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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177074
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ディスコネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 23/08 20060101AFI20241212BHJP
   F16H 48/24 20060101ALI20241212BHJP
   F16H 48/08 20060101ALI20241212BHJP
   F16H 48/40 20120101ALI20241212BHJP
   B60K 23/04 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B60K23/08 Z
F16H48/24
F16H48/08
F16H48/40
B60K23/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073558
(22)【出願日】2024-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2023-0072987
(32)【優先日】2023-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520181434
【氏名又は名称】ヒュンダイ トランシス インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI TRANSYS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】105, Sindang 1-ro, Seongyeon-myeon, Seosan-si, Chungcheongnam-do 31930, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,セドン
【テーマコード(参考)】
3D036
3J027
【Fターム(参考)】
3D036GA14
3D036GA38
3D036GB05
3D036GB08
3D036GC01
3D036GD07
3D036GH05
3D036GJ17
3J027FA19
3J027FB04
3J027HA01
3J027HB07
3J027HC03
3J027HC07
3J027HC21
3J027HC26
3J027HD01
3J027HE03
3J027HF06
3J027HG07
(57)【要約】
【課題】本発明は、四輪駆動または二輪駆動に動力切替えが可能なディスコネクタ装置を提供する。
【解決手段】本発明のディスコネクタ装置は、内部にサポートリングと一側サイドギアを備え、前記一側サイドギアは、前記サポートリングの内部のピニオンギアと噛合されるケース;スリーブと連結されるものであって、前記サポートリングに向かう一側に第1クラッチ部を備える第1クラッチリング;および前記第1クラッチリングの内部に挿入されるものであって、前記一側サイドギアに向かう一側に第2クラッチ部が備えられ、他側外径部に前記スリーブが結合される第2クラッチリング;を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にサポートリングと一側サイドギアを備え、前記一側サイドギアは、前記サポートリングの内部のピニオンギアと噛合されるケース;
スリーブと連結されるものであって、前記サポートリングに向かう一側に第1クラッチ部を備える第1クラッチリング;および
前記第1クラッチリングの内部に挿入されるものであって、前記一側サイドギアに向かう一側に第2クラッチ部が備えられ、他側外径部に前記スリーブが結合される第2クラッチリング;
を含み、
前記スリーブと連結されたアクチュエータ装置の第1作動による前記スリーブの第1作動によって前記第1クラッチリングが前記サポートリングの方向に押されながら、前記第1クラッチ部が前記サポートリングの第3クラッチ部に噛合されて四輪駆動が実現される
ことを特徴とするディスコネクタ装置。
【請求項2】
前記第1クラッチ部と第3クラッチ部との噛合状態で、前記アクチュエータ装置の第2作動による前記スリーブの第2作動によって、前記第2クラッチリングが前記一側サイドギアの方向に押されながら、前記第2クラッチ部が前記一側サイドギアの第4クラッチ部に噛合されて差動制限が実現される
ことを特徴とする、請求項1に記載のディスコネクタ装置。
【請求項3】
