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特開2024-176921資源使用量管理システム及び資源使用量管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176921
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】資源使用量管理システム及び資源使用量管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241212BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095798
(22)【出願日】2023-06-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.令和5年2月9日にオンライン会議にて公開 2.令和5年3月2日にオンライン会議にて公開 3.令和5年3月28日に電子メール送付にて公開 4.令和5年3月29日に電子メール送付にて公開 5.令和5年4月7日に取引先候補企業にて公開 6.令和5年4月10日に郵送にて公開 7.令和5年4月17日に電子メール送付にて公開 8.令和5年4月19日にオンライン会議にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志川 太一
(72)【発明者】
【氏名】浜中 元成
(72)【発明者】
【氏名】中井 博章
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物品の生産又は提供に関する資源使用量を適切に管理する資源使用料管理システムを提供する。
【解決手段】資源使用量管理システムは、記憶部52に、物品の生産又は提供に関する複数の業務の流れを表すプロセス管理データを記憶している。プロセス管理データは、複数の業務の各々について、当該業務に関わる物品毎に当該業務に関する情報を含んだ業務情報と、当該業務に関連付けられた複数のエレメントの各々について当該エレメントに関する情報を含み当該業務の業務情報に関連付けられたエレメント情報と、当該複数のエレメントの各々について当該エレメントの資源使用量に関する情報を含み当該エレメントのエレメント情報に関連付けられた環境情報と、を含む。資源使用量管理システムはまた、プロセス管理データが表す情報と情報の関連付けとに従い、物品単位で資源使用量を算出し、集計された資源使用量に基づく情報である使用量情報を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の生産又は提供に関する複数の業務の流れを表すプロセス管理データを記憶する記憶装置と
前記記憶装置に接続されたプロセッサと
を備え、
前記プロセス管理データは、前記複数の業務の各々について、
当該業務に関わる物品毎に当該業務に関する情報を含んだ業務情報と、
当該業務に関連付けられた複数のエレメントの各々について、当該エレメントに関する情報を含み当該業務の業務情報に関連付けられたエレメント情報と、
前記複数のエレメントの各々について、当該エレメントの資源使用量に関する情報を含み当該エレメントのエレメント情報に関連付けられた環境情報と
を含み、
前記プロセッサは、
前記プロセス管理データが表す情報と情報の関連付けとに従い、物品単位で資源使用量を算出し、
集計された資源使用量に基づく情報である使用量情報を提供する、
資源使用量管理システム。
【請求項2】
前記複数のエレメントは、Man、Machine、Method及びMaterialといった4Mエレメントである、
請求項1に記載の資源使用量管理システム。
【請求項3】
前記複数の業務のうち、異なる複数の品種の物品に関わる業務について、
Man、Machine及びMethodのうち当該業務に関連付けられた少なくとも一つの4Mエレメントに関し、品種によって異なる複数のエレメントモードがあり、
当該4Mエレメントのエレメント情報に関連付けられた環境情報が、当該複数のエレメントモードの各々について、当該エレメントモードに対応の資源使用量を表す情報を含み、
前記プロセッサが、前記プロセス管理データに基づき、品種単位で資源使用量を算出する、
請求項2に記載の資源使用量管理システム。
【請求項4】
異なる複数の品種の物品に関わる業務について、
前記業務情報は、物品毎に稼働の時間帯を表す情報を含み、
前記エレメント情報は、複数のエレメントモードの各々について、当該エレメントモードに対応の時間帯を表す情報を含み、
前記環境情報は、当該複数のエレメントモードの各々について、単位時間当たりの資源使用量を表す情報を含み、
前記プロセッサは、
物品について業務の時間帯である業務時間帯を、前記業務情報から特定し、
特定された業務時間帯を含む時間帯に対応のエレメントモードを、当該業務情報に関連付いたエレメント情報から特定し、
特定されたエレメントモードに対応の単位時間当たりの資源使用量を、当該エレメント情報に関連付いた環境情報から特定し、
特定された単位時間当たりの資源使用量と、特定された業務時間帯との積を、当該物品の当該業務についての資源使用量として算出する、
請求項3に記載の資源使用量管理システム。
【請求項5】
異なる複数の品種の物品に関わる業務について、
当該業務に関連付いたエレメントがMachineである場合、前記複数のエレメントモードは、複数の運転モードであり、
当該業務に関連付いたエレメントがMethodである場合、前記複数のエレメントモードは、複数の手順種類であり、
当該業務に関連付いたエレメントがManである場合、前記複数のエレメントモードは、複数の熟練度である、
請求項3に記載の資源使用量管理システム。
【請求項6】
前記複数の業務の各々について、
当該業務に関連付いたエレメントのエレメント情報は、物品毎に対応の時間帯を表す情報を含み、
前記環境情報は、単位時間当たりの資源使用量を表す情報を含み、
前記プロセッサは、
物品に対応の時間帯を、業務に関連付いたエレメント情報から特定し、
当該エレメント情報に関連付いた環境情報から単位時間当たりの資源使用量を特定し、
特定された単位時間当たりの資源使用量と、特定された時間帯との積を、当該物品の当該業務についての資源使用量として算出する、
請求項1に記載の資源使用量管理システム。
【請求項7】
前記使用量情報が表す資源使用量は、予め決められた単位又はユーザから指定された単位で集計された結果としての資源使用量である、
請求項1に記載の資源使用量管理システム。
【請求項8】
前記複数の業務は、異なる複数のサプライヤに跨っており、
前記使用量情報は、指定されたサプライヤが属する一つ以上の第1のサプライヤカテゴリの各々と、当該サプライヤ以外の一つ以上のサプライヤの一つ以上の第2のサプライヤカテゴリの各々とについて、資源使用量を表し、
第1及び第2のサプライヤについては、下記(X)及び(Y)のうちのいずれか、又は、下記(X)及び(Y)が、サプライヤからの要求に応答して前記プロセッサにより切り替えられる、
(X)前記一つ以上の第1のサプライヤカテゴリは、Scope1及び/又はScope2であり、前記一つ以上の第2のサプライヤカテゴリは、Scope3である、
(Y)前記一つ以上の第1のサプライヤカテゴリは、自社であり、前記一つ以上の第2のサプライヤカテゴリは、上流及び下流である、
請求項1に記載の資源使用量管理システム。
【請求項9】
前記複数のエレメントは、Man、Machine、Method及びMaterialといった4Mエレメントであり、
