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特開2024-177058通知システム、通知装置、通知方法および撮像システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177058
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】通知システム、通知装置、通知方法および撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20241212BHJP
   B60R 1/27 20220101ALI20241212BHJP
   G07C 5/08 20060101ALI20241212BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20241212BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20241212BHJP
   G08B 13/00 20060101ALI20241212BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 J
B60R1/27
G07C5/08
G08B25/00 510M
G08B21/00 E
G08B13/00 B
G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024032641
(22)【出願日】2024-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2023094182
(32)【優先日】2023-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 洋平
(72)【発明者】
【氏名】松本 祐次
【テーマコード(参考)】
3E138
5C054
5C084
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA10
3E138MB08
3E138MC01
3E138MD05
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054FC13
5C054FE28
5C054FF06
5C054GB02
5C054GD05
5C054HA18
5C054HA30
5C084AA04
5C084AA09
5C084CC16
5C084DD11
5C084EE06
5C084GG78
5C084HH05
5C084HH10
5C086AA26
5C086BA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA15
5C086DA33
5C086FA01
5C086FA17
5C087AA09
5C087AA19
5C087AA32
5C087DD05
5C087DD14
5C087EE18
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG17
5C087GG59
5C087GG66
5C087GG70
(57)【要約】
【課題】車両の防犯性を高めることができる通知システム、通知装置、通知方法および撮像システムを提供する。
【解決手段】通知システムは、車両の周囲の少なくとも一部を撮像した画像を出力する少なくとも1つのカメラと、前記車両の周囲の物体を検知する物体検知部と、前記物体検知部により物体が検知されたことを通知する情報である検知通知を、外部装置に出力する通知部と、前記検知通知の出力後に前記外部装置から前記撮像部による撮像にかかる指示を受け付けると、当該指示に従って前記少なくとも1つのカメラによる撮像を実行する制御部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の少なくとも一部を撮像した画像を出力する少なくとも1つのカメラと、
前記車両の周囲の物体を検知する物体検知部と、
前記物体検知部により物体が検知されたことを通知する情報である検知通知を、外部装置に出力する通知部と、
前記検知通知の出力後に前記外部装置から前記少なくとも1つのカメラによる撮像にかかる指示を受け付けると、当該指示に従って前記少なくとも1つのカメラによる撮像を実行する制御部と、
を備える通知システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知通知の出力後に、前記外部装置から、前記車両が備える照明、ホーンおよび表示装置の少なくともいずれかを作動させる警告行動にかかる指示を受け付け、当該指示に従って前記警告行動を実行する
請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記物体検知部と前記制御部とを備える第1装置と、
前記通知部を備える第2装置と、を含み、
前記少なくとも1つのカメラは、取付位置の下方を撮像する下方撮像カメラを含む、
請求項1に記載の通知システム。
【請求項4】
前記第1装置から、前記少なくとも1つのカメラによって撮像された画像を受信する受信部と、
前記画像を記録するメモリと、
前記画像を前記第2装置に出力する出力部と、
を備える第3装置を含む、
請求項3に記載の通知システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのカメラは、前記車両の前方を撮像する前方カメラ、前記車両の後方を撮像する後方カメラ、および前記車両の室内を撮像する室内カメラの少なくとも1つを含む、
請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項6】
車両の周囲で物体が検知されると、当該物体が検知されたことを通知する情報である検知通知を、外部装置に出力する通知部と、
前記外部装置への前記検知通知の出力後、前記車両の周囲の少なくとも一部の撮像の開始にかかる指示を、前記外部装置から受け付ける受付部と、
を備える通知装置。
【請求項7】
車両の周囲の物体を検知する検知工程と、
前記物体が検知されたことを通知する情報である検知通知を、外部装置に出力する通知工程と、
前記検知通知の出力後に、前記外部装置から少なくとも1つのカメラによる撮像にかかる指示を受け付けると、当該指示に従って前記少なくとも1つのカメラによる撮像を開始する撮像開始工程と、
を含む通知方法。
【請求項8】
車両の周囲の少なくとも一部を撮像した画像を出力する少なくとも1つのカメラと、
前記車両の周囲の物体を検知する物体検知部と、
