(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176884
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】微粒子測定装置
(51)【国際特許分類】
G01N 15/13 20240101AFI20241212BHJP
G01N 15/12 20240101ALI20241212BHJP
【FI】
G01N15/12 D
G01N15/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095733
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩
(72)【発明者】
【氏名】今井 康晴
(72)【発明者】
【氏名】鷲津 信栄
(57)【要約】
【課題】目詰まりの問題を解決可能な微粒子測定装置を提供する。
【解決手段】微粒子測定装置1は、ポアデバイス100とともに使用される。ポアデバイス100は、細孔を有する隔壁により隔てられた第1液室122および第2液室124を有する。測定器200は、第1液室122に設けられた第1電極E1と第2液室124に設けられた第2電極E2の間に流れる電流信号を測定する。圧力制御装置400は、測定中にポアデバイス100の目詰まりが検出されると、第1液室122と第2液室124に圧力差を発生させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポアデバイスとともに使用される微粒子測定装置であって、
前記ポアデバイスは、細孔を有する隔壁により隔てられた第1液室および第2液室を有し、
前記微粒子測定装置は、
前記第1液室に設けられた第1電極と前記第2液室に設けられた第2電極の間に流れる電流信号を測定する測定器と、
動作状態において、前記第1液室と前記第2液室に圧力差を発生させる圧力制御装置と、
前記電流信号にもとづいて、前記ポアデバイスの目詰まりを検出可能であり、前記目詰まりを検出すると前記圧力制御装置を前記動作状態とするコントローラと、
を備えることを特徴とする微粒子測定装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記電流信号の交流成分の瞬時値Iacと、前記電流信号の直流成分の瞬時値Idcと、を取得し、
前記交流成分の所定区間にわたる移動平均値Iac_rmsと、前記直流成分の前記所定区間にわたる移動平均値Idc_rmsと、を計算し、Aを1より小さいパラメータとして、
|Iac_rms-Iac|>Iac_rms×A …(1)
である関係式(1)を評価し、関係式(1)が成り立つとき、前記圧力制御装置を前記動作状態とすることを特徴とする請求項1に記載の微粒子測定装置。
【請求項3】
前記コントローラは、Bを1より小さいパラメータとして、
|Idc_rms-Idc|>Idc_rms×B …(2)
である関係式(2)を評価し、関係式(1)または(2)が成り立つとき、前記圧力制御装置を前記動作状態とすることを特徴とする請求項2に記載の微粒子測定装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記圧力制御装置を継続して前記動作状態とした回数をカウントし、前記回数が所定のしきい値を超えると、所定のエラー処理を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の微粒子測定装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記圧力制御装置を前記動作状態としている間、フラグをアサートすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微粒子測定装置。
【請求項6】
前記コントローラは、圧力情報を前記電流信号の波形データと対応付けてファイルに保存することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微粒子測定装置。
【請求項7】
前記測定器は、
前記電流信号を電圧信号に変換するトランスインピーダンスアンプと、
前記トランスインピーダンスアンプの出力をデジタル信号に変換するデジタイザと、
を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微粒子測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポアデバイスを用いた計測に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的検知帯法(コールター原理)と呼ばれる粒度分布測定法が知られている。この測定法では、粒子を含む電解液を、ナノポアと称される細孔を通過させる。粒子が細孔を通過するとき、細孔中の電解液は粒子の体積に相当する量だけ減少し、細孔の電気抵抗を増加させる。したがって細孔の電気抵抗を測定することで、粒子の体積(すなわち粒径)を測定することができる。