(X)及び(Y)の少なくとも一つについて、一つ又は複数のサプライヤカテゴリの各々に関し、前記使用量情報が表す資源使用量は、予め決められた単位又はユーザから指定された単位で集計された結果としての資源使用量である、
請求項8に記載の資源使用量管理システム。
【請求項10】
前記プロセス管理データは、複数のノードと複数のエッジで構成されたモデルを表し、
前記モデルは、前記複数の業務の各々について、当該業務に対応した業務情報を持つノードと、当該業務情報に関連付いたエレメント情報を持つノードと、当該エレメント情報に関連付いた環境情報を持つノードとを含む、
請求項1に記載の資源使用量管理システム。
【請求項11】
少なくとも一つの業務について、前記プロセス管理データにおける業務情報に、第1の品種の物品に関する情報が関連付けられており、
前記プロセッサが、
前記プロセス管理データを参照し、第1の品種の物品を第2の品種の物品に変更した場合の資源使用量を、前記第1の品種の物品に関する情報が関連付いている環境情報のうちの、第2の品種のエレメントモードに対応した資源使用量を基に算出し、
前記使用量情報として、前記第1の品種についての資源使用量と、前記第2の品種についての算出された資源使用量とを表す情報を提供する、
請求項3に記載の資源使用量管理システム。
【請求項12】
コンピュータが、物品の生産又は提供に関する複数の業務の流れを表すプロセス管理データが表す情報と情報の関連付けとに従い、物品単位で資源使用量を算出し、
前記プロセス管理データは、前記複数の業務の各々について、
当該業務に関わる物品毎に当該業務に関する情報を含んだ業務情報と、
当該業務に関連付けられた複数のエレメントの各々について、当該エレメントに関する情報を含み当該業務の業務情報に関連付けられたエレメント情報と、
前記複数のエレメントの各々について、当該エレメントの資源使用量に関する情報を含み当該エレメントのエレメント情報に関連付けられた環境情報と
を含み、
コンピュータが、集計された資源使用量に基づく情報である使用量情報を提供する、
資源使用量管理方法。
【請求項13】
物品の生産又は提供に関する複数の業務の流れを表すプロセス管理データが表す情報と情報の関連付けとに従い、物品単位で資源使用量を算出し、
前記プロセス管理データは、前記複数の業務の各々について、
当該業務に関わる物品毎に当該業務に関する情報を含んだ業務情報と、
当該業務に関連付けられた複数のエレメントの各々について、当該エレメントに関する情報を含み当該業務の業務情報に関連付けられたエレメント情報と、
前記複数のエレメントの各々について、当該エレメントの資源使用量に関する情報を含み当該エレメントのエレメント情報に関連付けられた環境情報と
を含み、
集計された資源使用量に基づく情報である使用量情報を提供する、
ことをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、資源使用量の管理のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
資源使用量の例として、エネルギー使用量があるが、エネルギー使用量の管理に関する技術として、例えば特許文献1に開示の技術が知られている。また、情報管理に関して、例えば、特許文献2及び3に開示の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-149133号公報
【特許文献2】特開2019-153051号公報
【特許文献3】US2019/0271969
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工場やオフィス等の場所において、業務により、エネルギー(例えば電力)又はその他の資源が使用される。資源の使用量は、CO排出量又はその他に影響する。そのため、物品の生産又は提供に関する資源使用量の適切な管理がユーザにとって望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
資源使用量管理システムが、物品の生産又は提供に関する複数の業務の流れを表すプロセス管理データを記憶する。プロセス管理データは、複数の業務の各々について、当該業務に関わる物品毎に当該業務に関する情報を含んだ業務情報と、当該業務に関連付けられた複数のエレメントの各々について当該エレメントに関する情報を含み当該業務の業務情報に関連付けられたエレメント情報と、当該複数のエレメントの各々について当該エレメントの資源使用量に関する情報を含み当該エレメントのエレメント情報に関連付けられた環境情報とを含む。資源使用量管理システムは、プロセス管理データが表す情報と情報の関連付けとに従い、物品単位で資源使用量を算出し、集計された資源使用量に基づく情報である使用量情報を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、物品の生産又は提供に関する資源使用量をユーザが適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る資源使用量管理システムを含むシステム全体の構成例を示す。
図2】資源使用量管理システムの論理構成の例を示す。
図3】第1の実施形態に係るプロセス管理モデルの一部の構造の一例を示す。
図4】資源使用量の集計の一例を示す。
図5A】資源使用量の集計結果に基づく表示の一例を示す。
図5B】資源使用量の集計結果に基づく表示の一例を示す。
図6】複数のサプライヤのサプライヤプロセスモデルの連結の一例を模式的に示す。
図7】サプライヤに提示される画面の一例を示す。
図8A】業務の組み換えの例を示す。
図8B】ライン集中の例を示す。
図9】混流生産の例を示す。
図10】第2の実施形態に係るプロセス管理モデルの一部の構造の一例を示す。
図11】第2の実施形態に係るプロセス管理モデルを用いた処理の例を模式的に示す。
図12】設備の稼働時間の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、「インターフェース装置」は、一つ以上のインターフェースデバイスでよい。当該一つ以上のインターフェースデバイスは、下記のうちの少なくとも一つでよい。
・一つ以上のI/O(Input/Output)インターフェースデバイスであるI/Oインターフェース装置。I/O(Input/Output)インターフェースデバイスは、I/Oデバイスと遠隔の表示用計算機とのうちの少なくとも一つに対するインターフェースデバイスである。表示用計算機に対するI/Oインターフェースデバイスは、通信インターフェースデバイスでよい。少なくとも一つのI/Oデバイスは、ユーザインターフェースデバイス、例えば、キーボード及びポインティングデバイスのような入力デバイスと、表示デバイスのような出力デバイスとのうちのいずれでもよい。
・一つ以上の通信インターフェースデバイスである通信インターフェース装置。一つ以上の通信インターフェースデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェースデバイス(例えば一つ以上のNIC(Network Interface Card))であってもよいし二つ以上の異種の通信インターフェースデバイス(例えばNICとHBA(Host Bus Adapter))であってもよい。
【0009】
また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0010】
