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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177043
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】飲料発光装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/03 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A47G23/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219424
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2023095318
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】仁科 宏崇
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA30
3B115BB05
3B115BB11
3B115DC14
(57)【要約】
【課題】高さを抑えて小型化を実現し、着脱を容易に行えるとともに保持力を高めることができる飲料発光装置を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る飲料発光装置は、飲料を収容する飲料容器に装着されて飲料容器を介して飲料に光を照射する飲料発光装置1である。飲料発光装置1は、飲料容器が挿入される開口3bを有する筒状部3と、開口3bから筒状部3の内部に挿入された飲料容器に光を照射する照射素子6と、筒状部3の内周面3fから突出しており、開口3bから筒状部3の内部に挿入された飲料容器の外周面に当接することによって筒状部3に飲料容器を固定する凸部4と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を収容する飲料容器に装着されて前記飲料容器を介して前記飲料に光を照射する飲料発光装置であって、
前記飲料容器が挿入される開口を有する筒状部と、
前記開口から前記筒状部の内部に挿入された前記飲料容器に光を照射する照射素子と、
前記筒状部の内周面から突出しており、前記開口から前記筒状部の内部に挿入された前記飲料容器の外周面に当接することによって前記筒状部に前記飲料容器を固定する凸部と、
を備える、
飲料発光装置。
【請求項2】
前記筒状部の周方向に沿って並ぶ複数の前記凸部を備える、
請求項1に記載の飲料発光装置。
【請求項3】
前記筒状部および前記凸部が可撓性材料によって構成されている、
請求項1または請求項2に記載の飲料発光装置。
【請求項4】
前記凸部は、前記飲料容器の外周面に当接する平坦状の頂面を有する、
請求項1または請求項2に記載の飲料発光装置。
【請求項5】
前記照射素子が搭載された基板を備え、
前記筒状部は、前記筒状部の軸線が延びる方向である軸線方向に前記筒状部を貫通する貫通孔が形成された底部を有し、
前記基板は、前記照射素子が前記貫通孔に入り込んだ状態で前記底部に固定されている、
請求項1または請求項2に記載の飲料発光装置。
【請求項6】
前記基板に搭載された状態で前記貫通孔に入り込んだ電池を備え、
前記照射素子は、前記電池から電力を得て前記光を照射する、
請求項5に記載の飲料発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飲料に光を照射する飲料発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、穀物分解物含有発泡性飲料を収容した透明容器が載置される光源付きコースターが記載されている。光源付きコースターは、土台と、土台の上部に連結された中間部材とを備える。中間部材は、土台に連結される連結部と、連結部の上部に位置する透明部と、透明部の上部に位置する半透明部とを有する。土台は、凹部形状を呈する載置部と、載置部の内部に載置された光源と、光源に連結された電源ケーブルとを有し、電源ケーブルは載置部に形成された引き出し口から引き出されている。
【0003】
さらに、光源付きコースターは、光源からの光を制御する制御部と、制御部を遠隔操作するための遠隔操作部とを備える。穀物分解物含有発泡性飲料が収容された透明容器に光源が光を照射することにより、穀物分解物含有発泡性飲料をライトアップすることが可能となる。
【0004】
特許文献2には、グラス発光装置が記載されている。グラス発光装置は、上面側に形成されたグラスの収容凹部を有する本体と、本体の下面側に位置する中空円筒部とを備える。中空円筒部の隣接位置には電池が収納される電池収納部が形成されている。中空円筒部は、空洞部分を有し、当該空洞部分にランプが底面凹部側から差し込まれた状態で当該ランプが保持される。この底面凹部には、底面凹部を塞ぐ底蓋が回動自在に取り付けられる。
【0005】
本体の収容凹部には、グラスの底側外周が弾性的に嵌合する。収容凹部の外周にはU字状の複数の切り込みが等間隔に形成されており、グラスの底側外周が差し込まれると収容凹部の周壁が弾性変形してグラスを保持する。ランプは、保持されたグラスに底部から光を照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-47186号公報
【特許文献2】特開平11-252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したグラス発光装置では、ランプが差し込まれる底面凹部に底蓋が回動自在に取り付けられる。このグラス発光装置は、複数の部品によって構成されているため、構造が複雑化しているとともに大型化している。このグラス発光装置の本体は収容凹部を有し、収容凹部には切り込みが形成された周壁が弾性変形してグラスが保持される。
【0008】
よって、周壁に切り込みの形成が必要となるため、グラス発光装置の高さが高くなっている。グラス発光装置の高さが高いと、グラスへの着脱が難しい上に、グラスに装着されたときにおける見栄えがよくないということが起こりうる。さらに、このグラス発光装置では、周壁の弾性変形によってグラスが保持されるので、保持力の点で改善の余地がある。
【0009】
