(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177061
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】コンテンツ生成装置、コンテンツ生成装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20241212BHJP
H04N 5/91 20060101ALI20241212BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20241212BHJP
H04L 9/32 20060101ALI20241212BHJP
G06F 21/64 20130101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N5/91
H04N5/77 200
H04L9/32 200B
G06F21/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040109
(22)【出願日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】P 2023095412
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】植野 大優
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA04
5C122EA07
5C122HA06
5C122HA13
5C122HA30
5C122HA35
5C122HA90
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】コンテンツの生成時刻の真正性を保証することができるコンテンツ生成装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラ100は、コンテンツの真正性を保証するための真正保証モードを備える。デジタルカメラ100は、真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ画像ファイルを生成する指示を受け付けた場合、外部から受信した時刻情報を用いて時刻合わせ済みの基準時刻に基づく撮影日時を含む画像ファイル600を生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからコンテンツを生成する指示を受け付ける手段と、
前記ユーザから前記コンテンツの真正性を保証するための真正保証モードを有効又は無効に変更する指示を受け付ける手段と、
前記コンテンツを生成する制御を行う制御手段とを備え、
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記コンテンツを生成する指示を受け付けた場合、前記制御手段は、外部から受信した時刻情報を用いて時刻合わせ済みの基準時刻に基づく前記コンテンツの生成時刻を含む前記コンテンツを生成することを特徴とするコンテンツ生成装置。
【請求項2】
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記コンテンツを生成する指示を受け付けた場合、前記制御手段は、前記生成時刻、前記コンテンツに対してハッシュ関数を実行して生成されたハッシュ値、及び秘密鍵を用いて前記ハッシュ値を暗号化して生成されたデジタル署名を含む前記コンテンツを生成することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項3】
人工衛星から信号を受信する受信手段を更に備え、
前記外部から受信した時刻情報は、前記受信手段が前記人工衛星から受信した信号に含まれる時刻情報であることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項4】
前記真正保証モードを有効から無効に変更する指示を受け付けた場合、前記受信手段による前記人工衛星からの信号の受信を停止することを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項5】
前記外部から受信した時刻情報は、前記コンテンツ生成装置に接続された付属部品であってGPS機能を拡張するための付属部品が人工衛星から受信した信号に含まれる時刻情報であることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項6】
前記外部から受信した時刻情報は、前記コンテンツ生成装置に接続された外部機器から受信した時刻情報であり、
前記外部機器から受信した時刻情報は、当該外部機器が人工衛星から受信した信号に含まれる時刻情報であり、
前記外部機器は、前記外部機器が備える制御部によって前記人工衛星から信号を受信する処理を制御することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項7】
前記コンテンツ生成装置は、前記基準時刻をユーザによって変更可能な装置であることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項8】
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付けた場合、ユーザによる前記基準時刻の変更を禁止する制御が行われることを特徴とする請求項7に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、外部から取得した位置情報を含む前記コンテンツを生成し、
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付けた場合、前記位置情報を取得する間隔が、予め設定されていた間隔より短い間隔に変更されることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項10】
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記外部から時刻情報の受信を失敗した場合、前記真正保証モードを無効のまま保持することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項11】
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記外部から時刻情報の受信を失敗し且つユーザが前記基準時刻を変更した場合、前記制御手段は、前記基準時刻が当該ユーザによって変更されたことを示す情報を含む前記コンテンツを生成することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項12】
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記外部から時刻情報の受信を失敗した場合、前記外部から時刻情報の受信を成功するための対策が通知されることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項13】
前記コンテンツ生成装置は、被写体を撮影して画像データを生成し、当該画像データを含む画像ファイルを前記コンテンツとして生成する撮像装置であることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項14】
ユーザからコンテンツを生成する指示を受け付ける工程と、
前記ユーザから前記コンテンツの真正性を保証するための真正保証モードを有効又は無効に変更する指示を受け付ける工程と、
前記コンテンツを生成する制御を行う制御工程とを有し、
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記コンテンツを生成する指示を受け付けた場合、前記制御工程は、外部から受信した時刻情報を用いて時刻合わせ済みの基準時刻に基づく前記コンテンツの生成時刻を含む前記コンテンツを生成することを特徴とするコンテンツ生成装置の制御方法。
【請求項15】
