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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176959
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】タイヤ補修方法、及び、タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B29C 73/04 20060101AFI20241212BHJP
   B29C 73/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B29C73/04
B29C73/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095868
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 拓也
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AA39
4F213AA42
4F213AA43
4F213AH20
4F213WA95
4F213WM01
4F213WM02
4F213WM14
(57)【要約】
【課題】作業者の技量によらずに良好な補修の質を確保しやすいタイヤ補修方法、及び、作業者の技量によらずに良好な質の補修がなされたタイヤを、提供する。
【解決手段】タイヤ補修方法は、タイヤのタイヤサイド部T01sにおけるカーカスプライとタイヤ表面との間に位置するサイドゴムT01sに形成されたサイドゴム内で終端する亀裂Kを補修するための、タイヤ補修方法であって、亀裂をステープル針Sにより固定するステープルステップを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのタイヤサイド部におけるカーカスプライとタイヤ表面との間に位置するサイドゴムに形成された前記サイドゴム内で終端する亀裂を補修するための、タイヤ補修方法であって、
前記亀裂をステープル針により固定するステープルステップを含む、タイヤ補修方法。
【請求項2】
前記ステープル針が、ゴムよりも硬い材料から構成されている、請求項1に記載のタイヤ補修方法。
【請求項3】
前記ステープル針が、樹脂から構成されている、請求項1に記載のタイヤ補修方法。
【請求項4】
前記ステープル針の打ち込み間隔が、10mm以下である、請求項1に記載のタイヤ補修方法。
【請求項5】
前記亀裂に接着剤を入れ込む接着剤入れ込みステップをさらに含む、請求項1に記載のタイヤ補修方法。
【請求項6】
前記ステープル針の一対の脚部のそれぞれに、返しが設けられているか、又は、
前記ステープル針の一対の脚部のそれぞれの表面が、凹凸のある凹凸部を有している、
請求項1に記載のタイヤ補修方法。
【請求項7】
前記ステープル針の一対の脚部の表面を接着剤でコーティングする、接着剤コーティングステップをさらに含む、請求項1に記載のタイヤ補修方法。
【請求項8】
タイヤサイド部におけるカーカスプライとタイヤ表面との間に位置するサイドゴムに形成された前記サイドゴム内で終端する亀裂が、ステープル針により固定されている、タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ補修方法、及び、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、接着剤を用いてタイヤサイド部の亀裂を補修するタイヤ補修方法がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2021124965A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のタイヤ補修方法においては、作業者の技量によって補修の質にバラツキが生じやすいおそれがあった。
【0005】
本発明は、作業者の技量によらずに良好な補修の質を確保しやすいタイヤ補修方法、及び、作業者の技量によらずに良好な質の補修がなされたタイヤを、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕タイヤのタイヤサイド部におけるカーカスプライとタイヤ表面との間に位置するサイドゴムに形成された前記サイドゴム内で終端する亀裂を補修するための、タイヤ補修方法であって、
前記亀裂をステープル針により固定するステープルステップを含む、タイヤ補修方法。
これにより、作業者の技量によらずに良好な補修の質を確保しやすくなる。
【0007】
〔2〕前記ステープル針が、ゴムよりも硬い材料から構成されている、〔1〕に記載のタイヤ補修方法。
これにより、亀裂をより確実に固定できる。
【0008】
〔3〕前記ステープル針が、樹脂から構成されている、〔1〕又は〔2〕に記載のタイヤ補修方法。
この場合、亀裂を固定できるとともに、その後の使用時にも補修効果を維持しやすい。
【0009】
〔4〕前記ステープル針の打ち込み間隔が、10mm以下である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載のタイヤ補修方法。
これにより、亀裂をより確実に固定できる。
【0010】
〔5〕前記亀裂に接着剤を入れ込む接着剤入れ込みステップをさらに含む、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載のタイヤ補修方法。
これにより、亀裂をより確実に固定できる。
【0011】
〔6〕前記ステープル針の一対の脚部のそれぞれに、返しが設けられているか、又は、
前記ステープル針の一対の脚部のそれぞれの表面が、凹凸のある凹凸部を有している、
〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載のタイヤ補修方法。
この場合、ステープル針がタイヤから抜けにくくなる。
【0012】
〔7〕前記ステープル針の一対の脚部の表面を接着剤でコーティングする、接着剤コーティングステップをさらに含む、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載のタイヤ補修方法。
この場合、ステープル針がタイヤから抜けにくくなる。
【0013】
〔8〕タイヤサイド部におけるカーカスプライとタイヤ表面との間に位置するサイドゴムに形成された前記サイドゴム内で終端する亀裂が、ステープル針により固定されている、タイヤ。
これにより、作業者の技量によらずに良好な質の補修がなされたタイヤを得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業者の技量によらずに良好な補修の質を確保しやすいタイヤ補修方法、及び、作業者の技量によらずに良好な質の補修がなされたタイヤを、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係るタイヤ補修方法を説明するための図面である。
図2図1のタイヤ補修方法により補修された、本発明の一実施形態に係るタイヤのタイヤ半部を、タイヤ幅方向の断面により概略的に示す、タイヤ幅方向断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係るタイヤ補修方法を説明するための図面である。
図4図3のタイヤ補修方法において、接着剤が亀裂の奥まで届いていない例を説明するための図面である。
