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特開2024-176882満充電容量推定方法及び満充電容量推定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176882
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】満充電容量推定方法及び満充電容量推定装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/387 20190101AFI20241212BHJP
   G01R 31/382 20190101ALI20241212BHJP
   G01R 31/385 20190101ALI20241212BHJP
   G01R 31/3828 20190101ALI20241212BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241212BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01R31/387
G01R31/382
G01R31/385
G01R31/3828
H01M10/48 P
H02J7/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095731
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】筒井 雄介
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G216AB01
2G216BA02
2G216BA03
2G216BA61
2G216BA65
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA02
5G503CA12
5G503DA08
5G503EA05
5G503FA06
5G503GA01
5H030AA01
5H030AS08
5H030FF41
(57)【要約】
【課題】二次電池の満充電容量の推定精度を向上させる。
【解決手段】満充電容量推定処理の実施時、充電終了時の二次電池Bの上側充電率SUから、充電開始時の二次電池Bの電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布FDに基づく下側充電率SLを減算した結果を、充電終了時の二次電池Bの充電率と充電開始時の二次電池Bの充電率との充電率差ΔSOCとして取得し、充電開始時から充電終了時までの間に二次電池Bに流れる電流の積算値Iを充電率差ΔSOCで除算した値に100を乗算した結果を、二次電池Bの満充電容量として推定する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の満充電容量を推定する満充電容量推定装置により実施される満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、満充電容量推定処理の実施時、充電終了時の前記二次電池の上側充電率から、充電開始時の前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す情報に基づく下側充電率を減算した結果を、充電終了時の前記二次電池の充電率と充電開始時の前記二次電池の充電率との充電率差として取得し、充電開始時から充電終了時までの間に前記二次電池に流れる電流の積算値を前記充電率差で除算した値に100を乗算した結果を、前記二次電池の満充電容量として推定する
満充電容量推定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記下側充電率は、前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布に基づき、
前記満充電容量推定装置は、前記二次電池が充電される度に充電開始時の前記二次電池の電圧により前記頻度分布を更新する
満充電容量推定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、一次元カルマンフィルタを用いて、推定した前記満充電容量を補正する
満充電容量推定方法。
【請求項4】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記二次電池は、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が所定値以下であるプラトー領域を有するリチウムイオン電池である
満充電容量推定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の満充電容量推定方法であって、
前記単位充電率は10[%]であり、
前記所定値は10[mV]である
満充電容量推定方法。
