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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177037
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】燃料電池式産業車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20241212BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20241212BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20241212BHJP
   B60L 50/70 20190101ALI20241212BHJP
   F17C 5/06 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/00 Z
H01M8/04313
B60L50/70
F17C5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209458
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】P 2023095633
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】本村 浩平
(72)【発明者】
【氏名】吉房 敬二
【テーマコード(参考)】
3E172
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB05
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD03
3E172DA90
3E172EA02
3E172EA35
5H125AA13
5H125AC07
5H125FF09
5H127AB04
5H127AC02
5H127AC17
5H127BA02
5H127BA22
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE04
5H127EE19
5H127EE25
5H127EE29
5H127FF20
(57)【要約】
【課題】充填ノズルの差込途中に充填プラグに対する充填ノズルの接続ができなくなることを抑制できる燃料電池式産業車両を提供すること。
【解決手段】フォークリフトの検出機構45は、充填プラグ36の取り付けられたブラケット51と、充填プラグ36に対する充填ノズル41の差込に伴って充填ノズル41が接触し、かつ当該充填ノズル41の差込方向へ移動可能にブラケット51に支持されたノズル接触部材61と、差込方向へのノズル接触部材61の移動に伴ってリミットスイッチ91を動作させるセンサ動作部材66と、ノズル接触部材61と一体であり、当該ノズル接触部材61からブラケット51に向けて差込方向に延びる複数のガイド部材71と、を備える。ブラケット51には、ガイド部材71が挿通されるとともに、ブラケット51は、ガイド部材71を差込方向へ移動可能に支持する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックを備える燃料電池ユニットと、
前記燃料電池スタックに供給される燃料ガスを貯留する燃料タンクと、
前記燃料電池ユニット及び前記燃料タンクが搭載される車体と、を備え、
前記燃料電池ユニットは、
前記燃料タンクに前記燃料ガスを充填するための充填プラグであって、燃料ガス供給用の充填ノズルを接続可能な前記充填プラグと、
前記充填プラグと前記充填ノズルの接続状態を検出する検出機構と、を備える燃料電池式産業車両であって、
前記検出機構は、
前記充填プラグに対する前記充填ノズルの接続完了に応じて出力信号が変化するセンサと、
前記燃料電池ユニットの筐体に設置され、かつ前記充填プラグの取り付けられたブラケットと、
前記充填プラグに対する前記充填ノズルの差込に伴って前記充填ノズルが接触し、かつ当該充填ノズルの差込方向へ移動可能に前記ブラケットに支持されたノズル接触部材と、
前記差込方向への前記ノズル接触部材の移動に伴って前記センサを動作させるセンサ動作部材と、
前記ノズル接触部材と一体であり、当該ノズル接触部材から前記ブラケットに向けて前記差込方向に延びる複数のガイド部材と、を備え、
前記ブラケットに前記ガイド部材が挿通されるとともに、前記ブラケットは、前記ガイド部材を前記差込方向へ移動可能に支持することを特徴とする燃料電池式産業車両。
【請求項2】
前記ノズル接触部材と前記ブラケットとの間に介在し、前記差込方向と反対方向へ前記ノズル接触部材を付勢する付勢部材を備える請求項1に記載の燃料電池式産業車両。
【請求項3】
前記ガイド部材の軸方向の端部のうち、前記ブラケットを挟んで前記ノズル接触部材の配置側と反対側にて前記ブラケットから突出した端部にはストッパが設けられている請求項2に記載の燃料電池式産業車両。
【請求項4】
前記ストッパは、複数の前記ガイド部材に架設されている請求項3に記載の燃料電池式産業車両。
【請求項5】
前記センサは可動子を備え、前記可動子は、前記ブラケットを挟んで前記ノズル接触部材の配置側と反対側に配置され、前記センサ動作部材は、前記ストッパによって形成されている請求項4に記載の燃料電池式産業車両。
【請求項6】
前記センサは、前記可動子を、前記差込方向及び当該差込方向と反対方向へ移動可能に設置されている請求項5に記載の燃料電池式産業車両。
【請求項7】
前記複数のガイド部材は、前記充填プラグを中心とする同心円上に等間隔おきに配置された3本のガイド部材である請求項5又は請求項6に記載の燃料電池式産業車両。
【請求項8】
前記センサ動作部材には、前記充填プラグを貫通させるプラグ用貫通孔が形成され、前記センサ動作部材は、前記プラグ用貫通孔を囲む囲繞部を備えるとともに、当該囲繞部から延出した部分に前記3本のガイド部材が固定されている請求項7に記載の燃料電池式産業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池式産業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池式産業車両は、燃料電池ユニットを搭載している。燃料電池ユニットは、燃料ガスとなる水素を蓄える燃料タンクを備えるとともに、燃料タンクに水素を充填するために使用される充填プラグを備える。燃料タンクに水素を充填する場合、水素供給用のディスペンサに接続された充填ノズルと充填プラグとが接続される。
【0003】
また、燃料タンクに水素を充填している間は、燃料電池式産業車両を停止させておく必要がある。このため、燃料電池式産業車両においては、充填プラグに充填ノズルが接続されているか否かを検出するようになっている。
【0004】
例えば、特許文献1には、充填プラグと、充填ノズルとしての充填ソケットの接続状態を検出する検出機構を備える燃料電池式産業車両が開示されている。特許文献1の燃料電池式産業車両は、充填プラグに充填ソケットを接続するときに、充填ソケットに押されて所定方向に移動する押動板を備える。押動板は、充填プラグの周方向の一部を囲むように配置されている。また、押動板は、蝶番に接合されるとともに、蝶番はブラケットに取り付けられている。ブラケットは、ボルトによってプラグ取付板に固定されている。プラグ取付板は、燃料電池ユニットの筐体に固定されている。
【0005】
また、燃料電池式産業車両は、押動板の移動によって押し込まれる可動子を有するリミットスイッチを備える。そして、充填ソケットの押し込みに伴う押動板の移動によって可動子が押し込まれることにより、リミットスイッチの出力信号が変化する。燃料電池式産業車両のFCコントローラは、リミットスイッチの出力信号を基に充填プラグに充填ソケットが接続されているか否かを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-43056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において、押動板の移動は、当該押動板の基端を中心とした回動である。充填ソケットによる押動板の押し込み量が多くなるほど、押動板の先端は、充填ソケットの先端から離れていく。このため、充填プラグに対する充填ソケットの接続が完了する前に、押動板の先端がプラグ取付板に干渉してしまう虞がある。すると、充填プラグに対する充填ソケットの接続を完了できない虞がある。