前記第1クラッチリングは複数の脚部を備え、前記脚部は、前記第1クラッチリングの他側で前記スリーブに向かって延長され、前記脚部の末端部は、前記ケースの貫通孔を介して外部に露出されて、前記スリーブの連結部と連結される
ことを特徴とする、請求項1に記載のディスコネクタ装置。
【請求項4】
前記スリーブは、
第1作動のとき、設定された第1ストロークだけ移動しながら前記第1クラッチリングを前記サポートリングの方向に押して、前記第1クラッチリングの第1クラッチ部が前記サポートリングの第3クラッチ部に噛合されるようにすると同時に、前記サポートリングに向かう加圧面が前記第2クラッチリングの他側外径部に設けられる段差部に接触される
ことを特徴とする、請求項3に記載のディスコネクタ装置。
【請求項5】
前記スリーブは、
第2作動のとき、設定された第2ストロークだけ移動しながら前記加圧面が前記段差部に接触状態で前記段差部を前記一側サイドギアの方向に押して、前記第2クラッチリングの第2クラッチ部が前記一側サイドギアの第4クラッチ部に噛合されるようにする
ことを特徴とする、請求項4に記載のディスコネクタ装置。
【請求項6】
前記段差部は、
前記スリーブの連結部が挿入される挿入溝を備える
ことを特徴とする、請求項5に記載のディスコネクタ装置。
【請求項7】
前記スリーブの連結部と前記第2クラッチリングの外径部に備えられる係止部との間に第1弾性部材が備えられる
ことを特徴とする、請求項3に記載のディスコネクタ装置。
【請求項8】
前記第1弾性部材は、
前記スリーブが噛合方向に移動する時、前記連結部に加圧されて圧縮され、前記スリーブの加圧力が消えると伸長しながら、前記スリーブを噛合解除方向に移動させる
ことを特徴とする、請求項7に記載のディスコネクタ装置。
【請求項9】
前記スリーブは、
前記第1弾性部材の弾性力によって前記第2クラッチリングの外径部に備えられるストッパに係止された状態で、噛合解除方向に移動する
ことを特徴とする、請求項8に記載のディスコネクタ装置。
【請求項10】
前記第1クラッチ部、前記第2クラッチ部、前記第3クラッチ部、および前記第4クラッチ部は、ドッグクラッチで構成される
ことを特徴とする、請求項2に記載のディスコネクタ装置。
【請求項11】
前記スリーブはフォークと連結され、前記フォークは前記アクチュエータ装置の移送ナットに備えられる
ことを特徴とする、請求項1に記載のディスコネクタ装置。
【請求項12】
前記アクチュエータ装置は、
ハウジング;
前記ハウジングに結合されるモータ;および
前記モータと連結されるボールスクリューシャフト;
を含み、
前記移送ナットは前記ボールスクリューシャフトに結合されて、前記ハウジングの内部に装着されたガイドレールに案内されながら、前記ボールスクリューシャフトに沿って移動可能であり、前記フォークは前記移送ナットから前記ハウジングの開放部を介して前記スリーブの方向に延長されて、前記スリーブと連結される
ことを特徴とする、請求項11に記載のディスコネクタ装置。
【請求項13】
前記ガイドレールは、一側が第2弾性部材によって弾性支持され、前記第2弾性部材は、一側が前記ハウジングの収容孔に挿入され、他側は前記ガイドレールの一側に備えられる係止突起に係止されるように組み立てられる
ことを特徴とする、請求項12に記載のディスコネクタ装置。
【請求項14】
前記ピニオンギアは、
前記一側サイドギアと対向する他側サイドギアと噛合される
ことを特徴とする、請求項1に記載のディスコネクタ装置。
【請求項15】
前記サポートリングの外径部で前記ピニオンギアの中心を貫通するように結合ピンが結合される
ことを特徴とする、請求項14に記載のディスコネクタ装置。
【請求項16】
前記サポートリングの一側で前記結合ピンを貫通するように固定ピンが結合される
ことを特徴とする、請求項15に記載のディスコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪駆動または二輪駆動に動力切替えが可能なディスコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスコネクタ装置は、ディファレンシャルアセンブリに装着されて、ディファレンシャルシャフトを走行状況によって分離したり連結して二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)に切り替えることによって、不必要な動力損失を最小化することができる装置である。
【0003】
