部材96の上面に設けられた上面外装部材811と、上面外装部材811に形成された硬貨通過口812とを備える。図1には、硬貨通過口812を通過中である1枚の硬貨Cが示されている。
【0030】
その他、図示は省略されているが、本体部90は、釣銭機9の動作を制御する制御部、記憶部、硬貨通過口812から硬貨投入部8に投入された硬貨を搬送する搬送部、硬貨の真偽および金種を認識する認識部、および、認識された硬貨を金種ごとに収納する収納部などを備える。制御部は、CPU(Central Processing Unit)によって記憶部から所定のプログラムを読み出して実行することにより、硬貨に関する種々の処理を制御する。
【0031】
リジェクトトレイ10は、上面が開口する形状を有しており、前面から使用者がアクセス可能に配置されている。リジェクトトレイ10は、収納部に収納すべきではないと認識部により認識された硬貨であるリジェクト硬貨を収容する。
【0032】
出金トレイ12は、上面が開口する形状を有しており、前面から使用者がアクセス可能に配置されている。出金トレイ12は、釣銭となる金額に応じた金種および枚数の硬貨を収容する。
【0033】
かかる構成により、釣銭機9は、使用者により硬貨通過口812から硬貨投入部8に投入された硬貨Cを収納部に収納すると共に、釣銭金額に応じた硬貨を収納部から繰り出し、収納部から繰り出した硬貨を出金トレイ12から釣銭として排出することが可能である。続いて、図2および図3を参照しながら、比較例に係る硬貨投入部8についてより詳細に説明する。
【0034】
(比較例に係る硬貨投入部)
図2は、比較例に係る硬貨投入部8の構成を示す図であり、図1におけるA-A断面図である。図2に示されるように、硬貨投入部8は、カバー部81と、容器部82とを備える。容器部82は、側部821と、動作部823とを備える。容器部82の上部は開口している。換言すると、容器部82は、上部に開口部824を有している。
【0035】
図3は、比較例に係るカバー部81の構成を示す図であり、図1におけるカバー部81の上面図である。図3に示されるように、硬貨通過口812は、上方から見て矩形形状を有しており、硬貨通過口812の短手方向の長さT2は、硬貨Cの厚みT1よりも大きい。さらに、図2に示されるように、硬貨通過口812の長手方向の長さD2は、硬貨Cの径D1よりも大きい。これにより、硬貨Cは硬貨通過口812を通過し得る。
【0036】
容器部82は、開口部824に投入された硬貨を収容する。より具体的には、図2に示されるように、容器部82の内部に、側部821と動作部823とによって囲まれる収容空間825が形成されており、上面外装部材811に形成された硬貨通過口812から使用者により投入された硬貨Cが収容空間825に収容される。収容空間825は、円筒形状を有する。その他、硬貨投入部8は、図示しないセンサを有する。センサは、収容空間825における硬貨の有無を検知する。
【0037】
動作部823は、容器部82の底部に設けられており、硬貨Cと接触しながら所定の動作を行うことにより、硬貨Cを容器部82の外部に搬送する。ここでは、動作部823の形状が円盤形状である場合が想定される。かかる場合には、動作部823が行う動作は、回転動作であり得る。
【0038】
例えば、硬貨投入部8は、収容空間825に硬貨Cが存在することをセンサにより検知すると、動作部823を所定の繰出方向へ回転させることにより、動作部823と接触する硬貨Cに遠心力を作用させる。これにより、硬貨Cは、動作部823の外周側へ搬送され、ゲート822において1枚ずつ分離され、搬送部に繰り出される。搬送部に繰り出された硬貨Cは、搬送部により認識部へ向かって搬送される。
【0039】
容器部82の底部には、動作部823が設けられているため、容器部82が有する開口部824から使用者が指を挿入することが可能であるとすると、使用者の指が動作部823に触れてしまう可能性があり、使用者の安全性が向上しない。しかし、開口部824には、カバー部81が設けられ、カバー部81に設けられる硬貨通過口812の大きさは、1枚分の硬貨Cが通過し得るが、使用者の指は通過し得ない大きさである。したがって、動作部823に使用者の指が触れる可能性が低減され、使用者の安全性が向上し得る。
【0040】
しかしながら、比較例においては、カバー部81に設けられる硬貨通過口812を介して、硬貨が1枚ずつしか硬貨投入部8に投入されない。そのため、比較例によれば、硬貨投入部8への硬貨の投入に多くの時間が掛かってしまう。
【0041】
そこで、本発明の実施形態においては、硬貨の投入に掛かる時間を軽減することが可能な技術について主に提案する。より具体的には、本発明の実施形態においては、硬貨投入部4(図5)に対して、複数枚の硬貨を一括で投入することを可能にすることにより、硬貨の投入に掛かる時間を軽減する。硬貨の投入に掛かる時間が軽減されることにより、取引時間が軽減されることが期待され得る。
【0042】
