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特開2024-176918操作装置、操作システム、操作方法、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176918
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】操作装置、操作システム、操作方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20241212BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20241212BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20241212BHJP
   F24F 11/56 20180101ALN20241212BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
G05B23/02 301V
G06F11/34 176
F24F11/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095793
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】西村 英利香
(72)【発明者】
【氏名】小泉 吉秋
【テーマコード(参考)】
3C223
3L260
5B042
5K048
【Fターム(参考)】
3C223AA17
3C223BA01
3C223CC01
3C223EB05
3C223FF13
3C223FF17
3C223FF35
3C223HH02
3C223HH08
3L260BA73
3L260GA02
3L260GA15
3L260JA12
3L260JA23
5B042GA12
5B042MC35
5B042MC37
5K048AA06
5K048BA08
5K048DC01
5K048EB02
5K048FB10
5K048FB15
(57)【要約】
【課題】操作の再現、分析などをする場合に有効な操作内容の記録が可能となる。
【解決手段】操作装置であるリモコン200の操作受付部201は、ユーザから空調機100に対する操作を受け付ける。操作判別部202は、受け付けた操作が、ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別する。空調制御部203は、操作判別部202が、操作が正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて空調機100を制御する。操作記録部204は、受け付けた操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する。この際、操作記録部204は、正常操作と誤操作とを区別して操作の内容を記録する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから機器に対する操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別する操作判別手段と、
前記操作判別手段が、前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御する機器制御手段と、
前記操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する操作記録手段と、を備え、
前記操作記録手段は、前記正常操作と前記誤操作とを区別して前記操作の内容を記録する、
操作装置。
【請求項2】
前記操作記録手段に記録した操作の履歴を表示する操作履歴表示手段をさらに備える、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記操作履歴表示手段に表示された操作履歴のなかから選択された操作に応じて前記機器を制御する操作再現手段をさらに備える、
請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作記録手段は、前記正常操作の内容と前記誤操作の内容とを異なるテーブルに記録する、
請求項1から3の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項5】
前記操作記録手段は、前記誤操作の内容と対応付けて、当該誤操作の原因を示す情報を記録する、
請求項1から3の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項6】
前記操作判別手段は、前記操作が前記誤操作であるかを判別するための閾値を、前記操作を受け付けた時間帯に応じて変化させる、
請求項1から3の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項7】
前記操作判別手段は、機械学習の手法によって前記操作が前記誤操作であるかを判別するための閾値を求める、
請求項1から3の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項8】
ユーザから機器に対する操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別する操作判別手段と、
前記操作判別手段が、前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御する機器制御手段と、
前記操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する操作記録手段と、を備え、
前記操作記録手段は、前記正常操作と前記誤操作とを区別して前記操作の内容を記録する、
