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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176887
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ウインドレギュレータモジュール
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/00 20060101AFI20241212BHJP
   E05F 15/689 20150101ALI20241212BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B60J5/00 501A
E05F15/689
B60J1/17 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095742
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000146434
【氏名又は名称】株式会社城南製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕規
(72)【発明者】
【氏名】下村 学
(72)【発明者】
【氏名】村田 亘
【テーマコード(参考)】
2E052
3D127
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA06
2E052DA03
2E052DB03
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA16
3D127AA17
3D127BB01
3D127CB05
3D127CC13
3D127DF03
3D127GG01
(57)【要約】
【課題】運搬時等の取扱い性を向上させることができるウインドレギュレータモジュールを提供する。
【解決手段】車両用ドアのインナパネルに取り付けられるウインドレギュレータモジュール21であって、車両用ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータ31と、ウインドレギュレータ31が固定されたモジュールパネル32と、を備え、モジュールパネル32は、本体板部51と、右折畳み板部53と、左折畳み板部55と、を有し、折畳み自在に構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアのドアパネルに取り付けられるウインドレギュレータモジュールであって、
前記車両用ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータと、
前記ウインドレギュレータが固定されたモジュールパネルと、を備え、
前記モジュールパネルは、折畳み自在に構成されていることを特徴とするウインドレギュレータモジュール。
【請求項2】
前記モジュールパネルは、
前記ウインドレギュレータが固定された本体板部と、
前記本体板部に対して折畳み自在に連結された折畳み板部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のウインドレギュレータモジュール。
【請求項3】
前記折畳み板部は、前記本体板部に対し、前記ウインドレギュレータが固定された側に折畳み自在に連結され、前記本体板部に対して折り畳まれたとき、前記ウインドレギュレータの少なくとも1部に重なるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のウインドレギュレータモジュール。
【請求項4】
前記モジュールパネルは、
前記本体板部の一端に連結された第1の前記折畳み板部と、
前記本体板部の他端に連結された第2の前記折畳み板部と、を有することを特徴とする請求項3に記載のウインドレギュレータモジュール。
【請求項5】
前記折畳み板部は、前記本体板部に対し、前記ドアパネルとは反対側に可動自在に連結されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のウインドレギュレータモジュール。
【請求項6】
