(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177078
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】オーバーレイ計測装置及びオーバーレイ計測方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241212BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20241212BHJP
G03F 9/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01L21/66 J
H01L21/02 A
G03F9/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077068
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0074412
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン ユン
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン キュン
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
【Fターム(参考)】
2H197DA03
2H197EA17
2H197EA19
2H197EB16
2H197EB23
2H197HA03
2H197JA23
4M106AA01
4M106BA04
4M106BA05
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB07
4M106DB08
4M106DB12
4M106DB13
4M106DB14
4M106DB15
4M106DB20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】測定の正確度が高くなり、作業者の工数を削減するオーバーレイ計測装置及びオーバーレイ計測方法をを提供する。
【解決手段】オーバーレイ計測装置は、ウエハWに形成された複数のオーバーレイターゲットTに照明を指向させる光源部100、照明を測定位置に集光させる対物レンズ210及び対物レンズと測定位置でウエハの表面からの距離を調節するレンズ焦点アクチュエータ220が形成されるレンズ部200、測定位置での焦点イメージを取得する検出部300、ウエハが載置されるステージ500並びに予め設定された収集型オーバーレイターゲットを測定するように、レンズ部、検出部及びステージを制御し、レンズ部の視野中心から離隔したターゲット座標を収集し、ターゲット座標を介して補正値を算出し、ステージを補正値を適用して移動させ、少なくとも1つ以上の適用型オーバーレイターゲットを測定するように制御する制御部400を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハに形成された複数のオーバーレイターゲットに照明を指向させるように構成された光源部と、
前記照明を前記複数のオーバーレイターゲットのいずれか一つの地点の測定位置に集光させる対物レンズ、及び前記対物レンズと前記測定位置で前記ウエハの表面からの距離を調節するレンズ焦点アクチュエータが形成されるレンズ部と、
前記測定位置で反射されたビームを介して、前記測定位置での焦点イメージを取得する検出部と、
前記ウエハが載置されるステージと、
前記複数のオーバーレイターゲットのうちの予め設定された収集型オーバーレイターゲットを測定するように前記レンズ部、前記検出部及び前記ステージを制御し、前記レンズ部の視野中心から離隔したターゲット座標を収集し、前記ターゲット座標を介して補正値を算出し、前記ステージを前記補正値を適用して移動させ、前記複数のオーバーレイターゲットのうち少なくとも1つ以上の適用型オーバーレイターゲットを測定するように制御する制御部と、
を含む、オーバーレイ計測装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ステージの移動を制御するステージ動作部と、
前記検出部で取得された前記収集型オーバーレイターゲットのイメージ及び前記適用型オーバーレイターゲットのイメージを格納する格納部と、
前記収集型オーバーレイターゲットが前記レンズ部の視野中心から離隔したターゲット座標の距離を算出するオフセット算出部と、
前記ターゲット座標を介して前記補正値を算出する補正値算出部と、
を含む、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項3】
前記ステージ動作部は、
前記収集型オーバーレイターゲットを測定する際に、前記ウエハの中心から最も近いサイトに形成された前記収集型オーバーレイターゲットから、前記ウエハの中心から遠いサイトに形成された前記収集型オーバーレイターゲットまで順次計測できるように前記ステージを制御する、請求項2に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項4】
前記補正値算出部は、
前記検出部で繰り返して測定された複数の前記ターゲット座標と、前記レンズ部の視野中心との離隔距離の平均を補正値として算出する、請求項2に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項5】
前記オフセット算出部は、
前記適用型オーバーレイターゲットが前記レンズ部の視野中心から離隔した追加のターゲット座標の距離を算出する、請求項2に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項6】
前記レンズ部及び前記検出部は、前記ウエハに形成されたグローバルマークを測定することができ、
前記制御部は、前記グローバルマークを通じて前記ウエハの基準座標を算出し、前記ステージと前記ウエハとの誤整列を補正できるように、前記基準座標を適用して前記補正値を算出する、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項7】
ウエハが載置されたステージを移動させて、レンズ部及び検出部で複数のオーバーレイターゲットのうち少なくとも1つ以上の収集型オーバーレイターゲットを測定し、前記収集型オーバーレイターゲットが前記レンズ部の視野中心から離隔したターゲット座標を収集し、前記収集型オーバーレイターゲットのオーバーレイ値を計測する収集型オーバーレイ計測ステップと、
前記ステージの移動時に発生する誤差を補正するために、前記ターゲット座標を介して補正値を算出する補正値算出ステップと、
前記補正値を適用して前記ステージを移動させ、前記レンズ部及び前記検出部で複数のオーバーレイターゲットのうち少なくとも1つ以上の適用型オーバーレイターゲットを測定し、前記適用型オーバーレイターゲットのオーバーレイ値を計測する適用型オーバーレイ計測ステップと、
を含む、オーバーレイ計測方法。
【請求項8】
前記収集型オーバーレイ計測ステップは、