操作システム。
【請求項9】
ユーザから機器に対する操作を受け付け、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別し、
前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御し、
前記操作の内容を、前記正常操作と前記誤操作とを区別して、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する、
操作方法。
【請求項10】
コンピュータを、
ユーザから機器に対する操作を受け付ける操作受付手段、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別する操作判別手段、
前記操作判別手段が、前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御する機器制御手段、
前記操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する操作記録手段、
として機能させ、
前記操作記録手段は、前記正常操作と前記誤操作とを区別して前記操作の内容を記録する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作装置、操作システム、操作方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、リモコンを使用して、空調機、テレビなどの機器を操作することが一般的に行われている。また、機器に対してなされた操作を再現、分析するために、操作の内容を記録する技術も知られている。例えば、特許文献1には、ユーザ操作を受け付けた操作日時と、このユーザ操作の操作内容を示す情報と、このユーザ操作に対応した制御信号を送信した後の空調機の運転状態を示す情報と、を対応付けて操作記録ファイルに記録する空調管理装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-071722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、就寝中の寝返りなどでユーザが空調機のリモコンのボタンに触れてしまい、ユーザの意図しない誤操作がなされてしまう場合がある。特許文献1に記載の空調管理装置では、このような誤操作がなされてしまっても、通常の操作として操作記録ファイルに記録される。そのため、操作記録ファイルに記録されている操作の履歴から、操作の再現、分析などをする場合に支障をきたす虞がある。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、操作の再現、分析などをする場合に有効な操作内容の記録ができる操作装置、操作システム、操作方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の操作装置は、
ユーザから機器に対する操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別する操作判別手段と、
前記操作判別手段が、前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御する機器制御手段と、
前記操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する操作記録手段と、を備え、
前記操作記録手段は、前記正常操作と前記誤操作とを区別して前記操作の内容を記録する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、正常操作と誤操作とを区別して操作の内容を記録する。従って、操作の再現、分析などをする場合に有効な操作内容の記録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るリモコンを備えたシステムの全体構成を示す図
図2】実施形態に係るリモコンの正面図
図3】実施形態に係るリモコンのブロック図
図4】実施形態に係る操作記録テーブルの構成例を示す図
図5】実施形態に係る誤操作記録テーブルの構成例を示す図
図6】実施形態に係るリモコンの機能構成を示す図
図7】実施形態に係る空調制御処理のフローチャート
図8】実施形態に係る操作履歴表示処理のフローチャート
図9】実施形態に係る操作履歴画面の例を示す図
図10】変形例に係る操作システムの全体構成を示す図
図11】変形例に係る操作記録テーブルの構成例を示す図
図12】変形例に係る時間帯に応じて誤操作判定用の閾値を変化させる例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0010】
図1は、本開示の実施形態に係るリモコン200を備えたシステムの構成を示す図である。本実施形態に係るリモコン200は、空調機100を遠隔操作する操作装置である。
【0011】
ここで、図面を用いてリモコン200について詳細に説明する。図2は、リモコン200の正面図である。図3は、リモコン200の構成を示すブロック図である。リモコン200は、制御部21と、通信部22と、入力部23と、表示部24と、記憶部25と、を備える。
【0012】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、RTC(Real Time Clock)等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等とも呼び、リモコン200の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部21において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、リモコン200を統括制御する。RTCは、例えば、計時機能を有する集積回路である。CPUは、RTCから読み出される時刻情報から現在日時を特定してタイムスタンプを発行することができる。
