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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177032
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】押圧ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 9/14 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
F04B9/14 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204316
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】202310675428.5
(32)【優先日】2023-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523457095
【氏名又は名称】浙江錦盛新材料股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Jinsheng New Materials Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9,Yuzhou Road,Lihai Town,Binhai New Town,Shaoxing City,Zhejiang Province 312366,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】阮 栄涛
(72)【発明者】
【氏名】阮 棋江
(72)【発明者】
【氏名】蔡 毅峰
(72)【発明者】
【氏名】杜 宗元
(72)【発明者】
【氏名】王 洪▲凱▼
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075AA01
3H075BB03
3H075DA03
3H075DA04
3H075DB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】押圧ポンプの押圧中におけるピストンが安定的かつ円滑に作動することを維持し得る押圧ポンプを提供する。
【解決手段】ポンプハウジングと、ピストンと、ポンプロッドと、押圧スリーブと、を備え、前記ポンプハウジングにはポンプ押圧室が内設され、前記ピストンはポンプ押圧室内に設けられるとともに、ポンプ押圧室の内壁のピストンに連結され、前記ポンプロッドの第1端はピストンに連結され、前記押圧スリーブはポンプロッドの第2端の外周を覆って設けられ、前記押圧スリーブとポンプロッドとの間には隙間が形成され、前記押圧スリーブの内周とポンプロッドの外周とは互いに係合され、ポンプロッドの長手方向における双方向運動の規制を実現する。本発明は、押圧ポンプの押圧中におけるピストンが安定的かつ円滑に作動することを維持し得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧ポンプであって、ポンプハウジング(1)と、ピストン(2)と、ポンプロッド(3)と、押圧スリーブ(4)と、を備え、前記ポンプハウジング(1)にはポンプ押圧室(13)が内設され、前記ピストン(2)はポンプ押圧室(13)内に設けられるとともに、ポンプ押圧室(13)の内壁のピストン(2)に連結され、前記ポンプロッド(3)の第1端はピストン(2)に連結され、前記押圧スリーブ(4)はポンプロッド(3)の第2端の外周を覆って設けられ、前記押圧スリーブ(4)の内周とポンプロッド(3)の外周との間には、相対的に動くことが可能な隙間(7)が形成され、前記押圧スリーブ(4)とポンプロッド(3)とは互いに係合され、ポンプロッド(3)の長手方向における双方向の連動を実現する、ことを特徴とする押圧ポンプ。
【請求項2】
前記押圧スリーブ(4)の内周には規制突起(41)が設けられており、ポンプロッド(3)の外周には規制凹溝(35)が設けられており、規制突起(41)は規制凹溝(35)内に係合されるとともに、ポンプロッド(3)の長手方向における可動な空間(8)を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の押圧ポンプ。
【請求項3】
前記規制凹溝(35)は環状構造であり、前記規制突起(41)は規制凹溝(35)に適合する環状構造である、ことを特徴とする請求項2に記載の押圧ポンプ。
【請求項4】