本開示は、高さを抑えて小型化を実現し、着脱を容易に行えるとともに保持力を高めることができる飲料発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る飲料発光装置は、(1)飲料を収容する飲料容器に装着されて飲料容器を介して飲料に光を照射する飲料発光装置である。飲料発光装置は、飲料容器が挿入される開口を有する筒状部と、開口から筒状部の内部に挿入された飲料容器に光を照射する照射素子と、筒状部の内周面から突出しており、開口から筒状部の内部に挿入された飲料容器の外周面に当接することによって筒状部に飲料容器を固定する凸部と、を備える。
【0011】
この飲料発光装置は開口が形成された筒状部を有し、当該開口から筒状部の内部に挿入された飲料容器に照射素子が光を照射する。よって、飲料を収容した飲料容器に光が照射されることにより飲料に光を照射できるので、飲料を飲用する飲用者は光った飲料を見て楽しむことができる。この飲料発光装置では、開口から筒状部の内部に飲料容器が挿入されることによって飲料容器に飲料発光装置が装着される。よって、この飲料発光装置は単一の部品とすることができるので、構成を簡易にして小型化を実現させることができる。この飲料発光装置は筒状部の内周面から突出する凸部を有し、凸部は筒状部の内部に挿入された飲料容器の外周面に当接する。凸部が飲料容器の外周面に当接して筒状部が飲料容器に固定されることによって、飲料容器に飲料発光装置が装着される。内周面から突出する凸部が飲料容器の外周面に当接することにより、前述した切り込み等の形成を不要にできるので、飲料発光装置の高さを抑えることができるとともに、飲料発光装置の装着時における見栄えを良好にすることができる。飲料発光装置の高さを抑えることによって飲料容器に対する飲料発光装置の着脱を容易に行うことができる。さらに、筒状部の内部に挿入された飲料容器の外周面に凸部が当接することにより、飲料容器に対する保持力を高めることができる。
【0012】
(2)上記(1)において、飲料発光装置は、筒状部の周方向に沿って並ぶ複数の凸部を備えてもよい。この場合、筒状部の周方向に沿って並ぶ複数の凸部が飲料容器の外周面に当接するので、飲料容器に対する飲料発光装置の保持力を一層高めることができる。
【0013】
(3)上記(1)または(2)において、筒状部および凸部が可撓性材料によって構成されていてもよい。この場合、飲料容器への飲料発光装置の装着時に可撓性によって筒状部および凸部を変形させることができるので、飲料容器に対する飲料発光装置の着脱を一層容易に行うことができる。
【0014】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、凸部は、飲料容器の外周面に当接する平坦状の頂面を有してもよい。この場合、凸部の平坦状とされた頂面が飲料容器の外周面に当接することにより、飲料容器に当接する凸部の面積を増やすことができる。したがって、飲料容器に対する飲料発光装置の保持力をさらに高めることができる。
【0015】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、飲料発光装置は、照射素子が搭載された基板を備えてもよい。筒状部は、筒状部の軸線が延びる方向である軸線方向に筒状部を貫通する貫通孔が形成された底部を有してもよい。基板は、照射素子が貫通孔に入り込んだ状態で底部に固定されていてもよい。この場合、照射素子を搭載する基板が設けられ、照射素子が筒状部の底部の貫通孔に入り込んだ状態で当該底部に基板が固定される。照射素子が基板に搭載されるとともに貫通孔に入り込むことにより、飲料発光装置の高さをさらに抑えることができる。
【0016】
(6)上記(5)において、飲料発光装置は、基板に搭載された状態で貫通孔に入り込んだ電池を備えてもよい。照射素子は、電池から電力を得て光を照射してもよい。この場合、飲料発光装置を電池式にできるので構成を一層簡易にできる。さらに、電池が底部の貫通孔に入り込むことにより、飲料発光装置の高さを抑えることができる。
【0017】
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、飲料発光装置は、照射素子が光の照射を開始してから一定時間経過後に光の照射を停止させるタイマを備えてもよい。この場合、注出された飲料の状態に応じて光の照射を停止させる時間をタイマに設定できる。具体例として、飲料容器にビールテイスト飲料が注出されてからフロスティミストが消滅するまでの時間に光の照射を停止させる時間を合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、高さを抑えて小型化を実現し、着脱を容易に行えるとともに保持力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る飲料発光装置および飲料容器を示す側面図である。
図2】一実施形態に係る飲料発光装置を示す斜視図である。
図3】一実施形態に係る飲料発光装置を示す平面図である。
図4図3のA-A線断面図である。
図5】一実施形態に係る飲料発光装置を用いた飲料提供方法の工程の一例を示すフローチャートである。
図6】変形例に係る飲料発光装置を示す断面図である。
図7】(a)および(b)は、さらなる変形例に係る飲料発光装置を示す平面図である。
図8】(a)は、第2実施形態に係る飲料発光装置を示す斜視図である。(b)は、第2実施形態に係る飲料発光装置を示す平面図である。
図9】(a)は、第2実施形態に係る飲料発光装置を裏返した状態を示す斜視図である。(b)は、第2実施形態に係る飲料発光装置を示す底面図である。
図10】(a)は、第2実施形態に係る飲料発光装置の基板および照射素子の例を示す斜視図である。(b)は、(a)の基板が飲料発光装置に装着された状態を示す断面図である。
図11】(a)は、第3実施形態に係る飲料発光装置を示す斜視図である。(b)は、第3実施形態に係る飲料発光装置を示す平面図である。
図12】(a)は、第3実施形態に係る飲料発光装置を裏返した状態を示す斜視図である。(b)は、第3実施形態に係る飲料発光装置を示す底面図である。
図13】第4実施形態に係る飲料発光装置を示す斜視図である。
図14】第5実施形態に係る飲料発光装置を示す斜視図である。
図15】第5実施形態に係る飲料発光装置を使用している状態を模式的に示す斜視図である。
