IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特開2024-176932管理装置、管理方法およびプログラム
<>
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図1
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図2
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図3
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図4
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図5
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図6
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図7
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図8
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図9
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図10
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図11
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図12
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図13
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図14
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図15
  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176932
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241212BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 324
G06F3/12 325
G06F3/12 331
G06F3/12 385
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095824
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】長島 威行
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC34
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】操作性が向上したデバイス管理の技術を提供する。
【解決手段】管理装置は、ネットワークを介してデバイスを管理する。管理装置は、デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成し、生成された複数の異なるテンプレートを管理し、管理される複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成し、生成されたタスクを管理し、管理されるタスクをスケジュールに従い実行することで、複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する。そして、管理装置は、実行手段が複数のテンプレートの組み合わせの処理を実行可能な場合に、タスクを生成する。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してデバイスを管理する管理装置であって、
前記デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成する第1生成手段と、
前記第1生成手段で生成された複数の異なるテンプレートを管理する第1管理手段と、
前記第1管理手段で管理される前記複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段で生成された前記タスクを管理する第2管理手段と、
前記第2管理手段で管理される前記タスクを前記スケジュールに従い実行することで、前記複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する実行手段と、を有し、
前記第2生成手段は、前記実行手段が前記複数のテンプレートの組み合わせの処理を実行可能な場合に、前記タスクを生成する
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記第2生成手段は、前記複数のテンプレートの設定内容に基づいて前記複数のテンプレートの組み合わせの処理に競合が発生しないと判定した場合、当該組み合わせの処理が実行可能であるとして前記タスクを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記第1管理手段は、前記テンプレートを識別する識別情報と、前記設定内容とを対応付けるテンプレートリストを管理する
ことを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記第2生成手段は、前記実行手段が前記複数のテンプレートの組み合わせの処理を実行可能な場合に、前記複数のテンプレートの適用順を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記第2生成手段は、前記複数のテンプレートの適用順をユーザーに問い合わせ、前記ユーザーの指示に基づいて当該適用順を設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記第2生成手段は、前記複数のテンプレートの設定内容に基づいて前記複数のテンプレートの適用順を設定する必要があると判定した場合に、当該適用順を設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項7】
前記第2生成手段は、前記実行手段が前記複数のテンプレートの組み合わせの処理を実行可能な場合であって、前記複数のテンプレートが、同一のデバイスデータをそれぞれ異なるタイミングで収集する設定を有する場合、ユーザーの指示に基づいて当該設定の有効化と無効化の制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項8】
ネットワークを介してデバイスを管理する方法であって、
前記デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成する第1生成工程と、
前記第1生成工程で生成された複数の異なるテンプレートを管理する第1管理工程と、
前記第1管理工程で管理される前記複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成する第2生成工程と、
前記第2生成工程で生成された前記タスクを管理する第2管理工程と、