従来のディスコネクタ装置は、ディファレンシャルアセンブリ、ディファレンシャルケースの内部に備えられる右側ディファレンシャルサイドギアと連結されたディスコネクタシャフト、右側車輪と連結されるディスコネクタハブ、ディスコネクタシャフトとディスコネクタハブの動力を連結したり、または動力を遮断するディスコネクタスリーブを含む。ディスコネクタスリーブがディスコネクタシャフトのドッグギア部とディスコネクタハブのドッグギア部に同時に噛み合う場合、モータまたはエンジンなどのような入力部と車輪などのような出力部の動力が連結されて、四輪駆動(Four Wheel Drive、4WD)が実現されることができる。ディスコネクタスリーブがディスコネクタハブの方に移動してディスコネクタシャフトのドッグギア部とディスコネクタハブのドッグギア部の噛合い状態が解除されると、モータまたはエンジンなどのような入力部と車輪などのような出力部の動力が遮断されて、二輪駆動(Two Wheel Drive、2WD)が実現されることができる。
【0004】
しかしながら、従来のディスコネクタ装置は、モータの作動によってボールスクリューシャフト、フォーク、およびディスコネクタスリーブが連動して作動し、ディスコネクタスリーブの作動によって、ディスコネクタシャフトとディスコネクタハブが連結される複雑な作動構造により、車の全長が過大になり、車の空間をたくさん占めて、車の重量および車の装着性に不利になる。また、四輪駆動車の補助駆動輪が切り離される二輪駆動の場合、入力部の回転が止められて、ファイナルギヤが止められ、ディスコネクタシャフトとディスコネクタハブが分離された状態で、車の高速、直進走行時に、左側ディファレンシャルサイドギアの回転によるディファレンシャルピニオンギアが高速回転する高差動(High Differential)が発生して、それによる騷音、振動が発生した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2017-0123869号(2017.11.09.公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の問題を解決するために、本発明は、スリーブの第1作動によって第1クラッチリングの第1クラッチ部がサポートリングの第3クラッチ部に噛合されて四輪駆動が実現されるか、スリーブの第2作動によって第1クラッチ部と第3クラッチ部との噛合状態で、第2クラッチリングの第2クラッチ部が一側サイドギアの第4クラッチ部に噛合されて、差動制限が実現されることができるようにした、ディスコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために、本発明は、内部にサポートリングと一側サイドギアを備え、前記一側サイドギアは、前記サポートリング内部のピニオンギアと噛合されるケース;スリーブと連結されるものであって、前記サポートリングに向かう一側に第1クラッチ部を備える第1クラッチリング;および前記第1クラッチリングの内部に挿入されるものであって、前記一側サイドギアに向かう一側に第2クラッチ部が備えられ、他側外径部に前記スリーブが結合される第2クラッチリング;を含み、前記スリーブと連結されたアクチュエータ装置の第1作動による前記スリーブの第1作動によって、前記第1クラッチリングが前記サポートリングの方向に押されながら前記第1クラッチ部が前記サポートリングの第3クラッチ部に噛合されて、四輪駆動が実現されることを特徴とする、ディスコネクタ装置を提供する。
【0008】
また、前記第1クラッチ部と第3クラッチ部との噛合状態で、前記アクチュエータ装置の第2作動による前記スリーブの第2作動によって、前記第2クラッチリングが前記一側サイドギア方向に押されながら前記第2クラッチ部が前記一側サイドギアの第4クラッチ部に噛合されて、差動制限が実現されることができる。
【0009】
また、前記第1クラッチリングは複数の脚部を備え、前記脚部は、前記第1クラッチリングの他側で前記スリーブに向かって延長され、前記脚部の末端部は前記ケースの貫通孔を介して外部に露出されて、前記スリーブの連結部と連結されることができる。
【0010】
また、前記スリーブは、第1作動のとき、設定された第1ストロークだけ移動しながら前記第1クラッチリングを前記サポートリングの方向に押して、前記第1クラッチリングの第1クラッチ部が前記サポートリングの第3クラッチ部に噛合されるようにするとともに、前記サポートリングに向かう一側加圧面が前記第2クラッチリングの他側外径部に設けられる段差部に接触されることができる。
【0011】
また、前記スリーブは、第2作動のとき、設定された第2ストロークだけ移動しながら前記加圧面が前記段差部に接触状態で前記段差部を前記一側サイドギアの方向に押して、前記第2クラッチリングの第2クラッチ部が前記一側サイドギアの第4クラッチ部に噛合されるようにすることができる。
【0012】
また、前記段差部は、前記スリーブの連結部が挿入される挿入溝を備えてもよい。
【0013】