図16】(a)は、第6実施形態に係る飲料発光装置を示す側面図である。(b)は、第7実施形態に係る飲料発光装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る飲料発光装置の実施形態について説明する。図面の説明において同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化または誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る飲料発光装置1が飲料Dを発光させている状態を模式的に示す側面図である。本実施形態において、飲料Dは発泡性飲料である。飲料Dは、例えば、飲料サーバーのカランから飲料容器Cに注出される。飲料Dは、飲料容器Cの内部において、液体Lと、液体Lの上部に位置する泡Bとを備える。飲料容器Cは、例えば、グラス、ジョッキ、またはコップ等、飲料Dを収容することが可能とされた容器である。飲料容器Cは、一例として、プラカップであってもよい。飲料容器Cは、後述する光Hを通す透明性を有する。一例として、平面視における飲料容器Cの形状は円形状を呈する。
【0022】
飲料Dは、例えば、炭酸ガス等のガス含有発酵酒を含んでおり、飲料容器Cに注出されたときに液体Lの上に泡Bの層が形成される泡立ち特性と、形成された泡Bが一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料である。具体例として、飲料Dは、NIBEM値が50秒以上を示す飲料である。NIBEM値は、EBC(European Brewry Convention:欧州醸造協会)法によって公布法とされた飲料の泡持ち特性を示す指標である。
【0023】
飲料Dはビールテイスト飲料であってもよい。ビールテイスト飲料は、ビールのような味わいを奏する飲料、及び、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料を含む。アルコール度数が1%以上であるビールテイスト飲料は、ビールテイストアルコール飲料とも称される。更に、ビールテイスト飲料は、原料として麦芽を使用するビール、発泡酒、ノンアルコールビール、リキュール(例えば、酒税法上「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)を含んでいる。
【0024】
なお、飲料Dは、ビールテイスト飲料ではない発泡性飲料であってもよい。飲料Dは、例えば、前述した泡立ち特性及び泡持ち特性の少なくともいずれかを有するチューハイ、サワー、ハイボール、RTD(Ready To Drink)、コーラ、ソーダ又はサイダー等であってもよい。なお、本実施形態では、飲料Dがビールである例について説明する。
【0025】
飲料Dの泡Bは、所謂きめ細かい泡を含んでおり、このきめ細かい泡は、例えば、飲料容器Cへの液体Lの衝撃等によって生成される粗い泡とは異なる。きめ細かい泡は、飲料Dに対する意匠性および口当たりを良好にするクリーミーな泡であり、さらに、液体Lの香りまたは炭酸ガスの抜け、および液体Lの酸化を防ぐ蓋としての機能を果たすため多く生成されることが望ましい。きめ細かい泡は、液体Lと泡Bとの境界部分に現れるフロスティミストFからも生成される。フロスティミストFは、液体Lと泡Bとの境界部分に現れる霧状の層であり、例えば、外径が20μm以下である微細な泡の集合体である。フロスティミストFの量は、飲料Dの種類(銘柄)、飲料Dの成分、または飲料Dの注出の方法によって異なる。
【0026】
フロスティミストFは、飲料Dが飲料容器Cに注出されるときにガス圧が加えられることによって発生する。なお、フロスティミストFは、ガス圧だけでなく、超音波等、ガス圧以外の作用によって発生することもある。フロスティミストFは、例えば、飲料Dが飲用されたときに泡Bを再生するため、きめ細かい泡の泡持ちを良好にする効果を奏する。具体的には、飲料Dが飲用されると、フロスティミストFが液体L、泡Bまたは飲料容器Cに接触して刺激されることにより、フロスティミストFから新たな泡Bが再生する。フロスティミストFが鮮明に現れてフロスティミストFが増えると泡Bの再生量が増加する。
【0027】
前述したように、フロスティミストFは液体Lと泡Bとの境界部分に現れる霧状の層であるため、光Hが照射されるとフロスティミストFをきれいにライトアップさせることが可能となる。飲料発光装置1は、飲料Dに対して下から光Hを照射することにより、フロスティミストFを発光させる。
【0028】
飲料発光装置1は、飲料容器Cの底部C1に着脱可能に装着される。底部C1は、飲料発光装置1の後述する凸部4が当接する外周面C2を有する。飲料発光装置1は、飲料容器Cの底部C1に装着された状態で飲料容器Cを介して飲料Dに光Hを照射する。すなわち、飲料発光装置1は、飲料Dを収容する飲料容器Cに装着されて飲料容器Cを介して飲料Dに光Hを照射する。光Hは、液体Lを透過するとともに、泡Bにおいて反射される。したがって、照射素子6からの光H、および泡Bにおいて反射された光HによってフロスティミストFを輝かせることができる。発泡性飲料である飲料Dに光Hが照射される場合、光Hで泡Bを照らすことができるので、泡Bの輝きを楽しむことができる。
【0029】
図2は、飲料発光装置1を示す斜視図である。図2に示されるように、飲料発光装置1は、有底筒状を呈する。例えば、飲料発光装置1は、飲料容器Cが装着される装着部2と、基板5とを備える。例えば、装着部2は有底筒状を呈しており、基板5は装着部2の底部に固定されている。
【0030】
例えば、装着部2は、可撓性材料によって構成されている。可撓性材料は、手で撓ませることが可能な材料であり、一例として、ゴム材料である。装着部2は、飲料容器Cが挿入される開口3bを有する筒状部3を有する。筒状部3は、筒状部3の軸線Xが延びる方向である軸線方向D1および周方向D2に延在する側面部3cと、軸線方向D1に交差する方向に延在する底部3dとを有する。
【0031】
例えば、側面部3cは円筒状を呈しており、底部3dは円形状を呈する。例えば、側面部3cは飲料容器Cに対向する内周面3fを有し、底部3dは飲料容器Cに対向する底面3gを有する。一例として、底面3gは平坦面である。筒状部3は、底部3dを軸線方向D1に貫通する貫通孔3hを有する。
【0032】
装着部2は、筒状部3の内周面3fから突出する凸部4を有する。例えば、筒状部3および凸部4は可撓性材料によって構成されている。凸部4は、開口3bから筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cの外周面C2に当接する。凸部4は、開口3bから筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cを筒状部3の内部において固定するために設けられる。凸部4については後に詳述する。