【0008】
また、押動板は、蝶番に接合されるとともに、蝶番は、ブラケットに取り付けられている。そして、ブラケットは、ボルトによってプラグ取付板に固定されている。このため、押動板の回動中心となる基端の位置は、プラグ取付板へのブラケットの取付公差、ブラケットへの蝶番の取付公差、蝶番の製造公差等を原因としてばらつきやすい。また、充填ソケットには、複数の種類が設定されるとともに、最大径が複数設定されている場合がある。充填ソケットの最大径が小さくなるほど、押動板の位置のばらつきによっては、充填ソケットによって押動板を押し込むことができなくなる虞がある。すると、充填プラグに対する充填ソケットの接続を完了できない虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するための燃料電池式産業車両は、燃料電池スタックを備える燃料電池ユニットと、前記燃料電池スタックに供給される燃料ガスを貯留する燃料タンクと、前記燃料電池ユニット及び前記燃料タンクが搭載される車体と、を備え、前記燃料電池ユニットは、前記燃料タンクに前記燃料ガスを充填するための充填プラグであって、燃料ガス供給用の充填ノズルを接続可能な前記充填プラグと、前記充填プラグと前記充填ノズルの接続状態を検出する検出機構と、を備える燃料電池式産業車両であって、前記検出機構は、前記充填プラグに対する前記充填ノズルの接続完了に応じて出力信号が変化するセンサと、前記燃料電池ユニットの筐体に設置され、かつ前記充填プラグの取り付けられたブラケットと、前記充填プラグに対する前記充填ノズルの差込に伴って前記充填ノズルが接触し、かつ当該充填ノズルの差込方向へ移動可能に前記ブラケットに支持されたノズル接触部材と、前記差込方向への前記ノズル接触部材の移動に伴って前記センサを動作させるセンサ動作部材と、前記ノズル接触部材と一体であり、当該ノズル接触部材から前記ブラケットに向けて前記差込方向に延びる複数のガイド部材と、を備え、前記ブラケットに前記ガイド部材が挿通されるとともに、前記ブラケットは、前記ガイド部材を前記差込方向へ移動可能に支持することを要旨とする。
【0010】
これによれば、例えば、ノズル接触部材の基端が回動軸によって回動可能に支持されている比較例の場合、ノズル接触部材に接触した充填ノズルによってノズル接触部材が押し込まれて回動すると、ノズル接触部材の先端は、円弧状の軌跡を描く。このため、比較例では、充填ノズルによってノズル接触部材が押し込まれるほど、ノズル接触部材の先端は、充填ノズルから離れていく。これに対し、ガイド部材及びブラケットによる支持によって、ノズル接触部材は充填ノズルと共に差込方向へ直線的に移動する。このため、ノズル接触部材は、円弧状の軌跡を描くように移動するのではなく、直線状の軌跡を描くように移動する。ノズル接触部材は、当該ノズル接触部材に接触した充填ノズルによって押し込まれることで充填ノズルから離れていくことはない。よって、充填ノズルの差込途中でノズル接触部材がブラケットに接触して、それ以上の充填ノズルの差込ができなくなることを抑制できる。
【0011】
また、ノズル接触部材の位置は、ブラケットに支持されたガイド部材の位置で決まる。ガイド部材は、ガイド孔に挿通されているだけである。したがって、ノズル接触部材の位置ずれを小さくできる。加えて、上記のようにノズル接触部材は、充填ノズルの差込方向へ直線的に移動する。このため、充填ノズルの最大径が小さくなっても、ノズル接触部材は、充填ノズルで押し込める位置にあるため、充填プラグに対する充填ノズルの接続が、差込途中でできなくなってしまうことを抑制できる。上記により、充填ノズルの差込途中に充填プラグに対する充填ノズルの接続ができなくなることを抑制できる。
【0012】
燃料電池式産業車両について、前記ノズル接触部材と前記ブラケットとの間に介在し、前記差込方向と反対方向へ前記ノズル接触部材を付勢する付勢部材を備えていてもよい。
これによれば、充填プラグから充填ノズルを引き抜くと、付勢部材の付勢力によって、ノズル接触部材を、充填プラグに対する充填ノズルの接続前の位置に復帰させることができる。
【0013】
燃料電池式産業車両について、前記ガイド部材の軸方向の端部のうち、前記ブラケットを挟んで前記ノズル接触部材の配置側と反対側にて前記ブラケットから突出した端部にはストッパが設けられていてもよい。
【0014】
これによれば、ストッパによって、ガイド部材がブラケットから抜け出ることを抑制できる。
燃料電池式産業車両について、前記ストッパは、複数の前記ガイド部材に架設されていてもよい。
【0015】
これによれば、ストッパによって、複数のガイド部材がブラケットから抜け出ることをさらに抑制できる。
燃料電池式産業車両について、前記センサは可動子を備え、前記可動子は、前記ブラケットを挟んで前記ノズル接触部材の配置側と反対側に配置され、前記センサ動作部材は、前記ストッパによって形成されていてもよい。
【0016】
これによれば、ストッパとセンサ動作部材とを別々に設ける場合と比べると、検出機構の構成を簡素化できる。
燃料電池式産業車両について、前記センサは、前記可動子を、前記差込方向及び当該差込方向と反対方向へ移動可能に設置されていてもよい。
【0017】
これによれば、例えば、可動子が、差込方向及び反対方向に直交する方向へ往復動可能な場合、可動子にセンサ動作部材を接触させると、可動子によって、センサ動作部材は、差込方向及び反対方向に直交する方向に押圧されて傾きやすい。しかし、可動子を、差込方向及び反対方向へ移動可能となるようにセンサを設置したため、センサ動作部材が、差込方向及び反対方向に直交する方向に押圧されて傾くことを抑制できる。
【0018】
燃料電池式産業車両について、前記複数のガイド部材は、前記充填プラグを中心とする同心円上に等間隔おきに配置された3本のガイド部材であってもよい。
これによれば、3本のガイド部材により、ノズル接触部材及びセンサ動作部材の傾きを抑制できる。
【0019】
燃料電池式産業車両について、前記センサ動作部材には、前記充填プラグを貫通させるプラグ用貫通孔が形成され、前記センサ動作部材は、前記プラグ用貫通孔を囲む囲繞部を備えるとともに、当該囲繞部から延出した部分に前記3本のガイド部材が固定されていてもよい。
【0020】
これによれば、囲繞部によって、ガイド部材の固定される箇所の変形を抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、充填ノズルの差込途中に充填プラグに対する充填ノズルの接続ができなくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、フォークリフトを示す側面図である。
図2図2は、燃料電池ユニット及び充填ノズルを示す斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態の検出機構を示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態の検出機構を示す背面図である。
図5図5は、第1の実施形態の検出機構を示す断面図である。
図6図6は、第1の実施形態の検出機構を示す拡大断面図である。
図7図7は、第1の実施形態の検出機構を示す部分断面図である。
図8図8は、充填ノズルを充填プラグに接続した状態を示す断面図である。
図9図9は、第2の実施形態の検出機構を示す分解斜視図である。
図10図10は、第2の実施形態の検出機構を示す斜視図である。
図11図11は、第2の実施形態の検出機構を示す正面図である。
図12図12は、第2の実施形態の検出機構を示す側面図である。
図13図13は、第2の実施形態の検出機構を示す断面図である。
図14図14は、第2の実施形態の検出機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
以下、燃料電池式産業車両を燃料電池式フォークリフトに具体化した第1の実施形態を図1図8にしたがって説明する。なお、燃料電池式フォークリフトを単に「フォークリフト」と記載する。
【0024】
<フォークリフト>
