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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177039
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電池構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/166 20210101AFI20241212BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/56 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/164 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/169 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/133 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/153 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/109 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
H01M50/166
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/164
H01M50/169
H01M50/133
H01M50/103
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/15
H01M50/153
H01M50/109
H01M50/131
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023212690
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】202310680451.3
(32)【優先日】2023-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523475262
【氏名又は名称】東莞市電的電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】廖 建華
(72)【発明者】
【氏名】▲ウー▼ 永▲ヂェン▼
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD11
5H011DD13
5H011KK01
5H043AA05
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA07
5H043DA03
5H043DA08
5H043HA16D
5H043HA16E
5H043HA17D
5H043HA17E
(57)【要約】      (修正有)
【課題】限られた体積内でエネルギー密度を効果的に向上させることができるボタン電池構造を提供する。
【解決手段】電池構造は、ケース10と、キャップアセンブリ20と、電極アセンブリとを含み、ケース内に収容室が設けられ、電極アセンブリが収容室に置かれ、収容室にはさらに電解液が充填され、電極アセンブリに2つの電極が設けられ、電極の一方がキャップアセンブリに電気的に接続され、電極の他方がケースに電気的に接続され、ケースがキャップアセンブリと組み合わせて側壁に接続される。本発明は、従来のボタン電池の多層の側壁に対して壁厚を低下させ、効果的に収容室の体積を増加させて電解液の充填量を増加させ、それによって電池エネルギー密度を効果的に向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、キャップアセンブリと、電極アセンブリとを含み、前記ケース内に収容室が設けられ、前記電極アセンブリは、前記収容室に置かれ、前記収容室にはさらに電解液が充填され、前記電極アセンブリに2つの電極が設けられ、前記電極の一方は、前記キャップアセンブリに電気的に接続され、前記電極の他方は、前記ケースに電気的に接続され、前記ケースは、前記キャップアセンブリと組み合わせて側壁に接続される、
ことを特徴とする電池構造。
【請求項2】
前記キャップアセンブリは、蓋体と、押え板と、絶縁層とを含み、前記絶縁層は、前記蓋体と前記押え板の間に位置し、前記蓋体に開口が設けられ、前記押え板にボスが設けられ、前記ボスは、前記開口から突出し、前記ケースは、前記蓋体に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池構造。
【請求項3】
前記ケースに上端面が設けられ、前記蓋体から接続壁が延び、前記接続壁に下端面が設けられ、前記上端面は、前記下端面に接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の電池構造。