【0013】
通信部22は、制御部21による制御に従って、空調機100と通信する。通信部22は、例えば、赤外線通信の通信規格に準拠した通信インタフェースを備える。
【0014】
入力部23は、各種のボタンを備える。具体的には、入力部23は、図2に示すように、表示装置の下部に設けられた「暖房」ボタン231と、「除湿」ボタン232と、「冷房」ボタン233と、「温度上昇」ボタン234と、「温度低下」ボタン235と、「停止」ボタン236とを備える。これらのボタンは、空調機100を制御するためのボタンであり、これらを区別しない場合は制御ボタン230とも表記する。また、入力部23は、制御ボタン230の下方に設けられた操作ボタン群237と「メニュー」ボタン238とを備える。「メニュー」ボタン238は、メニュー画面を表示部24に表示させるためのボタンである。操作ボタン群237は、表示部24に表示されたメニュー画面などから項目を選択するための複数のボタンから構成される。入力部23は、これらの各種のボタンを介して、ユーザからの操作を受け付け、受け付けた操作の内容を示す情報を制御部21に供給する。
【0015】
また、本開示では、制御ボタン230には、制御ボタン230が押下されている時間を計測するためのタイマーと、押下されていない時間を計測するためのタイマーとが設けられている。これらのタイマーは、制御部21の備えるRTCによって実現されるソフトウェアタイマーである。なお、以下の説明では、制御ボタン230が押下されている時間を計測するためのタイマーを押下時間計測タイマーTONと表記する。また、制御ボタン230が押下されていない時間を計測するためのタイマーを未押下時間計測タイマーTOFFと表記する。押下時間計測タイマーTONと未押下時間計測タイマーTOFFとは、制御ボタン230を構成するボタン毎に設定されている。
【0016】
例えば、制御部21は、制御ボタン230が押されたタイミングで、押下時間計測タイマーTONによる計測を0からスタートし、制御ボタン230が離されたタイミングで押下時間計測タイマーTONがストップする。これにより、制御部21は、制御ボタン230が押下されている押下時間を取得することができる。なお、押下時間の計測処理は、後述する空調制御処理、操作履歴表示処理などとは別スレッドで常に実行されている。
【0017】
また、制御部21は、制御ボタン230が離されたタイミングで、未押下時間計測タイマーTOFFによる計測を0からスタートし、制御ボタン230が押されたタイミングで未押下時間計測タイマーTOFFがストップする。これにより、制御部21は、制御ボタン230の前回の押下から今回の押下までの間のインターバル時間を取得することができる。なお、インターバル時間の計測処理は、後述する空調制御処理、操作履歴表示処理などとは別スレッドで常に実行されている。
【0018】
表示部24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)であり、制御部21による制御に従って、各種の画像を表示する。例えば、表示部24は、後述するメニュー画面、操作履歴画面などを表示する。
【0019】
なお、入力部23と表示部24とは、タッチパネルによって一体に構成されていてもよい。
【0020】
記憶部25は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部25は、制御部21が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。例えば、記憶部25は、操作記録テーブル251と、誤操作記録テーブル252とを記憶する。
【0021】
操作記録テーブル251は、ユーザから受け付けた、当該ユーザが意図した操作である正常操作の履歴が記録される。具体的には、操作記録テーブル251には、図4に示すように、受け付けた正常操作の内容を示す情報と、当該正常操作を受け付けた日時情報とが対応付けられて記憶される。
【0022】
誤操作記録テーブル252は、ユーザから受け付けた、当該ユーザが意図しない操作である誤操作の履歴が記録される。具体的には、誤操作記録テーブル252には、図5に示すように、受け付けた誤操作の内容を示す情報と、当該誤操作の原因を示す情報と、当該誤操作を受け付けた日時情報とが対応付けられて記憶される。
【0023】
例えば、図5において、誤操作原因「長押し」は、ボタンの押下時間が極端に長いことにより誤操作と判定したことを示す。誤操作原因「短押し」は、ボタンの押下時間が極端に短いことにより誤操作と判定したことを示す。誤操作原因「二度押し」は、極端に短い時間間隔でボタンが押下されたことにより誤操作と判定したことを示す。誤操作原因「同時押し」は、同時に複数のボタンが押下されたことにより誤操作と判定したことを示す。
【0024】
次に、図6を参照して、リモコン200の機能について説明する。リモコン200は、機能的な構成として、操作受付部201と、操作判別部202と、空調制御部203と、操作記録部204と、操作履歴表示部205と、操作再現部206とを備える。
【0025】
操作受付部201は、ユーザからなされた各種操作を受け付ける。例えば、操作受付部201は、制御ボタン230が押下されたことによる空調機100を制御するための操作、「メニュー」ボタン231が押下されたことによるメニュー画面を表示するための操作などを受け付ける。操作受付部201は、入力部23の機能によって実現される。操作受付部201は、本開示の操作受付手段の一例である。
【0026】