前記本体板部と前記折畳み板部とは、別体として成形されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のウインドレギュレータモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインドレギュレータモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ウインドレギュレータモジュールとして、ドアパネルの開口部を閉塞するモジュールパネルに、ウインドレギュレータを含む複数の機能部品を取り付けて一体化したものがある(特許文献1参照)。このウインドレギュレータモジュールでは、モジュールパネルとウインドレギュレータを含む複数の機能部品とを一体化したことで、モジュールパネルとウインドレギュレータを含む複数の機能部品とを一体としてドアパネルに取り付けることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-104052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近年、モジュールパネルが大型化する傾向があり、従来のウインドレギュレータモジュールでは、このモジュールパネルの大型化に伴って、ウインドレギュレータモジュール全体が大型化し、これによって、運搬時等のウインドレギュレータモジュールの取扱い性が悪化してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、運搬時等の取扱い性を向上させることができるウインドレギュレータモジュールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、車両用ドアのドアパネルに取り付けられるウインドレギュレータモジュールであって、前記車両用ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータと、前記ウインドレギュレータが固定されたモジュールパネルと、を備え、前記モジュールパネルは、折畳み自在に構成されていることを特徴とするウインドレギュレータモジュールを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るウインドレギュレータモジュールは、運搬時等の取扱い性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るウインドレギュレータモジュール、及び、ウインドレギュレータモジュールが取り付けられた車両用ドアを示した全体概略図である。
図2】ウインドレギュレータモジュールを示した正面図(a)及び平面図(b)である。
図3】運搬時におけるウインドレギュレータモジュールを示した正面図(a)及び平面図(b)である。
図4】(a)は、モジュールパネルを示した正面図であり、(b)は、モジュールパネルを示した平面図であり、(c)は、右ヒンジ部及び左ヒンジ部周りを示した図4(b)の要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るウインドレギュレータモジュールについて説明する。このウインドレギュレータモジュールは、車両(例えば、自動車)の車両用ドアに取り付けられるモジュールであり、モジュールパネルに対し、ウインドレギュレータを含む複数の機能部品を組み付けてモジュール化(すなわち一体化)したものである。特に、本ウインドレギュレータモジュールは、モジュールパネルを折畳み可能な構成としたことで、運搬時や取付け時等の取扱い性を向上させたものである。なお、以下、各図に示す通り、左右、前後及び上下を規定して説明する。また、本実施形態においては、車両の上下方向とウインドレギュレータモジュールの上下方向とが一致し、車両の車幅方向とウインドレギュレータモジュールの前後方向とが一致し、車両の前後方向とウインドレギュレータモジュールの左右方向とが一致している。
【0010】
(車両用ドアの構成)
ここでウインドレギュレータモジュール21の説明に先駆けて、ウインドレギュレータモジュール21が取り付けられた車両用ドア1について説明する。図1に示すように、車両用ドア1は、ドアパネルである車室内側のインナパネル11と車室外側のアウタパネル(図示省略)とによって構成されており、このインナパネル11とアウタパネルとの間に、ドア内部空間が形成されている。
【0011】
また、インナパネル11及びアウタパネルの上部には、窓ガラスWによって開閉される窓開口16が形成されている。一方、インナパネル11の下部には、ウインドレギュレータ31を含む複数の機能部品をドア内部空間に導入するための導入開口17が形成されている。本実施形態では、ウインドレギュレータモジュール21がインナパネル11に取り付けられており、ウインドレギュレータモジュール21をインナパネル11に取り付けることで、モジュールパネル32で導入開口17を閉塞しつつ、ウインドレギュレータ31を含む複数の機能部品をドア内部空間に収容する構成となっている。
【0012】
(ウインドレギュレータモジュールの構成)
図1乃至図3に示すように、ウインドレギュレータモジュール21は、車両用ドア1の窓ガラスWを昇降させるウインドレギュレータ31と、ウインドレギュレータ31が固定されるモジュールパネル32と、を備えている。また、図示省略するが、ウインドレギュレータ31以外にも、スピーカ等の機能部品がモジュールパネル32に組み付けられている。
【0013】
