(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177036
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】撮像光学レンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20241212BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205696
(22)【出願日】2023-12-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】202310675509.5
(32)【優先日】2023-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】320011719
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス (ソシュウ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】兪仁龍
(72)【発明者】
【氏名】周順達
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA01
2H087PA07
2H087PA17
2H087PB07
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA17
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】良好な結像性能を有する大きな絞りを得ながら、超広角の要求を満たすことができる撮像光学レンズを提供する。
【解決手段】本発明は、光学レンズ分野に関し、撮像光学レンズを開示する。この撮像光学レンズは、物体側面から像側へ順に、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ、および第7レンズを備え、次の関係式を満たす:0.95≦f4/f≦1.40;0.30≦d11/d12≦1.00;3.00≦R1/R2≦1.20≦(R9+R10)/(R9-R10)≦3.20。この撮像光学レンズは、大口径・超広角の設計要件を満たしながら、良好な光学性能を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学レンズであって、
前記撮像光学レンズは、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、正の屈折力を有する第6レンズ、および負の屈折力を有する第7レンズを備え、
前記撮像光学レンズの焦点距離がfであり、前記第4レンズの焦点距離がf4であり、前記第6レンズの軸上厚さがd11であり、前記第6レンズの像側から前記第7レンズの物体側面までの軸上距離がd12であり、前記第1レンズの物体側面の曲率半径がR1であり、前記第1レンズの像側の曲率半径がR2であり、前記第5レンズの物体側面の曲率半径がR9であり、前記第5レンズの像側の曲率半径がR10であり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.95≦f4/f≦1.40
0.30≦d11/d12≦1.00
3.00≦R1/R2≦12.00
1.20≦(R9+R10)/(R9-R10)≦3.20
【請求項2】
前記第4レンズの軸上厚みがd7であり、前記第4レンズの像側から前記第5レンズの物体側面までの軸上距離がd8であり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
8.00≦d7/d8≦25.20
【請求項3】
前記第6レンズの焦点距離がf6であり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
3.00≦f6/f≦8.00
【請求項4】
前記第1レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第1レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第1レンズの焦点距離がf1であり、前記第1レンズの軸上厚さがd1であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-7.70≦f1/f≦-1.95
0.03≦d1/TTL≦0.75
【請求項5】
前記第2レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、前記第2レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第2レンズの焦点距離がf2であり、前記第2レンズの物体側面の曲率半径がR3であり、前記第2レンズの像側の曲率半径がR4であり、前記第2レンズの軸上厚さがd3であり、前記撮像光学レンズの全長はTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-5.83≦f2/f≦-1.23
0.31≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.99
0.05≦d3/TTL≦0.31
【請求項6】
前記第3レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第3レンズの焦点距離がf3であり、前記第3レンズの物体側面の曲率半径がR5であり、前記第3レンズの像側の曲率半径がR6であり、前記第3レンズの軸上厚みがd5であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
0.72≦f3/f≦2.89
-2.29≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.61
0.05≦d5/TTL≦0.22
【請求項7】
前記第4レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第4レンズの像側は近軸位置で凸面であり、前記第4レンズの物体側面の曲率半径がR7であり、前記第4レンズの像側の曲率半径がR8であり、前記第4レンズの軸上厚さがd7であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
0.08≦(R7+R8)/(R7-R8)≦0.34
0.02≦d7/TTL≦0.11
【請求項8】
前記第5レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第5レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第5レンズの焦点距離がf5であり、前記第5レンズの軸上厚みがd9であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-7.29≦f5/f≦-1.06