操作判別部202は、操作受付部201が受け付けた空調機100に対する操作が、ユーザの意図する正常操作かユーザの意図しない誤操作であるかを判別する。具体的には、操作判別部202は、短時間で連続して制御ボタン230が押下されている場合、同時に複数の制御ボタン230が押下されている場合、制御ボタン230が押下されている時間が極端に長い若しくは極端に短い場合などに誤操作と判別し、それ以外は正常動作と判別する。操作判別部202は、本開示の操作判別手段の一例である。
【0027】
空調制御部203は、操作判別部202が受け付けた操作が正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じた制御信号を空調機100に送信して空調機100を制御する。空調制御部203は、本開示の機器制御手段の一例である。
【0028】
操作記録部204は、操作受付部201が受け付けた空調機100に対する操作を記録する。ここで、操作記録部204は、受け付けた操作が正常操作であるか誤操作であるかを区別して操作の内容を記録する。具体的には、受け付けた操作が正常操作である場合、操作記録部204は、当該操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて操作記録テーブル251に記録する。一方、受け付けた操作が誤操作である場合、操作記録部204は、当該誤操作の内容を、誤操作と判断した原因を示す情報と、当該誤操作を受け付けた日時情報と対応付けて誤操作記録テーブル252に記録する。操作記録部204は、本開示の操作記録手段の一例である。
【0029】
操作履歴表示部205は、操作受付部201が受け付けたユーザからの指示に基づいて、操作記録テーブル251、および誤操作記録テーブル252に記録されている操作の履歴を表示する。操作履歴表示部205は、本開示の操作履歴表示手段の一例である。
【0030】
操作再現部206は、操作履歴表示部205が表示した操作履歴のなかからユーザによって選択された操作に応じた制御信号を空調機100に送信して空調機100を制御することにより、当該操作を再現する。操作再現部206は、本開示の操作再現手段の一例である。
【0031】
(空調制御処理)
続いて、リモコン200の動作について説明する。ユーザは、空調機100を制御するために、リモコン200の制御ボタン230を押下する操作、即ち、制御ボタン230を押してから離す操作をする。当該操作がなされると、リモコン200の制御部21は、図7に示す空調制御処理を実行する。
【0032】
まず、制御部21は、今回押下された制御ボタン230の押下時間と、前回の押下から今回の押下までの間のインターバル時間とを取得する(ステップS1)。例えば、制御部21は、前述した押下時間計測タイマーTONの計測時間から押下時間を取得することができる。また、制御部21は、前述した未押下時間計測タイマーTOFFの計測時間からインターバル時間を取得することができる。
【0033】
続いて、制御部21は、ステップS1で取得したインターバル時間が予め定めた二度押しの誤操作判定用の閾値Sa(例えば、0.5秒)よりも短いか否かを判別する(ステップS2)。
【0034】
インターバル時間が閾値Saよりも短い場合(ステップS2;Yes)、今回の押下操作は、前回の押下操作からほとんど時間が経過せずになされたものであり、ユーザが意図しない誤操作であると考えられる。そのため、制御部21は、今回なされた操作の内容を、誤操作の原因を「二度押し」として、操作を受け付けたときの時刻情報と対応付けて誤操作記録テーブル252に登録する(ステップS3)。そして、空調機100は制御されずに処理は終了する。
【0035】
一方、インターバル時間が閾値Saよりも短くない場合(ステップS2;No)、制御部21は、ステップS1で取得した押下時間が予め定めた短押しの誤操作判定用の閾値Sb(例えば、0.2秒)より短いか否かを判別する(ステップS4)。
【0036】
押下時間が閾値Sbよりも短い場合(ステップS4;Yes)、人が行う押下操作としては極端に短い押下時間であり、ユーザが意図しない誤操作であると考えられる。そのため、制御部21は、今回なされた操作の内容を、誤操作の原因を「短押し」として、操作を受け付けたときの時刻情報と対応付けて誤操作記録テーブル252に登録する(ステップS5)。そして、空調機100は制御されずに処理は終了する。
【0037】
一方、押下時間が閾値Sbよりも短くない場合(ステップS4;No)、制御部21は、ステップS1で取得した押下時間が予め定め長押しの誤操作判定用の閾値Sc(例えば、5秒)より長いか否かを判別する(ステップS6)。
【0038】
押下時間が閾値Scよりも長い場合(ステップS6;Yes)、人が行う押下操作としては極端に長い押下時間であり、ユーザが意図しない誤操作であると考えられる。そのため、制御部21は、今回なされた操作の内容を、誤操作の原因を「長押し」として、操作を受け付けた時刻情報と対応付けて誤操作記録テーブル252に登録する(ステップS7)。そして、空調機100は制御されずに処理は終了する。
【0039】
一方、押下時間が閾値Scよりも長くない場合(ステップS6;No)、制御部21は、今回なされた押下操作と同時になされた他のボタンの押下操作があるか否かを判別する(ステップS8)。なお、ここでは、完全に同時ではなくても、今回の押下操作から予め定めた時間内(例えば0.1秒内)に他のボタンの押下操作があれば、同時になされたものと判別してもよい。
【0040】
今回なされた押下操作と同時になされた他のボタンの押下操作がある場合(ステップS8;Yes)、複数のボタンが同時に押下されている状態であり、ユーザが意図しない誤操作であると考えられる。そのため、制御部21は、今回なされた操作の内容を、誤操作の原因を「同時押し」として、操作を受け付けた時刻情報と対応付けて誤操作記録テーブル252に登録する(ステップS9)。そして、空調機100は制御されずに処理は終了する。
【0041】