また、以下の説明では、「永続記憶装置」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上の永続記憶デバイスでよい。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(例えば補助記憶デバイス)でよく、具体的には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、NVME(Non-Volatile Memory Express)ドライブ、又は、SCM(Storage Class Memory)でよい。
【0011】
また、以下の説明では、「記憶装置」は、メモリと永続記憶装置の少なくともメモリでよい。
【0012】
また、以下の説明では、「プロセッサ」は、一つ以上のプロセッサデバイスでよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサデバイスでよいが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、プロセッサコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、処理の一部又は全部を行うハードウェア記述言語によりゲートアレイの集合体である回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサデバイスでもよい。
【0013】
また、以下の説明では、「yyy部」の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、一つ以上のコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることで実現されてもよいし、一つ以上のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)によって実現されてもよいし、それらの組合せによって実現されてもよい。プログラムがプロセッサによって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/又はインターフェース装置等を用いながら行われるため、機能はプロセッサの少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、プロセッサあるいはそのプロセッサを有する装置が行う処理としてもよい。プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配付計算機又は計算機が読み取り可能な記憶媒体(例えば非一時的な記憶媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0014】
また、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号のうちの共通符号を使用し、同種の要素を区別する場合は、参照符号を使用することがある。
【0015】
また、以下の説明において、「4M」は、作業員(Man)、機械(Machine)、方法(Method)、及び、材料(Material)という四つの要素の頭文字を意味する。以下の説明では、「4M」を構成する四つのエレメントを、「Man」、「Machine」、「Method」及び「Material」と表記し、これらを「4Mエレメント」と総称する。
[第1の実施形態]
【0016】
図1は、第1の実施形態に係る資源使用量管理システムを含むシステム全体の構成例を示す。
【0017】
資源使用量管理システム1は、本実施形態では、物理的な計算機システム(一つ以上の物理的ナ計算機)であり、インターフェース装置51、記憶装置52及びそれらに接続されたプロセッサ53を有する。資源使用量管理システム1は、物理的な計算機システムに基づく論理的な計算機システム(例えば、仮想マシン、又は、クラウドコンピューティングシステム)でもよい。
【0018】
インターフェース装置51にネットワーク2(例えば、インターネット又はWAN(Wide Area Network))に接続されている。ネットワーク2には、一つ又は複数のデータ発生装置5(例えば、データ発生装置5a~5c)と、ユーザ装置35とが接続されている。データ発生装置5及びユーザ装置35は、ネットワーク2を介して資源使用量管理システム1に接続されている。
【0019】
データ発生装置5は、実データを収集又は発生させる装置である。例えば、データ発生装置5aは、作業員の作業ログを取得するバーコードリーダや作業ログを収集するPC又はサーバでよい。データ発生装置5bは、部品の加工又は完成品の組み立てを行う機械でよい。データ発生装置5cは、部品又は完成品に付されたRFID(Radio Frequency IDentifier)の検査情報を収集するセンサでよい。これらのデータ発生装置5で収集又は発生した実データは、ネットワーク2を介して、資源使用量管理システム1(及び/又は、ネットワーク2に接続され資源使用量管理システム1の外部に存在する記憶装置)に送信されてよい。「実データ」は、現場(例えば製造現場)において発生又は収集されたデータでよく、特に、4Mエレメントに属するエンティティに関するデータ、例えば、Machineに属する設備に関するデータ、Manに属する作業員に関するデータ、Materialに属する部品や製品に関するデータ、及び、Methodに属する手順に関するデータの少なくとも一部でよい。以下、4Mエレメントに属するエンティティを「4Mエンティティ」と言うことがある。
【0020】
ユーザ装置35は、パーソナルコンピュータ又はスマートフォンのような情報処理装置(計算機)である。資源使用量管理システム1がサーバでありユーザ装置35がクライアントでよい。
【0021】
図2は、資源使用量管理システム1の論理構成の例を示す。
【0022】
資源使用量管理システム1の記憶装置52に、例えば、プロセス管理データ15と、サプライヤ管理データ16とを記憶する。プロセス管理データ15は、後述のプロセス管理モデルを表す。サプライヤ管理データ16は、一又は複数のサプライヤに関する情報を含む。
【0023】
資源使用量管理システム1は、ミドルウェア291と、アプリケーション8とを有し、プロセッサ53がこれらのソフトウェアを実行する。アプリケーション8は、資源使用量管理システム1の外に存在してもよい。
【0024】
ミドルウェア291は、API(Application Programming Interface)部11と、処理部12とを有する。ミドルウェア291は、アプリケーション8経由又は非経由でユーザ装置35と通信してよい。後者の場合、ミドルウェア291は、図示しないUI(User Interface)部を有していて、UI部が、ユーザ装置35と通信してよい。
【0025】
API部11は、アプリケーション8と通信する。API部11は、例えば、アプリケーション8から第1の要求を受け付け、当該第1の要求に基づく第2の要求(例えば検索要求)を処理部12に送信する。API部11は、当該第2の要求に対する応答を処理部12から受け、当該応答に基づき、アプリケーション8からの第1の要求に対する応答をアプリケーション8に返す。
【0026】
処理部12は、API部11(又はUI部)経由で要求(例えば第2の要求)を受け付け、当該要求を基に、プロセス管理データ15を参照又は更新し(例えば、必要に応じてサプライヤ管理データ16を参照し)、結果に基づく応答を要求元に返す。
【0027】