前記第2管理工程で管理される前記タスクを前記スケジュールに従い実行することで、前記複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する実行工程と、を有し、
前記第2生成工程では、前記実行工程における前記複数のテンプレートの組み合わせの処理が実行可能な場合に、前記タスクを生成する
ことを特徴とする管理方法。
【請求項9】
ネットワークを介してデバイスを管理する管理装置に実行させるプログラムであって、
前記デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成する第1生成工程と、
前記第1生成工程で生成された複数の異なるテンプレートを管理する第1管理工程と、
前記第1管理工程で管理される前記複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成する第2生成工程と、
前記第2生成工程で生成された前記タスクを管理する第2管理工程と、
前記第2管理工程で管理される前記タスクを前記スケジュールに従い実行することで、前記複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する実行工程と、を有し、
前記第2生成工程では、前記実行工程における前記複数のテンプレートの組み合わせの処理が実行可能な場合に、前記タスクを生成する
ことを前記管理装置に実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワークに接続されるデバイスを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリンターや複合機等の画像処理装置(以下、デバイスとも称する)の稼働情報などのデータを、ネットワークを介して取得し、管理するためのデバイス管理システムが知られている。このデバイス管理システムは、デバイスの探索、その探索により検出されたデバイスに対する設定管理、アラート等のステータス管理、デバイスアプリケーション管理等を、テンプレートを利用したタスクによって実現している。このテンプレートは、予めデバイスに対する処理方法を指定したものである。例えば、ユーザーが予めある設定項目と設定値を指定したテンプレートを作成しておくことで、効率的かつ確実なタスクの作成およびその実行を実現できる。
【0003】
特許文献1に記載の機器管理サーバーは、管理対象となる機種によって、同じ設定項目であってもその設定可能な値の範囲が異なることがあることを前提として、事前に、各設定項目に設定可能な値の範囲を解析している。そしてこの機器管理サーバーは、その解析結果に基づいてテンプレートを作成し、作成したテンプレートを複数の画像処理装置に適用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-246451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タスクの設定内容としては様々な種類のカテゴリーや設定項目があり、ユーザーはそのカテゴリーや設定項目ごとにテンプレートを作成する。ユーザーは、テンプレートを作成する際、予め作成した1つのテンプレートを選択し、そのテンプレートに対応する1つのタスクを管理サーバーに登録することで、管理サーバーはそのタスクを実行する。しかしながら、ユーザーは、例えば2つのテンプレートを選択してそれらを管理サーバーに1つのタスクとして登録(実行)することはできない。そのためユーザーは、一方のテンプレートを編集するか、あるいは2回のタスクを実行する必要があり、操作性に課題がある。
【0006】
本開示は、操作性が向上したデバイス管理の技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態に係る管理装置は、ネットワークを介してデバイスを管理する。前記管理装置は、前記デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成する第1生成手段と、前記第1生成手段で生成された複数の異なるテンプレートを管理する第1管理手段と、前記第1管理手段で管理される前記複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成する第2生成手段と、前記第2生成手段で生成された前記タスクを管理する第2管理手段と、前記第2管理手段で管理される前記タスクを前記スケジュールに従い実行することで、前記複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する実行手段と、を有する。そして、前記第2生成手段は、前記実行手段が前記複数のテンプレートの組み合わせの処理を実行可能な場合に、前記タスクを生成する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、操作性が向上したデバイス管理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る管理サーバーを含むデイバス管理システムの構成例を示す図である。
図2】管理サーバーのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】デバイスのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】管理サーバーおよびデバイスのソフトウェア構成の例を示す図である。
図5】デバイス管理部により提供されるメニュー/データ表示画面の一例を示す図である。
図6】テンプレート画面の一例を示す図である。
図7】タスクテンプレートリストの画面の一例を示す図である。
図8】生成されたテンプレートに対応するタスクの登録処理を示すフローチャートである。
図9】タスク作成画面の一例を示す図である。
図10】管理サーバーが、登録されたタスクを実行する処理を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態における管理サーバーの処理を示すフローチャートである。
図12】第2実施形態における管理サーバーの処理(図11からの続き)を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態におけるダイアログの画面の一例を示す図である。
図14】第3実施形態における管理サーバーの処理(図11からの続き)を示すフローチャートである。
図15】第4実施形態における管理サーバーの処理(図11からの続き)を示すフローチャートである。
図16】第4実施形態におけるダイアログの画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。図において同一の構成または機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本開示は、図示された構成に限定されるものではない。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る管理装置を含むデイバス管理システムの構成例を示す図である。デバイス管理システムは、1以上のデバイス300と、これらデバイス300を管理する管理装置としての管理サーバー200とを含む。管理サーバー200とデバイス300とは、LAN等の通信回線100に接続されており、互いに通信可能となっている。通信回線100は、イントラネット回線であってもよいし、インターネット回線であってもよい。なお、以下では、個々のデバイス300を区別して指す場合、デバイスDevA1、DevA1、DevA2、・・・、DevAnと称する場合がある。
