IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特開-検査装置 図1
  • 特開-検査装置 図2
  • 特開-検査装置 図3
  • 特開-検査装置 図4
  • 特開-検査装置 図5
  • 特開-検査装置 図6
  • 特開-検査装置 図7
  • 特開-検査装置 図8
  • 特開-検査装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176925
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20241212BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65G1/04 551D
B65G1/00 521D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095808
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山田 颯汰
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022CC02
3F022EE05
3F022KK12
3F022LL12
3F022LL14
3F022MM02
3F022NN12
3F022PP06
(57)【要約】
【課題】互いに異なる種類の搬送対象物と搬送対象物のそれぞれに対応した移載対象箇所とが含まれる搬送設備を低コストで検査可能な検査装置を提供する。
【解決手段】第1被検出ユニット30との相対位置関係、及び、第2被検出ユニットとの相対位置関係を検出する検出ユニット40と、第1移載対象箇所3aに対して位置決めされた状態で第1移載対象箇所3aに載置される第1載置部50aと、検出ユニット40を位置決めした状態で保持する第1ユニット保持部50bと、を備えた第1アダプタユニット50と、第2移載対象箇所に対して位置決めされた状態で第2移載対象箇所に載置される第2載置部と、検出ユニット40を位置決めした状態で保持する第2ユニット保持部と、を備えた第2アダプタユニットと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部により搬送対象物を保持して前記搬送対象物を搬送する搬送車と、前記搬送車による前記搬送対象物の移載が行われる移載対象箇所と、を備え、前記搬送対象物には互いに異なる種類の第1対象物と第2対象物とが含まれ、前記移載対象箇所には、前記第1対象物の移載が行われる第1移載対象箇所と、前記第2対象物の移載が行われる第2移載対象箇所とが含まれる搬送設備において用いられる検査装置であって、
前記第1対象物の代わりに前記保持部に保持される第1被検出ユニットと、
前記第2対象物の代わりに前記保持部に保持される第2被検出ユニットと、
前記第1被検出ユニットと前記第2被検出ユニットとの双方を検出対象とするように構成され、前記第1被検出ユニットとの相対位置関係、及び、前記第2被検出ユニットとの相対位置関係を検出する検出ユニットと、
前記第1移載対象箇所に対して位置決めされた状態で前記第1移載対象箇所に載置される第1載置部と、前記検出ユニットを位置決めした状態で保持する第1ユニット保持部と、を備えた第1アダプタユニットと、
前記第2移載対象箇所に対して位置決めされた状態で前記第2移載対象箇所に載置される第2載置部と、前記検出ユニットを位置決めした状態で保持する第2ユニット保持部と、を備えた第2アダプタユニットと、
を備える、検査装置。
【請求項2】
前記第1移載対象箇所には、前記第1対象物が載置された状態で前記第1対象物の位置決めを行うための第1係合部が設けられ、
前記第2移載対象箇所には、前記第2対象物が載置された状態で前記第2対象物の位置決めを行うための第2係合部が設けられ、
前記検出ユニットは、前記第1ユニット保持部及び前記第2ユニット保持部に係合するための第3係合部を備え、
前記第1アダプタユニットは、前記第1載置部に設けられて前記第1移載対象箇所に載置された状態で前記第1係合部と係合する第1被係合部と、前記第1ユニット保持部に設けられて前記検出ユニットを保持した状態で前記第3係合部と係合する第3被係合部と、を備え、
前記第2アダプタユニットは、前記第2載置部に設けられて前記第2移載対象箇所に載置された状態で前記第2係合部と係合する第2被係合部と、前記第2ユニット保持部に設けられて前記検出ユニットを保持した状態で前記第3係合部と係合する第4被係合部と、を備える、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記第1対象物と前記第2対象物とは、形状、重量、及び、重心位置の少なくとも1つが互いに異なり、
前記第1被検出ユニットは、前記保持部に保持される被保持部の形状が前記第1対象物に対応する形状であると共に、重量及び重心位置が前記第1対象物と同等であり、
前記第2被検出ユニットは、前記保持部に保持される被保持部の形状が前記第2対象物に対応する形状であると共に、重量及び重心位置が前記第2対象物と同等である、請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記第1被検出ユニットは、前記検出ユニットにより前記相対位置関係が検出される状態で前記検出ユニットに対向する部位に、前記検出ユニットの側から前記保持部の側へ向けて窪んだ第1窪み部を備え、