コンテンツ生成装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンテンツ生成装置の制御方法は、
ユーザからコンテンツを生成する指示を受け付ける工程と、
前記ユーザから前記コンテンツの真正性を保証するための真正保証モードを有効又は無効に変更する指示を受け付ける工程と、
前記コンテンツを生成する制御を行う制御工程とを有し、
前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記コンテンツを生成する指示を受け付けた場合、前記制御工程は、外部から受信した時刻情報を用いて時刻合わせ済みの基準時刻に基づく前記コンテンツの生成時刻を含む前記コンテンツを生成することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ生成装置、コンテンツ生成装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介した情報共有が活発に行われ、誰でも様々な情報を不特定多数に公開・発信できるようになっている。また、デジタル画像に対して、様々な加工を行うことができるようになっている。このような状況において、情報が信頼のできない出所から発信されていたり、公開されている情報が不正に改ざんされていたりすることがあり、公開・発信される情報の真正性を保証する技術が求められている。
【0003】
公開・発信される情報の真正性を保証する技術として、例えば、特許文献1の技術が提案されている。特許文献1では、デジタルカメラは、撮影して得られる画像データを含む画像ファイルに、この画像データのオリジナル性を証明するためのデータ、具体的に、画像そのものと画像の撮影日時等の付加情報を含む画像データのハッシュ値を付与する機能を備える。これにより、画像ファイルに付与されているハッシュ値を用いて、この画像ファイルに含まれる画像データが撮影時から変更されているか否かを判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、撮影者は、デジタルカメラの時刻設定を手動で任意の時刻に変更して、画像データの撮影日時を容易に偽装可能である。このように、従来では、デジタルカメラ等のコンテンツ生成装置によって生成されたコンテンツの生成時刻の真正性を保証することができない。
【0006】
本発明は、コンテンツの生成時刻の真正性を保証することができるコンテンツ生成装置、コンテンツ生成装置の制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のコンテンツ生成装置は、ユーザからコンテンツを生成する指示を受け付ける手段と、前記ユーザから前記コンテンツの真正性を保証するための真正保証モードを有効又は無効に変更する指示を受け付ける手段と、前記コンテンツを生成する制御を行う制御手段とを備え、前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記コンテンツを生成する指示を受け付けた場合、前記制御手段は、外部から受信した時刻情報を用いて時刻合わせ済みの基準時刻に基づく前記コンテンツの生成時刻を含む前記コンテンツを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンテンツの生成時刻の真正性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係るコンテンツ生成装置としてのデジタルカメラの外観図である。
【
図2】
図1のデジタルカメラの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図1のデジタルカメラによって実行される撮影制御処理の手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図1の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】
図3のS318の撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図1のデジタルカメラによって生成される画像ファイルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。
【0011】
以下に、本発明のコンテンツ生成装置を、静止画の撮影及び動画の記録が可能なデジタルカメラに適用した実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施の形態に係るコンテンツ生成装置としてのデジタルカメラ100の構成及び機能について説明する。
【0013】
図1(a)は、レンズユニット150を取り外した状態のデジタルカメラ100の前面斜視図である。
図1(b)は、デジタルカメラ100の背面斜視図である。
【0014】
図1において、表示部28は、画像や各種情報を表示するファインダー外表示部であり、カメラ本体の背面に設けられたLCD等の表示デバイスである。表示部28には、タッチパネル70aが設けられている。タッチパネル70aは、表示部28の表示面(タッチ操作面)に対する接触(タッチ操作)を検出可能なタッチ操作部材である。
【0015】
ファインダー外表示部43は、デジタルカメラ100の上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするデジタルカメラ100の様々な設定値を表示する。シャッターボタン61は、撮影指示を行うための操作部材である。モード切替スイッチ60は、各種モードを切り替えるための操作部材である。端子カバー40は、デジタルカメラ100を外部機器に接続する接続ケーブル等とのコネクタ(不図示)を保護するカバーである。
【0016】
メイン電子ダイヤル71は、回転操作部材であり、このメイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞り等の設定値の変更等が行える。電源スイッチ72は、デジタルカメラ100の電源のONとOFFを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は、回転操作部材であり、このサブ電子ダイヤル73を回すことで、選択枠(カーソル)の移動や画像送り等が行える。4方向キー74は、上、下、左、右部分をそれぞれ押し込み可能に構成され、4方向キー74の押した部分に応じた処理が可能である。SETボタン75は、押しボタンであり、主に選択項目の決定等に用いられる。
【0017】
動画ボタン76は、動画撮影(記録)の開始や停止の指示に用いられる。AEロックボタン77は押しボタンであり、撮影待機状態でAEロックボタン77を押下することにより、露出状態を固定することができる。拡大ボタン78は、撮影モードのライブビュー表示(LV表示)において拡大モードのONとOFFを切り替えるための操作ボタンである。拡大モードをONとしてからメイン電子ダイヤル71を操作することにより、ライブビュー画像(LV画像)の拡大や縮小を行える。再生モードにおいては、拡大ボタン78は、再生画像を拡大したり、その拡大率を増加させるための操作ボタンとして機能する。再生ボタン79は、撮影モードと再生モードとを切り替えるための操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、後述する
図2の記録媒体200に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。メニューボタン81は、メニュー画面を表示させる指示操作を行うために用いられる押しボタンであり、このメニューボタン81が押されると各種の設定が可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザーは、表示部28に表示されたメニュー画面と、4方向キー74やSETボタン75とを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0018】
