(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176996
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】歯科修復体接着構造の応力測定装置及び使用方法
(51)【国際特許分類】
G01N 3/00 20060101AFI20241212BHJP
G01N 3/04 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01N3/00 Q
G01N3/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106743
(22)【出願日】2023-06-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】202310682294.X
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520448452
【氏名又は名称】浙大城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】譚 偉
(72)【発明者】
【氏名】湯 慧萍
(72)【発明者】
【氏名】斉 歓
(72)【発明者】
【氏名】林 鶴
(72)【発明者】
【氏名】▲しん▼ 旺
(72)【発明者】
【氏名】郭 卉君
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】蒋 雨霊
(72)【発明者】
【氏名】楊 尚▲いぇ▼
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA01
2G061AA11
2G061AA17
2G061AB03
2G061BA04
2G061CA20
2G061CB18
2G061DA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】歯科修復体接着構造の応力測定装置及び使用方法を提供する。
【解決手段】同じ構造の第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリを含み、第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリは、中心対称の方式で組み立てられ、第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリの間に歯科修復体接着構造が組み立てられており、第一の負荷アセンブリ及び第二の負荷アセンブリにそれぞれいくつかの負荷孔72が設置され、異なる負荷孔72に負荷ブロック1、10を組み立てることで歯科修復体接着構造に対して異なる引張剪断組み合わせ応力状態での力学的性能テストを行い、異なる引張剪断組み合わせ応力状態での破損強度を測定することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科修復体接着構造の応力測定装置であって、同じ構造の第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリを含み、第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリは、中心対称の方式で組み立てられ、第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリとの間に歯科修復体接着構造が組み立てられており、
第一の負荷アセンブリは、平行に設置される二枚の第一の円弧形鋼片を含み、二枚の第一の円弧形鋼片は、取り外し可能に接続され、第二の負荷アセンブリは、平行に設置される二枚の第二の円弧形鋼片を含み、二枚の第二の円弧形鋼片は、取り外し可能に接続され、
第一の円弧形鋼片の直角辺側に第一の凹溝が設置され、第二の円弧形鋼片の直角辺側に第二の凹溝が設置され、歯科修復体接着構造は、第一の凹溝と第二の凹溝との間に設置され、
第一の円弧形鋼片、第二の円弧形鋼片にいずれも円弧の周方向に沿って複数の負荷孔が設置され、負荷ブロックを異なる位置の負荷孔に接続することにより、歯科修復体接着構造に対する異なる角度の荷重の印加を実現する、ことを特徴とする歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項2】
前記歯科修復体接着構造は、抜去歯と抜去歯の頂面に鉛直に接着される接着ブロックを含み、抜去歯を包埋するための角形容器をさらに含み、接着ブロックは、第一の負荷アセンブリ側に設置され、角形容器は、第二の負荷アセンブリ側に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項3】
接着ブロックは、二枚の第一の円弧形鋼片の間に設置され、接着ブロックは、第一の凹溝側に設置され、角形容器は、二枚の第二の円弧形鋼片の間に設置され、角形容器は、第二の凹溝側に設置される、ことを特徴とする請求項2に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項4】
第一の負荷アセンブリに接着ブロックの位置を限定するための第一のストッパアセンブリが設置され、第一のストッパアセンブリは、第一のストッパブロックと第一のストッパクランプブロックを含み、接着ブロックは、第一のストッパブロックと第一のストッパクランプブロックの間に設置され、第二の負荷アセンブリに前記角形容器の位置を限定するための第二のストッパアセンブリが設置され、第二のストッパアセンブリは、第二のストッパブロックと第二のストッパクランプブロックを含み、角形容器は、第二のストッパブロックと第二のストッパクランプブロックとの間に設置される、ことを特徴とする請求項2に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項5】
第一のストッパブロックと第二のストッパブロックはいずれも扇形形状であり、扇形形状のなす角は90°である、ことを特徴とする請求項2に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項6】
第一のストッパクランプブロックは、矩形形状であり、第一のストッパクランプブロックの接着ブロックに近い側に接着ブロックの側壁に平行な第一の帯状スリットが設置され、第一の帯状スリットの長さが第一のストッパクランプブロックの長さよりも短く、第一のストッパクランプブロックに第一の調節ボルトがさらに設置され、第一の調節ボルトは、第一のストッパクランプブロックを水平に貫通して設置される、ことを特徴とする請求項4に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項7】