0.01≦d9/TTL≦0.04
【請求項9】
前記第6レンズの像側は近軸位置で凸面であり、前記第6レンズの物体側面の曲率半径がR11であり、前記第6レンズの像側の曲率半径がR12であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-0.34≦(R11+R12)/(R11-R12)≦4.55
0.01≦d11/TTL≦0.08
【請求項10】
前記第7レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第7レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第7レンズの焦点距離がf7であり、前記第7レンズの物体側面の曲率半径がR13であり、前記第7レンズの像側の曲率半径がR14であり、前記第7レンズの軸上厚さがd13であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-7.64≦f7/f≦-1.18
0.91≦(R13+R14)/(R13-R14)≦5.68
0.01≦d13/TTL≦0.06
【請求項11】
前記撮像光学レンズの視野角はFOVであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
FOV≧130.00°
【請求項12】
前記撮像光学レンズの絞り値はFNOであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
FNO≦2.6
【請求項13】
前記第1レンズはガラス材質である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項14】
前記第4レンズはガラス材質である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ分野に関し、特に、スマートフォン、デジタルカメラ、スポーツカメラなどの携帯端末機器や、モニタ、PCレンズなどの撮像装置に適用可能な撮像光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートデバイスの台頭に伴い、撮像レンズの小型化の需要が高まり、一般的な撮像レンズの感光素子は、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)または相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor Sensor:CMOSセンサ)に限り、かつ感光素子の画素サイズの微細化に加え、現在のスマートデバイスの機能性・薄型化などの外観が開発傾向により、良好な結像品質を有する小型化された撮像レンズが現在の市場の主流となっている。従来、携帯電話のカメラに搭載されるレンズは、より良好な結像品質を得るため、3枚または4枚のレンズ構造が主流であった。また、技術の発展とユーザニーズの多様化に伴い、感光素子の画素面積は縮小し、システムの結像品質に対する要求も向上し続けているため、レンズ設計に5枚式、6枚式、7枚式のレンズ構造が徐々に登場している。光学特性に優れ、超薄型で色収差を十分に補正できる広角撮像レンズが切実である。
【発明の概要】
【0003】
本発明では上記問題に鑑み、良好な結像性能を有する大きな絞りを得ながら、超広角の要求を満たすことができる撮像光学レンズを提供することを目的とした。
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明の一実施形態は、撮像光学レンズを提供する。前記撮像光学レンズは、物体側面から像側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、正の屈折力を有する第6レンズ、および負の屈折力を有する第7レンズを備え、
前記撮像光学レンズの焦点距離がfであり、前記第4レンズの焦点距離がf4であり、前記第6レンズの軸上厚さがd11であり、前記第6レンズの像側から前記第7レンズの物体側面までの軸上距離がd12であり、前記第1レンズの物体側面の曲率半径がR1であり、前記第1レンズの像側の曲率半径がR2であり、前記第5レンズの物体側面の曲率半径がR9であり、前記第5レンズの像側の曲率半径がR10であり、次の関係式を満たす。
0.95≦f4/f≦1.40
0.30≦d11/d12≦1.00
3.00≦R1/R2≦12.00
1.20≦(R9+R10)/(R9-R10)≦3.20
【0005】
好ましくは、前記第4レンズの軸上厚みがd7であり、前記第4レンズの像側から前記第5レンズの物体側面までの軸上距離がd8であり、次の関係式を満たす。
8.00≦d7/d8≦25.20
【0006】
好ましくは、前記第6レンズの焦点距離がf6であり、次の関係式を満たす。
3.00≦f6/f≦8.00
【0007】
好ましくは、前記第1レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第1レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第1レンズの焦点距離がf1であり、前記第1レンズの軸上厚さがd1であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-7.70≦f1/f≦-1.95
0.03≦d1/TTL≦0.75
【0008】
好ましくは、前記第2レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、前記第2レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第2レンズの焦点距離がf2であり、前記第2レンズの物体側面の曲率半径がR3であり、前記第2レンズの像側の曲率半径がR4であり、前記第2レンズの軸上厚さがd3であり、前記撮像光学レンズの全長はTTLであり、次の関係式を満たす。
-5.83≦f2/f≦-1.23
0.31≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.99
0.05≦d3/TTL≦0.31
【0009】
好ましくは、前記第3レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第3レンズの焦点距離がf3であり、前記第3レンズの物体側面の曲率半径がR5であり、前記第3レンズの像側の曲率半径がR6であり、前記第3レンズの軸上厚みがd5であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
0.72≦f3/f≦2.89
-2.29≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.61
0.05≦d5/TTL≦0.22
【0010】