ウインドレギュレータ31は、昇降方向に沿って設けられたガイドレール41と、窓ガラスWを支持すると共に、ガイドレール41に摺動自在に取り付けられたキャリアプレート42と、キャリアプレート42を牽引する上昇側ワイヤ43及び下降側ワイヤ44と、ガイドレール41の下端部に配設され、上昇側ワイヤ43及び下降側ワイヤ44を駆動する駆動部45と、プーリブラケット46を介してガイドレール41の上端部に固定され、上昇側ワイヤ43を方向転換するプーリ47と、を備えている。駆動部45を駆動して、上昇側ワイヤ43及び下降側ワイヤ44を繰り出しつつ巻き取ることで、キャリアプレート42を上下方向に牽引し、キャリアプレート42を上下方向に移動させる。これによって、キャリアプレート42に支持された窓ガラスWを昇降させる。
【0014】
また、ウインドレギュレータ31では、ガイドレール41の下端部が固定された駆動部45のハウジング45aが、モジュールパネル32に固定されることで、ウインドレギュレータ31がモジュールパネル32に固定されている。加えて、駆動部45のハウジング45aから上方に延在するガイドレール41は、モジュールパネル32の上端を超えて延在しており、モジュールパネル32から上方に突出して形成されている。そして、モジュールパネル32から突出したガイドレール41の先端部である上端部にプーリブラケット46及びプーリ47が固定されており、ガイドレール41の上端部に固定されたプーリブラケット46及びプーリ47がインナパネル11に固定される。すなわち、ウインドレギュレータ31は、下端部でモジュールパネル32に固定され、上端部でインナパネル11に固定される。
【0015】
また、ウインドレギュレータ31のガイドレール41には、グリスが塗布されている。このグリスによって、上昇側ワイヤ43及び下降側ワイヤ44がガイドレール41に接触したときの摺動音や摩耗を抑制している。
【0016】
(モジュールパネルの構成)
図4に示すように、モジュールパネル32は、インナパネル11にネジ固定されるパネル体であり、導入開口17を覆い、閉塞する大きさに形成されていると共に、折畳み自在に構成されている。具体的には、モジュールパネル32は、ウインドレギュレータ31が固定された本体板部51と、右ヒンジ部52を介して本体板部51の右端に折畳み自在に連結された右折畳み板部53と、左ヒンジ部54を介して本体板部51の左端に折畳み自在に連結された左折畳み板部55と、によって構成されている。本体板部51、右折畳み板部53及び左折畳み板部55は、それぞれ樹脂で形成されており、別体として成形されている。すなわち、モジュールパネル32は、別体として成形された本体板部51、右折畳み板部53及び左折畳み板部55を連結して構成されており、モジュールパネル32を左右方向に3つに分割した構成となっている。なお、右折畳み板部53は、第1の折畳み板部の一例であり、左折畳み板部55は、第2の折畳み板部の一例である。
【0017】
本体板部51には、その右端に、右ヒンジ部52を構成する軸部である上下2つの右ヒンジ軸部61、61が形成され、その左端に、左ヒンジ部54を構成する軸部である上下2つの左ヒンジ軸部62、62が形成されている。また、本体板部51の4隅には、本体板部51をインナパネル11にネジ固定するための4つの固定孔63がそれぞれ形成されている。
【0018】
図4(a)に示すように、右折畳み板部53には、その左端に、右ヒンジ部52を構成する筒部である上下2つのヒンジ筒部71、71が形成されている。また、右折畳み板部53の上下端部には、右折畳み板部53をインナパネル11にネジ固定するための2つの固定孔72がそれぞれ形成されている。また、図3(a)に示すように、右折畳み板部53の左右方向の幅寸法は、右折畳み板部53が本体板部51に対して折り畳まれたとき、前方から見て、ウインドレギュレータ31の一部(本実施形態では下限位置に位置したキャリアプレート42)と重なる大きさになっている。すなわち、本体板部51と右折畳み板部53とは、本体板部51に対し右折畳み板部53を折り畳んだとき、右折畳み板部53がウインドレギュレータ31の一部と重なる位置で分割されていると言える。
【0019】
図4(a)に示すように、左折畳み板部55には、その右端に、左ヒンジ部54を構成する筒部である上下2つのヒンジ筒部81、81が形成されている。また、左折畳み板部55の上下端部には、左折畳み板部55をインナパネル11にネジ固定するための2つの固定孔72がそれぞれ形成されている。また、図3(a)に示すように、左折畳み板部55の左右方向の幅寸法は、左折畳み板部55が本体板部51に対して折り畳まれたとき、前方から見て、ウインドレギュレータ31の一部(本実施形態では駆動部45の駆動モータ45b)と重なる大きさになっている。すなわち、本体板部51と左折畳み板部55とは、本体板部51に対し左折畳み板部55を折り畳んだとき、左折畳み板部55がウインドレギュレータ31の一部と重なる位置で分割されていると言える。
【0020】