第二のストッパクランプブロックの構造は、第一のストッパクランプブロックの構造と同じであり、第二のストッパクランプブロックに第二の帯状スリットと第二の調節ボルトが設置される、ことを特徴とする請求項6に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項8】
第一の負荷アセンブリは、少なくとも一つの第一の負荷ブロックを含み、第一の円弧形鋼片に複数の第一の負荷孔が設置され、第一の負荷ブロックは、いずれか一つの第一の負荷孔と組み立てることができ、第一の負荷ブロックは、歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用され、
第二の負荷アセンブリは、少なくとも一つの第二の負荷ブロックを含み、第二の円弧形鋼片に複数の第二の負荷孔が設置され、第二の負荷ブロックは、いずれか一つの第二の負荷孔と組み立てることができ、第二の負荷ブロックは、歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用され、第一の負荷ブロックと第二の負荷ブロックの数は、それぞれKで表し、ここで、K≧1である、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項9】
第一の負荷ブロックは、二枚の第一の円弧形鋼片の間に挟まれ、第一の負荷ブロックは、いずれか一つの第一の負荷孔に取り外し可能に接続され、第二の負荷ブロックは、二枚の第二の円弧形鋼片の間に挟まれ、第二の負荷ブロックは、いずれか一つの第二の負荷孔に取り外し可能に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項10】
請求項8に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置の使用方法であって、以下のステップを含み、
s1、歯科修復体接着構造を製造し、接着ブロックは抜去歯の頂面と接着ゲル層を形成し、
s2、歯科修復体接着構造をそれぞれ第一の負荷アセンブリ、第二の負荷アセンブリに接続し、いくつかの第一の負荷孔を反時計回りの順にφ
1、φ
2、・・・、φ
nと表記し、
s3、負荷孔の位置を調整し、第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリの両端をそれぞれ引張試験機の両端に接続し、接着ゲル層の強度テストを行い、第一の負荷ブロックの数と第二の負荷ブロックの数は、異なる数の組み合わせが可能であり、
s4、歯科修復体接着構造の受力角度を変えることで、複数組の異なる角度の引張剪断応力状態での接着ゲル層の強度テストを行い、対応する接着ゲル層の破損強度を得ることができ、
式において、Sは、接着ゲル層の破損強度であり、Fは、破損荷重であり、Bは、接着ゲル層の面積であり、αは、L
nとL
1との間のなす角であり、Mは、接着ゲル層が受ける引張応力であり、Nは、接着ゲル層が受ける剪断応力であり、L
nは、φ
nの円心から接着ゲル層の円心O点までの投影直線距離であり、L
1は、φ
1とO点との直線距離を表し、ここで、φ
1は、接着ゲル層の中間面と同一平面に位置し、複数組のM、Nのデータを記録する、歯科修復体接着構造の応力測定装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応力測定装置の技術分野に属し、具体的には、歯科修復体接着構造の応力測定装置及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯修復体は、実際の応用中に、修復体の接着ゲル層の内部は、主に、剪断応力、引張応力、圧縮応力及び湾曲応力を含む様々なタイプの応力を受ける。ここで、剪断応力については、修復体と歯の表面の間に剪断応力を受けると、剪断応力が接着ゲル層によって伝達され、剪断応力が接触面に平行である。引張応力は、修復体と歯の表面の間の接着ゲル層に発生し、修復体が引っ張られると、接着ゲル層に引張応力が発生し、圧縮応力は、修復体と歯の表面の間が圧縮応力の作用を受けると、接着ゲル層に応力が発生し、湾曲応力は、修復体が湾曲する時、接着ゲル層に応力が発生する。これらの応力は、相互作用し、複雑な応力分布を引き起こす可能性があり、接着ゲル層の安定性と歯修復体の寿命に影響を与える可能性がある。そのため、接着剤を選択して使用する時、これらの応力の影響を考慮し、選ばれた接着剤が異なるタイプの応力で安定した接着を提供できることを確保する必要がある。
【0003】
歯修復体と歯の間の接着ゲル層が比較的薄いため、垂直作用力は、ゲル層に主に接着ゲル層に垂直な法線方向の引張応力を発生させ、剪断作用力は、接着ゲル層に主に接着ゲル層に平行な接線方向の剪断応力を発生させ、他の作用力によって接着ゲル層に発生する応力成分も接着ゲル層の法線方向の引張応力と接線方向の剪断応力を主とする。そのため、接着ゲル層の法線方向の引張応力と接線方向の剪断応力を接着構造の強度チェックの評価根拠とし、異なる引張剪断応力状態での接着ゲル層の破損強度をテストする必要がある。
【0004】
歯科修復体の接着強度をテストする通常の方法は、剪断接着強度テストである。そのうちの接着試験体の製造装置を採用して接着性能テストサンプルの製造を行い、そして試料を万能材料試験機の特製治具に固定し、負荷ヘッドを調整して象牙質の接着ゲル層に密着させ、修復体が歯の表面から剥離するまで、負荷力の方向を接着ゲル層と平行にして、試験機は、試料の破断破損時の力の値を自動的に記録するが、上記方法は、歯科修復体接着構造の剪断性能を主にテストする。そしてこの標準接着構造を採用することは、負荷力の方向が接着ゲル層と平行になるように非常に高い製造要求を必要とし、接着構造の製造時に加工誤差があると、負荷力が接着ゲル層と平行にならず、接着ゲル層の受力が混雑で、テストの精度に大きく影響する。
【0005】
現在、歯科修復体接着構造に対して異なる引張剪断組み合わせ応力状態での力学的性能テストを行うことができる該当する試験装置がまだなく、歯科修復体接着構造の応力をどのようにテストするかが早急に解決すべき課題となっている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、現在、歯科修復体接着構造に対して異なる引張剪断組み合わせ応力状態での力学的性能テストを行うことができる該当する試験装置がまだないという従来の技術に存在する技術欠陥に対して、歯科修復体接着構造の応力測定装置及び使用方法を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を実現するために、本発明が採用する技術案は、以下の通りであり、