タッチバー82(マルチファンクションバー:M-Fnバー)は、タッチ操作を受け付けることが可能なライン状のタッチ操作部材(ラインタッチセンサー)である。タッチバー82は、右手の人差し指でシャッターボタン61を押下可能なようにグリップ部90を右手で握った状態(右手の小指、薬指、中指で握った状態)で、右手の親指でタッチ操作可能(タッチ可能)な位置に配置されている。すなわち、タッチバー82は接眼部16に接眼してファインダーを覗き、いつでもシャッターボタン61を押下できるように構えた状態(撮影姿勢)で操作可能な位置に配置されている。タッチバー82は、タッチバー82に対するタップ操作(タッチして所定期間以内に移動せずに離す操作)、左右へのスライド操作(タッチした後、タッチしたままタッチ位置を移動する操作)等を受け付け可能な受付部である。タッチバー82は、タッチパネル70aとは異なる操作部材であり、表示機能を備えていない。
【0019】
通信端子10は、デジタルカメラ100が後述する
図2のレンズユニット150と通信を行うための通信端子である。接眼部16は、接眼ファインダー17(覗き込み型のファインダー)の接眼部である。ユーザーは、接眼部16を介して内部の後述する
図2のEVF29(Electronic View Finder)に表示された映像を視認することができる。接眼検知部57は、接眼部16にユーザー(撮影者)が接眼しているか否かを検知する接眼検知センサーである。蓋202は、後述する
図2の記録媒体200を格納するスロットの蓋である。グリップ部90は、ユーザーがデジタルカメラ100を構える際に右手で握りやすい形状とした保持部である。グリップ部90を右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラ100を保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッターボタン61とメイン電子ダイヤル71が配置されている。また、同じ状態で、右手の親指で操作可能な位置に、サブ電子ダイヤル73とタッチバー82が配置されている。サムレスト部91(親指待機位置)は、デジタルカメラ100の背面側の、どの操作部材も操作しない状態でグリップ部90を握った右手の親指を置きやすい箇所に設けられたグリップ部材である。サムレスト部91は、保持力(グリップ感)を高めるためのラバー部材等で構成される。
【0020】
図2は、
図1のデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
図2において、レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットであり、デジタルカメラ100に対して着脱可能である。レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。通信端子6は、レンズユニット150がデジタルカメラ100側と通信を行うための通信端子であり、通信端子10は、デジタルカメラ100がレンズユニット150側と通信を行うための通信端子である。レンズユニット150は、これら通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信を行う。そして、レンズユニット150は、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行う。また、レンズユニット150は、レンズシステム制御回路4によってAF駆動回路3を介してレンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0021】
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
【0022】
撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS等の撮像素子で構成されるイメージセンサーである。尚、撮像部22は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する撮像面位相差センサーを備えていてもよい。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0023】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の処理(画素補間、縮小といったリサイズ処理、色変換処理、等)を行う。また、画像処理部24は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、システム制御部50は、画像処理部24により得られた演算結果に基づいて露光制御や測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理、等が行われる。画像処理部24は更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0024】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介してメモリ32に書き込まれる。或いは、A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24を介さずにメモリ制御部15を介してメモリ32に書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28やEVF29に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像、所定時間の動画像、音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0025】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28やEVF29に供給する。メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28やEVF29により表示される。表示部28、EVF29は、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によってA/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてアナログ信号に変換し、表示部28またはEVF29に逐次転送して表示することで、ライブビュー表示(LV)が行える。以下、ライブビュー表示で表示される画像をライブビュー画像(LV画像)と称する。
【0026】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサー及び/または少なくとも1つの回路からなる制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部50は、プロセッサーであり、回路でもある。システム制御部50は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施の形態の各処理を実現する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器19、表示部28、EVF29等を制御することにより表示制御も行う。
【0027】
システムメモリ52は、例えば、RAMである。システム制御部50は、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等をシステムメモリ52に展開する。
【0028】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、EEPROM等である。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記録される。ここでいうプログラムとは、本実施の形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0029】
システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0030】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続された外部機器との間で、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。また、通信部54は、Bluetooth(登録商標)やBluetooth Low Energyでも外部機器と通信可能である。通信部54は、撮像部22で撮像した画像(LV画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、外部機器から画像データや動画記録開始指示等の各種情報を受信することもできる。また、通信部54が動画記録開始指示を外部機器から受け取ったとき、発光部102を光らせたり、スピーカー92から電子音を鳴らしたりすることでユーザーに指示の受信を知らせることができる。尚、通信部54が通信を行う外部機器として、例えば、スマートフォン、タブレット端末、デスクトップPC等が挙げられる。
【0031】
姿勢検知部55は、重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサー等を用いることができる。姿勢検知部55である加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、デジタルカメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0032】
接眼検知部57は、接眼ファインダー17の接眼部16に対する目(物体)の接近(接眼)及び離反(離眼)を検知する接眼検知センサーである。システム制御部50は、接眼検知部57で検知された状態に応じて、表示部28とEVF29の表示(表示状態)/非表示(非表示状態)を切り替える。より具体的には、少なくとも撮影待機状態で、且つ、表示先の切替設定が自動切替である場合において、非接眼中は表示先を表示部28として表示をオンとし、EVF29は非表示とする。また、接眼中は表示先をEVF29として表示をオンとし、表示部28は非表示とする。接眼検知部57としては、例えば赤外線近接センサーを用いることができ、EVF29を内蔵する接眼ファインダー17の接眼部16への何らかの物体の接近を検知することができる。物体が接近した場合は、接眼検知部57の投光部(図示せず)から投光した赤外線が物体で反射して赤外線近接センサーの受光部(図示せず)で受光される。受光された赤外線の量によって、物体が接眼部16からどの距離まで近づいているか(接眼距離)も判別することができる。このように、接眼検知部57は、接眼部16への物体の近接距離を検知する接眼検知を行う。非接眼状態(非接近状態)から、接眼部16に対して所定距離以内に近づく物体が検出された場合に、接眼されたと検出するものとする。接眼状態(接近状態)から、接近を検知していた物体が所定距離以上離れた場合に、離眼されたと検出するものとする。接眼を検出する閾値と、離眼を検出する閾値は、例えば、ヒステリシスを設ける等して異なっていてもよい。また、接眼を検出した後は、離眼を検出するまでは接眼状態であるものとする。離眼を検出した後は、接眼を検出するまでは非接眼状態であるものとする。尚、赤外線近接センサーは一例であって、接眼検知部57には、接眼とみなせる状態を検知できるものであれば他のセンサーを採用してもよい。
【0033】
GPS受信部119は、位置情報や時刻情報を含むGPS信号をGPS衛星(人工衛星)から受信する。デジタルカメラ100は、GPS受信部119で受信したGPS信号に基づいて、デジタルカメラ100の位置の特定や、デジタルカメラ100の基準時刻の時刻合わせを行う。デジタルカメラ100は、特定した位置を示す情報や、時刻合わせ済みの基準時刻に基づく撮影日時を撮影した画像に付与することが可能である。
【0034】
ハッシュ値生成部210は、画像ファイルに対してハッシュ関数を実行してハッシュ値を生成(算出)する。なお、ハッシュ値生成部210ではなく、システム制御部50がハッシュ値の生成を行ってもよい。
【0035】
ファインダー外表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0036】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出等を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0037】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0038】
操作部70は、ユーザーからの操作を受け付ける入力部であり、システム制御部50に各種の動作指示を入力するために使用される。
図2に示すように、操作部70は、シャッターボタン61、モード切替スイッチ60、電源スイッチ72、タッチパネル70a、その他の操作部材70b等を含む。その他の操作部材70bには、メイン電子ダイヤル71、サブ電子ダイヤル73、4方向キー74、SETボタン75、動画ボタン76、AEロックボタン77、拡大ボタン78、再生ボタン79、メニューボタン81、タッチバー82、等が含まれる。
【0039】
シャッターボタン61は、第1シャッタースイッチ62と第2シャッタースイッチ64を備える。第1シャッタースイッチ62は、シャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の撮影準備動作を開始する。
【0040】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから、撮像された画像を画像ファイルとして記録媒体200に書き込むまでの、一連の撮影処理の動作を開始する。
【0041】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60により、ユーザーは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。或いは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り替えた後に、表示された複数のモードの何れかに、他の操作部材を用いて選択的に切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0042】
タッチパネル70aは、表示部28の表示面(タッチパネル70aの操作面)への各種タッチ操作を検出するタッチセンサーである。タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aは、光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成され、表示部28の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28の表示面上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を提供できる。
【0043】
システム制御部50は、タッチパネル70aへの以下の操作、或いは状態を検出できる。
【0044】
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)。
【0045】
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)。
【0046】
・指やペンがタッチパネル70aをタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)。
【0047】
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンがタッチパネル70aから離れた(リリースされた)こと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)。
【0048】
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態であること(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)。