前記第1窪み部の内面に、前記検出ユニットによる検出対象となる面であって、互いに直交する3つの第1検出対象面が形成され、
前記第2被検出ユニットは、前記検出ユニットにより前記相対位置関係が検出される状態で前記検出ユニットに対向する部位に、前記検出ユニットの側から前記保持部の側へ向けて窪んだ第2窪み部を備え、
前記第2窪み部の内面に、前記検出ユニットによる検出対象となる面であって、互いに直交する3つの第2検出対象面が形成されている、請求項1から3の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記検出ユニットを保持して搬送するためのユニット搬送台車を更に備え、
前記ユニット搬送台車は、
前記検出ユニットを位置決めした状態で保持する台車側保持部と、
前記台車側保持部に対する位置が固定され、前記台車側保持部に保持された前記検出ユニットによる検出対象となる台車側被検出部とを備える、請求項1から3の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記ユニット搬送台車は、前記第1被検出ユニット及び前記第2被検出ユニットから選択される一方を取り付け可能な取り付け部を備え、
前記取り付け部に取り付けられた、前記第1被検出ユニット又は前記第2被検出ユニットが、前記台車側被検出部として機能する、請求項5に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持部により搬送対象物を保持して搬送対象物を搬送する搬送車と、搬送車による搬送対象物の移載が行われる移載対象箇所とを備える搬送設備において用いられる検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送対象物を搬送車の保持部により保持して自動的に搬送する搬送設備において、搬送車が移載対象箇所との間での搬送対象物の移載を適切に行うためには、搬送車と移載対象箇所との相対位置の精度を高めた状態で搬送対象物の移載を行うことが好ましい。具体的には、このような搬送対象物の移載を適切に行うためには、搬送車の停止位置や搬送対象物を保持する搬送車の保持部の位置や姿勢が、移載対象箇所に対して精度良く調整されていることが好ましい。
【0003】
特許文献1(特許第6146537号公報)には、このような調整のためのティーチングを行う検査装置が開示されている。より詳細には、特許文献1に開示された検査装置では、搬送車(10)の保持部(15)にティーチングニット(20)が保持され、移載対象箇所(3)にターゲットユニット(30)が設置されている。
ティーチングユニット(20)には、複数の距離センサ(23X、23Y、23Y、23Z、23Z、23Z)が設けられ、複数の距離センサは、XYZ軸3次元直交座標系におけるX、Y、Z軸方向を検出方向としている。ターゲットユニット(30)には、それぞれX、Y、Z軸方向を検出方向とするそれぞれの距離センサの検出対象となるターゲットプレート(32、33、34)が備えられている。ティーチングユニット(20)は、複数の距離センサによるこれらのターゲットプレート(32、33、34)の検出結果に基づいて、搬送車(10)の保持部(15)と移載対象箇所(3)との3次元空間での相対位置関係を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6146537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の検査装置によれば、ティーチングユニットとターゲットユニットとを用いたティーチングにより、搬送車の保持部と移載対象箇所との3次元空間での相対位置関係を検出することができる。しかし、互いに異なる複数種類の搬送対象物とそれぞれの種類の搬送対象物に対応した移載対象箇所とが含まれる搬送設備にあっては、搬送対象物の種類毎に、搬送対象物の形状等が異なるだけでなく、それぞれの搬送対象物が移載される移載対象箇所の形状等も異なる場合がある。このような場合には、複数のセンサ類を含むティーチングユニットを搬送対象物の種類毎にそれぞれ用意する必要があり、検査装置のコストが高くなり易かった。
【0006】
上記背景に鑑みて、互いに異なる複数種類の搬送対象物と搬送対象物の種類のそれぞれに対応した移載対象箇所とが含まれる搬送設備を低コストで検査できる検査装置の提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、検査装置の特徴構成は、保持部により搬送対象物を保持して前記搬送対象物を搬送する搬送車と、前記搬送車による前記搬送対象物の移載が行われる移載対象箇所と、を備え、前記搬送対象物には互いに異なる種類の第1対象物と第2対象物とが含まれ、前記移載対象箇所には、前記第1対象物の移載が行われる第1移載対象箇所と、前記第2対象物の移載が行われる第2移載対象箇所とが含まれる搬送設備において用いられる検査装置であって、前記第1対象物の代わりに前記保持部に保