【請求項6】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記二次電池は、正極材料としてリン酸鉄リチウムが使用されるリチウムイオン電池である
満充電容量推定方法。
【請求項7】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、充電開始時の前記二次電池の電圧が下側判定閾値電圧以下である場合で、かつ、充電終了時の前記二次電池の電圧が上側判定閾値電圧以上である場合、または、前記二次電池が満充電状態になったと判断した場合、満充電容量推定条件が満たされたと判断し、前記満充電容量推定処理を実施する
満充電容量推定方法。
【請求項8】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、前記頻度分布の最頻値と、過放電警告電圧との第1電圧差が第1閾値以下である場合、前記最頻値に対応する充電率を前記下側充電率とする
満充電容量推定方法。
【請求項9】
請求項7に記載の満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、前記頻度分布の最頻値と、前記頻度分布の最小電圧から最大電圧までの間の中間電圧との第2電圧差が第2閾値以下である場合、前記下側判定閾値電圧に対応する充電率を前記下側充電率とする
満充電容量推定方法。
【請求項10】
充電終了時の前記二次電池の上側充電率から、充電開始時の前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布に基づく下側充電率を減算した結果を、充電終了時の前記二次電池の充電率と充電開始時の前記二次電池の充電率との充電率差として取得する取得部と、
充電開始時から充電終了時までの間に前記二次電池に流れる電流の積算値を前記充電率差で除算した値に100を乗算した結果を、前記二次電池の満充電容量として推定する推定部と、
を備える満充電容量推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の満充電容量を推定するための満充電容量推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
満充電容量推定方法として、充電開始時から充電終了時までの間に二次電池に流れる電流の積算値を、充電終了時の二次電池の開回路電圧に対応する充電率と充電開始時の二次電池の開回路電圧に対応する充電率との差で除算した値に100を乗算した結果を、二次電池の満充電容量とする、いわゆる、電流積算法により二次電池の満充電容量を推定するものがある。この電流積算法は、二次電池の容量の増加分や二次電池の充電率の増加分を直接的に求めて満充電容量を推定するものであり、二次電池の劣化の進行度合いや温度変化に追従して満充電容量を推定することができるため、二次電池の劣化特性や温度特性を考慮せずに満充電容量を推定することができるというメリットを有する。関連する技術として、特許文献1がある。
【0003】
ところで、充電終了時の二次電池の開回路電圧に対応する充電率や充電開始時の二次電池の開回路電圧に対応する充電率を推定する場合、通常、二次電池の充電率と二次電池の開回路電圧との対応関係を示すSOC-OCV特性が用いられる。
【0004】
そのため、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が比較的大きい変化領域を多く有する二次電池、例えば、正極材料として三元系(NMC)が使用されるリチウムイオン電池の満充電容量をSOC-OCV特性を用いて推定する場合では、開回路電圧に含まれる誤差の影響をあまり受けずに充電率を推定することができるため、満充電容量を精度よく推定することができる。
【0005】
一方、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が比較的小さいプラトー領域を多く有する二次電池、例えば、正極材料としてリン酸鉄リチウム(LFP(LiFePO4))が使用されるリチウムイオン電池の満充電容量をSOC-OCV特性を用いて推定する場合では、開回路電圧に含まれる誤差の影響を受けて充電率の推定精度が低下するおそれがあるため、満充電容量の推定精度が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、他の満充電容量推定方法として、二次電池の電圧と二次電池の残容量の電圧微分との対応関係を示すdQ/dV曲線や二次電池の内部抵抗を用いて二次電池の満充電容量を推定するものがある。
【0007】
しかしながら、dQ/dV曲線や二次電池の内部抵抗は、二次電池の劣化の進行度合いや二次電池の温度変化に応じて変動するため、二次電池の劣化特性や温度特性を考慮してdQ/dV曲線や内部抵抗を逐次更新または補正する必要がある。
【0008】