【0033】
図3は、飲料発光装置1を示す平面図である。図4は、飲料発光装置1のA-A線断面図である。図3および図4に示されるように、基板5は、筒状部3の底部3dに固定されている。基板5は、飲料容器Cに対向する上面5bと、上面5bとは反対を向く下面5cとを有する。例えば、基板5は、底部3dの下面3jに固定されている。一例として、基板5は、下面3jに接着剤によって固定されている。しかしながら、基板5は接着剤以外によって下面3jに固定されていてもよく、下面3jに基板5を固定する手段は特に限定されない。
【0034】
飲料発光装置1は、光Hを照射する照射素子6を備える。照射素子6は、開口3bから筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cに光Hを照射する。照射素子6は、基板5に搭載されている。照射素子6は、基板5の上面5bに搭載されている。照射素子6は、上方に向かって光Hを照射する。
【0035】
基板5は、照射素子6が筒状部3の貫通孔3hに入り込んだ状態で筒状部3の底部3dに固定されている。一例として、照射素子6は、LED光を照射するLED光源である。しかしながら、照射素子6の種類は特に限定されない。例えば、飲料発光装置1は複数の照射素子6を有する。
【0036】
複数の照射素子6は、平面視(軸線方向D1に沿って見た場合)における飲料発光装置1の中心Oを中心とした仮想円E1上に並んでいる。例えば、複数の照射素子6は、周方向D2に沿って並んでいる。一例として、照射素子6の数は4である。例えば、平面視において4個の照射素子6が長方形状(一例として正方形状)をなすように配置されている。しかしながら、照射素子6の数および配置態様は特に限定されない。
【0037】
飲料発光装置1は、照射素子6に電力を供給する電池7を有する。一例として、電池7はボタン電池である。電池7は基板5の上面5bに搭載されている。電池7は基板5を介して照射素子6に電力を供給する。照射素子6は、電池7から電力を得て光Hを照射する。
電池7は、基板5に搭載された状態で筒状部3の貫通孔3hに入り込んでいる。例えば、平面視において、電池7は一対の照射素子6の間に配置されている。例えば、飲料発光装置1は、複数(一例として2個)の電池7を有する。複数の電池7は、例えば、中心Oを通る仮想直線Y上に並んでいる。
【0038】
例えば、飲料発光装置1は、照射素子6の点灯および消灯を操作するためのスイッチ8を有する。一例として、スイッチ8は、基板5の下面5cに搭載されている。飲料発光装置1の使用者(例えば、飲料Dの飲用者)はスイッチ8を操作することによって照射素子6を点灯させたり消灯させたりすることができる。例えば、スイッチ8の操作によって複数の照射素子6が同時に点灯および消灯する。しかしながら、スイッチは各照射素子6を個別に点灯および消灯するものであってもよく、スイッチの態様は特に限定されない。
【0039】
飲料発光装置1は、照射素子6が光Hの照射を開始してから一定時間経過後に光Hの照射を停止させるタイマ9を備えていてもよい。例えば、タイマ9は、基板5の下面5cに露出している。例えば、タイマ9では、照射素子6による光Hの照射時間を設定可能である。照射素子6は、光Hの照射を開始してからタイマ9で設定した時間が経過した後に自動的に光Hの照射を停止する。
【0040】
前述したように、飲料容器Cに飲料Dが注出されるとフロスティミストFが生じる。フロスティミストFは、飲料容器Cへの飲料Dの注出から時間が経つにつれて徐々に減少し、当該注出から一定時間が経過した後に消滅する。この一定時間は、例えば、30秒以上かつ5分以下である。したがって、タイマ9に当該一定時間を設定することにより、照射素子6によるフロスティミストFのライトアップを楽しむことができ、フロスティミストFが消滅した後に自動的に照射素子6を消灯させることができる。
【0041】
次に、凸部4についてより詳細に説明する。凸部4は、筒状部3に飲料容器Cを固定するために設けられる。筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cの外周面C2に凸部4が当接することによって、筒状部3からの飲料容器Cの抜けを防止でき、飲料容器Cとともに飲料発光装置1を持ち上げることが可能となる。
【0042】
例えば、凸部4は、平面視において矩形状を呈する。一例として、凸部4は、平面視における飲料発光装置1の径方向D4および軸線方向D1の双方に延在する外側面4bと、外側面4bから見て内周面3fとは反対側の端部において周方向D2に沿って延びる頂面4cと、鉛直上方を向く上面4dとを有する。外側面4b、頂面4cおよび上面4dは、例えば、平坦面である。例えば、凸部4は一対の外側面4bを有し、一対の外側面4bは周方向D2に沿って並んでいる。頂面4cは、飲料容器Cの外周面C2に当接する。
【0043】
例えば、飲料発光装置1は複数の凸部4を有する。複数の凸部4は、周方向D2に沿って並んでいる。凸部4の数は、例えば、3以上である。しかしながら、凸部4の数は、4以上、6以上、8以上または12以上であってもよい。また、凸部4の数は、36以下、18以下、12以下または8以下であってもよい。このように、凸部4の数は適宜変更可能である。本実施形態では、凸部4の数が8である例を示している。
【0044】
平面視において、複数の凸部4の頂面4cは、飲料発光装置1の中心Oを中心とした仮想円E2に沿って並んでいる。例えば、仮想円E2の直径Z1は、飲料容器Cの外周面C2の直径の最小値Z2(図1参照)よりも小さい。この場合、筒状部3を撓ませて筒状部3を押し広げた状態で筒状部3に飲料容器Cを挿入するときに、飲料容器Cの外周面C2に対する凸部4の当接力を強めることができる。ただし、直径Z1は、最小値Z2と同程度であってもよいし、最小値Z2より僅かに小さくてもよい。直径Z1は、平面視における筒状部3の内周面3fの直径より小さい。
【0045】
本実施形態に係る飲料発光装置1では、筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cの外周面C2に凸部4が当接することにより、飲料容器Cに対する飲料発光装置1の保持力を確保しつつ、飲料発光装置1の高さA1(軸線方向D1の長さ)を低減させることが可能である。
【0046】
仮に飲料発光装置1が凸部4を有しない場合、筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cの外周面C2は筒状部3の内周面3fに接触することとなる。この場合、飲料発光装置1の保持力を確保するためには、飲料容器Cの外周面C2に対する内周面3fの接触面積を増やすため、飲料発光装置1の高さA1を高くしなければならない。