前記物体検知部により物体が検知されたことに応じて、少なくとも1つのカメラによる撮像を指示する撮像指示を出力する指示出力部と、
前記撮像指示に従って前記少なくとも1つのカメラによる撮像を実行する制御部と、
前記少なくとも1つのカメラが出力する画像を出力する画像出力部と、
を備える撮像システム。
【請求項9】
車両の周囲の少なくとも一部を撮像した画像を出力する少なくとも1つのカメラと、
前記車両の周囲の物体を検知する物体検知部と、
前記物体検知部により物体が検知されたことに応じて、前記少なくとも1つのカメラによる撮像を実行する制御部と、
前記少なくとも1つのカメラが出力する画像を出力する出力部と、
を備える撮像システム。
【請求項10】
前記物体検知部と前記制御部とを備える第1装置と、
前記出力部を備える第2装置と、を含み、
前記少なくとも1つのカメラは、取付位置の下方を撮像する下方撮影カメラを含む、
請求項9に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記第2装置は、前記第1装置から、前記少なくとも1つのカメラによって撮像された画像を受信する受信部と、前記画像を記録する記録部と、をさらに備え、
前記出力部は、前記画像を第3装置に出力する、
請求項10に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通知システム、通知装置、通知方法および撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車体に取り付けたカメラ等によって車両の内外を撮像し、記録する技術が知られている(例えば特許文献1)。上述のような従来の技術では、車両の周囲に動く物体が検知されると、検知に伴い、カメラ等による撮像を開始し、さらにはカメラが出力するデータの保存(言い換えると録画)を開始する。
【0003】
しかしながら、従来の技術のように、物体の検知に伴って撮像や録画を行うのであると、車載のバッテリーの負担が大きく、また、データを保存するメモリの容量を消費してしまう。このため、メモリの容量によっては、犯罪を立証する証拠映像が上書きにより消滅してしまったり、証拠映像を撮らなければならないタイミングでバッテリー切れになってしまったりするおそれがある。
【0004】
また、従来の技術では、物体検知の時点で車両のオーナーがそれを知る術は、提供されていない。このため、例えば車両が盗難されたような場合には、証拠映像が記録されたとしても、意味をなさない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-44661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、車両の防犯性を高めることができる通知システム、通知装置、通知方法および撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる通知システムは、車両の周囲の少なくとも一部を撮像した画像を出力する少なくとも1つのカメラと、前記車両の周囲の物体を検知する物体検知部と、前記物体検知部により物体が検知されたことを通知する情報である検知通知を、外部装置に出力する通知部と、前記検知通知の出力後に前記外部装置から前記撮像部による撮像にかかる指示を受け付けると、当該指示に従って前記少なくとも1つのカメラによる撮像を実行する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる通知システム、通知装置、通知方法および撮像システムによれば、車両の防犯性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかる車両の一例を模式的に示した図である。
図2図2は、実施形態にかかる車両の一例を模式的に示した図である。
図3図3は、実施形態にかかる通知システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、制御部が備える機能部の一例を示すブロック図である。
図5図5は、ユーザ端末の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、制御部が備える機能部の一例を示すブロック図である。
図7図7は、周囲モニタの検知範囲の一例を示す図である。
図8図8は、駐車した車両の後方および左側方に壁がある場合の検知範囲の一例を示す図である。
図9図9は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図10図10は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12図12は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図13図13は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図14図14は、実施形態にかかる通知システムの構成の一例を示すブロック図である。
図15図15は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図16図16は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(車両の構成例)
図1および図2は、実施形態にかかる車両1の一例を模式的に示した図であって、図1は右側面図、図2は平面図である。本実施形態の車両1は、車体10、フロントガラス11、リアガラス12、左右一対のサイドミラー13を備えている。また、車両1には、車外を撮像する前方カメラ271および後方カメラ272や車内を撮像する室内カメラ273が設けられている。ここで、車外とは車両1の外であり、車内とは車両1の中である。さらに、車両1には、車両1の周囲を撮像する前部カメラ371、後部カメラ372、右側部カメラ381および左側部カメラ382が設けられている。なお、上述のカメラ271~273,371,372,381,382は、車両の周囲の少なくとも一部を撮像した画像を出力する撮像部の一例である。また、上述のカメラ271~273,371,372,381,382は、車両の周囲の少なくとも一部を撮像した画像を出力する少なくとも1つのカメラの一例である。
ここで、車両の周囲の少なくとも一部とは、車両周囲に設定された検知対象領域(あるいは監視対象領域)の一部の意味であり、カメラ全体では、検知対象領域(あるいは監視対象領域)の全体を撮像した画像が取得可能とされている。
【0012】