そのため、上記他の満充電容量推定方法では、二次電池の劣化特性や温度特性を示す情報を予め取得しておく必要があるという懸念や予め取得しておいた劣化特性情報に示される劣化の進行度合いが実際の劣化の進行度合いと異なる場合または予め取得しておいた温度特性情報に示される温度変化が実際の温度変化と異なる場合に満充電容量の推定精度が低下するおそれがあるという懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008-241358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一側面に係る目的は、二次電池の満充電容量の推定精度を向上させることが可能な満充電容量推定方法及び満充電容量推定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る一つの形態である満充電容量推定方法は、二次電池の満充電容量を推定する満充電容量推定装置により実施される満充電容量推定方法であって、前記満充電容量推定装置が、満充電容量推定処理の実施時、充電終了時の前記二次電池の上側充電率から、充電開始時の前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す情報に基づく下側充電率を減算した結果を、充電終了時の前記二次電池の充電率と充電開始時の前記二次電池の充電率との充電率差として取得し、充電開始時から充電終了時までの間に前記二次電池に流れる電流の積算値を前記充電率差で除算した値に100を乗算した結果を、前記二次電池の満充電容量として推定する。
【0012】
本発明に係る一つの形態である満充電容量推定方法は、電流積算法のように二次電池の容量の増加分や二次電池の充電率の増加分を用いて二次電池の満充電容量を推定する構成であり、二次電池の劣化の進行度合いや温度変化に追従して満充電容量を推定することができるため、dQ/dV特性や内部抵抗を用いて満充電容量を推定する場合に比べて、二次電池の劣化や温度の影響を受けずに満充電容量を推定することができ、満充電容量の推定精度を向上させることができる。また、電流積算法のように二次電池に流れる電流の積算値を用いて二次電池の満充電容量を逐次推定することができるため、二次電池の使用中に二次電池の満充電容量を推定することができる。
【0013】
また、前記下側充電率は、前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布に基づき、前記満充電容量推定装置は、前記二次電池が充電される度に充電開始時の前記二次電池の電圧により前記頻度分布を更新するように構成してもよい。
【0014】
これにより、二次電池の使われ方に応じて頻度分布を更新することができるため、二次電池の使われ方が変化しても、満充電容量を精度よく推定することができる。
【0015】
また、前記満充電容量推定装置は、一次元カルマンフィルタを用いて、推定した前記満充電容量を補正するように構成してもよい。
【0016】
これにより、満充電容量の推定値を真値に近づけることができる。
【0017】
また、前記二次電池は、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が所定値以下であるプラトー領域を有するリチウムイオン電池としてもよい。例えば、前記単位充電率を10[%]とし、前記所定値を10[mV]とする。
【0018】
また、前記二次電池は、正極材料としてリン酸鉄リチウムが使用されるリチウムイオン電池としてもよい。
【0019】
また、前記満充電容量推定装置は、充電開始時の前記二次電池の電圧が下側判定閾値電圧以下である場合で、かつ、充電終了時の前記二次電池の電圧が上側判定閾値電圧以上である場合、または、前記二次電池が満充電状態になったと判断した場合、満充電容量推定条件が満たされたと判断し、前記満充電容量推定処理を実施するように構成してもよい。
【0020】
また、前記満充電容量推定装置は、前記頻度分布の最頻値と、過放電警告電圧との第1電圧差が第1閾値以下である場合、前記最頻値に対応する充電率を前記下側充電率とするように構成してもよい。
【0021】
また、前記満充電容量推定装置は、前記頻度分布の最頻値と、前記頻度分布の最小電圧から最大電圧までの間の中間電圧との第2電圧差が第2閾値以下である場合、前記下側判定閾値電圧に対応する充電率を前記下側充電率とするように構成してもよい。
【0022】
また、本発明に係る一つの形態である満充電容量推定装置は、充電終了時の前記二次電池の上側充電率から、充電開始時の前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布に基づく下側充電率を減算した結果を、充電終了時の前記二次電池の充電率と充電開始時の前記二次電池の充電率との充電率差として取得する取得部と、充電開始時から充電終了時までの間に前記二次電池に流れる電流の積算値を前記充電率差で除算した値に100を乗算した結果を、前記二次電池の満充電容量として推定する推定部とを備える。
【0023】