また、前記スリーブの連結部と前記第2クラッチリングの外径部に備えられる係止部との間に第1弾性部材が備えられてもよい。
【0014】
また、前記第1弾性部材は、前記スリーブが噛合方向に移動する時、前記連結部に加圧されて圧縮され、前記スリーブの加圧力が消えると、伸長しながら前記スリーブを噛合解除方向に移動させることができる。
【0015】
また、前記スリーブは、前記第1弾性部材の弾性力によって前記第2クラッチリングの外径部に備えられるストッパに係止された状態で噛合解除方向に移動することができる。
【0016】
また、前記第1クラッチ部、前記第2クラッチ部、前記第3クラッチ部、および前記第4クラッチ部は、ドッグクラッチで構成されてもよい。
【0017】
また、前記スリーブはフォークと連結され、前記フォークは、前記アクチュエータ装置の移送ナットに備えられてもよい。
【0018】
また、前記アクチュエータ装置は、ハウジング;前記ハウジングに結合されるモータ;および前記モータと連結されるボールスクリューシャフト;を含み、前記移送ナットは、前記ボールスクリューシャフトに結合されて、前記ハウジングの内部に装着されたガイドレールに案内されながら前記ボールスクリューシャフトに沿って移動可能であり、前記フォークは、前記移送ナットから前記ハウジングの開放部を介して前記スリーブの方向に延長されて、前記スリーブと連結されることができる。
【0019】
また、前記ガイドレールは、一側が第2弾性部材によって弾性支持され、前記第2弾性部材は、一側が前記ハウジングの収容孔に挿入され、他側は前記ガイドレールの一側に備えられる係止突起に係止されるように組み立てられることができる。
【0020】
また、前記ピニオンギアは、前記一側サイドギアと対向する他側サイドギアと噛合されることができる。
【0021】
また、前記サポートリングの外径部で前記ピニオンギアの中心を貫通するように結合ピンが結合されることができる。
【0022】
また、前記サポートリングの一側で前記結合ピンを貫通するように固定ピンが結合されることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、スリーブの第1作動によって第1クラッチリングの第1クラッチ部がサポートリングの第3クラッチ部に噛合されて、四輪駆動が実現されることができる。
【0024】
また、本発明は、スリーブの第2作動によって、第1クラッチ部と第3クラッチ部との噛合状態で、第2クラッチリングの第2クラッチ部が一側サイドギアの第4クラッチ部に噛合されて、差動制限が実現されることができる。
【0025】
また、本発明は、第2クラッチ部と第4クラッチ部との噛合解除および第1クラッチ部と第2クラッチ部との噛合解除による二輪駆動モードで走行時に惰力走行する補助駆動輪の場合、2つのサイドギアおよび4つのピニオンギアを含むディファレンシャルギアセットを支持するサポートリングが一緒に回転することによって、従来の高差動による騷音問題を解決することができる。
【0026】
また、本発明は、アクチュエータ装置のモジュール化を通じて、組立性および修理が容易になり、不良率を減少させることができる。
【0027】
また、本発明は、全長を大幅に縮小することができ、これにより、重量およびパッケージング搭載性を大幅に向上させることができる。
【0028】
また、本発明は、従来のディスコネクタシャフトなどのような部品を削除することができ、アクチュエータ装置のモジュール化によって部品数が減少されて、空間性、重量、コストの面で有利である。
【0029】
また、本発明は、アクチュエータ装置のモジュール化により、組立工程を単純化することができる。
【0030】
また、本発明は、アクチュエータ装置のモジュール化により、第1クラッチリング、サポートリングの搭載空間さえ確保すればどの減速器にも装着が可能であるので、開発期間の短縮および高い汎用性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の好ましい一実施形態によるディスコネクタ装置の斜視図である。
図2】本発明の好ましい一実施形態によるディスコネクタ装置の側断面図である。
図3】本発明の好ましい一実施形態による四輪駆動時に第1クラッチ部が第3クラッチ部に噛合状態を示す図面である。
図4】本発明の好ましい一実施形態による差動解除時に第1クラッチ部が第3クラッチ部に噛合状態で第2クラッチ部が第4クラッチ部に噛合された状態を示す図面である。
図5】本発明の好ましい一実施形態による二輪駆動時に第2クラッチ部と第4クラッチ部との噛合解除および第1クラッチ部と第3クラッチ部との噛合解除状態を示す図面である。