好ましくは、前記第4レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第4レンズの像側は近軸位置で凸面であり、前記第4レンズの物体側面の曲率半径がR7であり、前記第4レンズの像側の曲率半径がR8であり、前記第4レンズの軸上厚さがd7であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
0.08≦(R7+R8)/(R7-R8)≦0.34
0.02≦d7/TTL≦0.11
【0011】
好ましくは、前記第5レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第5レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第5レンズの焦点距離がf5であり、前記第5レンズの軸上厚みがd9であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-7.29≦f5/f≦-1.06
0.01≦d9/TTL≦0.04
【0012】
好ましくは、前記第6レンズの像側は近軸位置で凸面であり、前記第6レンズの物体側面の曲率半径がR11であり、前記第6レンズの像側の曲率半径がR12であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-0.34≦(R11+R12)/(R11-R12)≦4.55
0.01≦d11/TTL≦0.08
【0013】
好ましくは、前記第7レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第7レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第7レンズの焦点距離がf7であり、前記第7レンズの物体側面の曲率半径がR13であり、前記第7レンズの像側の曲率半径がR14であり、前記第7レンズの軸上厚さがd13であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-7.64≦f7/f≦-1.18
0.91≦(R13+R14)/(R13-R14)≦5.68
0.01≦d13/TTL≦0.06
【0014】
好ましくは、前記撮像光学レンズの視野角はFOVであり、次の関係式を満たす。
FOV≧130.00°
【0015】
好ましくは、前記撮像光学レンズの絞り値はFNOであり、次の関係式を満たす。
FNO≦2.6
【0016】
好ましくは、前記第1レンズはガラス材質である。
【0017】
好ましくは、前記第4レンズはガラス材質である。
本発明の有益な効果は、本発明による撮像光学レンズが、良好な光学性能を有するとともに、大絞り・超広角の設計要件を満足することができ、特に、高画素用のCCD、CMOSなどの撮像素子で構成される携帯電話用撮像レンズ部品およびウェブカメラレンズに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズの構成模式図である。
【
図2】
図1に示めされる撮像光学レンズの軸方向収差模式図である。
【
図3】
図1に示めされる撮像光学レンズの倍率収差模式図である。
【
図4】
図1に示される撮像光学レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズの構成模式図である。
【
図6】
図5に示めされる撮像光学レンズの軸方向収差模式図である。
【
図7】
図5に示めされる撮像光学レンズの倍率収差模式図である。
【
図8】
図5に示される撮像光学レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズの構成模式図である。
【
図10】
図9に示めされる撮像光学レンズの軸方向収差模式図である。
【
図11】
図9に示めされる撮像光学レンズの倍率収差模式図である。
【
図12】
図9に示される撮像光学レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズの構成模式図である。
【
図14】
図13に示めされる撮像光学レンズの軸方向収差模式図である。
【
図15】
図13に示めされる撮像光学レンズの倍率収差模式図である。
【
図16】
図13に示される撮像光学レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【
図17】本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズの構成模式図である。
【
図18】
図17に示めされる撮像光学レンズの軸方向収差模式図である。
【
図19】
図17に示めされる撮像光学レンズの倍率収差模式図である。
【
図20】
図17に示される撮像光学レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【
図21】本発明の比較実施形態に係る撮像光学レンズの構成模式図である。
【
図22】
図21に示めされる撮像光学レンズの軸方向収差模式図である。
【
図23】
図21に示めされる撮像光学レンズの倍率収差模式図である。
【
図24】
図21に示される撮像光学レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術手段および利点をより明確にするために、以下、本発明の様々な実施形態を添付図面と併せて詳細に説明する。なお、当業者であれば、本発明の様々な実施形態において、読者が本発明をより良く理解できるようにするために、多くの技術的詳細が提案されていることを理解することができる。しかしながら、これらの技術的詳細および以下の実施形態に基づく種々の変形および変更がなくても、本発明が保護されると主張する技術的解決策を実現することができる。
【0020】
(第1実施形態)
添付図面を参照すると、本発明は、撮像光学レンズ10を提供する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を示し、この撮像光学レンズ10は、7つのレンズを備える。具体的には、この撮像光学レンズ10は、物体側面から像側へ順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、絞りS1、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、第7レンズL7、および像面Siを備える。また、第7レンズL7と像面Siとの間には、光学フィルタ(Filter)GFなどの光学素子が設けられてもよい。
【0021】
本実施形態では、第1レンズL1及び第4レンズL4は、いずれもガラス材質であり、第2レンズL2、第3レンズL3、第5レンズL5、第6レンズL6および第7レンズL7は、いずれもプラスチック材質である。
【0022】