歯科修復体接着構造の応力測定装置であって、同じ構造の第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリを含み、前記第一の負荷アセンブリと前記第二の負荷アセンブリは、中心対称の方式で組み立てられ、前記第一の負荷アセンブリと前記第二の負荷アセンブリの間に歯科修復体接着構造が組み立てられており、
前記第一の負荷アセンブリは、平行に設置される二枚の第一の円弧形鋼片を含み、二枚の前記第一の円弧形鋼片は、取り外し可能に接続され、前記第二の負荷アセンブリは、平行に設置される二枚の第二の円弧形鋼片を含み、二枚の前記第二の円弧形鋼片は、取り外し可能に接続され、
前記第一の円弧形鋼片の直角辺側に第一の凹溝が設置され、前記第二の円弧形鋼片の直角辺側に第二の凹溝が設置され、前記歯科修復体接着構造は、前記第一の凹溝と前記第二の凹溝との間に設置され、
前記第一の円弧形鋼片、前記第二の円弧形鋼片にいずれも円弧の周方向に沿って複数の負荷孔が設置され、負荷ブロックを異なる位置の前記負荷孔に接続することにより、前記歯科修復体接着構造に対する異なる角度の荷重の印加を実現する。
【0008】
本発明の技術案では、歯科修復体接着構造の応力測定装置を提供し、この装置は、互いに嵌合する二つの負荷アセンブリに複数の負荷孔を設置することにより、負荷ブロックが異なる位置の負荷孔と嵌合できるようにし、さらに歯科修復体接着構造に対して異なる引張剪断組み合わせ応力状態での力学的性能テストを実現し、異なる引張剪断組み合わせ応力状態での破損強度をテストする。接着ゲル層の強度チェックにより豊富で正確なデータサポートを提供する。
【0009】
本発明の好ましい技術案として、前記歯科修復体接着構造は、抜去歯と前記抜去歯の頂面に鉛直に接着される接着ブロックを含み、前記抜去歯を包埋するための角形容器をさらに含み、前記接着ブロックは、第一の負荷アセンブリ側に設置され、前記角形容器は、前記第二の負荷アセンブリ側に設置される。
【0010】
具体的には、抜去歯を取り、流水で歯の長軸を洗い流し、エナメル層を均一に研磨除去し、完全象牙質接着試験片を製作し、樹脂で抜去歯を角形容器に包埋し、樹脂材料を硬化させた後に、露出した象牙質は、サンドペーパーで磨いて平滑度の比較的に良い接着上面が得られる。
【0011】
3Dプリント法又は機械加工法を採用して接着ブロックが製造され、抜去歯の上面の接着領域に接着剤を塗布し、そして接着ブロックを抜去歯の上面の接着領域に垂直に接着すると、歯科修復体接着構造が形成される。
【0012】
本発明の好ましい技術案として、前記接着ブロックは、二枚の第一の円弧形鋼片の間に設置され、前記接着ブロックは、第一の凹溝側に設置され、前記接着ブロックは、第一の接続ピンによって前記第一の円弧形鋼片に固定され、前記角形容器は、二枚の第二の円弧形鋼片の間に設置され、前記角形容器は、第二の凹溝側に設置され、前記角形容器は、第二の接続ピンによって前記第二の円弧形鋼片に固定される。
【0013】
本発明の好ましい技術案として、前記第一の負荷アセンブリに前記接着ブロックの位置を限定するための第一のストッパアセンブリが設置され、前記第一のストッパアセンブリは、第一のストッパブロックと第一のストッパクランプブロックを含み、前記接着ブロックは、前記第一のストッパブロックと第一のストッパクランプブロックの間に設置され、
前記第二の負荷アセンブリに前記角形容器の位置を限定するための第二のストッパアセンブリが設置され、前記第二のストッパアセンブリは、第二のストッパブロックと第二のストッパクランプブロックを含み、前記角形容器は、前記第二のストッパブロックと第二のストッパクランプブロックとの間に設置される。
【0014】
本発明の好ましい技術案として、前記第一のストッパブロックと前記第二のストッパブロックはいずれも扇形形状であり、前記扇形形状のなす角は90°であり、前記第一のストッパブロックと前記第一の円弧形鋼片は、少なくとも二つの第一の締結具によって接続され、前記第二のストッパブロックと前記第二の円弧形鋼片は、少なくとも二つの第一の締結具によって接続される。
【0015】
本発明の好ましい技術案として、前記第一のストッパクランプブロックは、矩形形状であり、前記第一のストッパクランプブロックの前記接着ブロックに近い側に前記接着ブロックの側壁に平行な第一の帯状スリットが設置され、前記第一の帯状スリットの長さが前記第一のストッパクランプブロックの長さよりも短く、前記第一のストッパクランプブロックに第一の調節ボルトがさらに設置され、前記調節ボルトは、前記第一のストッパクランプブロックを水平に貫通して設置され、前記第一の調節ボルトは、第一の帯状スリットのスリット幅を調節することにより、前記接着ブロックの正確な位置決めを実現する。
【0016】
本発明の好ましい技術案として、前記第二のストッパクランプブロックの構造は、前記第二のストッパクランプブロックの構造と同じであり、前記第二のストッパクランプブロックに第二の帯状スリットと第二の調節ボルトが設置され、前記第二の調節ボルトは、第二の帯状スリットのスリット幅を調節することにより、前記角形容器の正確な位置決めを実現する。
【0017】
本発明の好ましい技術案として、前記第一のストッパクランプブロックと前記第一の円弧形鋼片は、少なくとも二つの第二の締結具によって接続され、前記第二のストッパクランプブロックと前記第二の円弧形鋼片は、少なくとも二つの第二の締結具によって固定される。
【0018】
前記第一の締結具と前記第二の締結具は、いずれも締結ボルトであり、第一のストッパアセンブリ又は第二のストッパアセンブリの接続の安定性とストッパの正確性を保証するために使用される。
【0019】
引張実験中に、接着ブロックは、主にストッパクランプブロックに対して圧力を印加し、ストッパクランプブロックと接着ブロックの間に隙間があると、接着ゲル層の受力形式に影響を与え、本発明の好ましい方式として、前記ストッパクランプブロックに前記接着ブロック又は角形容器に平行な帯状スリットが設置され、前記帯状スリットは、ワイヤーカット又は機械加工の方式によってスリットを加工し、前記ストッパクランプブロックを前記接着ブロック側に近接させてシート構造を形成し、前記帯状スリットが前記ストッパクランプブロックを完全に貫通しておらず、前記ストッパクランプブロックの側部に前記シート構造を微調整ための回転ボルトがさらに設置され、前記接着ブロックの正確な位置決めを実現する。
【0020】
本発明の好ましい技術案として、前記第一の負荷アセンブリは、少なくとも一つの第一の負荷ブロックを含み、前記第一の円弧形鋼片に複数の第一の負荷孔が設置され、前記第一の負荷ブロックは、いずれか一つの前記第一の負荷孔と組み立てることができ、前記第一の負荷ブロックは、前記歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用され、