図5図1のステープル針の第1変形例を概略的に示す概略図である。
図6図1のステープル針の第2変形例を概略的に示す概略図である。
図7図1のステープル針の第3変形例を概略的に示す概略図である。
図8】本発明の第3実施形態に係るタイヤ補修方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るタイヤ補修方法、及び、タイヤは、任意の種類の空気入りタイヤに好適に利用でき、例えば、重荷重用空気入りタイヤ(例えば、オフ・ザ・ロード(建設車両用)空気入りタイヤ等)に好適に利用できる。
【0017】
以下、本発明に係るタイヤ補修方法、及び、タイヤの実施形態について、図面を参照しつつ例示説明する。
各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ補修方法を説明するための図面である。図1(a)は、第1実施形態に係るタイヤ補修方法による補修を行う前におけるタイヤT01の亀裂Kの近傍部分を概略的に示しており、図1(b)は、第1実施形態に係るタイヤ補修方法による補修を行った後におけるタイヤT01の亀裂Kの近傍部分を概略的に示している。図2は、図1のタイヤ補修方法により補修された、本発明の一実施形態に係るタイヤT01のタイヤ半部を、タイヤ幅方向の断面により概略的に示す、タイヤ幅方向断面図である。
本明細書で説明する各実施形態のタイヤ補修方法は、タイヤT01のタイヤサイド部T01sにおけるサイドゴムT08内で終端する亀裂K(図1図2)を補修するために使用されるものである。サイドゴムT08は、タイヤサイド部T01sにおけるカーカスプライT05pとタイヤ表面T01fとの間に位置するゴム層である(図2)。亀裂Kは、タイヤ表面T01fに開口している。亀裂Kは、例えば、カット傷やひび割れ等の損傷部分である。亀裂Kは、サイドゴムT08内で終端しているため、カーカスプライT05pには到達していない。
【0019】
本明細書においては、図1(b)に矢印で示すように、亀裂Kの幅方向、すなわち、亀裂Kの一対の壁面どうしが互いに対向する方向を、「亀裂幅方向(KWD)」といい、タイヤ表面T01f上における亀裂Kの延在方向を、「亀裂延在方向(KED)」という。亀裂Kの延在方向(亀裂延在方向(KED))は、具体的には、タイヤ表面T01f上における亀裂Kの亀裂幅中心線の延在方向である。亀裂Kの亀裂幅中心線は、タイヤ表面T01f上における亀裂Kの各位置における、亀裂Kの亀裂幅方向KWDの中心点どうしを結んでなる線である。
【0020】
本実施形態のタイヤ補修方法は、ステープルステップを含んでいる。
ステープルステップにおいては、亀裂Kをステープル針Sにより固定する(図1(b))。
なお、本明細書において、亀裂Kを「固定する」とは、亀裂Kの形状(ひいては、開き具合)を固定することを意味する。
ステープル針Sは、図1(b)に概略的に示すように、略U字状をなしている。ステープル針Sは、一対の脚部SLと、連結部SBと、を備えている。連結部SBは、一対の脚部SLの一端部どうしを連結している。
ステープルステップにおいては、より具体的に、亀裂Kの亀裂幅方向KWDの両側において、ステープル針Sの一対の脚部SLを、タイヤ表面T01f側から、サイドゴムT08内へ差し込む。これにより、亀裂Kが、ステープル針Sにより、固定され、ひいては、それ以上開くことが抑制される。
ステープル針Sの一対の脚部SLがサイドゴムT08内へ差し込まれた状態(図1(b))において、一対の脚部SLは、それぞれ、亀裂幅方向KWDにおいて亀裂Kから離間していること、すなわち、亀裂幅方向KWDにおける一対の脚部SLと亀裂Kとの間にサイドゴムT08の一部が位置していることが、好適である。一対の脚部SLは、亀裂Kに露出していないことが、好適である。また、ステープル針Sの一対の脚部SLがサイドゴムT08内へ差し込まれた状態(図1(b))において、ステープル針Sの連結部SBは、亀裂Kを跨った状態で、タイヤ表面T01f上に載っている(すなわち、タイヤ表面T01fに接触している)と、好適である。
ステープルステップは、例えば、作業者が、ステープラー又はハンマー等の器具を用いてステープル針Sを差し込むことによって行ってもよいし、あるいは、作業者が、器具を用いずに手でステープル針Sを差し込むことによって行ってもよい。
ステープルステップ後におけるタイヤT01は、亀裂Kが、ステープル針Sにより固定されたものとなる(図1図2)。
【0021】
本実施形態のタイヤ補修方法は、上述のとおり、カーカスプライT05pに到達する前の状態の亀裂Kを、ステープル針Sにより固定する、ステープルステップを含んでいる。亀裂Kは、開く動作によって進展していく傾向があるところ、上述のステープルステップによれば、亀裂Kが、ステープル針Sにより、それ以上開くことが抑制されるので、亀裂Kが大きくなる前に亀裂Kの進展を効果的に抑制することができ、ひいては、タイヤの寿命を効果的に延ばすことができる。
なお、仮にステープルステップを行う代わりに、例えば、接着剤を用いて亀裂Kを補修する場合、作業者の技量によって補修の質がばらつきやすいおそれがある。例えば、作業者の技量によっては、接着剤が亀裂Kの奥まで十分に入り込まないことや、接着剤を入れ込む前において亀裂Kから異物を除去する必要がある場合に異物の除去が十分にされないこと等のおそれがあり、それらの場合、補修の質が低下し、ひいては、補修後も亀裂Kの進展を抑止する効果が十分に得られず、補修によるタイヤ寿命延長への期待効果が得られない恐れがある。一方、ステープルステップは、作業が比較的簡単であるので、作業者の技量によらずに良好な補修の質を確保しやすい。
また、本実施形態のタイヤ補修方法により得られたタイヤT01(図2)は、作業者の技量によらずに良好な質の補修がなされたものであるので、より長い寿命を有することができる。
【0022】
ステープルステップにおいては、ステープル針Sによって亀裂Kにおける互いに対向する一対の壁面どうしの間の距離が固定されれば足りるため、ステープル針Sを差し込む前に、亀裂Kを閉じる必要はなく、亀裂Kが開いたまま、ステープル針Sを差し込んでよい。ただし、ステープルステップにおいては、ステープル針Sを差し込む前に、亀裂Kを閉じてもよい。
【0023】
本明細書で説明する各例において、ステープル針Sは、ゴム(特に、サイドゴムT08を構成するゴム)よりも硬い材料から構成されていると、好適である。これにより、よりしっかりと亀裂Kをステープル針Sにより固定することができる。
この観点から、ステープル針Sを構成する材料としては、例えば、樹脂又は金属が好適である。
【0024】
本明細書で説明する各例において、ステープル針Sは、樹脂から構成されていると、好適である。タイヤは走行中等の繰り返し変形や、タイヤを装着した車両への荷物の積み下ろし等による変形を受けるため、ステープル針Sは、タイヤの変形に合わせて応力が加わり、応力が大きいと変形することになる。金属から構成されるステープル針は応力が加わった後における元形状の保持性能において、樹脂と比較して劣る傾向にあるため、タイヤが変形する毎に疲労が蓄積され、折れやすい傾向にある。一方、樹脂から構成されるステープルは応力が加わり変形した後も、応力が無くなると元の形状に戻るため疲労が蓄積しにくく、耐久面において優れる。よって、樹脂から構成されるステープル針を用いることで、亀裂Kを固定できるとともに、その後の使用時にも補修効果を維持しやすい。
【0025】
