(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177048
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】標識柱
(51)【国際特許分類】
E01F 9/623 20160101AFI20241212BHJP
E01F 13/02 20060101ALI20241212BHJP
E01F 9/608 20160101ALI20241212BHJP
E01F 9/529 20160101ALI20241212BHJP
【FI】
E01F9/623
E01F13/02 Z
E01F9/608
E01F9/529
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024007697
(22)【出願日】2024-01-22
(62)【分割の表示】P 2023094800の分割
【原出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 雅也
(72)【発明者】
【氏名】岡田 正敏
(72)【発明者】
【氏名】岡部 均
(72)【発明者】
【氏名】吉田 修一朗
【テーマコード(参考)】
2D064
2D101
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064AA21
2D064BA01
2D064BA03
2D064CA03
2D064DA01
2D064DB03
2D064EA01
2D064EA14
2D101CA13
2D101DA05
2D101EA05
2D101FA13
2D101GA17
(57)【要約】
【課題】故意に基づく損傷を防止することができる標識柱を提供する。
【解決手段】標識柱1は、基部10と、基部10から延びる柱状の柱部20と、柱部20に設けられた認識部30とを備えている。柱部20は、復元可能に外力によって変形可能な柔軟性を有している。認識部30は、情報又は物を認識させるようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部から延びる柱状の柱部と、
前記柱部に設けられた認識部とを備え、
前記柱部は、復元可能に外力によって変形可能な柔軟性を有しており、
前記認識部は、情報又は物を認識させるようになっている、
標識柱。
【請求項2】
前記認識部は、前記物を認識させる形状を有している、
請求項1に記載の標識柱。
【請求項3】
前記認識部は、前記情報が表示される表示部を有している、
請求項1に記載の標識柱。
【請求項4】
前記認識部は、前記柱部の先端に設けられている、
請求項1に記載の標識柱。
【請求項5】
前記認識部は、前記柱部の先端から突出すると共に前記柱部の内部を延びる支持部を有している、
請求項1に記載の標識柱。
【請求項6】
前記物は、キャラクターである、
請求項1に記載の標識柱。
【請求項7】
前記物は、衝撃を与えると認識される物である、
請求項1に記載の標識柱。
【請求項8】
前記柱部は、ポリウレタンから作られている、
請求項1に記載の標識柱。
【請求項9】
前記基部には錘が設けられている、
請求項1に記載の標識柱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標識柱に関し、特に、柔軟な標識柱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば路上に、通行人や通行車両等へ通行範囲を示すためや何らかの目印として、柱状の標識柱が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような標識柱は、人や車両等がぶつかっても、人や車両等に大きな衝撃が伝わらないように、柔軟な材料から作られている。標識柱の材料が柔軟な材料であると認識されることにより、標識柱は故意に変形されたり、衝撃を加えられたりすることがあり、これにより、標識柱が変形したり、破損したりすることがある。このため、標識柱に対して、故意に基づく損傷を防止することができる構成が求められている。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、故意に基づく損傷を防止することができる標識柱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る標識柱は、基部と、前記基部から延びる柱状の柱部と、前記柱部に設けられた認識部とを備え、前記柱部は、復元可能に外力によって変形可能な柔軟性を有しており、前記認識部は、情報又は物を認識させるようになっている。
【0007】
本発明の一態様に係る標識柱において、前記認識部は、前記物を認識させる形状を有している。
【0008】
本発明の一態様に係る標識柱において、前記認識部は、前記情報が表示される表示部を有している。
【0009】
本発明の一態様に係る標識柱において、前記認識部は、前記柱部の先端に設けられている。