【0047】
これに対し、飲料発光装置1が凸部4を有する場合には、筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cの外周面C2は内周面3fから突出する凸部4に接触することとなる。この場合、接触面積が小さく圧力が大きい凸部4が飲料容器Cの外周面C2に当接するので、飲料発光装置1の高さA1を高くしなくても強い保持力を維持できる。その結果、高さA1を低減させることが可能となる。
【0048】
例えば、飲料発光装置1の高さA1と飲料発光装置1の幅A2(軸線方向D1に直交する方向の長さ、平面視における飲料発光装置1の形状が円形状である場合には飲料発光装置1の直径)との比を1:N(Nは正の実数)とすると、Nの値は2以上である。すなわち、高さA1は幅A2の半分以下である。なお、Nの値は、3以上であってもよいし、4以上であってもよい。Nの値の上限は、例えば、4または5である。このように、Nの値は適宜変更可能である。
【0049】
続いて、本実施形態に係る飲料提供方法の例について図5を参照しながら説明する。以下では、飲料発光装置1を用いた飲料Dの提供方法の例について説明する。まず、飲料容器Cに飲料発光装置1を装着する(ステップS1)。飲料容器Cに対する飲料発光装置1の装着は、例えば、飲料Dの提供者(一例として飲料Dを提供する店の店員)によって行われる。このとき、筒状部3の開口3bに飲料容器Cの底部C1を押し込み、筒状部3を撓ませて筒状部3の内部に飲料容器Cを挿入し、例えば、複数の凸部4が飲料容器Cの底部C1の外周面C2に当接する。
【0050】
次に、飲料容器Cに飲料Dを注出する(ステップS2)。例えば、飲料発光装置1が装着された飲料容器Cを飲料サーバーのカランの下に配置した状態で飲料Dの提供者が当該カランを操作することによって飲料容器Cに飲料Dが注出される。飲料Dの提供者は、例えば、当該カランのレバーを引いて飲料容器Cに液体Lを注出し、その後、当該カランのレバーを押して飲料容器Cに泡Bを注出することにより、液体Lの上に泡Bが載せられた飲料Dが注出される。例えば、飲料Dの注出に伴って前述したフロスティミストFが発生する。
【0051】
そして、照射素子6を点灯させる(ステップS3)。なお、照射素子6の点灯は、ステップS2(飲料Dの注出)より前に行われてもよい。例えば、飲料Dの提供者が飲料発光装置1の下面に位置するスイッチ8を押すことによって照射素子6を点灯させる。このとき、タイマ9において照射素子6の点灯時間(照射素子6が点灯を開始してから照射素子6が自動で消灯するまでの時間)が設定されてもよい。照射素子6の点灯時間は、フロスティミストFの発生時間に合わせて設定されてもよい。
【0052】
続いて、飲料発光装置1が装着され照射素子6が点灯した飲料Dが顧客に提供される(ステップS4)。顧客とは、例えば、飲料Dの提供者の店の顧客である。照射素子6が点灯してフロスティミストFに光Hが照射された飲料Dが顧客に提供されることにより、きらびやかに光ったフロスティミストFを顧客に見せることができ、顧客を楽しませることができる。
【0053】
前述したように、飲料発光装置1は飲料容器Cに装着されているので、フロスティミストFに光Hが照射されている状態で顧客は飲料Dを飲用することができる。すなわち、顧客は光ったフロスティミストFを見て飲料Dを視覚的に楽しむとともに飲料Dの飲用を楽しむことができる。
【0054】
飲料Dの提供が終わった後に照射素子6が消灯する(ステップS5)。照射素子6の消灯は、顧客がスイッチ8を押すことによって行われてもよいし、タイマ9に設定された時間が経過した後に自動的で行われてもよい。照射素子6の消灯の後にスイッチ8の押下によって照射素子6が再点灯されてもよい。
【0055】
なお、ステップS5は省略されてもよい。さらに、飲料容器Cから飲料発光装置1が外されてもよい。飲料容器Cからの飲料発光装置1の取り外しは、顧客によって行われてもよいし、飲料Dの提供者によって行われてもよい。以上の工程を経て飲料提供方法の一連の工程が完了する。
【0056】
次に、本実施形態に係る飲料発光装置1から得られる作用効果についてより詳細に説明する。飲料発光装置1は開口3bが形成された筒状部3を有し、開口3bから筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cに照射素子6が光Hを照射する。よって、飲料Dを収容した飲料容器Cに光Hが照射されることにより飲料Dに光Hを照射できるので、飲料Dを飲用する飲用者は光った飲料Dを見て楽しむことができる。
【0057】
飲料発光装置1では、開口3bから筒状部3の内部に飲料容器Cが挿入されることによって飲料容器Cに飲料発光装置1が装着される。よって、飲料発光装置1は単一の部品とすることができるので、構成を簡易にして小型化を実現させることができる。飲料発光装置1は筒状部3の内周面3fから突出する凸部4を有し、凸部4は筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cの外周面C2に当接する。凸部4が飲料容器Cの外周面C2に当接して筒状部3が飲料容器Cに固定されることによって、飲料容器Cに飲料発光装置1が装着される。
【0058】
内周面3fから突出する凸部4が飲料容器Cの外周面C2に当接することにより、従来あった筒状部への切り込み等を不要にできるので、飲料発光装置1の高さA1を抑えることができるとともに、飲料発光装置1の装着時における見栄えを良好にすることができる。飲料発光装置1の高さA1を抑えることによって飲料容器Cに対する飲料発光装置1の着脱を容易に行うことができる。
【0059】
さらに、筒状部3の内部に挿入された飲料容器Cの外周面C2に凸部4が当接することにより、飲料容器Cに対する保持力を高めることができる。その結果、飲料Dを飲用するために飲料容器Cが持ち上げられたときでも、飲料容器Cとともに飲料発光装置1が持ち上がることとなり、飲料Dを飲みながら飲料Dのライトアップを楽しむことができる。
【0060】
前述したように、飲料発光装置1は、筒状部3の周方向D2に沿って並ぶ複数の凸部4を備えてもよい。この場合、筒状部3の周方向D2に沿って並ぶ複数の凸部4が飲料容器Cの外周面C2に当接するので、飲料容器Cに対する飲料発光装置1の保持力を一層高めることができる。
【0061】