本明細書で説明する各例においては、図1(b)に示す例のように、ステープルステップにおいて、亀裂Kを複数のステープル針Sにより固定してもよい。この場合、これら複数のステープル針Sは亀裂延在方向KEDに沿って配列される(すなわち、亀裂K上における亀裂延在方向KEDの複数の位置のそれぞれにおいて、上述のように亀裂Kがステープル針Sにより固定される)と、好適である。これにより、亀裂Kをより確実に固定でき、亀裂Kの進展をより効果的に抑制することができる。
この場合、亀裂Kをより確実に固定する観点から、ステープル針Sの打ち込み間隔P(図1(b))は、10mm以下であると、好適である。ここで、ステープル針Sの打ち込み間隔Pは、亀裂Kをタイヤ表面T01f側から平面視したときにおいて、亀裂Kの亀裂幅中心線上で見たときの、隣り合う一対のステープル針Sのそれぞれの亀裂延在方向KEDの中心どうしを結んだ直線の長さに相当するものとする。
ステープル針Sの打ち込み間隔Pは、図1(b)に示す例のように亀裂延在方向KEDに沿って均一でもよいし、あるいは、亀裂延在方向KEDに沿って不均一であってもよい。
亀裂Kをタイヤ表面T01f側から平面視したときにおいて、ステープル針Sどうしは、図1(b)に示す例のように互いに平行であってもよいし、あるいは、互いに非平行であってもよい。
亀裂Kをタイヤ表面T01f側から平面視したときにおいて、各ステープル針Sは、図1(b)に示す例のように、それぞれ、亀裂延在方向KEDに対して略垂直に延在していると、好適である。
【0026】
本明細書で説明する各例においては、図1(b)に示す例のように、ステープルステップによってサイドゴムT08に差し込まれたステープル針Sの一対の脚部SLの先端部STが、サイドゴムT08内に位置しており、カーカスプライT05pに到達していないと、好適である。これにより、ステープル針SによるタイヤT01への損傷を抑制できる。
【0027】
本明細書で説明する各例においては、ステープル針Sの一対の脚部SLの長さが、亀裂Kの深さと略同じ又はそれ以上であると好適であり、亀裂Kの深さよりも長いと、より好適である。これにより、亀裂Kをより確実に固定できる。
同様の観点から、ステープル針Sの一対の脚部SLの長さが亀裂Kの深さよりも短い場合、亀裂Kの深さからステープル針Sの一対の脚部SLの長さを差し引いた長さが、2mm以下であると、好適である。
なお、亀裂Kの深さは、タイヤ表面T01fに対して垂直な方向に沿って測るものとする。
【0028】
本明細書で説明する各例においては、タイヤ補修方法が、図1に示す例のように、ステープルステップのみを含んでいてもよい。
【0029】
図3は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ補修方法を説明するための図面である。
本明細書で説明する各例においては、タイヤ補修方法が、図3に示す第2実施形態のように、ステープルステップに加えて、接着剤入れ込みステップをさらに含んでいてもよい。
図3(a)は、図1(a)の状態の後に接着剤入れ込みステップを行った後における、タイヤT01の亀裂Kの近傍部分を概略的に示しており、図3(b)は、図3(a)の状態の後にステープルステップを行った後における、タイヤT01の亀裂Kの近傍部分を概略的に示している。
接着剤入れ込みステップにおいては、亀裂Kに、接着剤A1を入れ込む。この際、亀裂Kに入れ込まれた接着剤A1が、亀裂Kにおける互いに対向する一対の壁面のそれぞれに接触する(すなわち、亀裂Kにおける互いに対向する一対の壁面どうしが接着剤A1を介して連結される)ようにする。接着剤A1を入れ込む手法としては、注入、塗布等、任意でよい。
接着剤入れ込みステップにより、亀裂Kにおける互いに対向する一対の壁面どうしが、接着剤A1を介して固定され、それ以上開くことが抑制される。したがって、ステープルステップに加えて接着剤入れ込みステップを行うことにより、亀裂Kをより確実に固定できる。
接着剤入れ込みステップにおいては、接着剤A1によって亀裂Kにおける互いに対向する一対の壁面どうしの間の距離が固定されれば足りるため、接着剤A1の入れ込み後に、亀裂Kを閉じる必要はなく、亀裂Kが開いたままにしてよい。ただし、接着剤入れ込みステップにおいては、接着剤A1の入れ込み後に、亀裂Kを閉じてもよい。
図3に示す例のように、接着剤入れ込みステップは、ステープルステップの前に行うと、好適である。これにより、接着剤入れ込みステップの作業がしやすくなる。ただし、接着剤入れ込みステップは、ステープルステップと並行して、あるいは、ステープルステップの後に、行ってもよい。
接着剤入れ込みステップ後におけるタイヤT01は、亀裂K内に接着剤A1が位置するものとなる(図3)。
なお、ステープルステップのみによっても十分に亀裂Kを固定することが可能であるため、接着材入れ込みステップは、行わなくてもよい。
【0030】
接着材入れ込みステップにおいては、図3に示す例のように、接着剤A1が、亀裂K内の空間の全体を占めるように、亀裂K内に完全に充填されてもよい。
あるいは、接着材入れ込みステップにおいては、亀裂Kにおける互いに対向する一対の壁面どうしが接着剤A1を介して連結される限りにおいて、図4に示す変形例のように、接着剤A1が、亀裂K内の空間の一部のみを占めるように、亀裂K内に部分的に充填されてもよい。例えば、図4に示す例のように、接着剤A1が、亀裂K内の空間のうち開口側(タイヤ表面T01f側)の部分のみを占めるように、亀裂K内に部分的に充填されてもよい。この場合も、亀裂Kにおける互いに対向する一対の壁面どうしが接着剤A1を介して固定される一方、接着剤A1が亀裂K内に完全に充填される場合に比べて、接着剤入れ込みステップの作業を簡単化でき、さほど高い技量を必要としないので、作業者の技量によらずに良好な補修の質を確保しやすい。
【0031】
本明細書で説明する各例においては、ステープル針Sの一対の脚部SLのそれぞれの先端部STが、図1に示す例のように、平坦面状をなしていてもよい。
なお、本明細書において、脚部SLの「先端部ST」は、脚部SLの延在方向の両端部のうち、連結部SBとは反対側の端部を指す。
本明細書で説明する各例においては、ステープル針Sの一対の脚部SLのそれぞれの先端部STが、図5に示す変形例のように、湾曲面状をなしていてもよい。この場合、ステープルステップにおいてステープル針Sの一対の脚部SLの差し込み作業がしやすくなるとともに、脚部SLの先端部STが鋭利でないので、脚部SLの先端部STによるタイヤT01のサイドゴムT08への損傷を抑制できる。
ただし、ステープル針Sの一対の脚部SLのそれぞれの先端部STは、鋭利な先細り形状をなしていてもよい。
【0032】
本明細書で説明する各例においては、図6に示す変形例のように、ステープル針Sの一対の脚部SLのそれぞれに、1つ又は複数の返しSHが設けられていてもよい。返しSHは、脚部SLから、脚部SLの外周側、かつ、脚部SLの延在方向における連結部SB側(ひいては、タイヤ表面T01f側)に向かって、延在する。返しSHの形状は、任意でよい。
返しSHがあることにより、いったんタイヤT01に差し込まれたステープル針Sが、返しSHの作用によって、タイヤT01から抜けにくくなる。よって、このタイヤ補修方法によって補修された状態を、より長期間にわたって維持しやすくなる。
返しSHは、図6の例のように、脚部SLの先端部STに連結していてもよいし、あるいは、脚部SLのうち、先端部STと連結部SBとの間の部分に連結していてもよい。
【0033】
本明細書で説明する各例においては、図7に示す変形例のように、ステープル針Sの一対の脚部SLのそれぞれの表面が、少なくとも一部において、凹凸のある凹凸部SUを有していてもよい。凹凸部SUは、多数の凸部を含んでいる。