前記規制突起(41)は、ピストン(2)に向かう第1の規制面(411)と、ピストン(2)に背向する第2の規制面(412)と、を有し、前記規制凹溝(35)は、ピストン(2)に背向する第3の規制面(351)と、ピストン(2)に向かう第4の規制面(352)と、を有し、第3の規制面(351)は第1の規制面(411)に対向し、第4の規制面(352)は第2の規制面(412)に対向する、ことを特徴とする請求項2に記載の押圧ポンプ。
【請求項5】
前記規制突起(41)はピストン(2)に向かう第1の規制面(411)を有し、前記第1の規制面(411)はピストン(2)に向けて徐々に拡大するフレア形であり、前記規制凹溝(35)は第1の規制面(411)に対向する第3の規制面(351)を有し、第3の規制面(351)はピストン(2)に向けて徐々に拡大するフレア形であるとともに、第1の規制面(411)と互いに適合する、ことを特徴とする請求項3に記載の押圧ポンプ。
【請求項6】
前記ポンプロッド(3)の第1端は、ピストン(2)の方向に向けて徐々に縮小する絞り部(37)に形成される、ことを特徴とする請求項3に記載の押圧ポンプ。
【請求項7】
前記規制突起(41)には複数の切欠き(42)が開けられており、規制突起(41)は環状に間隔をあけて分布する複数のバンプに形成される、ことを特徴とする請求項3に記載の押圧ポンプ。
【請求項8】
前記ポンプロッド(3)の第1端には切り欠き(36)が開けられており、前記切り欠き(36)は第2端の方向に向けて規制凹溝(35)まで延在している、ことを特徴とする請求項3に記載の押圧ポンプ。
【請求項9】
前記規制凹溝(35)は内周に向かう下面(353)を有し、前記規制突起(41)は外周に向かう上面(413)を有し、上面(413)と下面(353)とは向き合っており、隙間(7)を形成する、ことを特徴とする請求項3に記載の押圧ポンプ。
【請求項10】
ばねと、一方向弁(6)と、取付スリーブ(5)と、をさらに備え、前記ばねはピストン(2)から離反する方向に向けて押圧スリーブ(4)に弾性的に作用し、前記ポンプハウジング(1)には給液口(11)が開けられており、前記一方向弁(6)は給液口(11)に設けられるとともに、ポンプ押圧室(13)に向けて一方向に導通することに用いられ、前記ポンプハウジング(1)には取付口(12)が開けられており、前記取付スリーブ(5)は環状構造であり、取付口(12)に取り付けられ、ピストン(2)を押して制限することに用いられ、前記押圧スリーブ(4)は取付スリーブ(5)の内周によりポンプハウジング(1)から伸び出して、
前記ピストン(2)は環状構造であり、外周がポンプ押圧室(13)の内壁のピストン(2)に連結され、内周がポンプロッド(3)の外周を覆って設けられ、ピストン(2)はポンプロッド(3)の長手方向に沿って摺動調節可能であり、ポンプロッド(3)に対する摺動ストロークを有し、前記ポンプロッド(3)の第2端の端部には規制ホルダ(31)が固定接続されており、規制ホルダ(31)とポンプロッド(3)との間にはテーパ突起部(32)が形成され、ピストン(2)の摺動ストロークは規制ホルダ(31)と押圧スリーブ(4)により押し規制を実現し、前記ポンプロッド(3)には、第2端に向けて開放された弁孔(33)が内設され、弁棒の第2端の外周における規制ホルダ(31)近傍の位置には、弁孔(33)に連通する貫通孔(34)が開けられており、ピストン(2)は、摺動ストローク内において規制ホルダ(31)に当接して貫通孔(34)の閉塞を実現し、押圧スリーブ(4)に当接して貫通孔(34)の開放を実現する、ことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の押圧ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプの技術分野に関し、より具体的には、押圧ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
押圧ポンプは、エマルジョンボトルなどの押圧式包装ボトルのコア部材であり、押圧ポンプは、包装ボトルのキャップの位置に一体化して取り付けられ、エマルジョンなどのペースト状や液状の材料の吐出を実現することができ、使用者の使用の利便性を大きく向上させることができる。
【0003】
公開番号CN210455794Uの中国実用新案発明は、新規なエマルジョンボトル用ポンプコアを開示しており、その技術的要点としては、押圧スリーブ、連結ロッド、コネクタ、ポンプ本体を備え、連結ロッドが押圧スリーブ内に挿入されるとともに、押圧スリーブに回転係止接続され、連結ロッドの下端にピストンが嵌着され、ポンプ本体の下端に封水室が設けられ、封水室内に封水シートが取り付けられ、封水室の下方に吸液口が設けられ、コネクタがポンプ本体に押圧挿着され、押圧スリーブがコネクタ内に挿着され、押圧スリーブにばねが嵌着され、ばねが押圧スリーブとコネクタとの間に設けられる。
【0004】