【0012】
管理サーバー200は、例えば複数のデバイス300に対して各種のタスクを実行することで、これらデバイス300の管理を実現する。ここでいうタスクとは、管理サーバー200がデバイス300を管理するための処理である。具体的には、管理サーバー200は、デバイス300の探索、その探索により検出されたデバイス300に対する設定管理、ステータス管理、デバイスアプリケーション管理、および各種レポート管理等の様々な処理を実現する。つまり、タスクの例(タスクの種別)として、デバイス探索タスク、デバイス設定タスク、デバイスアラート受信タスク、ステータス管理タスク、アプリケーション関連(インストールやカスタマイズ)タスク、レポート作成タスク等がある。レポートとは、デバイス300の利用時間帯や消耗品の状況など、デバイス300の稼働状況に関する報告である。
【0013】
デバイス探索タスク以外のタスクであって、デバイスを管理するためのタスクをデバイス管理タスクと言う。
【0014】
デバイス探索タスクは、デバイスの探索方法およびその実行スケジュールを含む。探索方法としては、同業者には公知であるところのSNMP、IPブロードキャスト、SLPマルチキャスト等がある。SNMPはService Location Protocolの略である。SLPはSimple Network Management Protocolの略である。
【0015】
デバイス設定タスクは、デバイスの設定に関するタスクであり、デバイス探索タスクによって検出されたデバイス300に対して各種の設定を行う処理である。デバイス設定タスクは、ユーザーにより実行対象として選択されたデバイス300に対する様々な設定項目の値を設定する処理、およびその実行スケジュールを含む。
例えばデバイス設定タスクにおいて、デバイス300の設定項目として、デバイスの「設置場所」が存在する場合には、管理サーバー200は、その「設置場所」の設定で構成されたタスクの実行を制御する。「設置場所」はイントラネット環境に相当する。イントラネット環境によって、例えばセキュリティ等の設定が異なるため、管理サーバー200は「設置場所」ごとのデバイス管理を行う。
同様に、デバイス設定タスクにおいて、デバイス300の設定項目として、「電源管理」が存在する場合には、管理サーバー200は、デバイス300の電源ON/OFFやスリープ移行/復帰時間等のタスクの実行を制御する。
【0016】
図2は、管理サーバー200のハードウェア構成を示すブロック図である。管理サーバー200は、CPU201、ROM202、RAM203を有する。また、管理サーバー200は、ビデオカード(VC)204、キーボードコントローラ(KBC)206、ディスクコントローラ(DKC)208、ネットワークインターフェースカード(NIC)211を有する。これら各要素は、システムバス220を介して接続されている。さらに管理サーバーは、HDD(Hard Disk Drive)209やDiskDrive210等のドライブ装置を有する。
【0017】
CPU201は、システム全体を制御するコントローラとして機能する。CPU201は、RAM203をワークエリアとして、ROM202および/またはHDD209に格納された各種プログラムを実行する。
なお、以下では、ROM202およびHDD209の少なくとも1つを記憶装置という場合もある。
【0018】
管理サーバー200の上記各プログラムは、例えば、DiskDrive210にマウント可能なFD、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、あるいはICメモリカード等の記憶媒体により供給される。CPU201は、ディスクコントローラ208を介して、これらHDD209およびDiskDrive210にアクセスすることで、上記各プログラムを管理サーバー200にインストールする。
【0019】
CPU201は、ビデオカード204を介して、表示装置(CRT)205にユーザーインターフェース表示を行う。もちろん表示装置205はCRTに限らず、液晶等でもよいことは言うまでもない。
また、CPU201は、キーボードコントローラ206を介し、キーボード(KB)207や、マウスなどのポインティングデバイスからのユーザーインターフェースを介した入力指示に応じた制御を行う。
また、CPU201は、ネットワークインターフェースカード211を介して、通信回線100上のデバイス300と通信処理を行う。
【0020】
図3は、デバイス300のハードウェア構成を示すブロック図である。デイバス2000は、典型的には、プリンター、複写機、デジタル複合機、3Dプリンター等の画像形成装置である。
【0021】
デバイス300は、プリント、複写、スキャンなどの画像形成に関する機能と、通信回線100を介して管理サーバー200などの外部装置と通信する機能とを有する。デバイス300は、CPU301、ROM302、RAM303、ディスクコントローラ(DKC)304、HDD305を有する。また、デバイス300は、UI306、カードリーダー307、プリンター308、スキャナー309、ネットワークインターフェースカード(NIC)310を有する。
【0022】
CPU301は、システム全体を制御するコントローラとして機能する。CPU301は、RAM303をワークエリアとして、ROM302および/またはHDD305に格納された制御プログラムを実行する。当該制御プログラムは、システムバス320に接続されるプリンター308およびスキャナー309等を制御するためのプログラムである。
また、CPU301は、ディスクコントローラ304を介して、HDD305にアクセスする。
また、CPU301は、ネットワークインターフェースカード310を介して通信回線100上の管理サーバー200と通信処理を行う。
さらに、CPU301は、予めHDD305に格納したユーザー情報と、カードリーダー307を介して受信した、例えばユーザーのICカードの情報とを照合して、ユーザーのログイン処理を行う。
【0023】
UI306は、ユーザーがこのデバイス300を操作するための操作部やLED表示器等を有する。操作部は、タッチ操作が可能な表示装置やスイッチで構成される。
UI306は、ユーザーがUI306に対して行った操作に基づく情報をCPU301に伝える。
【0024】
なお、図2、3において、CPU201、301に限らず、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)が設けられてもよい。あるいは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が用いられてもよい。図2、3において、HDD209、305に限らず、フラッシュメモリの半導体メモリ、あるいは光記録装置等、他の装置が用いられてもよい。
【0025】
図4は、管理サーバー200およびデバイス300のソフトウェア構成の例を示す図である。管理サーバー200上で稼働するデバイス管理部40は、上述した各種のプログラムとして、タスクテンプレート管理部41、タスク生成部42、タスク管理部43、タスク実行部44およびデータ保管部45を含む。
【0026】
デバイス管理部40は、Webベースのアプリケーションとしても実行され得る。その場合、ユーザーは、Webブラウザを介してデバイス管理部40を利用することができる。