【0010】
本発明の一態様に係る標識柱において、前記認識部は、前記柱部の先端から突出すると共に前記柱部の内部を延びる支持部を有している。
【0011】
本発明の一態様に係る標識柱において、前記物は、キャラクターである。
【0012】
本発明の一態様に係る標識柱において、前記物は、衝撃を与えると認識される物である。
【0013】
本発明の一態様に係る標識柱において、前記柱部は、ポリウレタンから作られている。
【0014】
本発明の一態様に係る標識柱において、前記基部には錘が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、故意に基づく損傷を防止することができる標識柱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る標識柱の正面図である。
【
図2】
図1に示す標識柱の構成要素を分解して示す分解図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る標識柱の正面図である。
【
図4】
図3に示す標識柱の構成要素を分解して示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る標識柱1の正面図であり、
図2は、標識柱1の構成要素を分解して示す分解図である。
図1,2に示されるように、標識柱1は、基部10と、基部10から延びる柱状の柱部20と、柱部20に設けられた認識部30とを備えている。柱部20は、復元可能に外力によって変形可能な柔軟性を有している。認識部30は、情報又は物を認識させるようになっている。なお、
図2において、基部10は断面によって示されている。以下、標識柱1の構成について具体的に説明する。
【0019】
柱部20は、
図1,2に示されるように、上下方向に柱状に延びており、上側の端である上端21と、下側の端である下端22とを有している。上端21は、例えば、上側に面する面を形成しており、下端22は、例えば、下側に面する面を形成している。柱部20は、例えば
図1に示されるように、円柱状であり、円筒状又は略円筒状の側面23を有している。柱部20は中空となっていてもよく、中実となっていてもよい。柱部20は、下端22近傍の部分である下端部20aにおいて、基部10に支持されており、基部10から上側に延びている。なお、柱部20の形状は円柱状に限られず、角柱状であってもよく、柱部20の断面形状は、円形に限られず、三角形や四角形等の多角形であってもよく、他の形状であってもよい。
【0020】
上述のように、柱部20は、復元可能に外力によって変形可能な柔軟性を有している。具体的には例えば、人が接触する程度の衝撃に対しても変形するような柔軟性を有している。また、柱部20は、外力によって変形後に外力が取り除かれると、元の形状に、または、おおよそ元の形状に戻る復元性を有している。柱部20は、上述のような柔軟性を有する弾性材料、例えばポリウレタンによって作られている。なお、柱部20は、上述のような柔軟性を有する他の樹脂やゴム等の他の弾性材料から作られていてもよい。
【0021】
基部10は、
図1,2に示されるように、標識柱1の台座として機能する部分であり、柱部20よりも径方向において外側に広がっている。なお、径方向とは、標識柱1が延びる上下方向に直交する方向である。基部10は、例えば円盤状の形状をしており、接地面としての底面11と、底面11に背向する位置に形成された、支持部12とを有している。支持部12は、柱部20の下端部20aが取り付けられて、柱部20を支持する部分である。また、支持部12は、支持部12から柱部20を取り外し可能になっている。支持部12は、例えば、
図2に示されるように、柱部20の下端部20aを収容する凹部13を有している。凹部13は、下側に凹んでおり、例えば、柱部20の下端部20aが圧入されるような形状となっている。凹部13は、具体的には例えば、筒状の側面13aと、底面13bとを有している。側面13aは、凹部13に収容された柱部20の側面23に接触するようになっている。また、底面13bは、凹部13に収容された柱部20の下端22に接触するようになっている。なお、基部10の形状は円盤状に限られず、他の形状であってもよい。
【0022】
また、
図2に示されるように、基部10には錘14が設けられている。基部10は、例えば、中実になっており、錘14は、基部10の内部に埋設されている。なお、錘14は、基部10の表面から露出していてもよい。また、基部10には、1つの錘14が設けられていてもよく、複数の錘14が設けられていてもよい。基部10は、例えばポリウレタンによって作られている。なお、基部10の材料は他の材料であってもよい。また、錘14は、例えば金属によって作られている。なお、基部10の材料は他の材料であってもよい。
【0023】
標識柱1の基部10と柱部20とは、例えば、ポストコーン(登録商標)等の道路標識柱に類似する部材である。
【0024】