なお、以下の説明においては、硬貨を1枚ずつ投入する方式を「逐次投入方式」とも言う。さらに、以下の説明においては、複数枚の硬貨を一括で投入する方式を「一括投入方式」とも言う。
【0043】
以上、本発明の実施形態の概要について説明した。
【0044】
(1.第1の実施形態)
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0045】
(1.1.釣銭機の構成例)
まず、図4を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機の構成例について説明する。
【0046】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機の外観を示す斜視図である。図4に示されるように、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機1は、筐体20と、本体部31と、リジェクトトレイ10と、出金トレイ12とを備える。
【0047】
ここで、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機1と比較例に係る釣銭機9とを比較すると、本体部90が本体部31に変更されており、他の構成は同様である。したがって、以下の説明においては、本体部31について主に説明し、他の構成についての詳細な説明を省略する。
【0048】
本体部31は、釣銭機1に投入された硬貨を処理する。本体部31は、釣銭機1の前側における上段に位置する前面上面外装部材36を備える。また、本体部31は、硬貨が投入される硬貨投入部4(図5)を備える。硬貨投入部4は、カバー部41を備える。
【0049】
カバー部41は、前面上面外装部材36の上面に設けられた上面外装部材411を備える。上面外装部材411は、第1の部材の例に該当する。また、カバー部41は、水平方向に対して傾斜する傾斜面を有する部材であるコア部材413を備える。コア部材413は、第2の部材の例に該当する。また、カバー部41は、硬貨通過口412と、コア部材413を上面外装部材411に固定する固定部材414A~414Cとを備える。
【0050】
なお、以下の説明においては、固定部材414A~414Cの3つを特に区別せずに「固定部材414」と称する場合がある。
【0051】
図4には、硬貨通過口412を通過中である硬貨C1が示されている。また、図4において、コア部材413に隠れて見えない位置に硬貨C2(図5)が存在している。このように、本発明の第1の実施形態においては、一括投入方式による複数の硬貨の投入が可能にされる。
【0052】
その他、図示は省略されているが、本体部31は、釣銭機1の動作を制御する制御部、記憶部、硬貨通過口412から硬貨投入部4に投入された硬貨を搬送する搬送部、硬貨の真偽および金種を認識する認識部、および、認識された硬貨を金種ごとに収納する収納部などを備える。制御部は、CPU(Central Processing Unit)によって記憶部から所定のプログラムを読み出して実行することにより、硬貨に関する種々の処理を制御する。
【0053】
続いて、図5図8を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る硬貨投入部4についてより詳細に説明する。
【0054】
(硬貨投入部4)
図5は、本発明の第1の実施形態に係る硬貨投入部4の構成を示す図であり、図4におけるB-B断面図である。図5に示されるように、硬貨投入部4は、カバー部41と、容器部42とを備える。容器部42は、側部421と、動作部423とを備える。容器部42の上部は開口している。換言すると、容器部42は、上部に開口部424を有している。
【0055】
カバー部41は、開口部424に設けられている。さらに、カバー部41のうち、コア部材413は、水平方向に対して傾斜する傾斜面4131を有する。傾斜面4131は、使用者により投入された硬貨C1との接触により硬貨C1を容器部42の内部にガイドする。例えば、傾斜面4131によって硬貨C1がガイドされることには、硬貨C1が傾斜面4131と衝突すること、および、硬貨C1が傾斜面4131を滑り下りることなどが含まれ得る。
【0056】
同様に、傾斜面4131は、使用者により投入された硬貨C2との接触により硬貨C2を容器部42の内部にガイドする。
【0057】
本発明の第1の実施形態において、硬貨通過口412は、傾斜面4131と上面外装部材411との隙間によって形成される。そして、傾斜面4131のどこかに硬貨が接触すれば、硬貨は傾斜面4131によってガイドされて硬貨通過口412に達する。傾斜面4131は、比較例における硬貨通過口812よりも広く形成されており、傾斜面4131には同時に複数の硬貨が接触し得る。したがって、本発明の第1の実施形態によれば、一括投入方式による複数の硬貨の投入が可能となる。
【0058】