前方カメラ271は、車両1の内側(言い換えると室内)かつフロントガラス11の上部に配置され、フロントガラス11の外側つまり車両1の前方を撮像する。後方カメラ272は、室内かつリアガラス12の下部に配置され、リアガラス12の外側つまり車両1の後方を撮像する。室内カメラ273は、室内の天井かつフロントガラス11の近傍に配置され、室内を撮像する。
【0013】
車両1の周囲を撮像するためのカメラ371,372,381,382は、広角カメラであって、取付位置の下方を広角で撮像する。言い換えると、カメラ371,372,381,382は、取付位置の下方を撮像する下方撮像カメラである。前部カメラ371は、車体10の前部に配置されている。後部カメラ372は、車体10の後部に配置されている。右側部カメラ381は、右のサイドミラー13に配置されている。左側部カメラ382は、左のサイドミラー13に配置されている。
この場合において、より好ましくは、前部カメラ371の撮像領域は、右側部カメラ381の撮像領域及び左側部カメラ382の撮像領域と一部重複しており、後部カメラ372の撮像領域は、右側部カメラ381の撮像領域及び左側部カメラ382の撮像領域と一部重複している。この結果、死角が生じることなく、車両1の全周囲にわたって、撮像することが可能となる。
【0014】
(通知システムの構成例)
図3は、通知システムの構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の通知システムは、ドライブレコーダユニット2、周囲モニタ3および通信ユニット4を備える。通信ユニット4は、通知装置の一例である。また、車両1は、電子ミラー15や表示デバイス16をさらに備えている。ドライブレコーダユニット2、周囲モニタ3、および通信ユニット4のそれぞれは、第1装置、第2装置、および第3装置のいずれかの一例である。
【0015】
ドライブレコーダユニット2は、MCU(Micro Controller Unit)21、画像処理ユニット22、CANドライバ23、I/F(interface)241,261~263、デシリアライザ251~253、メモリ29等を備える。周囲モニタ3は、ECU(Electronic Control Unit)31等を備える。通信ユニット4は、ECU41等を備える。
【0016】
MCU21は、ドライブレコーダユニット2の各部を統括的に制御する。ECU31は、周囲モニタ3の各部を統括的に制御する。ECU41は、通信ユニット4の各部を統括的に制御する。また、MCU21およびECU31,41は、メモリに組み込まれたソフトウェアプログラムを実行することにより、制御部20,30,40として各種機能部(図4参照、後述)を実現する。
【0017】
画像処理ユニット22は、例えばSOC(System on a Chip)で構成され、カメラ271~273が撮像した映像或いは画像の画像処理を行う。また、画像処理ユニット22は、デシリアライザ251~253から受信した映像信号を、I/F241を介して通信ユニット4に転送する。当該転送にかかるデータ通信には、例えばイーサネット(Ethernet)(登録商標)で行われる。以下、映像或いは画像を区別せずに「映像」あるいは「画像」と呼ぶことがある。
【0018】
CANドライバ23は、MCU21と他の装置とのCAN(Controller Area Network)プロトコルによるシリアル通信を仲介する。CANドライバ23と周囲モニタ3、また周囲モニタ3と通信ユニット4、そしてCANドライバ23と電子ミラー15および表示デバイス16は、それぞれ有線で接続されている。
【0019】
I/F241やI/F261~263は、通信ユニット4やカメラ271~273とデシリアライザ251~253とを接続し、通信ユニット4やカメラ271~273と画像処理ユニット22との通信を仲介する。
【0020】
デシリアライザ251~253は、画像処理ユニット22から制御信号を受信すると、カメラ271~273から送信されてくる映像を受信する。このとき、デシリアライザ251~253は、シリアル化された映像信号として送信されてくる映像をパラレルデータに変換する。デシリアライザ251~253は、パラレル化した映像を映像信号として画像処理ユニット22に送信する。デシリアライザ251~253は、受信部の一例である。
【0021】
ドライブレコーダユニット2は、例えば車両1のコンソールボックス内等に収納されている。ドライブレコーダユニット2は、前方カメラ271、後方カメラ272および室内カメラ273が撮像した映像或いは画像を、メモリ29に記憶(言い換えると保存)させることにより記録(言い換えると録画)する。メモリ29は、例えばマイクロSDやeMMC(embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。ドライブレコーダユニット2は、後述する周囲モニタ3から受信した、後述する前部カメラ371、後部カメラ372、右側部カメラ381,左側部カメラ382が撮像した映像或いは画像を、メモリ29に記憶させることにより記録してもよい。
【0022】
周囲モニタ3は、例えば車両1のコンソールボックス内等に収納されている。周囲モニタ3は、前部カメラ371、後部カメラ372、右側部カメラ381および左側部カメラ382が撮像した映像或いは画像を出力する。また、周囲モニタ3は、前部カメラ371、後部カメラ372、右側部カメラ381,左側部カメラ382の映像を合成して、車両1とその周囲を俯瞰した状態の映像等を出力する。
【0023】
通信ユニット4は、外部装置(例えばユーザ端末5)との、LTE通信網や無線LAN(Local Area Network)等を使ったデータ通信を可能とする。
【0024】
電子ミラー15は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置により構成される。電子ミラー15は、後方カメラ272が撮像した車両1の後方の映像を映し出すことにより車両の後方を確認するミラーの役割を果たす。
【0025】
表示デバイス16は、例えばインストルメントパネル等にはめ込まれたパネル型の液晶ディスプレイ等の表示装置である。表示デバイス16は、周囲モニタ3やドライブレコーダユニット2によって処理された映像等を表示する。
【0026】
電子ミラー15や表示デバイス16は、ドライブレコーダユニット2(または後方カメラ272)や周囲モニタ3から送信されてくる映像を受信し、表示する。
【0027】
図4は、制御部20,30,40が備える機能部の一例を示すブロック図である。周囲モニタ3の制御部30は、物体検知部301、通知出力部302、指示受付部303、撮像制御部304、データ出力部305等を備える。ドライブレコーダユニット2の制御部20は、指示受付部203、撮像制御部204、データ出力部205等を備える。通信ユニット4の制御部40は、通知転送部402、指示転送部403、データ転送部405等を備える。