【0049】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限り、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出された場合も、同時にタッチオンが検出される。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0050】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。そして、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作(タッチ操作)が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作が行なわれたと判定するものとする。タッチパネル70a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。更に、複数箇所(例えば2点)を共にタッチして(マルチタッチして)、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作と称する。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、様々な方式のタッチパネルのうち何れの方式のものであってもよい。タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式があるが、何れの方式でもよい。
【0051】
次に、デジタルカメラ100が真正保証モードを有効に設定した際の撮影について説明する。本実施の形態では、真正保証モードを有効にして撮影を行うと、当該撮影で生成された画像ファイルに後述する
図6の来歴情報603が含まれる。一方、真正保証モードを無効にして撮影を行うと、当該撮影で生成された画像ファイルに後述する
図6の来歴情報603が含まれない。本実施の形態では、この来歴情報603に含まれるハッシュ値や署名値の変更の有無に基づいて、悪意ある改竄が行われたか否かを判定することができる。
【0052】
図3は、
図1のデジタルカメラ100によって実行される撮影制御処理の手順を示すフローチャートである。
図3の撮影制御処理は、デジタルカメラ100がユーザから受けた指示に従って真正保証モードを有効に設定し、撮影を完了するまでの一連の処理である。尚、
図3の撮影制御処理の開始時には、デジタルカメラ100において、真正保証モードが無効に設定され、表示部28に
図4(a)の設定画面が表示されていることとする。
図4(a)の設定画面は、ユーザが真正保証モードを有効又は無効に変更する指示を行うための画面である。
図3の撮影制御処理は、電源スイッチ72の電源オン時に、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。
【0053】
図3において、まず、S(ステップ)301では、システム制御部50は、
図4(a)の設定画面で真正保証モードを有効に変更する指示が行われたか否かを判定する。システム制御部50は、
図4(a)の設定画面で真正保証モードを有効に変更する指示が行われるまで待機し、真正保証モードを有効に変更する指示が行われると(S301でYES)、撮影制御処理はS302へ進む。
【0054】
S302では、システム制御部50は、デジタルカメラ100がGPS受信機能を備えているか否かを判定する。例えば、デジタルカメラ100がGPS受信部119を備えていない場合や、デジタルカメラ100にGPSアクセサリが接続されていない場合、デジタルカメラ100がGPS受信機能を備えていないと判定される。尚、GPSアクセサリは、デジタルカメラ100にGPS受信機能を拡張するための付属部品であり、GPSアクセサリがGPS衛星からGPS信号を受信する処理は、システム制御部50によって制御される。この場合、撮影制御処理はS303へ進む。
【0055】
S303では、システム制御部50は、デジタルカメラ100にGPS受信装置が接続されているか否かを判定する。尚、GPS受信装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC等といったGPS受信機能を備える通信装置であり、この通信装置がGPS衛星からGPS信号を受信する処理は、この通信装置の制御部によって制御される。デジタルカメラ100にGPS受信装置が接続されていないと判定された場合、撮影制御処理はS304へ進む。
【0056】
S304では、システム制御部50は、
図4(b)の通知画面を表示部28に表示する。この通知画面には、デジタルカメラ100にGPS受信装置やGPSアクセサリを接続することを促すメッセージが含まれる。その後、撮影制御処理はS301へ戻る。
【0057】
S303において、デジタルカメラ100にGPS受信装置が接続されていると判定された場合、撮影制御処理はS305へ進む。
【0058】
S305では、システム制御部50は、デジタルカメラ100に接続されたGPS受信装置から、時刻情報と位置情報の受信を開始する。尚、GPS受信装置から受信する時刻情報は、このGPS受信装置がGPS衛星から受信したGPS信号に含まれる時刻情報である。また、GPS受信装置から受信する位置情報は、このGPS受信装置がGPS衛星から受信したGPS信号に含まれる位置情報であってこのGPS受信装置の位置を示す情報である。つまり、GPS受信装置から受信する位置情報は、実質的に、このGPS受信装置に接続されたデジタルカメラ100の位置を示す情報である。
【0059】
次いで、S306では、システム制御部50は、上記GPS受信装置から時刻情報と位置情報の受信を成功したか否かを判定する。上記GPS受信装置から時刻情報と位置情報の受信を成功したと判定された場合、撮影制御処理はS307へ進む。
【0060】
S307では、システム制御部50は、
図4(c)の成功画面を表示部28に表示する。この成功画面には、上記GPS受信装置から時刻情報と位置情報を取得する機能が有効になったことを示すメッセージが含まれる。その後、撮影制御処理は後述するS314へ進む。
【0061】
S306において、上記GPS受信装置から時刻情報と位置情報の受信を失敗したと判定された場合、撮影制御処理はS308へ進む。尚、上記GPS受信装置から時刻情報と位置情報の受信を失敗する一例として、上記GPS受信装置にてGPS機能が無効に設定されている場合等が挙げられる。
【0062】
S308では、システム制御部50は、
図4(d)の失敗画面を表示部28に表示する。この失敗画面には、時刻情報と位置情報の受信を成功するための対策を示すメッセージ、例えば、上記GPS受信装置にてGPS機能が有効に設定されているかの確認を促すメッセージが含まれる。その後、撮影制御処理はS301に戻る。
【0063】
S302において、デジタルカメラ100がGPS受信部119を備えている場合や、GPS受信部119を備えていないデジタルカメラ100にGPSアクセサリが接続されている場合、デジタルカメラ100がGPS受信機能を備えていると判定される。この場合、撮影制御処理はS309へ進む。
【0064】
S309では、システム制御部50は、GPS信号を受信中であるか否かを判定する。GPS信号を受信中でないと判定された場合、システム制御部50は、デジタルカメラ100におけるGPS機能を有効に切り替える。その後、撮影制御処理はS310へ進む。
【0065】
S310では、システム制御部50はGPS受信部119又はGPSアクセサリを制御し、GPS衛星からGPS信号の受信を開始する。次いで、S311では、システム制御部50は、GPS信号の受信を成功したか否かを判定する。GPS信号の受信を失敗したと判定された場合、撮影制御処理はS312へ進む。尚、GPS信号の受信を失敗する一例として、デジタルカメラ100を所持するユーザが屋内や地下におり、GPS衛星からの信号を正しく受信できない場合等が挙げられる。
【0066】
S312では、システム制御部50は、
図4(e)の受信失敗通知画面を表示部28に表示する。この受信失敗通知画面には、GPS信号の受信を失敗したことを示すメッセージや、GPS信号の受信を成功するための対策を示すメッセージが含まれる。その後、撮影制御処理はS301に戻る。このように、本実施の形態では、デジタルカメラ100がGPS衛星からGPS信号の受信を失敗した場合や、GPS受信装置から時刻情報と位置情報の受信を失敗した場合(S306でNO)、真正保証モードが無効のまま保持される。これにより、外部から取得した時刻情報を用いて時刻合わせが行われていない不正確な基準時刻に基づく撮影日時を含む画像ファイルが生成されるのを防止することができる。