図5を参照すると、硬貨C2の厚さT3が示されている。また、傾斜面4131と上面外装部材411との離間距離T4が示されている。ここで、傾斜面4131と上面外装部材411との離間距離T4が硬貨C2の厚さT3以上となるように硬貨通過口412が形成されることにより、硬貨C2は、硬貨通過口412を通過し得る。
【0059】
ただし、傾斜面4131と上面外装部材411との離間距離T4がある程度よりも大きい場合には、使用者の指が動作部423に触れてしまう可能性があり、使用者の安全性が向上しない。そのため、傾斜面4131と上面外装部材411との離間距離T4は、使用者の指が通過し得ない程度の大きさであるのが望ましい。これによって、動作部423に使用者の指が触れる可能性が低減され、使用者の安全性が向上し得る。
【0060】
一般に、装置による使用者への事故を防止するために、人体の各部位が機械類の隙間に入らない寸法で装置が製作されることが要求される。具体的には、人体の各部位が押しつぶされることを回避するための最小隙間が規格(JIS B9711)において定められている。かかる規格によれば、人間の指が押しつぶされることを回避するための最小隙間は、2.5cmである。そこで、傾斜面4131と上面外装部材411との離間距離T4は、2.5cm以下であってもよい。
【0061】
また、一般に、人間の指に装着される指輪の内径は、最小で1.3cmである。したがって、傾斜面4131と上面外装部材411との離間距離T4は、1.3cm以下であってもよい。あるいは、硬貨の厚さの3倍未満の隙間には、人間の指が通過し得ないことも考えられる。そこで、傾斜面4131と上面外装部材411との離間距離T4は、硬貨の厚さの3倍未満であってもよい。
【0062】
容器部42は、開口部424に投入された硬貨C1および硬貨C2を収容する。より具体的には、図5に示されるように、容器部42の内部には、側部421と動作部423とによって囲まれる収容空間4224が形成されており、傾斜面4131によってガイドされた硬貨C1および硬貨C2が収容空間4224に収容される。収容空間4224は、円筒形状を有する。その他、硬貨投入部4は、図示しないセンサを有する。センサは、収容空間4224における硬貨の有無を検知する。
【0063】
動作部423は、容器部42の底部に設けられており、硬貨C1および硬貨C2と接触しながら所定の動作を行うことにより、硬貨C1および硬貨C2を容器部42の外部に搬送する。ここでは、動作部423の形状が円盤形状である場合が想定される。かかる場合には、動作部423が行う動作は、回転動作であり得る。
【0064】
例えば、硬貨投入部4は、収容空間4224に硬貨C1および硬貨C2が存在することをセンサにより検知すると、動作部423を所定の繰出方向へ回転させることにより、動作部423と接触する硬貨C1および硬貨C2に遠心力を作用させる。これにより、硬貨C1および硬貨C2は、動作部423の外周側へ搬送され、ゲート422において1枚ずつ分離され、搬送部に繰り出される。搬送部に繰り出された硬貨C1および硬貨C2は、搬送部により認識部へ向かって搬送される。
【0065】
図6は、本発明の第1の実施形態に係るカバー部41の構成を示す図であり、図4におけるカバー部41の上面図である。カバー部41のうち、上面外装部材411は、容器部42の開口部424(図5)の縁に沿って設けられている。コア部材413が有する傾斜面4131と、上面外装部材411との隙間によって、硬貨通過口412が形成されている。
【0066】
固定部材414A~414Cは、コア部材413が落下してしまうことを防ぐため、コア部材413を上面外装部材411に固定する。例えば、固定部材414Aの一端は、コア部材413と接続され、固定部材414Aの他端は、上面外装部材411と接続される。これによって、固定部材414Aは、コア部材413を上面外装部材411に固定する。同様に、固定部材414Bおよび固定部材414Cも、コア部材413を上面外装部材411に固定する。
【0067】
なお、本発明の第1の実施形態においては、固定部材414の数が3つであるが、固定部材414の数は3つに限定されない。さらに、本発明の第1の実施形態においては、3つの固定部材414がコア部材413の中央を基準として120度間隔で設けられているが、3つの固定部材414が設けられる位置も限定されない。例えば、3つの固定部材414が設けられる位置は、等間隔でなくてもよい。
【0068】
また、カバー部41は、透明または半透明の材料で形成されていてもよい。しかし、カバー部41は、容器部42の開口部424の大部分を塞いでしまっているため、カバー部41の色が濃い場合などには、使用者には容器部42が視認されずに容器部42への硬貨の投入が不可能であるように見えてしまう可能性がある。そこで、使用者に容器部42を視認させ、容器部42への硬貨の投入が可能であることを把握させるため、カバー部41は、透明な材料で形成されているのがより望ましい。
【0069】
(コア部材413)
続いて、図7を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るコア部材413について説明する。