図6】本発明の好ましい一実施形態によるアクチュエータ装置を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付された図面を参照して詳しく説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付ける際において、同じ構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同じ符号を付けるようにしていることに留意すべきである。また、本発明を説明する際において、係わる公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする虞があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。以下、本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定されたり制限されず、当業者によって変形されて多様に実施され得ることは勿論である。
【0033】
本発明は、電気自動車(Electric Vehicle、Battery Electric Vehicle、EV)はもちろん、内燃機関自動車(Internal Combustion Engine、ICE)、ハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)などに適用し得る。
【0034】
図1は、本発明の好ましい一実施形態によるディスコネクタ装置の斜視図であり、図2は、本発明の好ましい一実施形態によるディスコネクタ装置の側断面図である。
【0035】
図1、2に示されたように、本発明は、ケース110、四輪駆動のための第1クラッチリング130、および差動解除のための第2クラッチリング140を含む。
【0036】
ケース110は、内部にサポートリング120、ピニオンギア153、ピニオンギア153と噛合される一側サイドギア151および他側サイドギア152が装着されることができる。
【0037】
第1クラッチリング130は、一部がケース110の内部に結合され、一部はケース110の外側に露出されてもよい。
【0038】
ケース110の外側にファイナルギヤまたは減速ギアなどのような動力伝達部材190が結合されることができる。動力伝達部材190にエンジンまたは駆動モータなどのような動力発生装置(図示しない)の動力が伝達されることができる。動力伝達部材190に伝達された動力は、ケース110に伝達されることができる。
【0039】
第1クラッチリング130は第1クラッチ部131を含む。第1クラッチ部131は、第1クラッチリング130のサポートリング120に向かう一側に備えられてもよい。
【0040】
例えば、第1クラッチ部131は、ドッグクラッチ(dog clutch)で構成されてもよい。
【0041】
第2クラッチリング140は、第1クラッチリング130の内部に挿入されることができる。第2クラッチリング140は、第2クラッチ部142を含む。第2クラッチ部142は、第2クラッチリング140の一側サイドギア151に向かう一側に備えられてもよい。
【0042】
例えば、第2クラッチ部142は、ドッグクラッチ(dog clutch)で構成されてもよい。
【0043】
第1クラッチ部131は、サポートリング120の一側に備えられる第3クラッチ部123に噛合されることができる。第2クラッチ部142は、一側サイドギア151の一側に備えられる第4クラッチ部151aに噛合されることができる。
【0044】
例えば、第3クラッチ部123と第4クラッチ部151aはドッグクラッチ(dog clutch)で構成されてもよい。
【0045】
第1クラッチリング130は、複数の脚部132を備えてもよい。脚部132は、第1クラッチリング130の他側でスリーブ160方向に延長されることができる。脚部132の末端部はケース110の貫通孔111を介して外部に露出されることができる。脚部132の末端部はスリーブ160の連結部161と連結されることができる。
【0046】
例えば、脚部132は、第1クラッチリング130の中心を軸として4つが等間隔で形成されてもよい。
【0047】
例えば、脚部132は、スリーブ160の連結部161とボルトなどのような結合部材133によって連結されてもよい。例えば、脚部132は、連結部161と溶接(welding)によって連結されてもよい。
【0048】
第2クラッチリング140の段差部145に挿入溝145aが備えられてもよい。挿入溝145aは、複数で構成される第1クラッチリング130の脚部132に符合するように構成されてもよい。
【0049】
挿入溝145aにスリーブ160の連結部161が挿入されることができる。連結部161は挿入溝145aに挿入された状態で挿入溝145aの案内を受けながら安定的に作動することができる。
【0050】