【0028】
物体検知部301は、車両1の周囲の1以上の検知範囲内で動く物体を検知する。言い換えると、物体検知部301は車両の周囲の物体を検知する検知工程を実行する。物体検知部301は、カメラ371,372,381,382が出力した映像に、動く物体が映り込んでいる場合、当該物体を検知した旨を示す信号を出力する。この物体を検知した旨を示す信号を検知信号と呼ぶことがある。
【0029】
通知出力部302は、物体検知部301により物体が検知されたことを通知する情報である検知通知を、外部装置(例えばユーザ端末5)に出力する通知部の一例である。言い換えると、通知部は物体検知部301により物体が検知されたことを通知する情報である検知通知を、外部装置(例えばユーザ端末5)に出力する通知工程を実行する。通知出力部302は、物体検知部301が検知信号を出力した場合に、その旨を示す検知通知を通信ユニット4に通知する。本実施形態において、通知出力部302は、通知転送部402とともに、通知部を構成する。通知出力部302は、物体検知部301により物体が検知されたことに応じて、少なくとも1つのカメラによる撮像を指示する撮像指示をドライブレコーダユニット2に出力してもよい。通知出力部302は、指示出力部の一例である。
【0030】
指示受付部303は、通信ユニット4が転送してきた指示を受信した場合に、当該指示を受け付け、当該指示に沿った処理を行う。処理としては、例えば、ドライブレコーダユニット2への指示の転送や、撮像制御部304への指示の伝達、カメラ371,372,381,382に対する駐車時に稼働させるか否かの設定の保存等である。
【0031】
撮像制御部304は、カメラ371,372,381,382に対し、撮像開始や撮像終了を指示する等の制御を行う。
【0032】
データ出力部305は、カメラ371,372,381,382による撮像映像のデータを、通信ユニット4に出力する。
【0033】
指示受付部203は、指示受付部303を介して通信ユニット4が転送してきた指示を受信した場合に、当該指示を受け付け、当該指示に沿った処理を行う。処理としては、例えば、撮像制御部204への指示の伝達や、カメラ271~273に対する駐車時に稼働させるか否かの設定の保存等である。
【0034】
撮像制御部204は、カメラ271~273に対し、撮像開始や撮像終了を指示する等の制御を行う。
【0035】
データ出力部205は、カメラ271~273による撮像映像のデータを、通信ユニット4に出力する。データ出力部205は、出力部の一例である。また、データ出力部205は、画像出力部の一例である。
【0036】
通知転送部402は、物体検知部301により物体が検知されたことを通知する情報である検知通知を、外部装置(例えばユーザ端末5)に出力する通知部の一例である。通知転送部402は、周囲モニタ3から受信した検知通知を、所定の外部装置(例えばユーザ端末5)に転送する。
【0037】
指示転送部403は、通知出力部302および通知転送部402(言い換えると通知部)による外部装置(例えばユーザ端末5)への通知の出力後、車両1の周囲の少なくとも一部の撮像の開始にかかる指示を、外部装置から受け付ける受付部の一例である。車両1の周囲の少なくとも一部の撮像の開始にかかる指示とは、言い換えると、少なくとも1つのカメラによる撮像の開始を行わせるための指示である。指示転送部403は、外部装置(例えばユーザ端末5)から受信した指示を、周囲モニタ3に転送する。
【0038】
データ転送部405は、周囲モニタ3やドライブレコーダユニット2から受信したデータを、所定の外部装置(例えばユーザ端末5)に転送する。
【0039】
本第1実施形態において、指示転送部403、指示受付部303,203、撮像制御部304,204、データ出力部305,205およびデータ転送部405は、協働することにより、下記工程を実行する制御部として機能する。すなわち、指示転送部403、指示受付部303,203、撮像制御部304,204、データ出力部305,205およびデータ転送部405は、物体検知部301により物体が検知されても撮像部(カメラ271~273、371,372,381,382の少なくとも一部)による撮像を即時に開始するのではなく、通知部(通知出力部302および通知転送部402の少なくとも一方)による検知通知の出力後に外部装置(ユーザ端末5)から撮像部による撮像にかかる指示を受け付けると、当該指示に従って撮像部による撮像を開始する工程を、実行する。言い換えると、指示転送部403、指示受付部303,203、撮像制御部304,204、データ出力部305,205およびデータ転送部405は、協働することにより、外部装置から少なくとも1つのカメラによる撮像にかかる指示を受け付けると、当該指示に従って少なくとも1つのカメラによる撮像を開始する撮像開始工程を、実行する。指示転送部403、指示受付部303,203、撮像制御部304,204、データ出力部305,205およびデータ転送部405のすべてが協働するのではなく、少なくとも2つ以上が協働することにより制御部として機能してもよい。
【0040】
図5は、ユーザ端末5の構成の一例を示すブロック図である。ユーザ端末5は、例えば、スマートフォンやタブレット型の端末装置である。ユーザ端末5を所持するユーザは、本実施形態の通知システムのユーザであり、例えば車両1のオーナー(言い換えると持ち主)である。
【0041】
ユーザ端末5は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、通信部54、表示部55、操作部56、記憶部59等を備える。
【0042】
CPU51は、プロセッサの一例であり、ユーザ端末5の各部を統括的に制御する。ROM52は、各種プログラムを記憶する。RAM53は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。CPU51、ROM52、およびRAM53は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部50を構成する。
【0043】
通信部54は、制御部50と外部装置(例えば通信ユニット4)とを通信可能に接続する通信インタフェースである。
【0044】
表示部55は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を有し、CPU51の制御の下、各種の情報を表示する。操作部56は、表示部55の表面に重ねて設けられるタッチパネル等の入力デバイスを有し、入力デバイスを介して入力される操作内容をCPU51に出力する。