【0070】
図7は、本発明の第1の実施形態に係るコア部材413の外観を示す斜視図である。図7を参照すると、コア部材413が示されている。コア部材413は、円錐台であり、コア部材413の表面は、傾斜面4131と、上面4132と、底面4133とによって構成されている。傾斜面4131は、円錐台の側面を形成している。円錐台は、錐台形状部材の例である。
【0071】
この例のように、コア部材413は、錐台形状部材を含んでよい。このとき、錐台形状部材の側面は、硬貨をガイドする傾斜面4131として機能し得る。なお、後にも説明するように、コア部材413の全体が錐台形状部材(図7に示された例では、円錐台)であってもよいし、コア部材413の一部が錐台形状部材であってもよい。換言すると、コア部材413は、錐台形状部材を少なくとも一部に含んでよい。
【0072】
(固定部材414A)
続いて、図8を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る固定部材414Aについて説明する。
【0073】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る固定部材414Aの構成を示す図であり、図6における固定部材414AのE-E断面図である。図8を参照すると、固定部材414Aの断面図が示されている。固定部材414Aの上面には、中央部4143、端部4144および端部4145が存在する。
【0074】
固定部材414Aの上面は、中央部4143から端部4144に向けて連続的に低くなる平面4141を有する。ここで、連続的に低くなることは、中央部4143から端部4144までのいずれの区間においても高さが一定になったり、高くなったりすることがないことを意味し得る。同様に、固定部材414Aの上面は、中央部4143から端部4145に向けて連続的に低くなる平面4142を有する。
【0075】
これによって、平面4141または平面4142に硬貨が接触してしまった場合であっても、平面4141または平面4142から硬貨通過口412に硬貨が滑り落ちることが期待される。そのため、平面4141または平面4142の上に硬貨が残留してしまうことが防止され得る。なお、図8には、固定部材414Aの構成のみが示されているが、固定部材414Bおよび固定部材414Cも、固定部材414Aと同様に構成されてよい。
【0076】
以上、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機1の構成例について説明した。
【0077】
(1.2.効果)
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、硬貨通過口412が、コア部材413が有する傾斜面4131と上面外装部材411との隙間によって形成される。そして、傾斜面4131のどこかに硬貨が接触すれば、硬貨は傾斜面4131によってガイドされて硬貨通過口412に達する。傾斜面4131は、比較例における硬貨通過口812よりも広く形成されており、傾斜面4131には同時に複数の硬貨が接触し得る。したがって、本発明の第1の実施形態によれば、逐次投入方式による一枚ずつの硬貨の投入とは異なり、一括投入方式による複数の硬貨の投入が可能となる。
【0078】
さらに、本発明の第1の実施形態によれば、傾斜面4131と上面外装部材411との離間距離T4が、使用者の指が通過し得ない程度の大きさとなるように硬貨通過口412が形成され得る。これにより、動作部423に使用者の指が触れる可能性が低減され、使用者の安全性が向上し得る。使用者の指が通過し得ない程度の大きさの例については、上記した通りである。
【0079】
以上、本発明の第1の実施形態が奏する効果について説明した。
【0080】
(1.3.変形例)
続いて、図9を参照しながら、本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。なお、本発明の第1の実施形態の変形例によっても、本発明の第1の実施形態が奏する効果と同様の効果が奏され得る。
【0081】
図9は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るカバー部41の上面図である。上記したように、カバー部41の色が濃い場合などには、使用者には容器部42が視認されずに容器部42への硬貨の投入が不可能であるように見えてしまう可能性がある。
【0082】
そこで、容器部42への硬貨の投入が可能であることを使用者に把握させるため、図9に示されるように、コア部材413の上面4132には、硬貨の投入が可能であることを示す情報を表示する表示物4136が付されてもよい。
【0083】
ここで、表示物4136によって表示される情報は、硬貨の投入を促す情報を含んでもよい。図9に示された例では、硬貨の投入を促す情報は、「硬貨投入」という文字列である。また、表示物4136によって表示される情報は、硬貨通過口412を指し示す矢印を含んでもよい。図9に示された例では、硬貨通過口412を指し示す矢印は、四本の矢印である。しかし、矢印の本数などは限定されない。