前記レンズ部が前記収集型オーバーレイターゲットが形成されたサイトの上方に位置するように、前記ウエハが載置されたステージを移動させる第1ステージ移動ステップと、
前記レンズ部及び前記検出部で前記収集型オーバーレイターゲットを測定する第1パターン測定ステップと、
前記収集型オーバーレイターゲットが前記視野中心を基準として離隔したターゲット座標の距離を算出するオフセット算出ステップと、
を含む、請求項7に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項9】
前記収集型オーバーレイ計測ステップは、
前記複数のオーバーレイターゲットのうち、第1収集型オーバーレイターゲット、第2収集型オーバーレイターゲットから第n収集型オーバーレイターゲットを測定して、前記レンズ部の視野中心からそれぞれの収集型オーバーレイターゲットが離隔した第1ターゲット座標、第2ターゲット座標から第nターゲット座標を収集できるように、計測を繰り返して行う、請求項7に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項10】
前記収集型オーバーレイ計測ステップにおいて、
前記第1収集型オーバーレイターゲット、前記第2収集型オーバーレイターゲットから前記第n収集型オーバーレイターゲットは、前記ウエハの中心から最も近いサイトから、前記ウエハの中心から遠ざかる順に設定され、
前記ウエハの中心から最も近いサイトに位置する第1収集型オーバーレイターゲットが形成された位置に前記ステージが移動して前記第1収集型オーバーレイターゲットを計測し、前記ウエハの中心から2番目に近いサイトに位置する第2収集型オーバーレイターゲットが形成された位置に前記ステージが移動して前記第2収集型オーバーレイターゲットを計測する、請求項9に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項11】
前記補正値算出ステップは、
前記収集型オーバーレイ計測ステップで繰り返して測定された複数のターゲット座標と、前記レンズ部の視野中心との離隔距離の平均を補正値として算出する、請求項7に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項12】
前記適用型オーバーレイ計測ステップは、
前記レンズ部が前記適用型オーバーレイターゲットが形成されたサイトの上方に位置するように前記ステージを移動させる際に、前記補正値を適用して前記ステージを移動させる第2ステージ移動ステップと、
前記レンズ部及び前記検出部で前記適用型オーバーレイターゲットを測定する第2パターン測定ステップと、
を含む、請求項7に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項13】
前記適用型オーバーレイ計測ステップは、
前記複数のオーバーレイターゲットのうち、第1適用型オーバーレイターゲット、第2適用型オーバーレイターゲットから第n適用型オーバーレイターゲットを測定するように繰り返して行い、
前記第1適用型オーバーレイターゲット、前記第2適用型オーバーレイターゲットから前記第n適用型オーバーレイターゲットの測定のための前記ステージの移動時にそれぞれ前記補正値を適用する、請求項7に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項14】
前記適用型オーバーレイ計測ステップの後に、
前記補正値算出ステップを繰り返し、
前記適用型オーバーレイ計測ステップにおいて、前記適用型オーバーレイターゲットが前記視野中心を基準として離隔した追加のターゲット座標の距離を算出し、
前記補正値算出ステップにおいて、前記追加のターゲット座標を適用して前記補正値を算出する、請求項7に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項15】
収集型オーバーレイ計測ステップの前に、
前記レンズ部及び前記検出部で前記ウエハに形成されたグローバルマークを測定して前記ウエハの基準座標を算出するウエハ座標算出ステップをさらに含み、
前記補正値算出ステップにおいて、
前記ステージと前記ウエハとの誤整列を補正するために、前記補正値に前記基準座標を適用して算出する、請求項7に記載のオーバーレイ計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハのオーバーレイの計測に関し、オーバーレイ計測装置及びオーバーレイ計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、技術が発展するにつれて、半導体デバイスのサイズが小さくなり、ウエハ上の集積回路の密度は増加している。集積回路をウエハに形成するためには、特定の位置で所望の回路構造及び要素が順次形成されるように多くの製造過程を経なければならない。このような製造過程は、ウエハ上にパターン化された層を順次生成するようにする。
【0003】
このような繰り返される積層工程を通じて、集積回路内に電気的に活性化されたパターンが生成される。このとき、それぞれの構造が、生産工程で許容される誤差範囲内に整列されないと、電気的に活性化されたパターン間に干渉が生じ、このような現象により、製造された回路の性能及び信頼度に問題が発生し得る。このような層間の整列誤差を測定及び検証するために、オーバーレイ計測装置を用いて、ウエハに対するイメージでの明暗又は位相差を介して焦点位置を探す。
【0004】
このとき、ウエハのそれぞれのレイヤ上に形成されたパターンを計測するために、ウエハをステージに載置させた後、ウエハの上部の様々な位置に形成されたパターンを検出するようになる。
【0005】
しかし、ウエハがステージの定位置に載置されず、一部ずれたり、回転した状態でステージに載置され得、このとき、パターンを検出するためにステージを移動させてパターンを探す時間が長くかかるという問題がある。
【0006】
また、ウエハの上部で様々な位置に形成されたパターンを検出するために、それぞれの位置にステージを移動させるようになり、このとき、光学装置とステージとの間に微細に垂直整列がなされないか、または光学装置の整列(Optics alignment)、レンズの性能(Lens quality)、ステージのレベル(Stage leveling)、ステージの移動時に発生する振動、移動時に発生する誤差などの問題から、移動の度にパターンを視野角の中心に整列しなければならないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点を含め、様々な問題点を解決するためのものであって、ウエハとステージとの誤整列、及びステージの移動の度に発生するオフセット量を、オーバーレイ計測の進行中に持続的に計測及び補正することで、補正の正確性を高めることができるオーバーレイ計測装置及びオーバーレイ計測方法を提供することを目的とする。しかし、このような課題は例示的なもので、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によれば、オーバーレイ計測装置が提供される。