【0045】
さらにユーザ端末5は、スピーカーやブザー等の音声出力部を備えて、CPU51の制御の下、音声を出力するのであってもよい。
【0046】
記憶部59は、SSD(Solid State Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部59は、CPU51が実行可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。また、記憶部59が記憶するプログラムには、本実施形態の通知システムに対応した専用アプリ(アプリケーションプログラムの略)を実現するプログラム591も含まれる。
【0047】
制御部50は、CPU51が、ROM52や記憶部59に記憶されRAM53に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。またこれにより、制御部50は、各種機能部(図6参照、後述)を実現する。
【0048】
図6は、制御部50が備える機能部の一例を示すブロック図である。ユーザ端末5の制御部50は、通信制御部501、表示制御部502、入力受付部503、指示出力部504等を備える。
【0049】
通信制御部501は、ユーザ端末5と外部装置(例えば通信ユニット4)との、通信部54を介した通信を制御する。表示制御部502は、表示部55の表示内容を制御する。
【0050】
入力受付部503は、上述の入力デバイスを介して入力された操作内容を受け付ける。操作内容は、例えば、通知システム(より具体的には周囲モニタ3やドライブレコーダユニット2)に対する指示である。指示出力部504は、通信ユニット4に対して、上述の指示を出力する。
【0051】
図7は、周囲モニタ3の検知範囲の一例を示す図である。周囲モニタ3の検知範囲A,B,CおよびDは、それぞれ、前部カメラ371、後部カメラ372、右側部カメラ381および左側部カメラ382により撮像される範囲に対応している。
【0052】
ここで、通知転送部402による通知を実行する条件は、事前に設定されている。設定にはデフォルト値があり、当該デフォルト値は適宜変更可能であってもよい。設定の変更は、外部装置(例えばユーザ端末5)を介して受け付け可能である。また、設定は、例えば通信ユニット4に記憶されている。なお、周囲モニタ3やドライブレコーダユニット2、或いはユーザ端末5に上記設定が記憶されても構わない。
【0053】
通知転送部402による通知を実行する条件には、例えば下記がある。
条件1: 1回の通知を実行するまでの、周囲モニタ3による物体検知の回数
条件2: 周囲モニタ3による物体検知や通知を行う時間帯
【0054】
条件1については、例えば、車両1の駐車場所が比較的人通りの多い場所である場合に活用すると好適である。上述のような場合には、物体の検知回数が多くなることが予想される。このため、検知の都度の通知であると、通知の頻度が高くなりすぎる懸念がある。そのような場合には、1回の通知を実行するまでの、周囲モニタ3による物体検知の回数を例えば10回と設定する。これにより、物体を10回検知したら通知すると制御することができる。
【0055】
なお、上述のような場合と異なり、例えば、人通りが普通程度以下の場所が駐車場所である場合には、1回の通知を実行するまでの、周囲モニタ3による物体検知の回数を小さい値(例えば1回)に設定すると好適である。
【0056】
条件2については、例えば、昼間はオーナーが在宅なので夜間のみ通知を行う、或いは、自宅の車庫に駐車中は物体検知および通知は不要で、外出時など自宅外の駐車場を利用時だけ物体検知および通知を行う、等のための利用が挙げられる。
また、時間帯によって1回の通知を実行するまでの、周囲モニタ3による物体検知の回数を設定するようにすることも可能である。
【0057】
また、上述の条件1,2に併せて、下記も事前に設定可能である。
条件3: 周囲モニタ3による物体検知の対象とする検知範囲の選択指定
条件4: ユーザ端末5の指示により稼働させる撮像部(カメラ271~273、371,372,381,382)の選択指定
【0058】
ここで、図8は、駐車した車両1の後方および左側方に壁6がある場合の検知範囲の一例を示す図である。例えば図8に示すような駐車場所に車両1が駐車の場合、車両1の後方および左側方は壁6で防御されるので、検知範囲B,Dの物体検知は不要である。そこでこのような場合には、検知範囲A,Cのみを、物体検知を行う対象として選択することができる。つまりこのような場合には、前部カメラ371および右側部カメラ381(或いは前方カメラ271)を、稼働させる撮像部として選択する。
【0059】
また、上述の条件1~4に併せて、下記も事前に設定可能である。
条件5: 指定の撮像部が出力する画像の、撮像開始に伴う録画の要否
但し、上記条件5のデフォルト値は「否」であってもよい。すなわち、撮像開始時には、撮像部が出力する画像データのメモリ29への保存は、開始しない。
【0060】
なお、条件1,2と同様に、条件3~5についてもデフォルト値があり、当該値は適宜変更可能であってもよい。設定の変更は、外部装置(例えばユーザ端末5)を介して受け付け可能である。また、設定は、例えば通信ユニット4に記憶されている。なお、周囲モニタ3やドライブレコーダユニット2、或いはユーザ端末5に上記設定が記憶されても構わない。
【0061】
このような構成において、本実施形態の通知システムは、次に例示する流れで処理を行う。図9は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0062】
まず、車両1がエンジンをオフにすると(ステップS1)、車両1の各部への電力供給は概ね停止されるが、周囲モニタ3は、車両1が備えるバッテリーからの電力供給を受けて稼働し、制御部30(具体的には物体検知部301)が物体検知を行う(ステップS2)。
【0063】
指定の検知範囲に、物体の動きが検知されると、制御部30は、物体を検知した旨を示す情報である検知通知を、通信ユニット4に出力する(ステップS3)。ここでの情報の伝達について補足すると、周囲モニタ3から通信ユニット4への通知出力は、CAN経由(つまり有線通信)で行われる。
【0064】
通信ユニット4の制御部40は、検知通知を受信すると、当該通知をユーザ端末5に転送する(ステップS4)。ここでの情報の伝達について補足すると、通信ユニット4からユーザ端末5への通知送信は、例えばLTE回線経由(つまり無線データ通信)で行われる。本実施形態の通知システムは、上述の通知によりユーザに対して車両1の盗難等を警告し、防犯のための指示を仰ぐ。