前述したように、筒状部3および凸部4が可撓性材料によって構成されていてもよい。この場合、飲料容器Cへの飲料発光装置1の装着時に可撓性によって筒状部3および凸部4を変形させることができるので、飲料容器Cに対する飲料発光装置1の着脱を一層容易に行うことができる。
【0062】
前述したように、凸部4は、飲料容器Cの外周面C2に当接する平坦状の頂面4cを有してもよい。この場合、凸部4の平坦状とされた頂面4cが飲料容器Cの外周面C2に当接することにより、飲料容器Cに当接する凸部4の面積を増やすことができる。したがって、飲料容器Cに対する飲料発光装置1の保持力をさらに高めることができる。
【0063】
前述したように、飲料発光装置1は、照射素子6が搭載された基板5を備えてもよい。筒状部3は、筒状部3の軸線Xが延びる方向である軸線方向D1に筒状部3を貫通する貫通孔3hが形成された底部3dを有してもよい。基板5は、照射素子6が貫通孔3hに入り込んだ状態で底部3dに固定されていてもよい。この場合、照射素子6を搭載する基板5が設けられ、照射素子6が筒状部3の底部3dの貫通孔3hに入り込んだ状態で底部3dに基板5が固定される。照射素子6が基板5に搭載されるとともに貫通孔3hに入り込むことにより、飲料発光装置1の高さA1をさらに抑えることができる。
【0064】
前述したように、飲料発光装置1は、基板5に搭載された状態で貫通孔3hに入り込んだ電池7を備えてもよい。照射素子6は、電池7から電力を得て光Hを照射してもよい。この場合、飲料発光装置1を電池式にできるので構成を一層簡易にできる。さらに、電池7が底部3dの貫通孔3hに入り込むことにより、飲料発光装置1の高さA1を抑えることができる。
【0065】
前述したように、飲料発光装置1は、照射素子6が光Hの照射を開始してから一定時間経過後に光Hの照射を停止させるタイマ9を備えてもよい。この場合、注出された飲料Dの状態に応じて光Hの照射を停止させる時間を設定できる。具体例として、飲料容器Cにビールテイスト飲料である飲料Dが注出されてからフロスティミストFが消滅するまでの時間に光Hの照射を停止させる時間を合わせることができる。
【0066】
次に、第1変形例に係る飲料発光装置11について図6を参照しながら説明する。飲料発光装置11の一部の構成は、前述した飲料発光装置1の一部の構成と同一である。したがって、以下では、飲料発光装置1の構成と同一の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0067】
飲料発光装置11は、基板被覆部12を備える点で飲料発光装置1とは異なる。基板被覆部12は、基板5の上方に位置する上方被覆部13と、基板5の下方に位置する下方被覆部14とを含む。上方被覆部13は、筒状部3の底面3gに載せられている。一例として、上方被覆部13は、フィルム状を呈する。例えば、上方被覆部13は、底面3gに貼り付けられている。
【0068】
下方被覆部14は、筒状部3から下方に延びる側面部14bと、側面部14bの下端において軸線方向D1に交差する方向に延在する底部14cとを有する。側面部14bは、筒状部3の側面部3cに連続して設けられている。底部14cと底部3dとの間に基板5が挟み込まれている。下方被覆部14は、筒状部3と一体とされていてもよい。例えば、下方被覆部14は、筒状部3と一体成形されていてもよい。
【0069】
以上、飲料発光装置11では、基板5が基板被覆部12によって被覆されて基板5が露出しないので、基板5をより確実に保護できる。なお、上記の例では、上方被覆部13および下方被覆部14を備える基板被覆部12について説明した。しかしながら、基板被覆部は、上方被覆部13または下方被覆部14を備えていてもよい。すなわち、基板被覆部は、上方被覆部13および下方被覆部14のいずれかのみを備えていてもよい。
【0070】
図7(a)は、第2変形例に係る飲料発光装置21を示す平面図である。飲料発光装置21は、前述した凸部4とは異なる形状とされた凸部24を有する。飲料発光装置21は12個の凸部24を有する。平面視において凸部24は、V字状を呈する。例えば、凸部24は、軸線方向D1に延びるとともに径方向D4に対して傾斜する側面24bと、鉛直上方を向く上面24cとを有する。凸部24は周方向D2に沿って並ぶ一対の側面24bを有し、平面視において一対の側面24bはV字状を呈する。上面24cは三角形状を呈する。
【0071】
図7(b)は、第3変形例に係る飲料発光装置31を示す平面図である。飲料発光装置31は、16個の凸部34を有する。平面視において凸部34は、U字状を呈する。例えば、凸部34は、軸線方向D1に延びるとともに平面視においてU字状を呈する湾曲面34bと、鉛直上方を向く上面34cとを有する。以上、第2変形例および第3変形例に示されるように、飲料発光装置において、凸部の形状、および凸部の数は、適宜変更可能である。
【0072】
(第2実施形態)
図8(a)は、第2実施形態に係る飲料発光装置41を示す斜視図である。図8(b)は、飲料発光装置41を示す平面図である。図9(a)は、図8(a)とは反対側から見た飲料発光装置41を示す斜視図である。図9(b)は、飲料発光装置41を示す底面図である。図10(a)は、飲料発光装置41の基板5Aおよび照射素子6Aを示す斜視図である。図10(b)は、基板5Aが嵌め込まれた状態を示す断面図である。
【0073】
図8(a)、図8(b)、図9(a)、図9(b)、図10(a)および図10(b)に示されるように、飲料発光装置41は、筒状を呈する。飲料発光装置41は、飲料容器Cが装着される装着部42A,42Bと、基板5Aと、基板5Aに搭載された照射素子6Aとを有する。例えば、照射素子6Aが搭載された基板5Aは、装着部42A,42Bに対して着脱可能とされている。
【0074】
装着部42Aおよび装着部42Bは、飲料発光装置41の軸線方向に沿って並んでいる。装着部42Aは、飲料容器Cが挿入される開口43bが形成された筒状部43Aを有する。筒状部43Aは、飲料発光装置41の軸線方向および周方向に延在する側面部43cと、底部45とを有する。筒状部43Aの底部45には、基板5Aが配置可能とされている。
【0075】
飲料発光装置41は、基板5Aが配置される基板配置部46を底部45に有する。基板配置部46は、底部45から上方に延びる第1部分と、第1部分の上側から水平方向に延びる第2部分とを有するL字状を呈し、第2部分と底部45との間に基板5Aが挟み込まれる。飲料発光装置41は複数の基板配置部46を有し、例えば、複数の基板配置部46は矩形状に配置されている。
【0076】