上述のように、認識部30は、情報又は物を認識させるようなっており、標識柱1においては、
図1,2に示されるように、物を認識させるようになっており、例えば、特定の物を認識させる形状を有している。具体的には、例えば
図1,2に示されるように、認識部30は、特定のキャラクターを認識させるような形状を有しており、具体的には、特定のキャラクターを模っている。認識部30は、人、動物、ロゴ、電子機器等の製品、又は他の物を認識させる形状を有していてもよい。認識部30は、例えば
図1,2に示されるように、柱部20の先端である上端21に取り付けられている。なお、認識部30は、柱部20の上端21ではない位置に取り付けられていてもよい。例えば、認識部30は、柱部20の上端21近傍の部分である上端部20bや、側面23の他の位置に取り付けられていてもよい。
【0025】
上述のように、認識部30は、柱部20から突出しており、突出部である。認識部30は、例えば、柱部20よりも硬い弾性材料から作られている。なお、認識部30の材料は、弾性材料に限られず、金属等の他の材料から作られていてもよい。また、認識部30の材料は、柱部20よりも硬い弾性材料でなくてもよく、また、柱部20よりも硬い材料でなくてもよい。
【0026】
標識柱1は、上述のような構成を有しており、基部10に柱部20が支持されて、基部10から上方に柱部20が延びており、また、柱部20の上端21には、キャラクターを模った認識部30が取り付けられている。標識柱1は、地面等の設置面に置かれて使用される。標識柱1の使用状態において、基部10の底面11が設置面に接地しており、柱部20が設置面上に立ち、認識部30が設置面の上方に位置している。基部10には錘14が設けられているため、標識柱1は、安定して設置面上に立つことができる。
【0027】
標識柱1は、柱部20の上端21に特定のキャラクターを模った認識部30を有している。このキャラクターは、このキャラクターを見た人に、何等かの印象を与える。このキャラクターの印象は、人が故意に柱部20等の標識柱1の部分に衝撃を与える行為を抑止することができる。特に、キャラクターが愛くるしいキャラクターである場合、このキャラクターの印象は、人が故意に標識柱1に衝撃を与える行為を抑止する大きな効果を有する。このため、人が標識柱1に座ったり、標識柱1に衝撃を与えたりして、故意に標識柱1に損傷が与えられることを抑制することができる。
【0028】
また、認識部30は、柱部20から突出する突出部であるので、認識部30は、柱部20を座りづらくしている。また、認識部30が硬い材料から作られている場合、認識部30は、柱部20をより座りづらくする。この点においても、標識柱1は、人が標識柱1に座ったり、標識柱1に衝撃を与えたりして、故意に標識柱1に損傷が与えられることを抑制することができる。
【0029】
また、基部10と柱部20とは分離可能となっているので、基部10と柱部20とを互いに分離させ、基部10と柱部20とを分けて保管することができる。このように、標識柱1は、保管スペースを小さくすることができる。
【0030】
上述のように、本発明の第1実施形態に係る標識柱1によれば、故意に基づく損傷を防止することができる。
【0031】
なお、認識部30には、視覚、聴覚、触覚等の感覚を伝達する感覚伝達部が設けられていてもよい。感覚伝達部は、例えば、文字や絵などの情報を表示する装置や、音声を発生する装置や、振動や電気を発生する装置等である。なお、これらは感覚伝達部の一例であり、感覚伝達部は、種々の感覚が知覚されるように、種々の感覚を伝達するものであり、感覚伝達部が伝達する感覚は、種々の感覚とすることができる。
【0032】
上述のように、認識部30は、特定のキャラクターを模ったものに限られず、例えば、人、動物、ロゴ、電子機器等の種々の製品、又は他の物を模ったものであってもよく、認識部30が認識させようとするものは、種々の物とすることができる。例えば、感電等の衝撃を与えると認識される物のような、触れることを躊躇させるような物を模った認識部30とした場合、人が故意に標識柱1に衝撃を与える行為を抑止する大きな効果を有する。
【0033】
また、認識部30は、柱部20に取り付け及び取り外し可能になっていてもよい。例えば、柱部20の上端部20bに、上端21から下方に延びる凹部が形成されており、突出部等のこの凹部に収容可能な部分が認識部30に形成されていてもよい。また、例えば、認識部30に、内部に延びる凹部が形成されており、突出部等のこの凹部に収容可能な部分が柱部20の上端21に形成されていてもよい。
【0034】
また、基部10の凹部13と柱部20の下端部20aとの間には、基部10と柱部20とを互いに係合させる係合部が設けられていてもよい。係合部は、例えば、基部10の凹部13に形成された突出部又は凹部と、柱部20の下端部20aに形成された凹部又は突出部である。基部10の凹部13に柱部20が収容されている状態において、この係合部が係合していることにより、基部10と柱部20との間の固定を強固にすることができる。
【0035】