【請求項4】
前記上端面と前記下端面とは、密封接続を実現するために溶接されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の電池構造。
【請求項5】
前記接続壁の厚さは、前記ケースの厚さと同じである、
ことを特徴とする請求項3に記載の電池構造。
【請求項6】
前記ケースの厚さは、0.1mm~0.25mmである、
ことを特徴とする請求項5に記載の電池構造。
【請求項7】
前記絶縁層は、絶縁リングであり、前記絶縁リングの幅は、前記押え板と前記蓋体とが重なる幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項2に記載の電池構造。
【請求項8】
前記押え板と前記蓋体とが重なる幅は、0.5mm~10mmである、
ことを特徴とする請求項7に記載の電池構造。
【請求項9】
前記ケースは、柱状であり、その横断面が楕円状、角形状又はハート状である、
ことを特徴とする請求項2に記載の電池構造。
【請求項10】
請求項2~9のいずれか1項に記載の電池構造の製造方法であって、
絶縁層を蓋体と押え板の間に入れ、蓋体と押え板を組み立て、加熱、冷却して、キャップアセンブリを形成するステップと、
電極アセンブリをケースに入れ、電極アセンブリの2つの電極をキャップアセンブリとケースにそれぞれ電気的に接続するステップと、
ケース内に電解液を注入し、キャップアセンブリとケースを溶接密封して電池構造の製造を完了するステップとを含む、
ことを特徴とする電池構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池技術分野に関し、特に電池構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話及びブルートゥース(登録商標)イヤホン中のボタン電池のような充電可能なリチウムイオン電池は、ハンドヘルド電子機器に広く使用されている。例えば補聴器、無線ブルートゥースイヤホン、電子時計、胃腸鏡設備など、小さくて精密な機器において、電池の体積エネルギー密度は、重要な考慮要素である。
【0003】
従来のボタン電池は、一般的に二重筒状の上ケースと下ケースが用いられ、上ケースと下ケースが重ねて嵌合され、その後、中間にシール絶縁層が設けられている。ボタン電池は、全体の体積が限られており、上ケース、下ケース、密封絶縁層には厚みがあり、電池キャビティの体積を圧縮することで全体の体積の大きさが変わらないことを保証するしかなく、電池エネルギー密度を高めることができない。そのため、限られた体積内でエネルギー密度を高めることは、早急に解決すべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の不足を克服し、電池構造及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記技術問題を解決するために、以下の技術案が採用される。
【0006】
第1の態様において、本発明の実施形態は、電池構造を提供し、ケースと、キャップアセンブリと、電極アセンブリとを含み、前記ケース内に収容室が設けられ、前記電極アセンブリは、前記収容室に置かれ、前記収容室にはさらに電解液が充填され、前記電極アセンブリに2つの電極が設けられ、前記電極の一方は、前記キャップアセンブリに電気的に接続され、前記電極の他方は、前記ケースに電気的に接続され、前記ケースは、前記キャップアセンブリと組み合わせて側壁に接続される。
【0007】
1つの具体的な実施形態において、前記キャップアセンブリは、蓋体と、押え板と、絶縁層とを含み、前記絶縁層は、前記蓋体と前記押え板の間に位置し、前記蓋体に開口が設けられ、前記押え板にボスが設けられ、前記ボスは、前記開口から突出し、前記ケースは、前記蓋体に接続されている。
【0008】
1つの具体的な実施形態において、前記ケースに上端面が設けられ、前記蓋体から接続壁が延在し、前記接続壁に下端面が設けられ、前記上端面は、前記下端面に接続されている。
【0009】
1つの具体的な実施形態において、前記上端面と前記下端面とは、密封接続を実現するために溶接されている。
【0010】
1つの具体的な実施形態において、前記接続壁の厚さは、前記ケースの厚さと同じである。
【0011】
1つの具体的な実施形態において、前記ケースの厚さは、0.1mm~0.25mmである。
【0012】
1つの具体的な実施形態において、前記絶縁層は、絶縁リングであり、前記絶縁リングの幅は、前記押え板と前記蓋体とが重なる幅よりも大きい。
【0013】
1つの具体的な実施形態において、前記押え板と前記蓋体とが重なる幅は、0.5mm~10mmである。
【0014】
1つの具体的な実施形態において、前記ケースは、柱状であり、その横断面が楕円状、角形状又はハート状である。
【0015】