前記第二の負荷アセンブリは、少なくとも一つの第二の負荷ブロックを含み、前記第二の円弧形鋼片に複数の第二の負荷孔が設置され、前記第二の負荷ブロックは、いずれか一つの前記第二の負荷孔と組み立てることができ、前記第二の負荷ブロックは、前記歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用される。
【0021】
本発明の好ましい技術案として、前記第一の負荷ブロックは、二枚の前記第一の円弧形鋼片の間に挟まれ、前記第一の負荷ブロックは、いずれか一つの前記第一の負荷孔と第三の接続ピンによって接続可能であり、前記第二の負荷ブロックは、二枚の前記第二の円弧形鋼片の間に挟まれ、前記第二の負荷ブロックは、いずれか一つの前記第二の負荷孔と第四の接続ピンによって接続可能である。
【0022】
前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックは、引張試験機を接続するために使用される。
【0023】
より好ましくは、前記第一の負荷アセンブリは、二つの第一の負荷ブロックを含み、二つの前記第一の負荷ブロックは、それぞれ異なる第一の負荷孔と嵌合し、二つの前記第一の負荷ブロックは、前記歯科修復体接着構造の異なる角度に同時に負荷を印加するために使用され、
前記第二の負荷アセンブリは、二つの第二の負荷ブロックを含み、二つの前記第二の負荷ブロックは、それぞれ異なる第二の負荷孔と嵌合し、二つの前記第二の負荷ブロックは、前記歯科修復体接着構造の異なる角度に同時に負荷を印加するために使用され、
ここで、第一の円弧形鋼片の円心は第二の円弧形鋼片の円心と重なる。二つの第一の負荷ブロックと二つの第二の負荷ブロックは、それぞれ円弧形鋼片の円心を中心に180°回転対称であり、ここで、二つの第一の負荷ブロックは、A1、A2で表記し、二つの第二の負荷ブロックは、B1、B2で表記し、A1、B1の中心軸を結ぶ線が円弧形鋼片の円心を通り、A2、B2の中心軸を結ぶ線が円弧形鋼片の円心を通る。前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックは、前記歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用される。
【0024】
好ましくは、二つの前記第一の負荷ブロックと二つの前記第二の負荷ブロックがそれぞれ引張試験機に接続されると、負荷を印加し、接着ゲル層の内部が受けた引張応力と剪断応力が任意の値となるように制御することができるため、任意の応力状態での接着構造の受力状況をシミュレーションすることができる。
【0025】
二つの前記第一の負荷ブロックがそれぞれ引張試験機に接続されると、二つの前記第二の負荷ブロックも同時に引張試験機に接続され、第一の負荷ブロックA1と第二の負荷ブロックB1の中心軸を結ぶ線の方向に引張力を印加するとともに、第一の負荷ブロックA2と第二の負荷ブロックB2の中心軸を結ぶ線の方向に動的荷重を印加することにより、一つの方向に引張力を受けると同時に別の方向に疲労荷重を受けるという特殊な場合の応力状態をシミュレーションすることもできる。
【0026】
本発明の好ましい技術案として、前記第一の負荷ブロックの外部に第一のU型接続部材が接続され、前記第二の負荷ブロックの外部に第二のU型接続部材が接続され、前記第一のU型接続部材と前記第二のU型接続部材の頂部に接続ボルトがそれぞれ設置され、前記接続ボルトは、引張試験機を接続するために使用される。
【0027】
好ましくは、K(K>2)個の第一の負荷ブロックの負荷、K(K>2)個の第二の負荷ブロックの負荷を行うこともでき、K>2個の第一の負荷ブロックを(A1、A2、A3...)で表記し、K>2第二の負荷ブロックを(B1、B2、B3...)で表記し、
上記このような場合、より特殊な応力状況をシミュレーションするために使用され、
K=3の場合、A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向に引張力を印加するとともに、A2、B2の中心軸を結ぶ線の方向に引張力を印加し、さらに、A3とB3の中心軸を結ぶ線の方向に動的荷重を印加する。複数の応力の印加角度は、引張応力と剪断応力の大きさにも影響を与え、複数組の負荷ブロックの間の角度関係を分析し、計算式と合わせて引張応力と剪断応力の数値が得られる。
【0028】
歯科修復体接着構造の応力測定装置の使用方法は、以下のステップを含み、
ステップ1、歯科修復体接着構造を製造し、前記接着ブロックは前記抜去歯の頂面と接着ゲル層を形成し、アルファベットBで接着ゲル層の面積を表し、具体的には、まず抜去歯を取り、水洗浄と樹脂包埋処理を行い、抜去歯を包埋する角形容器が得られ、標準的な抜去歯の上面の接着領域を製造し、接着領域は、抜去歯の上面の中心位置に位置し、抜去歯の上面の接着領域に接着剤を塗布し、そして接着ブロックを中央にして抜去歯の上面の接着領域に垂直に接着し、接着面積がBであり、
ステップ2、前記歯科修復体接着構造をそれぞれ前記第一の負荷アセンブリ、前記第二の負荷アセンブリに接続し、具体的には、前記接着ブロックを第一の接続ピンによって二枚の前記第一の円弧形鋼片の間に固定し、抜去歯が包埋される角形容器は、第二の接続ピンによって二枚の前記第二の円弧形鋼片の間に固定し、
具体的には、いくつかの前記第一の負荷孔を反時計回りの順にφ
1、φ
2、・・・、φ
nと表記し、φ
nの円心から前記接着ゲル層の円心O点までの投影直線距離をL
nと定義し、
負荷孔φ
1の円心は、接着ゲル層の中間面と同一平面に位置し、接着ゲル層の中間面の中心O点とφ
1の円心を結ぶと投影直線L
1が得られ、接着ゲル層の中間面の中心O点とφ
n-3の円心を結ぶと投影直線L
n-3が得られる。L
n-3とL
1との間のなす角をαとし、αは、引張剪断応力状態(引張応力と剪断応力の比率が異なる)によって、異なる角度を取り、引張応力と剪断応力の比率がtan(α)の時の接着ゲル層の接着強度をそれぞれテストすることができ、
ステップ3、前記第一の負荷孔での第一の負荷ブロックの位置、前記第二の負荷孔での第二の負荷ブロックの位置を調整し、前記第一の負荷アセンブリと前記第二の負荷アセンブリの両端をそれぞれ引張試験機の両端に接続し、接着ゲル層の強度テストを行い、
ステップ4、a)、前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックの数Kがいずれも1の場合に、前記歯科修復体接着構造の受力角度を変え、異なる引張剪断応力状態での接着ゲル層の強度テストを行い、破損荷重Fと接着ゲル層の面積Bを記録し、応力状態での接着ゲル層の破損強度が得られ、接着ゲル層の破損強度が得られ、
式において、Sは、接着ゲル層の破損強度であり、Fは、破損荷重であり、Bは、接着ゲル層の面積であり、
接着ゲル層が受ける引張応力をMと定義し、接着ゲル層が受ける剪断応力をNと定義し、ここで、
式において、αは、L
nとL