持される第1被検出ユニットと、前記第2対象物の代わりに前記保持部に保持される第2被検出ユニットと、前記第1被検出ユニットと前記第2被検出ユニットとの双方を検出対象とするように構成され、前記第1被検出ユニットとの相対位置関係、及び、前記第2被検出ユニットとの相対位置関係を検出する検出ユニットと、前記第1移載対象箇所に対して位置決めされた状態で前記第1移載対象箇所に載置される第1載置部と、前記検出ユニットを位置決めした状態で保持する第1ユニット保持部と、を備えた第1アダプタユニットと、前記第2移載対象箇所に対して位置決めされた状態で前記第2移載対象箇所に載置される第2載置部と、前記検出ユニットを位置決めした状態で保持する第2ユニット保持部と、を備えた第2アダプタユニットと、を備える点にある。
【0008】
本構成によれば、搬送設備において2種類の搬送対象物が搬送され、且つ、搬送対象物の種類のそれぞれに対応して2種類の移載対象箇所が設けられている搬送設備においても、1種類の検査装置により、2種類の移載対象箇所のそれぞれと搬送車の保持部との相対位置関係を検出することができる。一般的に、検査装置は計測機器等を備えるために高コストになり易いが、本構成によれば、このような検査装置を2種類用意する必要がない。そのため、検査装置の低コスト化を図り易い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】搬送設備の平面図
図2】搬送車及び処理装置の側面図
図3】制御ブロック図
図4】ティーチング時の検査装置の側面図(紙面左側の図)、及び移載姿勢確認時の検査装置の側面図(紙面右側の図)
図5】第1被検出ユニット及び検出ユニットの斜視図
図6】第1アダプタユニット及び第1移載対象箇所の斜視図
図7】第2被検出ユニット及び検出ユニットの斜視図
図8】第2アダプタユニット及び第2移載対象箇所の斜視図
図9】検出ユニット及び第1被検出ユニットを保持するユニット搬送台車の側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
搬送設備において用いられる検査装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1、2に示すように、搬送設備200は、天井近くを走行経路Lに沿って走行すると共に搬送対象物Wを保持して搬送対象物Wを搬送する搬送車1と、搬送車1による搬送対象物Wの移載が行われる支持台3(移載対象箇所の一例)と、当該支持台3に隣接する状態で設置され搬送対象物Wに対して処理を行う処理装置2と、検査装置100とを備えている。
搬送設備200の制御装置Shと搬送車1の作動制御部Ssとは、図3に示すように、例えば無線LAN等によってワイヤレス通信を行う。搬送車1の作動制御部Ssは、マイクロコンピュータ等によって構成され、搬送制御では、搬送設備200の制御装置Shからの指令に基づいて搬送車1を自律制御により作動させる。
【0011】
本実施形態では、搬送対象物Wは、互いに異なる種類の第1対象物W1と第2対象物W2を含み、第1対象物W1はEUVポッド(Extreme ultraviolet lithography pod)、第2対象物W2はレチクルポッドである。更に、支持台3として、第1対象物W1の移載が行われる第1支持台3a(第1移載対象箇所の一例)と、第2対象物W2の移載が行われる第2支持台3b(第2移載対象箇所の一例)を備えている。
【0012】
以下、図1~9に示すように、走行経路Lに沿って設置されているレール5が延在する方向を延在方向Xと称し、上下方向Zに沿う上下方向視で延在方向Xに対して直交する方向を幅方向Yと称する。尚、本例では、搬送車1は、延在方向Xに沿って走行する。
【0013】
図2又は図3に示すように、搬送車1は、レール5上をそのレール5に沿って延在方向Xに走行する走行部6と、搬送対象物Wを吊り下げ状態で支持する昇降部7と、昇降部7を上下方向Zに移動させる昇降装置8と、昇降部7を走行部6に対して幅方向Yにスライド移動させる動力を供給するスライド用モータ16bと、昇降部7を上下方向Zに沿う縦軸心周りに回転させる動力を供給する回転用モータ16aとを備えている。このように、搬送車1は、昇降部7を、上下方向Zに昇降自在で、且つ延在方向X及び幅方向Yにスライド移動自在で、且つ上下方向Zに沿う縦軸心周りで回転自在である。
走行部6は、第1走行ユニット6Aと、この第1走行ユニット6Aに対して延在方向Xで隣接する第2走行ユニット6Bとを備えている。第1走行ユニット6Aは、レール5上を転動する一対の車輪11と、一対の車輪11を回転させる走行用モータ12とを備えている。また、第2走行ユニット6Bは、第1走行ユニット6Aと同様に、一対の車輪11と走行用モータ12とを備えている。
【0014】
図2に示すように、昇降装置8は、巻回体14と、巻回体14に巻回されて先端部に昇降部7が連結されている巻き取りベルト15と、巻回体14を回転駆動させる昇降用モータ16cと、を備えている。昇降装置8は、昇降用モータ16cの駆動により、巻回体14を正方向に回転させて巻き取りベルト15を繰り出すことで昇降部7を下降させ、巻回体14を逆方向に回転させて巻き取りベルト15を巻き取ることで昇降部7を上昇させるように構成されている。