前記撮像光学レンズ全体の焦点距離をfとし、前記第4レンズL4の焦点距離をf4と定義すると、次の関係式を満たす:0.95≦f4/f≦1.40。第4レンズL4の焦点距離システム全体の焦点距離に対する比を規定することにより、システムの像面湾曲量を効果的にバランスさせることができ、中心視野の像面湾曲オフセットを0.02mm未満とすることができる。
【0023】
前記第6レンズL6の軸上厚みをd11とし、前記第6レンズL6の像側から前記第7レンズL7の物体側面までの軸上距離をd12と定義すると、次の関係式を満たす:0.30≦d11/d12≦1.00。第6レンズL6の中心厚みと第6レンズL6から第7レンズL7までの空気間隔と(すなわち、第6レンズL6の軸上厚みと第6レンズL6の像側から第7レンズL7の物体側面までの軸上距離)の比を規定することにより、条件式の範囲内で実際の生産工程におけるレンズの組み立て難易度を低減することができる。
【0024】
前記第1レンズL1の物体側面の曲率半径をR1とし、前記第1レンズL1の像側の曲率半径をR2と定義すると、次の関係式を満たす:3.00≦R1/R2≦12.00。第1レンズL1の形状を規定することにより、大きな視角からの光線の入射角の変化を緩衝し、光学結像レンズ群をスムーズに伝搬させるとともに、レンズの加工やレンズの組み立てにも有利である。
【0025】
前記第5レンズL5の物体側面の曲率半径をR9とし、前記第5レンズL5の像側の曲率半径をR10と定義すると、次の関係式を満たす:1.20≦(R9+R10)/(R9-R10)≦3.20。第5レンズL5の形状を規定することにより、条件式の範囲内でレンズを通過する光の偏向の度合いを緩和し、色収差|LC≦5.2μmとなるように色収差を効率よく補正することができる。
【0026】
本実施形態では、前記第4レンズL4の軸上厚みがd7であり、前記第4レンズL4の像側から前記第5レンズL5の物体側面までの軸上距離がd8であり、次の関係式を満たす:8.00≦d7/d8≦25.20。第4レンズL4の中心厚みと第4レンズL4から第5レンズL5までの空気間隔との比を規定することにより、条件式の範囲内であれば光学システムの全長を圧縮することができる。
【0027】
本実施形態では、前記撮像光学レンズの焦点距離がfであり、前記第6レンズL6の焦点距離がf6であり、次の関係式を満たす:3.00≦f6/f≦8.00。第6レンズL6と全系の焦点距離との比を規定することにより、光学システムの光学焦点距離を合理的に配分することで、より良好な結像品質と低感度を両立させる。
【0028】
本実施形態では、前記撮像光学レンズの焦点距離をfとし、前記第1レンズL1の焦点距離をf1と定義すると、次の関係式を満たす:-7.70≦f1/f≦-1.95。第1レンズL1の負の屈折力が規定され、上限規定値を超えると、レンズの超薄型化への展開には資するものの、第1レンズL1の負の屈折力が強すぎて、収差等を補うことが困難であると同時に、レンズの広角化への展開には資せず、逆に、下限規定値を超えると、第1レンズL1の負の屈折力が弱くなりすぎ、レンズの超薄型化への展開が困難になる。好ましくは、-4.82≦f1/f≦-2.44である。
【0029】
本実施形態では、第1レンズL1の物体側面は近軸位置で凸面であり、像側は近軸位置で凹面であり、第1レンズL1は負の屈折力を有する。
【0030】
前記第1レンズL1の軸上厚みをd1とし、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.03≦d1/TTL≦0.75。これにより、超薄型の実現に寄与することができる。また、好ましくは、0.04≦d1/TTL≦0.60である。
【0031】
本実施形態では、前記撮像光学レンズの焦点距離をfとし、前記第2レンズL2の焦点距離をf2と定義し、次の関係式を満たす:-5.83≦f2/f≦-1.23。これにより、画質を効率よく向上させるためにバランスの良い像面湾曲を得ることができる。また、好ましくは、-3.64≦f2/f≦-1.54である。
【0032】
前記第2レンズL2の物体側面の曲率半径をR3とし、前記第2レンズL2の像側の曲率半径をR4と定義し、次の関係式を満たす:0.31≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.99。第2レンズL2の形状を規定することにより、範囲内ではレンズが超薄型広角化への展開に伴い、軸上色収差の問題の補正に有利である。また、好ましくは、0.50≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.79である。
【0033】
本実施形態では、第2レンズL2の物体側面は近軸位置で凹面であり、像側は近軸位置で凹面であり、第2レンズL2は負の屈折力を有する。
【0034】
前記第2レンズL2の軸上厚さをd3とし、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.05≦d3/TTL≦0.31。これにより、超薄型化を実現することに有利である。また、好ましくは、0.09≦d3/TTL≦0.25である。
【0035】
本実施形態では、前記撮像光学レンズの焦点距離をfとし、前記第3レンズL3の焦点距離をf3と定義し、次の関係式を満たす:0.72≦f3/f≦2.89。光学焦点距離を合理的に配分することで、より良好な結像品質と低感度を両立させる。また、好ましくは、1.15≦f3/f≦2.31である。
【0036】
前記第3レンズL3の物体側面の曲率半径をR5とし、前記第3レンズL3の像側の曲率半径をR6と定義し、次の関係式を満たす:-2.29≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.61。第3レンズL3の形状を規定することで、超薄型広角の展開に伴い、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、-1.43≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.77である。
【0037】
本実施形態では、第3レンズL3の物体側面は近軸位置で凸面であり、像側は近軸位置で凸面であり、第3レンズL3は正の屈折力を有する。また、他の任意の実施形態では、第3レンズL3の像側は他の凹凸分布の場合として設置されてもよい。
【0038】
前記第3レンズL3の軸上厚みをd5とし、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.05≦d5/TTL≦0.22。これにより、超薄型化の実現を容易にする。また、好ましくは、0.08≦d5/TTL≦0.18である。
【0039】
本実施形態では、前記第4レンズL4の物体側面の曲率半径をR7とし、前記第4レンズL4の像側の曲率半径をR8と定義し、次の関係式を満たす:0.08≦(R7+R8)/(R7-R8)≦0.34。第4レンズL4の形状を規定することにより、条件範囲内では超薄型広角化が進むことに伴い、軸外画角の収差などの問題の補正に有利である。また、好ましくは、0.13≦(R7+R8)/(R7-R8)≦0.27である。