【0003】
図1は、電気的検知帯法を用いた微粒子測定装置1Rのブロック図である。微粒子測定装置1Rは、ポアデバイス100R、測定器200Rおよび処理装置300を備える。
【0004】
ポアデバイス100Rの内部は、検出対象の粒子4を含む電解液2が満たされる。ポアデバイス100Rの内部は、ポアチップ102によって2つの空間に隔てられており、2つの空間には電極106と電極108が設けられる。電極106と電極108の間に電位差を発生させると、電極間にイオン電流が流れ、また電気泳動によって粒子4が細孔104を経由して、一方の空間から他方の空間に移動する。
【0005】
測定器200Rは、電極対106,108の間に電位差を発生させるとともに、電極対の間の抵抗値Rpと相関を有する情報を取得する。測定器200Rは、トランスインピーダンスアンプ210、電圧源220、デジタイザ230を含む。電圧源220は電極対106,108の間に電位差Vbを発生させる。この電位差Vbは、電気泳動の駆動源であるとともに、抵抗値Rpを測定するためのバイアス信号となる。
【0006】
電極対106,108の間には、細孔104の抵抗に反比例する微小電流Isが流れる。
Is=Vb/Rp …(1)
【0007】
トランスインピーダンスアンプ210は、微小電流Isを電圧信号Vsに変換する。変換ゲインをrとするとき、以下の式が成り立つ。
Vs=-r×Is …(2)
式(1)を式(2)に代入すると、式(3)が得られる。
Vs=-Vb×r/Rp …(3)
デジタイザ230は、電圧信号VsをデジタルデータDsに変換する。このように測定器200Rにより、細孔104の抵抗値Rpに反比例する電圧信号Vsを得ることができる。処理装置300は、デジタルデータDsを処理し、電解液2に含まれる粒子4の個数や粒径分布などを解析する。
【0008】
図2は、測定器200Rにより測定される例示的な微小電流Isの波形図である。なお本明細書において参照する波形図やタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化され、あるいは誇張もしくは強調されている。
【0009】
粒子が通過する短い期間、細孔104の抵抗値Rpが増大する。したがって、粒子が通過するごとに電流Isはパルス状に減少する。個々のパルス電流の振幅は、粒径と相関を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2017-016881号公報
【特許文献2】特開2014-219235号公報
【特許文献3】特開2018-054594号公報
【特許文献4】国際公開第2002/084306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
測定中に、検出対象の粒子またはその他含有物質が、ポアを塞いでしまう(ポア詰まり)ことがある。ポア詰まりが発生すると、測定不能となる。ポア詰まりを解消するために、電気泳動の向きを反転させる手法が提案されている。
図1の構成では、目詰まりが検出されると、電圧源220は、電極106,108に印加するバイアス電圧の極性を反転させる。これにより、ポアに詰まった物質が、反対側に押し戻され、目詰まりが解消される。
【0012】
バイアス電圧の極性反転は簡便に使用できるものの、以下の制約があるため除去能力が低い。
【0013】
第1に、電流計測上、流せる電流に上限があるため、強い電気泳動力をかけることができない。一般的な電気泳動では数mA~数百mAの電流によって電気泳動力を発生させるが、具体的には直径がμm~nmオーダーのポアを使用した電流計測では、数十nA~数十μAしか流すことができない。
【0014】
第2に、大きな電流を流すと電極での電気分解が発生する。電気分解が生じると電解質の濃度が変わり測定の前提条件が変わってしまう。
【0015】
第3に、極性反転により電極周辺の化学的状態が変化してしまう。サイクリックボルタンメトリーで測定される電極-溶液の電圧-電流曲線は一般的にヒステリシスを持っており、同じ電圧を印加したとしても同じ電流状態とはならない可能性がある。
【0016】
かかる理由から、バイアス電圧の極性反転では、目詰まりを解消できないケースも発生する。その場合には、計測を中断してポアデバイスに電解液および検査液を再注入することで解消を試みる。それでも解消できない場合には、そのポアデバイス自体を破棄して、新しいポアデバイスを使用することとなる。