一方、同時になされた他のボタンの押下操作がない場合(ステップS8;No)、今回の制御ボタン230の押下操作はユーザの意図する正常操作である。そのため、制御部21は、今回押下された制御ボタン230に応じた処理を実行するように空調機100を制御する(ステップS10)。例えば、「冷房」ボタンの押下操作がなされている場合、制御部21は、通信部22を制御して、冷房運転の開始を指示する制御信号を空調機100に送信する。
【0042】
続いて制御部21は、今回なされた正常な操作の内容を、操作を受け付けたときの時刻情報と対応付けて操作記録テーブル251に登録する(ステップS11)。以上で空調制御処理は終了する。
【0043】
(操作履歴表示処理)
続いて、リモコン200の制御部21が実行する操作履歴表示処理について説明する。例えば、ユーザは、リモコン200の「メニュー」ボタンを押して表示部24に図示せぬメニュー画面を表示させる。そして、ユーザは、操作ボタン群237を操作して、メニュー画面に表示されている各メニュー項目から、操作履歴表示を選択する。この選択操作に応じて、リモコン200の制御部21は、図8のフローチャートに示す操作履歴表示処理を開始する。
【0044】
ます、制御部21は、操作記録テーブル251から、操作履歴表示用の情報を取得する(ステップS21)。そして、制御部21は、ステップS21で取得した情報に基づいて、ユーザが行った操作の履歴を表示する操作履歴画面を表示部24に表示させる(ステップS22)。
【0045】
図9に操作履歴画面の表示例を示す。この例では、空調機100でなされた各操作の内容と、操作を受け付けた日時情報とが対応付けられて表示されている。また、この図において、各操作の左側には、「再現」ボタンが設けられている。ユーザは、操作ボタン群237を操作して、再現したい操作の左の「再現」ボタンをクリックする。「再現」ボタンがクリックされると(ステップS23;Yes)、制御部21は、対応する制御をするように空調機100を制御して操作を再現する(ステップS24)。例えば、操作履歴画面の操作内容「暖房」の左側の「再現」ボタンをクリックされる、制御部21は、空調機100に暖房運転の開始を指示する信号を送信する。
【0046】
その後、ユーザが、操作ボタン群237を操作して、操作履歴画面の「終了」ボタンをクリックすると(ステップS25;Yes)、操作履歴表示処理は終了する。
【0047】
なお、操作履歴表示処理では、操作履歴画面に表示された「再現」ボタンをクリックすることで操作を再現したが、再現する操作の指定方法はこれに限定されるものではない。例えば、再現する期間をユーザが入力し、当該期間になされた各操作を順次再現するようにしてもよい。
【0048】
このように、本開示に係るリモコン200よれば、ユーザから空調機100に対する操作を受け付けた際に、当該操作がユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるか否かが判別され、正常操作であると判別された場合のみ、空調機100が制御される。これにより、誤操作によって空調機100が誤って制御されてしまう事態を防ぐことができる。また、本開示に係るリモコン200よれば、受け付けた操作を日時情報と対応付けて記録する際に、正常操作の場合は操作記録テーブル251に記録され、誤操作の場合は誤操作記録テーブル252に記録され、両者は区別して記録される。これにより、操作の再現、分析などをする場合に有効な操作内容の記録が可能となる。
【0049】
(変形例)
なお、本開示は、上記実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない部分での種々の修正は勿論可能である。
【0050】
例えば、リモコン200は比較的小型の装置である。そのため、リモコン200によっては、記憶部25に操作記録テーブル251と、誤操作記録テーブル252とを記憶するための領域を確保するのが困難である場合が考えられる。また、制御部21の性能が空調制御処理、操作履歴表示処理などを実行するのに不十分である場合も考えられる。そのため、図10に示すように、リモコン200とネットワーク400を介して通信可能なサーバ300を新たに備えた操作システム1000を構成する。ネットワーク400は、例えば、インターネットである。サーバ300は、複数のコンピュータから構成されていてもよいし、クラウドサーバであってもよい。そして、サーバ300が、上述したリモコン200の機能の一部を担当するようにしてもよい。例えば、この例では、リモコン200に代えてサーバ300側で操作記録テーブル251と誤操作記録テーブル252とを記憶する。また、空調制御処理(図7)では、空調機100を制御するステップS10以外は、サーバ300が各ステップを実行する。このようにすることで、比較的安価なリモコン200であっても、上述した処理を実行することが可能となる。
【0051】
上記実施の形態では、受け付けた操作が誤操作の場合は、誤操作記録テーブル252に操作の内容を記録したが、誤操作の場合はこのような操作内容の記録は行わなくてもよい。この場合、誤操作記録テーブル252は不要となるため、記憶部25の記憶容量を節約することができる。
【0052】
上記実施の形態では、受け付けた操作が通常操作の場合はその操作の内容を操作記録テーブル251に記録し、誤操作の場合はその操作の内容を誤操作記録テーブル252に記録したが、通常操作と誤操作とを区別できる記録態様であれば、1つのテーブルに両方の操作の内容を記録してもよい。例えば、図11は、通常操作と誤操作とを記録する操作記録テーブル251の構成例を示す図である。この操作記録テーブル251では、操作が通常操作か誤操作のどちらであるかを示す操作種類が項目として設けられている。操作種類が「通常操作」の場合は、誤操作原因は空欄となっている。
【0053】