1との間のなす角であり、Mは、接着ゲル層が受ける引張応力であり、Nは、接着ゲル層が受ける剪断応力であり、Lnは、φnの円心から前記接着ゲル層の円心O点までの投影直線距離であり、L
1は、φ1とO点との直線距離を表し、ここで、φ1は、前記接着ゲル層の中間面と同一平面に位置し、
b)、前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックの数Kがいずれも2の場合に、
A1とB1の負荷力は、F
1で表し、A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向とL
1との間のなす角をαとし、A2とB2の負荷力は、F
2で表し、A2とB2の中心軸を結ぶ線の方向とL
1との間のなす角をβとする場合、接着ゲル層が受ける引張応力をM
stと定義し、接着ゲル層が受ける剪断応力をN
stと定義し、
さらに好ましくは、A1とB1が同時に負荷印加されると、負荷力はF
1であり、A2とB2が同時に交番荷重印加されると、負荷力は、正弦疲労荷重F
3であり、
次のように得られ、
【0029】
上記式は、正弦関数であり、ここで、荷重の平均値によって関数の水平オフセットが決まり、荷重の振幅によって関数の垂直オフセットと振幅の大きさが決まり、位相角によって関数の水平移動が決まる。
【0030】
A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向とL
1との間のなす角をαとし、A2とB2の中心軸を結ぶ線の方向とL
1との間のなす角をβとする場合、接着ゲル層が受ける引張応力をM
dyと定義し、接着ゲル層が受ける剪断応力をN
dyと定義し、
【0031】
現在の動的引張応力と動的剪断応力の組み合わせ作用で、歯科修復体接着構造の破損強度を測定した。
【0032】
好ましくは、前記テスト装置において、複数の第一の負荷孔は、弧状の長孔の構造に設計してもよく、前記弧状の長孔内における第一の負荷ブロックの位置関係を任意に調節することにより、接着ゲル層との角度を調節する。同様に、いくつかの第二の負荷孔も弧状の長孔の構造に設計することもできる。
【0033】
以上のようにして、上記技術案を採用したため、本発明の有益な効果は、以下の通りであり、
1、本発明の技術案は、歯科修復体接着構造の応力測定装置を提供し、この測定装置は、互いに嵌合する二つの負荷アセンブリに複数の負荷孔を設置することにより、負荷ブロックが異なる位置の負荷孔と嵌合できるようにし、さらに歯科修復体接着構造に対して異なる引張剪断組み合わせ応力状態での力学的性能テストを実現し、異なる引張剪断組み合わせ応力状態での破損強度をテストした。接着ゲル層の強度チェックにより豊富で正確なデータサポートを提供した。
【0034】
2、本発明の測定装置は、抜去歯を包埋した角形容器と接着ブロックからなる接着構造を製造し、接着ゲル層を中間に配置し、円弧形鋼板構造とさらに嵌合し、引張中に力が常に接着ゲル層の中間面の中心を通ることを確保し、接着ゲル層の内部の受力をより均一にすることができる。
【0035】
3、本発明の測定装置は、ピンによって接着構造の位置決めを行い、ストッパブロックとストッパクランプブロックによって接着構造のストッパ目的をよりよく実現し、引張中に接着ゲル層の内部にかかる力をより安定に確保することができる。負荷ブロックの上端と下端のピンの軸線は90°の角度をなして、ユニバーサルジョイントのような構造を形成し、半円形鋼片及び中間部位の構造が鉛直方向の力しか受けないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図2】本発明の測定装置から一層の頂面を除去した円弧形鋼板の構造概略図である。
【
図3】本発明の測定装置が円弧形鋼片における孔の位置を変えてさらに接着ゲル層の受力角度を変える概略図である。
【
図4】本発明の測定装置が円弧形鋼片に七つの負荷孔を設置することで接着ゲル層がそれぞれ七種類の荷重を受けることを実現する概略図である。
【
図5】異なる応力状態での本発明の測定装置の接着ゲル層の力学的性能テストの概略図である。ここで、
図5の(a)は、剪断強度テストであり、この場合、α=0°であり、引張応力と剪断応力の比率が0であり、
図5の(b)は、引張剪断組み合わせ強度テストであり、この場合、α=45°であり、引張応力と剪断応力の比率が1であり、
図5の(c)は、引張強度テストであり、この場合、α=90°であり、引張応力と剪断応力の比率が+∞である。
【
図7】本発明の測定装置の第一のストッパクランプブロックの構造概略図である。
【
図8】本発明における前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックの数Kがいずれも=2の場合に応力測定を行う概略図である。
【
図9】本発明における前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックの数Kがいずれも=3の場合に応力測定を行う概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
<実施例1>
本発明は、歯科修復体接着構造の応力測定装置を提供し、
図1-7に示すように、同じ構造の第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリを含み、前記第一の負荷アセンブリと前記第二の負荷アセンブリは、中心対称の方式で組み立てられ、前記第一の負荷アセンブリと前記第二の負荷アセンブリの間に歯科修復体接着構造が組み立てられており、
図6に示すように、さらに具体的には、前記歯科修復体接着構造は、抜去歯5と前記抜去歯の頂面に鉛直に接着される接着ブロック12を含み、前記抜去歯5を包埋するための角形容器13をさらに含み、前記接着ブロック12は、第一の負荷アセンブリ側に設置され、前記角形容器13は、前記第二の負荷アセンブリ側に設置される。
【0038】
前記第一の負荷アセンブリは、平行に設置される二枚の第一の円弧形鋼片2を含み、二枚の前記第一の円弧形鋼片2は、取り外し可能に接続され、前記第二の負荷アセンブリは、平行に設置される二枚の第二の円弧形鋼片7を含み、二枚の前記第二の円弧形鋼片7は、取り外し可能に接続され、前記第一の円弧形鋼片2の直角辺側に第一の凹溝21が設置され、前記第二の円弧形鋼片7の直角辺側に第二の凹溝71が設置され、前記歯科修復体接着構造は、前記第一の凹溝21と前記第二の凹溝71の間に設置され、
具体的には、前記接着ブロック12は、二枚の第一の円弧形鋼片2の間に設置され、前記接着ブロック12は、第一の凹溝21側に設置され、前記接着ブロック12は、第一の接続ピン9によって前記第一の円弧形鋼片2に固定され、前記角形容器13は、二枚の第二の円弧形鋼片7の間に設置され、前記角形容器13は、第二の凹溝71側に設置され、前記角形容器13は、第二の接続ピン15によって前記第二の円弧形鋼片7に固定される。