【0027】
データ保管部45は、HDD19上で稼働するデータベース等のデータ記録媒体である。
【0028】
なお、以下では、テンプレートやタスクについて、その「生成」と「作成」の用語を、主体によって使い分ける。主体がコンピュータ(管理サーバー200)の場合、「生成」を使用し、主体が人間(ユーザー)の場合、「作成」を使用する。「指定」と「選択」についても同様の趣旨で、コンピュータの場合「指定」、人間の場合「選択」を使用する。
【0029】
タスクテンプレート管理部41は、タスクテンプレートを生成し、これをデータ保管部45に保存する。タスクテンプレート(以下、単にテンプレートと言う場合もある)は、タスクの作成や実行を効率的かつ確実に実現するためのタスクの一部を構成し得る、デバイス探索およびデイバイ管理の処理方法を予め規定する。
タスクテンプレート管理部41は、主にCPU201との協働により、デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成する第1生成手段の一例である。また、主にタスクテンプレート管理部41およびデータ保管部45は、主にCPU201および記憶装置との協働により、第1生成手段で生成された複数の異なるテンプレートを管理する第1管理手段の一例である。
【0030】
タスク生成部42は、デバイス探索タスクの場合、探索方法とその実行スケジュールから構成されるタスクを生成し、これをデータ保管部45に保存する。
タスク生成部42は、探索により検出したデバイス300に対するデバイス管理タスクの場合、対象とするデバイス300に対する管理の処理方法およびその実行スケジュールを含むタスクを生成し、これをデータ保管部45に保存する。
タスク生成部42は、デイバス探索やデバイス管理の処理方法として、予めタスクテンプレート管理部41にて生成したテンプレートをタスク生成の際に指定することができる。
タスク生成部42は、主にCPU201との協働により、第1管理手段で管理される複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成する第2生成手段の一例である。
【0031】
タスク管理部43は、タスク生成部42によって生成された、データ保管部45に保存されたタスクを管理する機能を有する。タスク管理部43は、タスクに設定された実行スケジュールに応じて、タスク実行部44に、タスク実行を指示する。
タスク管理部43およびデータ保管部45は、主にCPU201および記憶装置との協働により、第2生成手段で生成されたタスクを管理する第2管理手段の一例である。
【0032】
タスク実行部44は、タスク管理部43からのタスク実行の指示に従い、通信回線100を介してデバイス300に対して実行する。このとき、タスク実行部44は、指示されたタスクにおいてテンプレートが使用されている場合には、そのテンプレートの設定内容に従う。
タスク実行部44は、主にCPU201との協働により、第2管理手段で管理されるタスクをスケジュールに従い実行することで、複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する実行手段の一例である。
【0033】
デバイス300の応答制御部46は、タスク実行部44から要求に対する処理を行い、その結果をタスク実行部44に返す。タスク実行部44は、その結果をデータ保管部45へ保存する。
【0034】
ここで、タスクテンプレート管理部41は、様々なタスクにおいて、そのタスクに適用可能な複数のテンプレートを生成することが可能である。デバイス設定タスクの場合、1つのテンプレートにおいて、ユーザーは多数のデバイス設定項目をすべて設定するのではなく、いくつかの設定項目を選択して設定する場合がある。例えば、デバイス300の「設置場所」等のデバイス情報を構成する設定項目を有するテンプレート、デバイス300の「電源管理」を構成する設定項目を有するテンプレート等、ユーザーは別々のテンプレートとして作成する場合がある。あるいは、デバイス300の「設置場所」を構成する設定項目を有するテンプレートにおいて、デバイスDevA1~A10とデバイスDevA11~Anの設置場所が異なる場合がある。このように、設定項目は同一であるのに設定値が異なる場合、タスクテンプレート管理部41は、それら設定値にそれぞれ対応する複数のテンプレートを生成する。一方、例えばデバイス300のスリープに移行するまでの時間が、すべてのデバイス300で同じ時間である場合には、タスクテンプレート管理部41は、1つのテンプレートを生成する。
【0035】
タスク生成部42は、ユーザー入力に基づくタスク生成の際に、複数のテンプレートを指定することにより、タスク実行を実現する。複数のテンプレートが指定された場合において、複数のテンプレートの組み合わせの処理が実行可能なものと、そうではないものを特定し、それらがそれぞれ適切に制御されることが望ましい。複数のテンプレートの組み合わせの処理が実行可能であるとは、それらテンプレートの設定内容の組み合わせに対応するタスクの処理内容に、競合が生じないこと、あるいは、矛盾が生じないことを意味する。これについては後に詳述する。
【0036】
図5は、デバイス管理部40により提供されるメニュー/データ表示画面の一例を示す図である。このメニュー/データ表示画面50は、メニュー51と、データ表示・作成領域52とを含む。デバイス管理部40は、ユーザーにより選択されたメニュー51に応じた、データ表示および作成画面をCRT205上のデータ表示・作成領域52に表示する。
【0037】
メニュー51は、メニューとして「デバイス」501および「タスク」502を含む。
「デバイス」501は、サブメニューとして「デバイスリスト」511を含む。「デバイスリスト」511は、デバイス探索のタスクにより検出されたデバイス300のリスト(不図示)を表示する。
「タスク」502は、各サブメニューとして、「デバイス設定タスク」512、「タスクテンプレート」513、「他のタスク」514および「タスク一覧」515を含む。
「デバイス設定タスク」512は、デバイス設定タスクのタスク作成を行う機能に対応する画面を表示するためのサブメニューである。
「タスクテンプレート」513は、様々なテンプレートの作成、編集および削除を行うためのサブメニューである。
「他のタスク」514は、デバイス設定タスク以外のタスク作成を行うためのサブメニューである。他のタスクとは、デバイス探索タスクおよびデバイス設定タスク、以外のタスク作成を意味する。
「タスク一覧」515は、生成されたタスクのタスク一覧を表示する。ユーザーは、新規タスクを作成することなく、「タスク一覧」515で表示するタスクを用いて、そのタスクを編集することにより新たなタスクを作成することもできる。
【0038】
タスクテンプレート管理部41は、ユーザーにより「タスクテンプレート」513が選択されると、テンプレートの作成/編集/削除画面(以降、テンプレート画面と称す)をCRT205に表示する。テンプレート画面600の一例を、図6に示す。図6に示すテンプレート画面600は、デバイス設定タスクのテンプレート画面である。
【0039】
デバイス設定タスクのテンプレート画面600は、作成、編集および削除をそれぞれ行うためのタブシートとして、作成タブ601、編集タブ602、削除タブ603を含む。各タブシートには、作成、編集および削除内容を保存するための保存ボタン610、および処理を中止するためのキャンセルボタン611が設けられる。