本発明の電池構造は、従来技術と比較した有益な効果が以下のとおりである。ケース内に収容室が設けられ、電極アセンブリが収容室に置かれ、収容室にはさらに電解液が充填され、電極アセンブリに2つの電極が設けられ、電極の一方がキャップアセンブリに電気的に接続され、電極の他方がケースに電気的に接続され、ケースがキャップアセンブリと組み合わせて側壁に接続されることにより、従来のボタン電池の多層の側壁に対して壁厚を低下させ、効果的に収容室の体積を増加させて電解液の充填量を増加させ、それによって電池エネルギー密度を効果的に向上させることができる。
【0016】
第2の態様において、本発明の実施形態は、上記の電池構造の製造方法を提供し、絶縁層を蓋体と押え板の間に入れ、蓋体と押え板を組み立て、加熱、冷却して、キャップアセンブリを形成するステップと、電極アセンブリをケースに入れ、電極アセンブリの2つの電極をキャップアセンブリとケースにそれぞれ電気的に接続するステップと、ケース内に電解液を注入し、キャップアセンブリとケースを溶接密封して電池構造の製造を完了するステップとを含む。
【0017】
本発明の電池構造の製造方法は、従来技術と比較した有益な効果が以下のとおりである。絶縁層を蓋体と押え板の間に入れ、蓋体と押え板を組み立て、加熱、冷却してキャップアセンブリを形成し、それから電極アセンブリの2つの電極をキャップアセンブリとケースにそれぞれ電気的に接続し、最後にケース内に電解液を注入し、キャップアセンブリとケースを溶接密封して電池構造の製造を完了することにより、従来のボタン電池の多層の側壁に対して壁厚を低下させ、効果的に収容室の体積を増加させて電解液の充填量を増加させ、それによって電池エネルギー密度を効果的に向上させることができる。
【0018】
以下、添付図面及び具体的な実施形態に関連して本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施形態又は従来技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施形態にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働性を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0020】
図1】本発明の実施形態による電池構造の概略構成図である。
図2】本発明の実施形態による電池構造の概略断面図である。
図3】本発明の実施形態による電池構造の爆発概略図である。
図4】本発明の実施形態による電池構造の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に添付図面及び具体的な実施形態に関連して本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
以下、本発明の実施形態における図面に関連して、本発明の実施形態における技術案を明確に、完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は、本発明の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではない。本発明における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲に属する。
【0023】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語に示された方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、示された装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示したり示唆したりすることはなく、本発明に対する制限と理解することはできない。
【0024】
さらに、「第1」、「第2」の用語は、説明目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示したり示唆したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするとは理解できない。したがって、「第1」、「第2」に限定された特徴は、1つ又は複数の特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」は、特に明確で具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0025】
本発明において、特に明確な規定及び限定がない限り、「取付」、「接続」、「連結」、「固定」などの用語は、広義に理解されなければならない。例えば、接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体であってもよい。機械的接続でもよいし、電気的接続でもよい。直接的に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、2つの要素の内部接続又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0026】