【0065】
ユーザ端末5の制御部50は、通知を受信すると、通知の内容を表示するバナーを、表示部55に表示させる。その際、制御部50は、ユーザ端末5が備えるスピーカー等を稼働させて通知音を発する等してもよい。また、制御部50は、ユーザ端末5が画面ロック状態であれば、ロック画面に窓状のポップアップ表示を行うことで通知を行ってもよい。
【0066】
ユーザ端末5は、通知の表示に対するユーザの操作を受けて、専用アプリを起動させる(ステップS5)。専用アプリを実行する制御部50は、表示部55に、通知内容の詳細や、ユーザからの各種指示を受け付けるための操作子を含む画面を表示させる。操作子としては、例えば、撮像部による撮像の開始や録画を指示する操作子、稼働させるカメラの選択を行う操作子などが挙げられる。
【0067】
操作部56が操作子への操作を受け付けると、制御部50は、受け付けた指示を、通信ユニット4へ送信する(ステップS6)。
【0068】
通信ユニット4は、ユーザ端末5から指示を受信すると、当該指示をドライブレコーダユニット2へ転送する(ステップS7)。
【0069】
ドライブレコーダユニット2は、上述の指示を受信すると、カメラ271~273の少なくとも一部による撮像を開始する(ステップS8)。稼働させるカメラは、予め定められた設定に従う。なお、デフォルト設定では、このタイミングでの録画は行わない。
【0070】
ドライブレコーダユニット2は、指定のカメラが出力した映像データを、通信ユニット4に出力する(ステップS9)。ここで出力される映像データは、好ましくは、録画でなく、リアルタイム映像である。
【0071】
通信ユニット4は、ドライブレコーダユニット2から映像データが入力されると、当該映像データをユーザ端末5に転送する(ステップS10)。
【0072】
ユーザ端末5は、通信ユニット4から映像データを受信すると、専用アプリにより、当該映像データの再生を行う。再生に伴い、専用アプリは、映像データの保存の実行を指示する操作を受け付けるための操作子を含む画面を、表示部55に表示させ、操作部56により、上記操作子への操作を受け付ける。上記操作子が操作を受けると、ユーザ端末5は、上記指示を通信ユニット4に送信する。上記指示を受信した通信ユニット4は、当該指示をドライブレコーダユニット2に転送する。上記指示を受信したドライブレコーダユニット2は、指定の撮像部が出力する映像データを、メモリ29に保存する。
【0073】
なお、上述の物体検知~通知(ステップS2~S4)は、条件1~4の定めに従い、行われる。また、指定のカメラが出力した映像データを保存(言い換えると録画)するか(ステップS8)についても、予め定められた設定に従う。
【0074】
このような実施形態によれば、通知システムは、ユーザ端末5を介して、車両1のオーナーに対して通知を行うことにより、車両1に危害が加えられる可能性を警告することができる。また、通知システムは、物体を検知すると即録画を行うことによるメモリ29の容量やバッテリー残量の消費を、回避することができる。これにより、メモリ29に保存された証拠画像が、ユーザに望まれない録画による上書きで消滅することを回避することができる。また、通知システムは、通知を受けたユーザから指示を受け付け、ユーザが必要と判断した場合に、撮像部が出力する画像データの保存を行うことができる。これにより、メモリ29に、適切な証拠画像を残すことができる。このように、本実施形態によれば、車両1の防犯性を高めることができる。
【0075】
さらに、本実施形態の通知システムでは、物体検知に周囲モニタ3用のカメラ371,372,381,382を利用したことにより、車両1に近づく人物を検知しやすくするとともに、別途の装置の追加を不要とすることができる。
【0076】
また、本実施形態の通知システムでは、ユーザ端末5に物体検知を通知した後の撮像および録画には、ドライブレコーダユニット2用のカメラ271~273を利用したことにより、車両1に近づいた人物の顔を、撮像および録画しやすくすることができる。
【0077】
なお、本実施形態では、ドライブレコーダユニット2と周囲モニタ3と通信ユニット4とを、別の装置として例示した。しかしながら、実施にあたってはこの例に限らず、例えば、ドライブレコーダユニット2と周囲モニタ3と通信ユニット4とのうちの2つ以上が同じ装置に含まれていても構わない。その場合、本実施形態で示した各種機能部を、共通のECUが実現するよう構成されて構わない。
【0078】
さらに、ユーザが、ユーザ端末5が表示する通知に気付かなかった(或いは気付くのが遅れた)場合について説明する。通知システムが通知を出力してから所定時間経過してもユーザ端末5から通知に対する反応が返ってこなかった場合、通知システムは、予め定められた設定に従い、例えば下記(1)~(3)のように動作する。
【0079】
通知出力から所定時間経過して指示未着の場合、通知システムは、
(1)スリープ状態になる
または、
(2)条件5の設定値が「否」であっても、条件3,4に合致する撮像部が出力する画像データを、メモリ29に保存する
或いは、
(3)再度の通知を行う。
【0080】
上記(1)~(3)に例示する動作の設定は、条件1~5と同じく、デフォルトの値があり、値の変更をユーザ端末5等から受け付ける。
【0081】
また、本実施形態では、物体検知部は、周囲モニタ3の制御部30により実現され、カメラ371,372,381,382の出力に基づく物体検知を行っているが、実施にあたってはこれに限らない。例えば、物体検知部は、カメラに代えてソナーを用いた物体検知を行うものであってもよい。
【0082】
また、本第1実施形態では、条件1他による通知の制限は、ユーザ端末5で行うよりも、車両1側(例えば通信ユニット4)で行う方が、車両1が備えるバッテリーの消費を抑えるために有効である。通知頻度をユーザ端末5の専用アプリで制限することも可能であるが、通知システムによる通知の実行回数を減らす方が、通信を控えることによる省電力もでき、好適である。
【0083】
さらに、実施にあたっては、ユーザ端末5に操作子を表示させる等により、周囲モニタ3による検知を終了するための操作をユーザから受け付け可能に構成してもよい。また、この操作を受け付ける操作子を、所定時間中の通知回数が閾値を超えた場合にユーザ端末5に表示させるよう、専用アプリを構成してもよい。
【0084】
次に、実施形態の変形例について説明する。
【0085】
第2実施形態について、図10を参照しながら説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例であるので、第1実施形態と同じ箇所についての説明を省略し、同一の符号を用いる。