前記オーバーレイ計測装置は、ウエハに形成された複数のオーバーレイターゲットに照明を指向させるように構成された光源部と;前記照明を前記複数のオーバーレイターゲットのいずれか一つの地点の測定位置に集光させる対物レンズ、及び前記対物レンズと前記測定位置で前記ウエハの表面からの距離を調節するレンズ焦点アクチュエータが形成されるレンズ部と;前記測定位置で反射されたビームを介して、前記測定位置での焦点イメージを取得する検出部と;前記ウエハが載置されるステージと;前記複数のオーバーレイターゲットのうちの予め設定された収集型オーバーレイターゲットを測定するように前記レンズ部、前記検出部及び前記ステージを制御し、前記レンズ部の視野中心から離隔したターゲット座標を収集し、前記ターゲット座標を介して補正値を算出し、前記ステージを前記補正値を適用して移動させ、前記複数のオーバーレイターゲットのうち少なくとも1つ以上の適用型オーバーレイターゲットを測定するように制御する制御部と;を含むことができる。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記制御部は、前記ステージの移動を制御するステージ動作部と;前記検出部で取得された前記収集型オーバーレイターゲットのイメージ及び前記適用型オーバーレイターゲットのイメージを格納する格納部と;前記収集型オーバーレイターゲットが前記レンズ部の視野中心から離隔したターゲット座標の距離を算出するオフセット算出部と;前記ターゲット座標を介して前記補正値を算出する補正値算出部と;を含むことができる。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記ステージ動作部は、前記収集型オーバーレイターゲットを測定する際に、前記ウエハの中心から最も近いサイトに形成された前記収集型オーバーレイターゲットから、前記ウエハの中心から遠いサイトに形成された前記収集型オーバーレイターゲットまで順次計測できるように前記ステージを制御することができる。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記補正値算出部は、前記検出部で繰り返して測定された複数の前記ターゲット座標と、前記レンズ部の視野中心との離隔距離の平均を補正値として算出することができる。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記オフセット算出部は、前記適用型オーバーレイターゲットが前記レンズ部の視野中心から離隔した追加のターゲット座標の距離を算出することができる。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記レンズ部及び前記検出部は、前記ウエハに形成されたグローバルマークを測定することができ、前記制御部は、前記グローバルマークを通じて前記ウエハの基準座標を算出し、前記ステージと前記ウエハとの誤整列を補正できるように、前記基準座標を適用して前記補正値を算出することができる。
【0014】
本発明の一実施例によれば、オーバーレイ計測方法が提供される。前記オーバーレイ計測方法は、ウエハが載置されたステージを移動させて、レンズ部及び検出部で複数のオーバーレイターゲットのうち少なくとも1つ以上の収集型オーバーレイターゲットを測定し、前記収集型オーバーレイターゲットが前記レンズ部の視野中心から離隔したターゲット座標を収集し、前記収集型オーバーレイターゲットのオーバーレイ値を計測する収集型オーバーレイ計測ステップと;前記ステージの移動時に発生する誤差を補正するために、前記ターゲット座標を介して補正値を算出する補正値算出ステップと;前記補正値を適用して前記ステージを移動させ、前記レンズ部及び前記検出部で複数のオーバーレイターゲットのうち少なくとも1つ以上の適用型オーバーレイターゲットを測定し、前記適用型オーバーレイターゲットのオーバーレイ値を計測する適用型オーバーレイ計測ステップと;を含むことができる。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記収集型オーバーレイ計測ステップは、前記レンズ部が前記収集型オーバーレイターゲットが形成されたサイトの上方に位置するように、前記ウエハが載置されたステージを移動させる第1ステージ移動ステップと;前記レンズ部及び前記検出部で前記収集型オーバーレイターゲットを測定する第1パターン測定ステップと;前記収集型オーバーレイターゲットが前記視野中心を基準として離隔したターゲット座標の距離を算出するオフセット算出ステップと;を含むことができる。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記収集型オーバーレイ計測ステップは、前記複数のオーバーレイターゲットのうち、第1収集型オーバーレイターゲット、第2収集型オーバーレイターゲット~第n収集型オーバーレイターゲットを測定して、前記レンズ部の視野中心からそれぞれの収集型オーバーレイターゲットが離隔した第1ターゲット座標、第2ターゲット座標~第nターゲット座標を収集できるように、計測を繰り返して行うことができる。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記収集型オーバーレイ計測ステップにおいて、前記第1収集型オーバーレイターゲット、前記第2収集型オーバーレイターゲット~前記第n収集型オーバーレイターゲットは、前記ウエハの中心から最も近いサイトから、前記ウエハの中心から遠ざかる順に設定され、前記ウエハの中心から最も近いサイトに位置する第1収集型オーバーレイターゲットが形成された位置に前記ステージが移動して前記第1収集型オーバーレイターゲットを計測し、前記ウエハの中心から2番目に近いサイトに位置する第2収集型オーバーレイターゲットが形成された位置に前記ステージが移動して前記第2収集型オーバーレイターゲットを計測することができる。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記補正値算出ステップは、前記収集型オーバーレイ計測ステップで繰り返して測定された複数のターゲット座標と、前記レンズ部の視野中心との離隔距離の平均を補正値として算出することができる。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記適用型オーバーレイ計測ステップは、前記レンズ部が前記適用型オーバーレイターゲットが形成されたサイトの上方に位置するように前記ステージを移動させる際に、前記補正値を適用して前記ステージを移動させる第2ステージ移動ステップと;前記レンズ部及び前記検出部で前記適用型オーバーレイターゲットを測定する第2パターン測定ステップと;を含むことができる。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記適用型オーバーレイ計測ステップは、前記複数のオーバーレイターゲットのうち、第1適用型オーバーレイターゲット、第2適用型オーバーレイターゲット~第n適用型オーバーレイターゲットを測定するように繰り返して行い、前記第1適用型オーバーレイターゲット、前記第2適用型オーバーレイターゲット~前記第n適用型オーバーレイターゲットの測定のための前記ステージの移動時にそれぞれ前記補正値を適用することができる。