ピストンはポンプコア構造全体におけるコア部材であり、ピストンとポンプ本体の内壁との間で密封されたピストン運動を発生させることにより、液状材料の抽出とポンピングを実現する。ピストンとポンプ本体との間が密封状態にあることは、ポンプ本体全体が正常に作動する鍵である。
【0005】
従来の押圧ポンプでは、押圧スリーブと連結ロッドとの間は互いに固定された構造が用いられ、両者は干渉嵌合により覆設固定を実現する。使用中において、押圧スリーブが連結ロッドの動作を駆動することにより、ピストンを駆動してピストンのポンピング動作を発生させる。
【0006】
しかしながら、押圧スリーブの受けた圧力の方向が一定の角度で傾斜すると、傾斜した押圧スリーブは、連結ロッドが同期して傾斜揺動するように駆動し、揺動した連結ロッドは、さらにピストンがそれに対応した変動程度の揺動を発生するように駆動し、その結果、ピストンとポンプ本体の内壁との間に一定の変動程度の揺動を発生しやすくなり、運動中のピストンとポンプ本体の内壁との密封状態に影響を与える可能性がある。
【0007】
ピストンとポンプ本体の内壁との間で漏れを発生させる恐れがあることによる悪影響を回避するためには、その中のピストンと他の部材との適合精度を向上させ、より高い精度により押圧スリーブ、連結ロッド及びピストンで発生する揺動の影響を小さくする必要がある。しかしながら、適合する部品の適合精度を向上させるには、押圧ポンプの製造コストを大きく増加させることになり、それに、上記課題を効果的に解決することもできない。
【0008】
従って、この課題を解決するための新たな手段を提案する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、押圧ポンプの押圧中におけるピストンが安定的かつ円滑に作動することを維持し得る押圧ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記技術的目的は、以下の技術的解決手段により実現され得る。押圧ポンプであって、ポンプハウジングと、ピストンと、ポンプロッドと、押圧スリーブと、を備え、前記ポンプハウジング内にはポンプ押圧室が設けられ、前記ピストンはポンプ押圧室内に設けられるとともに、ポンプ押圧室の内壁のピストンに連結され、前記ポンプロッドの第1端はピストンに連結され、前記押圧スリーブはポンプロッドの第2端の外周を覆って設けられ、前記押圧スリーブの内周とポンプロッドの外周との間には、相対的に動くことが可能な隙間が形成され、前記押圧スリーブとポンプロッドとは互いに係合され、ポンプロッドの長手方向における双方向の連動を実現する。
【0011】
本発明では、さらに、前記押圧スリーブの内周には規制突起が設けられており、ポンプロッドの外周には規制凹溝が設けられており、規制突起が規制凹溝内に係合されるとともに、ポンプロッドの長手方向における可動な空間を有する。
【0012】
本発明では、さらに、前記規制凹溝が環状構造であり、前記規制突起が規制凹溝に適合する環状構造である。
【0013】
本発明では、さらに、前記規制突起が、ピストンに向かう第1の規制面と、ピストンに背向する第2の規制面と、を有し、前記規制凹溝が、ピストンに背向する第3の規制面と、ピストンに向かう第4の規制と、を有し、第3の規制面は第1の規制面に対向し、第4の規制面は第2の規制面に対向する。
【0014】
本発明では、さらに、前記規制突起がピストンに向かう第1の規制面を有し、前記第1の規制面がピストンに向けて徐々に拡大するフレア形であり、前記規制凹溝が第1の規制面に対向する第3の規制面を有し、第3の規制面がピストンに向けて徐々に拡大するフレア形であるとともに、第1の規制面と互いに適合する。
【0015】
本発明では、さらに、前記ポンプロッドの第1端が、ピストンの方向に向けて徐々に縮小する絞り部に形成される。
【0016】
本発明では、さらに、前記規制突起には複数の切欠きが開けられており、規制突起が環状に間隔をあけて分布する複数のバンプに形成される。
【0017】
本発明では、さらに、前記ポンプロッドの第1端には切り欠きが開けられており、前記切り欠きが第2端の方向に向けて規制凹溝まで延在している。
【0018】
本発明では、さらに、前記規制凹溝が内周に向かう下面を有し、前記規制突起が外周に向かう上面を有し、上面と下面とは向き合っており、隙間を形成する。
【0019】
本発明では、さらに、ばねと、一方向弁と、取付スリーブと、をさらに備え、前記ばねがピストンから離反する方向に向けて押圧スリーブに弾性的に作用し、前記ポンプハウジングには給液口が開けられており、前記一方向弁が給液口に設けられるとともに、ポンプ押圧室に向けて一方向に導通することに用いられ、前記ポンプハウジングには取付口が開けられており、前記取付スリーブが環状構造であり、取付口に取り付けられ、ピストンを押して制限することに用いられ、前記押圧スリーブが取付スリーブの内周によりポンプハウジングから伸び出している。