本発明に係る一つの形態である満充電容量推定装置は、電流積算法のように二次電池の容量の増加分や二次電池の充電率の増加分を用いて二次電池の満充電容量を推定する構成であり、二次電池の劣化の進行度合いや温度変化に追従して満充電容量を推定することができるため、dQ/dV特性や内部抵抗を用いて満充電容量を推定する場合に比べて、二次電池の劣化や温度の影響を受けずに満充電容量を推定することができ、満充電容量の推定精度を向上させることができる。また、電流積算法のように二次電池に流れる電流の積算値を用いて二次電池の満充電容量を逐次推定することができるため、二次電池の使用中に二次電池の満充電容量を推定することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、二次電池の満充電容量の推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態の満充電容量推定装置を備える蓄電装置の一例を示す図である。
図2】時間経過に伴う二次電池の電圧変動の様子の一例を示す図である。
図3】二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す図である。
図4】満充電容量の推定値、真値、補正値を示す図である。
図5】満充電容量推定装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
【0027】
図1は、実施形態の満充電容量推定装置を備える蓄電装置の一例を示す図である。
【0028】
図1に示す蓄電装置BP(電池パック)は、例えば、フォークリフトや電気自動車などの車両Veに搭載され、満充電容量推定装置(電池ECU(Electronic Control Unit))1と、二次電池Bと、電流計2と、電圧計3と、スイッチSW1、SW2、SW3とを備える。
【0029】
車両Veは、蓄電装置BPの他に、走行用のモータMと、モータMを駆動するインバータ回路Invと、インバータ回路Invの動作を制御するとともに車両Veの外部に設けられる充電器Chと通信を行う車両ECU4とを備える。
【0030】
インバータ回路Invは、複数のスイッチを備え、各スイッチが繰り返しオン、オフすることにより、二次電池Bから供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する。また、インバータ回路Invは、各スイッチが繰り返しオン、オフすることにより、モータMから供給される交流電力(回生電力)を直流電力に変換して二次電池Bに供給する。
【0031】
車両ECU4は、インバータ回路Invの各スイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を変化させることにより、二次電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから二次電池Bに供給される電力を変化させる。
【0032】
二次電池Bは、例えば、1つ以上のリチウムイオン電池により構成される。リチウムイオン電池は、例えば、正極材料として三元系またはリン酸鉄リチウムが使用される。正極材料として三元系が使用されるリチウムイオン電池では、SOC-OCV特性の全領域において変化領域を有している。一方、正極材料としてリン酸鉄リチウムが使用されるリチウムイオン電池では、充電時と放電時との間でSOC-OCV特性にヒステリシスをもち、充電側SOC-OCV特性及び放電側SOC-OCV特性において、それぞれ、変化領域よりプラトー領域を多く有している。変化領域は、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が所定値より大きくなるときの開回路電圧の範囲または充電率の範囲とする。プラトー領域は、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が所定値以下になるときの開回路電圧の範囲または充電率の範囲とする。例えば、上記単位充電率を10[%]とし、上記所定値を10[mV]とする。二次電池Bのプラス端子は、インバータ回路Invのプラス入力端子及び充電器Chのプラス出力端子に接続されている。二次電池Bのマイナス端子は、電流計2、スイッチSW1、及びスイッチSW3を介してインバータ回路Invのマイナス入力端子に接続されている。また、二次電池Bのマイナス端子は、電流計2、スイッチSW1、及びスイッチSW2を介して充電器Chのマイナス出力端子に接続されている。
【0033】
電流計2は、シャント抵抗などにより構成され、二次電池Bに流れる電流を検出し、その検出した電流を満充電容量推定装置1に送る。
【0034】
電圧計3は、分圧抵抗などにより構成され、二次電池Bの電圧を検出し、その検出した電圧を満充電容量推定装置1に送る。
【0035】
スイッチSW1、SW2、SW3は、それぞれ、半導体リレー(例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))または電磁式リレーなどにより構成される。
【0036】