【0017】
本開示は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、目詰まりの問題を解決可能な微粒子測定装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本開示のある態様の微粒子測定装置は、ポアデバイスとともに使用される。ポアデバイスは、細孔を有する隔壁により隔てられた第1液室および第2液室を有する。微粒子測定装置は、第1液室に設けられた第1電極と第2液室に設けられた第2電極の間に流れる電流信号を測定する測定器と、動作状態において、第1液室と第2液室に圧力差を発生させる圧力制御装置と、電流信号にもとづいて、ポアデバイスの目詰まりを検出可能であり、目詰まりを検出すると圧力制御装置を動作状態とするコントローラと、を備える。
【0019】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明あるいは本開示の態様として有効である。さらに、この項目(課題を解決するための手段)の記載は、本発明の欠くべからざるすべての特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
【発明の効果】
【0020】
本開示のある態様によれば、目詰まりの問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】電気的検知帯法を用いた微粒子測定装置のブロック図である。
【
図2】測定器により測定される例示的な微小電流Isの波形図である。
【
図3】実施形態に係る微粒子測定装置を示す図である。
【
図4】
図3の微粒子測定装置の動作を説明する図である。
【
図6】目詰まり検出および微粒子測定装置の制御に関するフローチャートである。
【
図8】一実施例に係る圧力制御装置の構成例を示す図である。
【
図9】一実施例に係る圧力制御装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0023】
一実施形態に係る微粒子測定装置は、ポアデバイスとともに使用される。ポアデバイスは、細孔を有する隔壁により隔てられた第1液室および第2液室を有する。微粒子測定装置は、第1液室に設けられた第1電極と第2液室に設けられた第2電極の間に流れる電流信号を測定する測定器と、動作状態において、第1液室と第2液室に圧力差を発生させる圧力制御装置と、電流信号にもとづいて、ポアデバイスの目詰まりを検出可能であり、目詰まりを検出すると圧力制御装置を動作状態とするコントローラと、を備える。
【0024】
この構成では、目詰まりの解消に圧力を利用することで、強い力で目詰まりを解消できる。また目詰まりを解消するために、大電流を流す必要がなくなるため、電極の電気分解や、極性反転による電極周辺の化学的状態が抑制され、正確な測定が可能となる。なお、「目詰まり」とは、ポアが完全に塞がった状態のみをいうのではなく、部分的に塞がった状態も含むことができ、あるいは目詰まりの予兆が検出される状態も含みうる。
【0025】
電流信号は、直流成分(ベース電流)と、それに重畳される交流成分(パルス電流)を含みうる。目詰まりが発生すると、電流信号は特徴的な変化を示す。この変化を検出することで、目詰まりを検出できる。
【0026】
一実施形態において、コントローラは、電流信号の交流成分の瞬時値Iacと、電流信号の直流成分の瞬時値Idcと、を取得し、交流成分の所定区間にわたる移動平均値Iac_rmsと、直流成分の所定区間にわたる移動平均値Idc_rmsと、を計算し、Aを1より小さいパラメータとして、
|Iac_rms-Iac|>Iac_rms×A …(1)
である関係式(1)を評価し、当該関係式(1)が成り立つとき、圧力制御装置を動作状態としてもよい。
【0027】
一実施形態において、コントローラは、Bを1より小さいパラメータとして、
|Idc_rms-Idc|>Idc_rms×B …(2)
である関係式(2)を評価し、当該関係式(1)または(2)が成り立つとき、圧力制御装置を動作状態としてもよい。
【0028】
一実施形態において、コントローラは、継続して圧力制御装置を動作状態とした回数をカウントし、回数が所定のしきい値を超えると、所定のエラー処理を実行してもよい。
【0029】
一実施形態において、コントローラは、圧力制御装置を動作状態としている間、フラグをアサートしてもよい。これにより、当該フラグがアサートされている期間に得られた電流信号を無効なデータとし、微粒子解析から除外できる。
【0030】
一実施形態において、コントローラは、圧力情報(圧力値あるいは圧力制御装置の状態)を電流信号の波形データと対応付けてファイルに保存してもよい。計測後の解析時に、このファイルに記録された圧力情報にもとづいて、目詰まり解消を行った区間を判定することができ、この区間に得られた電流信号を無効なデータとし、微粒子解析から除外できる。