【0015】
昇降部7は、水平方向(図2では延在方向X)に沿って互いに接近又は離間する方向に移動自在な一対の把持爪18と、一対の把持爪18のそれぞれを互いに接近又は離間する方向に移動させる把持用モータ19と、把持用モータ19を収容する筐体20と、を備えている。昇降部7は、把持用モータ19の駆動により一対の把持爪18を互いに接近又は離間する方向に移動させることで、一対の把持爪18によって搬送対象物Wを把持する状態と、一対の把持爪18による搬送対象物Wに対する把持を解除する状態と、に状態移行するように構成されている。
【0016】
次に、検査装置100について説明する。当該検査装置100は、上述したように、搬送対象物Wとして、互いに異なる種類の第1対象物W1と第2対象物W2を含み、それぞれの搬送対象物Wに対応して、第1支持台3a(第1移載対象箇所の一例)と第2支持台3b(第2移載対象箇所の一例)との2種類の支持台3が設けられる搬送設備200においても、1種類の検出ユニット40(図4に図示)により、2種類の支持台3のそれぞれと搬送車1の把持爪18(保持部の一例)との相対位置関係を検出することができるものである。
因みに、検査装置100の検出ユニット40と搬送車1とは、2種類の支持台3のそれぞれと搬送車1の把持爪18(保持部の一例)との相対位置関係が検出された後、例えば近距離無線通信や無線LANによるワイヤレス通信や、ケーブル等を介した有線通信を行い、検出した相対位置関係に基づいて、搬送車1の調整(プロファイル情報の設定や更新)を行う。
【0017】
検査装置100は、図4又は図5又は図6に示すように、第1対象物W1(図1に図示)の代わりに把持爪18に把持される第1被検出ユニット30と、第1被検出ユニット30を検出対象とするように構成され第1被検出ユニット30との相対位置関係を検出する検出ユニット40と、第1支持台3aに対して位置決めされた状態で第1支持台3aに載置される第1底面部50a(第1載置部の一例)と検出ユニット40を位置決めした状態で保持する第1天面部50b(第1ユニット保持部の一例)とを備えた第1アダプタユニット50とを備える。更に、検査装置100は、図7又は図8に示すように、第2対象物W2(図1に図示)の代わりに把持爪18(図示せず)に把持される第2被検出ユニット70と、第2支持台3bに対して位置決めされた状態で第2支持台3bに載置される第2底面部80a(第2載置部の一例)と検出ユニット40を位置決めした状態で保持する第2天面部80b(第2ユニット保持部の一例)とを備えた第2アダプタユニット80とを備える。
ここで、検出ユニット40は、第2被検出ユニット70も検出対象とするように構成され、第2被検出ユニット70との相対位置関係を検出する。即ち、検出ユニット40は、第1被検出ユニット30と第2被検出ユニット70との双方を択一的に検出対象とするように構成され、第1被検出ユニット30との相対位置関係、及び、第2被検出ユニット70との相対位置関係を検出する。
【0018】
より詳細には、図4又は図5又は図6に示すように、第1支持台3aには、第1対象物W1が載置された状態で第1対象物W1の位置決めを行うためのキネマティックピン61(第1係合部の一例)が設けられ、検出ユニット40は、第1アダプタユニット50の第1天面部50bに係合するための第3係合孔41(第3係合部の一例)を備え、第1アダプタユニット50は、第1底面部50aに設けられて第1支持台3aに載置された状態でキネマティックピン61と係合する第1係合孔52(第1被係合部の一例)と、第1天面部50bに設けられて検出ユニット40を保持した状態で第3係合孔41と係合する第1突起51(第3被係合部の一例)と、を備える。
更に、図7又は図8に示すように、第2支持台3bには、第2対象物W2が載置された状態で第2対象物W2の位置決めを行うための凹欠部91(第2係合部の一例)が設けられ、検出ユニット40は、第2アダプタユニット80の第2天面部80bに係合するための第3係合孔41を備え、第2アダプタユニット80は、第2底面部80aに設けられて第2支持台3bに載置された状態で凹欠部91に係合する第2本体部80c(第2被係合部の一例)と、第2天面部80bに設けられて検出ユニット40を保持した状態で第3係合孔41と係合する第2突起81(第4被係合部の一例)と、を備える。
【0019】
即ち、第1アダプタユニット50の第1突起51と、第2アダプタユニット80の第2突起81との双方は、検出ユニット40の第3係合孔41に係合する同一形状の突起である。
以上の如く、第1支持台3aに第1アダプタユニット50の第1底面部50aを載置し、第1アダプタユニット50の第1天面部50bに検出ユニット40を位置決めした状態で保持できると共に、第2支持台3bに第2アダプタユニット80の第2底面部80aを載置し、第2アダプタユニット80の第2天面部80bに検出ユニット40を位置決めした状態で保持できる。これにより、第1支持台3aと第2支持台3bとの双方で、検出ユニット40を共用できる。
【0020】
第1支持台3a及び第2支持台3bは、図示は省略するが、例えば、上下方向Zに沿う方向視で、搬送設備200の走行経路Lに沿って併設される。
第1支持台3aは、図4又は図6に示すように、上下方向Zで上方の第3天面部62に、上下方向Zで上方へ延設される3つのキネマティックピン61を備えている。