凹凸部SUがあることにより、いったんタイヤT01に差し込まれたステープル針Sが、凹凸部SUの作用によって、タイヤT01から抜けにくくなる。よって、このタイヤ補修方法によって補修された状態を、より長期間にわたって維持しやすくなる。
【0034】
本明細書で説明する各例においては、ステープル針Sの一対の脚部SLのそれぞれの表面の一部又は全体の表面粗さが、大きいほど好適である。この場合、いったんタイヤT01に差し込まれたステープル針Sが、タイヤT01から抜けにくくなる。よって、このタイヤ補修方法によって補修された状態を、より長期間にわたって維持しやすくなる。
本明細書で説明する各例においては、ステープル針Sの一対の脚部SLのそれぞれの表面の全体の表面粗さが、大きいほど好適である。この場合、脚部SLの表面粗さが高いことによってステープルステップにおけるステープル針Sの差し込み作業がしにくくなるのを、抑制できる。
なお、図7に示す変形例のように、ステープル針Sの一対の脚部SLのそれぞれの表面が、少なくとも一部において、凹凸のある凹凸部SUを有している場合、凹凸部SUの表面粗さが、上記数値範囲を満たしていると、好適である。
【0035】
本明細書で説明する各例においては、図8に示す第3実施形態のように、タイヤ補修方法が、ステープル針Sの一対の脚部SLの表面の少なくとも一部を接着剤A2でコーティングする、接着剤コーティングステップをさらに含んでいてもよい。接着剤A2をコーティングする手法としては、塗布、噴射、ディッピング等、任意でよい。
接着剤コーティングステップは、ステープルステップの前に行うと、好適である。
接着剤コーティングステップにより、いったんタイヤT01に差し込まれたステープル針Sが、接着剤A2の作用によって、タイヤT01から抜けにくくなる。よって、このタイヤ補修方法によって補修された状態を、より長期間にわたって維持しやすくなる。
【0036】
上述した接着剤A1、A2は、例えば、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤から選択される1種類以上の接着剤であってもよい。
【0037】
なお、亀裂Kにおけるゴムの欠損が比較的少ない場合、接着剤入れ込みステップで使用する接着剤A1は、硬化後の弾性率が比較的高い、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等でもよい。この場合、タイヤT01が補修後に損傷前のタイヤの状態に近い状態になるため、補修された箇所が再度破損することを抑制し得る。これにより、タイヤT01の寿命を延ばし得る。
【0038】
そして、亀裂Kにおけるゴムの欠損が比較的多い場合、接着剤入れ込みステップで使用する接着剤A1は、硬化後の弾性率がアクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等よりも低い、ウレタン樹脂系接着剤等でもよい。この場合、硬化後の接着剤A1が周囲のサイドゴムT08に連動して変形しやすくなるため、補修された箇所が再度破損することを抑制し得る。これにより、タイヤT01の寿命を延ばし得る。
【0039】
接着剤A1、A2の硬化後の弾性率は、25℃で4.0MPa以上500MPa以下であり、かつ60℃で1.0MPa以上300MPa以下であるとよい。接着剤A1、A2の硬化後の弾性率を25℃で4.0MPa以上、かつ60℃で1.0MPa以上とした場合、十分な剥離接着強さを得ることができる。また、接着剤A1、A2の硬化後の弾性率を25℃で500MPa以下、かつ60℃で300MPa以下とした場合、タイヤの変形に十分追従し、接着剤A1、A2の割れを抑制することができる。
【0040】
本明細書で説明する各例においては、接着剤入れ込みステップの前に、亀裂K内から異物等を除去する、異物除去ステップを行ってもよい。これにより、接着剤A1の接着力を高めることができる。
【0041】
本明細書で説明する各例においては、亀裂K内の表面(例えば、亀裂Kにおける互いに対向する一対の壁面)のうち、少なくとも接着剤A1を塗布する領域に対して、表面処理を施す、表面処理ステップを行ってもよい。この場合、亀裂K内の表面の表面粗さは、表面処理を施す前に、亀裂K内の表面にバフ研磨等を施すことで調整されてもよい。
表面処理ステップは、異物除去ステップの後、かつ、接着剤入れ込みステップの前に、行うと、好適である。
【0042】
表面処理ステップにおいては、亀裂K内の表面に対してプライマをプライマ塗布手段で塗布することによって表面処理してもよい。ただし、表面処理の方法はこれに限定されるものではない。例えば、物理的手法として、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線による処理、火炎による処理、バフ研磨等が適用可能であり、化学的手法として、シランカップリング処理、グラフト処理等が適用可能である。
【0043】
表面処理ステップの表面処理にプライマを用いる場合、接着剤A1の接着力を高めるだけでなく、表面処理後の表面安定化や、接着剤A1の劣化防止等の機能を容易に付与することが可能である。
【0044】
ここで表面処理に使用されるプライマは、例えば、次亜塩素酸水溶液であってよい。具体的に、次亜塩素酸水溶液は、液中の有効塩素濃度が100ppm以上13000ppm以下であり、かつpH値が2以上7以下であると好ましい。なお、pH値は4以上7以下の範囲であるとさらに好ましい。このような次亜塩素酸水溶液をプライマ50として用いた場合、ゴムの接着表面に塩素化処理が施されることでゴム表面に対する接着剤A1の濡れ性が向上する。これにより、接着剤A1の接着強度を高めることができる。なお、次亜塩素酸水溶液のpH値を4以上7以下の範囲とした場合、接着剤A1の接着強度がさらに向上する。
【0045】
また、ゴム中の第2級アミン系老化防止剤の濃度は、プライマが塗布されるゴムの接着表面において1%以下であることが好ましい。ゴム中の第2級アミン系老化防止剤の濃度が1%以下である場合、接着界面付近の老化防止剤の濃度が十分低くなり、剥離接着強さが向上する。
【0046】
なお、表面処理として次亜塩素酸水溶液等による塩素化処理が施された後のゴムの接着界面では、接着界面から1μmのゴム側位置におけるハロゲン元素量が、接着界面から15μmのゴム側位置におけるハロゲン元素量の300%以上である。ゴムの接着界面におけるハロゲン元素量がこの関係を満たす場合、界面から15μmのゴム側位置にハロゲン元素が殆ど到達しなくなる。このため、ゴムが構造変化で硬化して強度が低下することを抑制できる。
【0047】
なお、ゴムの接着界面では、上記関係を満たしつつハロゲン元素が接着界面から4~5μm程度のゴム側位置まで到達している場合、接着剤A1の接着強度をより高めることができる。
【0048】
なお、タイヤT01は、任意の内部構造を有していてよい。以下に、タイヤT01の内部構造の一例を、図2を参照しつつ、説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るタイヤT01のタイヤ半部(具体的には、タイヤ赤道面CLに対する一方側の部分)を示す、タイヤ幅方向断面図である。
図2の実施形態のタイヤT01は、重荷重用空気入りタイヤ(例えば、オフ・ザ・ロード(建設車両用)空気入りタイヤ等)として構成されている。ただし、本発明の任意の実施形態のタイヤT01は、任意の種類のタイヤとして構成されてよい。
【0049】