本発明において、特に明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1、第2の特徴が直接接触することを含むことができ、第1、第2の特徴が直接接触ではなく、それらの間の別の特徴を介して接触することも含むことができる。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあるか、又は第1の特徴の水平の高さが第2の特徴より高いことを示すだけである。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下及び斜め下にあるか、又は第1の特徴の水平の高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけである。
【0027】
本明細書の説明において、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などの用語を参照した説明は、その実施形態又は例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例に対するものであると理解すべきではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方法で結合することができる。さらに、当業者は、本明細書に記載された異なる実施形態又は例を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0028】
図1から図3に示すように、本発明は、電池構造を開示し、ケース10と、キャップアセンブリ20と、電極アセンブリ30とを含み、前記ケース10内に収容室11が設けられ、前記電極アセンブリ30が前記収容室11に置かれ、前記収容室11にさらに電解液(図示せず)が充填され、前記電極アセンブリ30に2つの電極が設けられ、前記電極の一方が前記キャップアセンブリ20に電気的に接続され、前記電極の他方が前記ケース10に電気的に接続され、前記ケース10が前記キャップアセンブリ20と組み合わせて側壁に接続される。
【0029】
一実施形態においては、電極は、正極31と、負極32とを含む。正極31は、キャップアセンブリ20又はケース10に電気的に接続される。負極32は、ケース10又はキャップアセンブリ20に電気的に接続される。正極31がキャップアセンブリ20に電気的に接続され、負極32がケース10に電気的に接続されることが好ましい。
【0030】
具体的には、この電池構造は、ケース10内に収容室11が設けられ、電極アセンブリ30が収容室11に置かれ、収容室11にさらに電解液が充填され、電極アセンブリ30に2つの電極が設けられ、電極の一方がキャップアセンブリ20に電気的に接続され、電極の他方がケース10に電気的に接続され、ケース10がキャップアセンブリ20と組み合わせて側壁に接続されることにより、密封を実現する。従来のボタン電池の多層の側壁に対して壁厚を低下させ、収容室11の体積を効果的に増加させて電解液の充填量を増加させ、それによって電池エネルギー密度を効果的に向上させることができる。
【0031】
具体的には、電解液は、従来技術を用いており、ここでは具体的に説明しない。
【0032】
一実施形態において、前記キャップアセンブリ20は、蓋体21と、押え板22と、絶縁層23とを含み、前記絶縁層23は、前記蓋体21と前記押え板22の間に位置し、前記蓋体21に開口211が設けられ、前記押え板22にボス221が設けられ、前記ボス221は、前記開口211から突出し、前記ケース10は、前記蓋体21に接続されている。
【0033】
具体的には、絶縁層23を蓋体21と押え板22の間に設けることにより、絶縁及び密封の役割を果たす。なお、蓋体21及び押え板22は、いずれも金属材質である。蓋体21、押え板22及び絶縁層23は、高周波誘導を用いて金属を加熱することで、絶縁層23が溶融状態に達して蓋体21と押え板22と密着し、冷却後に一体となり、良好な密封及び絶縁効果を有する。他の実施形態においても、同じ効果を達成するために、発熱ブロック又は発熱設備を用いてキャップアセンブリ20を恒温加熱したり、上記2つの加熱方式の組み合わせを用いたりすることができる。
【0034】
好ましくは、蓋体21及び押え板22は、いずれもステンレス鋼材料で作られ、強度が高く、腐食防止性能が優れている。
【0035】
さらに、実用上、電池構造内部に高温が発生すると、絶縁層23が溶融状態になり、蓋体21と押え板22の間に隙間が生じ、電池構造内部のガスが隙間に沿って流出し、爆発の可能性が低くなり、防爆効果を奏する。
【0036】
一実施形態において、前記ケース10に上端面12が設けられ、前記蓋体21から接続壁212が延在し、前記接続壁212に下端面(図示せず)が設けられ、前記上端面12は、前記下端面に接続されている。