スイッチSW1、SW3が導通し、スイッチSW2が遮断すると、二次電池Bからインバータ回路Invに電力を供給することが可能な状態になるとともに、インバータ回路Invから二次電池Bに電力を供給することが可能な状態になる。二次電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されると、二次電池Bが放電され二次電池Bの容量、充電率、または電圧が低下し、インバータ回路Invまたは充電器Chから二次電池Bに電力が供給されると、二次電池Bが充電され二次電池Bの容量、充電率、または電圧が増加する。
【0037】
また、スイッチSW1、SW2が導通し、スイッチSW3が遮断すると、充電器Chから二次電池Bに電力が供給することが可能な状態になる。AC充電方式により二次電池Bが充電される場合、車両Veにおいて、充電器Chから供給される交流電力が直流電力に変換され、その直流電力が二次電池Bに供給されることで二次電池Bが充電されるものとする。
【0038】
満充電容量推定装置1は、メモリ11と、プロセッサ12とを備える。
【0039】
メモリ11は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などにより構成される。なお、メモリ11は、後述する上側判定閾値電圧や下側判定閾値電圧などを記憶している。メモリ11に記憶される情報は、試験やシミュレーション等によって求められ得る。また、メモリ11は、プロセッサ12に備えられていてもよい。
【0040】
プロセッサ12は、充放電制御部121と、判断部122と、取得部123と、推定部124と、補正部125とを備える。なお、プロセッサ12がメモリ11に記憶されているプログラムを実行することにより、充放電制御部121、判断部122、取得部123、推定部124、及び補正部125が実現される。
【0041】
充放電制御部121は、車両ECU4から車両Veのイグニッションスイッチがオンした旨を受け取ると、スイッチSW1、SW3を導通させるとともにスイッチSW2を遮断させることで、二次電池Bからインバータ回路Invに電力を供給することが可能な状態にするとともにインバータ回路Invから二次電池Bに電力を供給することが可能な状態にし、イグニッションスイッチがオフした旨を受け取ると、スイッチSW1~SW3を遮断させる。
【0042】
また、充放電制御部121は、車両ECU4などから充電開始指示を受け取ると、スイッチSW1、SW2を導通させるとともにスイッチSW3を遮断させた後、二次電池Bの充電制御処理を開始し、二次電池Bが満充電状態になったと判断すると、二次電池Bの充電制御処理を終了し、スイッチSW1~SW3を遮断させる。例えば、充放電制御部121は、充電開始指示を受け取ると、定電流定電圧充電制御処理を実行する。すなわち、充放電制御部121は、定電流定電圧充電制御処理を開始すると、二次電池Bの電圧が所定電圧Vcになるまで二次電池Bに流れる電流を一定電流に保ち、二次電池Bの電圧が所定電圧Vcになると、二次電池Bに流れる電流が終了電流If以下になるまで、二次電池Bに流れる電流を徐々に低下させ、二次電池Bに流れる電流が終了電流If以下になると、二次電池Bが満充電状態になったと判断して二次電池Bに流れる電流をゼロにし、定電流定電圧充電制御処理を終了する。
【0043】
判断部122は、充電開始指示を受け取ると、満充電容量推定条件が満たされたか否かを判断する。例えば、判断部122は、充電開始時の二次電池Bの電圧が下側判定閾値電圧以下である場合で、かつ、充電終了時の二次電池Bの電圧が上側判定閾値電圧以上である場合、または、二次電池Bが満充電状態になったと判断された場合、満充電容量推定条件が満たされたと判断する。
【0044】
ここで、図2は、時間経過に伴う二次電池Bの電圧の変化の一例を示す図である。なお、図2に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示す。また、図2に示す実線は時間経過に伴う二次電池Bの電圧(閉回路電圧)の変化を示す。また、時刻t1、t3、t5においてそれぞれ充電制御処理が開始され、時刻t2、t4、t6においてそれぞれ充電制御処理が終了する。また、下限電圧<過放電警告電圧<下側判定閾値電圧<上側判定閾値電圧とする。下限電圧は、二次電池Bの電圧が下限電圧以下にならないように二次電池Bの保護のために予め設定される電圧である。過放電警告電圧は、二次電池Bが過放電状態になるおそれがあるときユーザに警告するために予め設定される電圧である。下側判定閾値電圧は、満充電容量推定条件が満たされる頻度と、満充電容量推定誤差の相反を鑑みて予め設定される電圧である。上側判定閾値電圧は、満充電状態の二次電池Bの閉回路電圧に基づいて予め設定される電圧であり、例えば、定電流定電圧充電制御処理における所定電圧Vcとする。
【0045】
判断部122は、時刻t1の充電開始時の二次電池Bの電圧が下側判定閾値電圧以下であり、かつ、時刻t2の充電終了時の二次電池Bの電圧が上側判定閾値電圧以上であるため、時刻t1から時刻t2までの充電制御処理期間において満充電容量推定条件が満たされたと判断する。
【0046】
また、判断部122は、時刻t3の充電開始時の二次電池Bの電圧が下側判定閾値電圧より高いため、時刻t3から時刻t4までの充電制御処理期間において満充電容量推定条件が満たされなかったと判断する。