図3は、プロセス管理データ15が表すプロセス管理モデルの一部のデータ構造の一例を示す。
【0028】
プロセス管理モデルは、複数の業務の順序(流れ)と、個々の業務に関連付く一つ又は複数の4Mエレメントの各々について当該4Mエレメントに属するエンティティに関する情報とを表し、また、4Mエレメントに属するエンティティ毎に、当該エンティティに関する資源使用量を表す。
【0029】
具体的には、例えば、プロセス管理モデルは、ノード150とエッジを含むグラフである。グラフにおけるエッジは、無向エッジを含んでもよいが、典型的には有向エッジでよい。プロセス管理モデルは、DAG(Directed Acyclic Graph)でよい。
【0030】
ノード150は、業務に関する情報、4Mエンティティに関する、業務に関する情報に4Mエンティティに関する情報を紐付けるための関連性情報、又は、現場の環境に関する情報を持つ。以下、業務に関する情報を持つノード150を「業務ノード150A」と言い、4Mエンティティに関する情報を持つノード150を「4Mノード150M」と言い、関連性情報を持つノード150を「関連性ノード150R」と言い、現場の環境に関する情報を持つノード150を「環境ノード150E」と言うことがある。
【0031】
業務ノード150Aが持つ情報は、A-ID(当該業務ノード150Aに対応の業務のID)とO-Info.(当該業務ノード150Aに対応の業務の稼働に関する情報)とを含む。O-Info.は、例えば、いつどのような稼働があったかを表す情報(例えば、製品毎に、製品の処理の開始時刻と稼働時刻を表す情報を含んだ情報)や、当該業務がいずれのサプライヤに属するかを表す情報を含んでよい。
【0032】
4Mノード150Mが持つ情報は、当該4Mノード150Mに対応の4MエンティティのIDと、当該4Mノード150Mに対応の4Mエンティティの稼働に関する情報としてのO-Info.とを含む。O-Info.は、例えば、いつどのような稼働があったかを表す情報(例えば、稼働毎の又は製品毎の稼働開始時刻と稼働終了時刻を表す情報を含んだ情報)や、当該4Mエンティティがいずれのサプライヤに属するかを表す情報を含んでよい。図3が示す例によれば、4Mノード150Mとして、Manノード150MW、Machineノード150MM、Materialノード150MP、及び、Methodノード150MSがある。また、図3が示す例によれば、4MエンティティのIDとして、Man-ID(作業員のID)、Mac.-ID(設備のID)、Mat.-ID(部品又は製品のID)、及び、Met.-ID(手順のID)がある。各4Mエレメントについて、一つの業務ノード150Aに関連付く4Mノード150Mは、当該4Mエレメントについて一つであって当該4Mエレメント(例えば、Man)に属する4Mエンティティ毎に(例えば、作業員A、作業員B、…の各々について)エンティティIDを含んでもよいし、或いは、当該4Mエレメントに属する4Mエンティティ毎に存在してもよい。
【0033】
関連性ノード150Rが持つ情報は、業務に関する情報の少なくとも一部(例えば、少なくともA-ID)と、当該業務に関する情報に紐づけられる4Mエンティティに関する情報の少なくとも一部(例えば、少なくとも4MエンティティID)とを含む。なお、関連性ノード150R非経由で4Mノード150Mが業務ノード150Aに一つのエッジにより紐づけられ、当該エッジに、関連性ノード150Rが持つ情報が関連付けられてもよい。一つの業務ノード150Aには、少なくとも一つの関連性ノード150Rにより、少なくとも一つの4Mエンティティの4Mノード150Mを関連付けることができる。
【0034】
プロセス管理モデルは、これらのノード150A、150M及び150Rに加えて、上述したように環境ノード150Eを有する。図3が示す例によれば、環境ノード150Eは、4Mノード150Mに関連付けられるノード150である。具体的には、例えば、環境ノード150Eは、当該環境ノード150Eが関連付けられる4Mノード150Mに対応の4Mエンティティについて、当該4MエンティティのIDと、当該4Mエンティティの資源使用量(当該4Mエンティティに使用される資源の量)を表す情報とを含む。各4Mエンティティについて、環境ノード150Eが持つ情報が表す資源使用量の値は、所定の方法で処理部12により決定された値(例えば、プロセスの結果として過去に計測された値の統計に基づき処理部12により決定された値)でもよいし、ユーザ装置35からユーザにより入力された値でもよい。
【0035】
また、プロセス管理データ15(プロセス管理モデルを表すデータ)のうち、環境ノード150E及び環境ノード150Eに繋がるエッジ以外を除く部分は、特許文献2又は3に開示の方法で構築されてよい。環境ノード150Eは、リーフノードに相当するが、それに代えて又は加えて、中間ノードとしての環境ノード150Eが用意されてもよいし、環境ノード150Eが持つ情報が、4Mノード150Mに含められてもよい。
【0036】
図3が示す例において、直接又は折線且つ太線の矢印は、エッジである。また、図3が示す例において、曲線の実線又は破線の矢印は、情報の辿りの方向の例を表す。例えば、一つの業務ノード150A1には、関連性ノード150R1~150R5を通じて、4Mノード150MP1、150MP2、150MW、150MM及び150MSが関連付けられている。4Mノード150MP1には、環境ノード150E3が関連付けられている。4MノードMWには、環境ノード150E1が関連付けられている。4Mノード150MMには、環境ノード150E2が関連付けられている。4Mノード150MSには、環境ノード150E4が関連付けられている。処理部12は、業務ノード150A1のA-IDをキーに関連性ノード150R1~150R5を特定し、関連性ノード150R1~150R5の情報におけるIDをキーに4Mノード150MP1、150MP2、150MW、150MM及び150MSを特定する。処理部12は、特定された4Mノード150MP1、150MP2、150MW、150MM及び150MSにおける4MエレメントIDをキーに環境ノード150E1~150E4を特定し、環境ノード150E1~150E4から、4Mエンティティ毎の資源使用量を特定する。処理部12は、業務ノード150A毎にこのような処理を行うことで、業務ノード150A毎に、各4Mエンティティの資源使用量を特定し、任意の単位又はユーザにより指定された単位で、資源使用量を集計する。処理部12は、当該単位で集計された資源使用量をユーザ装置35に表示する。単位としては、例えば、業務単位、4Mエレメント単位、4Mエンティティ単位(例えば製品単位)、サプライヤ単位(1以上の業務をまとめた単位(例えば、“製造”、“流通”、及び“使用”という単位)であり、「サプライチェーンプロセス単位」又は「パートナー単位」と呼ばれてもよい)がある。例えば、或る製品の資源使用量を集計する場合、処理部12は、当該製品に属する完成品や部品の4Mノード150MPが表す資源使用量の合計を、当該製品の資源使用量として算出してよい。処理部12は、当該合計に、当該製品に関与する4Mエレメントのノードが表す資源使用量の全部又は一部を加算し、その結果を、当該製品の資源使用量として算出してもよい。どのような単位で資源使用量を集計するか、及び、資源使用量の集計の方法は、予め決められていてもよいし、ユーザにより適宜変更されてもよい。例えば、図4に例示するように、処理部12は、API部11(又はUI部)を通じて、集計単位の指定を受けた場合(S401:YES)、指定された集計単位で、資源使用量を集計し(S402)、単位毎の集計された資源使用量を、API部11(又はUI部)を通じてユーザ装置35に表示する(S403)。本実施形態によれば、4Mエレメント毎の資源使用量を基に製品毎の資源使用量を算出することができる。