【0031】
一実施形態において、測定器は、電流信号を電圧信号に変換するトランスインピーダンスアンプと、トランスインピーダンスアンプの出力をデジタル信号に変換するデジタイザと、を備えてもよい。
【0032】
一実施形態において、コントローラは、電流信号の交流成分にもとづいて、目詰まりを検出してもよい。目詰まりが発生し始めると、パルスの発生頻度が高くなる。したがって、コントローラは、パルスの発生頻度にもとづいて、目詰まりを検出してもよい。
【0033】
一実施形態において、コントローラは、電流信号の直流成分にもとづいて、目詰まりを検出してもよい。電流信号の直流成分(ベース電流)は、目詰まりとともに低下していく。したがって、コントローラは、直流成分の低下にもとづいて、目詰まりを検出してもよい。
【0034】
一実施形態において、測定器は、第1電極と第2電極に印加する電圧の極性を反転可能であってもよい。圧力制御装置は、目詰まりが検出されると、それまでの電圧の極性に応じた方向の圧力差を発生させてもよい。
【0035】
一実施形態において、圧力制御装置は、第2液室を大気に開放した状態で、第1液室側の圧力を大気に対して加圧または減圧することにより、圧力差を発生してもよい。
【0036】
一実施形態において、測定器は、電流信号を電圧信号に変換するトランスインピーダンスアンプと、トランスインピーダンスアンプの出力をデジタル信号に変換するデジタイザと、を備えてもよい。
【0037】
(実施形態)
以下、好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0038】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0039】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0040】
また図面に記載される各部材の寸法(厚み、長さ、幅など)は、理解の容易化のために適宜、拡大縮小されている場合がある。さらには複数の部材の寸法は、必ずしもそれらの大小関係を表しているとは限らず、図面上で、ある部材Aが、別の部材Bよりも厚く描かれていても、部材Aが部材Bよりも薄いこともあり得る。
【0041】
図3は、実施形態に係る微粒子測定装置1を示す図である。微粒子測定装置1は、ポアデバイス100、測定器200、処理装置300、圧力制御装置400を備える。
【0042】
ポアデバイス100は、ポアチップ110およびチップケース120を備える。ポアチップ110にはポア(細孔)112が形成されている。ポアチップ110は、チップケース120の内部に収容され、チップケース120の内部空間を、第1液室122と第2液室124とに区切っている。第1液室122と第2液室124の間は、ポア112を介して連通している。第1液室122には第1電極E1が設けられ、第2液室124には第2電極E2が設けられる。
【0043】
測定時には、チップケース120の内部空間は、測定対象の粒子4を含む電解液2で満たされる。
【0044】
測定器200は、第1電極E1と第2電極E2の間に電圧Vを加えて、第1電極E1と第2電極E2の間に流れるイオン電流Iを測定する。測定器200は、電圧源202、電流検出回路204、波形キャプチャモジュール206を備える。電圧源202は、第1電極E1と第2電極E2の間に電位差Vを発生する。この電位差Vによって、電解液2に含まれる粒子4が電気泳動によって移動する。
【0045】
電流検出回路204は、第1電極E1から第2電極E2に流れるイオン電流Iを示す電流検出信号Vcsを生成する。波形キャプチャモジュール206は、電流検出信号Vcsの波形をキャプチャする。波形キャプチャモジュール206が生成した波形データWAVEは、処理装置300に送信される。
【0046】
処理装置300は、微粒子測定装置1全体を制御するコントローラ302の機能と、波形データWAVEを処理し、粒子4の粒径などを推定するデータ処理部304の機能と、を備える。処理装置300は、汎用のラップトップコンピュータやデスクトップコンピュータ、ワークステーション、タブレット端末などのハードウェアと、専用のソフトウェアプログラムの組み合わせであってもよい。あるいは処理装置300は、微粒子測定装置1に専用のハードウェアであってもよい。
【0047】
コントローラ302は、制御信号S1にもとづいて、測定器200の測定条件などを設定可能である。コントローラ302は、後述する圧力制御装置400の作動、停止を制御を指示する制御信号S2を生成する。またコントローラ302は、データ処理部304の状態を、制御信号S3にもとづいて制御可能である。