【0040】
作成タブ601のタブシートは、タスクテンプレート名604およびデバイス設定を行うための設定内容606を含む。当該設定内容606は、設定カテゴリー607、設定項目608および設定値609を含む。タスクテンプレート名604は、作成するテンプレートの名称を設定するためのエディットボックスである。
【0041】
編集タブ602のタブシートは、作成タブ601のタブシートで作成したテンプレートを編集するためのシートである。
【0042】
削除タブ603のタブシートは、作成タブ601のタブシートで作成したテンプレートを削除するためのシートである。
【0043】
作成タブ601のタブシートにおいて、1つの設定カテゴリー607には、デバイス300に対する1以上の設定項目608が属しており、設定項目608ごとに設定値609が対応している。設定値609はユーザーの入力によって設定され得る値である。
図6に示す例では、「デバイス情報」の設定カテゴリー607には、「デバイス名」、「設置場所」等の設定項目608が含まれる。
「電源管理」の設定カテゴリー607には、「スリープ移行時間」、「シャットダウン時刻」等の設定項目608が含まれる。
【0044】
ユーザーにより保存ボタン610が押下されると、タスクテンプレート管理部41は、データ保管部45のタスクテンプレートリストに保存する。
【0045】
図6に示す例では、タスクテンプレート名604として「テンプレート1」が入力されている。設定内容606として、設定カテゴリー607において「デバイス情報」が、設定項目608において「設置場所」が、チェックボックスでチェックされることにより選択されている。そしてその「設置場所」の設定値609として、「OfficeA」が設定されている。タスクテンプレート管理部41は、以上の設定を反映したテンプレートを生成し、データ保管部45のタスクテンプレートリストに保存する。
【0046】
図7は、テンプレートの設定内容を含むタスクテンプレートリストの画面の一例を示す図である。このタスクテンプレートリスト700は、図6に示した画面で作成されたタスクテンプレート名604、設定カテゴリー607、設定項目608、設定値609、および設定可能な対象タスク(タスクの種別)705から構成される。
【0047】
図7に示す例では、タスクテンプレート名604の「テンプレート1」について、設定カテゴリー607として「デバイス情報」、設定項目608として「設置場所」、設定値609として「OfficeA」が設定されている。その設定可能な対象タスク705は「デバイス設定」(デバイス設定タスク)であることを示す。
タスクテンプレート名604の「テンプレート2」の設定は、設定値609として「OfficeB」が設定されている点で、上記「テンプレート1」の設定と異なる。すなわち、「テンプレート1」と「テンプレート2」とは異なる。
タスクテンプレート名604の「テンプレート3」について、カテゴリー607として「電源管理」、設定項目608として「スリープ移行時間」、設定値609として「30分」が設定されている。その設定可能な対象タスク705は「デバイス設定」であることを示す。
このように、タスクテンプレート管理部41は、複数の異なるテンプレートを管理する。
【0048】
タスクテンプレート名604は、個々のテンプレートを一意に識別する識別情報として機能する。あるいは、タスクテンプレート管理部41は、タスクテンプレート名604に対応するID(テンプレート名以外の、数字、記号、その他文字列で構成され得る)を識別情報として有していてもよい。
【0049】
なお、タスクテンプレート管理部41は、他のタスクのテンプレートも図7に示すテストテンプレートリストで管理してもよいし、タスク種別ごとにテンプレートリストを生成して管理してもよい。
【0050】
図8は、タスク生成部42による、生成したテンプレートに対応するタスクの登録処理を示すフローチャートである。本処理では、CPU201が、処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM203にロードし、実行する。
【0051】
S800で、タスク生成部42は、図5のメニュー51においてユーザーにより選択されたメニュー情報の取得を行う。ここでは、タスク生成部42は、図5の「デバイス設定タスク」512が選択されたことの情報を取得する。
【0052】
S801で、タスク生成部42は、選択されたメニューがタスクの作成(図6の作成タブ601)であるか否かを判定し、タスクの作成であると判定した場合には、S802に遷移する。
【0053】
S802で、タスク生成部42は、タスクを作成するためのタスク作成画面をCRT15に表示する。そしてタスク生成部42は、S803で、ユーザーの入力に基づいて作成するタスク内容を設定する。
【0054】
図9は、そのタスク作成画面の一例を示す図である。ここでは、デバイス設定タスクのタスク作成画面900を例に挙げる。このタスク作成画面900は、「タスク情報」901、「対象デバイス」902、「設定情報」903および「スケジュール設定」904の4つのセクションを有する。また、タスク作成画面900は、タスクの作成内容を登録(後述するS812の処理)するための登録ボタン905および処理を中止するためのキャンセルボタン906を含む。
【0055】
「タスク情報」901は、「タスク種別」907および「タスク名称」908を含む。「タスク種別」907は、作成するタスクの種別を固定文字列で表示する。
「タスク名称」908は、作成するタスクの名称を設定するためのエディットボックスである。図9に示す例では、「タスク種別」907に「デバイス設定」が表示され、「タスク名称」908として「デバイス設定1」が設定されている。
【0056】
「対象デバイス」902は、予めデバイス探索が実行された結果、検出されたデバイス300のデバイスリストである。図9に示す例では、デバイスDevA1~Anのデバイス300が検出されており、タスク生成部42は、「対象デバイス」902にデバイスDevA1~Anをリスト化して表示する。タスク生成部42は、対象デバイス300としてデバイスDevA1~DevAnを指定している。ユーザーにより「対象デバイス」902のチェックボックスがチェックされることで、対象デバイス300が選択される。なお、タスク生成部42は、探索により検出されたすべてのデバイス300をすべて指定するが、ユーザーが少なくとも1つを選択してもよいし、対象デバイス300の全選択から少なくとも1つを外すこともできる。
【0057】
「設定情報」903では、ユーザーはテンプレートを使用するか否かを選択することができる。テンプレートを使用することを意味する「タスクテンプレートを使用する」909が有効となるのは、生成するタスクに適合するテンプレートがデータ保管部45に保存されている場合である。一方、テンプレートを使用しない場合、ユーザーは、「タスクテンプレートを使用しない」910を選択することができる。ユーザーは、「タスクテンプレートを使用しない」910を選択した場合、デバイス設定のために、「設定カテゴリー」607および「設定項目」608を選択し、選択した「設定項目」608の「設定値」609を設定する。
図9に示す例では、データ保管部45に、図7に示すデバイス設定タスクのテンプレート1~nが存在するため、タスク生成部42は「タスクテンプレートを使用する」の選択を有効化し、図7のテンプレートをリスト化して表示する。そして、タスク生成部42は、ユーザーの入力(選択)に基づいて、例えばテンプレート1とテンプレート2の複数のテンプレートを指定する。