図2に示すように、タイヤT01は、トレッド部T01tと、このトレッド部T01tのタイヤ幅方向の両端部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部T01wと、各サイドウォール部T01wのタイヤ径方向内側の端部に設けられた一対のビード部T01bと、を備えている。ビード部T01bは、タイヤT01をリムに装着したときに、タイヤ径方向内側及びタイヤ幅方向外側においてリムに接するように構成される。タイヤT01は、一対のタイヤサイド部T01sを有している。タイヤサイド部T01sは、サイドウォール部T01wとビード部T01bとを含む。
また、タイヤT01は、一対のビードコアT02と、一対のビードフィラーT03と、カーカスT05と、ベルトT06と、トレッドゴムT07と、サイドゴムT08と、インナーライナーT09と、を備えている。
【0050】
各ビードコアT02は、それぞれ、対応するビード部T01bに埋設されている。ビードコアT02は、周囲をゴムにより被覆されている複数のビードワイヤを備えている。ビードワイヤは、金属(例えばスチール)から構成されると好適であるが、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。ビードワイヤは、例えば、モノフィラメント又は撚り線からなるものとすることができる。
【0051】
各ビードフィラーT03は、それぞれ、対応するビードコアT02に対してタイヤ径方向外側に位置する。ビードフィラーT03は、タイヤ径方向外側に向かって先細状に延びている。ビードフィラーT03は、ゴムから構成される。
一般的に、ビードフィラーは、「スティフナー」と呼ばれることがある。
図2に示すように、ビードフィラーT03は、複数(図2の例では、2つ)のビードフィラー部T031、T032から構成されてもよい。これら複数のビードフィラー部T031、T032は、それぞれを構成するゴムの組成が、互いに異なる。ただし、各ビードフィラー部T031、T032は、それぞれを構成するゴムの組成が、当該ビードフィラー部T031、T032の全体にわたって実質的に同じである。これら複数のビードフィラー部T031、T032は、例えば、硬さが異なり得る。これら複数のビードフィラー部T031、T032は、例えば、タイヤ径方向に沿って配列(積層)される。例えば、これら複数のビードフィラー部T031、T032のうち、最もタイヤ径方向外側に位置するビードフィラー部T032が、他のビードフィラー部T031よりも、軟らかくてもよい。
あるいは、ビードフィラーT03は、1つのビードフィラー部のみから構成されてもよく、いいかえれば、当該ビードフィラーT03を構成するゴムの組成が、当該ビードフィラーT03の全体にわたって実質的に同じであってもよい。
【0052】
カーカスT05は、一対のビードコアT02間に跨っており、トロイダル状に延在している。カーカスT05は、1枚以上(図2の例では、1枚)のカーカスプライT05pから構成されている。各カーカスプライT05pは、1本又は複数本のカーカスコードT05cと、カーカスコードT05cを被覆する被覆ゴムT05rと、を含んでいる。カーカスコードT05cは、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。
カーカスコードT05cは、金属(例えばスチール)から構成されると好適であるが、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。
カーカスT05は、ラジアル構造であると好適であるが、バイアス構造でもよい。
【0053】
ベルトT06は、カーカスT05のクラウン部に対してタイヤ径方向外側に配置されている。ベルトT06は、1層以上(図2の例では、4層)のベルトプライT06pを備えている。各ベルトプライT06pは、1本又は複数本のベルトコードと、ベルトコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。ベルトコードは、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。ベルトコードは、金属(例えばスチール)から構成されてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。
【0054】
トレッドゴムT07は、トレッド部T01tにおいて、ベルトT06のタイヤ径方向外側に位置している。トレッドゴムT07は、トレッド部T01tのタイヤ径方向外側の面であるトレッド踏面を構成している。トレッド踏面には、トレッドパターンが形成されている。
【0055】
サイドゴムT08は、タイヤサイド部T01sに位置している。サイドゴムT08は、タイヤサイド部T01sのタイヤ表面T01f(タイヤ幅方向外側の外表面)を構成している。サイドゴムT08は、カーカスT05よりもタイヤ幅方向外側に位置している。サイドゴムT08は、ビードフィラーT03よりもタイヤ幅方向外側に位置している。サイドゴムT08は、トレッドゴムT07と一体で形成されている。
【0056】
インナーライナーT09は、カーカスT05のタイヤ内側に配置され、例えば、カーカスT05のタイヤ内側に積層されてもよい。インナーライナーT09は、例えば、空気透過性の低いブチル系ゴムで構成される。ブチル系ゴムには、例えばブチルゴム、及びその誘導体であるハロゲン化ブチルゴムが含まれる。インナーライナーT09は、ブチル系ゴムに限られず、他のゴム組成物、樹脂、又はエラストマーで構成することができる。
【0057】
図2に示すように、タイヤT01は、タイヤ径方向におけるカーカスT05とトレッドゴムT07との間に、クッションゴムT10を備えていてもよい。クッションゴムT10は、図2の例のように、ベルトT06のタイヤ幅方向端部の近傍に位置していてもよい。
【0058】
図2に示すように、タイヤT01は、各ビード部T01bにおける、リムと接触するように構成された部分において、ゴムチェーファーT11を備えていてもよい。
【0059】
図2に示すように、タイヤT01は、各ビードコアT02の周りに、1枚又は複数枚(図2の例では、1枚)のワイヤーチェーファーT14を備えていてもよい。ワイヤーチェーファーT14は、図2の例のように、カーカスT05に対してビードコアT02とは反対側に配置されていてもよい。ワイヤーチェーファーT14は、金属(例えばスチール)から構成される。
図2に示すように、タイヤT01は、各ビードコアT02の周りに、1枚又は複数枚(図2の例では、2枚)のナイロンチェーファーT13を備えていてもよい。ナイロンチェーファーT13は、図2の例のように、カーカスT05に対してビードコアT02とは反対側に配置されていてもよい。ナイロンチェーファーT13は、ナイロンから構成される。
なお、図2の例において、各ナイロンチェーファーT13は、ワイヤーチェーファーT14に対してビードコアT02とは反対側に配置されている。
【0060】
図2に示すように、タイヤT01は、各タイヤ半部において、タイヤ幅方向におけるビードフィラーT03とサイドゴムT08との間に、ハットゴムT12を備えていてもよい。
図2の例において、ハットゴムT12は、タイヤ幅方向におけるビードフィラーT03と各ナイロンチェーファーT13との間に配置されている。
【0061】
タイヤT01は、通信装置としてのRFタグ10を備えてよい。RFタグ10は、ICチップとアンテナとを備える。RFタグ10は、例えば、タイヤT01を構成する同種又は異種の複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、タイヤT01生産時にRFタグ10を取り付け易く、RFタグ10を備えるタイヤT01の生産性を向上させることができる。図2の例のように、RFタグ10は、例えば、ビードフィラーT03と、ビードフィラーT03に隣接するその他の部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。