第2支持台3bは、図8に示すように、上下方向Zで上方の第4天面部92に、上下方向Zで下方へ凹んで形成される凹欠部91を備えている。当該凹欠部91は、上下方向Zに沿う方向視で、第2アダプタユニット80の第2本体部80cが嵌り込む矩形形状であり、上下方向Zでの深さは、第2アダプタユニット80の第2本体部80cの上下方向Zでの厚みよりも小さい。
【0021】
第1アダプタユニット50は、図4又は図6に示すように、平板形状の第1本体部50cを備え、第1本体部50cの上下方向Zで下方の底面として第1底面部50aを備えると共に、第1本体部50cの上下方向Zで上方の天面として第1天面部50bを備える。第1アダプタユニット50は、第1支持台3aに載置された状態で、キネマティックピン61に係合する3つの第1係合孔52を第1底面部50aに備え、第1天面部50bに検出ユニット40を載置し保持した状態で、検出ユニット40の一対の第3係合孔41(図5に図示)に係合する一対の第1突起51を第1天面部50bに備えている。
第2アダプタユニット80は、図8に示すように、平板形状の第2本体部80cを備え、第2本体部80cの上下方向Zで下方の底面として第2底面部80aを備えると共に、第2本体部80cの上下方向Zで上方の天面として第2天面部80bを備える。第2アダプタユニット80は、第2天面部80bに検出ユニット40を載置し保持した状態で、検出ユニット40の一対の第3係合孔41(図7に図示)に係合する一対の第2突起81を第2天面部80bに備えている。尚、第2アダプタユニット80の第2本体部80cは、第2支持台3bに載置された状態で、第2支持台3bの凹欠部91に嵌り込む。
【0022】
第1被検出ユニット30は、図4に示すように、把持爪18に把持され保持されるトップフランジとしての第1被保持部31の形状が第1対象物W1(図2に図示)に対応する形状であると共に、重量及び重心位置が第1対象物W1と同等である。第2被検出ユニット70は、図7に示すように、把持爪18に把持され保持されるトップフランジとしての第2被保持部71の形状が第2対象物W2(図2に図示)に対応する形状であると共に、重量及び重心位置が第2対象物W2と同等である。
ここで、互いに種類の異なる第1対象物W1と第2対象物W2とは、形状、重量、及び、重心位置が互いに異なる。尚、当該実施形態において、同等とは、同じ機能を果たせる程度に同じであればよく、完全同一でなくても良い。
【0023】
第1被検出ユニット30は、図4又は図5に示すように、検出ユニット40により相対位置関係が検出される状態で検出ユニット40に対向する部位に、検出ユニット40の側から把持爪18の側へ向けて窪んだ第1窪み部35を備え、第1窪み部35の内面に、検出ユニット40による検出対象となる面であって、互いに直交する3つの第1検出対象面32が形成されている。ここで、第1窪み部35の内面は、第1窪み部35を囲む全ての面を含む。
第1検出対象面32は、検出ユニット40により相対位置関係が検出される状態で検出ユニット40に対向する平面である第1対向面32aと、当該第1対向面32aに直交する第1直交第1面32cと、第1対向面32a及び第1直交第1面32cに直交する第1直交第2面32bとを含む。尚、第1直交第2面32bは、第1対向面32aに直交して形成される壁部34に形成され、当該壁部34の底面には、図4右図に示す移載位置を確認する確認状態において、第1アダプタユニット50の第1突起51が係合する一対の第4係合孔33が備えられる。尚、第1被保持部31は、図4及び図5に示すように、第1対向面32aと平行な平板部材31aから成る。
【0024】
第2被検出ユニット70は、図7に示すように、検出ユニット40により相対位置関係が検出される状態で検出ユニット40に対向する部位に、検出ユニット40の側から把持爪18の側へ向けて窪んだ第2窪み部75を備え、第2窪み部75の内面に、検出ユニット40による検出対象となる面であって、互いに直交する3つの第2検出対象面72が形成されている。ここで、第2窪み部75の内面は、第2窪み部75を囲む全ての面を含む。
第2検出対象面72は、検出ユニット40により相対位置関係が検出される状態で検出ユニット40に対向する平面である第2対向面72aと、当該第2対向面72aに直交する第2直交第1面72cと、第2対向面72a及び第2直交第1面72cに直交する第2直交第2面72bとを含む。尚、第2直交第2面72bは、第2対向面72aに直交して形成される壁部74に形成され、当該壁部74の底面には、移載位置を確認する確認状態において、第2アダプタユニット80(図8に図示)の第2突起81(図8に図示)が係合する一対の第5係合孔73が備えられる。尚、第2被保持部71は、図7に示すように、第2対向面72aと平行な第1把持部位76を有する第1フランジ部71aと、第2対向面72aに平行な第2把持部位77を有する第2フランジ部71bとから成る。
【0025】