【0037】
ユーザ装置35は、アプリケーション8に対して、資源使用量の要求を出し、ミドルウェア291のAPI部11が、当該要求を受けたアプリケーション8から、資源使用量の要求を受けてよい。処理部12が、API部11が受けた要求に応答して、プロセス管理データ15を参照し、指定の単位に、又は、指定の対象(例えば、業務、4Mエレメント又は4Mエンティティ)に応じて、プロセス管理データ15が表すプロセス管理モデルにおけるノードを辿ることで、指定の単位又は対象の資源使用量を集計してよい。処理部12は、集計された資源使用量を表すデータを、API部11を通じてアプリケーション8に返してよい。アプリケーション8が、API部11を通じて受けたデータに基づき、資源使用量を表すデータをユーザ装置35に送信してよい。
【0038】
また、資源使用量の表現は、資源(例えば電力のようなエネルギー)それ自体の使用量でもよいし、資源それ自体の使用量を用いた所定の換算方法により得られた量(例えば、使用量又は排出量)でもよい。具体的には、例えば、資源使用量の表現は、資源それ自体の集計された使用量に基づき算出されたCO排出量でよい。このため、例えば、ユーザ装置35には、図5Aに示すように、製品毎のCO排出量を表示することや、図5Bに示すように、既存の4Mカテゴリの単位(例えば、Man、Machine及びMethodといった単位)又はサプライヤ単位(例えば、“製造”、“流通”、及び“使用”といった単位)でのCO排出量の時系列を表示することができる。資源使用量(CO排出量)の時系列を得るためには、例えば、各環境ノード150Eが持つ情報が、単位時間毎(例えば1日毎や1時間毎)の資源使用量を表す情報を含んでよい。
【0039】
本実施形態では、例えば、図6に示すように、調達、生産、物流、販売及び顧客を含んだサプライチェーンに関わる異なる複数のサプライヤA~Gがある。サプライヤA~Gの関係は、図示のようなシリアルな関係でもよいし、複数のサプライヤをそれぞれノードとしたDAG(Directed Acyclic Graph)の関係でもよい。また、図6において、サプライチェーンに関わる要素は、「サプライヤ」とは異なる要素又は呼び名でもよい。
【0040】
サプライヤ管理データ16が、サプライヤ毎に、サプライヤプロセスモデル(当該サプライヤのプロセスのモデル)を表すデータであるサプライヤプロセスデータを含んでよい。サプライヤプロセスモデルも、業務ノード、関連性ノード及び4Mノードを含んだモデル(例えばDAG)でよい。また、サプライヤプロセスモデルにおける4Mノードに、例えば処理部12により、当該4Mノードに対応の4Mエンティティの資源使用量を表す情報を持つ関連性ノードが関連付けられてよい。また、例えば、サプライヤ管理データ16は、サプライヤ毎に、当該サプライヤが行う業務の順序を表す情報や、各業務について、当該業務に関わる4Mエンティティを表す情報を含んでよい。更に、サプライヤ管理データ16は、各サプライヤについて、当該サプライヤの業務と別のサプライヤの業務との連結である業務連結を表す情報を含んでよい。処理部12は、サプライヤ管理データ16から、サプライヤ間の業務連結を特定し、特定された業務連結に従い、サプライヤ毎に、当該サプライヤのサプライヤプロセスモデルにおける業務ノードと、別のサプライヤのサプライヤプロセスモデルにおける業務ノードとを関連付けてよい。その関連付けでは、異なるサプライヤプロセスモデルにおける業務ノード同士が、関連性ノードと、部品や製品の4Mノードとを介して、複数のエッジにより接続されてよい。このようにサプライチェーンにおける異なる複数のサプライヤA~Gのサプライヤプロセスモデルがサプライヤ管理データ16に基づき処理部12によって連結されることで、複数のサプライヤA~Gのサプライヤプロセスモデルが連結されたプロセス管理モデルを表すプロセス管理データ15が用意されてよい。プロセス管理データ15が表すプロセス管理モデル(複数のサプライヤA~Gにまたがるモデル)における各環境ノードが表す資源使用量に基づいて、処理部12が、異なる複数のサプライヤA~Gを経て作成され販売される製品毎の資源使用量(CO排出量)を算出することができる。例えば、処理部12は、完成品メーカ(サプライヤ)に対し、完成品メーカよりも上流における各サプライヤ(例えば部品メーカ)に関する各環境ノードを基に、完成品メーカが提供する製品単位で資源使用量を表す情報を提供し、以って、完成品メーカが提供する各製品がどれほど環境に貢献できているか知らしめることができる。
【0041】
ユーザ装置35は、サプライヤ毎に存在してよい。処理部12は、サプライヤからの要求に応じて、プロセス管理データ15に基づきどのような情報を当該サプライヤに提示するか、及び/又は、プロセス管理データ15に基づき集計された資源使用量に関する情報をどのように当該サプライヤに提示するか、を、例えばサプライヤ管理データ16を基に決定してよい。
【0042】
図7は、処理部12によりAPI部11(又はUI部)を通じてサプライヤのユーザ装置35に表示される画面の一例を示す。
【0043】
この例では、資源使用量の表現がCO排出量であり、例えば、サプライヤ管理データ16又は処理部12が、Scope1~3の定義を含んだScopeルール定義を含む。Scope1には、自社のCO排出量のうち自社から直接のCO排出量(及びそのCO排出量に関わる4Mエレメント)が属する。Scope2には、自社のCO排出量のうち社外から購入した電力に基づくCO排出量(及びそのCO排出量に関わる4Mエレメント)が属する。Scope3には、自社以外のサプライヤのCO排出量(及びそのCO排出量に関わる4Mエレメント)が属する。サプライヤからの要求には、いずれのサプライヤが自社であるかが指定されていてよい。処理部12は、自社としてのサプライヤを特定し、Scopeルール定義に基づき、プロセス管理データ15が表すプロセス管理モデルのいずれのノードがいずれのScopeに属するかを判別してよい。処理部12は、図7に例示するように、そのプロセス管理モデルに基づくモデルと、当該モデルにおけるノードとScopeとの関係とを表示した画面を、要求元に提供してよい。また、図示しないが、処理部12は、Scope1~3の各々について、当該ScopeについてのCO排出量(及び、その内訳)を集計し、その集計を表す情報を、要求元に提供してよい。このように、業務毎の資源使用量(CO排出量)をScope1~3の各々について整理し、業務、製品又はロット(製品ロット)といった任意の単位毎の資源使用量(CO排出量)の集計が可能である。サプライヤは、提示された情報を基に、例えば、図8Aに示す例の通り、自社の上流や下流も含めてCO排出量を確認し、業務組み換えや業務改善の影響を把握又は検討をすることができる。また、図8Bに示す例の通り、サプライヤは、資源使用量(CO排出量)と製品の生産量との関係又はその他を基に、生産ラインを、資源利用効率の高いラインに集中させることの検討を行うことができる。
【0044】
Scope1~3は、資源使用量(CO排出量)や4Mエレメントのカテゴリの一例である。カテゴリの別の例として、自社、上流又は下流があってもよいし、或いは、他のカテゴリが採用されてもよい。
[第2の実施形態]
【0045】
第2の実施形態を説明する。その際、第1の実施形態との相違点を主に説明し、第1の実施形態との共通点については説明を省略又は簡略する。