【0021】
本発明の一実施例によれば、前記適用型オーバーレイ計測ステップの後に、前記補正値算出ステップを繰り返し、前記適用型オーバーレイ計測ステップにおいて、前記適用型オーバーレイターゲットが前記視野中心を基準として離隔した追加のターゲット座標の距離を算出し、前記補正値算出ステップにおいて、前記追加のターゲット座標を適用して前記補正値を算出することができる。
【0022】
本発明の一実施例によれば、収集型オーバーレイ計測ステップの前に、前記レンズ部及び前記検出部で前記ウエハに形成されたグローバルマークを測定して前記ウエハの基準座標を算出するウエハ座標算出ステップ;をさらに含み、前記補正値算出ステップにおいて、前記ステージと前記ウエハとの誤整列を補正するために、前記補正値に前記基準座標を適用して算出することができる。
【発明の効果】
【0023】
前記のようになされた本発明の一部の実施例によれば、予め設定されたオーバーレイターゲットにおいて測定位置からのオフセット値を算出し、これを他のオーバーレイターゲットに補正値として適用することによって、ステージの移動の度に発生する誤差を補正し、測定の度に発生する誤差を減少させることができ、また、測定位置に移動する移動時間を節約することができ、これによって、測定の正確度が高くなり、作業者の工数を削減することができる効果を有する。もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例に係るオーバーレイ計測装置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明のオーバーレイ計測装置の制御部を示す図である。
【
図3】本発明の様々な実施例に係るオーバーレイ計測方法を示す図である。
【
図4】本発明の様々な実施例に係るオーバーレイ計測方法を示す図である。
【
図5】本発明の様々な実施例に係るオーバーレイ計測方法を示す図である。
【
図6】本発明の様々な実施例に係るオーバーレイ計測方法を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るグローバルマーク及び複数のオーバーレイターゲットが形成されたウエハがステージに載置されたことを示す上面図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る収集型オーバーレイ計測ステップを示す上面図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る収集型オーバーレイ計測ステップを示す上面図である。
【
図10】本発明の一実施例に係る適用型オーバーレイ計測ステップを示す上面図である。
【
図11】本発明の一実施例に係る適用型オーバーレイ計測ステップを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい様々な実施例を詳細に説明する。
【0026】
本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものである。
【0027】
以下、本発明の実施例は、本発明の理想的な実施例を概略的に示す図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術及び/又は公差(tolerance)によって、図示された形状の変形が予想され得る。したがって、本発明の思想の実施例は、本明細書に図示された領域の特定の形状に制限されるものと解釈されてはならず、例えば、製造上招かれる形状の変化を含まなければならない。
【0028】
オーバーレイ計測システムは、ウエハWに形成された互いに異なる層にそれぞれ形成された第1オーバーレイキーと第2オーバーレイキーとの間の誤差を計測するシステムである。
【0029】
例えば、第1オーバーレイキーは、前の層(previous layer)に形成されたオーバーレイマークであり、第2オーバーレイキーは、現在の層(current layer)に形成されたオーバーレイマークであり得る。オーバーレイマークは、ダイ領域に半導体デバイスの形成のための層を形成すると同時に、スクライブラインに形成される。例えば、第1オーバーレイキーは、絶縁膜パターンと共に形成され、第2オーバーレイキーは、絶縁膜パターン上に形成されるフォトレジストパターンと共に形成され得る。このような場合、第2オーバーレイキーは、外部に露出しているが、第1オーバーレイキーは、フォトレジスト層によって隠された状態であり、フォトレジスト材料からなる第2オーバーレイキーとは光学的性質が異なる酸化物からなることができる。
【0030】
また、第1オーバーレイキーと第2オーバーレイキーの物理的位置は互いに異なるが、焦点面は同一または異なってもよい。
【0031】
図1は、本発明の一実施例に係るオーバーレイ計測装置を概略的に示す図であり、
図2は、本発明のオーバーレイ計測装置の制御部400を示す図である。
【0032】
まず、本発明の一実施例に係るオーバーレイ計測装置は、大きく、光源部100、レンズ部200、検出部300、制御部400、及びステージ500を含むことができる。
【0033】
光源部100は、
図1に示されたように、ウエハWに形成された複数のオーバーレイターゲットTに照明を指向させることができる。具体的には、光源部100は、ウエハWに積層された第1レイヤに形成される第1オーバーレイキー、及び前記第1レイヤの上方に積層された第2レイヤに形成される第2オーバーレイキーが位置するオーバーレイターゲットTに照明を指向させるように構成され得る。
【0034】
例えば、光源部100は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、スーパーコンティニュームレーザ(supercontinuum laser)、発光ダイオード、レーザー励起ランプ(laser induced lamp)などで形成されてもよく、紫外線(UV、ultraviolet)、可視光線または赤外線(IR、infrared)などの様々な波長を含むことができ、これに限定されない。
【0035】
本発明の一実施例に係るオーバーレイ計測装置は、絞り110、スペクトルフィルター120、偏光フィルター130、及びビームスプリッタ140を含むことができる。
【0036】
絞り110は、光が通過する開口が形成された不透明なプレートで形成され得、光源部100から照射されたビームが複数のオーバーレイターゲットTの撮影に適した形態に変更され得る。
【0037】
絞り110は、光の量を調節する開口絞り(Aperture stop)、及び像が結ばれる範囲を調節する視野絞り(Field Stop)のいずれか1つ以上を含むことができ、
図1のように、光源部100とビームスプリッタ140との間に形成され得、図示していないが、ビームスプリッタ140とレンズ部200との間に形成され得る。
【0038】