【0020】
本発明では、さらに、前記ピストンが環状構造であり、外周がポンプ押圧室の内壁のピストンに連結され、内周がポンプロッドの外周を覆って設けられ、ピストンがポンプロッドの長手方向に沿って摺動調節可能であり、ポンプロッドに対する摺動ストロークを有し、前記ポンプロッドの第2端の端部には規制ホルダが固定接続されており、規制ホルダとポンプロッドとの間にはテーパ突起部が形成され、ピストンの摺動ストロークが規制ホルダと押圧スリーブにより押し規制を実現し、前記ポンプロッドには、第2端に向けて開放された弁孔が内設され、弁棒の第2端の外周における規制ホルダ近傍の位置には、弁孔に連通する貫通孔が開けられており、ピストンが、摺動ストローク内において規制ホルダに当接して貫通孔の閉塞を実現し、押圧スリーブに当接して貫通孔の開放を実現する。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0022】
押圧スリーブとポンプロッドとの間には可動な連動構造が用いられることにより、押圧スリーブの受けた傾斜揺動がピストンに直接伝達される影響を小さくし、ピストンで発生する揺動変動を低減させ、ピストンが安定的かつ正常に作動できるように確保する。押圧スリーブとポンプロッドとの間には、相対的に動くことが可能な隙間があり、押圧スリーブの受けた傾斜揺動した押圧力は押圧スリーブの独立揺動により吸収され、ポンプロッドで発生する傾斜揺動を低減させ、さらにポンプロッドによるピストンへの傾斜揺動の影響もそれに応じて小さくなり、また、押圧スリーブの押し下げ方向の付勢力は、依然として互いに押すことで伝達を実現することができ、ポンプロッドとピストンとの安定的かつ円滑な作動を実現し得ることを確保する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る押圧ポンプの斜視図である。
図2】本発明に係る押圧ポンプの断面図である。
図3】本発明の押圧スリーブとポンプロッドとの連結構造概略図である。
図4】本発明に係る押圧ポンプの分解図である。
図5】本発明に係る押圧ポンプの分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例における図面を参照しつつ、本発明の実施例に係る技術的解決手段を明確かつ網羅的に説明し、明らかなように、説明される実施例は本発明の実施例のすべてではなく、一部に過ぎない。当業者が本発明の実施例に基づき創造的な工夫なしに得るすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲内に属する。
【0025】
本実施例は、押圧ポンプを開示し、図1~5に示すように、ポンプハウジング1、ピストン2、ポンプロッド3、押圧スリーブ4、ばね、一方向弁6、取付スリーブ5を備え、各部材は互いに組み合わせて押圧ポンプとなり、押圧により液状材料のポンピングを実現することができる。
【0026】
このポンプハウジング1は、中空のポンプ押圧室13が内設された筒状構造である。ポンプ押圧室13は筒状構造であり、ピストン2とポンプ押圧室13とは互いに適合し、ピストン2はポンプ押圧室13内に取り付けられ、ポンプ押圧室13の内壁とともにピストン2の連結構造を形成する。
【0027】
ポンプハウジング1は、一端には液状材料がポンプ押圧室13内に進入できる給液口11が開けられ、他端には他の部材を取り付けるための取付口12が開けられる。給液口11には、サポートリング62と、一方向プラグ61と、連結片63とを備える一方向弁6が取り付けられ、一方向プラグ61は、連結片63を介してサポートリング62の内周に連結されるとともに、一方向弁6の変動の調節を実現することができる。
【0028】
サポートリング62は給液口11の内側の位置に嵌め込まれて固定され、一方向プラグ61は半球状構造であり、給液口11の内側に当接し、給液口11を押して密封することを実現する。給液口11がポンプ押圧室13に向けて給液する過程において、一方向プラグ61が液状材料により押し上げられ、給液口11において一方向給液を実現することができ、ポンプ押圧室13の受圧中に、一方向プラグ61が液状材料により給液口11に押され、給液口11において一方向閉鎖を実現する。
【0029】
取付スリーブ5は環状構造であり、取付口12に取り付けられ、取付スリーブ5の一部が取付口12内に差し込まれ、取り付けを実現することができ、取付口12と互いに係合固定され得る。取付スリーブ5により、ピストン2の運動ストロークを規制し、ピストン2をポンプ押圧室13内に安定的に規制することができる。押圧スリーブ4の外周寸法と取付スリーブ5の内周寸法とは互いに適合し、それにより押圧スリーブ4の円滑な押圧調節を実現することができる。