【0040】
本実施形態では、第4レンズL4の物体側面は近軸位置で凸面であり、像側は近軸位置で凸面であり、第4レンズL4は正の屈折力を有する。
【0041】
前記第4レンズL4の軸上厚みをd7とし、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.02≦d7/TTL≦0.11。これにより、超薄型化を実現することに有利である。また、好ましくは、0.03≦d7/TTL≦0.09である。
【0042】
本実施形態では、前記撮像光学レンズの焦点距離をfとし、前記第5レンズL5の焦点距離をf5と定義し、次の関係式を満たす:-7.29≦f5/f≦-1.06。第5レンズL5の負の屈折力が規定され、上限規定値を超えると、超薄型化への展開には有利であるが、第5レンズL5の負の屈折力が強くなりすぎ、収差などの問題の補正が困難となるとともに、広角側への展開には不利である。逆に下限規定値を超えると、第5レンズL5の負の屈折力が弱くなりすぎて、超薄型側への展開が困難になる。好ましくは、-4.55≦f5/f≦-1.32である。
【0043】
本実施形態では、第5レンズL5の物体側面は近軸位置で凸面であり、像側は近軸位置で凹面であり、第5レンズL5は負の屈折力を有する。
【0044】
前記第5レンズL5の軸上厚さをd9とし、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.01≦d9/TTL≦0.04。これにより、超薄型化を実現することに有利である。また、好ましくは、0.01≦d9/TTL≦0.03である。
【0045】
本実施形態では、前記第6レンズL6の物体側面の曲率半径をR11とし、前記第6レンズL6の像側の曲率半径をR12と定義し、次の関係式を満たす:-0.34≦(R11+R12)/(R11-R12)≦4.55。第6レンズL6の形状を規定することにより、範囲内では、超薄型広角化が進むことに伴い、軸外画角の収差などの問題の補正に有利である。また、好ましくは、-0.21≦(R11+R12)/(R11-R12)≦3.64である。
【0046】
こ実施形態では、第6レンズL6の物体側面は近軸位置で凸面であり、像側は近軸位置で凸面であり、第6レンズL6は正の屈折力を有する。他の任意の実施形態では、第6レンズL6の物体側面は他の凹凸分布の場合として設置されてもよい。
【0047】
前記第6レンズL6の軸上厚さをd11とし、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.01≦d11/TTL≦0.08。これにより、超薄型化を実現することに有利である。また、好ましくは、0.01≦d11/TTL≦0.06である。
【0048】
本実施形態では、前記撮像光学レンズの焦点距離をfとし、前記第7レンズL7の焦点距離をf7と定義し、次の関係式を満たす:-7.64≦f7/f≦-1.18。第7レンズL7の負の屈折力が規定され、上限規定値を超えると、超薄型化への展開には有利であるが、第7レンズL7の負の屈折力が強くなりすぎ、収差などの問題の補正が困難となるとともに、広角側への展開に寄与せず、逆に下限規定値を超えると、第7レンズL7の負の屈折力が弱くなりすぎて、超薄型側への展開が困難になる。好ましくは、4.77≦f7/f≦-1.48である。
【0049】
前記第7レンズL7の物体側面の曲率半径をR13とし、前記第7レンズL7の像側の曲率半径をR14と定義し、次の関係式を満たす:0.91≦(R13+R14)/(R13-R14)≦5.68。第6レンズL6の形状を規定することにより、条件範囲内では、超薄型広角化が進むことに伴い、軸外画角の収差などの問題の補正に有利である。また、好ましくは、1.46≦(R13+R14)/(R13-R14)≦4.54である。
【0050】
本実施形態では、第7レンズL7の物体側面は近軸位置で凸面であり、像側は近軸位置で凹面であり、第7レンズL7は負の屈折力を有する。
【0051】
前記第7レンズL7の軸上厚さがd13であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす:0.01≦d13/TTL≦0.06。これにより、超薄型化の実現に有利である。また、好ましくは、0.02≦d13/TTL≦0.05である。
【0052】
以下、本発明の撮像光学レンズ10を実施例により説明する。各実施例に記載される符号は以下のとおりである。なお、焦点距離、軸上距離、曲率半径、軸上厚み、反曲点位置、停留点位置の単位はmmである。
【0053】
TTL:光学全長(第1レンズL1の物体側面から像側までの軸上距離)、単位はmmである;
【0054】
好ましくは、前記レンズの前側面および/または後側面には、高品質な結像要求を満たすために、反曲点および/または停留点が設けられてもよい。また、具体的な実施形態については、以下に説明する。
【0055】
表1および表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10の設計データを示す表である。
【0056】
【0057】
ここで、各符号の意味は以下のとおりである。
S1:絞り;
R:光学面の曲率半径、レンズの場合は中心曲率半径;
R1:第1レンズL1の物体側面の曲率半径;
R2:第1レンズL1の像側の曲率半径;
R3:第2レンズL2の物体側面の曲率半径;
R4:第2レンズL2の像側の曲率半径;
R5:第3レンズL3の物体側面の曲率半径;
R6:第3レンズL3の像側の曲率半径;
R7:第4レンズL4の物体側面の曲率半径;
R8:第4レンズL4の像側の曲率半径;
R9:第5レンズL5の物体側面の曲率半径;
R10:第5レンズL5の像側の曲率半径;
R11:第6レンズL6の物体側面の曲率半径;
R12:第6レンズL6の像側の曲率半径;
R13:第7レンズL7の物体側面の曲率半径;
R14:第7レンズL7の像側の曲率半径;
R15:光学フィルタGFの物体側面の曲率半径;
R16:光学フィルタGFの像側の曲率半径;
d:レンズの軸上厚みとレンズ間の軸上距離;
d0:絞りS1から第1レンズL1の物体側面までの軸上距離;
d1:第1レンズL1の軸上厚み;
d2:第1レンズL1の像側から第2レンズL2の物体側面までの軸上距離;
d3:第2レンズL2の軸上厚み;
d4:第2レンズL2の像側から第3レンズL3の物体側面までの軸上距離;
d5:第3レンズL3の軸上厚み;
d6:第3レンズL3の像側から第4レンズL4の物体側面までの軸上距離;
d7:第4レンズL4の軸上厚み;
d8:第4レンズL4の像側から第5レンズL5の物体側面までの軸上距離;
d9:第5レンズL5の軸上厚み;
d10:第5レンズL5の像側から第6レンズL6の物体側面までの軸上距離;
d11:第6レンズL6の軸上厚み;
d12:第6レンズL6の像側から第7レンズL7の物体側面までの軸上距離;
d13:第7レンズL7の軸上厚み;
d14:第7レンズL7の像側から光学フィルタGFの物体側面までの軸上距離;
d15:光学フィルタGFの軸上厚み;