【0039】
前記第一の負荷アセンブリに前記接着ブロック12の位置を限定するための第一のストッパアセンブリが設置され、前記第一のストッパアセンブリは、第一のストッパブロック61と第一のストッパクランプブロック62を含み、前記接着ブロック12は、前記第一のストッパブロック61と第一のストッパクランプブロック62の間に設置され、
前記第二の負荷アセンブリに前記角形容器13の位置を限定するための第二のストッパアセンブリが設置され、前記第二のストッパアセンブリは、第二のストッパブロック81と第二のストッパクランプブロック82を含み、前記角形容器13は、前記第二のストッパブロック81と第二のストッパクランプブロック82の間に設置される。
【0040】
前記第一のストッパブロック61と前記第二のストッパブロック81はいずれも扇形形状であり、前記扇形形状のなす角は90°であり、前記第一のストッパブロック61と前記第一の円弧形鋼片2は、少なくとも二つの第一の締結具63によって接続され、前記第二のストッパブロック81と前記第二の円弧形鋼片7は、少なくとも二つの第一の締結具63によって接続される。
【0041】
前記第一のストッパクランプブロック62は、矩形形状であり、前記第一のストッパクランプブロック62の前記接着ブロック12に近い側に前記接着ブロック12の側壁に平行な第一の帯状スリット621が設置され、前記第一の帯状スリット621の長さが前記第一のストッパクランプブロック62の長さよりも短く、前記第一のストッパクランプブロック62に第一の調節ボルト622がさらに設置され、前記調節ボルト622は、前記第一のストッパクランプブロック62を水平に貫通して設置され、前記第一の調節ボルト622は、第一の帯状スリット621のスリット幅を調節することにより、前記接着ブロック12の正確な位置決めを実現する。
図2、
図7に示す。
【0042】
前記第二のストッパクランプブロック82の構造は、前記第一のストッパクランプブロック62の構造と同じであり、前記第二のストッパクランプブロック82に第二の帯状スリット821と第二の調節ボルト822が設置され、前記第二の調節ボルト822は、第二の帯状スリット821のスリット幅を調節することにより、前記角形容器13の正確な位置決めを実現し、
図2に示す。
【0043】
前記第一のストッパクランプブロック62と前記第一の円弧形鋼片2は、少なくとも二つの第二の締結具83によって接続され、前記第二のストッパクランプブロック82と前記第二の円弧形鋼片7は、少なくとも二つの第二の締結具83によって固定される。
【0044】
前記第一の締結具63と前記第二の締結具83は、いずれも締結ボルトであり、第一のストッパアセンブリ又は第二のストッパアセンブリの接続の安定性とストッパの正確性を保証するために使用される。
【0045】
前記第一の円弧形鋼片2、前記第二の円弧形鋼片7にいずれも円弧の周方向に沿って複数の負荷孔が設置され、負荷ブロックを異なる位置の前記負荷孔に接続することにより、前記歯科修復体接着構造に対する異なる角度の荷重の印加を実現する。具体的には、前記第一の負荷アセンブリは、第一の負荷ブロック1を含み、前記第一の円弧形鋼片2に複数の第一の負荷孔22が設置され、前記第一の負荷ブロック1は、いずれか一つの前記第一の負荷孔22と組み立てることができ、前記第一の負荷ブロック1は、前記歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用され、
前記第二の負荷アセンブリは、第二の負荷ブロック10を含み、前記第二の円弧形鋼片7に複数の第二の負荷孔72が設置され、前記第二の負荷ブロック10は、いずれか一つの前記第二の負荷孔72と組み立てることができ、前記第二の負荷ブロック10は、前記歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用される。
【0046】
さらに詳しくは、前記第一の負荷ブロック1は、二枚の前記第一の円弧形鋼片2の間に挟まれ、前記第一の負荷ブロック1は、いずれか一つの前記第一の負荷孔22と第三の接続ピン111によって接続可能であり、前記第二の負荷ブロック10は、二枚の前記第二の円弧形鋼片7の間に挟まれ、前記第二の負荷ブロック10は、いずれか一つの前記第二の負荷孔72と第四の接続ピン101によって接続可能である。
【0047】
前記第一の負荷ブロック1と前記第二の負荷ブロック10は、引張試験機に接続するために使用される。具体的には、前記第一の負荷ブロック1の外部に第一のU型接続部材16が接続され、前記第二の負荷ブロック10の外部に第二のU型接続部材17が接続され、前記第一のU型接続部材16と前記第二のU型接続部材17の頂部に接続ボルト19がそれぞれ設置され、前記接続ボルトは、引張試験機を接続するために使用される。
【0048】
<実施例2>
本実施例は、歯科修復体接着構造の応力測定装置を提供し、構造は実施例1の構造と基本的に同じであるが、その違いは、本実施例では、第一の負荷ブロックの数が二つであり、それぞれA1とA2と表記され、第二の負荷ブロックの数が二つであり、それぞれB1とB2と表記され、二つの第一の負荷ブロックと二つの第二の負荷ブロックは、それぞれ円弧形鋼片の円心を中心に180°回転対称である点のみである。
図8に示すように、A1とB1の中心軸を結ぶ線が円弧形鋼片の円心を通り、A2とB2の中心軸を結ぶ線が円弧形鋼片の円心を通る。
【0049】
A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向に引張力を印加するとともに、A2、B2の中心軸を結ぶ線の方向に引張力又は動的荷重を印加する。複数の応力の印加角度は、引張応力と剪断応力の大きさにも影響を与え、複数組の負荷ブロックの間の角度関係を分析し、計算式と合わせて引張応力と剪断応力の数値が得られる。本実施例の応力測定装置は、任意の応力状態での接着構造の受力状況をシミュレーションするために使用される。
【0050】
<実施例3>
本実施例は、歯科修復体接着構造の応力測定装置を提供し、構造は実施例1の構造と基本的に同じであるが、その違いは、本実施例では、第一の負荷ブロックの数が三つであり、それぞれA1、A2とA3と表記され、第二の負荷ブロックの数も三つであり、それぞれB1、B2とB3と表記され、三つの第一の負荷ブロックと三つの第二の負荷ブロックは、それぞれ円弧形鋼片の円心を中心に180°回転対称である点のみである。
図9に示すように、A1とB1の中心軸を結ぶ線が円弧形鋼片の円心を通り、A2とB2の中心軸を結ぶ線が円弧形鋼片の円心を通り、A3とB3の中心軸を結ぶ線が円弧形鋼片の円心を通る。本実施例の応力測定装置は、より特殊な応力状況をシミュレーションするために使用され、