【0046】
第1の実施形態では、一つの生産ラインで一つの品種の製品を生産する場合、一つの生産ラインについて得られるトータルの資源使用量を、生産された製品の数で割ることで、一製品当たりの資源使用量(CO排出量)を算出することができる。
【0047】
しかし、図9に例示のような混流生産では、そのような算出は難しい。具体的には、一つの業務において異なる品種の製品が処理される場合、当該業務に関連付けられる資源使用量の内訳(例えば品種毎の資源使用量)を特定することが難しい。
【0048】
本実施形態では、同一の生産ライン上で混流生産(品種毎に製造条件が異なる混流生産)によって生産された製品の生産又は提供にかかる資源使用量(CO排出量)を品種毎に算出することができる。
【0049】
図10は、第2の実施形態に係るプロセス管理モデルの一部の構造の一例を示す。
【0050】
少なくとも一部の4Mエレメント又は4Mエンティティについて、エンティティモードが管理され(例えば、品種毎に(又は製品毎に)、使用されたエンティティモードが管理され)、また、エンティティモード毎に、稼働時間長と、単位時間当たりの資源使用量とが管理される。処理部12は、品種毎に(又は製品毎に)、当該品種に属する製品の生産において使用されたエンティティモードに従う資源使用量を集計できる。つまり、より正確又は詳細な資源使用量の集計や管理が可能である。品種と製品との対応関係を表す情報が、例えばサプライヤ管理データ16に含まれ、処理部12は、サプライヤ管理データ16から、各製品について、当該製品が属する品種を特定してよい。
【0051】
「エンティティモード」とは、4Mエンティティに関するモードであり、エンティティモードの詳細は、4Mエンティティがいずれの4Mエレメントに属するエンティティであるかによって異なる(つまり、本実施形態において「モード」は、広い意味で使用される)。例えば、4Mエンティティが作業員の場合、エンティティモードの一例は、熟練度でよい。4Mエンティティが手順の場合、エンティティモードの一例は、手順種類でよい。4Mエンティティが設備の場合、エンティティモードの一例は、運転モードでよい。
【0052】
図11は、第2の実施形態に係るプロセス管理モデルを用いた処理の例を模式的に示す。なお、図11には、関連性ノード150Rの図示は省略されている。
【0053】
業務ノード150A1のO-Info.が、当該業務ノード150A1に対応の業務に関する時間を表す情報、例えば、製品毎の稼働時間帯(例えば開始時間及び終了時間)を表す情報を含む。また、少なくとも一部の4Mノード150Mが、Mode(複数(又は一つ)のエンティティモードを表す情報を含んだ情報)と、O-Info.(エンティティモード毎に、一つ又は複数の稼働時間帯を表す情報を含んだ情報)とを持つ。Modeを含む4Mノード150Mに関連付けられている環境ノード150Eが、Mode(複数(又は一つ)のエンティティモードを表す情報を含んだ情報)と、資源使用量を表す情報(エンティティモード毎に、単位時間当たりの資源使用量を表す情報を含んだ情報)とを持つ。混流生産では、品種毎に生産に関する設定(エンティティモード)が異なる。
【0054】
処理部12は、Materialノード150MPが表す製品について業務が行われた時間帯(以下、この段落において「業務時間帯」)を、Materialノード150MPに関連付いた業務ノード150Aから特定する。処理部12は、その製品に関わった4Mエンティティの4Mノード150Mを、業務ノード150A及び関連性ノード150Rを基に特定する。処理部12は、その4Mノード150Mから、業務時間帯を含む時間帯に対応のエンティティモードを特定する。処理部12は、その4Mノード150Mに関連付いている環境ノード150Eから、特定されたエンティティモードに対応の資源使用量を特定する。処理部12は、特定された資源使用量(単位時間当たりの資源使用量)と、業務時間帯とから、その製品の資源使用量を算出する。処理部12は、サプライヤ管理データ16から製品と品種との対応関係を特定し、製品毎の資源使用量から、品種毎の資源使用量を算出できる。より具体的には、例えば、下記の通りである。
【0055】
例えば、Manノード150MWのModeが、複数の熟練度(例えば、“High”及び“Low”)を表し、Manノード150MWのO-Info.が、熟練度毎に、時間帯を表す。環境ノード150E1のModeも、同じ複数の熟練度を表し、資源使用量を表す情報が、熟練度毎に、単位時間当たりの資源使用量を表す情報を含む。処理部12は、例えば製品Aの業務時間帯を業務ノード150AのO-Info.から特定し、その時間帯を含む時間帯に対応の熟練度(例えば“High”)をManノード150MWから特定する。処理部12は、特定した熟練度(例えば“High”)に対応の単位時間当たりの資源使用量(例えば“20”)を環境ノード150E1から特定し、特定された単位時間当たりの資源使用量と、製品Aの業務時間帯とから、Man及び当該業務について、製品Aの資源使用量を算出する。
【0056】
また、例えば、Machineノード150MMのModeが、複数の運転モード(例えば“Mode P”及び“Mode Q”)を表し、Machineノード150MMのO-Info.が、運転モード毎に、時間帯を表す。環境ノード150E2のModeも、同じ複数の運転モードを表し、資源使用量を表す情報が、運転モード毎に、単位時間当たりの資源使用量を表す情報を含む。処理部12は、例えば製品Aの業務時間帯を業務ノード150AのO-Info.から特定し、その時間帯を含む時間帯に対応の運転モード(例えば“Mode Q”)をMachineノード150MMから特定する。処理部12は、特定した運転モード(例えば“Mode Q”)に対応の単位時間当たりの資源使用量(例えば“50”)を環境ノード150E2から特定し、特定された単位時間当たりの資源使用量と、製品Aの業務時間帯とから、Machine及び当該業務について、製品Aの資源使用量を算出する。
【0057】
また、例えば、Methodノード150MSのModeが、複数の手順種類(例えば“Type M”及び“Type N”)を表し、Methodノード150MSのO-Info.が、手順種類毎に、時間帯を表す。環境ノード150E4のModeも、同じ複数の手順種類を表し、資源使用量を表す情報が、手順種類毎に、単位時間当たりの資源使用量を表す情報を含む。処理部12は、例えば製品Aの業務時間帯を業務ノード150AのO-Info.から特定し、その時間帯を含む時間帯に対応の手順種類(例えば“Type M”)をMethodノード150MSから特定する。処理部12は、特定した手順種類(例えば“Type M”)に対応の単位時間当たりの資源使用量(例えば“20”)を環境ノード150E4から特定し、特定された単位時間当たりの資源使用量と、製品Aの業務時間帯とから、Method及び当該業務について、製品Aの資源使用量を算出する。
【0058】
以上、幾つかの実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。例えば、上述した複数の実施形態のうちの任意の二つ以上の実施形態を組み合わせることができる。
【0059】
なお、上述の説明を、例えば下記のように総括することができる。下記の総括は、上述の説明の補足説明や変形例の説明を含んでよい。なお、下記の記載において、「物品」は、部品、半製品及び完成品のいずれでもよい。
【0060】