図1に示すように、フォークリフト10は、車体11と、車両負荷12と、燃料タンク21と、燃料電池ユニット30と、を備える。以下の説明において、車両負荷12の一例は、走行モータ13及び荷役モータ14である。走行モータ13は、車体11の駆動輪15を駆動させる。荷役モータ14は、荷役装置16を駆動させる。燃料電池ユニット30は、車両負荷12の電源である。車体11は、燃料電池ユニット30及び燃料タンク21の収容部11aを有する。燃料電池ユニット30及び燃料タンク21は、収容部11aに収容されることにより、車体11に搭載されている。
【0025】
車体11の側面に開口する収容部11aは、カバー17によって覆われている。このため、収容部11aに収容された燃料電池ユニット30は、カバー17によって覆われている。カバー17は、車体11の側面に取り付けられている。カバー17には、扉18が取り付けられている。扉18は、カバー17に形成された開口部17aを開閉する。扉18が開かれると、収容部11aに収容された燃料電池ユニット30の一部は、開口部17aを介して車体11の外部に露出する。扉18が閉じられると、収容部11aに収容された燃料電池ユニット30の一部は扉18によって覆われる。
【0026】
<燃料電池ユニット>
図2に示すように、燃料電池ユニット30は、燃料電池スタック33と、充填プラグ36と、検出機構45と、を備える。燃料電池スタック33は、燃料タンク21に接続されている。燃料タンク21には、燃料電池スタック33が発電するために必要な燃料ガスが貯留される。
【0027】
燃料電池ユニット30は、筐体31を備える。筐体31は全体的に直方体状である。燃料電池スタック33は筐体31の内部に設けられている。筐体31の一側面はプレート32で覆われている。プレート32は、カバー17の裏面に対向する。プレート32は略四角形に形成されている。プレート32の1つの隅部には、燃料ガス充填用の窓部34が形成されている。窓部34は、プレート32の一部を切り欠いて形成されている。
【0028】
充填プラグ36は、窓部34の奥側に配置されている。充填プラグ36は、燃料タンク21に水素を充填するためのプラグである。扉18は、燃料電池ユニット30の充填プラグ36の位置にあわせて設けられている。このため、扉18を開けると、燃料電池ユニット30の充填プラグ36が外部に露出した状態になる。
【0029】
充填プラグ36は、図示しない燃料ガス供給路を介して燃料タンク21に接続されている。充填プラグ36は、円筒形である。充填プラグ36には、図示しないキャップが装着される。このキャップは、水素の充填時以外には充填プラグ36の受け口38を塞ぐように、充填プラグ36の先端部に装着される。
【0030】
充填プラグ36に接続される充填ノズル41は、燃料ガス供給用のノズルである。充填プラグ36は、この充填ノズル41を接続可能である。また、充填プラグ36は、充填ノズル41を抜き差し可能に形成されている。充填ノズル41は、円筒形である。
【0031】
充填ノズル41の外径は、充填プラグ36の外径よりも大きく設定されている。充填ノズル41は、水素供給用のホース42の先端部に設けられている。ホース42は、図示しない水素ステーションのディスペンサにつながっている。水素は、ディスペンサからホース42を通して充填ノズル41へ送られる。
【0032】
充填ノズル41を充填プラグ36に接続する場合は、充填プラグ36からキャップを取り外して受け口38を露出させる。受け口38に充填ノズル41の先端部を差し込むと、図示しないソケットが充填プラグ36に係合するとともに、図示しないロック機構によって充填ノズル41と充填プラグ36がロックされる。充填ノズル41と充填プラグ36がロックされるまで、充填ノズル41を充填プラグ36に差し込むために充填ノズル41を移動させる距離を「差込距離」とする。
【0033】
図8に示すように、差込距離Fは、充填ノズル41と充填プラグ36の接続をロックするために、充填プラグ36の端面36aから充填ノズル41が移動できる距離である。また、差込距離Fは、充填ノズル41に形成された差込孔41aの深さでもある。なお、充填ノズル41を充填プラグ36から取り外す場合は、ロックを解除して充填プラグ36から充填ノズル41を引き抜く。充填ノズル41の深さには予め設定された規定値が存在する。
【0034】
<検出機構>
検出機構45は、充填プラグ36と充填ノズル41の接続状態を検出する。充填プラグ36と充填ノズル41の接続状態は、充填ノズル41に対する充填プラグ36の接続が完了した状態である。つまり、予め規定された差込距離Fだけ、充填ノズル41に充填プラグ36が差し込まれた状態である。
【0035】
図3図7に示すように、検出機構45は、ブラケット51と、ノズル接触部材61と、センサ動作部材66と、複数のガイド部材71と、付勢部材81と、センサとしてのリミットスイッチ91と、を備える。
【0036】
ブラケット51は、燃料電池ユニット30の筐体31の一部である取付部35に取り付けられている。なお、上記扉18は、ブラケット51の位置にあわせて設けられている。
ブラケット51は、長四角板状の本体52と、本体52の一つの長縁及び一つの短縁から突出するリブ51aと、本体52に一体のプラグ取付部材53と、を備える。本体52は、板厚方向に互いに反対面となる第1面52aと第2面52bを備える。第1面52aと第2面52bは互いに平行な平面である。リブ51aは、本体52の第1面52a側に突出するとともに、本体52を補強する。なお、リブ51aは、本体52に無くてもよいし、本体52の他の縁に設けられていてもよい。
【0037】
本体52は、板状のプラグ取付部材53を一体に備える。プラグ取付部材53の板厚は、本体52の板厚より厚い。プラグ取付部材53は、板厚方向に互いに反対面となる第1端面53aと第2端面53bを備える。第1端面53aと第2端面53bは互いに平行な平面である。
【0038】
プラグ取付部材53の第1端面53aは、本体52の第1面52aと同一面上にある。プラグ取付部材53の第2端面53bは、本体52の第2面52bよりも外方へ離れた位置にある。
【0039】
プラグ取付部材53には、充填プラグ36が螺合されている。したがって、プラグ取付部材53を備えるブラケット51には、充填プラグ36が取り付けられている。充填プラグ36における受け口38の開口する端面36aは、リブ51aよりも外方へ突出した位置にある。
【0040】
図6及び図7に示すように、プラグ取付部材53は、充填プラグ36の径方向において、充填プラグ36の外周面に対向する内周面53cと、内周面53cに直交する底面53dと、底面53dから突出する環状突条55と、を備える。また、プラグ取付部材53は、複数のガイド孔56を画定する。したがって、ブラケット51には、ガイド孔56が設けられている。
【0041】
プラグ取付部材53の内周面53c及び底面53dは、充填プラグ36を囲む環状である。プラグ取付部材53は、内周面53cと底面53dとによって画定された環状凹部54を備える。環状凹部54及び環状突条55は、充填プラグ36の径方向外側において、充填プラグ36を囲む。環状突条55の外周面は、プラグ取付部材53の内周面53cから径方向に離れている。
【0042】
複数のガイド孔56は、充填プラグ36の径方向において、環状凹部54よりも外側に配置されている。各ガイド孔56は、プラグ取付部材53を板厚方向に貫通する。複数のガイド孔56は、充填プラグ36の中心軸線L1を中心に周方向へ等間隔おきに配置されている。各ガイド孔56の中心軸線L2は、充填プラグ36の中心軸線L1と平行である。
【0043】
複数のガイド部材71は、1本ずつガイド孔56に挿通されている。各ガイド部材71は、プラグ取付部材53の板厚方向へ往復動可能にプラグ取付部材53に支持されている。したがって、プラグ取付部材53を備えるブラケット51には、ガイド部材71が挿通されるとともに、ブラケット51は、ガイド部材71を移動可能に支持している。
【0044】
ガイド孔56を画定した内周面と、ガイド部材71の周面との間には、僅かな隙間があるだけである。ガイド孔56の孔径の公差と、ガイド部材71の直径の公差とが積み重なって最大となっても、その値は極僅かである。また、ガイド孔56は、プラグ取付部材53の板厚方向に貫通している。プラグ取付部材53は、本体52よりも厚いため、ガイド部材71は、プラグ取付部材53によって傾きを抑制した状態に支持されている。ガイド部材71は、ガイド孔56に挿通されることによって、ガイド孔56の中心軸線L2の延びる方向へ直線的に移動するようにプラグ取付部材53、ひいてはブラケット51に支持されている。