スペクトルフィルター120は、光源部100から照射されたビームの中心波長及びバンド幅を、複数のオーバーレイターゲットTに形成された第1オーバーレイキー及び第2オーバーレイキーのイメージの取得に適するように調節することができる。例えば、スペクトルフィルター120は、フィルターホイール、線形並進デバイス、フリッパーデバイス及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ以上で形成されてもよい。
【0039】
ビームスプリッタ140は、光源部100から出た後、絞り110を通過したビームの一部は透過させ、一部は反射させることで、光源部100から出たビームを2つのビームに分離させる。
【0040】
図1に示されたように、レンズ部200は、前記照明を複数のオーバーレイターゲットTのいずれか一つの地点の測定位置に集光させる対物レンズ210、及び対物レンズ210と複数のオーバーレイターゲットTとの距離を調節するレンズ焦点アクチュエータ220が形成され得る。
【0041】
対物レンズ210は、ビームスプリッタ140で反射されたビームを、ウエハWの第1オーバーレイキー及び第2オーバーレイキーが形成された測定位置に集光させ、反射されたビームを収集することができる。
【0042】
対物レンズ210は、レンズ焦点アクチュエータ220(lens focus actuator)に設置され得る。
【0043】
レンズ焦点アクチュエータ220は、対物レンズ200とウエハWとの間の距離を調節して、焦点面が複数のオーバーレイターゲットTに位置するように調節することができる。
【0044】
レンズ焦点アクチュエータ220は、制御部400の制御によって、対物レンズ200をウエハWの方向に垂直移動させて焦点距離を調節することができる。
【0045】
レンズ部200を用いてウエハWを測定する場合、対物レンズ210を制御することによってイメージが撮影される領域が変わり、このとき、対物レンズ210でウエハWを撮影できる領域が視野角FOVである。すなわち、対物レンズ210で視野角FOVを調節することができ、レンズ焦点アクチュエータ220でフォーカスを調節することができる。
【0046】
また、レンズ部200は、ウエハWの定位置を確認するグローバルマークGMを測定することができる。
【0047】
図1に示されたように、検出部300は、前記測定位置で反射されたビームを介して、前記測定位置での焦点イメージを取得することができる。
【0048】
検出部300は、複数のオーバーレイターゲットTから反射されてビームスプリッタ140を通過して出るビームをキャプチャーして、第1オーバーレイキー及び第2オーバーレイキーのイメージを取得することができる。
【0049】
検出部300は、複数のオーバーレイターゲットTから反射されたビームを測定できる光学検出器を含むことができ、例えば、前記光学検出器は、光を電荷に変換させてイメージを抽出する電荷結合素子(CCD、charge-coupled device)、集積回路の一つである相補性金属酸化物半導体(CMOS、complementary metal-oxide-semiconductor)センサ、光を測定する光電増倍管(PMT、photomultiplier tube)、光検波器としてAPD(avalanche photodiode)アレイ、またはイメージを生成あるいはキャプチャーする様々なセンサなどを含むことができる。
【0050】
検出部300は、フィルター、偏光板、及びビームブロックを含むことができ、対物レンズ210によって収集された照明を収集するための任意の収集光学コンポーネント(図示せず)をさらに含むことができる。
【0051】
また、検出部300は、ウエハWの定位置を確認するグローバルマークGMを計測することができる。
【0052】
ステージ500は、ウエハWが上部に載置され、ウエハWを固定するように形成され得、上方に固定されたレンズ部200でウエハWの複数のオーバーレイターゲットTを測定できるように、水平方向に移動及び回転が可能である。
【0053】
図1に示されたように、制御部400は、光源部100から照射される照明の指向を制御することができ、前記照明を複数のオーバーレイターゲットTに集光させ、反射ビームを収集できるようにレンズ部200を制御することができ、レンズ部200で収集された前記反射ビームを介して測定された焦点イメージを取得できるように検出部300を制御し、オーバーレイターゲットがレンズ部200の下方に位置するようにステージ500の移動を制御することができる。
【0054】
また、制御部400は、複数のオーバーレイターゲットTのうちの予め設定された収集型オーバーレイターゲットAを測定するようにレンズ部200、検出部300及びステージ500を制御し、レンズ部200の視野中心Cから離隔したターゲット座標を収集し、前記ターゲット座標を介して補正値を算出し、ステージ500を前記補正値を適用して移動させ、複数のオーバーレイターゲットTのうち少なくとも1つ以上の適用型オーバーレイターゲットBを測定するように制御することができる。
【0055】
具体的には、制御部400は、光源動作部410、レンズ動作部420、ステージ動作部430、格納部440、オフセット算出部450、補正値算出部460、及びオーバーレイ計測部470を含むことができる。
【0056】
図2に示されたように、光源動作部410は、光源部100から照射される照明の指向を制御することができ、レンズ動作部420は、前記照明が複数のオーバーレイターゲットTに集光され、焦点イメージを取得するように、レンズ焦点アクチュエータ220の動作を制御することができる。
【0057】
図2に示されたように、ステージ動作部430は、オーバーレイターゲットがレンズ部200の下方に位置するように、ステージ500の移動を制御することができる。具体的には、ステージ動作部430は、ウエハWに複数形成されたグローバルマークGM、及び複数のオーバーレイターゲットTが形成された位置がレンズ部200によって測定され得るように、ウエハWの移動及び回転を制御することができる。
【0058】
具体的には、ステージ動作部430は、複数のオーバーレイターゲットTのうち、オーバーレイ計測時にオフセットデータを収集する収集型オーバーレイターゲットA、及びオーバーレイ計測時にオフセットデータを適用する適用型オーバーレイターゲットBを検出できるように、ステージ500の移動を制御することができる。例えば、ステージ動作部430は、予め設定された複数のオーバーレイターゲットTの分類に応じて、収集型オーバーレイターゲットAでは、設定された位置にステージ500を移動し、適用型オーバーレイターゲットBでは、設定された位置で後述する補正値を適用してステージ500を移動するように制御することができる。
【0059】
このとき、複数のオーバーレイターゲットTのうち、収集型オーバーレイターゲットA及び適用型オーバーレイターゲットBは予め設定されてもよく、ウエハW毎に異なってもよい。
【0060】
また、ステージ動作部430は、収集型オーバーレイターゲットA及び適用型オーバーレイターゲットBへ、予め設定された計測位置に従ってステージ500を移動するように制御することができる。このとき、予め設定された計測位置は、オーバーレイターゲットの中心を基準として移動するが、実際の移動時には、移動時に発生する誤差により、視野角FOVの視野中心Cがオーバーレイターゲットの中心から外れるようになるため、後述する補正値を適用してステージ500の移動を制御することができる。