【0037】
具体的には、下端面が設けられた接続壁212が蓋体21から延在し、上端面12が下端面に接続され、接続壁212とケース10とは突き合わせて良好な溶接線を形成し、上端面12と下端面とは溶接によって密封接続を実現する。この電池構造は、側面からレーザ溶接を行い、良品率を効果的に高めることができる。好ましくは、電池の収容室11の体積を増大させるために、ドッキング溶接が用いられる。溶接は、レーザ方式を採用し、具体的に溶接パラメータは、以下の通りである。溶接電流は、15~50A、パルス幅は、0.5~5ms、周波数/デューティ比は、40/50%、起動速度は、10~25mm/s、加工速度は、5~200mm/s、加速度は、5~20mm/s、スポット径は、0.1~0.5mmである。
【0038】
一実施形態において、前記接続壁212の厚さは、前記ケース10の厚さと同じであり、両者の接触面が一致するようにして、蓋体21とケース10との溶接効果がより良くなり、密封効果がより良くなる。
【0039】
一実施形態において、ケース10の具体的な厚さ値は、必要に応じて設定することができ、ここでは特に限定されない。好ましくは、ケース10の厚さは、0.1mm~0.25mmである。
【0040】
一実施形態において、前記絶縁層23は、絶縁リングであり、前記絶縁リングの幅は、前記押え板22と前記蓋体21とが重なる幅よりも大きい。
【0041】
具体的には、絶縁リングは、良好な絶縁作用を果たすために、蓋体21と押え板22に一致する環状にし、絶縁リングの幅が押え板22と蓋体21とが重なる幅より大きくなるように設計される。また、絶縁リングは、ボス221の領域を覆うことができない。
【0042】
好ましくは、絶縁層23は、絶縁性及び密封性が良好な3層ポリプロピレン材料からなる。
【0043】
一実施形態において、前記押え板22と前記蓋体21とが重なる幅は、0.5mm~10mmである。重なる幅は、電池の密封線の幅である。
【0044】
具体的には、押え板22と蓋体21とが重なる幅の具体的な厚さ値は、必要に応じて設定することができ、ここでは具体的に限定するものではない。好ましくは、重なる幅は、0.5mm~10mmである。
【0045】
一実施形態において、ケース10は、異なるシーンに適用するために、柱状であり、その横断面が楕円状、角形状又はハート状などである。
【0046】
一実施形態において、前記電極は、アルミニウム箔からなる正極31と、銅箔からなる負極32とを含む。
【0047】
具体的には、正極31と負極32の間は、電池セパレータで仕切られ、螺旋巻き又は積層方式で電極アセンブリ30が作製され、電極アセンブリ30は、エネルギー貯蔵機能を実現する。なお、電池セパレータとは、ポリプロピレン等のプラスチックからなるフィルムを指す。
【0048】
具体的には、活物質を厚さ0.06~0.016mmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布して正極31とする。活物質を厚さ0.06~0.012mmの銅箔の両面に均一に塗布して負極32とする。ここで、活物質としては、コバルト酸リチウム、チタン酸リチウム又は黒鉛などが挙げられる。正極31にはコバルト酸リチウム、チタン酸リチウムが用いられ、負極32には黒鉛が用いられる。
【0049】
好ましくは、正極31は、外部に電力を出力するためのボス221に電気的に接続され、負極32は、ケース10の底部に電気的に接続されることにより、電気サイクルを形成する。
【0050】
図4を参照して、本発明はまた、上記の電池構造の製造方法を開示し、以下のステップを含む。
【0051】
S1において、絶縁層を蓋体と押え板の間に入れ、蓋体と押え板を組み立て、加熱、冷却して、キャップアセンブリを形成する。
【0052】
一実施形態において、予め必要に応じて、金型を用いて蓋体、押え板及びケースを予備としてプレスし、対応する形状の金型を用いて密封絶縁ゴムをシート絶縁層に予備として作製し、必要に応じて対応する形状とサイズの電極アセンブリを予備として作製する。
【0053】
具体的には、作製した絶縁層を蓋体と押え板の間に入れ、蓋体と押え板を組み立てた後、治具設備などの手段で組み合わせてキャップアセンブリを形成する。具体的に設定したプロセスパラメータを表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
S2において、電極アセンブリをケースに入れ、電極アセンブリの2つの電極をキャップアセンブリとケースにそれぞれ電気的に接続する。
【0056】
具体的には、電極アセンブリをケースに入れ、正極をボスに電気的に接続し、負極をケースに電気的に接続する。
【0057】
ここで、電気的接続は、抵抗溶接又はレーザ溶接を用いている。具体的には、抵抗溶接のパラメータを表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