資源使用量管理システム1は、物品の生産又は提供に関する複数の業務の流れを表すプロセス管理データ15を記憶する記憶装置52と、記憶装置52に接続されたプロセッサ53とを備える。プロセス管理データ15は、複数の業務の各々について、当該業務に関わる物品毎に当該業務に関する情報を含んだ業務情報と、当該業務に関連付けられた複数のエレメントの各々について当該エレメントに関する情報を含み当該業務の業務情報に関連付けられたエレメント情報と、当該複数のエレメントの各々について当該エレメントの資源使用量に関する情報を含み当該エレメントのエレメント情報に関連付けられた環境情報とを含む。プロセッサ53は、プロセス管理データ15が表す情報と情報の関連付けとに従い、物品単位で資源使用量を算出し、集計された資源使用量に基づく情報である使用量情報を提供する。これにより、物品の生産又は提供に関する資源使用量をユーザが適切に管理することができる。
【0061】
複数のエレメントは、Man、Machine、Method及びMaterialといった4Mエレメントでよい。これにより、4Mエレメントについて資源使用量(例えば業務毎に各4Mエレメントの資源使用量)を算出し、その算出された資源使用量を表す使用量情報をユーザに提供することができる。
【0062】
複数の業務のうち、異なる複数の品種の物品に関わる業務について、Man、Machine及びMethodのうち当該業務に関連付けられた少なくとも一つの4Mエレメントに関し、品種によって異なる複数のエレメントモードがあってよく、当該4Mエレメントのエレメント情報に関連付けられた環境情報が、当該複数のエレメントモードの各々について、当該エレメントモードに対応の資源使用量を表す情報を含んでよい。プロセッサ53が、プロセス管理データ15に基づき、品種単位で資源使用量を算出してよい。エレメントモードは、製造条件や配送条件に応じたモード(設定)でよい。混流生産などの生産方式の場合や同一の配送ルート上で品種毎に配送条件が異なる場合でも、物品の生産又は提供にかかる資源使用量の算出が可能である。
【0063】
異なる複数の品種の物品に関わる業務について、業務情報は、物品毎に稼働の時間帯を表す情報を含んでよく、エレメント情報は、複数のエレメントモードの各々について、当該エレメントモードに対応の時間帯を表す情報を含んでよく、環境情報は、当該複数のエレメントモードの各々について、単位時間当たりの資源使用量を表す情報を含んでよい。プロセッサ53は、物品について業務の時間帯である業務時間帯を、業務情報から特定し、特定された業務時間帯を含む時間帯に対応のエレメントモードを、当該業務情報に関連付いたエレメント情報から特定し、特定されたエレメントモードに対応の単位時間当たりの資源使用量を、当該エレメント情報に関連付いた環境情報から特定し、特定された単位時間当たりの資源使用量と、特定された業務時間帯との積を、当該物品の当該業務についての資源使用量として算出してよい。混流生産などの生産方式の場合や同一の配送ルート上で品種毎に配送条件が異なる場合でも、物品の生産又は提供にかかる資源使用量の算出が可能である。なお、異なる複数の品種の物品に関わる業務について、エレメントモードの例は下記でよい。
・当該業務に関連付いたエレメントがMachineである場合、複数のエレメントモードは、複数の運転モードでよい。例えば、設備として、空調設備等が採用されてよく、工場全体にかかる資源使用量(例えばCO排出量)が算出されてよい。
・当該業務に関連付いたエレメントがMethodである場合、複数のエレメントモードは、複数の手順種類でよい。
・当該業務に関連付いたエレメントがManである場合、複数のエレメントモードは、複数。
【0064】
複数の業務の各々について、当該業務に関連付いたエレメントのエレメント情報は、物品毎に対応の時間帯を表す情報を含んでよく、環境情報は、単位時間当たりの資源使用量を表す情報を含んでよい。プロセッサ53は、物品に対応の時間帯を、業務に関連付いたエレメント情報から特定し、当該エレメント情報に関連付いた環境情報から単位時間当たりの資源使用量を特定し、特定された単位時間当たりの資源使用量と、特定された時間帯との積を、当該物品の当該業務についての資源使用量として算出してよい。混流生産などの生産方式の場合や同一の配送ルート上で品種毎に配送条件が異なる場合でも、エレメントモードをエレメント情報や環境情報に関連付けておく方法とは別の方法で、物品の生産又は提供にかかる資源使用量の算出が可能である。
【0065】
使用量情報が表す資源使用量は、予め決められた単位又はユーザから指定された単位で集計された結果としての資源使用量でよい。これにより、物品の生産又は提供に関する資源使用量をユーザが適切に管理することができる。なお、例えば、使用量情報の表示は、下記(A)乃至(E)のうちのいずれか、又は、下記(A)乃至(E)のうちの二つ以上の表示における表示がユーザからの要求に応答してプロセッサ53により切り替えられよい。後者は、例えば、第1の単位(例えば業務単位)からより小さい第2の単位(例えば4Mエレメント単位)へのドリルダウン表示でもよいし、第2の単位からより大きい第1の単位へのドリルアップ表示でもよい。
(A)全て又は一部の物品について、複数の業務のうちの少なくとも一つの業務の資源使用量を、Man、Machine及びMethodの各々について表す。
(B)全て又は一部の物品の各々について、複数の業務のうちの少なくとも一つの業務の資源使用量を表す。
(C)複数の業務のうちの少なくとも一つの業務の資源使用量を、Man、Machine及びMethodの各々について表す。
(D)全て又は一部の品種の各々について、前記複数の業務のうちの少なくとも一つの業務の資源使用量を表す。
(E)複数の業務のうちの少なくとも一部の業務について、資源使用量を表す。
【0066】
複数の業務は、異なる複数のサプライヤに跨ってよい。使用量情報は、指定されたサプライヤが属する一つ以上の第1のサプライヤカテゴリの各々と、当該サプライヤ以外の一つ以上のサプライヤの一つ以上の第2のサプライヤカテゴリの各々とについて、資源使用量を表してよい。第1及び第2のサプライヤについては、下記(X)及び(Y)のうちのいずれか、又は、下記(X)及び(Y)が、サプライヤからの要求に応答してプロセッサにより切り替えられてよい。これにより、Scope等の観点での資源使用量の管理が可能である。なお、複数のエレメントは、Man、Machine、Method及びMaterialといった4Mエレメントでよく、(X)及び(Y)の少なくとも一つについて、一つ又は複数のサプライヤカテゴリの各々に関し、使用量情報が表す資源使用量は、予め決められた単位又はユーザから指定された単位で集計された結果としての資源使用量でよい。
(X)一つ以上の第1のサプライヤカテゴリは、Scope1及び/又はScope2であり、前記一つ以上の第2のサプライヤカテゴリは、Scope3でよい。
(Y)一つ以上の第1のサプライヤカテゴリは、自社であり、前記一つ以上の第2のサプライヤカテゴリは、上流及び下流でよい。
【0067】
例えば、資源使用量の例として(又は資源使用量に基づき得られる量の例として)、CO排出量を採用することができる。複数のサプライヤを経て生産又は提供される物品について、CO排出量を特定することは困難であり、プロダクトパスポート(個別の物品に紐付けられた部品ごとの詳細な環境関連情報(例えばCO排出量のような環境負荷に関する情報)に関するデータ群の総称)を取得が難しい。そこで、プロセス管理データ15が、複数のサプライヤの複数の業務を含むサプライチェーンに関する情報を持つ。このため、Scopeのようなサプライヤカテゴリ毎のCO排出量を可視化でき、以って、ユーザとしてのサプライヤが適切な分析を行うことができる。なお、プロセス管理データ15がこのようなサプライチェーンを表す情報を持つケースにおいて、必ずしも、サプライヤカテゴリは管理されないでもよい。