スリーブ160の連結部161と第2クラッチリング140の外径部に備えられる係止部143との間に第1弾性部材S1が備えられてもよい。例えば、第1弾性部材S1は、リターンスプリングであってもよい。
【0051】
第1弾性部材S1は、スリーブ160がサポートリング120などのような噛合方向に移動する時、スリーブ160の連結部161によって加圧されて圧縮されることができる。第1弾性部材S1は、スリーブ160の加圧力が消えると伸長しながら、スリーブ160を噛合解除方向に移動させることができる。
【0052】
スリーブ160は、第1弾性部材S1の弾性力によって第2クラッチリング140の他側外径部に備えられるストッパ144に係止された状態で噛合解除方向に移動することができる。
【0053】
スリーブ160がストッパ144に係止された状態で、第1弾性部材S1の弾性力によって噛合解除方向に押されることによって、第2クラッチ部142と第4クラッチ部151aとの噛合解除、および第1クラッチ部131と第3クラッチ部123との噛合解除が実現されることができる。
【0054】
サポートリング120の内部にピニオンギア153が装着されることができる。ピニオンギア153は、一側サイドギア151および一側サイドギア151と対向する他側サイドギア152と噛合されることができる。
【0055】
サポートリング120の外径部でピニオンギア153の中心を貫通するように結合ピン180が結合されることができる。サポートリング120の一側で結合ピン180を貫通するように固定ピン170が結合されることができる。
【0056】
図3は、本発明の好ましい一実施形態による四輪駆動時に第1クラッチ部が第3クラッチ部に噛合状態を示す図面である。
【0057】
図1、3に示されたように、アクチュエータ装置200の第1作動によってスリーブ160の第1作動が実現されることができる。
【0058】
スリーブ160は、第1作動のとき、設定された第1ストロークSTだけ移動しながら第1クラッチリング130をサポートリング120方向に押して、第1クラッチリング130の第1クラッチ部131がサポートリング120の第3クラッチ部123に噛合されるようにすることができる。これにより、四輪駆動が実現されることができる。
【0059】
同時に、スリーブ160のサポートリング120に向かう加圧面162は、第2クラッチリング140の他側外径部に設けられる段差部145に接触されることができる。
【0060】
図4は、本発明の好ましい一実施形態による差動解除時に第1クラッチ部が第3クラッチ部に噛合状態で第2クラッチ部が第4クラッチ部に噛合された状態を示す図面である。
【0061】
図4に示されたように、アクチュエータ装置200の第2作動によってスリーブ160の第2作動が実現されることができる。
【0062】
スリーブ160は、第2作動のとき、設定された第2ストロークだけ移動しながら加圧面162が段差部145に接触状態で段差部145を一側サイドギア151の方向に押して、第2クラッチリング140の第2クラッチ部142が一側サイドギア151の第4クラッチ部151aに噛合されるようにすることができる。これにより、差動制限が実現されることができる。
【0063】
図6は、本発明の好ましい一実施形態によるアクチュエータ装置を示す図面である。
【0064】
図2、6に示されたように、スリーブ160はフォーク270と連結されることができる。フォーク270はアクチュエータ装置200の移送ナット250に備えられてもよい。
【0065】
アクチュエータ装置200は、ハウジング210、モータ220、およびボールスクリューシャフト230を含むことができる。モータ220はハウジング210に結合されることができる。ボールスクリューシャフト230はモータ220と連結されて、モータ220の駆動によって回転することができる。
【0066】
ボールスクリューシャフト230は、ハウジング210の内部でベアリング(bearing)などのような支持部材240によって回転可能に支持されることができる。
【0067】
移送ナット250は、ハウジング210の内部に備えられてもよい。移送ナット250はボールスクリューシャフト230に結合されて、ハウジング210の内部に装着されたガイドレール260に案内されながらボールスクリューシャフト230の回転作動のとき、ボールスクリューシャフト230に沿って移動することができる。
【0068】
ガイドレール260の一側に第2弾性部材S2が結合されることができる。例えば、第2弾性部材S2はリターンスプリングであってもよい。第2弾性部材S2はガイドレール260を弾性支持することができる。
【0069】
第2弾性部材S2の一側は、ハウジング210の収容孔212に挿入されることができる。
【0070】