【0047】
また、判断部122は、時刻t5の充電開始時の二次電池Bの電圧が下側判定閾値電圧以下であり、かつ、時刻t6の充電終了時の二次電池Bの電圧が上側判定閾値電圧以上であるため、時刻t5から時刻t6までの充電制御処理期間において満充電容量推定条件が満たされたと判断する。
【0048】
取得部123は、充電制御処理が開始すると、充電開始時の二次電池Bの電圧をメモリ11に記憶させる。
【0049】
また、取得部123は、充電制御処理期間において、所定周期毎に、二次電池Bに流れる電流の積算値[Ah]を求める。
【0050】
また、取得部123は、充電制御処理が終了すると、充電終了時の二次電池Bの電圧及び充電制御処理中に最後に求めた電流の積算値Iをメモリ11に記憶させる。
【0051】
また、取得部123は、判断部122において満充電容量推定条件が満たされたと判断されると、充電終了時の二次電池Bの上側充電率SUから、充電開始時の二次電池Bの電圧と頻度(充電開始時の二次電池Bの電圧の総取得回数に対する今回取得した電圧の取得回数の割合)との対応関係を示す頻度分布FD(情報)に基づく下側充電率SLを減算した結果を、充電終了時の二次電池Bの充電率と充電開始時の二次電池Bの充電率との充電率差ΔSOCとして取得する。なお、充電率とは、二次電池Bの満充電容量に対する残容量の割合[%]とする。また、上側充電率SUは、固定値であり、例えば、100[%]とする。
【0052】
ここで、図3(a)及び図3(b)は、充電開始時の二次電池Bの電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布FDの一例を示す図である。なお、図3(a)及び図3(b)に示す二次元座標の横軸は電圧を示し、縦軸は頻度を示す。
【0053】
図3(a)に示す頻度分布FD1は、最頻値(最も高い頻度に対応する電圧)と、過放電警告電圧との第1電圧差が第1閾値以下になるような使い方で、すなわち、二次電池Bが過放電状態の直前になるまで二次電池Bが放電されることが多くなるような使い方で、二次電池B(車両Ve)が使用されているときの頻度分布FDを示している。図3(a)に示す頻度分布FD1のように二次電池Bが使用されている場合、最頻値に対応する二次電池Bの充電率が下側充電率SLとしてメモリ11に予め記憶されているものとする。
【0054】
また、図3(b)に示す頻度分布FD2は、最頻値と、充電開始時の二次電池Bの最小電圧と最大電圧の中間電圧との第2電圧差が第2閾値以下になるような使い方で、すなわち、満充電状態の二次電池Bの残容量が半分程度まで使われることが多くなるような使い方で、二次電池B(車両Ve)が使用されている場合における頻度分布FDを示している。図3(b)に示す頻度分布FD2のように二次電池Bが使用されている場合、下側判定閾値電圧に対応する二次電池Bの充電率が下側充電率SLとしてメモリ11に記憶されているものとする。
【0055】
取得部123は、判断部122において満充電容量推定条件が満たされたと判断された場合で、かつ、頻度分布FDが図3(a)に示す頻度分布FD1になるような使い方で二次電池Bが使用されている場合、すなわち、最頻値と、過放電警告電圧との第1電圧差が第1閾値以下である場合、最頻値に対応する下側充電率SLをメモリ11から取得する。
【0056】
また、取得部123は、判断部122において満充電容量推定条件が満たされたと判断された場合で、かつ、頻度分布FDが図3(b)に示す頻度分布FD2になるような使い方で二次電池Bが使用されている場合、すなわち、最頻値と、中間電圧との第2電圧差が第2閾値以下である場合、下側判定閾値電圧に対応する下側充電率SLをメモリ11から取得する。
【0057】
すなわち、頻度分布FD1に対応する下側充電率SL及び頻度分布FD2に対応する下側充電率SLののうちの一方を二次電池Bの使われ方に応じてメモリ11に予め記憶させておき、取得部123は、満充電容量推定条件が満たされたと判断された場合、メモリ11に記憶されている下側充電率SLを取得する。
【0058】
なお、頻度分布FD1に対応する下側充電率SL及び頻度分布FD2に対応する下側充電率SLをメモリ11に予め記憶させておき、取得部123は、満充電容量推定条件が満たされたと判断された場合、メモリ11に記憶されている2つの下側充電率SLのうちの一方を二次電池Bの使われ方に応じて取得するように構成してもよい。
【0059】
推定部124は、判断部122において満充電容量推定条件が満たされたと判断されると、上側充電率SUから下側充電率SLを減算して充電率差ΔSOCを求め、メモリ11に記憶されている積算値Iを充電率差ΔSOCで除算した値に100を乗算した結果を、二次電池Bの満充電容量として推定する。
【0060】
補正部125は、推定部124により推定された満充電容量を所定のフィルタでフィルタリングすることで補正する。なお、所定のフィルタは、例えば、一次元カルマンフィルタや加重平均フィルタなどが考えられるが、特に限定されない。また、フィルタ定数は、二次電池Bの使われ方に応じて、精度重視となるような値に設定してもよいし、追従重視となるような値に設定してもよい。