【0084】
例えば、表示物4136は、上面4132に貼り付け可能なステッカーであってもよいし、上面4132に直接刻まれる刻印であってもよい。なお、ここでは、カバー部41の色が濃い場合を主に想定したが、カバー部41が透明な材料で形成されている場合などであっても、コア部材413の上面4132に、硬貨の投入が可能であることを示す情報を表示する表示物4136が付されてもよい。
【0085】
以上、本発明の第1の実施形態の変形例について説明した。
【0086】
(2.第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本発明の第2の実施形態によっても、本発明の第1の実施形態が奏する効果と同様の効果が奏され得る。
【0087】
本発明の第2の実施形態に係る釣銭機においては、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機1と比較して、固定部材414A~414Cが変更される。固定部材414A~414Cは同様に変更されるため、固定部材414Aが、固定部材514A(図10)に変更されたとして、固定部材514Aについて説明し、他の固定部材についての詳細な説明、および、固定部材以外の構成についての詳細な説明を省略する。
【0088】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る固定部材514Aの構成を示す図であり、固定部材514Aの断面図である。より具体的に、図10に示された断面図は、図6に示された例において、固定部材414Aが固定部材514Aに変更された後におけるE-E断面図に相当する。固定部材514Aの上面には、中央部5143、端部5144および端部5145が存在する。
【0089】
本発明の第1の実施形態においては、図8に示されたように、固定部材414Aの上面は、平面4141および平面4142を有していた。一方、本発明の第2の実施形態においては、図10に示されたように、固定部材514Aの上面は、中央部5143から端部5144に向けて連続的に低くなる曲面5141を有する。より具体的に、曲面5141は、上に凸の曲面である。また、固定部材514Aの上面は、中央部5143から端部5145に向けて連続的に低くなる曲面5142を有する。より具体的に、曲面5142は、上に凸の曲面である。
【0090】
これによって、固定部材414Aの上面が、平面4141および平面4142を有する場合と同様に、曲面5141または曲面5142に硬貨が接触してしまった場合であっても、曲面5141または曲面5142から硬貨が滑り落ちることが期待される。そのため、本発明の第2の実施形態によっても、本発明の第1の実施形態と同様に、曲面5141または曲面5142の上に硬貨が残留してしまうことが防止され得る。
【0091】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0092】
(3.第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本発明の第3の実施形態によっても、本発明の第1の実施形態が奏する効果と同様の効果が奏され得る。
【0093】
本発明の第3の実施形態に係る釣銭機においては、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機1と比較して、カバー部41がカバー部61(図11)に変更される。したがって、以下では、カバー部61について説明し、カバー部61以外の構成についての詳細な説明を省略する。
【0094】
図11は、本発明の第3の実施形態に係るカバー部61の構成を示す図であり、カバー部61の上面図である。図11に示されるように、カバー部61は、上面外装部材611を備える。上面外装部材611は、本発明の第1の実施形態に係る上面外装部材411(図4)と同様に機能する。また、カバー部61は、コア部材613を備える。
【0095】
コア部材613は、水平方向に対して傾斜する傾斜面6131A~6131Dを有する。本発明の第1の実施形態に係る傾斜面4131と同様に、傾斜面6131A~6131Dは、使用者により投入された硬貨との接触により硬貨をガイドする。本発明の第3の実施形態において、硬貨通過口612は、傾斜面6131A~6131Dと上面外装部材611との隙間によって形成される。図12を参照しながら、コア部材613についての説明を続ける。
【0096】
図12は、本発明の第3の実施形態に係るコア部材613の外観を示す斜視図である。図12を参照すると、コア部材613が示されている。本発明の第1の実施形態においては、コア部材413(図7)は、円錐台であったが、本発明の第3の実施形態において、コア部材613は、四角錐台である。コア部材613の表面は、傾斜面6131A~6131Dと、上面6132と、底面6133とによって構成されている。傾斜面6131A~6131Dは、四角錐台の側面を形成している。四角錐台は、錐台形状部材の例である。