【0058】
「スケジュール設定」904は、「実行スケジュール」911および「実行周期」(不図示)を含む。「スケジュール設定」904は、例えば登録したタスクを実行するスケジュール情報を設定するための選択リストや編集ボックスで構成される。「実行スケジュール」911では、ユーザーは「定期的に実行する」や「すぐに実行する」といったタスクの実行スケジュールが選択可能である。「実行周期」では、実行スケジュールが「定期的に実行する」場合に、どのように定期的に実行するかが設定される。
例えば、次のような実行周期を意味する。
月単位:配信日と配信時間の指定
週単位:配信曜日の配信時間の指定
日単位:配信時間の指定
【0059】
「実行スケジュール」911や「実行周期」における設定は、上記の方法に限定するものではない。例えばそれは、ある週の月曜日から金曜日は09:00~17:00、土曜日と日曜日は終日といった不定期な実行スケジュールや周期であっても構わない。図9に示す例では、「実行スケジュール」911として「すぐに実行する」が選択されている。
【0060】
図8の説明に戻る。S804で、タスク生成部42は、ユーザーの入力によるボタンアクションを判定し、登録ボタン905が押下されたと判定した場合には、S805に遷移する。
【0061】
S805で、タスク生成部42は、先のS803で設定したタスク内容として、テンプレートを使用するかを判定し、使用すると判定した場合にはS806に遷移する。図9に示す例では、「タスクテンプレートを使用する」909が有効化されているので、タスク生成部42は、S803で設定したデバイス設定タスクにおいてテンプレートを使用する設定がなされていると判定する。
【0062】
S806で、タスク生成部42は、S803で複数のテンプレートが選択されているかを判定し、複数のテンプレートが選択されている場合にはS807に遷移する。図9に示す例では、S803にてテンプレート1とテンプレート2の2つのテンプレートが選択されているので、S807に遷移する。
【0063】
S807で、タスク生成部42は、S803にて選択された複数のテンプレートの情報を解析する。
【0064】
S808で、タスク生成部42は、選択されたテンプレート間に競合が発生するかを判定し、競合が発生すると判定した場合にはS809に遷移する。テンプレート間の競合とは、例えば、デバイス設定タスクのテンプレートの場合、選択された複数のテンプレートにおいて、同一の設定項目608が存在し、且つその設定値609が異なる場合を意味する。
【0065】
図7に示す例では、タスク生成部42は、S803で選択されたテンプレート1とテンプレート2の設定項目608が同一の「設置場所」である。しかし、その設定値609が、テンプレート1では「OfficeA」、テンプレート2では「OfficeB」であり、両者は異なる。つまり、テンプレート1とテンプレート2との間で競合が発生すると判定される。
一方で、デバイス設定タスクのテンプレートの場合、選択された複数のテンプレートにおいて、同一の設定項目608が存在しない場合や、それが存在していたとしても、その設定値609が同一である場合には、競合しないと判定される。
【0066】
競合が発生する場合、それら複数のテンプレートの組み合わせの処理(その組み合わせの処理に対応するタスク)が実行不可能であることを意味する。競合が発生しない場合、それら複数のテンプレートの組み合わせの処理(その組み合わせの処理に対応するタスク)が実行可能であることを意味する。
【0067】
S809で、タスク生成部42は、選択された複数のテンプレート間での競合エラーを通知し、先のS803に遷移する。S809では、タスク生成部42は、例えばタスクの保存ができないメッセージをCRT15に表示するか、あるいは、選択されたテンプレート1とテンプレート2の内容が競合しているメッセージを表示し、タスク内容の再設定を促す。
【0068】
一方、タスク生成部42は、S808でテンプレート間に競合が発生しないと判定した場合、S812でデータ保管部45にタスクを登録し、処理を終了する。例えばS803でテンプレートとして、テンプレート1とテンプレート3とが選択されたとする。この場合、タスク生成部42は、S808で、テンプレート1の設定項目608は「設置場所」であり、テンプレート3の設定項目608は「スリープ移行時間」であることから、競合が発生しないと判定し、S812に遷移する。
【0069】
タスク生成部42は、S805でテンプレートを使用しないと判定した場合や、S806で、選択されたテンプレートが複数ではないと判定した場合には、S812に遷移する。
【0070】
タスク生成部42は、S801で選択されたメニューがタスク作成ではないと判定した場合、S813で、当該選択された他のメニューを実行し、処理を終了する。また、タスク生成部42は、S804で、ユーザーによるボタンアクションがキャンセルボタン906の押下と判定した場合、処理を終了する。
【0071】
図10は、管理サーバー200が、登録されたタスクを実行する処理を示すフローチャートである。本処理では、CPU201が、処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM203にロードし、実行する。
【0072】
S1400で、タスク管理部43は、タスクを実行すべき時刻(図9に示す実行スケジュール911で設定された時刻)まで待機する。その設定が「すぐに実行」である場合、その時刻は、登録ボタン905が押下されて、タスク生成部42がその入力を受け付けた時刻である。タスク管理部43は、現在時刻がタスクを実行すべき時刻と判定した場合、S1401に遷移する。
【0073】
S1401で、タスク管理部42は、タスク実行部44にそのタスクの実行を指示し、タスク実行部44は当該タスクを実行する。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザーは、タスク作成の際に複数のテンプレートを選択することができ、管理サーバー200がそれらテンプレートに対応するタスクが実行可能な場合に、そのタスクを登録することができる。一方、それらテンプレートに対応するタスクが実行不可能な場合、当該タスクを登録することはできない。管理サーバー200は、複数のテンプレートを指定した場合でも、適切かつ確実にタスク生成が可能となり、ユーザーによるタスク作成の操作性を向上させることができる。
【0075】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態以降の説明では、上記第1実施形態で説明した構成、機能および処理等について、同一の部分についてはその説明を省略するか、または簡略化して説明する。
【0076】
図9で、ユーザーによって選択された複数のテンプレートのうち、例えばテンプレート1が、デバイスで使用するパスワードやSNMPコミュニティ名等の変更に関するテンプレートである場合がある。またテンプレート2が、テンプレート1でその変更対象のデバイス300で使用するパスワードやSNMPコミュニティ名等を使用するテンプレートである場合がある。テンプレート2のようなテンプレートは複数あるケースもある。このような場合には、デバイス300で使用するパスワードやSNMPコミュニティ名等を変更してからそれらを使用するか、使用してから変更するかに関して、テンプレート1とテンプレート2の適用順の設定ができることが望ましい。