RFタグ10は、タイヤT01を構成するいずれかの部材内に埋設されていてもよい。このようにすることで、タイヤT01を構成する複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置される場合と比較して、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグ10は、例えば、トレッドゴムT07、サイドゴムT08等のゴム部材内に埋設されてよい。
RFタグ10は、タイヤ幅方向断面視でのタイヤ外面に沿う方向であるペリフェリ長さ方向において、剛性の異なる部材の境界となる位置に、配置されないことが好ましい。このようにすることで、RFタグ10は、剛性段差に基づき歪みが集中し易い位置に、配置されない。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向断面視でカーカスT05の端部と、このカーカスT05の端部に隣接する部材(例えばサイドゴムT08等)と、の境界となる位置に配置されないことが好ましい。
RFタグ10の数は特に限定されない。タイヤT01は、1個のみのRFタグ10を備えてもよく、2個以上のRFタグ10を備えてもよい。ここでは、通信装置の一例として、RFタグ10を例示説明しているが、RFタグ10とは異なる通信装置であってもよい。
【0062】
RFタグ10は、例えば、タイヤT01のトレッド部T01tに配置されてよい。このようにすることで、RFタグ10は、タイヤT01のサイドカットにより損傷しない。
RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド中央部に配置されてよい。トレッド中央部は、トレッド部T01tにおいて撓みが集中し難い位置である。このようにすることで、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。また、タイヤ幅方向でのタイヤT01の両外側からのRFタグ10との通信性に差が生じることを抑制できる。本例では、RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面CLを中心としてトレッド幅の1/2の範囲内に配置されてよい。
RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド端部に配置されてもよい。RFタグ10と通信するリーダーの位置が予め決まっている場合には、RFタグ10は、例えば、このリーダーに近い一方側のトレッド端部に配置されてよい。本例では、RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド端を外端とする、トレッド幅の1/4の範囲内に配置されてよい。
【0063】
RFタグ10は、例えば、ビード部T01b間に跨る、1枚以上のカーカスプライT05pを含むカーカスT05より、タイヤ内腔側に配置されてよい。このようにすることで、タイヤT01の外部から加わる衝撃や、サイドカットや釘刺さりなどの損傷に対して、RFタグ10が損傷し難くなる。一例として、RFタグ10は、カーカスT05のタイヤ内腔側の面に密着して配置されてよい(図2の点P32参照。)。別の一例として、カーカスT05よりタイヤ内腔側に別の部材がある場合に、RFタグ10は、例えば、カーカスT05と、このカーカスT05よりタイヤ内腔側に位置する別の部材と、の間に配置されてもよい。カーカスT05よりタイヤ内腔側に位置する別の部材としては、例えば、タイヤ内面を形成するインナーライナーT09が挙げられる。別の一例として、RFタグ10は、タイヤ内腔に面するタイヤ内面に取り付けられていてもよい(図2の点P31、P33、P34参照。)。RFタグ10が、タイヤ内面に取り付けられる構成とすることで、RFタグ10のタイヤT01への取り付け、及び、RFタグ10の点検・交換が行い易い。つまり、RFタグ10の取り付け性及びメンテナンス性を向上させることができる。また、RFタグ10が、タイヤ内面に取り付けられることで、RFタグ10をタイヤT01内に埋設する構成と比較して、RFタグ10がタイヤ故障の核となることを防ぐことができる。
また、カーカスT05が、複数枚のカーカスプライT05pを備え、複数枚のカーカスプライT05pが重ねられている位置がある場合に、RFタグ10は、重ねられているカーカスプライT05pの間に配置されていてもよい。
【0064】
RFタグ10は、例えば、タイヤT01のトレッド部T01tで、1枚以上のベルトプライT06pを含むベルトT06より、タイヤ径方向の外側に配置されてよい。一例として、RFタグ10は、ベルトT06に対してタイヤ径方向の外側で、当該ベルトT06に密着して配置されてよい(図2の点P43参照。)。また、別の一例として、ベルト補強層を備える場合、当該ベルト補強層に対してタイヤ径方向の外側で、当該ベルト補強層に密着して配置されてよい。また、別の一例として、RFタグ10は、ベルトT06よりタイヤ径方向の外側で、トレッドゴムT07内に埋設されていてもよい(図2の点P41参照。)。RFタグ10が、タイヤT01のトレッド部T01tで、ベルトT06よりタイヤ径方向の外側に配置されることで、タイヤ径方向でのタイヤT01の外側からのRFタグ10との通信が、ベルトT06により阻害され難い。そのため、タイヤ径方向でのタイヤT01の外側からのRFタグ10との通信性を向上させることができる。
また、RFタグ10は、例えば、タイヤT01のトレッド部T01tで、ベルトT06よりタイヤ径方向の内側に配置されていてもよい。このようにすることで、RFタグ10のタイヤ径方向の外側がベルトT06に覆われるため、RFタグ10は、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。この一例として、RFタグ10は、タイヤT01のトレッド部T01tで、ベルトT06と、当該ベルトT06よりタイヤ径方向の内側に位置するカーカスT05と、の間に配置されてよい(図2の点P44参照。)。
また、ベルトT06が、複数枚のベルトプライT06pを備える場合に、RFタグ10は、タイヤT01のトレッド部T01tで、任意の2枚のベルトプライT06pの間に配置されてよい(図2の点P42参照。)。このようにすることで、RFタグ10のタイヤ径方向の外側が1枚以上のベルトプライT06pに覆われるため、RFタグ10は、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。
【0065】
RFタグ10は、例えば、クッションゴムT10と、トレッドゴムT07との間やクッションゴムT10と、サイドゴムT08と、の間に挟み込まれて配置されてよい(図2の点P51、53参照。)。このようにすることで、RFタグ10への衝撃を、クッションゴムT10により緩和できる。そのため、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
また、RFタグ10は、例えば、クッションゴムT10内に埋設されていてもよい。更に、クッションゴムT10は、隣接する同種又は異種の複数のゴム部材から構成されてよい。かかる場合に、RFタグ10は、クッションゴムT10を構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されてもよい(図2の点P52参照。)。