【0048】
データ処理部304は、波形データWAVEにもとづいて、粒子径の推定などの処理を行う。
【0049】
処理装置300は、ポアデバイス100のポア112の目詰まりを検出可能に構成されている。圧力制御装置400は、測定器200による通常の測定中は停止している。圧力制御装置400は、測定中にポアデバイス100の目詰まりが検出されると、第1液室122と第2液室124に圧力差を発生させる。圧力は、測定中の電気泳動による粒子の移動方向と反対向きに発生することが好ましい。なお、電解液2中の粒子の移動方向は、電界の向きと、分子の電荷(正電荷か負電荷か)によって決まる。多くの場合において測定対象の粒子は溶液中で負に帯電するため、負極から正極に向かって移動する。
【0050】
本実施形態において、コントローラ302は、目詰まり検出機能を備える。具体的には、コントローラ302は、測定器200からの電流信号Iの波形データWAVEにもとづいて目詰まりを検出する。
【0051】
図4は、電流信号Iの波形図である。中段に示す電流信号Iは、粒子の存在とは無関係に、電気泳動に起因して流れる直流成分(ベース電流)と、粒子がポア112を通過することに起因する交流成分(パルス電流)と、を含んでいる。
図4の上段は、1個の粒子に対応するパルス電流を示しており、
図4の下段は、ベース電流を示す。
図4には、目詰まりが発生していない正常状態φ1、目詰まりが進行している状態、いいかえると目詰まりの予兆が発生している状態(予兆状態)φ2a、完全な目詰まりが発生している状態(完全目詰まり状態)φ2bが示される。予兆状態φ2aあるいは完全目詰まり状態φ2bを、目詰まり状態φ2と総称する。
【0052】
一実施例において、コントローラ302は、電流信号Iの交流成分(パルス電流)にもとづいて、目詰まり状態φ2を検出してもよい。
図4に示す様に、正常状態φ1では、粒子が通過するたびにパルス電流が観測される。これに対して、予兆状態φ2aでは、パルス電流の発生が正常状態φ1に比べて多くなる。また完全目詰まり状態φ2bでは、パルス電流の発生頻度はゼロに近づく。したがって、コントローラ302は、パルス電流の発生頻度にもとづいて、予兆状態φ2aあるいは完全目詰まり状態φ2bを検出できる。
【0053】
一実施例において、コントローラ302は、電流信号Iの直流成分(ベース電流)にもとづいて、目詰まり状態φ2を検出してもよい。
図4に示す様に、正常状態φ1では、相対的に大きなベース電流が観測される。これに対して、予兆状態φ2aでは、ベース電流は、時間とともに減少していく。また完全目詰まり状態φ2bでは、ベース電流は、非常に小さい量を維持する。したがって、コントローラ302は、ベース電流にもとづいて、予兆状態φ2aあるいは完全目詰まり状態φ2bを検出できる。
【0054】
コントローラ302は、パルス電流とベース電流の両方の特徴的な変化を利用して、目詰まり状態φ2を検出してもよく、その場合、検出精度をさらに高めることができる。
【0055】
圧力制御装置400の作動中も、測定器200による電流測定は継続している。コントローラ302は、圧力制御装置400の作動中、電流信号Iを監視し、電流信号Iにもとづいて、目詰まり状態φ2が解消したこと、つまり正常状態にφ1に戻ったことを検出可能に構成される。正常状態φ1への復帰も、電流信号Iのベース電流、パルス電流の少なくとも一方にもとづいて検出できる。
【0056】
コントローラ302は、目詰まりの有無に応じて、圧力制御装置400の状態を制御する制御信号S2およびデータ処理部304の状態を制御する制御信号S3を生成する。コントローラ302は、目詰まり状態を検出すると、圧力制御装置400が作動させる。圧力制御装置400の作動中は、測定器200によって測定される電流信号の精度が低下するため、データ処理部304による粒子測定に関する処理を停止させる。
【0057】
コントローラ302は、目詰まり状態の解消を検出すると、圧力制御装置400を停止する。またデータ処理部304による粒子測定に関する処理を再開する。
【0058】
図5は、
図3のポアデバイス100微粒子測定装置1の動作を説明する図である。ここでは、コントローラ302は、予兆状態φ2aを検出するものとする。
【0059】
時刻t0より前は、微粒子測定装置1は正常に動作している。時刻t0に目詰まりが始まり、電流信号Iに、短い時間間隔のパルスが発生し始める。時刻t1に、コントローラ302は、圧力制御装置400を作動状態に切り替える。圧力制御装置400が動作すると、ポア112に詰まっている粒子が、液体の圧力によって元の液室に向かって押し戻される。これにより、目詰まりが解消する。圧力制御装置400の作動中、データ処理部304による粒子測定処理は中断する。