また、基部10には、底面11から下方に延びるネジ部が形成されていてもよい。ネジ部には、ネジ山が形成されている。この場合、設置面に形成されたネジ穴にネジ部を締め付けることにより、設置面に標識柱1を固定することができる。
【0036】
また、柱部20は基部10に固定されていてもよい。例えば、柱部20は、基部10の凹部13に収容されて、基部10に固定されていてもよい。固定は、例えば、ボルト等の固定部材や、接着剤等によってなされる。固定方法はこれに限られない。
【0037】
次いで、本発明の第2実施形態に係る標識柱2について説明する。標識柱2は、上述の標識柱1に対して、認識部30とは異なる認識部31を有する点で異なる。以下、標識柱2の構成について、上述の標識柱1と同一の構成又は同様の機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成について説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る標識柱2の正面図であり、
図3は、標識柱2の構成要素を分解して示す分解図である。なお、
図4において、基部10は断面によって示されている。
【0038】
図3,4に示されるように、標識柱2は、基部10と、柱部25と、認識部31とを有している。柱部25は、上述の標識柱1の柱部20に認識部31を支持するための孔である支持孔26が形成されている点で、柱部20とは異なる。支持孔26は、上端21から下側に向かって延びている。
【0039】
認識部31は、例えば、情報を認識させるようになっている。認識部31は、具体的には例えば、
図3,4に示されるように、支持部32と、情報表示部33とを有している。情報表示部33は、文字や物等の情報を認識させるものが形成されている。情報表示部33には、例えば、文字や物を表す絵や画像が描かれている。情報表示部33は、例えば、布や紙等で作られている。なお、情報表示部33は、布又は紙で作られたものに限定されない。支持部32は、柱部25の支持孔26内に収容されて、柱部25に支持されるようになっており、また、柱部20の上端21から突出して、情報表示部33を支持するようになっている。支持部32は、例えば、
図3,4に示されるように、棒状の部材である。支持部32は、柱部25によって支持されて、情報表示部33を支持することができるようにする材料から作られている。
【0040】
標識柱2は、上述のような構成を有しており、基部10に柱部25が支持されて、基部10から上方に柱部25が延びている。また、柱部25の支持孔26に認識部31の支持部32が収容されて、認識部31が柱部25に支持されて、認識部31の情報表示部33が、柱部25の上方に支持されている。
【0041】
上述のように、標識柱2は、柱部25の上方に延びる認識部31を有しており、人が故意に柱部25等の標識柱2の部分に衝撃を与える行為を抑止することができる。認識部31は、柱部25の上端21から上方に延びており、人が柱部25に座りにくくなっている。このため、標識柱2は、特に、人が柱部25に座ることによって、故意に標識柱2に損傷が与えられることを抑制することができる。また、上述の標識柱1と同様に、認識部31の情報表示部33から認識される情報は、人が故意に標識柱2の部分に衝撃を与える行為を抑止することができる。このように、標識柱2は、人が標識柱2に座ったり、標識柱2に衝撃を与えたりして、故意に標識柱2に損傷が与えられることを抑制することができる。
【0042】
上述のように、本発明の第2実施形態に係る標識柱2によれば、故意に基づく損傷を防止することができる。
【0043】
以上、上記実施形態を通じて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に様々な変更又は改良を加えることができることが当業者には明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0044】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、上述の実施形態は、本発明が利用される利用対象を限定するものではなく、本発明はあらゆるものをその利用対象として含み得る。上記実施形態が備える各構成要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。例えば、本発明は、製造上の公差等の実施において発生する差を含むものである。また、技術的に矛盾しない範囲において、異なる実施形態で示した構成要素同士を部分的に置換し又は組み合わせることができる。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0045】
1,2 標識柱、10 基部、11 底面、12 支持部、13 凹部、13a 側面、13b 底面、14 錘、20,25 柱部、20a 下端部、20b 上端部、21 上端、22 下端、23 側面、26 支持孔、30,31 認識部、32 支持部、33 情報表示部