この構成は、タイヤT01が重荷重用空気入りタイヤ(例えば、トラック・バス用空気入りタイヤ、オフ・ザ・ロード(建設車両用)空気入りタイヤ等)である場合に、特に好適である。
【0066】
RFタグ10は、例えば、タイヤT01のサイドウォール部T01w又はビード部T01bの位置に配置されてよい。RFタグ10は、例えば、RFタグ10と通信可能なリーダーに対して近い一方側のサイドウォール部T01w又は一方側のビード部T01bに配置されてよい。このようにすることで、RFタグ10とリーダーとの通信性を高めることができる。一例として、RFタグ10は、カーカスT05と、サイドゴムT08と、の間やトレッドゴムT07とサイドゴムT08と、の間に配置されてよい(図2の点P61、P63参照。)。
RFタグ10は、例えば、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅となる位置と、トレッド面の位置と、の間に配置されてよい。このようにすることで、RFタグ10がタイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側に配置される構成と比較して、タイヤ径方向でのタイヤT01の外側からのRFタグ10との通信性を高めることができる。
RFタグ10は、例えば、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側に配置されていてもよい。このようにすることで、RFタグ10は、剛性の高いビード部T01b近傍に配置される。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。一例として、RFタグ10は、ビードコアT02とタイヤ径方向又はタイヤ幅方向で隣接する位置に配置されてよい(図2の点P62参照。)。ビードコアT02近傍は歪みが集中し難い。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
特に、RFタグ10は、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側であって、かつ、ビード部T01bのビードコアT02よりタイヤ径方向の外側の位置に配置されることが好ましい。このようにすることで、RFタグ10の耐久性を向上させることができるとともに、RFタグ10とリーダーとの通信が、ビードコアT02により阻害され難く、RFタグ10の通信性を高めることができる。
また、サイドゴムT08がタイヤ径方向に隣接する同種又は異種の複数のゴム部材から構成されている場合に、RFタグ10は、サイドゴムT08を構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
【0067】
RFタグ10は、スティフナーT03と、このスティフナーT03に隣接する部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、スティフナーT03を配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグ10を配置することができる。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。RFタグ10は、例えば、スティフナーT03と、サイドゴムT08と、の間に挟み込まれて配置されてよい(図2の点P74参照。)。
また、RFタグ10は、例えば、スティフナーT03と、カーカスT05と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(図2の点P72参照。)。カーカスT05のうちスティフナーT03と共にRFタグ10を挟み込む部分は、スティフナーT03に対してタイヤ幅方向の外側に位置してもよく、タイヤ幅方向の内側に位置してもよい。カーカスT05のうちスティフナーT03と共にRFタグ10を挟み込む部分が、スティフナーT03に対してタイヤ幅方向の外側に位置する場合には、タイヤ幅方向のタイヤT01の外側からの衝撃や損傷により、RFタグ10に加わる負荷を、より低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を、より向上させることができる。
スティフナーT03は、ゴムチェーファーT11と隣接して配置されている部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、スティフナーT03と、ゴムチェーファーT11と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
スティフナーT03は、タイヤ幅方向の外側でハットゴムT12に隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、スティフナーT03と、ハットゴムT12と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(図2の点P71参照。)。
スティフナーT03は、硬さの異なる複数のゴム部材から構成されてよい。かかる場合に、RFタグ10は、スティフナーT03を構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されていてもよい(図2の点P73参照。)。
RFタグ10は、ハットゴムT12と、このハットゴムT12に隣接する部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。RFタグ10は、例えば、ハットゴムT12と、カーカスプライT05pと、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、RFタグ10への衝撃を、ハットゴムT12により緩和できる。そのため、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
この構成は、タイヤT01が重荷重用空気入りタイヤ(例えば、トラック・バス用空気入りタイヤ、オフ・ザ・ロード(建設車両用)空気入りタイヤ等)である場合に、特に好適である。
【0068】
RFタグ10は、例えば、ゴムチェーファーT11と、サイドゴムT08と、の間に挟み込まれて配置されてよい(図2の点P8参照。)。このようにすることで、ゴムチェーファーT11を配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグ10を配置することができる。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
RFタグ10は、例えば、ゴムチェーファーT11と、カーカスT05と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、リムから加わる衝撃や損傷により、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。そのため、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
【0069】
RFタグ10は、ナイロンチェーファーT13と、このナイロンチェーファーT13のタイヤ幅方向の外側又は内側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、タイヤ変形時に、RFタグ10の位置が変動し難くなる。そのため、タイヤ変形時にRFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