図4(c)に示すように、右ヒンジ部52は、本体板部51に形成された2つの右ヒンジ軸部61、61と、右折畳み板部53に形成された2つのヒンジ筒部71、71と、によって構成されている。すなわち、2つの右ヒンジ軸部61、61に、2つのヒンジ筒部71、71をそれぞれ係合させることで、右ヒンジ部52が構成されている。この右ヒンジ部52によって、右折畳み板部53が本体板部51に対して揺動自在に連結されている。これによって、図4(b)に示すように、右折畳み板部53は、本体板部51に対して、本体板部51と平行な状態から、ウインドレギュレータ31が固定された側(前側)に折畳み自在に連結されると共に、図3(a)に示すように、本体板部51に対して折り畳まれたとき、ウインドレギュレータ31の一部と重なるように構成されている。また、図4(b)に示すように、右折畳み板部53は、本体板部51に対し、本体板部51と平行な状態から、インナパネル11とは反対側(後側)に可動自在(揺動自在)に連結されている。
【0021】
図4(c)に示すように、左ヒンジ部54は、本体板部51に形成された2つの左ヒンジ軸部62、62と、左折畳み板部55に形成された2つのヒンジ筒部81、81と、によって構成されている。すなわち、2つの左ヒンジ軸部62、62に、2つのヒンジ筒部81、81をそれぞれ係合させることで、左ヒンジ部54が構成されている。この左ヒンジ部54によって、左折畳み板部55が本体板部51に対して揺動自在に連結されている。これによって、図4(b)に示すように、左折畳み板部55は、本体板部51に対して、本体板部51と平行な状態から、ウインドレギュレータ31が固定された側(前側)に折畳み自在に連結されると共に、図3(a)に示すように、本体板部51に対して折り畳まれたとき、ウインドレギュレータ31の一部と重なるように構成されている。また、図4(b)に示すように、左折畳み板部55は、本体板部51に対し、本体板部51と平行な状態から、インナパネル11とは反対側(後側)に可動自在(揺動自在)に連結されている。
【0022】
本実施形態では、ウインドレギュレータ31を運搬するとき、図3に示すように、キャリアプレート42を下限位置に位置させ、モジュールパネル32を折り畳んだ状態で運搬される。モジュールパネル32を折り畳むと、同図に示すように、左右の折畳み板部53、55がウインドレギュレータ31の一部と重なるように折り畳まれ、左右の折畳み板部53、55によってウインドレギュレータ31を囲う形になる。これによって、当該ウインドレギュレータ31に、一緒に運搬される他のウインドレギュレータモジュール21や、作業者の手、運搬用の箱等が接触するのを防止することができる。特に、他のウインドレギュレータモジュール21や作業者の手、運搬用の箱等が、ウインドレギュレータ31のガイドレール41に接触するのを防止できるため、ガイドレール41に塗布されたグリスが、他のウインドレギュレータモジュール21や作業者の手、運搬用の箱等に付着してしまうのを防止することができる。
【0023】
次に、ウインドレギュレータモジュール21の車両用ドア1への取付け動作について説明する。ウインドレギュレータモジュール21の取付け動作では、まず、導入開口17からウインドレギュレータ31を含む複数の機能部品をドア内部空間に導入する。その後、本体板部51に対し右折畳み板部53及び左折畳み板部55を後側に揺動した状態で、本体板部51をインナパネル11に位置合わせし、本体板部51を後側からインナパネル11に押し付けた状態で、4つの固定孔63によって本体板部51をインナパネル11にネジ固定する。本体板部51をインナパネル11にネジ固定したら、本体板部51に対し右折畳み板部53を揺動させて右折畳み板部53をインナパネル11に押し付けた状態で、2つの固定孔72によって右折畳み板部53をインナパネル11にネジ固定する。さらに、本体板部51に対し左折畳み板部55を揺動させて左折畳み板部55をインナパネル11に押し付けた状態で、2つの固定孔82によって、左折畳み板部55をインナパネル11にネジ固定する。本体板部51、右折畳み板部53及び左折畳み板部55をネジ固定したら、ウインドレギュレータ31のプーリブラケット46及びプーリ47を、インナパネル11に固定する。これによって、ウインドレギュレータモジュール21の取付け動作を終了する。
【0024】
(実施形態の作用及び効果)
以上、上記実施形態の構成によれば、モジュールパネル32を折畳み自在に構成したことで、運搬時等の非使用時にモジュールパネル32を折り畳むことによって、モジュールパネル32をコンパクトに変形させることができ、ウインドレギュレータモジュール21全体の大きさを小さくすることができる。これにより、運搬時等の取扱い性を向上させることができ、特に、ウインドレギュレータモジュール21の運搬効率を向上させることができる。
【0025】
また、モジュールパネル32を折畳み自在に構成したことで、複数のウインドレギュレータモジュール21を立ち姿勢(立上り姿勢)で運搬するとき、折畳み板部53、55を支えとして利用することができる。そのため、運搬時の衝撃で、立ち姿勢のウインドレギュレータモジュール21が倒れるのを防止することができる。これによって、運搬中に立ち姿勢のウインドレギュレータモジュール21が、他のウインドレギュレータモジュール21に倒れ込んで損傷を生じさせるのを防止することができる。