【0045】
図5及び図6に示すように、各ガイド部材71の軸方向の第1端部71aは、ノズル接触部材61に連結されている。したがって、複数のガイド部材71は、ノズル接触部材61に一体である。また、各ガイド部材71の軸方向の第2端部71b側は、ガイド孔56に挿通されている。したがって、複数のガイド部材71は、ノズル接触部材61からブラケット51に向けて、充填ノズル41の差込方向に延びる。
【0046】
各ガイド部材71の軸方向における第2端部71b側の一部は、ガイド孔56の内周面に支持されている。3本のガイド部材71のうちの、2本のガイド部材71について、第2端部71bは、プラグ取付部材53の第2端面53bから突出している。
【0047】
図4に示すように、第2端面53bから突出したガイド部材71の第2端部71bには、ストッパ72が架設されている。よって、ガイド部材71の軸方向の端部のうち、ブラケット51を挟んでノズル接触部材61の配置側と反対側にてブラケット51から突出した第2端部71bには、ストッパ72が設けられている。ストッパ72は、長板状である。ストッパ72は、ボルト73によって、2本のガイド部材71の第2端部71bに締結されている。
【0048】
図8に示すように、ノズル接触部材61は、充填プラグ36に対する充填ノズル41の差込の際に、当該充填ノズル41の先端と接触するとともに、充填ノズル41との接触によって動作する部材である。
【0049】
図3図5及び図6に示すように、ノズル接触部材61は、充填プラグ36を貫通させる貫通孔62を画定する円盤状である。ノズル接触部材61は、充填プラグ36を囲んでいる。ノズル接触部材61は、板厚方向に互いに反対面となるノズル接触面61aと非接触面61bを備える。そして、充填ノズル41の先端は、ノズル接触面61aに接触する。ノズル接触面61aと非接触面61bは互いに平行な平面である。各ガイド部材71の第1端部71aでの軸方向端面は、ノズル接触面61aと同一平面上に位置している。なお、ガイド部材71の第1端部71aでの軸方向端面は、ノズル接触面61aより凹む位置に位置していてもよい。
【0050】
ノズル接触部材61は、非接触面61bからプラグ取付部材53に向けて突出する係合突条63を備える。係合突条63は、ノズル接触部材61の内周縁から円筒状に突出する。係合突条63は、先端部にガイド面63aを備える。ガイド面63aでの外径は、係合突条63の先端から基端に向かうに従い徐々に拡径する。
【0051】
付勢部材81は、コイルバネ製である。付勢部材81は、充填プラグ36を囲むように設置されている。付勢部材81の第1端部81aは、係合突条63のガイド面63aに接触するとともに、付勢部材81の第2端部81bは、プラグ取付部材53の底面53dに接触している。付勢部材81は、ノズル接触部材61とブラケット51のプラグ取付部材53との間に介在する。付勢部材81は、ノズル接触部材61をブラケット51のプラグ取付部材53から離れる方向へ付勢する。つまり、付勢部材81は、ノズル接触部材61を、充填ノズル41の差込方向と反対方向に付勢する。
【0052】
付勢部材81によってノズル接触部材61が付勢された状態において、ストッパ72は、プラグ取付部材53の第2端面53bに接触している。第2端面53bに対するストッパ72の接触により、ガイド部材71のプラグ取付部材53からの抜け出しが防止されるとともに、ノズル接触部材61の移動が規制されている。ストッパ72によるノズル接触部材61の移動が規制された状態では、ノズル接触面61aは、リブ51aの先端とほぼ同じ位置にある。
【0053】
ノズル接触部材61は、センサ動作部材66を一体に備える。センサ動作部材66は、薄板状である。センサ動作部材66は、ノズル接触部材61の非接触面61bに接合されている。センサ動作部材66は、ノズル接触部材61の外周縁よりも外方へ突出するとともに、ノズル接触面61aよりも前方へ突出する。センサ動作部材66は、板厚方向に見てクランク状である。
【0054】
そして、上記構成のノズル接触部材61は、ガイド部材71の挿通されたガイド孔56の中心軸線L2の延びる方向へ直線的に往復動可能であるとともに、ノズル接触部材61は、初期位置P1と押込位置P2との間を移動可能である。具体的には、ノズル接触部材61が初期位置P1に位置している場合、充填プラグ36に対する充填ノズル41の差込を行うと、ノズル接触部材61のノズル接触面61aのうち、貫通孔62の周囲に充填ノズル41の先端が接触する。さらに、ノズル接触部材61に接触した充填ノズル41の押し込みによって、ノズル接触部材61は、初期位置P1から押込位置P2に向けて移動するとともに、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続完了で、押込位置P2に位置する。一方、充填プラグ36から充填ノズル41を引き抜くと、ノズル接触部材61は、付勢部材81の付勢力を受けて押込位置P2から初期位置P1に向けて移動する。
【0055】
図5に示すように、初期位置P1は、ストッパ72によってノズル接触部材61の移動を規制した状態であり、かつ付勢部材81の付勢力によってノズル接触部材61をプラグ取付部材53から最も離した位置である。
【0056】
図8に示すように、押込位置P2は、ノズル接触部材61に接触した充填ノズル41によるノズル接触部材61の押し込みによってノズル接触部材61をプラグ取付部材53に近付けた位置である。押込位置P2では、付勢部材81は初期位置P1に比べて圧縮されているため、付勢部材81の原形状への復帰力によってノズル接触部材61を初期位置P1に向けて付勢している。
【0057】
初期位置P1から押込位置P2までの間にノズル接触部材61が移動できる距離Kは、充填ノズル41の差込距離F以上である。図8では、差込距離Fと距離Kが同じときを示している。
【0058】
図3に示すように、リミットスイッチ91は、ブラケット51の本体52に固定されている。リミットスイッチ91は、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続完了に応じて出力信号が変化するセンサである。リミットスイッチ91の出力信号は、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続が完了するとオンとなり、充填プラグ36から充填ノズル41が引き抜かれるとオフとなる。したがって、充填ノズル41の接続完了状態では、リミットスイッチ91の出力信号がオン状態となり、充填プラグ36に充填ノズル41が接続されていない状態では、リミットスイッチ91の出力信号がオフ状態となる。フォークリフト10では、リミットスイッチ91の出力信号に基づいて、充填プラグ36に充填ノズル41が接続されているか否かを検出する。
【0059】
リミットスイッチ91は、取付ブラケット90によって本体52の第1面52aに取り付けられている。リミットスイッチ91は、センサ動作部材66の側方に配置されている。
【0060】
リミットスイッチ91は可動子92を備える。可動子92は、円板状である。可動子92は、本体52の第1面52aと平行な方向に移動可能に支持されている。また、可動子92は、リミットスイッチ91に内蔵された図示しない復帰バネによって、センサ動作部材66に近付く方向へ付勢されている。
【0061】
ノズル接触部材61が初期位置P1に位置しているとき、可動子92は、センサ動作部材66から離れた位置でセンサ動作部材66の近傍に位置している。そして、ノズル接触部材61が初期位置P1から押込位置P2に向けて移動すると、センサ動作部材66もノズル接触部材61に連動して押込位置P2に向けて移動する。押込位置P2に向けて移動するセンサ動作部材66によって、可動子92は、押し込まれるように動作する。そして、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続が完了して、接続完了状態になると、可動子92が押し込まれることによって、リミットスイッチ91の出力信号がオフ状態からオン状態となる。したがって、リミットスイッチ91は、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続完了に応じて出力信号が変化するセンサである。
【0062】
<第1の実施形態の作用>
フォークリフト10の作用について、検出機構45の動作とともに説明する。