【0077】
図11、12は、上記のことを実現する管理サーバー200による処理を示すフローチャートである。S800~S809、S812およびS813は、図8に示すものと同一であるため、その説明を省略する。
【0078】
なお、タスク生成部42は、例えば、予め複数のテンプレートの適用順の問い合わせをユーザーに対して行うか否かの設定をユーザーに行わせ、その設定をデータ保管部45に保存しておく。図11、12に示す処理では、当該設定が、適用順の問い合わせをユーザーに行う設定であるとして本処理を説明する。
【0079】
S1000で、タスク生成部42は、S808で選択された2つのテンプレート(テンプレート1とテンプレート2)間に競合が発生しないと判定した場合には、データ保管部45に保存した適用順の問い合わせ情報を取得する。適用順の問い合わせ情報とは、テンプレート1とテンプレート2の設定内容のように、複数の適用順のパターンを有するようなテンプレート(複数)が指定されている旨の情報である。
【0080】
S1001で、タスク生成部42は、S1000で取得した適用順の問い合わせ情報に基づいて、テンプレートの適用順を問い合せる必要があるかを判定する。そしてタスク生成部42は、テンプレート1とテンプレート2が選択されている場合には、それらの適用順を問い合わせる必要があるとして、S1002に遷移する。すなわち、タスク生成部42は、複数の適用順のパターンを有するテンプレート(複数)を指定している場合には、その適用順を問い合わせる必要があるとする。
なお、S1000とS1001の順序は逆であってもよい。
【0081】
S1002で、タスク生成部42は、それらテンプレートの適用順をユーザーに問い合わせるダイアログをCRT15に表示する。図13は、このダイアログの画面の一例を示す図である。このダイアログは、適用順の設定が必要なテンプレートのリスト1301、テンプレートの適用順を変更するためのボタンとして「上に移動」1302および「下に移動」1303を含む。また、このダイアログは、ユーザーによって「上に移動」1302や「下に移動」1303が操作されることにより指定された適用順を、データ保管部45に保存するための設定ボタン1304を含む。
図13に示すダイアログは、リスト1301としてテンプレート名のみを含んでいるが、それらに対応する設定内容も含んでいてもよい。これにより、ユーザーはテンプレートの設定内容を見ながら適用順を設定することができ、操作性が向上する。
【0082】
S1003で、タスク生成部42は、上記ダイアログにおいてユーザーの入力指示に応じた適用順を設定し、S812に遷移する。図13に示す例では、S1003で、タスク生成部42は、1番目にテンプレート1を適用し、2番目にテンプレート2を適用すると設定する。その結果、S812で、その適用順でそれらテンプレートにそれぞれ対応するタスクが実行されるように、タスク登録が行われる。
【0083】
一方、S1001で、タスク生成部42は、テンプレートの適用順を問い合せる必要がないと判定した場合には、S812に遷移する。
【0084】
以上のように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる上、複数のテンプレートの適用順も設定できる。したがって、操作性のさらなる向上、および管理サーバー200によるタスク実行における処理効率を高めることができる。
【0085】
<第3実施形態>
図9で、ユーザーによって選択された複数のテンプレートのうち、例えばテンプレート1が、デバイス300で稼働するアプリケーション(デバイスアプリケーション)のインストールに関するテンプレートである場合がある。またテンプレート2が、デバイス300にインストールしたそのアプリケーションのカスタマイズに関するテンプレートである場合がある。アプリケーションのカスタマイズとは、例えば、デバイス300の印刷枚数を集計するようなアプリケーションの場合、カラー/モノクロ印刷別の集計や片面/両面印刷の集計等、様々な集計方法があり、それを設定することを意味する。このような場合には、管理サーバー200は、テンプレート1でアプリケーションをインストールした後に、テンプレート2でそのアプリケーションをカスタマイズすることが望ましい。
【0086】
図14は、上記のことを実現する管理サーバー200による処理を示すフローチャートである。本処理では、S800~S809については図11と同様であるのでそれを流用し、その説明を省略する。
【0087】
S1200で、タスク生成部42は、S808で選択されたテンプレート間に競合が発生しないと判定した場合には、予め規定しデータ保管部45に保存された適用順情報を取得する。適用順情報とは、ここでは、アプリケーションのインストールに関するテンプレート1と、そのカスタマイズに関するテンプレート2が選択されている場合に、それをインストールした後にカスタマイズするという設定情報である。
【0088】
S1201で、タスク生成部42は、S1200で取得した適用順を設定する必要があるか否かを判定し、適用順を設定する必要があると判定した場合、S1202に遷移する。適用順を設定する必要があるか否かの判定は、その適用順を適用するべき対象のテンプレート1とテンプレート2を指定しているか否かを判定することによって行われる。
なお、S1200とS1201の順序は逆であってもよい。
【0089】
S1202で、タスク生成部42は、S1200にて取得した適用順情報に基づいて、タスクテンプレートの適用順を設定し、S812に遷移する。図14に示す例では、S1202で、タスク生成部42は、アプリケーションのインストールを既定したテンプレート1を適用した後に、アプリケーションのカスタマイズを既定したテンプレート2を適用すると設定する。その結果、S812で、その適用順でそれらテンプレートにそれぞれ対応するタスクが実行されるように、タスク登録が行われる。
【0090】
<第4実施形態>
管理サーバー200は、デバイス300のカラー/モノクロ印刷別の集計や片面/両面印刷別の集計等の印刷枚数等、デバイス300の使用状況をレポート(デバイスレポート)として生成するタスク機能を有する場合がある。このようなレポートを生成するためには、管理サーバー200は、予めデバイス300からレポートの対象となるデバイスデータを収集するタスクを実行する必要がある。
【0091】
例えば、デバイスデータを収集するタスクのテンプレートにおいて、テンプレート1が、デバイスの印刷枚数を毎日19:00に収集する設定を有し、テンプレート2が、デバイスの印刷枚数を毎週金曜日20:00に収集する設定を有する場合がある。すなわち、これらのタスクは、同一のデバイスデータを異なるタイミングで収集することを意味する。このような場合には、同一データに関して異なるタイミングでの収集を許容するか否かの設定ができることが望ましい。
【0092】
図15は、上記のことを実現する管理サーバー200による処理を示すフローチャートである。本処理では、S800~S809については図11と同様であるのでそれを流用し、その説明を省略する。
【0093】