検出ユニット40は、図5又は図7に示すように、第1被検出ユニット30及び第2被検出ユニット70との相対位置関係を検出する状態で、第1窪み部35及び第2窪み部75と対向する部位に、センサユニット42を備え、センサユニット42は、XYZ軸3次元直交座標系におけるX、Y、Z軸方向を検出方向としている。当該実施形態では、X軸方向は延在方向Xと同義であり、Y軸方向は幅方向Yと同義であり、Z軸方向は上下方向Zと同義であるが、ここでは3次元直交座標系での説明であることから、X、Y、Z軸方向と記載する。
センサユニット42は、X軸方向を検出方向とする第1距離センサ42X1及び第2距離センサ42X2と、Y軸方向を検出方向とする第3距離センサ42Yと、Z軸方向を検出方向とする第4距離センサ42Z1及び第5距離センサ42Z2及び第6距離センサ42Z3とから構成されている。
【0026】
検出ユニット40が第1被検出ユニット30との相対位置関係を検出する場合、図5に示すように、X軸方向を検出方向とする第1距離センサ42X1及び第2距離センサ42X2が第1直交第2面32bとの距離を検出し、Y軸方向を検出方向とする第3距離センサ42Yが第1直交第1面32cとの距離を検出し、Z軸方向を検出方向とする第4距離センサ42Z1及び第5距離センサ42Z2及び第6距離センサ42Z3が第1対向面32aとの距離を検出する。
検出ユニット40は、以上の構成により、第1被検出ユニット30とのX軸方向及びY軸方向での相対位置、Z軸回りでの回転角度、Z軸に対する傾き角度を検出する。
【0027】
更に、検出ユニット40は、第2被検出ユニット70との相対位置関係を検出する場合、図7に示すように、X軸方向を検出方向とする第1距離センサ42X1及び第2距離センサ42X2が第2直交第2面72bとの距離を検出し、Y軸方向を検出方向とする第3距離センサ42Yが第2直交第1面72cとの距離を検出し、Z軸方向を検出方向とする第4距離センサ42Z1及び第5距離センサ42Z2及び第6距離センサ42Z3が第2対向面72aとの距離を検出する。
検出ユニット40は、以上の構成により、第2被検出ユニット70とのX軸方向及びY軸方向での相対位置、Z軸回りでの回転角度、Z軸に対する傾き角度を検出する。
検出ユニット40による検出結果、即ちティーチング結果は、搬送車1の作動制御部Ssと共有される。搬送車1は、ティーチング結果に基づいて、第1対象物W1を第1支持台3aへ移載する際の第1支持台3aと把持爪18との相対位置関係を調整すると共に、第2対象物W2を第2支持台3bへ移載する際の第2支持台3bと把持爪18との相対位置関係を調整する。
【0028】
検出ユニット40のセンサユニット42は、上下方向Z視である平面視において、第1被検出ユニット30及び第2被検出ユニット70と重畳しており、平面視での検出ユニット40のコンパクト化を図っている。
検出ユニット40の底面部43には、第1アダプタユニット50の第1天面部50bに設けられる一対の第1突起51、及び第2アダプタユニット80の第2天面部80bに設けられる一対の第2突起81との双方に係合する第3係合孔41が設けられる。
【0029】
検査装置100は、図9に示すように、検出ユニット40を保持して搬送するためのユニット搬送台車Kを更に備え、当該ユニット搬送台車Kは、車輪K2を備えて移動可能に構成されている。ユニット搬送台車Kは、検出ユニット40を位置決めした状態で保持する支持板K3(台車側保持部の一例)と、支持板K3に対する位置が固定され、支持板K3に保持された検出ユニット40による検出対象となる台車側被検出部とを備える。因みに、支持板K3には、検出ユニット40の一対の第3係合孔41に係合する一対の第3突起K1が設けられており、第3係合孔41に第3突起K1が係合することで、検出ユニット40が支持板K3に位置決め固定される。
ユニット搬送台車Kは、第1被検出ユニット30及び第2被検出ユニット70から選択される一方を取り付け可能な取り付け部Tを備えている。取り付け部Tは、第1被検出ユニット30を取り付け可能な第1取り付け部T1を備え、第1取り付け部T1に取り付けられた第1被検出ユニット30が台車側被検出部として機能する。更に、取り付け部Tは、第2被検出ユニット70を取り付け可能な第2取り付け部T2を備え、第2取り付け部T2に取り付けられた第2被検出ユニット70が台車側被検出部として機能する。
以上の如く、ユニット搬送台車Kに、検出ユニット40を位置決めした状態とし、且つ第1被検出ユニット30を第1取り付け部T1に取り付けた状態において、検出ユニット40に対する第1被検出ユニット30の相対位置関係の検出に係る校正を行うことができる。また、ユニット搬送台車Kに、検出ユニット40を位置決めした状態とし、且つ第2被検出ユニット70を第2取り付け部T2に取り付けた状態において、検出ユニット40に対する第2被検出ユニット70の相対位置関係の検出に係る校正を行うことができる。
【0030】
2.その他の実施形態
(1)上記実施形態では、搬送対象物Wが、2つの互いに種類の異なる第1対象物W1と第2対象物W2であり、第1対象物W1の移載が行われる第1支持台3a(第1移載対象箇所の一例)と、第2対象物W2の移載が行われる第2支持台3b(第2移載対象箇所の一例)とを備える搬送設備200において用いられる検査装置100を例として説明した。
しかしながら、搬送対象物Wして、互いに異なる3種類以上の対象物を含み、それぞれの対象物の移載が行われる移載対象箇所を、それぞれの搬送対象物W毎に備える搬送設備200において用いられる検査装置100とすることができる。