A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向に引張力を印加するとともに、A2、B2の中心軸を結ぶ線の方向に引張力を印加し、さらに、A3とB3の中心軸を結ぶ線の方向に動的荷重を印加する。複数の応力の印加角度は、引張応力と剪断応力の大きさにも影響を与え、複数組の負荷ブロックの間の角度関係を分析し、計算式と合わせて引張応力と剪断応力の数値が得られる。
【0051】
<実施例4>
本実施例は、歯科修復体接着構造の応力測定装置の使用方法を提供し、具体的には、以下のステップを含み、
ステップ1、歯科修復体接着構造を製造し、前記接着ブロック12は前記抜去歯5の頂面と接着ゲル層18を形成し、具体的にアルファベットBで接着ゲル層18の面積を表し、まず抜去歯5を取り、水洗浄と樹脂包埋処理を行い、抜去歯5を包埋する角形容器13が得られ、標準的な抜去歯5の上面の接着領域を製造し、接着領域は、抜去歯5の上面の中心位置に位置し、抜去歯の上面の接着領域に接着剤を塗布し、そして接着ブロック12を中央にして抜去歯の上面の接着領域に垂直に接着し、接着ゲル層18を形成し、
ステップ2、前記歯科修復体接着構造をそれぞれ前記第一の負荷アセンブリ、前記第二の負荷アセンブリに接続し、具体的には、前記接着ブロック12を第一の接続ピン9によって二枚の前記第一の円弧形鋼片2の間に固定し、抜去歯5が包埋される角形容器13は、第二の接続ピン15によって二枚の前記第二の円弧形鋼片7の間に固定し、
具体的には、いくつかの前記第一の負荷孔22を反時計回りの順にφ
1、φ
2、・・・、φ
nと表記し、具体的には、
図3に示すように、φ
nの円心から前記接着ゲル層18の円心O点までの投影直線距離をL
nと定義し、第一の負荷孔φ
1の円心は接着ゲル層18の中間面と同一平面に位置し、接着ゲル層18の中間面の中心O点とφ
1の円心を結ぶと投影直線L
1が得られ、接着ゲル層18の中間面の中心O点とφ
n-3の円心を結ぶと投影直線L
n-3が得られる。L
n-3とL
1との間のなす角をαとし、αは、引張剪断応力状態(引張応力と剪断応力の比率が異なる)によって、異なる角度を取り、引張応力と剪断応力の比率がtan αの時の接着ゲル層18の接着強度をそれぞれテストすることができ、本実施例では、第一の負荷孔の数は七つである。
【0052】
ステップ3、前記第一の負荷孔22での第一の負荷ブロック1の位置、前記第二の負荷孔72での第二の負荷ブロック10の位置を調整し、前記第一の負荷アセンブリと前記第二の負荷アセンブリの両端をそれぞれ引張試験機の両端に接続し、接着ゲル層18の強度テストを行い、
ステップ4、a)、前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックの数Kがいずれも1の場合に、前記歯科修復体接着構造の受力角度を変えることで、異なる角度の引張剪断応力状態での接着ゲル層の強度テストを行い、接着ゲル層の破損強度を得ることができ、
式において、Sは、接着ゲル層の破損強度であり、Fは、破損荷重であり、Bは、接着ゲル層の面積であり、
接着ゲル層が受ける引張応力をMと定義し、接着ゲル層が受ける剪断応力をNと定義し、ここで、
式において、αは、L
nとL
1との間のなす角であり、Mは、接着ゲル層が受ける引張応力であり、Nは、接着ゲル層が受ける剪断応力であり、Lnは、φnの円心から前記接着ゲル層の円心O点までの投影直線距離であり、L
1は、φ1とO点との直線距離を表し、ここで、φ
1は、前記接着ゲル層の中間面と同一平面に位置し、
b)、前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックの数Kがいずれも2の場合に、
A1とB1の負荷力をF
1で表し、A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向とL
1との間のなす角をαとし、A2とB2の負荷力をF
2で表し、A2とB2の中心軸を結ぶ線の方向とL
1との間のなす角をβとすると、接着ゲル層が受ける引張応力をM
stと定義し、接着ゲル層が受ける剪断応力をN
stと定義し、
A1とB1が同時に負荷印加されると、負荷力はF
1であり、A2とB2が同時に交番荷重印加されると、負荷力は、正弦疲労荷重F
3であり、次のように得られ、
A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向とL
1との間のなす角をαとし、A2とB2の中心軸を結ぶ線の方向とL
1との間のなす角をβとし、接着ゲル層が受ける引張応力をM
dyと定義し、接着ゲル層が受ける剪断応力をN
dyと定義し、
【0053】
c)、前記第一の負荷ブロックと前記第二の負荷ブロックの数Kがいずれも3の場合に、
A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向に引張力F
1を印加するとともに、A2とB2の中心軸を結ぶ線の方向に引張力F
4を印加するとともに、A3とB3の中心軸を結ぶ線の方向に引張力F
5を印加し、次のように得られ、
A1とB1の中心軸を結ぶ線の方向に引張力F
1を印加し、A2とB2の中心軸を結ぶ線の方向に引張力F
4を印加するとともに、A3とB3の中心軸を結ぶ線の方向に正
現在の動的引張応力と動的剪断応力の組み合わせ作用で、歯科修復体接着構造の破損強度を計算する。
【0054】
本発明の技術案では、応力測定装置は、互いに嵌合する二つの負荷アセンブリに複数の負荷孔を設置し、且つ複数の負荷ブロックを適用して異なる位置で負荷孔と嵌合することができ、さらに歯科修復体接着構造に対して異なる引張剪断組み合わせ応力状態での力学的性能テストを行い、異なる引張剪断組み合わせ応力状態での破損強度を測定することができる。接着ゲル層の強度チェックにより豊富で正確なデータサポートを提供した。上記多様な力又は荷重の印加方式の組み合わせ、及び応力計算によって、本発明の測定装置が多様な受力状況を満たすことができ、シミュレーションできる応力状況がより豊富で、適用範囲がより広いことがさらに十分に示されている。
【符号の説明】
【0055】
1 第一の負荷ブロック
111 第三の接続ピン
2 第一の円弧形鋼片
21 第一の凹溝
22 第一の負荷孔
5 抜去歯
61 第一のストッパブロック
62 第一のストッパクランプブロック
621 第一の帯状スリット
622 第一の調節ボルト
63 第一の締結具
7 第二の円弧形鋼片
71 第二の凹溝
72 第二の負荷孔
81 第二のストッパブロック
82 第二のストッパクランプブロック
821 第二の帯状スリット
822 第二の調節ボルト
83 第二の締結具
9 第一の接続ピン
10 第二の負荷ブロック
101 第四の接続ピン
12 接着ブロック
13 角形容器
15 第二の接続ピン
16 第一のU型接続部材
17 第二のU型接続部材
18 接着ゲル層
19 接続ボルト