第2弾性部材S2の他側は、ガイドレール260の一側に備えられる係止突起261に係止されるように組み立てられることができる。
【0071】
フォーク270は、移送ナット250からハウジング210の開放部211を介してスリーブ160の方向に延長されることができる。フォーク270はスリーブ160と連結されることができる。
【0072】
以下、本発明の四輪駆動時の作動について説明する。
【0073】
図1、3のように、アクチュエータ装置200のモータ220駆動によってボールスクリューシャフト230が回転し、それによって移送ナット250が移動することができる。
【0074】
移送ナット250が移動することによって、移送ナット250と一体に構成されたフォーク270がスリーブ160を移動させることができる。
【0075】
アクチュエータ装置200の第1作動によって、スリーブ160が第1作動をしながら第1ストロークSTだけ移動することができる。
【0076】
スリーブ160が第1作動をしながら第1ストロークSTだけ移動することによって、第1クラッチリング130がスリーブ160に押されてサポートリング120の方向に移動することができる。
【0077】
第1クラッチリング130がサポートリング120の方向に移動することによって、第1クラッチリング130の第1クラッチ部131がサポートリング120の第3クラッチ部123に噛合されることができる。これにより、四輪駆動(Four Wheel Drive、4WD)が実現されることができる。
【0078】
この際、サポートリング120に向かうスリーブ160の加圧面162が第2クラッチリング140の段差部145に接触されることができる。
【0079】
四輪駆動のとき、エンジンまたは駆動モータなどのような動力発生装置(図示しない)の動力は動力伝達部材190に伝達されることができる。
【0080】
動力発生装置の動力は、動力伝達部材190を経てケース110に伝達されることができる。ケース110が回転することによって、サポートリング120が回転することができる。サポートリング120は、第1クラッチリング130と結合されて、ケース110と一緒に回転することができる。
【0081】
サポートリング120がケース110と一緒に回転することによって、動力はピニオンギア153と噛合された一側サイドギア151および他側サイドギア152に伝達されて、一側サイドギア151および他側サイドギア152が回転することができる。
【0082】
一側サイドギア151と他側サイドギア152が回転することによって、動力は一側サイドギア151および他側サイドギア152と連結された両側補助駆動輪(図示しない)に伝達されて、両側補助駆動輪が回転することができる。これにより、主駆動輪(図示しない)はもちろん、補助駆動輪に動力伝達装置の動力が伝達される四輪駆動が実現されることができる。
【0083】
その次、本発明の差動解除時の作動について説明する。
【0084】
図2、4のように、第1クラッチ部131が第3クラッチ部123に噛合され、スリーブ160の加圧面162が第2クラッチリング140の段差部145に接触状態でアクチュエータ装置200の第2作動によってスリーブ160が第2作動をしながら第2ストロークだけ移動することができる。
【0085】
スリーブ160が第2作動をしながら第2ストロークだけ移動することによって、加圧面162が段差部145を一側サイドギア151の方向に押して、第2クラッチリング140の第2クラッチ部142が一側サイドギア151の第4クラッチ部151aに噛合されるようにすることができる。これにより、差動制限が実現されることができる。
【0086】
例えば、差動駆動状態で、車の一方の駆動輪が泥沼などのような悪路にはまった場合、左、右駆動輪が受ける回転抵抗が異なるため、一側サイドギア151と他側サイドギア152との間に相対的な速度差が発生し、これにより悪路にはまった駆動輪が空回して、悪路からの脱出が不可能になる。
【0087】
しかしながら、本発明は、第1クラッチ部131が第3クラッチ部123に噛合され、第2クラッチ部142が第4クラッチ部151aに噛合された差動制限状態で、一側サイドギア151と他側サイドギア152が同じ速度で回転するので、一方の駆動輪が泥沼などのような悪路にはまっても悪路から脱出することができる。
【0088】
その次、本発明の二輪駆動時の作動について説明する。
【0089】
図5は、本発明の好ましい一実施形態による二輪駆動時に第2クラッチ部と第4クラッチ部との噛合解除および第1クラッチ部と第3クラッチ部との噛合解除状態を示す図面である。
【0090】
図2、5、6のように、第1クラッチ部131と第3クラッチ部123との噛合および第2クラッチ部142と第4クラッチ部151aとの噛合時に圧縮されていた第1弾性部材S1は、スリーブ160の加圧力が消えると元の状態に伸長しながら、スリーブ160を噛合解除方向に移動させることができる。