図7のフローチャートを用いて説明したように、上記実施の形態では、受け付けた押下操作のインターバル時間、押下時間を誤操作判定用の閾値Sa、Sb、Scと比較することで、誤操作であるか否かを判別した。ここで、これらの閾値Sa、Sb、Scを、操作を受け付けた時間帯に応じて変化させてもよい。例えば、病院などでは、誤操作は寝返りが発生するユーザの就寝時間帯に多く発生する場合が多い。そのため、図12に示すように、就寝時間帯は、それ以外の時間帯よりも誤操作と判別し易くなるように閾値Sa、Sb、Scを設定してもよい。
【0054】
また、機械学習の手法によって閾値Sa、Sb、Scを求めてもよい。例えば、実際に発生した誤操作と、その誤操作の押下時間、インターバル時間との関係を予め調査して教師データを作成して機械学習をすることで、閾値Sa、Sb、Scを求めることができる。
【0055】
また、上記実施形態では、空調機100を操作するリモコン200を例に説明をした。しかしながら、本開示は、空調機100を操作するリモコン200に限定されるものではなく、テレビ、録画装置などといった各種機器のリモコンにも適用可能である。また、リモコン200に限らず、機器を遠隔操作する機能を有するスマートフォン、タブレット端末などの操作装置にも本開示は適用可能である。
【0056】
また、例えば、本実施形態に係るリモコン200の動作を規定する動作プログラムを既存の情報端末機器に適用することで、当該情報端末機器を本開示に係るリモコン200として機能させることも可能である。
【0057】
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布してもよい。
【0058】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0059】
(付記1)
ユーザから機器に対する操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別する操作判別手段と、
前記操作判別手段が、前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御する機器制御手段と、
前記操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する操作記録手段と、を備え、
前記操作記録手段は、前記正常操作と前記誤操作とを区別して前記操作の内容を記録する、
操作装置。
(付記2)
前記操作記録手段に記録した操作の履歴を表示する操作履歴表示手段をさらに備える、
付記1に記載の操作装置。
(付記3)
前記操作履歴表示手段に表示された操作履歴のなかから選択された操作に応じて前記機器を制御する操作再現手段をさらに備える、
付記2に記載の操作装置。
(付記4)
前記操作記録手段は、前記正常操作の内容と前記誤操作の内容とを異なるテーブルに記録する、
付記1から3の何れか1つに記載の操作装置。
(付記5)
前記操作記録手段は、前記誤操作の内容と対応付けて、当該誤操作の原因を示す情報を記録する、
付記1から4の何れか1つに記載の操作装置。
(付記6)
前記操作判別手段は、前記操作が前記誤操作であるかを判別するための閾値を、前記操作を受け付けた時間帯に応じて変化させる、
付記1から5の何れか1つに記載の操作装置。
(付記7)
前記操作判別手段は、機械学習の手法によって前記操作が前記誤操作であるかを判別するための閾値を求める、
付記1から5の何れか1つに記載の操作装置。
(付記8)
ユーザから機器に対する操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別する操作判別手段と、
前記操作判別手段が、前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御する機器制御手段と、
前記操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する操作記録手段と、を備え、
前記操作記録手段は、前記正常操作と前記誤操作とを区別して前記操作の内容を記録する、
操作システム。
(付記9)
ユーザから機器に対する操作を受け付け、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別し、
前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御し、
前記操作の内容を、前記正常操作と前記誤操作とを区別して、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する、
操作方法。
(付記10)
コンピュータを、
ユーザから機器に対する操作を受け付ける操作受付手段、
前記操作が、前記ユーザの意図する正常操作であるか意図しない誤操作であるかを判別する操作判別手段、
前記操作判別手段が、前記操作が前記正常操作であると判別した場合にのみ、当該操作に応じて前記機器を制御する機器制御手段、
前記操作の内容を、当該操作を受け付けた日時情報と対応付けて記録する操作記録手段、
として機能させ、
前記操作記録手段は、前記正常操作と前記誤操作とを区別して前記操作の内容を記録する、
プログラム。
【符号の説明】
【0060】
100 空調機、200 リモコン、21 制御部、22 通信部、23 入力部、230 制御ボタン、231 「暖房」ボタン、232 「除湿」ボタン、233 「冷房」ボタン、234 「温度上昇」ボタン、235 「温度低下」ボタン、236 「停止」ボタン、237 操作ボタン群、238 「メニュー」ボタン、24 表示部、25 記憶部、251 操作記録テーブル、252 誤操作記録テーブル、201 操作受付部、202 操作判別部、203 空調制御部、204 操作記録部、205 操作履歴表示部、206 操作再現部、300 サーバ、400 ネットワーク、1000 操作システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12