まず、充填プラグ36に充填ノズル41が接続されていない場合は、ノズル接触部材61は、付勢部材81の付勢力を受けて初期位置P1に位置している。ノズル接触部材61が初期位置P1に位置するときは、センサ動作部材66は、可動子92に接触していないため、リミットスイッチ91の可動子92は、図示しない復帰バネの付勢力によって所定量だけ突出した状態に保持されている。このため、リミットスイッチ91の出力信号はオフ状態である。
【0063】
燃料タンク21への水素充填のために、充填プラグ36に充填ノズル41を差し込むと、その差し込みの途中で充填ノズル41の先端がノズル接触部材61のノズル接触面61aに接触する。そして、充填ノズル41を更に差し込むと、ノズル接触部材61が、当該ノズル接触部材61に接触している充填ノズル41によって押し込まれる。このとき、係合突条63が、付勢部材81の第1端部81a側の内側に入り込む。また、ノズル接触部材61が若干傾いても、ガイド面63aによって付勢部材81の第1端部81aの内側に係合突条63を入り込ませることができる。
【0064】
ノズル接触部材61は、3本のガイド部材71、及びプラグ取付部材53のガイド孔56によって充填ノズル41の差込方向へ直線的に移動する。具体的には、ノズル接触部材61は、充填プラグ36の中心軸線L1と、ガイド孔56の中心軸線L2とが平行の状態を維持したまま移動する。また、ノズル接触部材61は、回動するのではなく、充填ノズル41の差込方向へスライド移動する。つまり、充填ノズル41による押し込みによって、ノズル接触部材61は、非接触面61bの全面をプラグ取付部材53の第1端面53aに近付けるように移動する。したがって、ノズル接触部材61は、非接触面61bのいずれの位置であっても、第1端面53aとの距離を同じにして押込位置P2に向けて移動する。
【0065】
付勢部材81は、ノズル接触部材61に押されて圧縮されていく。そして、図8に示すように、ノズル接触部材61が初期位置P1から押込位置P2に向けて移動すると、可動子92がセンサ動作部材66によって押し込まれる。つまり、ノズル接触部材61の動作によって、リミットスイッチ91を動作させる。ノズル接触部材61が押込位置P2に位置して接続完了状態となると、リミットスイッチ91の出力信号がオフ状態からオン状態となる。
【0066】
一方、充填プラグ36から充填ノズル41を引き抜くと、ノズル接触部材61は、付勢部材81の付勢力を受けて押込位置P2から初期位置P1に向けて移動する。このとき、ノズル接触部材61は、3本のガイド部材71及びガイド孔56によって、充填ノズル41の引き抜き方向へ直線的に移動する。リミットスイッチ91の可動子92に対して、ノズル接触部材61の移動に従ってセンサ動作部材66が離れる。このため、センサ動作部材66による可動子92の押し込みが解除される。その結果、リミットスイッチ91の出力信号はオン状態からオフ状態に変化する。
【0067】
リミットスイッチ91の出力信号を監視することにより、充填プラグ36に充填ノズル41が接続されているかどうかを検出することが可能となる。
<第1の実施形態の効果>
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0068】
(1-1)ガイド部材71及びブラケット51のガイド孔56による支持によって、ノズル接触部材61の全体が充填ノズル41と共に差込方向へ直線的に移動する。このため、ノズル接触部材61が、当該ノズル接触部材61に接触した充填ノズル41によって押し込まれるに従い、ノズル接触部材61が充填ノズル41から離れていくことはない。よって、充填ノズル41の差込途中でノズル接触部材61がブラケット51に接触して、それ以上の充填ノズル41の差込ができなくなることを抑制できる。
【0069】
また、ノズル接触部材61の位置は、ブラケット51に支持されたガイド部材71の位置で決まる。ガイド部材71は、ガイド孔56に挿通されているだけである。したがって、ノズル接触部材61の位置ずれを小さくできる。加えて、上記のようにノズル接触部材61は、充填ノズル41の差込方向へ直線的に移動する。このため、使用される充填ノズル41の径が小さくなっても、ノズル接触部材61は、充填ノズル41で押し込める位置にあるため、充填プラグ36に対する充填ノズル41の差込途中に充填ノズル41の差込ができなくなることがない。上記により、充填ノズル41の差込途中に充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続ができなくなることを抑制できる。
【0070】
(1-2)ノズル接触部材61は、付勢部材81の第1端部81aが係合する係合突条63を備える。そして、係合突条63には、ガイド面63aが形成されている。このため、ノズル接触部材61が充填ノズル41によって押し込まれたとき、ノズル接触部材61が若干傾いても、ガイド面63aによって付勢部材81の第1端部81aの内側に係合突条63を入り込ませることができる。これにより、付勢部材81によってノズル接触部材61を付勢した状態を維持できる。
【0071】
(1-3)付勢部材81は、充填プラグ36を囲むように設けられたコイルバネである。このため、充填プラグ36によって付勢部材81の傾きを抑制できる。よって、ノズル接触部材61の傾きを抑制した状態でノズル接触部材61を付勢できる。
【0072】
(1-4)ノズル接触部材61は、3本のガイド部材71及びブラケット51のガイド孔56によって直線的に移動するようにガイドされる。等間隔おきに配置されたガイド部材71及びガイド孔56によって、ノズル接触部材61の傾きを抑制した状態に安定して支持できる。
【0073】
(1-5)付勢部材81の付勢力によってノズル接触部材61が差込方向と反対方向へ付勢されても、ガイド部材71がプラグ取付部材53から抜け出ることをストッパ72によって防止できる。特に、ストッパ72は、2本のガイド部材71に架設されているため、ガイド部材71がプラグ取付部材53から抜け出ることをストッパ72によって防止できる。
【0074】
(1-6)充填ノズル41には、充填プラグ36に対して接続完了とするための、差込距離Fが予め規定されているが、充填ノズル41の種類によっては、その差込距離Fが、規定された差込距離Fよりも大きいものがある。このような充填ノズル41であっても、ノズル接触部材61が移動できる距離Kを、充填ノズル41の差込距離F以上に設定し、ノズル接触部材61の全体を充填ノズル41と共に差込方向へ直線的に移動させることで充填プラグ36に接続完了とすることができる。
【0075】
(第2の実施形態)
次に、燃料電池式産業車両を燃料電池式フォークリフトに具体化した第2の実施形態を図9図14にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0076】
<検出機構>
図9に示すように、検出機構100は、ブラケット111と、ノズル接触部材121と、ストッパとして機能するセンサ動作部材131と、3本のガイド部材141と、3つの付勢部材151と、センサとしてのリミットスイッチ161と、を備える。
【0077】
<ブラケット>
ブラケット111は、燃料電池ユニット30の筐体31の一部である取付部35に取り付けられている。
【0078】
ブラケット111は、四角板状の本体112と、本体112の側縁から突出したコ状の側壁113と、本体112に一体の支承部材114と、を備える。
本体112は、板厚方向に互いに反対面となる第1面112aと第2面112bを備える。第1面112aと第2面112bは互いに平行な平面である。本体112には、通過孔112cが形成されている。通過孔112cは、本体112を板厚方向に貫通する。通過孔112cには、充填プラグ36、3本のガイド部材141、及び3つの付勢部材151が通過している。
【0079】
側壁113は、本体112の三つの側縁に沿って設けられるとともに、第1面112a側へ延出している。側壁113は、取付部35に沿う本体112の一つの側縁から長四角板状に突出する第1壁部113aと、第1壁部113aの長手方向の第1端から長四角板状に突出する第2壁部113bと、第1壁部113aの長手方向の第2端から長四角板状に突出する第3壁部113cとを備える。第2壁部113bと第3壁部113cは、第1壁部113aの長手方向において対向するとともに、本体112の対向する側縁から第1面112a側へ延出している。なお、ブラケット111を取付部35に取り付けることができれば、側壁113は無くてもよいし、側壁113の形状は適宜変更してもよい。