【0030】
ポンプロッド3の長手方向はピストン2の動き方向に沿って配置され、ポンプロッド3を介してピストン2と押圧スリーブ4とを互いに連結させることができ、それにより押圧スリーブ4はピストン2の運動を駆動することができる。ポンプロッド3は、第1端301がピストン2内に差し込んでピストン2に連結され、第2端302が押圧スリーブ4の方向に延在しており、押圧スリーブ4と互いに連結される。
【0031】
このピストン2は環状構造であり、外周がポンプ押圧室13の内壁のピストン2に連結され、内周がポンプロッド3の外周を覆って設けられる。ピストン2はポンプロッド3の長手方向に沿って摺動調節可能であり、ポンプロッド3に対する摺動ストロークを有し、ポンプハウジング1に対するピストン2の摺動移動中において、ピストン2のポンピングを実現する。
【0032】
ポンプロッド3の第2端302の端部の位置には、外に突出する規制ホルダ31が形成されており、規制ホルダ31は環状構造であり、ピストン2の運動の規制を実現することができる。規制ホルダ31とポンプロッド3との間にはテーパ突起部32が形成され、ピストン2が規制ホルダ31に向けて移動する過程において、ピストン2の下端面がテーパ突起部32と互いに押され得るため、ピストン2とポンプロッド3との間の密封を実現する。
【0033】
ポンプロッド3に対するピストン2の摺動ストロークは規制ホルダ31と押圧スリーブ4により押し規制を実現し、ピストン2は、上端が押圧スリーブ4の下側により受け止め規制を実現し、下端が規制ホルダ31とテーパ突起部32により受け止めて規制する。ポンプロッド3の内部には、第2端302に向けて開放された弁孔33が開けられ、弁棒の第2端302の外周における規制ホルダ31近傍の位置には貫通孔34が開けられ、貫通孔34を介して弁孔33に連通し、弁孔33とポンプロッド3の外周との連通を実現する。
【0034】
ピストン2は、摺動ストローク内において、ポンプロッド3に対して下向きに移動してから規制ホルダ31に当接すると、テーパ突起部32に当接し、ピストン2とポンプロッド3との間の密封が実現され、貫通孔34が閉塞され得る。ピストン2は、ポンプロッド3に対して上向きに移動してから押圧スリーブ4に当接し、テーパ突起を互いに離間させ、貫通孔34を開放させることにより、ポンプロッド3により液状材料の吐出を実現することができる。
【0035】
このばねは押圧スリーブ4の外周の位置(図示せず)を覆って設けられるように取り付けられ、ばねの両端はそれぞれ押圧スリーブ4及び取付スリーブ5の段差面とを互いに押す。ばねにより、ピストン2から離反する方向に向けて押圧スリーブ4に弾性的に作用することを実現できるため、押圧スリーブ4が押圧後に自動的に弾性復帰することを実現できる。また、押圧スリーブ4の復帰後、ピストン2は取付スリーブ5により規制されるため、ポンプロッド3の第1端301の外周の貫通孔34を閉塞することができる。
【0036】
この押圧スリーブ4とポンプロッド3との間に可動な連結構造が形成され、押圧スリーブ4はポンプロッド3の第2端302の外周を覆って設けられ、押圧スリーブ4の内周とポンプロッド3の外周との間に隙間7が形成され、それにより押圧スリーブ4とポンプロッド3との間では、移動位置が相互の傾斜揺動を発生することができる。押圧スリーブ4によるポンプロッド3への押圧中に、ポンプロッド3がピストン2を介して軸方向の支持を実現し、ピストン2とポンプ押圧室13との間が安定した連結状態にあるように維持する。押圧中に傾斜揺動を発生する場合でも、押圧スリーブ4はポンプロッド3を押し下げるように駆動することができ、その後、押圧スリーブ4は、上昇中に、ポンプロッド3が復帰するように駆動することもでき、それにより押圧スリーブ4とポンプロッド3との押圧中及び上昇中の双方向連動を実現するように維持する。
【0037】
押圧スリーブ4の内周とポンプロッド3の外周とが互いに係合されることにより、押圧スリーブ4とポンプロッド3との間に力伝達がなされ、ポンプロッド3の長手方向における双方向動きの規制を実現する。
【0038】
図2~5に示すように、押圧スリーブ4の内周に規制突起41が設けられており、ポンプロッド3の外周に規制凹溝35が設けられている。規制突起41と規制凹溝とが互いに適合することで、規制突起41が規制凹溝35内に係入することができ、ポンプロッド3と押圧スリーブ4との間が互いに係合する構造となっている。規制突起41を規制凹溝35よりも小さくする必要があり、それにより規制突起41と規制凹溝35との間には移動可能な可動空間8があり、押圧スリーブ4とポンプロッド3との間にはポンプロッド3の長手方向における可動空間8が形成され得る。押圧スリーブ4が受圧中に適応的な傾斜揺動を発生し、押圧スリーブ4はポンプロッド3が傾斜揺動するように駆動することがなく、ポンプロッド3は依然としてピストン2に追従して安定的に運動することができ、さらに、ピストン2の傾斜揺動を引き起こすこともなく、ピストン2の円滑かつ安定的な運動を維持することができる。