具体的には、ステップS2の後に、電気的に接続された半製品を高真空環境に入れてベーキング除湿することをさらに含む。具体的なパラメータを表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
S3において、ケース内に電解液を注入し、キャップアセンブリとケースを溶接密封して電池構造の製造を完了する。
【0062】
具体的には、ケース内に電解液を注入し、注液後、相対湿度が1%未満の環境下で蓋体とケースの接触面をレーザを用いて溶接し、電池のパッケージを完成させる。レーザ溶接のパラメータを表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
具体的には、S4の後に、溶接後の電池を活性化-化成-分容して電池作製を完 了することをさらに含む。ここで、活性化とは、注液後に静置して電解液を十分に電気コアに浸潤させることであり、化成とは、電池を予備充電して電池を活性化することであり、分容とは、電池容量をテストすることである。
【0065】
ここで、本発明を用いて製造された電池と従来のボタン電池の効能比較は、例えば表5に示されている。
【0066】
【表5】
【0067】
本発明の電池構造の製造方法は、絶縁層を蓋体と押え板の間に入れ、蓋体と押え板を組み立て、加熱、冷却してキャップアセンブリを形成し、それから電極アセンブリの2つの電極をキャップアセンブリとケースにそれぞれ電気的に接続し、最後にケース内に電解液を注入し、キャップアセンブリとケースを溶接密封して電池構造の製造を完了することにより、従来のボタン電池の多層の側壁に対して壁厚を低下させ、効果的に収容室の体積を増加させて電解液の充填量を増加させ、それによって電池エネルギー密度を効果的に向上させることができる。
【0068】
本発明の電池構造は、構造が簡単で、製造コストが低く、密封性能が優れる特性を有し、同時に電池の収容室の体積を増大することができ、また多種の形状を有することができる。
【0069】
上述の実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、それに加えて、本発明は、他の方法で実現することができる。本発明の構想を逸脱することなく、いかなる明らかな代替も本発明の保護範囲内にある。
【0070】
(付記)
(付記1)
ケースと、キャップアセンブリと、電極アセンブリとを含み、前記ケース内に収容室が設けられ、前記電極アセンブリは、前記収容室に置かれ、前記収容室にはさらに電解液が充填され、前記電極アセンブリに2つの電極が設けられ、前記電極の一方は、前記キャップアセンブリに電気的に接続され、前記電極の他方は、前記ケースに電気的に接続され、前記ケースは、前記キャップアセンブリと組み合わせて側壁に接続される、
ことを特徴とする電池構造。
【0071】
(付記2)
前記キャップアセンブリは、蓋体と、押え板と、絶縁層とを含み、前記絶縁層は、前記蓋体と前記押え板の間に位置し、前記蓋体に開口が設けられ、前記押え板にボスが設けられ、前記ボスは、前記開口から突出し、前記ケースは、前記蓋体に接続されている、
ことを特徴とする付記1に記載の電池構造。
【0072】
(付記3)
前記ケースに上端面が設けられ、前記蓋体から接続壁が延び、前記接続壁に下端面が設けられ、前記上端面は、前記下端面に接続されている、
ことを特徴とする付記2に記載の電池構造。
【0073】
(付記4)
前記上端面と前記下端面とは、密封接続を実現するために溶接されている、
ことを特徴とする付記3に記載の電池構造。
【0074】
(付記5)
前記接続壁の厚さは、前記ケースの厚さと同じである、
ことを特徴とする付記3に記載の電池構造。
【0075】
(付記6)
前記ケースの厚さは、0.1mm~0.25mmである、
ことを特徴とする付記5に記載の電池構造。
【0076】
(付記7)
前記絶縁層は、絶縁リングであり、前記絶縁リングの幅は、前記押え板と前記蓋体とが重なる幅よりも大きい、
ことを特徴とする付記2に記載の電池構造。
【0077】
(付記8)
前記押え板と前記蓋体とが重なる幅は、0.5mm~10mmである、
ことを特徴とする付記7に記載の電池構造。
【0078】
(付記9)
前記ケースは、柱状であり、その横断面が楕円状、角形状又はハート状である、
ことを特徴とする付記2に記載の電池構造。
【0079】
(付記10)
付記2~9のいずれか1つに記載の電池構造の製造方法であって、
絶縁層を蓋体と押え板の間に入れ、蓋体と押え板を組み立て、加熱、冷却して、キャップアセンブリを形成するステップと、
電極アセンブリをケースに入れ、電極アセンブリの2つの電極をキャップアセンブリとケースにそれぞれ電気的に接続するステップと、
ケース内に電解液を注入し、キャップアセンブリとケースを溶接密封して電池構造の製造を完了するステップとを含む、
ことを特徴とする電池構造の製造方法。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】