【0060】
コントローラ302は、時刻t2に目詰まりが解消したと判定すると、圧力制御装置400を停止する。そして、時刻t3に、データ処理部304による粒子測定処理を再開する。
【0061】
以上が微粒子測定装置1の動作である。この微粒子測定装置1によれば、測定中の粒子4の移動には電気泳動を利用する一方、目詰まりの解消には、圧力を利用することで、強い力で目詰まりを解消できる。また目詰まりを解消するために、大電流を流す必要がなくなるため、電極の電気分解や、極性反転による電極周辺の化学的状態が抑制され、正確な測定が可能となる。
【0062】
続いて、コントローラ302よる目詰まり検出について説明する。
【0063】
コントローラ302は、電流信号の交流成分(パルス電流)Iacと直流成分(ベース電流)Idcを検出する。たとえば、コントローラ320は波形データWAVEにフィルタ処理をかけることにより、電流信号の交流成分(パルス電流)Iacと直流成分(ベース電流)Idcを分離する。
【0064】
コントローラ302は、電流信号の交流成分の瞬時値Iacと直流成分の瞬時値Idcとを取得する。そして、交流成分Iacの直近の所定区間にわたる移動平均値Iac_rmsと、直流成分Idcの所定区間にわたる移動平均値Idc_rmsと、を計算する。
【0065】
コントローラ302は、2つの関係式を評価する。
|Iac_rms-Iac|>Iac_rms×A …(1)
|Idc_rms-Idc|>Idc_rms×B …(2)
A,BはA<1,B<1である所定値を有するパラメータである。
【0066】
コントローラ302は、2つの関係式(1),(2)の少なくとも一方が成り立つとき(真であるとき)、目詰まりが発生しているものと判定する。
【0067】
図6は、目詰まり検出および微粒子測定装置1の制御に関するフローチャートである。はじめに、初期化処理S100を行う。具体的にはカウント値Exec_Countが初期化される。カウント値Exec_Countは、目詰まり解消のために圧力制御装置400を連続で作動させた回数を表す。
【0068】
計測終了の条件が成り立っているとき(S102のY)、処理を終了する(S104)。
【0069】
計測終了の条件が成り立っていないとき(S102のN)、電流信号を検出する(S106)。そして、電流信号を、直流成分Idcと交流成分Iacに分離する(S108)。続いて、直流成分Idcと交流成分Iacの区間平均値Idc_rmsとIac_rmsを算出する(S110)。
【0070】
続いて、関係式(1)および(2)を評価する(S112,S114)。関係式(1)、(2)の両方が成り立たない場合、目詰まりは発生していないものとして処理S116に進む。処理S116では、実行フラグExec_flagが0とされ、処理S102に戻る。実行フラグExec_flagは、現在、目詰まり解消のための処理を行っていることを示すフラグである。
【0071】
関係式(1),(2)の少なくとも一方が成り立つとき、目詰まりが発生しているものと判定し、処理S118に進む。処理S118では、実行フラグExec_flagが0とされ、圧力制御装置400のポンプが作動する(S120)。そして、カウント値Exec_Countがインクリメントされる(S122)。そして、カウント値Exec_Countが所定のしきい値Zと比較される。目詰まり解消のための処理が継続した回数Exec_Countがしきい値Zより小さいとき(S124のN)、処理S102に戻る。回数Exec_Countがしきい値Zを超えると(S124のY)、目詰まりの解消に失敗したと考えられるから、フラグExec_Flagを0として(S126)、測定を終了する(S128)。S104が正常終了であるのに対して、S128は異常終了である。
【0072】
フラグExec_flagがアサート(=1)されている間、計測データは正しい結果を示していない。したがって、Exec_flag=1である区間については、波形データWAVEは保存しないこととしてもよい。あるいは波形データWAVEに、Exec_flag=1であった区間を示すデータを付加して保存してもよい。これにより、目詰まりが発生していた区間に得られた電流信号については、無効なデータとして扱い、粒子解析から除外できる。
【0073】
コントローラ302は、圧力情報(圧力値あるいは圧力制御装置の状態)を波形データWAVEと対応付けてファイルに記録しておいてもよい。計測後の解析時に、このファイルに記録された圧力情報にもとづいて、目詰まり解消を行った区間を判定することができる。そして、この区間に得られた電流信号を無効なデータとして扱ってもよい。
【0074】