d16:光学フィルタGFの像側面から像面までの軸上距離;
nd:d線の屈折率(d線は波長550nmの緑色光である);
nd1:第1レンズL1のd線の屈折率;
nd2:第2レンズL2のd線の屈折率;
nd3:第3レンズL3のd線の屈折率;
nd4:第4レンズL4のd線の屈折率;
nd5:第5レンズL5のd線の屈折率;
nd6:第6レンズL6のd線の屈折率;
nd7:第7レンズL7のd線の屈折率;
ndg:光学フィルタGFのd線の屈折率;
vd:アッベ数;
v1: 第1レンズL1のアッベ数;
v2:第2レンズL2のアッベ数;
v3:第3レンズL3のアッベ数;
v4:第4レンズL4のアッベ数;
v5:第5レンズL5のアッベ数;
v6:第6レンズL6のアッベ数;
v7:第7レンズL7のアッベ数;
vg:光学フィルタGFのアッベ数。
【0058】
表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10の各レンズの非球面データを示す表である。
【0059】
【0060】
なお、各レンズ面の非球面は、便宜上、下記式(1)で示される非球面を用いる。ただし、本発明は、この式(1)で表される非球面の多項式形式に限定されるものではない。
【0061】
[式1]
z=(cr2)/{1+[1-(k+1)(c2r2)]1/2}+A4r4+A6r6+A8r8+A10r10+A12r12+A14r14+A16r16+A18r18+A20r20 (1)
【0062】
ここで、kは円錐係数であり、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20は非球面係数であり、cは光学面の中心における曲率であり、rは非球面曲線における点と光軸との垂直距離であり、zは非球面深さ(非球面における距離光軸がrの点と非球面光軸における頂点に接する切面との垂直距離)である。
【0063】
表3および表4は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10における各レンズの反曲点および定在点の設計データを示す表である。ここで、P1R1、P1R2は、それぞれ第1レンズL1の物体側面および像側を表し、P2R1、P2R2は、それぞれ第2レンズL2の物体側面および像側を表し、P3R1、P3R2は、それぞれ第3レンズL3の物体側面および像側を表し、P4R1、P4R2は、それぞれ第4レンズL4の物体側面および像側を表し、P5R1、P5R2は、それぞれ第5レンズL5の物体側面および像側を表し、P6R1、P6R2は、それぞれ第6レンズL6の物体側面および像側を表し、P7R1、P7R2は、それぞれ第7レンズL7の物体側面および像側を表す。また、「反曲点位置」欄に対応するデータは、各レンズ表面に設定された反曲点から撮像光学レンズ10の光軸までの垂直距離である。「定在点位置」欄に対応するデータは、各レンズ表面に設定された定在点から撮像光学レンズ10の光軸までの垂直距離である。
【0064】
【0065】
【0066】
図2および
図3は、波長470nm、510nm、555nm、610nm、650nmの光が第1実施形態の撮像光学レンズ10を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図4は、波長555.0nmの光が第1実施形態の撮像光学レンズ10を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図4における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0067】
後に現れる表25には、各実施例1、2、3、4、5、および比較例における各種の数値と条件式で規定されたパラメータに対応する値が示めされる。
【0068】
表25に示めされるように、第1実施形態は各条件式を満足する。
【0069】
本実施形態では、前記撮像光学レンズ10の入瞳直径EMPDが1.538mmであり、前記撮像光学レンズ10の全視野像高IHが6.060mmであり、前記撮像光学レンズ10の対角線方向の視野角FOVが155.65°であり、前記撮像光学レンズ10の絞り値FNOが2.60である。前記撮像光学レンズ10は、大きな絞り・超広角の設計要件を満たし、軸上・軸外色収差が適切に補正され、優れた光学特性を有する。
【0070】
(第2実施形態)
第2実施形態は、基本的に第1実施形態と同様であり、符号は第1実施形態と同じ意味を表すため、以下では相違点のみを列挙する。
【0071】
表5及び表6に、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20の設計データを示す表である。
【0072】
【0073】
表6は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの非球面データを示す表である。
【0074】
【0075】
表7および表8は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの反曲点および定在点の設計データを示す表である。
【0076】
【0077】
【0078】
図6および
図7は、それぞれ波長470nm、510nm、555nm、610nm、650nmの光が第2実施形態の撮像光学レンズ20を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図8は、波長555.0nmの光が第2実施形態の撮像光学レンズ20を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図8における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0079】
表25に示されるように、第2実施形態は各条件式を満足する。
【0080】
本実施形態では、前記撮像光学レンズ20の入瞳直径EMPDが1.360mmであり、前記撮像光学レンズ20の全視野像高IHが6.060mmであり、前記撮像光学レンズ20の対角線方向の視野角FOVが178.00°であり、前記撮像光学レンズ20の絞り値FNOが2.60である。前記撮像光学レンズ20は、大きな絞り・超広角の設計要件を満たし、軸上・軸外色収差が適切に補正され、優れた光学特性を有する。
【0081】
(第3実施形態)
第3実施形態は、基本的に第1実施形態と同様であり、符号は第1実施形態と同じ意味を表すため、以下では相違点のみを列挙するが、第3レンズL3の像側は近軸位置で凹面であり、第6レンズL6の物体側面は近軸位置で凹面である。
【0082】
表9および表10は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30の設計データを示す表である。
【0083】
【0084】
表10は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30の各レンズの非球面データを示す表である。
【0085】
【0086】