【0086】
図10は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。ステップS1~S6およびS10は、第1実施形態と同じである。
【0087】
通信ユニット4は、ステップS6でユーザ端末5から指示を受信すると、当該指示を、周囲モニタ3へ転送する(ステップS72)。
【0088】
周囲モニタ3は、上述の指示を受信すると、カメラ371,372,381,382の少なくとも一部による撮像を開始する(ステップS82)。稼働させるカメラは、予め定められた設定に従う。なお、デフォルト設定では、このタイミングでの録画は行わない。
【0089】
周囲モニタ3は、指定のカメラが出力した映像データを、通信ユニット4に出力する(ステップS92)。以降の処理は、第1実施形態と同じである。
【0090】
本実施形態によれば、第1実施形態と略同様の効果を得ることができる。
【0091】
また、本第2実施形態によれば、物体検知にだけではなく、ユーザ端末5に物体検知を通知した後の撮像にも、周囲モニタ3用のカメラ371,372,381,382を利用している。このような構成によれば、通知後の撮像のためにカメラ271~273を別途起動する必要がない。したがって、カメラ371,372,381,382の出力に基づいた通知の後に、別のカメラ271~273を起動する場合に比べて、バッテリー残量の消費を抑えることができる。これにより、第1実施形態に比べて長い時間の稼働が可能になると期待できる。
【0092】
次に第3実施形態について、図11を参照しながら説明する。第3実施形態は、第1実施形態の変形例であるので、第1実施形態と同じ箇所についての説明を省略し、同一の符号を用いる。
【0093】
図11は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。ステップS1~S5は、第1実施形態と同じである。
【0094】
ステップS5において、ユーザ端末5は、通知の表示に対するユーザの操作を受けて、専用アプリを起動させる。専用アプリを実行する制御部50は、表示部55に、通知内容の詳細や、ユーザからの各種指示を受け付けるための操作子を含む画面を、表示させる。ここで本実施形態では、警告の実行を指示する操作子を、表示部55に表示させる。
【0095】
操作部56が上記操作子への操作を受け付けると、制御部50は、警告指示を、通信ユニット4へ送信する(ステップS63)。
【0096】
通信ユニット4は、ユーザ端末5から警告指示を受信すると、当該警告指示を車両1へ転送する(ステップS73)。
【0097】
車両1は、警告指示を受信すると、警告行動を実行する(ステップS83)。警告行動は、物体検知部301に検知されたであろう車両1に近づく人物が車両1に危害を加える意図を有する想定で、防犯目的での威嚇を目指すものであって、例えば下記のようなものが挙げられる。
(例1)車両1が備える前照灯や室内灯等の灯火器を点灯させる
(例2)車両1が備えるホーン(警笛)を作動させる
(例3)電子ミラー15や表示デバイス16の画面をオンにする
【0098】
なお、上述の警告行動の実行にあたり、車両1は、前照灯および室内灯やホーン、電子ミラー15や表示デバイス16の稼働を含む車両1の挙動を統括的に制御する制御部を備え、当該制御部は、通知システムから上述の警告指示を受ける。なお、上記(例3)の警告行動の実行は、例えばドライブレコーダユニット2のMCU21を介して行うことも可能である。
【0099】
以上のように、本第3実施形態において、制御部は、通知部による通知の出力後に、外部装置(ユーザ端末5)から、車両1が備える照明、ホーンおよび表示装置の少なくともいずれかを作動させる警告行動にかかる指示を受け付け、当該指示に従って警告行動を実行する。このような通知システムによれば、防犯性を高めることができる。
【0100】
次に第4実施形態について、図12を参照しながら説明する。第4実施形態は、第1実施形態の変形例であるので、第1実施形態と同じ箇所についての説明を省略し、同一の符号を用いる。
【0101】
図12は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本実施形態では、第1実施形態で行っていたステップS6およびS7を省略し、ステップS3における通知の出力とともに、ユーザ端末5に、撮像部(カメラ271~273の少なくともいずれか)が出力する画像が、転送される。
【0102】
すなわち、周囲モニタ3は、ステップS3において通知を出力するとともに、ドライブレコーダユニット2に対し、撮像の指示を送信する(ステップS74)。言い換えると、周囲モニタ3の通知出力部302は、物体検知部301により物体が検知されたことに応じて、少なくとも1つのカメラによる撮像を指示する撮像指示をドライブレコーダユニット2に出力する。以降の処理は第1実施形態と同じである。
【0103】
次に第5実施形態について、図13を参照しながら説明する。第5実施形態は、第2実施形態の変形例であるので、第2実施形態と同じ箇所についての説明を省略し、同一の符号を用いる。
【0104】
図13は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
本第5実施形態では、第2実施形態で行っていたステップS6およびS72を省略して、周囲モニタ3はステップS3における通知の出力とともに、撮像部(カメラ371,372,381,382の少なくともいずれか)による撮像を開始する(ステップS82)。言い換えると、周囲モニタ3の制御部30は、物体検知部301により物体が検知されたことに応じて、少なくとも1つのカメラによる撮像を実行する。そして、周囲モニタ3は、指定のカメラが出力した映像データを、通信ユニット4に出力する(ステップS92)。ここで出力される映像データは、リアルタイム映像である。以降の処理は第2実施形態と同じである。本第5実施形態において、出力された映像データをリアルタイムにユーザ端末5で表示してもよい(ステップS11)。
【0105】
第4実施形態および第5実施形態によれば、ユーザは、より早いタイミングで、車両1の状況を目視することができる。
第4実施形態および第5実施形態においては、ステップS3~S5を省略してもよい。言い換えると、第4実施形態および第5実施形態にかかる通知システムは、撮像システムであってもよい。
【0106】
次に第6実施形態について、図14および図15を参照しながら説明する。第6実施形態は、第1実施形態の変形例であるので、第1実施形態と同じ箇所についての説明を省略し、同一の符号を用いる。
【0107】