【0039】
この規制凹溝35は環状構造であり、規制突起41は規制凹溝35に適合する環状構造であり、それにより押圧スリーブ4とポンプロッド3との間が環状の係合構造になり、押圧スリーブ4とポンプロッド3との間の連結状態を安定的に維持することができる。
【0040】
規制突起41は、ピストン2に向かう第1の規制面411と、ピストン2に背向する第2の規制面412と、を有する。また、この規制凹溝35は、第3の規制面351と第4の規制面352とを有し、第3の規制面351と第1の規制面411とは向き合っており、互いに押すことができるため、ピストン2の方向に向かう圧力を伝達し、第4の規制面352と第2の規制面412とは向き合っており、互いに押すことができるため、ピストン2の方向に背向する圧力を伝達し、各規制面間の押し伝達により、押圧スリーブ4とポンプロッド3との間の連動を実現することができる。
【0041】
また、この規制凹溝35は、内周に向かう下面353をさらに有し、下面353は環状構造であり、一方、この規制突起41は、外周に向かう上面413を有し、この上面413も環状構造である。上面413と下面353とは向き合っており、両者間に隙間7が形成され、この隙間7により、規制突起41と規制凹溝35との間で適応的な傾斜揺動を発生することができ、押圧スリーブ4とポンプロッド3との間の可動な連動構造を維持する。
【0042】
さらに、この規制突起41における第1の規制面411は、ピストン2に向けて徐々に拡大するフレア形であり、この規制凹溝35における第3の規制面351は、ピストン2に向けて徐々に拡大するフレア形であり、第1の規制面411と第3の規制面351とは互いに適合し、互いに覆って設けられるテーパ構造を形成する。一方では、テーパ構造は、押圧スリーブ4の押し下げ中に、第1の規制面411と第2の規制面412との間で一定のセンタリング作用を発生することができるため、押圧スリーブ4の押圧中の安定性を向上させ、他方では、フレア形の第1の規制面411はガイド構造を形成することができ、ポンプロッド3は、押圧スリーブ4への押圧中に、ガイドするように作用することができ、両者の係合の円滑性を向上させる。
【0043】
さらに、このポンプロッド3の第1端301は、ピストン2の方向に向けて徐々に縮小する絞り部(37)に形成され、この絞り部37により傾斜ガイド構造として作用することもできる。テーパ構造の絞り部37と第1の規制面411とが互いに適合することで、押圧スリーブ4とポンプ本体との係合の円滑性をさらに向上させることができる。
【0044】
さらに、この規制突起41には複数の切欠き42が開けられており、切欠き42により規制突起41を分割することができ、それにより規制突起41は環状に間隔をあけて分布する複数のバンプに形成される。バンプは円弧状構造であり、単一のバンプは全体の環状の規制バンプと比べてより柔軟な変形幅を有し、それにより規制突起41と規制凹溝35との相互係合中の円滑性を向上させ、押圧スリーブ4とポンプロッド3とが互いに組み立てられるのに有利である。
【0045】
さらに、このポンプロッド3の第1端301の位置に切り欠き36が開けられてもよく、切り欠き36は第2端302の端面からポンプロッド3の第2端302の方向に向けて規制凹溝35の位置まで延在している。切り欠き36によりポンプロッド3の第2端302の位置を2部分に分割することができ、この切り欠き36の位置には変形できる空間が形成され、それによりポンプロッド3の押圧スリーブ4への係合中に、係合の円滑性を向上させることができる。
【0046】
上記記載は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲は上記実施例に限定されず、本発明の思想に属する技術的解決手段であれば全て本発明の保護範囲に属する。なお、当業者にとって、本発明の原理から逸脱せずに行ういくつかの改善や修飾は、本発明の保護範囲内のものとも見なされるべきである。
【符号の説明】
【0047】
1、ポンプハウジング
11、給液口
12、取付口
13、ポンプ押圧室
2、ピストン
3、ポンプロッド
301、第1端
302、第2端
31、規制ホルダ
32、テーパ突起部
33、弁孔
34、貫通孔
35、規制凹溝
351、第3の規制面
352、第4の規制面
353、下面
36、切り欠き
37、絞り部
4、押圧スリーブ
41、規制突起
411、第1の規制面
412、第2の規制面
413、上面
42、切欠き
5、取付スリーブ
6、一方向弁
61、一方向プラグ
62、サポートリング
63、連結片
7、隙間
8、可動空間
図1
図2
図3
図4
図5