【0068】
また、ユーザのサプライチェーン上のポジションに応じて、プロセス管理モデル(例えば、当該ユーザに対応のサプライヤプロセスモデル)の構成をユーザが検討することができる(例えば、図8A図8Bを参照して説明した構成変更の検討)。また、プロセッサ53は、例えば、ユーザから、モデル部分の構成変更の要求を受け付け、その要求に応答して、モデル部分の変更後の構成にマッチするようプロセス管理モデルの構成を変更してよい(例えば、プロセス管理データ15を複製しその複製の構成を変更してよい)。プロセッサ53は、モデル部分を変更した場合のCO排出量を、構成変更後のプロセス管理モデルに基づき算出し、モデル部分の構成を変更する前と後のCO排出量をユーザに提供してよい。
【0069】
また、サプライヤが完成品メーカの場合、プロセッサ53は、完成品メーカよりも上流における各サプライヤ(例えば部品メーカ)に関する環境情報を基に、完成品メーカが提供する物品単位で資源使用量を表す情報を提供してよく、以って、完成品メーカが提供する各物品がどれほど環境に貢献できているか完成品メーカに知らしめてよい。
【0070】
プロセス管理データ15は、複数のノードと複数のエッジで構成されたモデルを表し、当該モデルは、複数の業務の各々について、当該業務に対応した業務情報を持つノードと、当該業務情報に関連付いたエレメント情報を持つノードと、当該エレメント情報に関連付いた環境情報を持つノードとを含んでよい。これにより、資源使用量の集計のための管理の容易化が期待される。
【0071】
少なくとも一つの業務について、プロセス管理データ15における業務情報に、第1の品種の物品に関する情報が関連付けられてよい。プロセッサ53が、プロセス管理データ15を参照し、第1の品種の物品を第2の品種の物品に変更した場合の資源使用量を、第1の品種の物品に関する情報が関連付いている環境情報のうちの、第2の品種のエレメントモードに対応した資源使用量を基に算出し、使用量情報として、第1の品種についての資源使用量と、第2の品種についての算出された資源使用量とを表す情報を提供してよい。これにより、例えば、第1の品種の物品を生産又は提供したがその物品の品種を第2の品種に変更した場合に、資源使用量がどう変わるかのシミュレーションが可能となる。
【0072】
また、各業務について、環境情報が持つ情報が表す資源使用量は、資源使用量の過去の実測値に基づき算出された値(例えば予測値)でもよい。このため、例えば、工場の設計や物品の設計の段階でも、予測値としての資源使用量を表す情報を持つプロセス管理データ15を基に、物品の資源使用量を試算することができる。
【0073】
図3に示したプロセス管理モデルにおいて、Manノード150MW(O-Info.)は、稼働時間を表す情報と、作業者のスキルセット(例えば、勤続年数や保有資格)を表す情報との少なくとも一部を含んでよい。Machineノード150MM(O-Info.)は、稼働時間(例えば時刻間)を表す情報と、設備設定値(例えばモード)を表す情報と、設備稼働(例えば、設備のセンサによる計測値)を表す情報と、設備の資源使用量(ベンダー提供値)を表す情報とのうちの少なくとも一部を含んでよい。Methodノード150MS(O-Info.)は、稼働時間(例えば時刻間)を表す情報と、設備設定値(例えばモード)を表す情報と、(工場内の)空調設定値を表す情報とのうちの少なくとも一部を含んでよい。関連性ノード150R無しに、ノード間の関連付けがされていてもよい。作業者のスキルセット(例えば、作業者のスキルセットを基に特定される作業者分類(例えば、ベテランであるか新人であるか))が、Manノード150MWに紐づく環境ノード150Eが表す資源使用量、又は、当該資源使用量を用いて特定される作業者分の資源使用量に影響してよい。また、設備の稼働時間、設備設定値及び設備稼働のうちの少なくとも一つが、Machineノード150MMに紐づく環境ノード150Eが表す資源使用量、又は、当該資源使用量を用いて特定される設備分の資源使用量に影響してよい。また、作業の稼働時間、設備設定値及び空調設定値のうちの少なくとも一つが、Methodノード150MSに紐づく環境ノード150Eが表す資源使用量、又は、当該資源使用量を用いて特定される作業分の資源使用量に影響してよい。
【0074】
図3に示したプロセス管理モデルにおいて、製品や品種毎にプロセスが作られてよい。図3に示したプロセス管理モデルを基に、資源使用量が集計されてよい。すなわち、処理部12が、業務ノード150Aを起点とし、IDをキーに、ノードやリンクを辿ることで、環境ノード150Eを特定し、特定された環境ノード150Eが表す資源使用量を基に、資源使用量を集計してよい。キーとされるIDは、個体に対するシリアルIDや、個体を纏めたロット単位で付与されたIDでよい。業務ノード150Aや各4Mノード150MIDが含まれており、それらのIDをキーに辿ることができる。
【0075】
集計は、製品単位で行われ、その結果から、製品単位、品種単位、4Mエレメント単位、4Mエンティティ単位といった任意の単位で資源使用量が表示されてよい。また、製品単位とは異なる単位で集計され、その集計結果に基づき資源使用量が表示されてよい。例えば、異なる複数のサプライヤの各々について、4Mエレメント毎に、資源使用量が表示されてもよい。また、Materialノード150MPは、業務での材料となる部品に対応してよい。Materialに関しては、製品完成直前の業務の業務ノード150Aから4Mノード150Mを辿って、資源使用量が集計されてよい。
【0076】
また、Scopeの分類(又は、自社、上流及び下流といったカテゴリ)とサプライヤとの対応関係は、どの事業者の視点で見るかによって相対的に変わる。例えば、部品メーカの視点では、当該部品メーカの或る部品の生産に係るCO排出量(生産時に使用する機器が電気で稼働し、当該電気を電力会社から購入している場合)は、Scope2(すなわち、電気の使用による間接的なCO排出)に属し、当該部品を購入した完成品メーカの視点では、当該CO排出量は、Scope3(すなわち、完成品メーカが購入した製品)に属する。なぜなら、当該部品は、完成品メーカの視点からみれば、購入した製品であるためである。このように部品メーカの部品の生産に係るCO排出量は、上流か下流かの視点によってScopeの分類が変わる。上述した実施形態では、複数のサプライヤ(例えば複数の顧客)をまとめて環境に関する情報を共有し合う一つのプラットフォームにおいて、分析をしたい主体(当該主体のサプライチェーン上のポジション)によって、ScopeとCO排出量の対応関係を変えて表示することができる。例えば、データ分析の主体が部品メーカであればCO排出量をScope2として集計し、主体が完成品メーカであればCO排出量をScope3として集計することができる。
【符号の説明】
【0077】
1:資源使用量管理システム
図1
図2
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図5A
図5B
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図8A
図8B
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図12