【0067】
一方、S311において、GPS信号の受信を成功したと判定された場合、撮影制御処理はS313へ進む。S313では、システム制御部50は、
図4(f)の受信成功通知画面を表示部28に表示する。この通知画面には、例えば、真正保証モードを有効に設定したことで、GPS信号の受信が有効になったことを示すメッセージが含まれる。
【0068】
次いで、S314では、システム制御部50は、外部から位置情報を取得する間隔(以下、「位置情報の取得間隔」という。)を、予め設定されていた間隔より短い間隔に変更する。尚、位置情報の取得間隔は、GPS受信部119やGPSアクセサリがデジタルカメラ100の位置情報を含むGPS信号をGPS衛星から受信する間隔である。若しくは、位置情報の取得間隔は、デジタルカメラ100がGPS受信装置から位置情報を受信する間隔である。尚、GPS受信装置から受信する位置情報は、上述したように、このGPS受信装置がGPS衛星から受信したGPS信号に含まれるGPS受信装置の位置情報であり、実質的に、このGPS受信装置に接続されたデジタルカメラ100の位置情報である。S314では、例えば、位置情報の取得間隔が、デジタルカメラ100で設定可能な最短の間隔である1秒に変更される。これにより、より正確なデジタルカメラ100の位置情報を得ることが可能となる。
【0069】
次いで、S315では、システム制御部50は、時刻設定を自動更新に変更する。時刻設定が自動更新に変更されると、外部から取得した時刻情報を用いてデジタルカメラ100における基準時刻の時刻合わせが行われる。尚、外部から取得した時刻情報は、例えば、GPS受信部119やGPSアクセサリが受信したGPS信号に含まれる時刻情報である。また、外部から取得した時刻情報は、デジタルカメラ100に接続されたGPS受信装置から取得した時刻情報であってこのGPS受信装置がGPS衛星から受信したGPS信号に含まれる時刻情報である。
【0070】
次いで、S316では、システム制御部50は、基準時刻の手動変更を禁止する。これにより、悪意あるユーザによってデジタルカメラ100の基準時刻が実際と異なる時刻に変更され、撮影で得られた画像ファイルに対し、実際と異なる日時が撮影日時として付与される事態を回避することができる。その後、撮影制御処理はS317へ進む。また、S309において、GPS信号を受信中であると判定された場合も、撮影制御処理はS317へ進む。
【0071】
S317では、システム制御部50は、真正保証モードの設定値を、真正保証モードが有効であることを示す「入」に変更する。変更された設定値はメモリ32に記憶される。尚、本実施の形態では、GPS受信部119がGPS信号の受信に失敗した場合や、GPS受信装置から時刻情報と位置情報の受信を失敗した場合には、真正保証モードの設定値が「入」に変更されない構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、上述した場合に、真正保証モードの設定値を「入」に変更した上で、ユーザがデジタルカメラ100における基準時刻を変更した場合に、基準時刻がユーザによって変更されたことを後述する
図6の撮影情報602に記録する構成であってもよい。これにより、デジタルカメラ100における基準時刻が撮影者によって変更された状態でデジタルカメラ100にて生成された画像ファイルを閲覧する他のユーザに対し、この画像ファイルが実際とは異なる時刻に生成された懸念があることを通知することができる。
【0072】
次いで、S318では、システム制御部50は、後述する
図5の撮影処理を実行する。次いで、S319では、システム制御部50は、真正保証モードを無効に変更する指示が行われたか否かを判定する。システム制御部50は、真正保証モードを無効に変更する指示が行われるまで待機し、真正保証モードを無効に変更する指示が行われると(S319でYES)、撮影制御処理はS320へ進む。
【0073】
S320では、システム制御部50は、真正保証モードの設定値を、真正保証モードが無効であることを示す「切」に変更する。変更された設定値は、メモリ32に記憶される。
【0074】
次いで、S321では、システム制御部50は、S317で真正保証モードを「入」に変更する前からGPS信号を受信していたか否かを判定する。S317で真正保証モードを「入」に変更する前からGPS信号を受信していたと判定された場合、撮影制御処理は終了する。S317で真正保証モードを「入」に変更する前からGPS信号を受信していないと判定された場合、撮影制御処理はS322へ進む。
【0075】
S322では、システム制御部50は、GPS機能を「無効」に切り替えて、GPS信号の受信を終了する。尚、S322では、基準時刻の手動変更を許可するように制御する等、GPS信号の受信の成功に伴い、自動的に変更された設定を元に戻すように制御してもよい。その後、撮影制御処理は終了する。
【0076】
図5は、
図3のS318の撮影処理の手順を示すフローチャートである。
図5の撮影処理は、シャッターボタン61の押下等の撮影開始操作を受け付けることにより開始し、シャッターボタン61の押下の中止等の撮影終了操作を受け付けることにより終了する。
【0077】
図5において、まず、S501では、システム制御部50は、露光時間を制御するために撮像部22の被写体側に配置されるシャッター101を駆動させる。次いで、S502では、システム制御部50は、撮像部22がシャッター101を介して受光した被写体からの光を電気信号(アナログ画像データ)に変換する撮像処理を行う。次いで、S503では、システム制御部50は、S502の撮像処理によって得られた電気信号に対して、現像処理や符号化処理等の画像処理を施して、
図6の画像データ604を生成する。
【0078】
次いで、S504では、システム制御部50は、
図6のメタデータ601を生成する。メタデータ601は、デジタルカメラ100によって生成される
図6の画像ファイル600を構成するデータであり、撮影情報602及び来歴情報603を含む。
【0079】
撮影情報602は、画像データ604を生成するための撮像処理が実行された時の情報であり、例えば、撮影日時、撮影者、画像サイズ、デジタルカメラ100のメーカーや機種、撮影時に設定された各種撮影パラメータ、撮影場所、サムネイル画像等である。撮影情報602は、所定の技術規格、例えば、EXIF(Exchangeable image file format)に従って生成される。尚、撮影情報602に含まれる撮影日時は、上記外部から取得した時刻情報を用いて時刻合わせ済みの基準時刻に基づく撮影日時である。また、撮影情報602に含まれる撮影場所は、デジタルカメラ100がGPS衛星から受信したGPS信号に含まれる位置情報や、デジタルカメラ100に接続されたGPS受信装置から取得した位置情報である。当該GPS受信装置はGPS衛星から位置情報を含むGPS信号を受信する。また、撮影日時が手動で入力された場合、撮影情報602には、撮影日時が手動で入力されたことを示す情報が記録されてもよい。
【0080】
来歴情報603は、画像データ604の信憑性を証明するための情報であり、画像データ604の出所や来歴を検証する際に用いられる。来歴情報603は、所定の技術規格、例えば、C2PA(Cоalitiоn fоr Cоntent Prоvenance and Authenticity)に従って生成され、規定の構造を有する。来歴情報603は、来歴(Assertion)613、来歴613を保証するためのハッシュ値623やデジタル署名633を含む。来歴613は、来歴を一意に識別するための来歴識別情報(Manifest ID)、画像データ604の編集内容を示す編集履歴情報、その編集に用いられたツールを示す編集ツール情報、画像データ604の制作者情報等を含む。ここで、ステップS503で生成された画像データ604は、撮影により生成されたばかりであり、編集されていないので、編集履歴には“生成”を示す情報が記録され、編集ツールにはデジタルカメラ100を示す情報が記録される。また、撮影時や編集時のサムネイルデータやメタデータを来歴613に含めることで、変更箇所の比較検証に利用することも可能である。