当該検査装置100では、搬送対象物Wとしての対象物毎に、対象物の代わりに把持爪18に把持される被検出ユニットと、対象物の移載が行われる移載箇所に対して位置決めされた状態で移載対象箇所に載置される載置部と検出ユニット40を位置決めした状態で保持するユニット保持部とを備えたアダプタユニットとが備えられる。
【0031】
(2)上記実施形態では、第1被検出ユニット30と第2被検出ユニット70は、互いに、把持爪18に把持されるトップフランジ(第1被保持部31及び第2被保持部71)の形状が異なると共に、その重量及び重心位置が異なる例を説明した。
しかしながら、当該構成に限定されることなく、第1被検出ユニット30と第2被検出ユニット70は、形状、重量及び重心位置の何れか一つのみが異なっていても良い。例えば、形状及び重量は同じで重心位置のみが異なっていても良い。
【0032】
(3)上記実施形態において、キネマティックピン61は3つ、第1突起51及び第2突起81のそれぞれは、一対設けられる構成例を示した。
しかしながら、当該構成に限定されることなく、キネマティックピン61、第1突起51及び第2突起81のそれぞれが、2つ以上の複数設けられる構成であれば良い。
この場合、キネマティックピン61と係合する第1係合孔52はキネマティックピン61と同数設けられ、第1突起51に係合する第3係合孔41及び第4係合孔33のそれぞれも第1突起51と同数設けられ、第2突起81に係合する第3係合孔41及び第5係合孔73のそれぞれも第2突起81と同数設けられる。
【0033】
(4)上記実施形態では、台車側被検出部として、第1取り付け部T1に取り付けられる第1被検出ユニット30、又は第2取り付け部T2に取り付けられる第2被検出ユニット70を備える構成を示した。
しかしながら当該構成に限定されることなく、台車側被検出部として、第1被検出ユニット30又は第2被検出ユニット70が、ユニット搬送台車Kに一体的に設けられる構成としても良い。
【0034】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【0035】
3.本実施形態のまとめ
検査装置は、保持部により搬送対象物を保持して前記搬送対象物を搬送する搬送車と、前記搬送車による前記搬送対象物の移載が行われる移載対象箇所と、を備え、前記搬送対象物には互いに異なる種類の第1対象物と第2対象物とが含まれ、前記移載対象箇所には、前記第1対象物の移載が行われる第1移載対象箇所と、前記第2対象物の移載が行われる第2移載対象箇所とが含まれる搬送設備において用いられる検査装置であって、
前記第1対象物の代わりに前記保持部に保持される第1被検出ユニットと、
前記第2対象物の代わりに前記保持部に保持される第2被検出ユニットと、
前記第1被検出ユニットと前記第2被検出ユニットとの双方を検出対象とするように構成され、前記第1被検出ユニットとの相対位置関係、及び、前記第2被検出ユニットとの相対位置関係を検出する検出ユニットと、
前記第1移載対象箇所に対して位置決めされた状態で前記第1移載対象箇所に載置される第1載置部と、前記検出ユニットを位置決めした状態で保持する第1ユニット保持部と、を備えた第1アダプタユニットと、
前記第2移載対象箇所に対して位置決めされた状態で前記第2移載対象箇所に載置される第2載置部と、前記検出ユニットを位置決めした状態で保持する第2ユニット保持部と、を備えた第2アダプタユニットと、を備える。
【0036】
本構成によれば、搬送設備において2種類の搬送対象物が搬送され、且つ、搬送対象物の種類のそれぞれに対応して2種類の移載対象箇所が設けられている搬送設備においても、1種類の検査装置により、2種類の移載対象箇所のそれぞれと搬送車の保持部との相対位置関係を検出することができる。一般的に、検査装置は計測機器等を備えるために高コストになり易いが、本構成によれば、このような検査装置を2種類用意する必要がない。そのため、検査装置の低コスト化を図り易い。
【0037】
ここで、前記第1移載対象箇所には、前記第1対象物が載置された状態で前記第1対象物の位置決めを行うための第1係合部が設けられ、
前記第2移載対象箇所には、前記第2対象物が載置された状態で前記第2対象物の位置決めを行うための第2係合部が設けられ、
前記検出ユニットは、前記第1ユニット保持部及び前記第2ユニット保持部に係合するための第3係合部を備え、
前記第1アダプタユニットは、前記第1載置部に設けられて前記第1移載対象箇所に載置された状態で前記第1係合部と係合する第1被係合部と、前記第1ユニット保持部に設けられて前記検出ユニットを保持した状態で前記第3係合部と係合する第3被係合部と、を備え、
前記第2アダプタユニットは、前記第2載置部に設けられて前記第2移載対象箇所に載置された状態で前記第2係合部と係合する第2被係合部と、前記第2ユニット保持部に設けられて前記検出ユニットを保持した状態で前記第3係合部と係合する第4被係合部と、を備えると好適である。
【0038】
本構成によれば、第1アダプタユニットを介して検出ユニットを第1移載対象箇所に適切に位置決めした状態で保持することができると共に、第2アダプタユニットを介して検出ユニットを第2移載対象箇所に適切に位置決めした状態で保持することができる。従って、1種類の検査装置を2種類の移載対象箇所の双方に適切に保持させ、2種類の移載対象箇所のそれぞれと搬送車の保持部との相対位置関係を検出することができる。