表11および表12は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの反曲点および定在点の設計データを示す表である。
【0087】
【0088】
【0089】
図10および
図11は、それぞれ波長470nm、510nm、555nm、610nm、650nmの光が第3実施形態の撮像光学レンズ30を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図12は、波長555.0nmの光が第3実施形態の撮像光学レンズ30を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図12における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0090】
表25に示されるように、第3実施形態は各条件式を満足する。
【0091】
本実施形態では、前記撮像光学レンズ30の入瞳直径EMPDが1.831mmであり、前記撮像光学レンズ30の全視野像高IHが6.060mmであり、前記撮像光学レンズ30の対角線方向の視野角FOVが150.55°であり、前記撮像光学レンズ30の絞り値FNOが2.60である。前記撮像光学レンズ30は、大きな絞り・超広角の設計要件を満たし、軸上・軸外色収差が適切に補正され、優れた光学特性を有する。
【0092】
(第4実施形態)
第4実施形態は、基本的に第1実施形態と同様であり、符号は第1実施形態と同じ意味を表すため、以下では相違点のみを列挙するが、第6レンズL6の物体側面は近軸位置で凹面である。
【0093】
表13および表14は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40の設計データを示す表である。
【0094】
【0095】
表14は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40の各レンズの非球面データを示す表である。
【0096】
【0097】
表15および表16は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの反曲点および定在点の設計データを示す表である。
【0098】
【0099】
【0100】
図14および
図15は、それぞれ波長470nm、510nm、555nm、610nm、650nmの光が第4実施形態の撮像光学レンズ40を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図16は、波長555.0nmの光が第4実施形態の撮像光学レンズ40を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図16における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0101】
表25に示されるように、第4実施形態は各条件式を満足する。
【0102】
本実施形態では、前記撮像光学レンズ40の入瞳直径EMPDが1.539mmであり、前記撮像光学レンズ40の全視野像高IHが6.060mmであり、前記撮像光学レンズ40の対角線方向の視野角FOVが133.00°であり、前記撮像光学レンズ40の絞り値FNOが2.60である。前記撮像光学レンズ40は、大きな絞り・超広角の設計要件を満たし、軸上・軸外色収差が適切に補正され、優れた光学特性を有する。
【0103】
(第5実施形態)
第5実施形態は、基本的に第1実施形態と同様であり、符号は第1実施形態と同じ意味を表すため、以下では相違点のみを列挙する。
【0104】
表17および表18は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50の設計データを示す表である。
【0105】
【0106】
【0107】
表19および表20は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50の各レンズの反曲点および定在点の設計データを示す表である。
【0108】
【0109】
【0110】
図18および
図19は、それぞれ波長470nm、510nm、555nm、610nm、650nmの光が第5実施形態の撮像光学レンズ50を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図20は、波長555.0nmの光が第5実施形態の撮像光学レンズ50を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図20における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0111】
表25に示されるように、第5実施形態は各条件式を満足する。
【0112】
本実施形態では、前記撮像光学レンズ50の入瞳直径EMPDが1.273mmであり、前記撮像光学レンズ50の全視野像高IHが6.060mmであり、前記撮像光学レンズ50の対角線方向の視野角FOVが144.47°であり、前記撮像光学レンズ50の絞り値FNOが2.60である。前記撮像光学レンズ50は、大きな絞り・超広角の設計要件を満たし、軸上・軸外色収差が適切に補正され、優れた光学特性を有する。
【0113】
(比較実施例)
比較実施例は基本的に第1実施形態と同様であり、符号は第1実施形態と同じ意味を表すため、以下では相違点のみを列挙する。
【0114】
表21および表22に、本比較実施例に係る撮像光学レンズ60の設計データを示す表である。
【0115】
【0116】
【0117】
表23および表24は、本発明の比較実施例に係る撮像光学レンズ60における各レンズの反曲点および定在点の設計データを示す表である。
【0118】
【0119】
【0120】
図22および
図23は、それぞれ波長470nm、510nm、555nm、610nm、650nmの光が比較実施例の撮像光学レンズ60を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図24は、波長555.0nmの光が比較実施例の撮像光学レンズ60を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図24における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0121】
以下、表25には、上記条件式に従って比較実施例における各条件式に対応する数値が示される。比較実施例の撮像光学レンズ60は、上記条件式0.95≦f4/f≦1.40を満たさないことが明らかである。
【0122】
本実施形態では、前記撮像光学レンズ60の入瞳直径EMPDが1.270mmであり、前記撮像光学レンズ60の全視野像高IHが6.060mmであり、前記撮像光学レンズ60の対角線方向の視野角FOVが173.20°であり、前記撮像光学レンズ60の絞り値FNOが2.60である。前記撮像光学レンズ60は、各収差が十分に補正されていなく、優れた光学特性を有していない。