S1300で、タスク生成部42は、タスク生成部42は、S808で選択されたテンプレート間に競合が発生しないと判定した場合には、それらテンプレート間で同一デバイスデータの収集を異なるタイミングで実行する設定があるかを判定する。タスク生成部42は、同一デバイスデータの収集を異なるタイミングで実行する設定があると判定した場合には、S1301に遷移する。例えばS1300で、タスク生成部42は、テンプレート1が、デバイスの印刷枚数を毎日19:00に収集する設定を有し、テンプレート2が、デバイスの印刷枚数を毎週金曜日20:00に収集する設定を有すると判定した場合、S1301に遷移する。
【0094】
S1301で、タスク生成部42は、同一デバイスデータの収集を異なるタイミングで実行することを許容するか否かのダイアログの画面を、CRT15に表示する。図16は、このダイアログの画面の一例を示す図である。図16に示す例では、タスク生成部42は、テンプレート1が、収集データの1つであるデバイスの印刷枚数を毎日19:00に収集する設定を有し、テンプレート2が、毎週金曜日20:00にそれを収集する設定を有することを表示する。
【0095】
S1302で、ボタン「はい」1601が押下された場合には、タスク生成部42は、同一デバイスデータの収集を異なるタイミングで実行することを許容(有効化)することを設定する。ボタン「いいえ」1602が押下された場合には、タスク生成部42は、許容しない(無効化する)ことを設定する。その結果、S812で、それらのいずれか一方を反映した設定のテンプレートに対応するタスクが登録される。同一デバイスデータの収集を異なるタイミングで実行することを許容しないタスクが設定された場合には、タスク実行部44は、該当デバイスデータの収集をしなくてもよいし、2つの異なる収集タイミングのうち一方を選択するようにしてもよい。
【0096】
S1300で、タスク生成部42は、選択されたテンプレート間で同一デバイスデータの収集を異なるタイミングで実行する設定がないと判定した場合、S812に遷移する。
【0097】
<その他の実施形態>
上記第2、第3および第4実施形態のうち少なくとも2つを組み合わせてもよい。例えばタスク生成部42は、タスクの生成の際、S1001およびS1201の両方の処理を実行してもよい。あるいは、タスク生成部42は、S1001およびS1201の少なくとも一方、およびS1300の処理を実行してもよい。その場合、それらの処理の順序は問わない。
【0098】
上記各実施形態におけるS808において、組み合わせの処理に競合が発生するか否かを判定する対象の複数のテンプレートとして、上記各実施形態では2つのテンプレートを例に挙げた。しかし、3つ以上のテンプレートの組み合わせの処理が判定対象とされるケースもある。
【0099】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
(構成1)
ネットワークを介してデバイスを管理する管理装置であって、
前記デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成する第1生成手段と、
前記第1生成手段で生成された複数の異なるテンプレートを管理する第1管理手段と、
前記第1管理手段で管理される前記複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段で生成された前記タスクを管理する第2管理手段と、
前記第2管理手段で管理される前記タスクを前記スケジュールに従い実行することで、前記複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する実行手段と、を有し、
前記第2生成手段は、前記実行手段が前記複数のテンプレートの組み合わせの処理を実行可能な場合に、前記タスクを生成する
ことを特徴とする管理装置。
(構成2)
前記第2生成手段は、前記複数のテンプレートの設定内容に基づいて前記複数のテンプレートの組み合わせの処理に競合が発生しないと判定した場合、当該組み合わせの処理が実行可能であるとして前記タスクを生成する
ことを特徴とする構成1に記載の管理装置。
(構成3)
前記第1管理手段は、前記テンプレートを識別する識別情報と、前記設定内容とを対応付けるテンプレートリストを管理する
ことを特徴とする構成2に記載の管理装置。
(構成4)
前記第2生成手段は、前記実行手段が前記複数のテンプレートの組み合わせの処理を実行可能な場合に、前記複数のテンプレートの適用順を設定する
ことを特徴とする構成1から3のうちいずれか1項に記載の管理装置。
(構成5)
前記第2生成手段は、前記複数のテンプレートの適用順をユーザーに問い合わせ、前記ユーザーの指示に基づいて当該適用順を設定する
ことを特徴とする構成4に記載の管理装置。
(構成6)
前記第2生成手段は、前記複数のテンプレートの設定内容に基づいて前記複数のテンプレートの適用順を設定する必要があると判定した場合に、当該適用順を設定する
ことを特徴とする構成4に記載の管理装置。
(構成7)
前記第2生成手段は、前記実行手段が前記複数のテンプレートの組み合わせの処理を実行可能な場合であって、前記複数のテンプレートが、同一のデバイスデータをそれぞれ異なるタイミングで収集する設定を有する場合、ユーザーの指示に基づいて当該設定の有効化と無効化の制御を行う
ことを特徴とする構成1から6のうちいずれか1項に記載の管理装置。
(方法)
ネットワークを介してデバイスを管理する方法であって、
前記デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成する第1生成工程と、
前記第1生成工程で生成された複数の異なるテンプレートを管理する第1管理工程と、
前記第1管理工程で管理される前記複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成する第2生成工程と、
前記第2生成工程で生成された前記タスクを管理する第2管理工程と、
前記第2管理工程で管理される前記タスクを前記スケジュールに従い実行することで、前記複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する実行工程と、を有し、
前記第2生成工程では、前記実行工程における前記複数のテンプレートの組み合わせの処理が実行可能な場合に、前記タスクを生成する
ことを特徴とする管理方法。
(プログラム)
ネットワークを介してデバイスを管理する管理装置に実行させるプログラムであって、
前記デバイスを管理するためのタスクに利用されるテンプレートを生成する第1生成工程と、
前記第1生成工程で生成された複数の異なるテンプレートを管理する第1管理工程と、
前記第1管理工程で管理される前記複数のテンプレートのうち、選択された2以上のテンプレートの情報に基づいて、スケジュールを指定してタスクを生成する第2生成工程と、
前記第2生成工程で生成された前記タスクを管理する第2管理工程と、
前記第2管理工程で管理される前記タスクを前記スケジュールに従い実行することで、前記複数のテンプレートのそれぞれに対応する処理を実行する実行工程と、を有し、
前記第2生成工程では、前記実行工程における前記複数のテンプレートの組み合わせの処理が実行可能な場合に、前記タスクを生成する
ことを前記管理装置に実行させるプログラム。
【0100】
以上、本開示をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の主旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本開示の範囲から除外するものではない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16