図7は、一実施例に係る測定器200Aのブロック図である。測定器200Aは、トランスインピーダンスアンプ210、電圧源220、デジタイザ230を含む。電圧源220は、上述の電圧源202に対応する。またトランスインピーダンスアンプ210は、上述の電流検出回路204に対応する。またデジタイザ230は上述の波形キャプチャモジュール206に対応する。
【0075】
トランスインピーダンスアンプ210は、オペアンプOA1および抵抗R1を含む。オペアンプOA1の反転入力端子は、第1電極E1と接続され、非反転入力端子は接地される。抵抗R1は、オペアンプOA1の反転入力端子と出力端子の間に接続される。
【0076】
電圧源220は、第1電極E1に電圧Vを印加する。オペアンプOA1の仮想接地により、反転入力端子、すなわち第1電極E1の電位は、接地(0V)となる。したがって、第1電極E1と第2電極E2間には、電圧Vが印加される。
【0077】
第1電極E1から第2電極E2に流れるイオン電流Iは、トランスインピーダンスアンプ210に流れ込む。トランスインピーダンスアンプ210の電圧Vcsは、
Vcs=-I×R1
となり、イオン電流Iに比例した電圧となる。したがって、イオン電流Iは、
I=Vcs/R1
として求めることができる。
【0078】
デジタイザ230は、A/Dコンバータ232、メモリ234、インタフェース回路236を含む。A/Dコンバータ232は、電流検出信号Vcsを所定のサンプリング周期で、デジタル信号に変換する。メモリ234は波形データを格納する。インタフェース回路236は、メモリ234に格納された波形データを、処理装置300に送信する。
【0079】
図8は、一実施例に係る圧力制御装置400Aを示す図である。圧力制御装置400Aは、圧力源410Aおよび制御弁420Aを備える。圧力源410Aは、空気圧ポンプ412を含む。
【0080】
制御弁420Aは、バルブV1、V2を備える。圧力を急激に切り替えるとポアチップ110が破損するおそれがあるため、緩衝用のエアベントを設けることが好ましい。制御弁420Aの状態は、コントローラ302が生成する制御信号S2に応じて制御される。
【0081】
圧力制御装置400Aの停止状態では、バルブV1が遮断状態となるバルブV2は導通状態とすることができる。なお、圧力制御装置400Aの停止中に、空気圧ポンプ412は停止してもよい。
【0082】
バルブV1が導通状態、バルブV2が遮断状態となると、圧力制御装置400Aが作動状態となる。これにより第1液室122と第2液室124の間に圧力差を発生させることができる。第1液室122は大気圧に開放されるから、正圧の空気圧ポンプ412を用いる場合には、第2液室124から第1液室122に向かう圧力を発生できる。反対に、負圧の空気圧ポンプ412を用いる場合には、第1液室122から第2液室124に向かう圧力を発生できる。
【0083】
測定器200は、第1電極E1と第2電極E2に印加する電圧Vの極性、すなわち電気泳動の向きを反転可能である。圧力制御装置400は、目詰まりが検出されると、測定器200が発生する電圧Vの極性、すなわち電気泳動の向きに応じて、圧力の方向を切り替える。具体的には、電気泳動による粒子の移動方向と反対に粒子を押し戻すように、圧力差を発生する。
【0084】
図9は、一実施例に係る圧力制御装置400Bを示す図である。圧力制御装置400Bは、主として、目詰まり除去ポンプ412A,412B、バルブV1~V5、内部電源402、メインポンプ442、バッファタンク444、圧力センサ446,448を備える。
【0085】
内部電源402は、外部電源であるACアダプタから、直流の電源電圧を受け、昇圧、または降圧して、所定の電圧レベルに安定化された内部電源電圧を生成する。
【0086】
バッファタンク444は、メインポンプ442と接続され、蓄圧する。圧力センサ446,448は、バッファタンク444の内部の、あるいは出力側の圧力を検出する。
【0087】
目詰まり除去ポンプ412Aは、ポートAを介して、空気の吸引あるいは吐き出しを行う。目詰まり除去ポンプ412Bは、ポートBを介して、空気の吸引あるいは吐き出しを行う。
【0088】
コントローラ430には、外部のDSP(Digital Signal Processor)4からの制御信号が入力されている。DSP4は処理装置300の一部でありうる。コントローラ430は、DSP4からの制御信号に応じて、バルブV1~V5および目詰まり除去ポンプ412A,412B、メインポンプ442の状態を制御し、圧力制御装置400Bの動作モードを切り替える。またコントローラ430は、メインポンプ442を動作させる際には、圧力センサ446,448の出力にもとづいて、バッファタンク444の圧力が一定になるように、メインポンプ442を制御する。
【0089】