【0123】
【0124】
上記の各実施形態は、本発明を実現するための具体的な実施形態であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、実用化において形態および細部において様々な変更を加えることが可能であることは、当業者には理解され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学レンズであって、
前記撮像光学レンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、正の屈折力を有する第6レンズ、および負の屈折力を有する第7レンズから構成され、
前記撮像光学レンズの焦点距離がfであり、前記第4レンズの焦点距離がf4であり、前記第6レンズの軸上厚さがd11であり、前記第6レンズの像側から前記第7レンズの物体側面までの軸上距離がd12であり、前記第1レンズの物体側面の曲率半径がR1であり、前記第1レンズの像側の曲率半径がR2であり、前記第5レンズの物体側面の曲率半径がR9であり、前記第5レンズの像側の曲率半径がR10であり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.95≦f4/f≦1.40
0.30≦d11/d12≦1.00
3.00≦R1/R2≦12.00
1.20≦(R9+R10)/(R9-R10)≦3.20
【請求項2】
前記第4レンズの軸上厚みがd7であり、前記第4レンズの像側から前記第5レンズの物体側面までの軸上距離がd8であり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
8.00≦d7/d8≦25.20
【請求項3】
前記第6レンズの焦点距離がf6であり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
3.00≦f6/f≦8.00
【請求項4】
前記第1レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第1レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第1レンズの焦点距離がf1であり、前記第1レンズの軸上厚さがd1であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-7.70≦f1/f≦-1.95
0.03≦d1/TTL≦0.75
【請求項5】
前記第2レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、前記第2レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第2レンズの焦点距離がf2であり、前記第2レンズの物体側面の曲率半径がR3であり、前記第2レンズの像側の曲率半径がR4であり、前記第2レンズの軸上厚さがd3であり、前記撮像光学レンズの全長はTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-5.83≦f2/f≦-1.23
0.31≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.99
0.05≦d3/TTL≦0.31
【請求項6】
前記第3レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第3レンズの焦点距離がf3であり、前記第3レンズの物体側面の曲率半径がR5であり、前記第3レンズの像側の曲率半径がR6であり、前記第3レンズの軸上厚みがd5であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
0.72≦f3/f≦2.89
-2.29≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.61
0.05≦d5/TTL≦0.22
【請求項7】
前記第4レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第4レンズの像側は近軸位置で凸面であり、前記第4レンズの物体側面の曲率半径がR7であり、前記第4レンズの像側の曲率半径がR8であり、前記第4レンズの軸上厚さがd7であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
0.08≦(R7+R8)/(R7-R8)≦0.34
0.02≦d7/TTL≦0.11
【請求項8】
前記第5レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第5レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第5レンズの焦点距離がf5であり、前記第5レンズの軸上厚みがd9であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-7.29≦f5/f≦-1.06
0.01≦d9/TTL≦0.04
【請求項9】
前記第6レンズの像側は近軸位置で凸面であり、前記第6レンズの物体側面の曲率半径がR11であり、前記第6レンズの像側の曲率半径がR12であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-0.34≦(R11+R12)/(R11-R12)≦4.55
0.01≦d11/TTL≦0.08
【請求項10】
前記第7レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第7レンズの像側は近軸位置で凹面であり、前記第7レンズの焦点距離がf7であり、前記第7レンズの物体側面の曲率半径がR13であり、前記第7レンズの像側の曲率半径がR14であり、前記第7レンズの軸上厚さがd13であり、前記撮像光学レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-7.64≦f7/f≦-1.18
0.91≦(R13+R14)/(R13-R14)≦5.68
0.01≦d13/TTL≦0.06
【請求項11】
前記撮像光学レンズの視野角はFOVであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
FOV≧130.00°
【請求項12】
前記撮像光学レンズの絞り値はFNOであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
FNO≦2.6
【請求項13】
前記第1レンズはガラス材質である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項14】
前記第4レンズはガラス材質である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。