側面部43cは、飲料容器Cに対向する内周面43fを有する。装着部42Aは、筒状部43Aの内周面43fから突出する凸部44Aを有する。凸部44Aは、前述した凸部4と同様の機能を有する。例えば、凸部44Aの上面は、筒状部43Aの上面と面一になっている。
【0077】
装着部42Bは、装着部42Aとは反対側に配置されている。すなわち、装着部42Bは、装着部42Aとは反対を向いている。装着部42Bは、飲料容器Cが挿入される開口43gが形成された筒状部43Bを有する。筒状部43Bは、飲料発光装置41の軸線方向および周方向に延在する側面部43hと、底部45とを有する。筒状部43Bの底部45には、筒状部43Aの底部45と同様、基板配置部46が設けられている。側面部43hは、飲料容器Cに対向する内周面43jを有する。装着部42Bは、筒状部43Bの内周面43jから突出する凸部44Bを有する。凸部44Bの機能、形状および大きさは、例えば、前述した凸部44Aの機能、形状および大きさと同一である。
【0078】
装着部42A(筒状部43A)の内径は、装着部42B(筒状部43B)の内径とは異なっている。例えば、筒状部43Aの内径は、筒状部43Bの内径よりも大きい。飲料発光装置41の軸線方向に沿って見た場合において、飲料発光装置41の中心から凸部44Aまでの距離は、飲料発光装置41の中心から凸部44Bまでの距離よりも長い。これにより、装着部42Aには、装着部42Bに装着される飲料容器Cよりも太い(外径が大きい)飲料容器Cを装着させることができる。
【0079】
すなわち、装着部42Aが上に向けられた状態でより太い飲料容器Cを装着部42Aに装着可能であるとともに、装着部42Bが上に向けられた状態でより細い飲料容器Cを装着部42Bに装着可能である。例えば、装着部42Aにジョッキを装着させ、装着部42Bに小さいタンブラーを装着させることが可能である。したがって、飲料発光装置41には、互いに外径が異なる複数種類の飲料容器Cを装着させることができる。
【0080】
(第3実施形態)
図11(a)は、第3実施形態に係る飲料発光装置51を示す斜視図である。図11(b)は、飲料発光装置51を示す平面図である。図12(a)は、図11(a)とは反対側から見た飲料発光装置51を示す斜視図である。図12(b)は、飲料発光装置51を示す底面図である。飲料発光装置51は、基板5Aに代えて、第1実施形態に係る飲料発光装置1の基板5を備える点が前述した飲料発光装置41とは異なっている。
【0081】
飲料発光装置51は、装着部52A,52Bと、基板5と、基板5に搭載された照射素子6とを有する。基板5は、装着部52A,52Bに対して着脱可能とされている。装着部52Aは前述した筒状部43Aと同様の筒状部53Aを有し、装着部52Bは筒状部43Bと同様の筒状部53Bを有する。
【0082】
飲料発光装置51は筒状部53A,53Bの底部を貫通する貫通孔を有し、この貫通孔は前述した貫通孔3h(図4参照)と同様である。飲料発光装置51では、当該貫通孔を塞ぐように当該貫通孔の下に基板5が配置される。なお、基板5は当該貫通孔を塞ぐように当該貫通孔の上に配置されてもよく、基板5の配置態様は適宜変更可能である。例えば、基板5の照射素子6が搭載される面とは反対の面(下面)には、スイッチ8が搭載されていてもよい。この場合、下からスイッチ8を押すことによって照射素子6の点灯および消灯を行うことができる。
【0083】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態に係る飲料発光装置61を示す斜視図である。図13に示されるように、飲料発光装置61は、装着部62A,62Bを有する。装着部62Aおよび装着部62Bは、互いに同一の方向を向いている。
【0084】
装着部62Aは、筒状部43Aと同様の筒状部63Aと、筒状部63Aの内周面から突出する凸部64Aとを有する。装着部62Bは、筒状部63Aよりも内径が小さい筒状部63Bと、筒状部63Bの内周面から突出する凸部64Bとを有する。例えば、筒状部63Bは筒状部63Aよりも下方に位置し、平面視において筒状部63Bは筒状部63Aの内側に位置する。
【0085】
飲料発光装置61は、例えば、装着部62A,62Bとは反対側(図13では下側)に装着部42B(図9(a)参照)を有する。例えば、装着部62Aの内径は装着部62Bの内径より大きく、装着部62Bの内径は装着部42Bの内径より大きい。これにより、装着部62Aには外径が大きい飲料容器Cを装着でき、装着部62Bには外径が中程度の飲料容器Cを装着でき、装着部42Bには外径が小さい飲料容器Cを装着できる。
【0086】
すなわち、装着部62A,62Bが上を向けられた状態では、太い飲料容器Cを装着部62Aに装着可能であるとともに、中程度の太さの飲料容器Cを装着部62Bに装着可能である。さらに、装着部42Bが上に向けられた状態では、細い飲料容器Cを装着部42Bに装着可能である。したがって、飲料発光装置61には、互いに外径が異なる3種類以上の飲料容器Cを装着させることができる。
【0087】
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態に係る飲料発光装置71を示す斜視図である。図14に示されるように、飲料発光装置71は、装着部72を有する。装着部72は、飲料容器Cが挿入される開口が形成された筒状部73を有する。筒状部73は、挿入された飲料容器Cの位置ずれを抑制するために設けられる。
【0088】
飲料発光装置71は、飲料を飲用する飲用者の指がかけられる指かけ部74を有する。指かけ部74は、第1輪状部74Aと、第1輪状部74Aとは異なる位置に形成された第2輪状部74Bとを含む。第1輪状部74Aは、第2輪状部74Bの斜め上方に位置する。第1輪状部74Aの一端は筒状部73の外周面に位置し、第1輪状部74Aの他端は筒状部73の下面に位置する。第1輪状部74Aは、筒状部73の外周面から、筒状部73の下面まで輪状に延在している。
【0089】
第2輪状部74Bの一端および他端は、筒状部73の下面に位置する。第2輪状部74Bは、第1輪状部74Aの隣接位置に形成されている。例えば、第2輪状部74Bの軸線に直交する方向に延在する第2輪状部74Bの面(開口面)は、第1輪状部74Aの軸線に直交する方向に延在する第1輪状部74Aの面(開口面)と同一平面上に並んでいる。
【0090】
以上、第5実施形態のように、本開示の一側面に係る飲料発光装置は、以下の構成を有する。
飲料を収容する飲料容器に装着されて前記飲料容器を介して前記飲料に光を照射する飲料発光装置であって、
前記飲料容器が挿入される開口を有する筒状部と、