【0081】
図5に戻り、S505では、システム制御部50は、ハッシュ値623を生成する。具体的に、システム制御部50は、画像データ604、来歴613のバイナリデータに対して夫々ハッシュ関数を実行して、画像データのハッシュ値624と来歴のハッシュ値626を生成する。尚、システム制御部50は、撮影情報602のバイナリデータに対してハッシュ関数を実行して、撮影情報のハッシュ値625を生成してもよい。また、来歴613について、より細かな単位で改竄を検知できるように、編集履歴や製作元、サムネイルデータやメタデータ等のより細かい単位毎にハッシュ値を生成してもよい。
【0082】
次いで、S506では、システム制御部50は、デジタル署名633を生成する。デジタル署名633は、署名値、署名者、署名日時を示す情報を含む。署名値は、S505で生成されたハッシュ値623に対して、予め準備された秘密鍵を用いて暗号化することにより生成される。ここで用いられる秘密鍵のペアになる公開鍵もデジタル署名633に含まれる。尚、公開鍵が信頼できるメーカーであることを証明するために、署名者としてデジタルカメラ100のメーカーを示す情報や、認証局により公開鍵が認証されていることを示す公開鍵証明書をデジタル署名633に含めてもよい。このような署名者を含むデジタル署名633を画像ファイル600に付与することにより、当該画像ファイルが信頼できることを示すことができる。尚、署名者として、メーカーの代わりに、デジタルカメラ100の機種を用いてもよい。署名日時は、デジタル署名633の生成が完了した時点の日時である。また、撮影日時も来歴613に含まれてもよい。
【0083】
次いで、S507では、システム制御部50は、撮影情報602、来歴情報603をメタデータ601として画像データ604に付与し、画像ファイル600を生成する。ここで、画像データ604が静止画の場合はJPEG形式、動画の場合はMPEG形式に従って画像ファイル600が生成される。その後、撮影処理は終了する。
【0084】
以上のように本実施の形態では、デジタルカメラ100が真正保証モードで撮影を行うと、画像ファイル600が生成される。尚、画像ファイル600は、編集されることがある。画像ファイル600が、認可された編集ツールを使って正当な手順で編集された場合、編集内容に基づいて所定の技術規格に従って来歴情報603が新たに生成され、画像ファイル600のメタデータ601に追加される。来歴情報603は、画像ファイル600が編集される度に、新たに生成され、画像ファイル600のメタデータ601に追記される。一方、画像ファイル600の編集が、不認可の編集ツールを使って行われた場合や、不正な手順で行われた場合、来歴情報603が画像ファイル600に付与されなかったり、画像ファイル600に付与された来歴情報603が所定の技術規格と整合しなかったりすることもある。
【0085】
また、ハッシュ値や署名値を生成することにより画像ファイル600の改竄を検知することが可能になっている。例えば、画像ファイル600の画像データ604のバイナリデータに対してハッシュ関数を実行してハッシュ値を生成する。そして、生成されたハッシュ値を判定対象の画像ファイルの画像データのハッシュ値624と比較する。これにより、画像データの改竄の有無を検証することができる。同様に、画像ファイル600の撮影情報602のバイナリデータに対してハッシュ関数を実行してハッシュ値を生成する。そして、生成されたハッシュ値を判定対象の画像ファイルの撮影情報のハッシュ値625と比較する。これにより、撮影日時や撮影場所等が含まれている撮影情報の改竄の有無を検証することができる。更に、来歴613のバイナリデータに対してハッシュ関数を実行してハッシュ値を生成する。そして、生成されたハッシュ値を判定対象の画像ファイルの来歴のハッシュ値626と比較する。これにより、来歴情報603の改竄の有無を検証することができる。尚、この時、比較するバリナリデータは、編集履歴や製作元、サムネイルデータやメタデータ等のより細かい単位毎で比較しても良い。また、署名値は公開鍵によって復号でき、ハッシュ値が一致すれば署名値の検証に成功したと判別することも可能である。このように改竄を検知する仕組みを画像ファイルの中に組み込むことが可能である。
【0086】
上述した実施の形態によれば、真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ画像ファイルを生成する指示を受け付けた場合、外部から受信した時刻情報を用いて時刻合わせ済みの基準時刻に基づく撮影日時を含む画像ファイル600が生成される。これにより、偽装されていない基準時刻に基づく撮影日時を画像ファイル600に含めることができ、もって、画像ファイル600の生成時刻の真正性を保証することができる。
【0087】
また、上述した実施の形態では、画像ファイル600には、上記撮影日時の他に、S505で生成されたハッシュ値623、及びS506で生成されたデジタル署名633が含まれる。これにより、画像ファイル600の生成時刻に加え、画像ファイル600に含まれる画像データの真正性を保証することができる。
【0088】
また、上述した実施の形態では、外部から受信した時刻情報は、GPS受信部119がGPS衛星から受信したGPS信号に含まれる時刻情報である。これにより、高精度に基準時刻の時刻合わせを行うことができる。
【0089】
また、上述した実施の形態では、外部から受信した時刻情報は、デジタルカメラ100がGPS受信部119を備えない構成において、このデジタルカメラ100に接続したGPSアクセサリがGPS衛星から受信したGPS信号に含まれる時刻情報である。これにより、デジタルカメラ100がGPS受信部119を備えない構成において、高精度に基準時刻の時刻合わせを行うことができる。
【0090】
また、上述した実施の形態では、真正保証モードを有効から無効に変更する指示を受け付けた場合、GPS受信部119によるGPS衛星からのGPS信号の受信が停止される。これにより、真正保証モードが有効である場合には画像ファイル600の生成時刻の真正性を保証し、真正保証モードが無効である場合には不要な電力の消費を低減することができる。
【0091】
また、真正保証モードの設定値が「切」で、ステップS322の処理の後に撮影処理が実行される場合、システム制御部50は、
図5のステップS501からステップS503と同様の処理を実行後、撮影情報602をメタデータ601として画像データ604に付与し、画像ファイル600を生成する。すなわち、ステップS505やS506の処理は実行されず、来歴情報603やハッシュ値、デジタル署名等の画像データの真正性の保証に関する情報は付与されない。よって、上述した実施の形態では、撮影日時の真正性を保証できない場合は、画像データの真正性も保証しないようにすることができる。
【0092】
また、上述した実施の形態では、外部から受信した時刻情報は、デジタルカメラ100に接続されたGPS受信装置から受信した時刻情報であり、この時刻情報は、このGPS受信装置がGPS衛星から受信したGPS信号に含まれる時刻情報である。これにより、デジタルカメラ100がGPS受信機能を備えていなくても、偽装されていない基準時刻に基づく撮影日時を画像ファイル600に含めることができる。
【0093】
また、上述した実施の形態では、真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付けた場合、ユーザによる基準時刻の変更を禁止する制御が行われる。これにより、悪意あるユーザによる基準時刻の偽装を防止することができる。
【0094】
また、上述した実施の形態では、真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ外部から時刻情報の受信を失敗した場合、外部から時刻情報の受信を成功するための対策が通知される。これにより、デジタルカメラ100で撮影を行う撮影者が、画像ファイル600の生成時刻の真正性を保証するために必要となる外部から時刻情報を受信する処理を成功するように容易に対処することができる。