【0080】
<支承部材>
図10図12及び図13に示すように、支承部材114は、本体112の第2面112bに対面する支承部本体116と、支承部本体116及び本体112に接合されたプラグ取付部材115と、支承部本体116から本体112に向けて延出したスイッチ取付部117と、を備える。
【0081】
支承部本体116は、板厚方向に互いに反対面となる第1当接面116aと第2当接面116bを備える。第1当接面116aと第2当接面116bは互いに平行な平面である。
【0082】
プラグ取付部材115は、円筒状である。プラグ取付部材115の軸方向の第1端は、本体112の第2面112bに接合されるとともに、プラグ取付部材115の軸方向の第2端は、支承部本体116の第1当接面116aに接合されている。したがって、プラグ取付部材115は、本体112と支承部本体116を一体化している。
【0083】
プラグ取付部材115には、充填プラグ36が挿入されるとともに、当該充填プラグ36は、プラグ取付部材115及び支承部本体116に螺合されている。充填プラグ36は、支承部本体116の第2当接面116bから突出する雄ねじ部37を備えるとともに、雄ねじ部37にはナット39が螺合されている。雄ねじ部37に対するナット39の螺合、及びプラグ取付部材115と支承部本体116への充填プラグ36の螺合により、充填プラグ36がブラケット111に固定されている。したがって、プラグ取付部材115を備えるブラケット111には、充填プラグ36が取り付けられている。また、プラグ取付部材115に螺合された充填プラグ36は、通過孔112cを貫通して、本体112の第1面112aよりも外方へ突出している。
【0084】
図11の破線に示すように、支承部本体116には、3つのガイド孔116cが形成されている。3つのガイド孔116cは、プラグ取付部材115の外周面よりも、径方向外側に配置されている。各ガイド孔116cは、支承部本体116を板厚方向に貫通する。3つのガイド孔116cは、充填プラグ36の中心軸線L1を中心に周方向へ等間隔おきに配置されている。各ガイド孔116cの中心軸線L2は、充填プラグ36の中心軸線L1と平行である。3つのガイド孔116cは、充填プラグ36の中心軸線L1を中心とした同心円上に位置している。
【0085】
<ノズル接触部材>
図9に示すように、ノズル接触部材121は、環状部122と、環状部122から延出した3つの固定用突部123と、を備える。環状部122には、充填プラグ36を貫通可能とする貫通孔122aが形成されている。したがって、環状部122は、貫通孔122aを画定する。3つの固定用突部123は、環状部122の周方向へ等間隔おきに配置されている。環状部122、ひいてはノズル接触部材121は、充填プラグ36を囲んでいる。
【0086】
ノズル接触部材121は、板厚方向に互いに反対面となるノズル接触面121aと背面121bを備える。そして、充填ノズル41の先端は、ノズル接触面121aに接触する。ノズル接触面121aと背面121bは互いに平行な平面である。背面121bの外縁部の一部は、本体112の第1面112aのうち、通過孔112cに沿う部分に接触可能である。
【0087】
<ガイド部材>
図11に示すように、3つのガイド部材141は、通過孔112cを通過しつつ、1本ずつガイド孔116cに挿通されている。各ガイド部材141は、支承部本体116の板厚方向へ往復動可能に、支承部本体116に支持されている。したがって、支承部本体116を備えるブラケット111には、ガイド部材141が挿通されるとともに、ブラケット111は、ガイド部材141を移動可能に支持している。
【0088】
ガイド孔116cを画定した内周面と、ガイド部材141の周面との間には、僅かな隙間があるだけである。ガイド孔116cの孔径の公差と、ガイド部材141の直径の公差とが積み重なって最大となっても、その値は極僅かである。また、ガイド孔116cは、支承部本体116の板厚方向に貫通している。支承部本体116の板厚は、本体112の板厚よりも厚い。このため、ガイド部材141は、支承部本体116によって傾きを抑制した状態に支持されている。ガイド部材141は、ガイド孔116cに挿通されることによって、ガイド孔116cの中心軸線L2の延びる方向へ直線的に移動するようにブラケット111に支持されている。
【0089】
図9及び図10に示すように、各ガイド部材141の軸方向の第1端部は、ノズル接触部材121の固定用突部123に挿入されるとともに、当該固定用突部123に固定されている。したがって、複数のガイド部材141は、ノズル接触部材121に一体である。また、各ガイド部材141の軸方向の第2端部側は、ガイド孔116cに挿通されている。したがって、複数のガイド部材141は、ノズル接触部材121からブラケット111に向けて、充填ノズル41の差込方向に延びる。また、各ガイド部材141の軸方向の端部のうち、ブラケット111を挟んでノズル接触部材121の配置側と反対側の端部である第2端部は、ブラケット111から突出している。
【0090】
<センサ動作部材>
図9図10及び図13に示すように、ブラケット111の支承部本体116から突出したガイド部材141の第2端部には、ストッパとして機能するセンサ動作部材131が固定されている。なお、ガイド部材141の第2端部には、ガイド部材141の軸方向に凹む雌螺子141cが形成されている。
【0091】
センサ動作部材131は、長板状である。センサ動作部材131は、板厚方向に互いに反対面となる第1当接面131bと第2当接面131cを備える。第1当接面131bと第2当接面131cは互いに平行な平面である。
【0092】
センサ動作部材131には、充填プラグ36を貫通させるプラグ用貫通孔131aが形成されている。プラグ用貫通孔131aの孔径は、雄ねじ部37に螺合されたナット39の外径より大きい。
【0093】
センサ動作部材131は、プラグ用貫通孔131aを囲む囲繞部132と、囲繞部132から延出する2つの延出部133と、囲繞部132から延出する1つのセンサ接触片134と、を備える。プラグ用貫通孔131aは、囲繞部132に囲まれた孔である。センサ接触片134が囲繞部132から延出する方向と、各延出部133が囲繞部132から延出する方向は異なっている。
【0094】
2つの延出部133、及びセンサ接触片134の各々には、ボルト貫通孔133aが形成されている。ボルト貫通孔133aの孔径は、ガイド部材141の直径より小さい。ボルト貫通孔133aは、プラグ用貫通孔131aの周方向に等間隔おきに配置されている。ボルト貫通孔133aは、充填プラグ36を囲んでいる。3つのボルト貫通孔133aは、充填プラグ36の中心軸線L1を中心とした同心円上に位置している。
【0095】
3本のガイド部材141のうちの2本のガイド部材141の第2端部は、それぞれ延出部133での第1当接面131bに接触するとともに、1本のガイド部材141の第2端部は、センサ接触片134での第1当接面131bに接触している。また、各ガイド部材141の雌螺子141cには、ボルト貫通孔133aに挿通されたボルト142が螺合されている。よって、センサ動作部材131は、プラグ用貫通孔131aを囲む囲繞部132を備えるとともに、当該囲繞部132から延出した部分に3本のガイド部材141が固定されている。これにより、3本のガイド部材141と、センサ動作部材131とが一体化されている。そして、3本のガイド部材141は、充填プラグ36の中心軸線L1を中心とする同心円上に等間隔おきに配置されるようにノズル接触部材121及びセンサ動作部材131と一体化されている。
【0096】
センサ接触片134は、囲繞部132から第3壁部113cに向けて延出するとともに、第3壁部113cを超える位置まで延出している。
<付勢部材>
付勢部材151は、コイルバネ製である。付勢部材151は、ガイド部材141に装着されている。3本のガイド部材141は、充填プラグ36を囲むように配置されているため、3つの付勢部材151は、充填プラグ36を囲むように設置されている。3つの付勢部材151は、充填プラグ36の中心軸線L1を中心とする同心円上に配置されている。
【0097】