【0097】
図11に戻って説明を続ける。本発明の第1の実施形態における固定部材414A~414Cと同様に、固定部材614A~614Dは、コア部材613が落下してしまうことを防ぐため、コア部材613を上面外装部材611に固定する。
【0098】
なお、本発明の第3の実施形態においては、固定部材614の数が4つであるが、固定部材614の数は4つに限定されない。さらに、本発明の第3の実施形態においては、4つの固定部材614がコア部材613の中央を基準として90度間隔で設けられているが、4つの固定部材614が設けられる位置も限定されない。例えば、4つの固定部材614が設けられる位置は、等間隔でなくてもよい。
【0099】
以上、本発明の第3の実施形態について説明した。
【0100】
(4.第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、本発明の第4の実施形態によっても、本発明の第1の実施形態が奏する効果と同様の効果が奏され得る。
【0101】
本発明の第4の実施形態に係る釣銭機においては、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機1と比較して、コア部材413がコア部材623(図13)に変更される。したがって、以下では、コア部材623について説明し、コア部材623以外の構成についての詳細な説明を省略する。
【0102】
図13は、本発明の第4の実施形態に係るコア部材623の外観を示す斜視図である。図13を参照すると、コア部材623が示されている。コア部材623は、円錐台6231と円柱6232とを含んでおり、円柱6232の上に円錐台6231が重ね合わされることにより形成される。この例のように、コア部材623は、コア部材623の全体が円錐台でなくてもよく、コア部材623の一部が円錐台であってもよい。
【0103】
以上、本発明の第4の実施形態について説明した。
【0104】
(5.第5の実施形態)
続いて、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、本発明の第5の実施形態によっても、本発明の第1の実施形態が奏する効果と同様の効果が奏され得る。
【0105】
本発明の第5の実施形態に係る釣銭機においては、本発明の第1の実施形態に係る釣銭機1と比較して、コア部材413がコア部材633(図14)に変更される。したがって、以下では、コア部材633について説明し、コア部材633以外の構成についての詳細な説明を省略する。
【0106】
図14は、本発明の第5の実施形態に係るコア部材633の外観を示す斜視図である。図14を参照すると、コア部材633が示されている。コア部材633は、四角錐台6331と四角柱6332とを含んでおり、四角柱6332の上に四角錐台6331が重ね合わされることにより形成される。この例のように、コア部材633は、コア部材633の全体が四角錐台でなくてもよく、コア部材633の一部が四角錐台であってもよい。
【0107】
以上、本発明の第5の実施形態について説明した。
【0108】
(6.第6の実施形態)
続いて、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、本発明の第6の実施形態によっても、本発明の第1の実施形態が奏する効果と同様の効果が奏され得る。
【0109】
まず、図15を参照しながら、本発明の第6の実施形態に係る釣銭機の構成例について説明する。
【0110】
図15は、本発明の第6の実施形態に係る釣銭機の外観を示す斜視図である。図15に示されるように、本発明の第6の実施形態に係る釣銭機2は、筐体20と、本体部32と、リジェクトトレイ10と、出金トレイ12とを備える。
【0111】
ここで、本発明の第6の実施形態に係る釣銭機2と本発明の第1の実施形態に係る釣銭機1とを比較すると、本体部31が本体部32に変更されており、他の構成は同様である。したがって、以下の説明においては、本体部32について主に説明し、他の構成についての詳細な説明を省略する。
【0112】
本体部32は、釣銭機2に投入された硬貨を処理する。本発明の第1の実施形態における本体部31と同様に、本体部32は、釣銭機2の前側における上段に位置する前面上面外装部材36を備える。また、本体部32は、硬貨が投入される硬貨投入部7(図16)を備える。硬貨投入部7は、カバー部71を備える。
【0113】
カバー部71は、前面上面外装部材36の上面に設けられた上面外装部材711を備える。上面外装部材711は、第1の部材の例に該当する。また、カバー部71は、水平方向に対して傾斜する傾斜面を有する部材であるコア部材713を備える。コア部材713は、第2の部材の例に該当する。また、カバー部71は、硬貨通過口712を備える。
【0114】