【0061】
ステージ動作部430は、収集型オーバーレイターゲットAを測定する際に、ウエハWの中心から最も近いサイトに形成された収集型オーバーレイターゲットAから、ウエハWの中心から遠いサイトに形成された収集型オーバーレイターゲットAまで順次計測できるようにステージ500を制御することができる。
【0062】
また、ステージ動作部430は、適用型オーバーレイターゲットBを測定する際に、ウエハWの中心から最も近いサイトに形成された適用型オーバーレイターゲットAから、ウエハWの中心から遠いサイトに形成された適用型オーバーレイターゲットAまで順次計測できるようにステージ500を制御することができる。
【0063】
図2に示されたように、格納部440は、検出部300で取得された収集型オーバーレイターゲットAのイメージ及び適用型オーバーレイターゲットBのイメージを格納することができる。
【0064】
例えば、ステージ動作部430で、ウエハWに形成された複数のオーバーレイターゲットTがレンズ部200の下方に位置するように制御し、これによって、レンズ動作部420で、対物レンズ210及びレンズ焦点アクチュエータ220を制御して、それぞれの位置で測定された複数のオーバーレイターゲットTのイメージが取得され、格納部440に格納され得る。
【0065】
このとき、格納部440に格納される複数のオーバーレイターゲットTのイメージは、収集型オーバーレイターゲットAと適用型オーバーレイターゲットBとに分類されて格納され得る。
【0066】
収集型オーバーレイターゲットAは、補正値算出部460で算出された補正値が適用されていない状態で測定されたイメージであり、適用型オーバーレイターゲットBは、補正値算出部460で算出された補正値が適用された状態で測定されたイメージである。
【0067】
オフセット算出部450は、複数のオーバーレイターゲットTをレンズ部200で計測し、計測されたオーバーレイターゲットイメージが視野角FOVの視野中心Cから離隔した距離、離隔した位置、回転方向などを算出することができる。
【0068】
具体的には、オフセット算出部450は、収集型オーバーレイターゲットAがレンズ部200の視野中心Cから離隔したターゲット座標の距離を算出することができる。例えば、オフセット算出部450は、視野角FOVの視野中心Cを中心座標(0,0)として設定し、測定されたイメージが中心座標(0,0)を中心にX軸、Y軸に離隔したターゲット座標(x,y)の距離を算出することができる。
【0069】
また、オフセット算出部450は、収集型オーバーレイターゲットAを計測して、視野中心Cから回転した角度を算出することができる。例えば、収集型オーバーレイターゲットAのX軸対称線と視野角FOVのX軸との角度を算出して回転角度を算出することができる。
【0070】
また、オフセット算出部450は、適用型オーバーレイターゲットBがレンズ部200の視野中心Cから離隔した追加のターゲット座標の距離を算出することができ、また、適用型オーバーレイターゲットBの回転角度を算出することができる。
【0071】
補正値算出部460は、前記ターゲット座標を介して補正値を算出することができる。例えば、オフセット算出部450で前記ターゲット座標が(x,y)として算出された場合、(-x,-y)を補正値として算出することができる。
【0072】
また、複数のオーバーレイターゲットTを検出する場合、補正値算出部460は、検出部300で繰り返して測定された複数の前記ターゲット座標と、前記レンズ部の視野中心との離隔距離の平均を補正値として算出することができる。
【0073】
制御部400は、グローバルマークGMを通じてウエハWの基準座標を算出し、ステージ500とウエハWとの誤整列を補正できるように、前記基準座標を適用して前記補正値を算出することができる。
【0074】
具体的には、レンズ部200及び検出部300で計測されたグローバルマークGMを通じて、ウエハWがステージ500に載置された状態を確認することができる。例えば、ステージ500の上部にウエハWが一部ずれて載置されたり、回転して載置される場合、レンズ部200で測定されたグローバルマークGMが一部ずれたり回転して測定され得る。
【0075】
グローバルマークGMを通じて、ウエハWがステージ500からずれた距離及び角度を算出し、これを補正できる基準値を算出することで、複数のオーバーレイターゲットTを計測するためにステージ500を移動させる場合、前記基準値を適用して、ウエハWのオーバーレイターゲットがレンズ部200の視野中心Cに位置するようにすることができる。
【0076】
オーバーレイ計測部470は、オフセット値を収集し、オーバーレイを計測する収集型オーバーレイターゲットA、及び補正値を適用してオーバーレイを計測する適用型オーバーレイターゲットBを含む複数のオーバーレイターゲットTのイメージを通じて、全てのターゲットに対するオーバーレイ値を計測することができる。
【0077】
また、制御部400で行われる一連の過程をユーザがモニタできるように表示部(図示せず)を含むことができ、ユーザが直接制御できる入力部(図示せず)を含むことができる。
【0078】
すなわち、前記表示部を介して、格納部440、オフセット算出部450、補正値算出部460及びオーバーレイ計測部470と、これを通じて算出されるデータ及びイメージを確認することができ、前記入力部を介して、ユーザが光源動作部410、レンズ動作部420、ステージ動作部430を直接制御したり、複数のオーバーレイターゲットTのイメージ、補正値などを直接選定、変更及び算出することができる。
【0079】
これ以外にも、オーバーレイ計測装置は、制御部400によってオーバーレイ計測装置の各構成の動作を制御するようにする命令語、プログラム、ロジックなどを格納するメモリなどを含むことができ、必要に応じて、構成要素が付加、変更または削除されてもよい。
【0080】
すなわち、本発明のオーバーレイ計測装置は、ウエハWに形成された複数のオーバーレイターゲットTのうち予め設定された一部の収集型オーバーレイターゲットAにおいて測定位置からのオフセット値を算出し、これを複数のオーバーレイターゲットTのうちの残りの適用型オーバーレイターゲットBに補正値として適用することによって、ステージ500の移動の度に発生する誤差を補正し、測定の度に発生する誤差を減少させることができ、また、測定位置に移動する移動時間を節約することができる。
【0081】
特に、収集型オーバーレイターゲットAで補正せずにオフセット値を算出することによって、ステージ500の移動による平均オフセット値を算出することができ、適用型オーバーレイターゲットBから補正値を適用することで、測定時間を短縮することができる。
【0082】
図3乃至
図6は、本発明の様々な実施例に係るオーバーレイ計測方法を示す図であり、
図7は、グローバルマークGM及び複数のオーバーレイターゲットTが形成されたウエハWがステージ500に載置されたことを示す上面図であり、
図8及び
図9は、本発明の一実施例に係る収集型オーバーレイ計測ステップS100を示す上面図であり、
図10及び