図14は、第6実施形態にかかる通知システムの構成の一例を示すブロック図である。ドライブレコーダユニット200は、I/F(interface)291、デシリアライザ281をさらに備える点で第1実施形態のドライブレコーダユニット2と異なる。
【0108】
I/F291は、周囲モニタ3とデシリアライザ281とを接続し、周囲モニタ3と画像処理ユニット22との通信を仲介する。
デシリアライザ281は、画像処理ユニット22から制御信号を受信すると、周囲モニタ3から送信されてくる映像を受信する。このとき、デシリアライザ281は、シリアル化された映像信号として送信されてくる映像をパラレルデータに変換する。さらにデシリアライザ281は、パラレルデータとなった映像を映像信号として画像処理ユニット22に送信する。デシリアライザ281は、受信部の一例である。
【0109】
このような構成において、本第6実施形態の通知システムは、次に例示する流れで処理を行う。図15は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。ステップS1~S6は、第1実施形態と同じである。
【0110】
通信ユニット4は、ステップS6でユーザ端末5から指示を受信すると、当該指示を、周囲モニタ3へ転送する(ステップS75)。また、通信ユニット4は、当該指示をドライブレコーダユニット2へ転送する(ステップS76)。
【0111】
周囲モニタ3は、上述の指示を受信すると、カメラ371,372,381,382の少なくとも一部による撮像を開始する(ステップS82)。
周囲モニタ3は、指定のカメラが出力した映像データを、ドライブレコーダユニット2に送信する(ステップS93)。
【0112】
ドライブレコーダユニット2は、周囲モニタ3から受信した映像データを記録する(ステップS83)。
ドライブレコーダユニット2は、周囲モニタ3から受信した映像データを通信ユニット4に出力する(ステップS94)。ドライブレコーダユニット2は、周囲モニタ3から受信した映像データの記録が完了した後に、通信ユニット4に出力してもよいし、映像データの記録と通信ユニット4への出力を並行して行ってもよい。以降のステップS10は第1実施形態と同じである。
【0113】
本第6実施形態によれば、第1実施形態と略同様の効果を得ることができる。
また、本第6実施形態によれば、物体検知にだけではなく、ユーザ端末5に物体検知を通知した後の撮像にも、周囲モニタ3用のカメラ371,372,381,382を利用している。これにより、第2実施形態と略同様の効果を得ることができる。
【0114】
また、本第6実施形態によれば、周囲モニタ3用のカメラ371,372,381,382で撮影した映像を、ドライブレコーダユニット2に記録している。周囲モニタ3用のカメラ371,372,381,382はより撮像範囲が広く、死角が少ない。これにより、車両1に近づいた人物等の様子をより撮影しやすい。
本第6実施形態において、周囲モニタ3は、ステップS76でドライブレコーダユニット2に指示を転送した後、ドライブレコーダユニット2が起動したことを通知する起動通知をドライブレコーダユニット2から受信した後に、指定のカメラが出力した映像データをドライブレコーダユニット2に送信してもよい。あるいは、周囲モニタ3は、ステップS76でドライブレコーダユニット2に指示を転送した後、所定の時間が経過した後に、指定のカメラが出力した映像データをドライブレコーダユニット2に送信してもよい。
【0115】
次に第7実施形態について、図16を参照しながら説明する。第7実施形態は、第6実施形態の変形例であるので、第6実施形態と同じ箇所についての説明を省略し、同一の符号を用いる。
本第7実施形態の通知システムは、次に例示する流れで処理を行う。図16は、通知システムが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。ステップS1~S5は、第1実施形態と同じである。
【0116】
周囲モニタ3は、ステップS3において検知通知を出力するとともに、ドライブレコーダユニット2に対し、映像出力の指示を送信する(ステップS77)。
周囲モニタ3は、撮像部(カメラ371,372,381,382の少なくともいずれか)による撮像を開始する(ステップS82)。言い換えると、周囲モニタ3の制御部30は、物体検知部301により物体が検知されたことに応じて、少なくとも1つのカメラによる撮像を実行する。以降は第6実施形態と同じである。
【0117】
本第7実施形態によれば、第6実施形態と略同様の効果を得ることができる。また、第7実施形態によれば、ユーザは、より早いタイミングで車両1の状況を目視することができる。
第7実施形態においては、ステップS3~S5を省略してもよい。言い換えると、第7実施形態にかかる通知システムは、撮像システムであってもよい。
【0118】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態およびその変形例は、発明の範囲および要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。複数の実施形態を組み合わせて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 …車両、
10 …車体、11…フロントガラス、12…リアガラス、13…サイドミラー、
15 …電子ミラー、16…表示デバイス、
2 …ドライブレコーダユニット、
20 …制御部、
203…指示受付部、204…撮像制御部、205…データ出力部、
21 …MCU、22…画像処理ユニット、23…CANドライバ、
241…I/F、251~253…デシリアライザ、261~263…I/F、
271…前方カメラ、272…後方カメラ、273…室内カメラ、
281…デシリアライザ、
29 …メモリ、
291…I/F、
3 …周囲モニタ、
30 …制御部、
301…物体検知部、302…通知出力部、
303…指示受付部、304…撮像制御部、305…データ出力部、
31 …ECU、
371…前部カメラ、372…後部カメラ、
381…右側部カメラ、382…左側部カメラ、
4 …通信ユニット(通知装置の一例)、
40 …制御部、402…通知転送部、403…指示転送部、405…データ転送部、
41 …ECU、
5 …ユーザ端末、
50 …制御部、
501…通信制御部、502…表示制御部、503…入力受付部、504…指示出力部、
51 …CPU、52…ROM、53…RAM、
54 …通信部、55…表示部、56…操作部、
59 …記憶部、591…プログラム、
6 …壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16