図15には、コア部材713に接触している硬貨C1および硬貨C2が示されている。このように、本発明の第6の実施形態においても、本発明の第1の実施形態と同様に、一括投入方式による複数の硬貨の投入が可能にされる。
【0115】
続いて、図16図18を参照しながら、本発明の第6の実施形態に係る硬貨投入部7についてより詳細に説明する。
【0116】
(硬貨投入部7)
図16は、本発明の第6の実施形態に係る硬貨投入部7の構成を示す図であり、図15におけるF-F断面図である。図16に示されるように、硬貨投入部7は、カバー部71と、容器部42とを備える。容器部42は、本発明の第1の実施形態における容器部42と同様に機能する。
【0117】
カバー部71は、開口部424に設けられている。さらに、カバー部71のうち、コア部材713は、水平方向に対して傾斜する傾斜面7131Aおよび傾斜面7131Bを有する。傾斜面7131Aは、使用者により投入された硬貨C2との接触により硬貨C2を容器部42の内部にガイドする。同様に、傾斜面7131Bは、使用者により投入された硬貨C1との接触により硬貨C1を容器部42の内部にガイドする。
【0118】
本発明の第6の実施形態において、コア部材713は、四角柱である。このように、コア部材713は、錐体形状部材でなくてもよく、柱体などであってもよい。柱体の例としては、四角柱以外にも三角柱などであってもよい。後にも説明するように、コア部材713は、上面外装部材711に直接的に固定されてよいため、コア部材713を上面外装部材711に固定する固定部材は設けられていなくてよい。
【0119】
硬貨通過口712は、傾斜面7131Aおよび傾斜面7131Bと上面外装部材711との隙間によって形成される。
【0120】
図17は、本発明の第6の実施形態に係るカバー部71の構成を示す図であり、図15におけるカバー部71の上面図である。カバー部71のうち、上面外装部材711は、容器部42の開口部424(図16)の縁に沿って設けられている。コア部材713が有する傾斜面7131Aおよび傾斜面7131Bと、上面外装部材711との隙間によって、硬貨通過口712が形成される。
【0121】
(コア部材713)
続いて、図18を参照しながら、本発明の第6の実施形態に係るコア部材713について説明する。
【0122】
図18は、本発明の第6の実施形態に係るコア部材713の外観を示す斜視図である。図18を参照すると、コア部材713が示されている。コア部材713は、四角柱であり、コア部材713の表面は、傾斜面7131Aと、傾斜面7131Bと、上面7132と、底面7133と、接触面7134Aと、接触面7134Bとによって構成されている。傾斜面7131Aおよび傾斜面7131Bは、四角柱の側面の一部を形成している。
【0123】
この例のように、コア部材713は、柱体を含んでよい。このとき、柱体の側面は、硬貨をガイドする傾斜面7131Aおよび傾斜面7131Bとして機能し得る。なお、コア部材713の全体が柱体であってもよいし、コア部材713の一部が柱体であってもよい。換言すると、コア部材713は、柱体を少なくとも一部に含んでよい。
【0124】
また、接触面7134Aは、上面外装部材711(図17)と接触して上面外装部材711に接続されていてよい。同様に、接触面7134Bは、上面外装部材711と接触して上面外装部材711に接続されていてよい。かかる場合には、コア部材713を上面外装部材711に固定する固定部材は不要である。
【0125】
以上、本発明の第6の実施形態について説明した。
【0126】
(7.まとめ)
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0127】
本発明の実施形態に係る技術は、各種の既存技術と相違する。具体的に、本発明の第1の実施形態において、硬貨投入部4のカバー部41が有する傾斜面4131は、円錐台の側面であり、傾斜面4131は中央から端部に向かうにつれて低くなる。一方、硬貨投入部のカバー部が有する傾斜面の高さが変化する既存技術もあるが、傾斜面が中央から端部に向かうにつれて高くなるのが一般的である。このように、本発明の実施形態に係る技術と既存技術とは、傾斜面の高さの変化の仕方が相違する。
【符号の説明】
【0128】
1、2 釣銭機
20 筐体
31、32 本体部
36 前面上面外装部材
4、7 硬貨投入部
41、61、71 カバー部
411、611、711 上面外装部材
412、612、712 硬貨通過口
413、613、623、633、713 コア部材
4131、6131A~6131D、7131A、7131B 傾斜面
414A~414C、514A、614A~614D 固定部材
4141、4142 平面
4143、5143 中央部
4144、4145、5144、4145 端部
42 容器部
423 動作部
424 開口部
5141、5142 曲面
6231 円錐台
6331 四角錐台



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18