前記開口から前記筒状部の内部に挿入された前記飲料容器に光を照射する照射素子と、
前記筒状部から前記筒状部の外側に突出しており、前記飲料を飲用する飲用者の指がかけられる指かけ部と、
を備える、
飲料発光装置。
【0091】
上記の飲料発光装置の一例である飲料発光装置71では、指かけ部74を有することにより、図15に示されるように、飲用者が手Tで飲料容器Cを持つとともに指かけ部74に指をかけることができる。そして、飲用者は、手Tで飲料容器Cを持った状態で光った飲料Dを見ながら楽しむことができる。飲料発光装置71では、飲料Dを注出する注出者が手Tで飲料容器Cを持つとともに指かけ部74に指をかけることができる。例えば、注出者が指かけ部74に指をかけて飲料容器Cに注出される飲料Dを照射素子6でライトアップすることにより、飲料Dの飲用者を楽しませることができる。さらに、複数の人の前で注出者が指かけ部74に指をかけて飲料容器Cに注出される飲料Dを照射素子6でライトアップすることにより、当該複数の人はライトアップされた飲料Dを見て楽しむことができる。
【0092】
指かけ部74は、第1輪状部74Aおよび第2輪状部74Bを有する。したがって、第1輪状部74Aに1本の指を入れ、第2輪状部74Bに他の1本の指を入れることにより、飲料発光装置71および飲料容器Cを持ちやすくすることができる。例えば、第1輪状部74Aに飲用者の薬指を挿入し、第2輪状部74Bに飲用者の小指を挿入することが可能である。しかしながら、第1輪状部74Aに挿入される指、および第2輪状部74Bに挿入される指の種類は特に限定されない。
【0093】
(第6実施形態)
図16(a)は、第6実施形態に係る飲料発光装置81を示す側面図である。図16(a)に示されるように、飲料発光装置81は、筒状部83を有する装着部82と、指かけ部84とを備える。指かけ部84は、輪状部の数が1つである点で、前述した指かけ部74とは異なっている。
【0094】
(第7実施形態)
図16(b)は、第7実施形態に係る飲料発光装置91を示す側面図である。図16(b)に示されるように、飲料発光装置91は、筒状部93を有する装着部92と、指かけ部94とを備え、指かけ部94が輪状でない点が飲料発光装置81とは異なっている。指かけ部94は、平面視において筒状部93から筒状部93の外側に延在するとともに水平方向に延びる天面部94bと、天面部94bの筒状部93とは反対の端部94cから平面視における筒状部93の内側に斜め下方に延在する湾曲部94dとを有する。湾曲部94dは、端部94cから筒状部93の下端まで延在している。湾曲部94dは、指かけ部94の内側に湾曲している。以上、飲料発光装置91では、湾曲部94dに指をかけることができるので、飲料発光装置71および飲料発光装置81と同様の作用効果が得られる。
【0095】
以上、本開示に係る飲料発光装置の種々の実施形態および種々の変形例について説明した。しかしながら、本開示に係る飲料発光装置は、前述した実施形態または変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内においてさらに変形されたものであってもよい。すなわち、本開示に係る飲料発光装置の各部の形状、大きさ、材料、数および配置態様は上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。
【0096】
例えば、前述した実施形態では、飲料発光装置1を用いた飲料提供方法であって、飲料発光装置の装着(ステップS1)、飲料の注出(ステップS2)、点灯(ステップS3)、飲料の提供(ステップS4)および消灯(ステップS5)が行われる飲料提供方法について説明した。しかしながら、飲料発光装置を用いた飲料提供方法の工程の内容および順序は、前述した実施形態のものに限られず適宜変更可能である。
【0097】
前述した実施形態では、照射素子6、電池7、スイッチ8およびタイマ9が搭載される基板5を備えた飲料発光装置1について説明した。しかしながら、飲料発光装置は、電池7を有しない電池式以外の飲料発光装置であってもよい。さらに、飲料発光装置は、基板5、電池7、スイッチ8およびタイマ9の少なくともいずれかを有しない飲料発光装置であってもよい。
【0098】
前述した実施形態では、飲料容器Cに注出される飲料Dがビールであり、飲料発光装置1の照射素子6がビールに光Hを照射する例について説明した。しかしながら、飲料発光装置1の照射素子6は、ビール以外の飲料に光Hを照射するものであってもよい。例えば、照射素子6は、ビール以外の発泡性飲料、及び発泡性飲料以外の飲料に光Hを照射してもよい。具体例として、照射素子6は、泡持ち特性を有する発泡酒、ノンアルコールビール、チューハイ、サワー、ハイボール、RTD(Ready To Drink)、コーラ、ソーダ又はサイダー等に光Hを照射してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1…飲料発光装置、2…装着部、3…筒状部、3b…開口、3c…側面部、3d…底部、3f…内周面、3g…底面、3h…貫通孔、3j…下面、4…凸部、4b…外側面、4c…頂面、4d…上面、5,5A…基板、5b…上面、5c…下面、6,6A…照射素子、7…電池、8…スイッチ、9…タイマ、11…飲料発光装置、12…基板被覆部、13…上方被覆部、14…下方被覆部、14b…側面部、14c…底部、21…飲料発光装置、24…凸部、24b…側面、24c…上面、31…飲料発光装置、34…凸部、34b…湾曲面、34c…上面、41…飲料発光装置、42A,42B…装着部、43A…筒状部、43b…開口、43B…筒状部、43c…側面部、43f…内周面、43g…開口、43h…側面部、43j…内周面、44A,44B…凸部、45…底部、46…基板配置部、51…飲料発光装置、52A,52B…装着部、53A,53B…筒状部、61…飲料発光装置、62A,62B…装着部、63A,63B…筒状部、64A,64B…凸部、71…飲料発光装置、72…装着部、73…筒状部、74…指かけ部、74A…第1輪状部、74B…第2輪状部、81…飲料発光装置、82…装着部、83…筒状部、84…指かけ部、91…飲料発光装置、92…装着部、93…筒状部、94…指かけ部、94b…天面部、94c…端部、94d…湾曲部、B…泡、C…飲料容器、C1…底部、C2…外周面、D…飲料、E1,E2…仮想円、F…フロスティミスト、H…光、L…液体、O…中心、X…軸線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16