付勢部材151の第1端部は、ノズル接触部材121の固定用突部123での背面121bに接触している。付勢部材151の第2端部は、支承部本体116の第1当接面116aのうち、ガイド孔116cを囲む部分に接触している。付勢部材151は、ノズル接触部材121と、ブラケット111の支承部本体116との間に介在する。付勢部材151は、ノズル接触部材121をブラケット111から離れる方向へ付勢する。つまり、付勢部材151は、ノズル接触部材121を、充填ノズル41の差込方向と反対方向に付勢する。
【0098】
図10及び図12に示すように、付勢部材151によってノズル接触部材121が付勢された状態において、センサ動作部材131の第1当接面131bは、支承部本体116の第2当接面116bに面接触している。支承部本体116に対するセンサ動作部材131の面接触により、ノズル接触部材121の移動及び傾きが規制されている。センサ動作部材131によるノズル接触部材121の移動が規制された状態では、ノズル接触面121aは、本体112の第1面112aから離れた位置にある。
【0099】
また、支承部本体116に対するセンサ動作部材131の面接触により、各ガイド部材141のブラケット111からの抜け出しが防止されている。したがって、センサ動作部材131は、ガイド部材141のブラケット111からの抜け出しを防止するストッパとして機能している。よって、ガイド部材141の軸方向の端部のうち、ブラケット111を挟んでノズル接触部材121の配置側と反対側にてブラケット111から突出した第2端部には、ストッパとしてのセンサ動作部材131が設けられている。
【0100】
<リミットスイッチ>
図12に示すように、リミットスイッチ161は、スイッチ取付部117の外面であって、スイッチ取付部117の板厚方向の両面のうち、充填プラグ36に対面する面と反対面に取り付けられている。リミットスイッチ161は、センサ動作部材131のセンサ接触片134に対向して配置されている。リミットスイッチ161の可動子162は、差込方向及び差込方向と反対方向へ移動可能に設置されている。したがって、可動子162は、ブラケット111を挟んでノズル接触部材121の配置側と反対側に配置されるとともに、差込方向及び反対方向へ移動可能に設置されている。また、可動子162は、リミットスイッチ161に内蔵された図示しない復帰バネによって、センサ接触片134に近付く方向へ付勢されている。
【0101】
<検出機構の動作>
上記構成のノズル接触部材121は、ガイド部材141の挿通されたガイド孔116cの中心軸線L2の延びる方向へ直線的に往復動可能であるとともに、ノズル接触部材121は、初期位置P1と押込位置P2との間を移動可能である。
【0102】
具体的には、図10及び図12に示すように、初期位置P1は、ストッパとして機能するセンサ動作部材131によってノズル接触部材121の移動を規制した状態であり、かつ付勢部材151の付勢力によってノズル接触部材121を充填プラグ36から最も離した位置である。ノズル接触部材121が初期位置P1に位置しているとき、可動子162は、センサ接触片134に向けて付勢されるとともに、センサ接触片134に接触している。
【0103】
図13及び図14に示すように、ノズル接触部材121に接触した充填ノズル41の押し込みによって、ノズル接触部材121は、初期位置P1から押込位置P2に向けて移動するとともに、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続完了で、押込位置P2に位置する。一方、充填プラグ36から充填ノズル41を引き抜くと、ノズル接触部材121は、付勢部材151の付勢力を受けて押込位置P2から初期位置P1に向けて移動する。
【0104】
ノズル接触部材121が初期位置P1から押込位置P2に向けて移動すると、センサ動作部材131もノズル接触部材121に連動して押込位置P2に向けて移動する。押込位置P2に向けて移動するセンサ接触片134は、可動子162から離間していく。そして、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続が完了して、接続完了状態になると、センサ接触片134が可動子162から離間することによって、リミットスイッチ161の出力信号がオフ状態からオン状態となる。したがって、リミットスイッチ161は、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続完了に応じて出力信号が変化するセンサである。
【0105】
押込位置P2は、ノズル接触部材121に接触した充填ノズル41によるノズル接触部材121の押し込みによってノズル接触部材121をプラグ取付部材115に近付けた位置である。押込位置P2では、付勢部材151は初期位置P1に比べて圧縮されている。このため、付勢部材151は、当該付勢部材151の原形状への復帰力によってノズル接触部材121を初期位置P1に向けて付勢している。
【0106】
初期位置P1から押込位置P2までの間にノズル接触部材121が移動できる距離Kは、充填ノズル41の差込距離F以上である。
<第2の実施形態の作用>
まず、図10及び図12に示すように、充填プラグ36に充填ノズル41が接続されていない場合は、ノズル接触部材121は、付勢部材151の付勢力を受けて初期位置P1に位置している。ノズル接触部材121が初期位置P1に位置するときは、センサ動作部材131のセンサ接触片134は、可動子162に接触しているとともに、リミットスイッチ161の出力信号はオフ状態である。
【0107】
燃料タンク21への燃料ガス充填のために、充填プラグ36に充填ノズル41を差し込むと、その差し込みの途中で充填ノズル41の先端がノズル接触部材121のノズル接触面121aに接触する。そして、図13及び図14に示すように、充填ノズル41を更に差し込むと、ノズル接触部材121が、当該ノズル接触部材121に接触している充填ノズル41によって押し込まれる。
【0108】
ノズル接触部材121は、3本のガイド部材141、及びガイド孔116cによって充填ノズル41の差込方向へ直線的に移動する。また、ノズル接触部材121は、回動するのではなく、充填ノズル41の差込方向へスライド移動する。つまり、充填ノズル41による押し込みによって、ノズル接触部材121は、背面121bの全面を本体112の第1面112aに近付けるように移動する。
【0109】
付勢部材151は、ノズル接触部材121に押されて圧縮されていく。そして、ノズル接触部材121が初期位置P1から押込位置P2に向けて移動すると、センサ接触片134が可動子162から離間していく。つまり、ノズル接触部材121の動作によって、センサ動作部材131を介してリミットスイッチ161を動作させる。ノズル接触部材121が押込位置P2に位置して接続完了状態となると、リミットスイッチ161の出力信号がオフ状態からオン状態となる。
【0110】
一方、充填プラグ36から充填ノズル41を引き抜くと、ノズル接触部材121は、付勢部材151の付勢力を受けて押込位置P2から初期位置P1に向けて移動する。このとき、ノズル接触部材121は、3本のガイド部材71及びガイド孔116cによって、充填ノズル41の引き抜き方向、つまり差込方向と反対方向へ直線的に移動する。また、センサ動作部材131も、付勢部材151の付勢力を受けて押込位置P2から初期位置P1に向けて移動する。すると、リミットスイッチ161の可動子162に対して、センサ接触片134が接触するとともに、可動子162を押し込む。その結果、リミットスイッチ161の出力信号はオン状態からオフ状態に変化する。
【0111】
<第2の実施形態の効果>
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の(1-1)、(1-4)、(1-5)、(1-6)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0112】
(2-1)センサ動作部材131は、3本のガイド部材141及びガイド孔116cによって直線的に移動するようにブラケット111に支持される。つまり、センサ動作部材131は、当該センサ動作部材131の基端が、ヒンジのような回動軸によって回動可能に支持されている構成ではない。また、回動軸によってセンサ動作部材131を回動可能とする場合は、バネ等によってセンサ動作部材131を付勢しつつ、バネ等の付勢に伴う回動を所定の位置で規制するためにストッパを用いる場合が多い。本実施形態では、回動軸及びバネ等を用いないとともに、回動の規制のためのストッパを用いていない。よって、回動軸でのセンサ動作部材131のガタつき、回動軸での公差を原因としたセンサ動作部材131の傾き、ストッパの片当たりを原因としたセンサ動作部材131の傾きが無い。このため、センサ動作部材131の傾きを原因として、初期位置P1において、センサ動作部材131と可動子162とが接触し難くなることを抑制できる。その結果、センサ動作部材131と可動子162との接触を的確に行うために行われる、リミットスイッチ161における可動子162の位置調整等を不要にできる。