ナイロンチェーファーT13は、例えば、タイヤ幅方向外側で、ゴムチェーファーT11と隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、ナイロンチェーファーT13と、ゴムチェーファーT11と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(図2の点P101参照。)。ナイロンチェーファーT13は、例えば、タイヤ幅方向外側で、サイドゴムT08と隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、ナイロンチェーファーT13と、サイドゴムT08と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(図2の点P91参照。)。
ナイロンチェーファーT13は、例えば、タイヤ幅方向内側で、スティフナーT03と隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、ナイロンチェーファーT13と、スティフナーT03と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。また、ナイロンチェーファーT13は、例えば、タイヤ幅方向内側で、ハットゴムT12と隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、ナイロンチェーファーT13と、ハットゴムT12と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(図2の点P92参照。)。更に、ナイロンチェーファーT13は、例えば、タイヤ幅方向内側で、カーカスT05と隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、ナイロンチェーファーT13と、カーカスT05と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。更に、ナイロンチェーファーT13は、例えば、タイヤ幅方向内側で、ワイヤーチェーファーT14と隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、ナイロンチェーファーT13と、ワイヤーチェーファーT14と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
このように、RFタグ10は、ナイロンチェーファーT13と、このナイロンチェーファーT13のタイヤ幅方向の外側又は内側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてよい。特に、RFタグ10のタイヤ幅方向外側が、ナイロンチェーファーT13に覆われることで、タイヤ幅方向でのタイヤの外側からの衝撃や損傷により、RFタグ10に加わる負荷を、より低減できる。そのため、RFタグ10の耐久性を、より向上させることができる。
この構成は、タイヤT01が重荷重用空気入りタイヤ(例えば、トラック・バス用空気入りタイヤ、オフ・ザ・ロード(建設車両用)空気入りタイヤ等)である場合に、特に好適である。
【0070】
RFタグ10は、ワイヤーチェーファーT14と、このワイヤーチェーファーT14のタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(図2の点P102参照。)。このようにすることで、タイヤ変形時に、RFタグ10の位置が変動し難くなる。そのため、タイヤ変形時にRFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。ワイヤーチェーファーT14がタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、ゴムチェーファーT11などのゴム部材であってよい。また、ワイヤーチェーファーT14がタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、カーカスT05であってもよい。
【実施例0071】
タイヤ補修方法の比較例1、実施例1~7について、実験により評価したので、以下に説明する。
各比較例、実施例では、同じ種類及びタイヤサイズのタイヤを用いた。
各比較例、実施例におけるタイヤ補修方法や亀裂Kの詳細は、表1に示すとおりである。
比較例1においては、亀裂Kを補修しなかった。
実施例1~5においては、ステープルステップのみを行った。
実施例6~7においては、接着剤入れ込みステップと、その後のステープルステップと、を行った。接着剤入れ込みステップで亀裂K内に入れ込んだ接着剤A1は、亀裂K内の空間のうちタイヤ表面T01f側の部分のみを占め、ひいては、接着剤A1の深さが、亀裂Kの深さよりも浅かった。
表1において、ステープル針Sの「脚部SLの表面粗さ」は、脚部SLの表面粗さとして求めた算術平均高さSaを、指数値に換算して示している。この指数値は、その値が高いほど、表面粗さが大きい(すなわち、より粗い)ことを表している。
各比較例、実施例において、補修後にタイヤを車両に装着し、所定条件下で車両を走行させ、その後、亀裂Kの深さ方向の進展量を測定し、その測定結果に基づいて、タイヤ補修方法による亀裂進展抑制効果を評価した。その結果を表1に示す。なお、亀裂進展抑制効果の評価は、優、良、可、不可の4段階で行った。亀裂進展抑制効果が高い順番は、優>良>可>不可である。
【0072】
【表1】
【0073】
表1からわかるように、実施例1~7は、比較例1に比べて、高い亀裂進展抑制効果が得られた。
【0074】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
持続可能な社会の実現に向けて、SDGsが提唱されている。本発明の一実施形態は「No.12_つくる責任、つかう責任」および「No.13_気候変動に具体的な対策を」などに貢献する技術となり得ると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係るタイヤ補修方法、及び、タイヤは、任意の種類の空気入りタイヤに好適に利用でき、例えば、重荷重用空気入りタイヤ(例えば、オフ・ザ・ロード(建設車両用)空気入りタイヤ等)に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0076】
T01:タイヤ
T01t:トレッド部、 T01w:サイドウォール部、 T01b:ビード部、 T01s:タイヤサイド部、 T01f:タイヤ表面、
T02:ビードコア、
T03:ビードフィラー(スティフナー)、 T031、T032:ビードフィラー部、
T05:カーカス、 T05p:カーカスプライ、 T05c:カーカスコード、 T05r:被覆ゴム、
T06:ベルト、 T06p:ベルトプライ、
T07:トレッドゴム、
T08:サイドゴム、
T09:インナーライナー、
T10:クッションゴム、
T11:ゴムチェーファー、
T12:ハットゴム、
T13:ナイロンチェーファー、
T14:ワイヤーチェーファー、
CL:タイヤ赤道面、
10:RFタグ
K:亀裂、
S:ステープル針、 SL:脚部、 SH:返し、 SU:凹凸部、 ST:先端部、 SB:連結部、
A1、A2:接着剤

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8