図11は、本発明の一実施例に係る適用型オーバーレイ計測ステップS300を示す上面図である。
【0083】
本発明の一実施例に係るオーバーレイ計測方法は、収集型オーバーレイ計測ステップS100、補正値算出ステップS200、及び適用型オーバーレイ計測ステップS300を含むことができる。
【0084】
図3に示されたように、収集型オーバーレイ計測ステップS100は、ウエハWが載置されたステージ500を移動させて、レンズ部200及び検出部300で複数のオーバーレイターゲットTのうち少なくとも1つ以上の収集型オーバーレイターゲットAを測定し、収集型オーバーレイターゲットAがレンズ部200の視野中心Cから離隔したターゲット座標を収集し、収集型オーバーレイターゲットAのオーバーレイ値を計測するステップである。
【0085】
具体的には、
図4に示されたように、収集型オーバーレイ計測ステップS100は、第1ステージ移動ステップS110、第1パターン測定ステップS120、及びオフセット算出ステップS(図示せず)を含むことができる。
【0086】
第1ステージ移動ステップS110は、レンズ部200が収集型オーバーレイターゲットAが形成されたサイトの上方に位置するように、ウエハWが載置されたステージ500を移動するステップであり、第1パターン測定ステップS120は、レンズ部200及び検出部300で収集型オーバーレイターゲットAを測定するステップである。
【0087】
オフセット算出ステップS130は、収集型オーバーレイターゲットAが視野中心Cを基準として離隔したターゲット座標の距離を算出するステップである。
【0088】
例えば、第1ステージ移動ステップS110は、第1収集型オーバーレイターゲットA-1がレンズ部200の視野角FOVの中心に位置するように移動することができる。このとき、第1収集型オーバーレイターゲットA-1の中心が視野角FOVの中心に来るようにステージ500の移動を制御するが、実際には移動時に発生する誤差により、視野角FOVの視野中心Cがオーバーレイターゲットの中心から外れることがある。
【0089】
したがって、このような誤差を、第1パターン測定ステップS120で測定し、オフセット算出ステップS130で算出することができる。例えば、
図9のように、測定された第1収集型オーバーレイターゲットA-1が視野角FOVの視野中心Cから離隔し得、このときの第1収集型オーバーレイターゲットA-1のターゲット座標を(x,y)として算出することができる。
【0090】
このとき、収集型オーバーレイ計測ステップS100は、複数のオーバーレイターゲットTのうちの第1収集型オーバーレイターゲットA、第2収集型オーバーレイターゲットA~第n収集型オーバーレイターゲットAを測定し、レンズ部200の視野中心Cからそれぞれの収集型オーバーレイターゲットAが離隔した第1ターゲット座標、第2ターゲット座標~第nターゲット座標を収集できるように、計測を繰り返して行うことができる。
【0091】
収集型オーバーレイ計測ステップS100は、複数形成された収集型オーバーレイターゲットAを繰り返して測定することができ、例えば、
図8のように、第1ステージ移動ステップS110において、第1収集型オーバーレイターゲットA-1がレンズ部200の下方に位置するようにステージ500を移動させ、第1パターン測定ステップS120において第1収集型オーバーレイターゲットA-1を測定し、オフセット算出ステップS130において、第1収集型オーバーレイターゲットA-1が視野中心Cから離隔した第1ターゲット座標の距離を算出することができる。
【0092】
このように算出された前記第1ターゲット座標を格納し、第1収集型オーバーレイターゲットA-1と異なる位置に形成された、
図9のように、第2収集型オーバーレイターゲットA-2を同様の方法で計測し、第2ターゲット座標を算出して格納することができる。
【0093】
このとき、複数のオーバーレイターゲットTのうちの収集型オーバーレイターゲットAは予め設定されてもよく、ウエハ別に異なってもよい。
【0094】
また、収集型オーバーレイターゲットAの計測順序は、予め設定された順序で測定することができ、好ましくは、ウエハWの中心部から縁部に向かう方向に測定することができる。
【0095】
例えば、収集型オーバーレイ計測ステップS100において、第1収集型オーバーレイターゲットA、第2収集型オーバーレイターゲットA~第n収集型オーバーレイターゲットAは、ウエハWの中心から最も近いサイトから、ウエハWの中心から遠ざかる順に設定され得る。
【0096】
例えば、
図8のように、ウエハWの中心部に形成されたオーバーレイターゲットTを第1収集型オーバーレイターゲットA-1として設定し、
図9のように、第1収集型オーバーレイターゲットA-1から最も近くに形成されたオーバーレイターゲットTを第2収集型オーバーレイターゲットA-2として設定することができる。
【0097】
したがって、第1収集型オーバーレイターゲットA-1、第2収集型オーバーレイターゲットA-2を測定し、次いで、第3収集型オーバーレイターゲットA-3、第4収集型オーバーレイターゲットA-4、第5収集型オーバーレイターゲットA-5を測定することができる。
【0098】
すなわち、収集型オーバーレイ計測ステップS100において、ウエハWの中心から最も近いサイトに位置する第1収集型オーバーレイターゲットA-1が形成された位置にステージ500が移動して第1収集型オーバーレイターゲットA-1を計測し、ウエハWの中心から2番目に近いサイトに位置する第2収集型オーバーレイターゲットA-2が形成された位置に前記ステージ500が移動して前記第2収集型オーバーレイターゲットA-2を計測することができ、これによって、初期の載置時に発生する誤差及びステージ500の移動時に発生する誤差により互いに異なって計測される前記第1ターゲット座標及び前記第2ターゲット座標を算出することができる。
【0099】
図3に示されたように、補正値算出ステップS200は、ステージ500の移動時に発生する誤差を補正するために、前記ターゲット座標を介して補正値を算出するステップである。
【0100】
複数形成された収集型オーバーレイターゲットAを繰り返して測定する場合、補正値算出ステップS200は、収集型オーバーレイ計測ステップS100で繰り返して測定された複数のターゲット座標と前記レンズ部の視野中心との離隔距離の平均を補正値として算出することができる。
【0101】
すなわち、繰り返して測定された収集型オーバーレイターゲットAのPR(pattern recognition)オフセットをSix param modelingして補正値を算出することができる。例えば、ウエハでPRオフセットを用いて、変化した移動(translation)、回転(rotation)、範囲(scale)成分を算出することができる。
【0102】
すなわち、第1ターゲット座標、第2ターゲット座標~第nターゲット座標の平均値を補正値として算出して、後述する適用型オーバーレイ計測ステップS300に適用することができる。
【0103】