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科修復体接着構造の応力測定装置であって、同じ構造の第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリを含み、第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリは、中心対称の方式で組み立てられ、第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリとの間に歯科修復体接着構造が組み立てられており、
第一の負荷アセンブリは、平行に設置される二枚の第一の円弧形鋼片を含み、前記二枚の第一の円弧形鋼片は、第一の負荷アセンブリに対して取り外し可能に接続され、第二の負荷アセンブリは、平行に設置される二枚の第二の円弧形鋼片を含み、前記二枚の第二の円弧形鋼片は、第二の負荷アセンブリに対して取り外し可能に接続され、
第一の円弧形鋼片の直角辺側に第一の凹溝が設置され、第二の円弧形鋼片の直角辺側に第二の凹溝が設置され、歯科修復体接着構造は、第一の凹溝と第二の凹溝との間に設置され、
前記歯科修復体接着構造は、抜去歯と抜去歯の頂面に鉛直に接着される接着ブロックを含み、抜去歯を包埋するための角形容器をさらに含み、接着ブロックは、第一の負荷アセンブリ側に設置され、角形容器は、第二の負荷アセンブリ側に設置され、
第一の円弧形鋼片、第二の円弧形鋼片にいずれも円弧の周方向に沿って複数の負荷孔が設置され、負荷ブロックを異なる位置の負荷孔に接続することにより、歯科修復体接着構造に対する異なる角度の荷重の印加を実現する、ことを特徴とする歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項2】
接着ブロックは、二枚の第一の円弧形鋼片の間に設置され、接着ブロックは、第一の凹溝側に設置され、角形容器は、二枚の第二の円弧形鋼片の間に設置され、角形容器は、第二の凹溝側に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項3】
第一の負荷アセンブリに接着ブロックの位置を限定するための第一のストッパアセンブリが設置され、第一のストッパアセンブリは、第一のストッパブロックと第一のストッパクランプブロックを含み、接着ブロックは、第一のストッパブロックと第一のストッパクランプブロックの間に設置され、第二の負荷アセンブリに前記角形容器の位置を限定するための第二のストッパアセンブリが設置され、第二のストッパアセンブリは、第二のストッパブロックと第二のストッパクランプブロックを含み、角形容器は、第二のストッパブロックと第二のストッパクランプブロックとの間に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項4】
第一のストッパブロックと第二のストッパブロックはいずれも扇形形状であり、扇形形状のなす角は90°である、ことを特徴とする請求項1に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項5】
第一のストッパクランプブロックは、矩形形状であり、第一のストッパクランプブロックの接着ブロックに近い側に接着ブロックの側壁に平行な第一の帯状スリットが設置され、第一の帯状スリットの長さが第一のストッパクランプブロックの長さよりも短く、第一のストッパクランプブロックに第一の調節ボルトがさらに設置され、第一の調節ボルトは、第一のストッパクランプブロックを水平に貫通して設置される、ことを特徴とする請求項3に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項6】
第二のストッパクランプブロックの構造は、第一のストッパクランプブロックの構造と同じであり、第二のストッパクランプブロックに第二の帯状スリットと第二の調節ボルトが設置される、ことを特徴とする請求項5に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項7】
第一の負荷アセンブリは、少なくとも一つの第一の負荷ブロックを含み、第一の円弧形鋼片に複数の第一の負荷孔が設置され、第一の負荷ブロックは、いずれか一つの第一の負荷孔と組み立てることができ、第一の負荷ブロックは、歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用され、
第二の負荷アセンブリは、少なくとも一つの第二の負荷ブロックを含み、第二の円弧形鋼片に複数の第二の負荷孔が設置され、第二の負荷ブロックは、いずれか一つの第二の負荷孔と組み立てることができ、第二の負荷ブロックは、歯科修復体接着構造の異なる角度に負荷を印加するために使用され、第一の負荷ブロックと第二の負荷ブロックの数は、それぞれKで表し、ここで、K≧1である、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項8】
第一の負荷ブロックは、二枚の第一の円弧形鋼片の間に挟まれ、第一の負荷ブロックは、いずれか一つの第一の負荷孔に取り外し可能に接続され、第二の負荷ブロックは、二枚の第二の円弧形鋼片の間に挟まれ、第二の負荷ブロックは、いずれか一つの第二の負荷孔に取り外し可能に接続される、ことを特徴とする請求項7に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置。
【請求項9】
請求項
7に記載の歯科修復体接着構造の応力測定装置の使用方法であって、以下のステップを含み、
s1、歯科修復体接着構造を製造し、接着ブロックは抜去歯の頂面と接着ゲル層を形成し、
s2、歯科修復体接着構造をそれぞれ第一の負荷アセンブリ、第二の負荷アセンブリに接続し、いくつかの第一の負荷孔を反時計回りの順にφ
1、φ
2、・・・、φ
nと表記し、
s3、負荷孔の位置を調整し、第一の負荷アセンブリと第二の負荷アセンブリの両端をそれぞれ引張試験機の両端に接続し、接着ゲル層の強度テストを行い、第一の負荷ブロックの数と第二の負荷ブロックの数は、異なる数の組み合わせが可能であり、
s4、歯科修復体接着構造の受力角度を変えることで、複数組の異なる角度の引張剪断応力状態での接着ゲル層の強度テストを行い、対応する接着ゲル層の破損強度を得ることができ、
式において、Sは、接着ゲル層の破損強度であり、Fは、破損荷重であり、Bは、接着ゲル層の面積であり、αは、L
nとL
1との間のなす角であり、Mは、接着ゲル層が受ける引張応力であり、Nは、接着ゲル層が受ける剪断応力であり、L
nは、φ
nの円心から接着ゲル層の円心O点までの投影直線距離であり、L
1は、φ
1とO点との直線距離を表し、ここで、φ
1は、接着ゲル層の中間面と同一平面に位置し、複数組のM、Nのデータを記録する、歯科修復体接着構造の応力測定装置の使用方法。