【0061】
ここで、図4は、推定後の満充電容量、満充電容量の真値、補正後の満充電容量を示す図である。なお、図4に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は満充電容量を示す。また、図4に示す円形は、推定後の満充電容量を示し、図4に示す三角形は、満充電容量の真値を示し、図4に示す四角形は、補正後の満充電容量を示している。
【0062】
1回目の充電制御処理における推定後の満充電容量は真値より大きく、2回目の充電制御処理における推定後の満充電容量は真値より小さく、2回目の充電制御処理における補正後の満充電容量は2回目の充電制御処理における推定後の満充電容量より真値に近づいている。
【0063】
また、3回目の充電制御処理における推定後の満充電容量は真値より小さく、3回目の充電制御処理における補正後の満充電容量は3回目の充電制御処理における推定後の満充電容量より真値に近づいている。また、3回目の充電制御処理における補正後の満充電容量は、2回目の充電制御処理における補正後の満充電容量より真値に近づいている。
【0064】
また、4回目の充電制御処理では満充電容量推定条件が満たされず推定部124により満充電容量が推定されていないため、4回目の充電制御処理における補正後の満充電容量は3回目の充電制御処理における補正後の満充電容量と同じである。
【0065】
また、5回目の充電制御処理における推定後の満充電容量は真値より大きく、5回目の充電制御処理における補正後の満充電容量は5回目の充電制御処理における推定後の満充電容量より真値に近づいている。また、5回目の充電制御処理における補正後の満充電容量は、4回目の充電制御処理における補正後の満充電容量より真値に近づいている。
【0066】
このように、補正部125により満充電容量を補正することで、補正後の満充電容量を真値に近づけることができる。また、満充電容量の推定回数が増加するほど、補正後の満充電容量を真値に近づけることができる。
【0067】
図5は、満充電容量推定装置1の動作を示すフローチャートである。
【0068】
まず、満充電容量推定装置1の取得部123は、充電制御処理が開始すると(ステップS1:Yes)、充電開始時の二次電池Bの電圧をメモリ11に記憶させる(ステップS2)。
【0069】
次に、取得部123は、充電制御処理が終了するまで(ステップS4:No)、所定周期毎に電流計2により検出される電流の積算値を求める(ステップS3)。
【0070】
次に、取得部123は、充電制御処理が終了すると(ステップS4:Yes)、充電終了時の二次電池Bの電圧及び充電制御処理中に最後に求めた積算値Iをメモリ11に記憶させる(ステップS5)。
【0071】
次に、満充電容量推定装置1の判断部122は、満充電容量推定条件が満たされたか否かを判断する(ステップS6)。
【0072】
次に、取得部123は、判断部122において満充電容量推定条件が満たされたと判断されると(ステップS6:Yes)、満充電容量推定処理を開始し、メモリ11から上側充電率SU及び下側充電率SLを取得し(ステップS7)、充電率差ΔSOCを算出する(ステップS8)。なお、上側充電率SU及び下側充電率SLがそれぞれ固定値である場合、充電率差ΔSOCを予めメモリ11に記憶させておくように構成してもよい。この場合、取得部123は、判断部122において満充電容量推定条件が満たされたと判断されると、メモリ11から充電率差ΔSOCを取得する。
【0073】
次に、満充電容量推定装置1の推定部124は、メモリ11から取得される積算値Iを充電率差ΔSOCで除算した値に100を乗算した結果を、二次電池Bの満充電容量として推定する(ステップS9)。
【0074】
そして、満充電容量推定装置1の補正部125は、推定部124により推定された満充電容量を補正し、満充電容量推定処理を終了する(ステップS10)。
【0075】
なお、図5に示すステップS6(図1に示す判断部122)やステップS10(図1に示す補正部125)を省略してもよい。ステップS6(判断部122)を省略する場合、充電開始時の二次電池Bの電圧及び充電終了時の二次電池Bの電圧をメモリ11に記憶させる処理を省略することができる。
【0076】
すなわち、実施形態の満充電容量推定装置1では、充電終了時の二次電池Bの上側充電率SUから、頻度分布FDに基づく下側充電率SLを減算した結果を、充電終了時の二次電池Bの充電率と充電開始時の二次電池Bの充電率との充電率差ΔSOCとして取得し、充電開始時から充電終了時までの間に二次電池Bに流れる電流の積算値Iを充電率差ΔSOCで除算した値に100を乗算した結果を、二次電池Bの満充電容量として推定する構成である。
【0077】
このように、実施形態の満充電容量推定装置1は、電流積算法のように二次電池Bの容量の増加分や二次電池Bの充電率の増加分を用いて二次電池Bの満充電容量を推定する構成であり、二次電池Bの劣化の進行度合いや温度変化に追従して満充電容量を推定することができるため、dQ/dV特性や内部抵抗を用いて満充電容量を推定する場合に比べて、二次電池Bの劣化や温度の影響を受けずに満充電容量を推定することができ、満充電容量の推定精度を向上させることができる。