図3に示されたように、適用型オーバーレイ計測ステップS300は、前記補正値を適用してステージ500を移動させ、レンズ部200で複数のオーバーレイターゲットTのうち少なくとも1つ以上の適用型オーバーレイターゲットBを測定し、適用型オーバーレイターゲットBのオーバーレイ値を計測するステップである。
【0104】
具体的には、
図4に示されたように、適用型オーバーレイ計測ステップS300は、第2ステージ移動ステップS310及び第2パターン測定ステップS320を含むことができる。
【0105】
第2ステージ移動ステップS310は、レンズ部200が適用型オーバーレイターゲットBが形成されたサイトの上方に位置するようにステージ500を移動させる際に、前記補正値を適用してステージ500を移動させるステップであり、第2パターン測定ステップS320は、レンズ部200及び検出部300で適用型オーバーレイターゲットBを測定するステップである。
【0106】
例えば、第2ステージ移動ステップS310は、 第1適用型オーバーレイターゲットB-1が視野角FOVの中心に位置するように移動することができる。このとき、ステージ500の移動は、補正値算出ステップS200で算出された前記補正値を適用して移動し、第2パターン測定ステップS320を行うことができる。
【0107】
したがって、第1適用型オーバーレイターゲットB-1が視野中心Cから離隔して計測され得る。このとき、第1適用型オーバーレイターゲットB-1が視野中心Cから離隔した距離は、収集型オーバーレイターゲットAが視野中心Cから離隔した距離よりも小さくなり得る。
【0108】
例えば、
図8及び
図9でのように、前記補正値が適用されていない収集型オーバーレイターゲットAを測定した場合よりも、
図10のように、前記補正値が適用された適用型オーバーレイターゲットB-1を測定した場合に、前記補正値をステージ500の移動時に適用したので、視野中心Cにさらに近接して計測され得る。
【0109】
すなわち、ウエハWに形成された数多くのオーバーレイパターンが形成されたオーバーレイターゲットTのうち予め設定された収集型オーバーレイターゲットAからオフセット値を算出し、オーバーレイターゲットTのうちの残りの適用型オーバーレイターゲットBに補正値として適用することによって、ウエハWの全体的なオーバーレイ計測速度が速くなり、工程時間が減少することができる。
【0110】
このとき、適用型オーバーレイ計測ステップS300は、複数のオーバーレイターゲットTのうちの第1適用型オーバーレイターゲットB、第2適用型オーバーレイターゲットB~第n適用型オーバーレイターゲットBを測定するように繰り返して行うことができる。
【0111】
適用型オーバーレイ計測ステップS300は、複数形成された適用型オーバーレイターゲットBを繰り返して測定することができ、例えば、
図4のように、第2ステージ移動ステップS310において、 第1適用型オーバーレイターゲットB-1がレンズ部200の下方に位置するようにステージ500を移動させ、第2パターン測定ステップS320において 第1適用型オーバーレイターゲットB-1を測定することができる。
【0112】
このとき、第2ステージ移動ステップS310は、第1適用型オーバーレイターゲットB、前記第2適用型オーバーレイターゲットB~前記第n適用型オーバーレイターゲットBの測定のためのステージ500の移動時に、それぞれ前記補正値を適用することができる。
【0113】
または、適用型オーバーレイ計測ステップS300の後に、補正値算出ステップS200を繰り返すことができる。
【0114】
具体的には、適用型オーバーレイ計測ステップS300において、適用型オーバーレイターゲットBが視野中心Cを基準として離隔した追加のターゲット座標の距離を算出し、補正値算出ステップS200において、前記追加のターゲット座標を適用して前記補正値を算出することができる。
【0115】
すなわち、収集型オーバーレイ計測ステップS100で算出された前記ターゲット座標と適用型オーバーレイ計測ステップS300で算出された前記追加のターゲット座標の両方を適用して前記補正値が算出され得る。
【0116】
また、適用型オーバーレイ計測ステップS300の後に、補正値算出ステップS200を繰り返すことによって、前記追加のターゲット座標が累積し、これによって、前記補正値が継続してアップデートされて、オーバーレイの計測が続くほど、視野中心Cに次第に収束することができる。
【0117】
例えば、
図10乃至
図11のように、第1適用型オーバーレイターゲットB-1を測定する場合よりも、第2適用型オーバーレイターゲットB-2を測定する場合に、オーバーレイターゲットTが視野中心Cにさらに近く位置することができる。
【0118】
このとき、複数のオーバーレイターゲットTのうちの適用型オーバーレイターゲットBは予め設定されてもよく、ウエハ別に異なってもよい。
【0119】
本発明の一実施例に係るオーバーレイ計測方法は、
図6に示されたように、収集型オーバーレイ計測ステップS100の前に、レンズ部200及び検出部300でウエハWに形成されたグローバルマークGMを測定してウエハWの基準座標を算出するウエハ座標算出ステップS400をさらに含むことができる。
【0120】
ウエハ座標算出ステップS400は、ステージ500の上部にウエハWが載置された後にウエハWの定位置を確認するステップである。
【0121】
例えば、ウエハWがステージ500の上部において定位置に載置されない場合、その後に計測される複数のオーバーレイターゲットTの計測位置は全てずれ得る。したがって、ウエハ座標算出ステップS400でウエハWの位置を確認し、ウエハWが定位置に位置していない場合、基準座標を格納して、その後に計測される複数のオーバーレイターゲットTに適用することができる。
【0122】
すなわち、補正値算出ステップS200において、ステージ500とウエハWとの誤整列を補正するために、前記補正値に前記基準座標を適用して算出することができる。
【0123】
上述によれば、本発明のオーバーレイ計測装置及びオーバーレイ計測方法は、初期の測定でステージの移動によるオフセット値を測定し、これをその後の測定に反映することで、ウエハの誤整列による補正と、ステージの移動時に発生する誤差を補正し、測定の度に発生する誤差を減少させることができ、これによって、測定の正確度が高くなり、オーバーレイパターンが形成されたサイトが測定位置に移動する時間及び距離を節約し、作業者の工数を削減することができる。また、作業者個人の能力に大きく影響を受けていた最適化結果を、データを基盤とした自動最適化により、一貫した結果の導出が可能である。
【0124】
本発明は、図面に示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるということが理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0125】
A 収集型オーバーレイターゲット
B 適用型オーバーレイターゲット
GM グローバルマーク
T 複数のオーバーレイ計測ターゲット
W ウエハ
100 光源部
110 絞り
120 スペクトルフィルター
140 ビームスプリッタ
200 レンズ部
210 対物レンズ
220 レンズ焦点アクチュエータ
300 検出部
400 制御部
500 ステージ