【0113】
(2-2)各ガイド部材141の第1端部はノズル接触部材121に固定されるとともに、各ガイド部材141の第2端部は、ボルト142によってセンサ動作部材131に固定されている。そして、3本のガイド部材141は、充填プラグ36の中心軸線L1を中心とする同心円上に配置されるとともに、ブラケット111に支持されている。これにより、センサ動作部材131が傾くことを抑制できる。このため、初期位置P1において、センサ接触片134と可動子162との接触を的確に行うことができる。
【0114】
(2-3)センサ動作部材131は、ブラケット111における支承部本体116への接触によって、ガイド部材141がブラケット111から抜け出ることを規制するストッパとして機能する。例えば、センサ動作部材131とストッパとを別々に設ける場合と比べて検出機構100の構成を簡素化できる。
【0115】
(2-4)付勢部材151の付勢力によってノズル接触部材121が差込方向と反対方向へ付勢されても、センサ動作部材131によるストッパ機能によって、ガイド部材141がブラケット111から抜け出ることを防止できる。
【0116】
(2-5)例えば、可動子162を差込方向及び反対方向に直交する方向に往復動可能となるように、リミットスイッチ161を設置するとする。この場合、可動子162にセンサ動作部材131を接触させると、可動子162の付勢によって、センサ動作部材131は、差込方向及び反対方向に直交する方向に押圧されて傾きやすい。しかし、本実施形態では、差込方向及び反対方向へ可動子162が移動するようにリミットスイッチ161が設置されているため、可動子162との接触によるセンサ動作部材131の傾きを抑制できる。
【0117】
(2-6)3本のガイド部材141及び3つの付勢部材151は、充填プラグ36を中心とする同心円上に等間隔おきに配置されるとともに、ノズル接触部材121及びセンサ動作部材131に固定されている。このため、ノズル接触部材121とセンサ動作部材131の傾きを抑制できる。
【0118】
(2-7)センサ動作部材131には、プラグ用貫通孔131aが形成されている。また、センサ動作部材131は、プラグ用貫通孔131aを囲む囲繞部132を備えるとともに、当該囲繞部132から延出した2つ延出部133及びセンサ接触片134にガイド部材141が固定されている。2つの延出部133及びセンサ接触片134の各々は、囲繞部132から延出している。そして、囲繞部132は、プラグ用貫通孔131aを全周に亘って囲む。センサ動作部材131において、例えば、2つの延出部133の間に隙間がある場合と比べると、囲繞部132によって、センサ動作部材131におけるガイド部材141の固定箇所での変形を抑制できる。
【0119】
(2-8)付勢部材151によってノズル接触部材121が付勢された状態において、センサ動作部材131の第1当接面131bは、支承部本体116の第2当接面116bに面接触している。支承部本体116に対するセンサ動作部材131の面接触により、ノズル接触部材121の移動及び傾きを規制できる。
【0120】
(2-9)センサ動作部材131は、ブラケット111における支承部本体116に面接触する。このため、センサ動作部材131によるストッパとしての機能を効率良く発揮できる。
【0121】
<変更例>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0122】
○第1の実施形態において、ストッパ72は削除されてもよい。
○第1の実施形態において、ストッパ72は、3本の全てのガイド部材71の第2端部71bに架設されていてもよいし、3本のガイド部材71の各々に1つずつ設けられていてもよい。要は、ブラケット51からのガイド部材71の抜け出しが規制できれば、ストッパ72の態様、形状は適宜変更してもよい。
【0123】
○第1の実施形態において、付勢部材81は無くてもよいし、第2の実施形態において、付勢部材151は無くてもよい。
○第1の実施形態において、付勢部材81は、各ガイド部材71を取り囲むように、3本設けられてもよい。
【0124】
○各実施形態において、ガイド部材は、実施形態のような棒状の部材でなくてもよい。例えば、第1の実施形態において、ノズル接触部材61の外周縁から、一部の切り欠かれた筒状に延びるガイド筒部を、ブラケット51を貫通させる。そして、このガイド筒部をガイド部材としてブラケット51に支持させる。
【0125】
○各実施形態において、ガイド部材71,141の本数は、複数本であれば3本以外の本数でもよい。
○第1の実施形態において、リミットスイッチ91の可動子92は、初期位置P1でセンサ動作部材66によって押し込まれていてもよい。そして、ノズル接触部材61が初期位置P1から押込位置P2へ移動するのに伴って、センサ動作部材66が可動子92から離れると、可動子92の押し込みが解除される。この可動子92の押し込みの解除によって、リミットスイッチ91の出力信号はオフ状態からオン状態に変化してもよい。
【0126】
○第1の実施形態において、リミットスイッチ91の可動子92は、センサ動作部材66で直接動作させずに、リンク機構やカム機構を介して動作させてもよい。
○第2の実施形態において、センサ動作部材131の囲繞部132及びプラグ用貫通孔131aは形成されていなくてもよい。この場合、充填プラグ36の雄ねじ部37及びナット39は削除される。
【0127】
○第2の実施形態において、囲繞部132は、プラグ用貫通孔131aを囲む環状でなくてもよく、プラグ用貫通孔131aの周囲で一部切り欠かれていてもよい。
○第2の実施形態において、リミットスイッチ161の可動子162は、差込方向及び反対方向と直交する方向へ往復動可能に、リミットスイッチ161が設置されていてもよい。
【0128】
○第1の実施形態において、センサは、光電センサであってもよい。例えば、初期位置P1で、投光素子と受光素子との間にセンサ動作部材66が配置されており、押込位置P2へのノズル接触部材61の移動に伴ってセンサ動作部材66が移動することで、投光素子からの投光が受光素子で受光される。これにより、光電センサの出力信号がオン状態に変化してもよい。
【0129】
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、センサは、ノズル接触部材61,121の距離を計測する距離センサであってもよい。要は、充填プラグ36に対する充填ノズル41の接続完了に応じて出力信号が変化するセンサであれば、その種類は適宜変更可能である。
【0130】
○第1の実施形態において、ガイド孔56を本体52に設けて、ガイド部材71をブラケット51の本体52に支持させてもよい。
○各実施形態において、付勢部材81は、コイルバネ以外のゴムや、板バネなど適宜変更可能である。
【0131】
○燃料電池式産業車両は、荷等の搬送に用いられる牽引車、ピッキング作業に用いられるオーダーピッカー等であってもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0132】
(イ)前記付勢部材は、前記充填プラグを囲むように設けられる。
(ロ)前記ノズル接触部材は、前記付勢部材が係合する係合突条を備える。
【符号の説明】
【0133】
10…燃料電池式産業車両としてのフォークリフト、11…車体、21…燃料タンク、30…燃料電池ユニット、31…筐体、33…燃料電池スタック、36…充填プラグ、41…充填ノズル、45,100…検出機構、51,111…ブラケット、61,121…ノズル接触部材、66,131…センサ動作部材、71,141…ガイド部材、72…ストッパ、81,151…付勢部材、91,161…センサとしてのリミットスイッチ、131a…プラグ用貫通孔、132…囲繞部、162…可動子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14