【0091】
第1弾性部材S1の弾性力によって、スリーブ160が噛合解除方向に移動することによって、第2クラッチ部142と第4クラッチ部151aとの噛合解除および第1クラッチ部131と第3クラッチ部123との噛合解除が実現されることができる。これにより、二輪駆動(Two Wheel Drive、2WD)が実現されることができる。
【0092】
他の実施形態として、二輪駆動はアクチュエータ装置200の解除作動によって実現され得る。
【0093】
具体的には、アクチュエータ装置200のモータ220の駆動によってボールスクリューシャフト230が回転し、それによって、移送ナット250が噛合解除方向に移動することができる。
【0094】
移送ナット250が噛合解除方向に移動することによって、移送ナット250と一体に構成されたフォーク270がスリーブ160を噛合解除方向に移動させることができる。
【0095】
スリーブ160が噛合解除方向に移動することによって、第2クラッチ部142と第4クラッチ部151aとの噛合解除および第1クラッチ部131と第3クラッチ部123との噛合解除が実現されることができる。第1弾性部材S1は、スリーブ160の噛合解除方向への移動に役立つ。
【0096】
第2クラッチ部142と第4クラッチ部151aとの噛合解除および第1クラッチ部131と第3クラッチ部123との噛合解除状態で、エンジンまたは駆動モータなどのような動力発生装置(図示しない)の動力が遮断されて、動力発生装置の動力は動力伝達部材190に伝達されない。
【0097】
両側補助駆動輪(図示しない)は惰力走行(coasting)をし、両側補助駆動輪の回転力は一側サイドギア151と他側サイドギア152に伝達されて、一側サイドギア151と他側サイドギア152が回転することができる。
【0098】
一側サイドギア151および他側サイドギア152は、ピニオンギア153と噛合状態で一側サイドギア151および他側サイドギア152が回転することによって、サポートリング120も一側サイドギア151および他側サイドギア152とともに回転することができる。
【0099】
この際、サポートリング120は、第1クラッチリング130と噛合解除状態でケース110の内部で自在に回転することができる。これにより、補助駆動輪は惰力走行をし、主駆動輪のみ走行する二輪駆動走行が実現されることができる。
【0100】
例えば、電気自動車は高い回転数で運行するため、高差動騷音が発生するしかないが、本発明は、ケース110の内部でサポートリング120が回転することによって、従来の高差動騷音発生問題を解決することができる。
【0101】
例えば、アクチュエータ装置200およびスリーブ160の作動を、便宜上、第1作動および第2作動に区分したが、アクチュエータ装置200とスリーブ160の第1作動および第2作動は途切れることなく一つの作動で行われてもよい。
【0102】
以上の説明は、本発明の技術的思想を例示的に説明したことに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正、変更および置換が可能であるはずである。よって、本発明に開示された実施形態および添付された図面は、本発明の技術的思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施形態および添付された図面によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、特許請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術的思想は、本発明の権利範囲に含まれることに解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0103】
110 ・・・ケース
111 ・・・貫通孔
120 ・・・サポートリング
123 ・・・第3クラッチ部
130 ・・・第1クラッチリング
131 ・・・第1クラッチ部
132 ・・・脚部
133 ・・・結合部材
140 ・・・第2クラッチリング
142 ・・・第2クラッチ部
143 ・・・係止部
144 ・・・ストッパ
145 ・・・段差部
145a ・・・挿入溝
151 ・・・一側サイドギア
151a ・・・第4クラッチ部
152 ・・・他側サイドギア
153 ・・・ピニオンギア
160 ・・・スリーブ
161 ・・・連結部
162 ・・・加圧面
170 ・・・固定ピン
180 ・・・結合ピン
190 ・・・動力伝達部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6