【0026】
また、本体板部51に対し折畳み板部53、55を折り畳んだとき、折畳み板部53、55がウインドレギュレータ31の一部と重なる構成であるため、運搬時等の非使用時に、折畳み板部53、55によってウインドレギュレータ31を囲うことができ、他のウインドレギュレータモジュール21や作業者の手、運搬用の箱等がウインドレギュレータ31に接触するのを防止することができる。特に、ガイドレール41に塗布されたグリスが、他のウインドレギュレータモジュール21や作業者の手、運搬用の箱等に付着するのを防止することができる。また、ウインドレギュレータ31を保護することができる。
【0027】
また、本体板部51に対し折畳み板部53、55を、インナパネル11とは反対側に可動自在(揺動自在)に構成したことで、ウインドレギュレータモジュール21の取付け時の取扱い性を向上させることができる。
【0028】
また、モジュールパネル32が、本体板部51と折畳み板部53、55とに分割して成形されている構成であるため、大型の成形機を用いる必要がなく、小型の成型機でモジュールパネル32を成形することができる。また、成形時間及び成形コストを削減することができる。
【0029】
また、モジュールパネル32が、本体板部51と折畳み板部53、55とに分割して成形されている構成であるため、折畳み板部53、55を幅寸法が異なるものに差し替えることで、本体板部51を変更することなく、モジュールパネル32の大きさを変えることができ、様々なサイズ、様々な形状のウインドレギュレータモジュール21の提供に対応することができる。
【0030】
(その他の実施形態について)
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記した実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【0031】
例えば、上記実施形態においては、モジュールパネル32を、本体板部51と右折り畳み板部53と左折畳み板部55とで3つに分割し、モジュールパネル32を、3つ折りに折畳み自在に構成したが、これに限るものではない。すなわち、モジュールパネル32を、4つ以上(例えば5つ)に分割し、モジュールパネル32を、4つ折り以上で折畳み自在に構成してもよい。
【0032】
また、上記実施形態においては、モジュールパネル32の左右方向の一端に連結された右折畳み板部53(第1の折畳み板部)と、モジュールパネル32の左右方向の他端に連結された左折畳み板部55(第2の折畳み板部)と、を有する構成であったが、右折畳み板部53及び左折畳み板部55のうちの一方のみを有する構成であってもよい。
【0033】
また、上記実施形態においては、モジュールパネル32を左右で折畳み自在に構成し、本体板部51の左右方向の端に、折畳み板部53、55を連結する構成であったが、モジュールパネル32を上下で折畳み自在に構成し、本体板部51の上下方向の端に、折畳み板部53、55を連結する構成であってもよい。
【0034】
また、上記実施形態においては、本体板部51に対して折畳み板部53、55を前側(ウインドレギュレータ31が固定された側)に折畳み自在に連結する構成であったが本体板部51に対して折畳み板部53、55を後側に折畳み自在に連結する構成であってもよい。
【0035】
また、上記実施形態においては、本体板部51の本体と一体成形されたヒンジ軸部61、62と、折畳み板部53、55の本体と一体成形されたヒンジ筒部71、81とによって構成されたヒンジ部52、54により、本体板部51と折畳み板部53、55とを連結する構成したが、これに限るものではない。すなわち、本体板部51及び折畳み板部53、55とは別体として成形されたヒンジ部52、54により、本体板部51と折畳み板部53、55とを連結する構成であってもよい。
【0036】
また、上記実施形態においては、本体板部51と折畳み板部53、55とを別体として成形する構成であったが、本体板部51及び折畳み板部53、55を一体として成形する構成であってもよい。かかる場合、ヒンジ部52、54は、例えば、肉薄部によって構成される。
【0037】
また、上記実施形態においては、本体板部51とガイドレール41とを別体として成形する構成であったが、本体板部51とガイドレール41とが一体として成形されている構成であってもよい。かかる場合、本体板部51及びガイドレール41を、例えば樹脂で形成する。
【0038】