【0078】
また、実施形態の満充電容量推定装置1によれば、電流積算法のように二次電池Bに流れる電流の積算値Iを用いて二次電池Bの満充電容量を逐次推定することができるため、二次電池Bの使用中に二次電池Bの満充電容量を推定することができる。
【0079】
また、実施形態の満充電容量推定装置1は、頻度分布FDに基づく充電率差ΔSOCにより満充電容量を推定する構成であるため、SOC-OCV特性に基づく充電率差により満充電容量を推定する場合に比べて、二次電池Bの開回路電圧に含まれる誤差の影響を受けずに満充電容量を推定することができるため、プラトー領域を有する二次電池Bに対しても満充電容量を精度よく推定することができる。
【0080】
また、実施形態の満充電容量推定装置1によれば、二次電池Bの放電と充電が繰り返されるような環境であれば、満充電容量を推定するための特別な動作制御を設ける必要がないため、製造コストの増加を抑制することができる。
【0081】
また、実施形態の満充電容量推定装置1により実施される満充電容量推定方法は、二次電池Bの開回路電圧を取得する必要がないため、二次電池Bの放電後に分極解消時間待つという制約がない。
【0082】
本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【0083】
<変形例1>
上記実施形態では、下側充電率SLをメモリ11に予め記憶させておき、満充電容量推定処理時に下側充電率SLをメモリ11から取得する構成であるが、図3(a)や図3(b)に示す頻度分布FDをメモリ11に記憶しておき、充電制御処理の実施毎に充電開始時に取得される二次電池Bの電圧により頻度分布FDを更新するとともに、その更新後の頻度分布FDを用いて下側充電率SLを取得するように構成してもよい。これにより、二次電池Bの使われ方に応じて頻度分布FDを更新することができるため、二次電池Bの使われ方が変化しても、満充電容量を精度よく推定することができる。
【0084】
なお、二次電池Bの充電率と二次電池Bの閉回路電圧との対応関係を示すSOC-CCV特性情報も予めメモリ11に記憶させておいてもよい。この場合、取得部123は、SOC-CCV特性情報を用いて、頻度分布FDにより得られる電圧(図3(a)に示す頻度分布FD1の場合は最頻値、図3(b)に示す頻度分布FD2の場合は下側判定閾値電圧)に対応する充電率を下側充電率SLとして取得する。
【0085】
また、二次電池Bの充電率と二次電池Bの開回路電圧との対応関係を示すSOC-OCV特性情報も予めメモリ11に記憶させておいてもよい。この場合、取得部123は、二次電池Bの内部抵抗と二次電池Bに流れる電流により頻度分布FDにより得られる電圧を二次電池Bの開回路電圧に変換し、SOC-OCV特性情報を用いて、変換後の開回路電圧に対応する充電率を下側充電率SLとして取得する。
【0086】
<変形例2>
上記実施形態では、上側充電率SUを例えば100[%]としているが、二次電池Bの温度上昇による二次電池Bの満充電容量の降下分を考慮して上側充電率SUを99[%]や98[%]などとしてもよい。
【0087】
<変形例3>
上側判定閾値電圧は、正極材料としてリン酸鉄リチウムを使用する二次電池Bの充電側SOC-OCV特性におけるプラトー領域から変化領域に移行するときの上側の開回路電圧以上の開回路電圧としてもよい。
【0088】
また、下側判定閾値電圧は、正極材料としてリン酸鉄リチウムを使用する二次電池Bの充電側SOC-OCV特性におけるプラトー領域から変化領域に移行するときの下側の開回路電圧以下の開回路電圧としてもよい。
【0089】
<変形例4>
判断部122は、充電開始時の二次電池Bの電圧が下側判定閾値電圧以下である場合、フラグFLをオンさせ、充電終了時の二次電池Bの電圧が上側判定閾値電圧以上である場合、または、二次電池Bが満充電状態になったと判断された場合、フラグFUをオンさせ、フラグFL、FUがどちらもオンになると、満充電容量推定条件が満たされたと判断するように構成してもよい。
【0090】
<変形例5>
下側充電率SLを求める際、頻度分布FDにおいて最頻度が下側判定閾値電圧より低い場合、最頻度に対応する充電率を下側充電率SLとし、頻度分布FDにおいて最頻度が下側判定閾値電圧より高い場合、下側判定閾値電圧に対応する充電率を下側充電率SLとするように構成してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 満充電容量推定装置
2 電流計
3 電圧計
4 車両ECU
11 メモリ
12 プロセッサ
121 充放電制御部
122 判断部
123 取得部
124 推定部
125 補正部
Ve 車両
BP 蓄電装置
Inv インバータ回路
M モータ
Ch 充電器
SW1、SW2、SW3 スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5