【0095】
上述した実施の形態では、デジタルカメラ100は、被写体を撮影して画像データを生成し、当該画像データを含む画像ファイルをコンテンツとして生成する撮像装置である。これにより、このような撮像装置において、画像ファイル600の生成時刻の真正性を保証することができる。
【0096】
尚、本実施形態では、デジタルカメラ100が、真正保証モードで動作する時、GPS機能を「有効」に設定して、GPS信号を受信して正確な時刻を設定・更新するようにしたが、他の方法であってもよい。例えば、デジタルカメラ100が、真正保証モードで動作する時、Wi-Fi通信機能を「有効」に設定し、Wi-Fiルーターに接続して時刻情報を受信し、受信した時刻情報に基づいてデジタルカメラ100における基準時刻の時刻合わせを行ってもよい。これにより、GPS機能を備えずWi-Fi通信機能を備える装置において、コンテンツの生成時刻の真正性を保証することができる。尚、Wi-Fiルーターは、NTP(Network Time Protocol)サーバーに定期的にアクセスして時刻合わせを行うことにより正確な時刻を保持している。
【0097】
また、デジタルカメラ100が、真正保証モードで動作し、デジタルカメラ100に接続されたスマートフォンやPC等の外部装置から時刻情報を取得する構成において、この時刻情報は外部装置がWi-Fiルーターから受信した時刻情報であってもよい。これにより、GPS機能を備えずWi-Fi通信機能を備える外部装置と通信を行う構成において、コンテンツの生成時刻の真正性を保証することができる。
【0098】
また、デジタルカメラ100が、真正保証モードで動作する時、電波時計による時刻合わせ機能を「有効」に設定し、標準電波の送信局から受信した電波に含まれる日付・時刻情報(タイムコード)に基づいて基準時刻の時刻合わせを行ってもよい。これにより、GPS機能を備えていなくても、コンテンツの生成時刻の真正性を保証することができる。
【0099】
また、デジタルカメラ100が、真正保証モードで動作する時、「日付と時刻の自動設定」を「有効」に設定し、自動的に、上述したようなGPS信号やWi-Fiルーター、標準電波の送信局(NITZ)などから時刻情報を取得して、基準時刻の時刻合わせを行うようにしてもよい。これにより、デジタルカメラ100は、コンテンツの生成時刻の真正性を保証することができる。
【0100】
また、デジタルカメラ100が、ユーザの操作に応じて、「日付と時刻の自動設定」を「有効」から「無効」に変更した時、真正保証モードも「有効」から「無効」へ自動的に変更するようにしてもよい。ここで、「日付と時刻の自動設定」を「有効」から「無効」に変更する前に、ユーザへ真正保証モードも「有効」から「無効」へ変更される旨のメッセージを画面に表示して通知するようにしてもよい。
【0101】
尚、本実施の形態では、コンテンツの一例として、画像ファイルを生成する構成について説明したが、本発明は画像ファイルに限られず、例えば、音声データで構成された音声ファイルを生成する構成においても本発明を適用することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、本発明のコンテンツ生成装置の一例として、デジタルカメラについて説明したが、コンテンツ生成装置は、デジタルカメラに限られない。コンテンツ生成装置は、スマートフォン、タブレット端末、PC等のように、コンテンツを生成し、当該コンテンツの生成時刻の決定に用いられるコンテンツ生成装置内の基準時刻をユーザが変更可能な装置であればよい。
【0103】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0104】
尚、本実施形態の開示は、以下の構成および方法を含む。
(構成1)ユーザからコンテンツを生成する指示を受け付ける手段と、前記ユーザから前記コンテンツの真正性を保証するための真正保証モードを有効又は無効に変更する指示を受け付ける手段と、前記コンテンツを生成する制御を行う制御手段とを備え、前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記コンテンツを生成する指示を受け付けた場合、前記制御手段は、外部から受信した時刻情報を用いて時刻合わせ済みの基準時刻に基づく前記コンテンツの生成時刻を含む前記コンテンツを生成することを特徴とするコンテンツ生成装置。
(構成2)前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記コンテンツを生成する指示を受け付けた場合、前記制御手段は、前記生成時刻、前記コンテンツに対してハッシュ関数を実行して生成されたハッシュ値、及び秘密鍵を用いて前記ハッシュ値を暗号化して生成されたデジタル署名を含む前記コンテンツを生成することを特徴とする構成1に記載のコンテンツ生成装置。
(構成3)人工衛星から信号を受信する受信手段を更に備え、前記外部から受信した時刻情報は、前記受信手段が前記人工衛星から受信した信号に含まれる時刻情報であることを特徴とする構成1又は2に記載のコンテンツ生成装置。
(構成4)前記真正保証モードを有効から無効に変更する指示を受け付けた場合、前記受信手段による前記人工衛星からの信号の受信を停止することを特徴とする構成3に記載のコンテンツ生成装置。
(構成5)前記外部から受信した時刻情報は、前記コンテンツ生成装置に接続された付属部品であってGPS機能を拡張するための付属部品が人工衛星から受信した信号に含まれる時刻情報であることを特徴とする構成1又は2に記載のコンテンツ生成装置。
(構成6)前記外部から受信した時刻情報は、前記コンテンツ生成装置に接続された外部機器から受信した時刻情報であり、前記外部機器から受信した時刻情報は、当該外部機器が人工衛星から受信した信号に含まれる時刻情報であり、前記外部機器は、前記外部機器が備える制御部によって前記人工衛星から信号を受信する処理を制御することを特徴とする構成1又は2に記載のコンテンツ生成装置。
(構成7)前記コンテンツ生成装置は、前記基準時刻をユーザによって変更可能な装置であることを特徴とする構成1乃至6の何れか1つに記載のコンテンツ生成装置。
(構成8)前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付けた場合、ユーザによる前記基準時刻の変更を禁止する制御が行われることを特徴とする構成7に記載のコンテンツ生成装置。
(構成9)前記制御手段は、外部から取得した位置情報を含む前記コンテンツを生成し、前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付けた場合、前記位置情報を取得する間隔が、予め設定されていた間隔より短い間隔に変更されることを特徴とする構成1乃至8の何れか1つに記載のコンテンツ生成装置。
(構成10)前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記外部から時刻情報の受信を失敗した場合、前記真正保証モードを無効のまま保持することを特徴とする構成1乃至9の何れか1つに記載のコンテンツ生成装置。
(構成11)前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記外部から時刻情報の受信を失敗し且つユーザが前記基準時刻を変更した場合、前記制御手段は、前記基準時刻が当該ユーザによって変更されたことを示す情報を含む前記コンテンツを生成することを特徴とする構成1乃至7、9、10の何れか1つに記載のコンテンツ生成装置。
(構成12)前記真正保証モードを無効から有効に変更する指示を受け付け且つ前記外部から時刻情報の受信を失敗した場合、前記外部から時刻情報の受信を成功するための対策が通知されることを特徴とする構成1乃至11の何れか1つに記載のコンテンツ生成装置。
(構成13)前記コンテンツ生成装置は、被写体を撮影して画像データを生成し、当該画像データを含む画像ファイルを前記コンテンツとして生成する撮像装置であることを特徴とする構成1乃至12の何れか1つに記載のコンテンツ生成装置。
【符号の説明】
【0105】
50 システム制御部
61 シャッターボタン
70 操作部
100 デジタルカメラ
119 GPS受信部