また、上記実施形態においては、ウインドレギュレータ31の上部がモジュールパネル32から上方に突出し、ウインドレギュレータ31の上部がインナパネル11に固定され、ウインドレギュレータ31の下部がモジュールパネル32に固定されている構成であったが、ウインドレギュレータ31がモジュールパネル32に固定されている構成であれば、これに限るものではない。例えば、ウインドレギュレータ31全域がモジュールパネル32上に位置し、ウインドレギュレータ31の上部及び下部がモジュールパネル32に固定されている構成であってもよいし、ウインドレギュレータ31の下部がモジュールパネル32から下方に突出し、ウインドレギュレータ31の下部がインナパネル11に固定され、ウインドレギュレータ31の上部がモジュールパネル32に固定されている構成であってもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、折畳み板部53、55を、折り畳んだときにウインドレギュレータ31の一部と重なるように構成したが、これに限るものではない。例えば、折畳み板部53、55を、本体板部51に対して折り畳んだときにウインドレギュレータ31と重ならないように構成してもよいし、折畳み板部53、55を、本体板部51に対して折り畳んだときにウインドレギュレータ31全体を覆うように構成してもよい。また、ガイドレール41に塗布されたグリスが付着するのをより防止すべく、折畳み板部53、55を、本体板部51に対して折り畳んだときにガイドレール41の一部又は全体を覆うように構成してもよい。
【0040】
また、上記実施形態においては、ワイヤ43、44で駆動すると共に、駆動部45がガイドレール41の下端部に配設されたワイヤ駆動型且つ下端レール式のウインドレギュレータ31を搭載したウインドレギュレータモジュール21に本発明を適用したが、ウインドレギュレータモジュール21に搭載するウインドレギュレータ31は、これに限るものではない。例えば、デルタ式やバンジョー式、自走式、ダブルレール式等の他のワイヤ駆動型ウインドレギュレータを搭載したウインドレギュレータモジュール21に本発明を適用してもよいし、アーム駆動型ウインドレギュレータ等、ワイヤ駆動型ウインドレギュレータ以外のウインドレギュレータを搭載したウインドレギュレータモジュール21に本発明を適用してもよい。
【0041】
また、上記実施形態においては、左フロントドア(すなわち、左フロンドサイドドア)に取り付けられるウインドレギュレータモジュール21を例示したが、これに限るものではない。すなわち、右サイドドアに取り付けられるウインドレギュレータモジュール21に本発明を適用してもよいし、リアサイドドアに取り付けられるウインドレギュレータモジュール21に本発明を適用してもよい。
【0042】
(実施形態のまとめ)
次に、以上説明した実施形態から把握される技術思想について、実施形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、請求の範囲における構成要素を実施形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0043】
《1》車両用ドア(1)のドアパネル(11)に取り付けられるウインドレギュレータモジュール(21)であって、前記車両用ドア(1)の窓ガラス(W)を昇降させるウインドレギュレータ(31)と、前記ウインドレギュレータ(31)が固定されたモジュールパネル(32)と、を備え、前記モジュールパネル(32)は、折畳み自在に構成されていることを特徴とするウインドレギュレータモジュール(21)。
《2》前記モジュールパネル(32)は、前記ウインドレギュレータ(31)が固定された本体板部(51)と、前記本体板部(51)に対して折畳み自在に連結された折畳み板部(53、55)と、を有することを特徴とする《1》に記載のウインドレギュレータモジュール(21)。
《3》前記折畳み板部(53、55)は、前記本体板部(51)に対し、前記ウインドレギュレータ(31)が固定された側に折畳み自在に連結され、前記本体板部(51)に対して折り畳まれたとき、前記ウインドレギュレータ(31)の少なくとも1部に重なるように構成されていることを特徴とする《2》に記載のウインドレギュレータモジュール(21)。
《4》前記モジュールパネル(32)は、前記本体板部(51)の一端に連結された第1の前記折畳み板部(53)と、前記本体板部(51)の他端に連結された第2の前記折畳み板部(55)と、を有することを特徴とする《2》又は《3》に記載のウインドレギュレータモジュール(21)。
《5》前記折畳み板部(53、55)は、前記本体板部(51)に対し、前記ドアパネル(11)とは反対側に可動自在に連結されていることを特徴とする《2》乃至《4》のいずれか1つに記載のウインドレギュレータモジュール(21)。
《6》前記本体板部(51)と前記折畳み板部(53、55)とは、別体として成形されていることを特徴とする《2》乃至《5》のいずれか1つに記載のウインドレギュレータモジュール(21)。
【符号の説明】
【0044】
1:車両用ドア、 11:インナパネル、 21:ウインドレギュレータモジュール、 31:ウインドレギュレータ、 32:モジュールパネル、 51:本体板部、 53:右折畳み板部、 55:左折畳み板部
図1
図2
図3
図4