【0039】
ここで、前記第1対象物と前記第2対象物とは、形状、重量、及び、重心位置の少なくとも1つが互いに異なり、
前記第1被検出ユニットは、前記保持部に保持される被保持部の形状が前記第1対象物に対応する形状であると共に、重量及び重心位置が前記第1対象物と同等であり、
前記第2被検出ユニットは、前記保持部に保持される被保持部の形状が前記第2対象物に対応する形状であると共に、重量及び重心位置が前記第2対象物と同等であると好適である。
【0040】
本構成によれば、搬送車の保持部により第1対象物を保持している状態と同様の状態で検査装置により第1被検出ユニットを検出することができ、搬送車の保持部により第2対象物を保持している状態と同様の状態で検査装置により第2被検出ユニットを検出することができる。従って、2種類の移載対象箇所のそれぞれと搬送車の保持部との相対位置関係を検出する精度を高め易い。
【0041】
ここで、前記第1被検出ユニットは、前記検出ユニットにより前記相対位置関係が検出される状態で前記検出ユニットに対向する部位に、前記検出ユニットの側から前記保持部の側へ向けて窪んだ第1窪み部を備え、
前記第1窪み部の内面に、前記検出ユニットによる検出対象となる面であって、互いに直交する3つの第1検出対象面が形成され、
前記第2被検出ユニットは、前記検出ユニットにより前記相対位置関係が検出される状態で前記検出ユニットに対向する部位に、前記検出ユニットの側から前記保持部の側へ向けて窪んだ第2窪み部を備え、
前記第2窪み部の内面に、前記検出ユニットによる検出対象となる面であって、互いに直交する3つの第2検出対象面が形成されていると好適である。
【0042】
本構成によれば、検出ユニットにより相対位置関係を検出する際に、検出ユニットのセンサ等の検出部を、第1被検出ユニットの第1窪み部又は第2被検出ユニットの第2窪み部の内側に配置することができるから、検出ユニットの検出部を第1被検出ユニット又は第2被検出ユニットより外側に配置する場合に比べ、検出ユニットの外形の小型化を図り易い。
また、第1窪み部及び第2窪み部のそれぞれの内面に、互いに直交する3つの検出対象面が形成されるから、搬送車の保持部と移載対応箇所との3次元空間での相対位置関係を適切に検出することができる。
【0043】
ここで、前記検出ユニットを保持して搬送するためのユニット搬送台車を更に備え、
前記ユニット搬送台車は、
前記検出ユニットを位置決めした状態で保持する台車側保持部と、
前記台車側保持部に対する位置が固定され、前記台車側保持部に保持された前記検出ユニットによる検出対象となる台車側被検出部とを備えると好適である。
【0044】
本構成によれば、検出ユニットを容易に搬送することができると共に、ユニット搬送台車に検出ユニットを保持した状態で、検出ユニットに台車側被検出部を検出させることにより、検出ユニットの校正処理を行うことができる。
【0045】
ここで、前記ユニット搬送台車は、前記第1被検出ユニット及び前記第2被検出ユニットから選択される一方を取り付け可能な取り付け部を備え、
前記取り付け部に取り付けられた、前記第1被検出ユニット又は前記第2被検出ユニットが、前記台車側被検出部として機能すると好適である。
【0046】
本構成によれば、実際に使用する被検出ユニットを用いて校正処理を行うことができるため、校正処理の精度を高めやすい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る技術は、互いに異なる種類の搬送対象物と搬送対象物のそれぞれに対応した移載対象箇所とが含まれる搬送設備を低コストで検査可能な検査装置に利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 :搬送車
3 :支持台(移載対象箇所)
3a :第1支持台(第1移載対象箇所)
3b :第2支持台(第2移載対象箇所)
18 :把持爪(保持部)
30 :第1被検出ユニット
31 :第1被保持部
32 :第1検出対象面
33 :第4係合孔
35 :第1窪み部
40 :検出ユニット
41 :第3係合孔(第3係合部)
50 :第1アダプタユニット
50a :第1底面部(第1載置部)
50b :第1天面部(第1ユニット保持部)
51 :第1突起(第3被係合部)
52 :第1係合孔(第1被係合部)
61 :キネマティックピン(第1係合部)
70 :第2被検出ユニット
71 :第2被保持部
72 :第2検出対象面
73 :第5係合孔
75 :第2窪み部
80 :第2アダプタユニット
80a :第2底面部(第2載置部)
80b :第2天面部(第2ユニット保持部)
80c :第2本体部(第2被係合部)
81 :第2突起(第4被係合部)
91 :凹欠部(第2係合部)
100 :検査装置
200 :搬送設備
K :ユニット搬送台車
K3 :支持板(台車側保持部)
T :取り付け部
W :搬送対象物
W1 :第1対象物
W2 :第2対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9