図9の圧力制御装置400Bの動作を説明する。この圧力制御装置400Bは、6個の動作モードが切りかえ可能である。
【0090】
第1モードおよび第2モードは、上述した目詰まり除去に関連するモードである。
【0091】
・第1モード
バルブV1,V3,V4が閉状態(オフ)、V5が開状態(オン)、V2は冗長(DC:Don't care)である。空気圧ポンプ412、目詰まり除去ポンプ412Bが停止状態とされ、目詰まり除去ポンプ412Aが動作状態とされる。第1モードでは、ポートAを介して圧力を制御し、ポアデバイス100の目詰まり解消を行うことができる。
【0092】
・第2モード
バルブV1,V2,V5が閉状態(オフ)、V3が開状態(オン)、V4はDCである。メインポンプ442、目詰まり除去ポンプ412Aが停止状態とされ、目詰まり除去ポンプ412Bが動作状態とされる。第2モードでは、ポートBを介して圧力を制御し、ポアデバイス100の目詰まり解消を行うことができる。
【0093】
・第3モード
バルブV1が閉状態(オフ)、V3,V5が開状態(オン)、V2,V4は開、閉を問わない冗長(DC:Don't care)である。メインポンプ442、目詰まり除去ポンプ412A,412Bが停止状態とされる。ポアデバイス100の交換を行う際の待機状態において第3モードを選択することができる。
【0094】
・第4モード
バルブV1が閉状態(オフ)、V2~V5は冗長(DC:Don't care)である。メインポンプ442が動作状態とされ、目詰まり除去ポンプ412A,412Bが停止状態とされる。第4モードでは、バッファタンク444に蓄圧することができる。
【0095】
・第5モード
バルブV1,V2,V5が開状態(オン)、V3,V4は閉状態(オフ)である。メインポンプ442および目詰まり除去ポンプ412A,412Bが停止状態とされる。第5モードは、第4モードにおいてバッファタンク444に蓄圧した後に選択することができ、バッファタンク444の圧力を利用して、ポートA経由でポアデバイス100に圧力を印加することができる。なお、第5モードにおいて空気圧ポンプ412は動作させておいてもよい。
【0096】
・第6モード
バルブV1,V3,V4が開状態(オン)、V2,V5は閉状態(オフ)である。メインポンプ442および目詰まり除去ポンプ412A,412Bが停止状態とされる。第6モードは、第4モードにおいてバッファタンク444に蓄圧した後に選択することができ、バッファタンク444の圧力を利用して、ポートB経由でポアデバイス100に圧力を印加することができる。
【0097】
なお、
図9の圧力制御装置400Bにおいて、目詰まり除去ポンプ412Aと412Bの一方を省略することが可能である。またメインポンプ442、バッファタンク444、圧力センサ446,448は目詰まり除去には寄与していないので、目詰まり除去機能だけが必要な場合には、それらの一部あるいは全部を省略してもよい。
【0098】
以上、実施の形態について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0099】
本明細書では微粒子測定器について説明したが本発明の用途はそれに限定されず、DNAシーケンサをはじめとするポアデバイスとともに使用される微小電流計測を伴う計測器に広く用いることができる。
【0100】
実施形態では、電気泳動によって粒子を駆動したが、本開示の適用はそれに限定されず、濃度勾配を利用した液中拡散する駆動方式や、圧力差を利用した駆動方式にも本開示は適用可能である。
【0101】
特に圧力差を利用した駆動方式には、
図8の圧力制御装置400Bを利用することが可能であり、具体的には、第5モード、第6モードを利用すると、液体の駆動中はポンプを停止することができるため、ポンプの脈動の影響を受けずに、高精度な微粒子測定が可能となる。
【0102】
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0103】
1 微粒子測定装置
2 電解液
4 粒子
100 ポアデバイス
110 ポアチップ
112 ポア
120 チップケース
122 第1液室
124 第2液室
E1 第1電極
E2 第2電極
200 測定器
202 電圧源
204 電流検出回路
206 波形キャプチャモジュール
210 トランスインピーダンスアンプ
220 電圧源
230 デジタイザ
232 A/Dコンバータ
234 メモリ
236 インタフェース回路
300 処理装置
302 コントローラ
304 データ処理部
V1,V2,V3,V4,V5 バルブ
400 圧力制御装置
410 圧力源
412 空気圧ポンプ
412A,412B 目詰まり除去ポンプ
420 制御弁
430 コントローラ
442 メインポンプ
444 バッファタンク
446,448 圧力センサ